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1984-07-18 第101回国会 衆議院 逓信委員会大蔵委員会社会労働委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年七月十八日(水曜日)     午前九時三十一分開議 出席委員  逓信委員会   委員長 志賀  節君    理事 加藤常太郎君 理事 戸井田三郎君    理事 畑 英次郎君 理事 吹田  愰君    理事 鈴木  強君 理事 武部  文君    理事 竹内 勝彦君 理事 西村 章三君       足立 篤郎君    亀岡 高夫君       近藤 元次君    左藤  恵君       佐藤 守良君    額賀福志郎君       野中 広務君    渡辺 紘三君       伊藤 忠治君    中村 正男君       松前  仰君    小谷 輝二君       中井  洽君    永江 一仁君       佐藤 祐弘君  大蔵委員会   委員長 瓦   力君    理事 越智 伊平君 理事 中村正三郎君    理事 野口 幸一君 理事 坂口  力君    理事 米沢  隆君       大島 理森君    田中 秀征君       東   力君    平沼 赳夫君       村上 茂利君    山岡 謙蔵君       川崎 寛治君    戸田 菊雄君       矢追 秀彦君    安倍 基雄君       正森 成二君    簑輪 幸代君  社会労働委員会   委員長 有馬 元治君    理事 愛知 和男君 理事 稲垣 実男君    理事 丹羽 雄哉君 理事 村山 富市君       伊吹 文明君    自見庄三郎君       谷垣 禎一君    友納 武人君       長野 祐也君    西山敬次郎君       野呂 昭彦君    浜田卓二郎君       箕輪  登君    河野  正君       森井 忠良君    大橋 敏雄君       沼川 洋一君    森本 晃司君       小渕 正義君    塚田 延充君       浦井  洋君    小沢 和秋君       江田 五月君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 竹下  登君         厚 生 大 臣 渡部 恒三君         郵 政 大 臣 奥田 敬和君         労 働 大 臣 坂本三十次君  出席政府委員         大蔵大臣官房審         議官      大山 綱明君         大蔵大臣官房審         議官      角谷 正彦君         大蔵主計局次         長       保田  博君         大蔵省主税局長 梅澤 節男君         大蔵省理財局次         長       中田 一男君         大蔵省証券局長 佐藤  徹君         厚生省年金局長 吉原 健二君         通商産業省機械         情報産業局長  木下 博生君         郵政政務次官  関谷 勝嗣君         郵政大臣官房長 二木  實君         郵政省通信政策         局長      奥山 雄材君         郵政省電気通信         局長      小山 森也君         労働大臣官房審         議官      白井晋太郎君         労働省労政局長 谷口 隆志君         労働省職業安定         局高齢者対策部         長       守屋 孝一君         自治省税務局長 矢野浩一郎君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     真藤  恒君         日本電信電話公         社総裁理事   岩下  健君         日本電信電話公         社職員局長   外松 源司君         日本電信電話公         社厚生局長   中原 道朗君         大蔵委員会調査         室長      矢島錦一郎君         社会労働委員会         調査室長    石黒 善一君         逓信委員会調査         室長      長崎  寛君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本電信電話株式会社法案内閣提出第七二号  )  電気通信事業法案内閣提出第七三号)  日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の  施行に伴う関係法律整備等に関する法律案  (内閣提出第八〇号)      ――――◇―――――
  2. 志賀節

    志賀委員長 これより逓信委員会大蔵委員会社会労働委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行います。  日本電信電話株式会社法案電気通信事業法案及び日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法施行に伴う関係法律整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。     ―――――――――――――  日本電信電話株式会社法案  電気通信事業法案  日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法施行に伴う関係法律整備等に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  3. 志賀節

    志賀委員長 各案についての提案理由説明は、お手元に配付してあります資料によって御了承願うこととし、直ちに質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。戸田菊雄君。
  4. 戸田菊雄

    戸田委員 電電改革法案について質問いたします。今まで多くの問題について大体触れられてきておるようでありますが、きょうは事業計画収支見通しについてまず伺ってまいりたいと思います。  今度の新会社移行による支出増はどのくらいありますか、まずその点からお伺いします。
  5. 岩下健

    岩下説明員 お答えいたします。  支出の増の一番端的なものは税の負担でございます。これにつきまして、大綱は既に御審議いただいております法案に盛られてはおりますが、政省令等確定を待って出るものがございますが、この時点マクロ的な算定をいたしますと、至近決算でございます五十七年度の収支差額利益ベース基礎にして算定いたしますと、おおよそ二千億程度税負担の増になろうかと思っております。そのほかに、今まで法律をもって除外をされておりました各種社会保険料、特に雇用保険あるいは労災保険の適用によります増加分が約百七十ないし百八十億円程度ございます。それから地方地方といいますか、道路に私ども電柱あるいは管路マンホール等設置をしておりますけれども、これは従来無料でございました。これについて一般企業並み、特に電力、ガス事業並みのいわゆる道路占用料を支払うことになりますと、この算定も現在建設省でやっておりますけれども、三百億前後の支出の増があろうかと現時点算定をしておるわけであります。
  6. 戸田菊雄

    戸田委員 税金関係総体でもって国税地方税合わせまして二千億見当、それから雇用保険労災保険百七十億ないし百八十億円、電柱敷地料おおむね三百億等々であります。これはケーブルを含んでおりますね。  それで、この税金関係でありますけれども国税はそのうちどのくらいになりましょう。それから地方税は、これは自治省ですが、どのくらいになりましょう。細目、税目に従ってひとつ発表していただけませんか。
  7. 岩下健

    岩下説明員 約二千億のうち国税地方税半々というふうにマクロ的に見ております。それぞれ税目ごと算定標準その他が、まだ政令の確定等を待ちませんと出てくるものがはっきりしないものがございますので、マクロ算定をいたしますと国、地方税それぞれ半々、千億程度ずつの増加というふうに現在考えております。
  8. 戸田菊雄

    戸田委員 そこで、自治省が来ていると思うのですが、これは地方税目ごとに、大体きのう資料要請しておりましたけれども税引き前の利益三千億、二千億、一千億、この場合の計数をひとつ示してください。
  9. 矢野浩一郎

    矢野政府委員 お尋ねの件は、このたび新会社なりますと、所得がございます場合に地方税として課税をされる法人住民税法人事業税のことと存じます。これは現実にどれだけ所得が出るかということは現段階ではもちろん明らかでございませんけれども、仮に、お示しのように一千億なり二千億なり三千億の利益が出ると仮定いたしますと、地方法人住民税法人事業税関係におきましては実効税率が一六・九四%、これらの利益に対して一六・九四%の割合課税をされるということになります。したがいまして、一千億の場合でございますと百六十九億円、二千億の場合でございますと三百三十九億円、三千億の場合でございますと五百八億円、こういう計算になるわけでございます。  なお、そのほかに固定資産税等負担があるわけでございます。固定資産税につきましても、耐用年数計算等具体的なことはまだ確定いたしておりませんが、従来納付されております納付金基礎となっておりますところの試算ベースに仮に算定をいたしてみますと、固定資産税の場合には九百七億円、事業所税で十億円、都市計画税で三十三億円、合計いたしますと約九百五十億円でございますが、一方納付金制度が廃止になります。納付金昭和五十八年度の場合で五百八十一億円ございますから、これを差し引きますと三百六十九億円、こういうぐあいに一応計算されるところでございます。
  10. 戸田菊雄

    戸田委員 国税の場合は正税ありますが、これはどういうことになっていますか。
  11. 岩下健

    岩下説明員 先ほど私がお答えいたしました、マクロでおおよそ二千億円としました根拠は、五十七年度の決算、これは至近のものでございますが、三千七百億円でございます。これに対して先ほど自治省から御答弁のございました固定資産税増加分を三百数十億、約四百億程度見込みまして、これは費用に計上されますので、その分だけ課税利益が減るわけでございますけれども、これに対して言われますいわゆる実効税率、現在五一%でございますが、これを掛けますと約二千億、こういう推計をしたわけでございます。その内訳は、おおよそ見ますと国税地方税半々くらいだろう。したがいまして、今お尋ね国税の三税、法人税その他に分けた形では、実はまだ各種政省令が決まっておりませんので細かい算定は今の時点ではしておりませんけれども法人税がその大宗を占めるということは当然でございます。
  12. 戸田菊雄

    戸田委員 ほかに二、三点質問しておきたいのですが、その一つは、収支差額はどのくらいと考えておりますか。それから経営見通し経営利益はどのくらい。ほかに資本金はどのくらいと考えていますか。それから配当、これはどう考えておりますか。
  13. 岩下健

    岩下説明員 まず、収支の見通してございますけれども、現在、資本金規模その他は設立委員会の決定を待って決まるというようなことで、いろいろ変動する要件がございます。ございますが、最近の私どもの五十七、八年度の公社ベースでの収支差額三千七百億円前後のものを上げておりますので、全体の基調というものは、少なくともこれが維持できる。また、今回の改革法によりまして、収入の増加策あるいは経費の節減策、これを十分取り入れますし、またとるつもりでおりますので、三千七、八百億から四千億程度の現在の公社制度もとにおける収支差額、これは十分維持できるし、また上げたいと思っております。そういたしますと、これから先ほど御説明いたしました税その他の負担を差し引きました結果が、最終的ないわば利益になるわけでございますけれども、したがって、配当につきましては、発足当初は経過的ないわば税負担といったようなものもございますので、正直言ってなかなかきついかと思っております。しかしながら、必要最小限度配当は十分できる。その結果、内部留保としましては数百億円のものが可能だろうと思っておりますし、またこれが二年目以降になりますと、今回の改革法によってできます経営諸条件、これは経営上の大きなメリットになるはずでございますから、これが徐々に浸透をしてまいりますので、収支両面においてこれがプラスの方に作用しまして業績を徐々に引き上げていくということも可能と思っております。  ただ、私どもとしましては、そういった業績の向上によります税引き後の利益あるいは配当後の利益がございますが、これをいたずらに大きく配当性向等を上げるということでなしに、いわば公益事業として一般企業並みのものは確保することは当然でございますけれども、それ以上に出ました余剰といいますか、これは当委員会でも総裁が言明しておりますように、料金遠近格差の是正、特に遠距離料金の引き下げにできるだけこれを振り向けられるように、そういった余剰といいますか、サーブラスを生み出すように努力してまいりたい、かように考えております。
  14. 戸田菊雄

