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1984-02-22 第101回国会 衆議院 法務委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十九年二月二十二日(水曜日) 午後零時三十六分
開議
出席委員
委員長
宮崎
茂一君
理事
亀井 静香君
理事
高村 正彦君
理事
森 清君
理事
天野 等君
理事
稲葉
誠一
君
理事
石田幸四郎
君
理事
三浦 隆君
井出一太郎
君
衛藤征士郎
君
熊川
次男
君
高鳥
修君 谷垣 禎一君 丹羽 兵助君 長谷川 峻君
小澤
克介
君 佐藤 観樹君 神崎 武法君 中村 巖君 伊藤 昌弘君
野間
友一
君 林 百郎君
出席国務大臣
法 務 大 臣 住 栄作君
出席政府委員
法務政務次官
関口
恵造
君
法務大臣官房長
根岸 重治君
法務大臣官房会
計課長 村田 恒君
委員外
の
出席者
法務委員会調査
室長 藤岡 晋君
—————————————
委員
の異動 二月十日
辞任
補欠選任
上村千一郎
君
石原慎太郎
君
衛藤征士郎
君
玉置
和郎
君
大西
正男
君
原田
憲君
熊川
次男
君
武藤
嘉文
君
高鳥
修君
田中
龍夫
君 同日
辞任
補欠選任
石原慎太郎
君
上村千一郎
君
田中
龍夫
君
高鳥
修君
玉置
和郎
君
衛藤征士郎
君
原田
憲君
大西
正男
君
武藤
嘉文
君
熊川
次男
君 同月十三日
辞任
補欠選任
衛藤征士郎
君
武藤
嘉文
君 同日
辞任
補欠選任
武藤
嘉文
君
衛藤征士郎
君 同月十四日
辞任
江田 五月君 同日
補欠選任
小澤
克介
君
—————————————
二月十日
裁判所職員定員法
の一部を
改正
する
法律案
(内 閣提出第四号) 同月二十日
再審被告
の
即時釈放
に関する請願(
稲葉誠一
君
紹介
)(第一八五号) 同(
野間友一
君
紹介
)(第一八六号) 同(林百郎君
紹介
)(第一八七号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
法務行政
、
検察行政
、
国内治安
及び
人権擁護
に 関する件 ————◇—————
宮崎茂一
1
○
宮崎委員長
これより
会議
を開きます。
法務行政
、
検察行政
、
国内治安
及び
人権擁護
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
法務行政等
の当面する諸問題について
住法務大臣
から
説明
を聴取いたします。
住法務大臣
。
住栄作
2
○
住国務大臣
委員各位
には、平素から
法務行政
の適切な
運営
につき、
格別
の御尽力をいただき、厚くお礼申し上げます。 私は、昨年末、図らずも
法務大臣
に就任いたしました。
我が国
の内外にわたり極めて厳しい問題が山積しているこの時期に当たり、その職責の特に重大であることを痛感いたしております。
委員長
初め
委員各位
の
格別
の御
理解
と御
協力
を賜りまして、
法務行政
の
運用
に遺憾なきを期してまいりたいと存じますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 この
機会
に
法務行政
に関する
所信
の
一端
を申し述べたいと存じます。 改めて申し上げるまでもなく、
法務行政
の
使命
は、
法秩序
の
維持
と
国民
の
権利
の
保全
にあると考えております。
国民生活
の安定を確保し、
国家社会
の平和と繁栄を図るためには、その基盤とも言うべき
法秩序
が揺るぎなく
維持
され、
国民
の
権利
がよく
保全
されていることが肝要と存じます。私は常にこのことを念頭に置き、全力を傾注して
国民
の期待する
法務行政
の
推進
に努めてまいりたいと存じております。 以下、当直の
重要施策
について申し述べます。 まず第一に、
法秩序
の
維持
についてであります。 最近における
我が国
の
犯罪情勢
は、全般的には平穏に推移していると認められますものの、
犯罪
の
発生件数
は近時漸増の
傾向
にあり、これを
内容
的に見ましても、
保険金目当て
の殺人、
身の代金目的
の誘拐、
金融機関強盗等
の
目的
のためには手段を選ばぬ
凶悪事犯
の多発や、
コンピューターシステム等
を利用した新たな形態の
犯罪
の
発生
を見ているほか、涜職、
脱税等
の
国民
の社会的不
公正感
を助長する
犯罪
も後を絶たず、
覚せい剤事犯
が引き続き
一般国民
の間に広く拡散浸透しつつある上、
少年非行
も依然増加の一途をたどっており、右翼諸
団体
や
過激派集団
の動向にも予断を許さぬものがあるなど、今後の推移には警戒を要するところが少なくないと存じます。 私は、このような事態に的確に対処するため、
検察体制
の一層の
整備充実
に意を用い、適正妥当な
検察権
の行使に遺憾なきを期し、良好な
治安
の確保と
法秩序
の
維持
に努めてまいる
所存
であります。 なお、
刑法
の
改正
につきましては、かねてから
政府案作成
のための作業を進めているところでありますが、
刑法
が国の重要な
基本法
の一つであることにかんがみ、
国民各層
の
意見
をも十分考慮しつつ、真に
現代社会
の要請にかなう新しい
刑法典
をできる限り早期に実現すべく努力してまいりたいと考えております。 第二は、
矯正
及び
更生保護行政
についてであります。
犯罪者
及び
非行少年
の
改善更生
につきましては、刑務所、
少年院等矯正施設
における
施設内処遇
を一層
充実強化
するとともに、仮釈放の適正な
運用
を図り、また、
保護観察等
の
社会内処遇
において、引き続き保護司との
協働態勢
を強化し、
関係機関団体
