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角屋委員 今極めて役人的なといいますか、全く機械的なといいますか、そういう
答弁だと私は率直に思うのです。なぜなら、
恩給法で物を考える場合でも、これから私が取り上げたいと思う戦時中の戦務加算の一カ月を二カ月にするとか二カ月を三カ月にするというのは、当時軍が現に存在して決めたもので、戦後もう相当たったこの時期に直してくれという問題を取り上げる場合は、前に大本営を含めて取り扱った問題の物指しがあって、それを変えるというのは非常に難しい点が私はあると思う。ところが、戦争が終わって、そしてとにかく
日本に帰ってくる前にいろいろな
条件のもとで抑留されて苦労しながら帰ってくるという問題は、その状況が国によっては千差万別である。戦務甲があり戦務乙があると同じように、抑留の深刻さの度合いによって一カ月にするのか、一カ月にプラスをする地域をつくるかというのは、これは我々
自身の時代が考えていいことなんだ。決してそれば固定したものではない。そういう点で今の
答弁というのは官僚的な
答弁であって、これはひとつそのことを含めた検討を積極的にやってもらいたいというふうにとどめます。
〔深谷
委員長代理退席、戸塚
委員長代理着席〕
これから私が取り上げるのは、それとは違って戦時中の問題で、取り上げる点では困難な
条件を含んでおります。軍人恩給改定に関する請願というのはたくさん来ておりますけれ
ども、一つは中支方面から、従来の戦務加算の乙を戦務加算の甲にしてもらいたいということで来ておる問題がございます。
陳情の代表的なものとしては、元中支那
関係第一線部隊全国連盟代表者片山聞造さんで来ておるものと、同じ
趣旨で、私
どもの地元の
関係で私がよく
承知をしておる
関係では、元中支那
関係第一線部隊全国連盟の元歩兵第三十三連隊伊勢市地区代表者として玉田正蔵さんといったような
関係者からも「軍人恩給改訂に関する請願書」というのが来ております。
私は、学校を上がってから旧満州におりまして役人をやっておった
関係がございますし、また、今取り上げました中支那の
関係は、大東亜戦争の初期は将校、小隊長として当時フィリピンに行っておったわけですが、戦争が終わる十九年から二十年にかけては中支で中隊長をしておったという
関係で、こういった元中支那
関係第一線部隊全国連盟から出ておる戦務加算の
引き上げの問題は、実感としてわかるのであります。私はフィリピンにもおった、それから中国にも戦線でおった。戦いの様相については、幹部でありますからいずれの状態もよく
承知をしておる。そういう点から見て、中支那から出されておる
関係の要望は、詳細には時間の
関係上触れませんけれ
ども、これは
引き上げて当然の
実態にあったと私は思っておるわけです。
ただ、
先ほどのシベリアの抑留というのは、一カ月にするか二カ月にするかということは、我々
自身が考えればいいフリーハンドがある。しかし、戦時中の戦務甲とか戦務乙とかいろいろな点は、当時大本営が、陸、海それぞれ仕分けをして、事細かに時期的に区分してやってきたという
経緯がある。これを今の時代になって変えるということは、極めて困難な障害
条件が私は率直に言ってあると思う。
しかし私は、あの例の戦務加算甲、乙の一覧表をずっと時期的に見ておりまして、これは私の受けとめ方ですが、大本営の物差しは、南方方面というのは状態が非常にシビアな場合も島によっては平静な場合もすべてこれは三月で埋め尽くされておる。私がおったフィリピンも同様である。ところがだんだん本土に近づくに従って、玉砕した地域もあるにもかかわらずそこは三カ月ということにはなっていない。北の千島の方面に及んでも同様なことが言える。中国も同様である。本土に近づくに従って、いわゆる本土がどんどんやられてくる、激戦が起こる、玉砕をするという
事態のところでも三カ月と取り扱っておらぬ。大本営は本土に近いところでやられたとは言われたくない、そこを三カ月にするとかいうようなことは、激戦を認め、場合によっては玉砕を認めるということにならざるを得ないというような感じを私は今日持つものであります。
もっと公平な
立場で考えれば、本土に近いところといわず、あるいは中国、満州といわず、あるいは南方といわず北の島といわず、だれが見てもこれは当時の戦務加算で二カ月である、三カ月であるという客観性の物差しは可能であるというふうに私は思うのです。そういう点から見て、ここに出てきておる元中支那
関係第一線部隊全国連盟の片山さんから出ておる問題というのは十分検討するべき問題である、また改定をする要素を含んだ問題であるというふうに私は受けとめておる。私はフィリピンにもおったし、同時に中支にもおった、戦線の
実態については両方とも
承知しておる、そういう
立場で私は申し上げる。当時の大本営の物差しは、そういう点で本土に近いものについては非常に認めがたい、そういう
姿勢にあったのではないかとさえ考える。そういう
立場から見れば、これは我々の時代に変えていいことであるというふうにも思うのであります。
そういう点について
関係者からのいろいろな
意見が出ておりますけれ
ども、
お答えを願いたい。これは
総務長官から答えてもらいたい。もう事務官僚ではだめです。