    戸田委員 配当は商法上大体七%から一二%、こういうことになっていますね。非常識にわならない配当はやらなくてはいけないと思いますが、配当率はどのように考えていますか。
  15. 岩下健

    岩下説明員 現在私どもが一応ターゲットとしてねらっておりますのは、現在の一部上場企業の平均的な値であります一割配当程度のものはぜひできるようにしたい、こう思っております。ただ、立ち上がり早々は幾つかの税負担増加等によります当初のあれが少しきついかと思いますが、二年目以降、努力によりましてその線まで近づけていきたい、かように考えております。
  16. 戸田菊雄

    戸田委員 一割というと、一〇%ということで理解していいのですか。専売改革法案審議中で、今まで配当問題についてやはりいろいろ問題になりましたが、その返答は非常識にわならない、この範囲どのくらいかと言ったら一〇%ないし八%です、こう言っているのですね。おおむね八%ぐらいが希望するところですが、その点はひとつ、きょう一〇%ということでありますから、それを上回らない、下回るような配当で今後検討していただきたいと思うのです。  それで、結果的には、今、説明をされましたように、税金でおおむね三千億近くも取られるわけですね。なおかつ、内部留保あるいは配当等仮に一千億といっても、一〇%ですとこれは相当の配当になるわけですね。だから、こういうことになりますと結果的に内部留保配当等に占める割合はどのくらいになりますか、今の計算で。
  17. 岩下健

    岩下説明員 先ほど一割程度と申し上げましたが、今、先生指摘の私ども本当の気持ちは、八%ないし一〇%というふうに改めて訂正をさせていただきたいと思います。  そうしました場合に、会社後のいわゆる経常利益算定はなかなか難しゅうございますけれども、いわゆる配当性向といったものを考えました場合に、現在の大企業あるいは特にその中の公益事業と言われているものにつきまして、この辺の例も参考にしながら考えてまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、サープラスはできるだけ料金の、特に遠距離料金の値下げに回すということでお客様への還元を図りたいということが、私どもの基本的な考え方でございます。
  18. 戸田菊雄

    戸田委員 それで郵政大臣にお伺いしたいのですけれども、五十七年度の決算収支状況を見ますと、固定資産が九三%、九兆五千三百六億円。一方、資本構成固定負債は五一・七%ございますね、五兆二千九百五十五億円。それから利子等金融費用が一年当たり十一億ありますね。それから元利金支払いは年間一兆円強、まさに大きな負担だと思うのでありますが、五十七年末の総資本で十兆二千四百八十八億円、うち固定資産は前述のとおり、負債は五兆六千三百五十九億円、資本が四兆六千百二十九億円、これから設備負担金退職引き当てを引きますと、電政局長が我が党の同僚議員武部議員に答えているように、資本はおおむね一兆円見当、こういうことに相なります。  私は、五十九年の予算の資料もありますけれども、新会社移行のそういった全体像を出してくれ、こう言ったのだけれども、これは出てない。どうして出ないのですか。
  19. 奥田敬和

    奥田国務大臣 大変難しい御質問で、私ちょっと今お答えしかねますけれども、現在の電電公社は恐らく、新会社移行後の事業計画なり資金収支計画なり負担増なりという形についてはもう既に試算は行っておると思いますし、また、現在のところ、それを指導する立場にある郵政省としても、そういった意味計画プランといいますか、予想収支というものは恐らく手に持っておるものと思っております。できれば政府委員からこの件について答弁させます。
  20. 岩下健

    岩下説明員 先生の御指摘の五十九年度末の状況、これは確かにベースとして必要だと我々も考えております。ただ、現在のところ確定決算が五十七年度のものでございまして、五十八年度は取りまとめ中でございます。五十八年度の決算が最終的に確定をしました後、現在進行中の五十九年度の事業計画進捗状況、こういったものも加味いたしまして、この法案が成立しました後できますところの設立委員会、ここでそういった具体的の計数もとに、資本金規模を初めとしまして会社貸借対照表、こういったものをつくるという作業になるわけでございます。  現時点でごく大まかに言いまして、今、先生指摘の五十七年度末の総資本でございますけれども、五十七年度末で約十兆二千億円でございましたが、総資本つまり総資産の金額は年率大体四千数百億から五千億程度増加でございます。したがいまして、その程度のペースをもって五十八、五十九とさらに増加するだろうと考えておりますし、自己資本の比率も恐らくこの五十七年度をスタートにしまして二年間でさらに三ないし四千億程度増加は少なくともあろうかというふうに考えておるわけでございます。いずれにしましても法案の成立後、その辺の具体的な材料の確定を待ちまして早速私どもとしましても作業に入りたい、かように考えております。
  21. 戸田菊雄

    戸田委員 いずれにいたしましても、今言ったような資本状況財政状況なんでありますから、私今後の経営というものは非常に厳しいだろうと思うのです。  そこで問題になるのが経営自主性確保でございますが、資金運用は自由になる、あるいは負担吸収そういったものは要員の合理化でというようなことが臨調答申に載っておるわけです。こういった問題について郵政大臣はどういう見解をお持ちでございましょう。  それから、この点の経営状況についての見解大蔵大臣にもひとつお伺いをしておきたいと思う。
  22. 奥田敬和

    奥田国務大臣 今後民営に移管されるという事態を迎えたときに、確かに現在の数字上という形から見た場合においては、今日の電電が持っている資金力あるいは総資産あるいは収益力というものは、大変巨大企業と申しますか、そういった内容を含んでおると思っております。しかし、民間移行後必ずしも楽観できるものではないということは、今、先生が御指摘になったいろいろな税負担の増あるいは民間会社としてのいろいろな負担増等々考えますときに、労使双方本当効率化あるいはそういった企業内の合理化というものを積極的に推し進めていかなければならないと思っております。そういった形の中で、御指摘のように新電電に対しまして、そういった観点から今回の法案を御審議願う過程におきましても、当事者能力を付与して労使双方自主能力というものを最高度に発揮していただこうという形で、今日いろいろな意味で政治的な政府関与をできるだけ抑制して御審議願っておるということも、まさにこういった観点からでございます。
  23. 竹下登

    竹下国務大臣 今までいろいろ御議論を聞いておりましても、例えば五十七年度の実績をもとにして各種、今も郵政大臣からお話のありました国税地方税等々五十七年を前提に置いたり、あるいは千億、二千億、三千億とこういうような利益前提に置いたりしての御議論があることは私も承知をいたしております。今日までの電電公社の歩みの中で、私どもとしてはもとより期待をしておることは事実でございますが、その期待の裏づけはされば何かと申しますならば、結局労使双方に対して政府関与を可能な限り排し、その自主性当事者能力等々の濶達な議論の中で期待されるような方向に行くことを私どももまた期待し、そういう姿勢で臨まなければならぬ、こういう基本的な認識であります。
  24. 戸田菊雄

    戸田委員 総裁はどういう見解を持っていますか。
  25. 真藤恒

    真藤説明員 今度この法案を御承認いただきますと、すべて経営の責任は私どもの肩に乗ってくるわけでございまして、したがって、今、両大臣がおっしゃいましたように、これから本当労使の間の前向きな話し合いということが非常に大事なものになってまいります。そういう意味で、またそれを通じてのみさらに現状よりも効率性を考慮することができる、またそれを通じてのみ世の中のユーザーの皆様によりよいサービスを、より適切に供給することができると考えておりまして、こういう装置産業でございますので、労使関係というものが経営の基本問題になるというふうに心得ております。
  26. 戸田菊雄

    戸田委員 そこで、株式問題について若干質問しておきたいのであります。  会社法関係法で参りますと、政府は三分の一以上保有、売り株は三分の二以下、資本金はおおむね一兆円見当。三分の二の株式を恐らく一挙に売却することはないと思うのですけれども、そのときの政府の都合で、漸次状況を見ながらこれを処分するということになると思うのでありますが、その処分方式についてはどういうふうにお考えでしょうか。これは郵政大臣、どうですか。
  27. 奥田敬和

    奥田国務大臣 今、新会社設立法案を御審議願っていることでございますが、今、御指摘になったような資本金規模等々は、この法案通過を待って設立委員によって総資本勘定なりそういった形の中から当然想定されるわけでございますが、先生の一兆円規模と言われる形は今日の電電内容からいっておおむね適当な数字ではなかろうかと推定しておる次第でございます。  しかし、株を売却するという形に当たっては、政府保有株三分の一以上ということになっておりますから、その余分の形は売却するということになろうかと思います。しかし私どもは、今回の法案提出に当たりましては、この法案の趣旨はあくまでも財政再建、赤字補てんという形のための民営化法案ではございません、そういう形を基本的に認識しておく必要がございます。そういった意味で、株の売却に当たっての基本姿勢としては、公社自体が今日の資産形成と申しますか、国民利用負担による今日の公社資産形成の沿革、歴史を考えるときに、これらの株売却並びにそれに伴う売却益処分に当たっては、そういった点もよく十分に勘案をいたしまして慎重に当たらなければならないと自覚しているところでございます。
  28. 志賀節