との連携をさらに緊密にして、広く
国民
の
理解
と
協力
を得つつ、現下の
情勢
に即した有効、適切な
更生保護活動
を展開してまいりたいと考えております。 なお、
監獄法
の
全面改正
を図るための
刑事施設法案
につきましては、第九十六回
国会
に提出し、以後
継続審査
の扱いとされておりましたところ、昨年十一月衆議院が解散されたことに伴い、廃案となったのでありますが、同
法案
は、
刑事施設
の適正な
管理運営
を図り、被
収容者
の
人権
を尊重しつつ、
収容
の性質に応じた適切な
処遇
を行うことを
目的
として、被
収容者
の
権利義務
に関する事項を明らかにし、その
生活水準
の保証を図り、
受刑者
の
改善更生
を期する
制度
を
整備
するなど、被
収容者
の
処遇全般
にわたって大幅な
改善
をしようとするものであります。 同
法案
につきましては、
法案提出
後、
日本弁護士連合会等
から、幾つかの点について批判がなされていることもあり、昨年二月以降、
日本弁護士連合会
との間で、鋭意
意見
の交換を重ねているところでありますが、
法案
の
内容
について
国民各層
の
理解
を得るよう配意しつつ、できる限り早い
機会
に再提出いたしたいと考えております。 第三は、
民事
及び
人権擁護等
の
行政
についてであります。
一般民事行政事務
は、
登記事務
を初めとして量的に逐年増大し、また、質的にも
複雑多様化
の
傾向
にあります。これに対処するため、かねてから種々の方策を講じてきたところでありますが、今後とも
人的物的両面
における
整備充実
に努めるとともに、組織・機構の
合理化
、
事務処理
の
能率化
・
省力化等
に意を注ぎ、適正迅速な
事務処理体制
の確立を図り、
国民
の
権利保全
と
行政サービス
の
向上
に努めてまいる
所存
であります。 なお、
民事関係
の立法につきましては、
国籍制度
の
改善合理化
のため、
国籍法
の
改正
についてかねてから
法制審議会
において
審議
が行われてまいりましたが、明日開催されます総会において
答申
がなされる見込みであり、また、
国籍法
の
改正
に伴う
戸籍法
の
改正
についても、
民事行政審議会
において
審議
され、既にその
答申
を得ておりますので、これらの
答申
の趣旨に沿って速やかに準備を進め、今
国会
に
改正法律案
を提出して
審議
をお願いしたいと考えております。 次に、
人権擁護行政
につきましては、
国民
の
基本的人権
の保障をより確かなものとするため、
基本的人権
が侵されることのないよう万全を期する一方、正しい
人権思想
をより徹底させるため、各種の一般的な
啓発活動
を行うほか、
人権相談
や
人権侵犯事件
の
調査
・
処理
を通じて
関係者
の
啓発
を図るとともに、
被害者
の救済にも努めてまいる
所存
であります。 中でも、いわゆる
差別事象
につきましては、
関係
各省庁と緊密な連絡をとりながらその根絶に寄与してまいる
所存
であります。 次に、
訟務行政
につきましては、国の利害に
関係
ある
争訟事件
は、近時の
複雑多様化
した
社会情勢
と
国民
の
権利意識
の高揚を反映して、社会的、法律的に新たな問題を内包する
事件
が増加しており、その結果いかんが国の政治、
行政
、
経済等
の各分野に重大な影響を及ぼすものが少なくありませんので、今後とも
事務処理体制
の
充実強化
を図り、この
種事件
の適正、円滑な
処理
に万全を期するよう努めてまいりたいと存じます。 第四は、
出入国管理行政
についてであります。
我が国
の
国際的地位
の
向上
と
国際交流
の拡大に伴い、
我が国
に出入国する者の数は逐年増大し、また、
日本
に在留する
外国人
の
活動範囲
やその
内容
も一層
複雑多様化
しており、
出入国管理行政
の
重要性
はますます高まっております。 このような
情勢
を踏まえ、
国際協調
の一層の
推進
を図りつつ、
我が国
の
出入国管理行政
に課せられた
使命
の遂行に努める
所存
であります。 最後に、
法務省
の
施設
につきましては、昨年に引き続いて
整備
を促進し、
事務処理
の
適正化
と
執務環境
の
改善
を図りたいと考えております。 以上、
法務行政
の当面の
施策
について
所信
の
一端
を申し述べましたが、
委員各位
の御
協力
、御支援を得まして、重責を果たしたい
所存
でありますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
宮崎茂一
3
○
宮崎委員長
この際、
委員長
から申し上げますが、
昭和
五十九年度
法務省関係予算
及び
昭和
五十九年度
裁判所関係予算
につきましては、お手元に配付してあります
関係資料
をもって
説明
にかえさせていただきますので、御了承願います。 この際、
関口法務政務次官
から発言を求められておりますので、これを許します。
関口法務政務次官
。
関口恵造
4
○
関口政府委員
このたび、
法務政務次官
に就任いたしました
関口恵造
でございます。
時局柄
、大任ではございますが、
住法務大臣
のもとに、よき
補佐役
として、時代に即応した
法務行政
の
推進
のため、微力ではありますが、最善を尽くしてまいりたいと存じております。何とぞよろしく御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。 簡単ではございますが、ごあいさつといたします。(拍手)
宮崎茂一
5
○
宮崎委員長
次回は、来る二十九日水曜日午前九時四十五分
理事会
、午前十時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十七分散会