    志賀委員長 委員長から戸田委員に御了解を得たいと思いますこと一つございます。  実は、既に逓信委員会におきまして新電電株式の発行の規模ないしその発売の方法、時期等々につきましての御質問がございました。これについては目下事務当局で検討中でございまして、そのお答えをいまだにその御質問になった委員には政府当局からなされていない段階でございます。したがいまして、これは一括してお答えをするという段取りに相なっておりますので、そのときに譲らしていただきたいと思うのでございます。このことにつきましては、既に逓信委員会理事会におきましても、社会党の理事にも御了解済みのことでございます。その他与野党ともに御了解済みのことでございますので、このことをあらかじめ申し上げさせていただきたいと思います。
  29. 戸田菊雄

    戸田委員 今、委員長が言われたことは、私も逓信委員会での審議状況は伺っておりますから、これは知っているのですよ。僕の質問、これからやるのは別な方向なんです。  しかし、本問題にちょっと私も意見として申し上げておきたいのですけれども、今日まで逓信委員会では、本問題について、売却方の明快な答弁がなくて審議がストップしたような状況もあるわけですね。そこで逓信委員会としては、政府統一見解を出させるということで今日に至っております、こういうのが今の委員長状況説明だと思うのですね。  私は、今、郵政大臣に伺った内容について、さらに株式の、いわゆるKDDあたりでは何か二十倍ぐらいする、こういうことを言われているのですが、電気通信事業も極めて成長産業でありますから、そういう意味合いから、非常に高値がついてくるだろうというふうに想像できますが、これはどの程度のものと、こう考えておりますか。その見通しはどうですか。これは委員長、いいでしょう。
  30. 小山森也

    ○小山政府委員 これにつきましては、非常に株の売却、そのときの資金状況、いろいろ市場その他の問題がございまして、私どもいろいろ検討はいたしておりますけれども、それはどの程度になるかということまではちょっとまだ結論を得てない次第でございます。
  31. 戸田菊雄

    戸田委員 時間がありませんから再度質問はいたしませんが、想定するに、KDDが二十倍というなら……(「四十倍」と呼ぶ者あり)四十倍ですか。四十倍というのなら、これは最低どうですか、数十倍になるのじゃないですか。だからKDD並みにいくということになれば、これだけでもって四十兆円でしょう。だから、こういう処分益の処理方式というのは非常に重要である、私はそういうことを考える。したがって、その処分に対して、この前うちの同僚議員武部、鈴木両議員に対して、電政局長はこういうことを言っている。株の売却益は、一般会計の赤字補てんのための民営化でないことは明確にしたい云々、そして基金という性格にするよう、財政当局で強い意思でありたいと答弁しています。電政局長はこう答弁している。それに対して、さらに同僚議員の竹内議員の質問に対してでありますが、一般会計の赤字補てんのためではないから適切な処分をするように大蔵省と十分協議したいと言っております。それから郵政大臣も同様の答弁をしています。現在もそういう答弁であります。しかし、竹内議員の質問に対して、大蔵主計官は、株式売却は六十年度以降なので、売却に当たっては市場動向などを見て各方面と十分協議をしたい、しかし、財政当局としては、資本金は国の全額出資であり、公社は国の分身的機関だから、分身にふさわしい使い方として売却益は国の財政収入に入れるべきだと考えている。真っ向から意見が食い違っておりますね。これは大蔵大臣大蔵主計官の答弁は一体どう理解しましょうか。
  32. 竹下登

    竹下国務大臣 私がほかの委員会答弁したのをちょっと読み上げてみますと、これは質問前提が若干違うことだけは申し上げておきます。その質問は、公債は六十年後の子孫に負担を残すものであり、株式売却益は一般会計に入れて公債減額に充てるのが一番矛盾が少ないとの意見があるが、大臣はどう考えるか、こういう逆の議論でございましょう。私、たくさんの委員会を歩きますから、いろいろな議論が出ます。そのときには、電電株式政府の所有するところであります、これを売却すれば、筋論として、一般会計に入って財政需要全般に充てられるという筋になります、で、今、公債残高の減少に使うというのも一つの考え方ではあるでございましょう、しかし、何分国会の議決をいただいて初めて売却できるものでもございます、したがって、今の段階で筋論として申し上げますならば、財政需要全般を考慮して、その都度都度協議を重ねて決定すべきものでございましょう、こういう極めて筋論を申し上げておきました。  今度は逆に、特別会計ということを前提におっしゃったわけではございませんが、いわばこれを財政赤字の補てんに使うべきでない、あるいはそれを念頭に置くべきでない、こういう御議論でございますが、確かに新電電、これは財政赤字解消のためにつくったものであるとは断じて考えておりません。したがって、今日の段階で言えますのは、国会の議決をいただくことになっておることもございます。したがって、この国会の議決を得て、いわば筋論として申しますならば、年々の予算編成の過程において財政需要全般と同一の土俵の中で議論さるべきものでございましょうと、まあ、これ以上お答えすることは難しいじゃないかな、こう思っております。  それから、株の売買のことでございますが、私もちょっと関心を持って、いわば政府が放出いたしますと、それはまさに売買でございますけれども株式市場全体から見れば、新株の発行、こういうことと同じことになります。そうすると、昭和五十六年大体新株の発行額というのはどれぐらいかなと、日本全体の株式市場の中で新株の発行額というのは、五十六年で見ますと一兆七千九百三十二億、それが五十七年というのは一兆百五十四億、五十八年は八千九百四十五億円というのが、大体株式市場における新株の消化能力じゃございませんが、実績、こういうことでございますので、さらにこれを具体的にどのような形で市場に接触するかということになりますと、そういうキャパシティーの問題からすべて考えていかなければならぬ問題ではないかな、まだ勉強しているわけじゃございませんが、試みにいわゆる新株の発行額を見て、なかなか問題がいろいろあるものだな、まあ一挙に売るとか、あるいはなかなか難しい問題もあるものだなということを感じたことだけを素直に申し上げておきます。
  33. 戸田菊雄

    戸田委員 大臣答弁としては今おっしゃられたようなことかな、こう考えるのですが、それにしても、株の処分益の処分については非常に厳密にやはり、いずれの場合でもそういうものがありますと、政財界の癒着その他でもって、何か不透明なそういう情勢が醸し出される、こういうことはしばしばありましたから、そういうことがないように、透明度の濃い、そういう一つの処理で今後対処していただきたいと思うのでありますが、そのことは要望として申し上げておきたいと思います。  時間が余りありませんので、多くの問題に触れることはできませんが、今の株の処分益の問題については、私はやはり、今まで電電が大変な御苦労をなされて、それから加入者その他の皆さんの累積財産として、いわば公有財産、そういうものでありますから、当然処分益等の処理については内部留保または基金制度をつくって今後の事業発展に使用すべきだ、こういうふうに考えておりますから、この点は十分ひとつ要請として大蔵大臣の方にお願いをしておきたいと思います。いやしくも財政破綻のしりぬぐいに使用するような、そういうことはけしからぬ、こう私は思います。いずれにしても、国会議決案件でありますから、それの処分については国会議決を要する、こういうことになっていますから、そういう時期が到来すればそのときにまた十分審議をしてまいりたい、こういうふうに考えております。  最後に大蔵大臣に再度またお願いをするのですが、この七月十六日、毎日新聞の夕刊でありますが、これによりますと、電話利用税導入、これが掲載されておりますが、これは現実に検討され、そういう導入の意向はあるのでございますか。この点をお聞かせください。
  34. 竹下登

    竹下国務大臣 元来、税というものは税制調査会で三年に一度、委員の方を総理大臣が任命されまして、そして国税地方税のあり方という大局的な諮問をして、その中で、最近で言えば昨年の十一月、いわゆる俗称中期答申、こういうものが出されておるわけであります。  その中期答申の中には、検討すべき税目の中に電話利用税というようなものは入っていないというふうに私は理解をしております。よく電話保有税とか電話利用税とか、一般の税のお話のときに出てくることは承知しておりますが、私ども今それを検討をしたという事実はございません。
  35. 戸田菊雄

    戸田委員 最後に一点だけ、今のこの会社法、事業法、関連整備法等々見ますると、余りにも規制等が多過ぎるんじゃないか。例えば新株の発行、あるいは転換社債、または新株引受権附社債の発行、四条三項でありますが、あるいはまた取締役及び監査役の選任の決議、さらに定款の変更、利益処分、合併、解散、十条第一項、あるいは事業計画、十一条、重要な設備の譲渡等、すべて郵政大臣の認可ですね。そしてなおかつ、これらの種目については大蔵大臣と協議、認可、成立ですね。こんな金縛りにして、一体、民間態様に移って自主性というものが確保できるのかどうか、当事者能力、こういうものが確保できるのかどうか、非常に私は疑わしいと思うのですね。ほかに監査役の指名あり、事業の監督、各種命令、報告等、微に入り細に入り、政府の介入を許容している。少なくとも事業計画等については私は、でき得れば届け出制くらいでいいんじゃないかというような気もいたしますが、この点について一点、郵政大臣答弁を求めて終わります。
  36. 奥田敬和

    奥田国務大臣 私は、今度の新電電が持つ新会社としての資産形成の経緯等々から考えまして、今後とも果たしていく公共的な役割、そういった点を考えるときに、ほかの特殊会社と比較して、政治的な関与と申しますか、そういった制限は、当事者能力の発揮ということを願って、随分そういった形では緩やかなものになっておると思っております。今、例えば新株発行とか利益処分等々の問題を御指摘されましたけれども、これらはあくまでも今日のよって来った資産形成の、繰り返すようですけれども経緯、そしてまた利用者である国民全部の利用者保護という立場から考えまして、この程度の制限は新会社には必要であろう、また大蔵大臣との協議の問題としては、国が最大の株主という立場からいっても、至極妥当な線ではなかろうかと思っておる次第でございます。
  37. 戸田菊雄

    戸田委員 時間ですから、以上で終わります。ありがとうございました。
  38. 志賀節

    志賀委員長 次に、森井忠良君。
  39. 森井忠良

    ○森井委員 新聞に、あるいはテレビによりますと、労働基本権あるいは争議権がこの問題の今、焦点になっておるという感じでございます。本来でございますと国民のための電気通信ということで全般的なお尋ねをしなければならぬわけでございますが、時間が四十分余りと限られております。したがって私は、労働基本権、それから労災保険、さらに年金、大要この三点についてお伺いをしたいと思うわけでございます。  まず最初に労働基本権の問題でございます。  今度の法案を見てびっくりしたわけでございますが、労調法の中に中二階ができておるわけですね。公益事業の場合は、もう御案内のとおりでありまして、争議を行おうとすれば十日前に予告をしなければならぬ。さらにそれに続きまして今度は強制調停というのがあります。そしてこれは大問題だということになれば総理の緊急調整権というのが認められておりまして、中身のよしあしは別にいたしまして一応の法体系はできておるわけでございます。今回はその緊急調整の前に、労調法の附則によります調停をやりまして、場合によっては十五日間争議ができないという形になっておるわけでございます。どうしても理解ができないわけでございますが、もう申し上げるまでもなく、これは憲法で保障された労働基本権、争議権というのはあるわけでございます。あえてここで、商法原理あるいは市場原理に基づく株式会社ができたにもかかわらず、なぜそういった規制措置をとらなければならなかったのか、理由を明らかにしていただきたいと思います。
  40. 谷口隆志

    ○谷口(隆)政府委員 私から、今回こういう仕組みを設けました考え方なり趣旨についてお答えを申し上げたいと存じます。  今回設けようとしております措置につきましては、労働省といたしましては労働基本権を最大限に尊重するというような基本的姿勢、考え方に基づきながらも、なお今回の法改正で公社から民営に移ります新会社につきましては、一つは御案内のとおり全面的な争議行為禁止と強制仲裁制度という公労法の適用から、争議権を享有いたします労組、労調法に移行するという、いわば労使関係の法的基盤が大きく変わることと、二番目には、新しい会社の行います業務が引き続き少なくとも当面は公社自体と同様非常に重要な役割を果たされることになりますので、通常の争議行為では直ちに通信の途絶を招くというようなことは、自動化も進んでおりますので、ないとは存じますけれども、争議の態様いかんによりましては国民経済とか公衆の日常生活に大きな障害を及ぼすおそれもあり得るわけでございまして、そういう事情がありますことにかんがみまして、新会社労使紛争が公益に大きな障害を及ぼすことのないようにしながらその迅速な解決を図るため、当分の間に限りまして必要最小限の措置を講じようということを考えたわけでございます。
  41. 森井忠良

    ○森井委員 先ほど株の売買の御議論戸田議員から出ておりましたけれども、今度の新電電というのは、先ほども申し上げましたように本質的には民間の会社なんですね。商法原理、市場原理が適用されておるわけですね。郵政大臣、私の考え方に間違いがありましょうか。
  42. 奥田敬和

    奥田国務大臣 そのとおりだと思います。
  43. 森井忠良

    ○森井委員 そういたしますと、公社から株式会社に移行する、しかし、従来ほどではないにしてもやはりストライキの規制はする、これではどう考えてみても話が合わないと私は思うわけでございます。  労働大臣にお伺いしておきたいと思いますが、規制をするかどうかの議論をいたしますけれども電電の労働者というのは今度は民間の労働者になるわけですね。基本的にはストライキ権はある、こう私は思うわけでございます。あとごちゃごちゃ国民生活とか国民経済とかいうのがついておりますが、これは後で議論をいたしますけれども、やはり本来、官公労働者のスト権の規制についても問題がありますが、今回は特に電電の職員が新電電の職員として完全に民間の職員になる、こういう形でありますから、基本的にはスト権がある、こう理解してよろしゅうございますか。
  44. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、スト権を含む労働三権は、これはもう大原則であります。ただ、局長の言ったのは、暫定的な、特例的なという例外的なものも公益の面でこの際加味したということであって、大原則は、労働三権は当然付与される、こういうことであります。
  45. 森井忠良

    ○森井委員 今回、同じように民営化をされる専売公社の皆さんがあるわけですね。今度はたばこ産業株式会社というんですか、これを見ますとスト権の規制はないわけでございますね。もちろん労調法の規制はございますけれども、一般の産業並み、民間の企業並み、公益事業並みになっておるわけですね。公益事業並みがどうか、私専門ではありませんから明確には申し上げませんけれども、いずれにいたしましても、専売についてはこうした規制はない。  ほかをとってみますと、例えば一番よく似ておるのが国際電信電話株式会社、KDDであります。これはスト権がありますね。それから、幾つも例はありますけれども、日本航空だってそうでしょう。そういったところは、いわゆる労働三法がそのまま適用されておるという感じであります。  したがって、新会社にだけなぜ特別の措置を講ずるのか、従来の労調法の規制で十分ではないか。先ほど申し上げましたように、今度は電気通信事業と名称が変わるようでありますが、電気通信事業では、争議行為をやる前に十日間の予告義務があるんですね、そして、必要とあらば強制調整ができる、そういう中でなぜこういうふうに中二階をつくらなきゃならないのか、もう一度関連――関連といいますか、類似事業体との比較の上で労働省ははっきりとした見解を出していただきたいと思います。
  46. 谷口隆志

    ○谷口(隆)政府委員 今回の電電公社民間会社に移行いたしました事態に対しまして設けようといたしております特例措置について、趣旨なり考え方は先ほど申し上げましたとおりでございます。  適用されるべき法、あるいはそういう関係で法的基盤が大きな変化をすること、また経営形態は変わりますけれども、圧倒的に重要な役割を引き続き果たしていかれる、したがって、争議行為の態様によっては国民経済なり公衆の日常生活に大きな影響を及ぼすおそれがある、こういう新会社に特有な経過的な事情がありますことから、当分の間に限って調停の特例制度という仕組みを設けようとしておるものでございます。  御指摘のございました専売公社とかあるいは現に労調法の中で認められております日航とかKDDの労働三権との関係がどうかという御質問でございますけれども、専売公社につきましては、確かに、適用法規が公労法体系から労組、労調法体系に移行するという経過的な側面については電電と同様でございますけれども、その争議行為が国民生活等に与えます影響につきましてはかなりの違いがある。争議行為が直ちに重大な障害を及ぼすおそれはないというようなふうに考えられるわけでございまして、そういう面の違いから、経営形態の変わります専売公社についてはこういうような特例措置を講ずるということは考えなかったわけでございます。  また、日本航空とKDDにつきましては、御指摘のように、公益性はかなり高いわけでございますが、今般電電公社について見られますような経過的な事情があるわけじゃないということ、また、現状におきましても、現行法体系のもとで特段の問題はないと考えておりますし、そういう観点から、こういう面についての特例の調停は不要であるというふうに考えたわけでございます。
  47. 森井忠良

    ○森井委員 今の答弁はやはり説得力がないと思うのですよ。いいですか。国際電信電話株式会社は同じように電気通信をやっている。今や海外との交流は切っても切り離せない。ここにはスト権があるのです。しかも下手をすれば国際問題にも発展しかねない重要な要素を含んでいる。にもかかわらず、KDDにはスト権があり、新電電にはない。納得できません。もう一度明確に答弁をしてください。大臣いかがですか。
  48. 谷口隆志

    ○谷口(隆)政府委員 先ほどお答えいたしましたし、今、御指摘のありましたように、KDDが国際的な電話通信事業におきまして重要な役割を果たしておることは事実でございます。  ただ、今回のような法律改正に際しましてどういう対応をするかということにつきましては、KDDと、今回の民営に移ります電電会社についての公益性の比較ということも一つはございますけれども、特に今回につきましては、新会社が、先ほど来申し上げておりますように、ストライキが全面的に禁止され強制仲裁制度で紛争を解決するというような公労法の適用から、スト権を含む労働三権が全面的に認められる労組、労調法に適用が変わっていく、そういう経過的な側面があることはやはり基本的な差でございますので、今回移行いたします新会社につきましては、やはり公益の擁護というような点からも考えまして、必要最小限度の措置を暫定的な措置としては考える必要があるということが私どもの考え方でございます。
  49. 森井忠良

    ○森井委員 労働大臣、あなたも政治家ですから、もうのどまで出かかって言えないのだろうと私は思うのですよ。いいですか。ベースは商法ベースですよ、民間会社は。公益性公益性と強調するなら、なぜ公社から民間会社に移行するのですか。これは民間のよいところも入れるということから始まった議論でしょう。いずれにしても、ベースは商法ベース、そして類似したものとしてはKDD、日航等がある。なかんずくKDDは同じ電気通信事業を営む事業体です。永久ということはないでしょう。ここで見ますと、規制措置は「当分の間」ということが書いてありますね。法律上当分の間ということになりますと、大体今までの経過からいけば、ほとんど未来永劫に近いものもあるわけでございますけれども、少なくとも相当長い期間だと見なければならぬ。しかし、先ほどあなたの御答弁によりますと、もう規制はしたくないんだけれどもしばらくの間というふうに私は受け取れたわけです。なるべく早くやめたい、そういうことですか。
  50. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 私もあなたと同じで、戦後廃墟から今日の日本のここまで来たその一番の原動力は、経済的諸要因も幾つかあったでしょうけれども、やはり総合的にすれば人間関係ですね。人的資源と言うのは悪いかもしらぬけれども、その人間関係の中で労使の信頼関係というのは確立しておったということは、諸外国の中で日本はすぐれておる方だ、私はこう思っておる一人でございますから、基本的な考えはそうであります。  しかし、この法をつくるに当たりまして、電力並みに厳しくやれという論も確かにあったことはあった。それから、あなたのおっしゃるように一切の規制らしきものは除けという論もございました。そこはいろいろ勘案をしたわけでございまするが、争議権などの労働三権は当然大原則であるけれども、今、局長説明をいたしましたように経過的な、暫定的な特例としてのものは残した方がという、これは一つの政治判断であります。でありまするから、私の申し上げる趣旨は御理解をいただけると思うわけであります。
  51. 森井忠良

    ○森井委員 よくわからないのですが、要するにそんなに長い期間じゃないということだけはわかりました。しかも、政治家としてはなるべくなら規制はしたくないということについてもわかりました。真意というのはその辺でしょうか。
  52. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 まあ大体そういうところであります。
  53. 森井忠良

    ○森井委員 そこで、争議行為により当該業務が停止されるときに国民生活に相当程度の影響が出る、緊急調整とそこが違うわけです、「相当程度」という言葉が使ってあります。この意味でありますけれども、ストライキやったら国民が困るだろうということになるんだろうと思うのですけれども、過去を振り返ってみますと、なるほど全電通もあるいは場合によっては電通労連もやむを得ざる場合のストライキというのをやりましたが、私の頭にあるのはやはりスト権ストですね。スト権奪還の闘いでしたからあれだけ長い間ストライキが行われたわけですが、ほかのことは知りません、電電公社において電話がとまりましたか、そして国民生活に相当程度の影響がありましたか。電話というのは、ちゃんと全国自動即時網ができ上がりまして自動的に動いているじゃないですか。あの長いスト権ストのときでも、私が見たところ、直接的に国民に迷惑をかけたというのは聞いてない。それ以来ずっと例をとってみましても、最近は全電通、公労協の皆さんも自粛をされましてストライキ余りやりませんけれども、あった場合を振り返ってみましても、これは今までの事実に基づいて申し上げているわけでありますが、全電通がストライキをやった場合に、一体どこに国民生活に直接の影響を与えましたか。それは、例えば管理部門であるとか事務部門でありますとかいろいろありましたけれども、国民のためにはちゃんと電話はつながってきた。そういう点からいけば一体どこに問題があるのか。「国民経済又は公衆の日常生活に相当程度の障害を及ぼすおそれがある」と附則には書いてあります。事実に基づいてあなた方の論拠というものはなくなっている。どうですか。
  54. 谷口隆志

    ○谷口(隆)政府委員 御指摘ございましたように、今までの争議行為におきましては、二十四時間とか四十八時間とか、あるいは拠点で行われたような事例はございましたし、確かにスト権ストのときは非常に長いストライキも打たれたわけでございますが、そういうときに電話による通話サービスがとまったということはございません。  ただ、今までの事実関係はそうでございますけれども、今後も現実的な良識ある労使関係の中でそういう事態はないことを期待いたしておりますけれども、実際争議行為が行われる場合に、その争議行為の態様によりまして、例えば広範に長期に行われる場合とか、あるいはストライキのときに異常な事故等が重なるとか、そういうふうな場合におきましては通信の途絶を招くおそれもあるのではなかろうかというふうに思うわけでございまして、そういうような状態になりましたときは、やはり基本的に争議権は認めながらも、国民経済なり公衆の日常生活に相当程度の実際の障害が出ることにつきましてはできるだけこれを防止する必要があるという観点から考えているわけでございまして、今回の仕組みでもそういうことは、この特例措置を発動するに際しましては、いろいろな理由その他も公表するとかいうようなこともございますし、そういう中でも明らかにする点だろうかと存じます。
  55. 森井忠良

    ○森井委員 しまいごろはぼそぼそとなりましたね。やはりどう考えても、あなたが言われても、私の質問は過去の事実に基づいて、今まで電話がつながらなかったりして国民に迷惑をかけたということがないのだから、無理にこじつけていらっしゃるとしか思えない。  労働大臣にもう一度お伺いいたしますが、あなた方のこの原案が通ったとして、万々通ることはないと思いますが、仮に通ったとして、附則のスト規制の発動というのは一体どういうことになるのですか。できるだけ発動したくない、こういう本心ですか。
  56. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 普通の場合に電話がストによって途絶をするということもないことは承知をいたしております。それからまた、電電労使関係の健全なことも評価をいたしております。しかし、ほんの暫定的な特例の措置という、やはり国民に対する安心料とでも申しましょうか、そういうものを残した、こういうことでございまして、御了解を願いたい。
  57. 森井忠良

    ○森井委員 ですから、国民に対する安心料とすれば、これはあることだけであなた方の目的は達するのであって、発動はよっぽどのことがない限りしない、大変恐縮でありますけれども、その点だけ明確にしていただきたいと思うのです。
  58. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 おっしゃるとおりです。伝家の宝刀でございます。そんな簡単なわけにはまいりません。これはできるだけ慎重に扱うのは当然だと思います。
  59. 森井忠良

    ○森井委員 二番目の質問に移ります。  今度は電電も大変なんですよ。民間の企業になるものですから、例えば雇用保険でありますとかあるいは労災保険でありますとか、そういった民間会社並みの保険にも入らなければならぬという問題があるわけですね。そのほかいろいろ税金とかそういったものを考えますと、本当にやっていけるのかなという危惧が私は一部にあるわけでございます。当然職員の負担増も出てまいります。例えば雇用保険に入りますと、千分の五ですか、当然掛金も掛けなければならぬ。逆に新電電当局はその倍以上の同じく保険料を掛けなければならぬというような問題があるわけでございます。  時間がありませんから、きょうはその中で労災保険についてだけお伺いをしておきたいと思うのでありますが、今までは労災保険の適用外ということになっておりました。ですから、電電公社独自の制度を設けておりまして、大体労働省の労災補償に準じた形で労災補償を行っておるわけでございます。新しい会社に移行した場合に、先ほど申し上げましたように労災保険が適用されることになるわけでありますが、現在公社では、業務災害補償のために、私の調査によりますと大体五十七年度ベースでありますが、十五億円費用がかかっておると聞いております。今度は新たに労災保険の適用になりました場合に、加入した場合には、かなり負担増になるのではないかと思うわけでございます。十五億そこそこじゃない、五十億とも七十億とも言われております。  この際、労働省にお伺いしておきたいと思いますが、新電電の保険料率については一体どういうふうになるのか、そして保険料率等についてはどういう扱いになるのか、明らかにしておいていただきたいと存じます。
  60. 白井晋太郎

    ○白井政府委員 お答えいたします。  この問題につきましては、事務的にはいろいろ検討させていただいたわけでございますが、労働省としましては次のように処置したいと現在考えております。  まず、保険料率の適用につきましては、新電電の行う事業は、原則として労災保険においてはその他の各種事業の中の通信業の事業に分類され、労災保険率は千分の五を適用することとなると考えております。これは労災保険率では最低の料率でございます。  それから次に、この適用の仕方でございますが、事業所単位ではなく企業単位にいたしたいというふうに考えております。これは労災保険料の継続事業の一括の制度によるものでございますが、一定の要件を満たしている事業に適用されるものでございます。これによりまして、保険料の申告、納付等の手続を本社で一括して処理することができ、事務の簡素化を図ることができるとともに、将来、労災保険のメリット制度の適用におきましては、個々の事業では規模が小さいためにメリット制度の適用とならない事業であっても、一括することによってメリット制度の適用を受けることができるというふうになると思います。このようなことによって保険料の負担の軽減が図られるものというふうに考えております。
  61. 森井忠良

    ○森井委員 納得のいく答弁でしたから、この一問でやめます。  三つ目の年金関係について御質問いたしたいと存じます。  整備法を見ますと、厚生年金じゃなくて今までと同じように共済組合そのまま継続するという格好になっておるわけですね。本来おかしいと思うのです。しかも昨年の共済組合の統合によりまして、国家公務員と三公社が一つの共済組合になる。当面財布は別でありますけれども、一つになる、こういう形ですね。片や国家公務員あるいは公共企業体の職員、今度は、くどいようでありますが、商法ベースによる民間の会社、言うなれば水と油を一つにひっくるめたような格好になっておるわけでございます。厚生大臣、本来あなたの方はぴちぴちした新しい被保険者がふえるんだから厚生年金に入ってもらいたい、そういう御希望があるんじゃないですか。  さらに大蔵省にもお伺いをしておきますが、なぜ厚生年金にしないで無理をして共済年金にしたのか、明らかにしていただきたいと思います。
  62. 渡部恒三

    ○渡部国務大臣 我が国の公的年金制度では、先生指摘のように職域に応じて加入する制度が定まっておりまして、民間企業者は原則として厚生年金保険の適用とするのが建前でございます。その意味では、先生の御指摘のとおりでございます。  しかしながら、公社経営形態が民営になった場合においてその適用制度をどうするか、こういうことについては、公的年金制度の再編統合の一環として、公共企業体共済と国家公務員共済とを統合するための法律が既に成立、施行されているということがございます。厚生年金保険と共済年金とでは給付要件等が異なっておりますので、適用の変更に伴い技術的に解決すべき困難な問題が生じてまいることもございます。これも先生御承知のとおり、年金は期待権、既得権を尊重していかなければなりません。したがって、当面は、引き続き共済組合としての適用を継続していくのが現実的な対応ではないかというふうに考えております。  なお、このような取り扱いについては、公的年金制度全体の再編成が行われる時点でさらに検討を加えて、その結果に基づいて必要な見直しを行うこととしております。
  63. 保田博

    ○保田政府委員 お答えいたします。  ただいま厚生大臣から適切な御答弁がなされましたので、大蔵省当局としてこれにつけ加えなければならぬものはございません。ただ、一つだけ非常に技術的なことを申し上げますと、ある年次、ある時点を切りまして共済年金から厚生年金に移行するといったような場合には、共済年金期間中に既に年金の受給者となった方々の支給原資をどうするかといった問題がございます。現在までに積み立てられております積立金を既に年金をもらっている方々にどんどん支給してしまいますと、その積立金がなくなったときには既裁定年金の受給者に支給する財源もなくなってしまうといったような問題点もございます。それらを考えまして、昨年成立を見ました統合法案のような技術的な解決を見たわけでございます。
  64. 森井忠良

    ○森井委員 保田さん、聞きもしないことを答えなくていいんだよ。予防線を張っちゃ困るよ。このことについては今から質問するんだから。  これは各大臣に御認識をいただきたい点ですけれども、先ほども申し上げましたように、民間になったと言いながら、例えば、年金、保険というふうなものについては、片方は、労働省のサイドで民間の雇用保険でありますとか労災保険に加入をさせる、片方、年金については、今度は今までの官業労働者等と同じように、そう言うと大蔵省は文句を言うのです。いや、そうじゃない。私立学校共済組合なんかがあると言うのですが、これは年金の理論を知らない人の理論でありまして、私立学校にしても農林漁業団体の職員にいたしましても、共済組合と名前がついている民間ですけれども、これは経過があるのですよ。もとは厚生年金だった。それから一五・八五%という国庫負担は違うんです。だから、本質的にはこれは民間の厚生年金と変わらない側面を持っている。多くは申し上げませんけれども。本来、やはり民間の会社というのは、厚生大臣お答えなりましたように厚生年金ですよ。国庫負担だって違うんだから。一五・八五%から二〇%になるわけでしょう。公社公団を見てごらんなさい。全部厚生年金です。国がつくった公社公団ですら厚生年金。これは筋が通りませんよ。ばらばらです。片や共済年金、片や民間の雇用保険労災保険というようなこんなばかなことをして、私はやはり長い将来を見ますと、悔いを千載に残す。ぜひこの点については御認識を各大臣賜っておきたいと思いますし、いずれかの時期に整理をしなければならぬと思っております。この議論続けますと、もう時間がありませんから。  そこで、やはり基本的には民間のベース、あり方として、あるべき姿としては、やはり民間の会社でありますから、したがって、これは厚生年金が正しい、こう思うわけです。しかし、先ほど申し上げましたような経過があり、そうして今のところ連帯意識から、もう結果が出ましたから申し上げますが、連帯意識から千分の十二という保険料は、国鉄の共済年金の応援もしなければならぬ、そういうサイドがありますから、今のところ私はこれ以上は申し上げませんが、せめて私はそういう状況もとからいけば、企業年金くらいはつくれるんじゃないか。企業年金もいろいろ類型がございます。厚生年金基金になる場合もありますし、大蔵省のサイドの税制適格年金というようなものもある。あるいは自社年金というふうなものも鉄鋼会社等でつくっていらっしゃいます。いずれにしても、労使が話し合いをして話がつけば、やはりこれはそういった企業独自のものをせめて認めてやらなければ、全くその勤労意欲がなくなってしまう、やる気を起こさなくなってしまうというふうに思うわけでございます。  その点について、とりあえず、年金を所管しております大蔵省、これは大臣から、もうこれは非常に簡単な話でありますから、それから企業年金等厚生年金基金を所管しておられます厚生大臣、お二人の大臣から簡潔にお答えいただきたいと存じます。
  65. 竹下登

    竹下国務大臣 昨年も連合審査の際、森井年金博士から私に対してテストがございまして、それでお答えをいたしまして、私は森井さんの意見を否定する考えは全くございません、こういう筋のお答えをいたしました。今もおっしゃいましたように、私も年金統合のときに、将来一元化するとして、その事前に少なくとも似た者同士一緒にするか、非常に下世話な言葉になりますけれども、そのときに結局電電、専売労使ともこれが連帯意識というものがあったばかりに、僕はあの法律は通ったと今でもそう思っております。よくぞ通していただいた。共済年金そのものの仕組みから見ますと、どうしても公的年金プラス職域年金という、共済年金は内容を持っておるわけでございますので、したがって、この共済年金制度とは別に企業年金制度を創設するということは、今日の時点では考えておりません。  が、しかし、共済年金の中におきます企業年金的部分とでも申しますか、企業年金部分をどう位置づけるかということになりますと、共済年金制度全体の改革を考えていく場合に、重大な検討の課題として対応していかなければならぬ課題である、そういう事実認識をいたしております。
  66. 渡部恒三

    ○渡部国務大臣 今お話がございましたが、共済年金制度に加入したまま厚生年金基金を設けるということは、残念ながら現行制度では困難だと思います。が、先生指摘の問題、大変大事な問題でございます。企業年金制度としては、他に先生御存じの適格退職年金制度、自社年金制度等もございますので、当面こうした制度の利用も含めて考えていきたいということでございますれば、厚生省としても年金制度の大宗を所管する立場から、できる限りの御相談に応じてまいりたいと思います。
  67. 森井忠良

    ○森井委員 大蔵大臣、言いたくはないんですけれども大蔵省はもう電電公社から巻き上げられるだけのものを巻き上げてきましたね。いいですか、納付金をごらんなさい。四年間四千八百億、そして新たにまたもう二千億、言葉適当でないかもしれませんが、大臣の顔は非常に温和でよろしいんですけれども、あなたの部下は、言葉が悪いですけれども、これは悪代官。そして収支差額が出ても、賃金にもはね返らない。そうでしょう、郵政大臣。ちっともおもしろくないでしょう。せめて働いたら、何らかの形でやはり返せ。賃金もどうなるかわかりませんけれども、やはりそうはいうものの、むちゃくちゃに上げるわけにいかない。いろいろなことはあるだろうと思う。せめて年金の上積みで、企業年金等つくらしていいじゃないですか。あなたは共済年金絡みで話しているけれども、本来共済に残る方がおかしい。そういった点からすれば、厚生大臣お答えなりましたように、例えば幾つか企業年金の類型はありますけれども、あなたですぐできることは、例えば税制適格年金というのは、これは税絡みの話ですから、大蔵大臣でできる。新電電労使で話し合えばそれはやっていける、そういうことでいいんじゃないかと思うわけでございます。何も共済がどうのこうのと横並びのことを考えないでよろしい。どうですか、せめてこれくらいは今までの罪滅ぼしの答弁をなさっていいと思う。
  68. 竹下登

    竹下国務大臣 確かに例の統合法案を通していただく際に、専売、電電等の労使間でも細かい議論法律が成立いたすまでの間、あるいは審議会の段階、私も各関係者の皆さん方と何度か意見交換を重ねてまいりました。その間にもそのような議論があったことは事実でございます。  しかし、あの問題は、結局はやはり労働者連帯というものがあの法律を通過せしめた偉大なる支えであったというふうに私はこれを理解をしております。したがって、今の問題につきましては、国税庁の方からお答えする方が適当かと思うのでございますが、その前段にありました悪代官という問題でございますが、仮にそういう表現があるとすれば、私がいかに柔和な顔をしておろうと、悪代官の親方は私でございますので、私自身の責任で対応しなければならぬ課題だというふうに考えております。
  69. 森井忠良

    ○森井委員 時間がなくなりましたけれども、もう一度お伺いをいたしますが、悪代官不穏当なら取り消しますよ。ただ、竹下大臣、やはりこれから苦労するわけですね。だから、企業年金についてはそういうふうにかたくなにお断りにならないで、そういうことになると厚生年金にしろと、こうなるわけですから、そういうふうにお考えにならないで、労使で話し合えば適当な年金をこしらえてもいい。もうこれからはどちらかというと、あなた方のしがらみはなくなってくるわけだけれども、制度としての企業年金等についてはやはり問題がありますので、そういう場合にはやはり大蔵省も厚生省も応援する。厚生大臣の場合は、相談に乗ってやるというぐらいの答弁をしてください。
  70. 保田博

    ○保田政府委員 先ほど先生質問の中でおっしゃいましたように、企業年金というものの概念が非常に多岐にわたるものですから、これは結構でございます、あれはいけませんというわけに一概にいかないことはおわかりいただけると思います。  ただ、最後に御質問ございました適格退職年金制度、これにつきましては、その労使の契約内容が、退職年金または退職一時金の支給のみを目的とする。それから第二に掛金等の額及び給付の額が適正な年金数理に基づいて算定されているものということ、その他若干の要件がございますが、それらの諸要件につきまして、国税庁長官が承認をするといった場合には、もちろんこれは利用できるということでございます。
  71. 森井忠良

    ○森井委員 時間が参りましたが、大分積み残しがございますが、一点だけ問題提起と要求をしておきたいと思うのであります。  今度は共済年金の場合、拠出時負担から給付時負担になるわけですね。いろいろ整備法をつくる場合に、大蔵省と電電公社とがチャンバラをしたようでありますが、これからの支払い分については一般会計で賄おうということになったと聞いております。これは当然のことであります。しかし、今までの拠出時ということで積み立てられました積立金は、私が調べてみますと千五百八十八億になっております。これに修正率を掛けますと千九百八十五億という膨大な金であります。これをどうするかというのを政令で決めるようになっていますね。これはもともと公経済負担分は、一般会計から今まで積み立てたものじゃない、電電が汗水垂らして収支差額を生んで公経済負担、まあ収支差額があってもなくても払わなければならぬ金ではありましたけれども、いずれにしてもそういったふうにして電電収入から公経済負担分を払っている。ですから、電電公社当局はそれ以外に使用者負担分を払っているわけでありますが、今申し上げましたような金額、もう修正率は問題になりません。これは外すべきだと思いますけれども、これまで召し上げようという考え方がある。原則として公社資産というのは新電電に引き継ぐわけでしょう。共済組合が違うと言われれば違うのかもしれませんが、しかし少なくとも電電収入でためてきたものを大蔵は払えと言う。しかも政令でこれから決めるというわけでありますが、この点については大蔵サイドの考え方を押すのじゃなくて、当然積み立てをしてきた電電、そういったところの意見を十分聞くように要求しておきたいと思いますけれども、これは最後に大蔵大臣の御答弁をいただいて、私の質問を終わります。
  72. 保田博

    ○保田政府委員 今回の新電電株式会社法案が成立をいたしまして、六十年四月から新しい民営形態に移行するという前提での御質問かと思いますが、その際に共済年金の積立金をどう処分するかという点についての御質問でございますが、原則としまして六十年四月以降の被保険者期間に係る給付は全額、今度は公負担というものは国庫が負担をいたしますが、それ以前のものにつきましては公社負担をする、そういう原則にのっとりまして技術的な処分をする、そういうことでございます。
  73. 志賀節

    志賀委員長 次に、大橋敏雄君。
  74. 大橋敏雄

    ○大橋委員 このたび電電公社経営形態が従来の公社制から株式方式として民営化していくわけでございますが、この基本方針につきましては私も大いに期待を寄せている一人でございます。いわゆる新電電株と新規参入の企業とで自由に競争させていくことが国民の価値観の多様化や、あるいはその需要に適切に対応することでありまして、さらに国民に対するサービスをより一層強化していく趣旨はまさに時代の流れだろう、重要な政治課題であるということで、このたび提出されております関連法案は慎重に審議を尽くして国民の期待にこたえていかねばならぬと思うのでございます。  そこで私は、きょうは当事者能力の問題あるいは電話料金と電話利用税の問題、労使関係とスト規制の問題について御質問をしたいと考えております。  まず初めに当事者能力の問題でございますが、郵政大臣お尋ねしたいと思います。  新電電の事業というものはもとより高度な公共性を伴うものでございます。したがいまして、ある程度の制約はやむを得ないものがあろうかと思うのでございますが、しかし今回の新電電公社から民営化されるわけでございますから、できるだけ政府の規制を外すべきである。事業遂行責任者としてその手腕が自由に発揮できまして、しかも責任ある立場で臨める形態、こういうことが極めて重要な問題であろうと思います。  そこで質問の第一は、事業遂行の責任者に当事者能力を最大限に付与することが法案の趣旨に最もかなっているものと考えるわけでございますが、郵政大臣のお考えを聞きたいこと、これが一つ。  それから、今回の提出法案内容を見てまいりますと、郵政大臣の認可あるいは認可を必要とする事項があちこちにちりばめられているわけでございますが、これでは一体何のために民営化していくのだろうかと疑問を生ずるところでございます。  特にお尋ねしたい点は、新電電の事業運営の最も基本となる事業計画についても認可が必要とされておりますが、これでは私はもう公社制時代と余り変わらないのじゃないか、経営自主性を損なうことになるのじゃないかなど非常に問題に思っているところでございまして、こういう重要なところはむしろ認可制でなくて届け制に改めるべきではないか、この二点をまずお尋ねしたいと思います。
  75. 奥田敬和

    奥田国務大臣 御指摘のように民営化される新電電、ほかの特殊会社との比較という形で申し上げるだけでも随分巨大性と申しますか、三十二万体制、五兆円の資産等々の大きな企業、恐らく上場されれば日本で一番大きな企業体としての特殊会社でございますけれども、そういった条件等々を考えますときに、極めてほかのとの比較においては緩やかなものになっておる。したがって、先生の御指摘のように経営責任を明確化して当事者能力をうんと発揮していただきたいという点においては投資の自由、まあ投資も制約はありますけれども、しかし現在の公社体系から見れば当事者能力を発揮していただいて新規の事業投資も可能でございますし、また予算の面においても予算総枠で決めていくというような形はしないで事業計画だけの認可にとどめておる次第でございます。  事業計画を認可制をとっておるという形はほかの特殊会社いずれもそうでございまして、この新電電もそういった形においては事業計画の総枠だけは、公益事業の性格からいっても、現状の点からいって大変な資産形成の経緯にかんがみましても、認可ということは私は決して厳しい規制ではないと思っております。もちろん二重にダブルチェックして資金計画、予算計画、そういった形までチェックする特殊会社が現状においては幾つもあるわけでございますから、それから比べれば、当事者能力をフルに発揮していただきたいということでございます。なお、こういった事業計画の中でも、先般来の御質疑の中にありましたけれども経営責任を明確化するという上においては、労使のそういった自主的な解決ということはまさに基本でございますから、賃金その他においては、政府としてこういった事業計画の中でそれに対して干渉するというようなことはいたさないつもりでございます。
  76. 大橋敏雄

    ○大橋委員 規模が余り大き過ぎるので、多少の規制はやむを得ぬのだ、決して当事者能力に規制をかける気持ちはない、こうおっしゃるわけでございますが、何せ国が大株主になるわけですね。しかも、事業計画の中には労働者の賃金その他も含まっていくわけですね。大株主の権限がそこに作用されますと、どうしても経営責任者である方の判断というものは鈍ってきますし、規制がかかってくるわけですね。そういう意味で、私は、これは一番肝心なところではなかろうかと思うのです。  そこで、私は総裁お尋ねしたいのですが、従来と全く変わらないように規制はかけていないのだというような大臣答弁でございますけれども、従来こそ当事者能力が問題になってきたところでありまして、私は、せめて今回は、民営化されるのですから、すかっと身軽な立場でやはり事業を運営していってもらいたい。そのためには、肝心の事業計画郵政大臣の認可を受けなければならない、こうなっている点について、当事者能力にかなりの規制がかかってくるのではないか、こう私は思うのですけれども総裁はどう思われますか。
  77. 真藤恒

    真藤説明員 こういう大きな公益事業を営むわけでございますから、私どもと世の中との関係、いわゆるサービスに関する基本的な事業計画というものには十分郵政省の方、政府のお考えも入れていかなければならぬというふうに考えておりますが、この法案の趣旨が、当事者能力というものを強くして、責任持った経営をしるというのが御趣旨のように受けとめておりますので、企業の内部統制に関しましては、できる限り責任を持たせるという形で運用していただくことを強く希望いたしておきます。
  78. 大橋敏雄

    ○大橋委員 一般の企業におきましては、労使対等の原則のもとで団体交渉が行われて労働条件が決定されていく、こういうのが正常な姿であるわけですね。当事者能力が十分与えられていないと、賃金を初めとする労働条件の決定も、自主的に責任を持って決めることもできない、私はこう思うわけでございますが、そういう点について、御心配ありませんか。
  79. 真藤恒

    真藤説明員 私どもの解釈では、予算統制ということは今後はあり得ないというふうに思っております。したがいまして、今の御質問の点は、私どもの支払い能力の限度内においてお互いに話をするということでございますし、また、その前に、支払い能力をいかにして大きくするかということが、労使間の相談なり協力なりの一番ポイントになるというふうに考えておりまして、与えられた金額の中で、ああ分捕りしよう、こう分捕りしようというのではございませんで、今度は、私どもが私ども労使関係の努力で、自分で始末できる金額の総額をふやすのだというのが根本だと思いますので、その範囲内のことは、労使間の協議に基づく良識ある結論に従って実行できるということに持っていかなきゃ何も意味がないというふうに考えております。
  80. 大橋敏雄

    ○大橋委員 今の総裁の気持ちが現実に履行されていくということになれば問題ないわけでございますが、その点から考えて、認可制はどうも気になるのですね。やはりこれは届け出制に変えるべきであると、私はこれを強く主張をしておきます。  時間の関係もございますので次に移りますが、次は総裁大蔵大臣に関連する問題でございますが、法案が実施されますと新電電株式会社と新規参入の企業によって、自由な経営競争が始まるわけでございますけれども、当然その結果電話料にどう反映されていくだろうか、総裁はどのように予測しているかというのが一つです。  と申しますのは、一般国民の気持ちの中には、長距離電話料は下がるだろう、しかし市内通話料金は上げられるのではないか、こういう不安な気持ちがいっぱい渦巻いているように思います。昨日の連合審査の中で郵政大臣が、市内料金は下げられることはあっても上がることはない、こう答弁なさったやに伺っているわけでございますが、要するに日本の電話料は、長距離と市内料金がバーターとなって計画されているように思うわけでございまして、したがいまして、現在の市内通話は十円でございますが、それを一としますと、最遠距離の料金は、五十六年までは七百二十円、一対七十二だったわけですけれども、五十六年に六百円に変わり五十八年に四百円に変わって、現在なおかつ一対四十ですね。アメリカは一対二十、フランスは一対十五、こういうことでかなりの開きがあるわけでありまして、我が国の遠距離の料金が下がるということは市内料金が上がっていくのではないかという心配ですね、この見通しについて、総裁ないしは郵政大臣にお願いしたい。  大蔵大臣にお願いしたいことは、国民大衆の素朴な感情は、今申しましたように、電話料の値上げは困ります、反対ですと、このような気持ちの中で、最近の新聞報道で、電話の利用税が検討されている、こういう報道がなされているわけでございます。つまり、サービスに対する課税強化の一環として、六十年度税制改正で電話料金課税する、いわゆる電話利用税を導入する方針を固めて、具体案の検討が始まった、このような新聞報道なのでございますが、これについて明確にお答え願いたいと思います。
  81. 真藤恒

    真藤説明員 料金についての私どもの基本的な問題についてのお尋ねに対してお答え申し上げます。  私どもは、現在できるだけ財務の基盤を健全に保つような新しい体制のもとでの経営をいたしまして、財務に余力ができたものは当分の間遠距離料金の値下げに回すという考えでございまして、遠距離を下げるからその分だけ近距離を値上げしてカバーするというふうな平面的な考えはいたしておらないということをここではっきり申し上げます。
  82. 奥田敬和

    奥田国務大臣 私の発言に関する点がございましたから……。  きのうに限らず、先般来の御質疑の過程で電電公社当局が明言していることでもございますし、当分市内料金の値上げに転嫁されるような事態はないということは明言しておきました。これはやっぱり電電公社自体、先生指摘のとおり、日本の場合、今日まで遠近格差という形は徐々に縮まって、本日も発表しておりますように、中距離料金を値下げいたしておりますけれども、現実においてはまだ遠近格差が他国と比べて大きいことは事実でございます。ですから、世上いろいろ言われることは、市内料金の赤字を遠中距離料金によってカバーしているんじゃないか、こう言われるわけですけれども、それでは市内の料金のコストは一体どれだけかという形になると、これはもう本当に、公社当局も明言していることですからあれですが、いわばそういった具体的なコストの実態というものに対する科学的唐データというものが、まだはっきりした形の結論を得ていないという実情でございます。  したがって、今、公社としてはここ二年のうちに、新しい機器をもう既に導入を開始しているようでございますが、それらの形の敷設と申しますか、機器を配置することによって、本当の市内料金コストというものの科学的根拠というものを国民の前に示せるんじゃないかということでございます。これには相当まだ年月がかかるということでございます。しかも、今日の電気通信技術というものは、まさに公社は一元体制のもとで、世界でも高い水準のディジタルサービス網というものを目下構築、ほぼ完成に近づきつつあるという段階でございます。  こういったことからいいますと、技術革新、と同時にたゆみない企業の努力によって、今日の料金体制は、市内料金に限らず、市内料金だけを特別取り上げたものではありません。市内料金というものを特定したわけではありませんけれども、今後の新会社の努力によっては、電話料金は下がる形で国民に還元できても、上がることは絶対ないだろうという見通しを述べたわけでございます。
  83. 竹下登

    竹下国務大臣 電話利用税についてちょっと詳しく申し上げますと、御指摘の電話利用税については、現在具体的に検討を行っているという状況にはございません。これは明確に申します。それで、税制調査会のことをちょっと付言して先般申し上げたわけでありますが、税制調査会でさればどういう指摘が今まであっておるかと申しますと、昨年十一月の中期答申で、「個別物品・サービス課税等」というところに詳しく基本的な考え方から、問題点から書かれてあって、最後のところに、「消費のサービス化が進展している最近の状況を考慮すると、運輸、通信等を含め各種のサービスに対する課税のあり方について幅広く検討すべきであるとの意見があった。」という程度の御指摘でございます。  それから、ほかで今まで議論として出ましたのは、これも公式な議論じゃございませんが、新聞にもいつか出ておりましたのは、一昨年の減税問題に関する特別小委員会の際に、電話利用税が検討課題として取り上げられたという報道があったというのが現実の状態でございます。したがって、仮に今度は六十年度税制のあり方ということになりますと、税制調査会で暮れにかけて審議していただくわけでございますので、何が出るか、こっちから予測するわけにはまいりませんけれども、平たく申しまして、今のような段階において具体的な検討を行っておる状況にはございませんし、税制調査会においての御指摘は、このような意見があったという指摘が一度なされておるということを正確に申し上げておきます。
  84. 大橋敏雄

    ○大橋委員 税制調査会の中に、「運輸、通信等を含め各種のサービスに対する課税のあり方について幅広く検討すべきである」。要するに、今までの課税のあり方については、従来の考え方ではなくて大いに売れてるものについてはどんどん課税していったらどうかというような指摘の後で、今の問題が出てきていると思うのですね。ということで、我々もこの問題がな、電話利用税が検討されているのはこれかなと思いましたけれども、今の大蔵大臣のお話ではそういうことは検討していないということでございますので安心をしたわけでございます。  私は、断じてこれは反対でございます。しかしきのうのやはり連合審査の中で自治省局長さんが、何か地方税の方に電話利用税をいただきたい、それが好ましいというような答弁をしたような新聞記事が載っておりましたけれども、現在も地方税の中には電気ガス税等があるわけでございますが、これはもう悪税の中の悪税と私は考えているのです。なぜならば、人間が生きていく上においてなくてはならないまさに必需品でございまして、これに課税しているというのは、過酷ないわゆる酷税ですね。同様に電話というものは、今や国民生活になくてはならぬまさに必需品であろうと私は思うのでございまして、決して便益品でもなければ奢侈品でもないわけでございますから、電話利用に対する課税というものは断じてやってはならないということを強く要望しまして、次の問題に移りたいと思います。  今度は労使関係の問題でございます。今回の新電電の職員のスト権を規制する措置が講じられているようでございますけれども民営化する以上スト権の規制は不要になると私は思うのでございますが、この点いかがかということですね。附則において特別の規制などをつけているということは、私は断じて反対でございます。この点につきましても、これは新聞記事でございますので定かかどうか確認したいことでもございますが、郵政大臣は昨日、附則は経過措置である、早い時期に取り除くべきであろう、このように答えられたと新聞で見たわけでございますが、もしこういうお気持ちが変わりなければそのとおりだと言っていただきたいし、こういう郵政大臣の気持ちに対して労働大臣はどのような見解を持たれるか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
  85. 奥田敬和

    奥田国務大臣 この問題は労働大臣が主管でございますので、きのう御質疑の過程の中でお答えしたのは、この法に附則でこれは「当分の間」という形での特例措置として明記してあるわけでございます。したがって、これは公労法の適用から、スト禁止の適用からスト権を含む労働三法を適用される民間会社になるという形の一つの経過措置、そういったことで、はっきり言って労働三法が適用される形ですから、こういった形の中の激変と言ったらおかしいですけれども、労働環境の変化に伴う形の中での当分ということでございます。  したがって私の考えとしては、できることならこういった規制はなくなるくらいのいい意味の国民に期待される労使慣行ができれば一番いいわけでございます。しかしながら依然この独占の一元体制というのは、この法案が通過してもやはり当分続くわけでございます、はっきり言って。競争原理を導入して第二電電、第三電電と言われておりますけれども、これらが実用を開始して本当のサービスの競争原理が働くという形にはここ三年くらいはやはりかかると思います、時間的には。これはもう私が個人的に申すことじゃなくて、一つの設備の敷設、実用の供用開始等々考えますと。したがって、この法案自体の、事業法案自体の見直しも、三年間という形での見直し規定も設けられておるわけでございます。ですから私としては、当分の間の経過措置である。依然として独占状態が続く、一元体制が依然として続く間は、国民に最も関係のある公益事業を一元体制でやはり現実にはやるわけですから、そういった形のときの特例措置という形に理解しておるわけでございます。
  86. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 この労使関係の基本につきましては、これはやはり労使間の自主的かつ良識的な関係にゆだねるということは基本であります。  ただ、今も郵政大臣の申しましたように、非常に国民生活に密接ないわゆる独占的な経営形態はしばらく続くということでございますので、やはり公共の福祉の擁護という観点も配慮をいたさなければならぬ、こう思っております。  そこで、今度の電電労使関係を律する法制度をつくるに当たりまして、労使の自主的関係にゆだねるべきで、一般の私企業における規制以上の規制はかけるべきではないという議論から、また逆に、民営化されたとはいえその事業の公益性は甚だ大きいので、争議行為を従前どおり厳しく規制すべきであるという議論もあったことは事実であります。大変幅が広かったわけであります。そういうようなことの中で私どもは考えたわけでありますが、新会社における労使自主性を最大限尊重さるべきであるという基本姿勢は、これは一番大切なところだ、しかし、その間にもやはりいろいろな御意見もございましたので、それをしんしゃくをいたしまして今回の暫定的な特例措置ということをつけ加えた、こういうことでございます。  もちろん、新会社は労働三権は認められております。そして今度のこの特例調整というのは、規制をしようという考えではなしに、紛争が起きたときはできるだけ迅速に解決をするということができるために、必要最小限度の措置として調停制度の特例を設けたものでございまして、争議権を規制しようなどという気持ちは決してございません。
  87. 大橋敏雄

    ○大橋委員 御存じのとおり、労働三権というのは労働者の基本的な権利であるわけですね。しかしながら、終戦後、アメリカの占領政策によりまして官公労働者には厳しい規制がしかれたわけでございますが、この三公社等の現業部門に対しましてストライキを含む争議行為を全面的に禁止していたことは、これは国際的にも類例がなかったわけであります。そういうことで、官公労働者はスト権奪還闘争というものを、さまざまな犠牲者を出しながらも闘い続けてきたわけですね。今回、事業内容は膨大なものであり、公共性も大変なものではございますが、公社から民営化されるという事実がここに出できたわけですから、言うならば天下晴れて自由の身となるわけでございますから、余分な規制はすべきではない、私はこう思うのでございます。  そこで、私は個別的にお尋ねをしてみたいと思うのですけれども、今般、電電公社と同様に経営形態を変更される専売公社があるわけでございますが、これについては、労働関係は労働三法の適用、すなわち全く民間並みとされているわけですね。これに比べて非常に片手落ちではないかというのが一つ。もし事業内容の公共性の相違によってこういう姿になったんだ、片手落ちになったんだということであるならば、先ほども問題になっておりました日本航空はどう見ているんだ、政府の資金が投入され、しかも電気通信事業と比べてその公益性には何ら遜色のないのが日本航空でございまして、そういう日本航空と、あるいはまた先ほどのKDDですね、国際間の業務に限定されているとはいえ、電電公社及び新電電とほとんど同様のKDD、こういうものについては労働三法が適用されております。先ほども話があっておりましたように、労調法上の事業としての一定の規制はかけられておりますけれども、さらにそれに上乗せした今回の附則の内容というような規制はつけられていないのに、なぜ今度の場合は特別な規制をかけるのか、もう一度大臣にお伺いいたします。
  88. 谷口隆志

    ○谷口(隆)政府委員 専売公社の問題とか日本航空、KDDの会社の場合との問題でございますが、先ほど大臣も申し上げましたが、今回民営化されます電電会社につきまして特例措置を設けようとしております趣旨は、電電公社民営化されましても、民営化されるに際しまして、一つは、従来争議権は全面的に禁止して強制仲裁制度で紛争を解決するという仕組みの法体系から、争議権を享有する労組、労調法の法体系に移行する、そういう意味労使関係の法的基盤に大きな変化があるということがございます。  二番目に、民営化された会社なりますけれども、新会社につきましては少なくとも当面、引き続きかなりというか相当重要な役割を実施されるわけでございまして、通常の争議行為程度では電話による通話サービスは自動化されておりますから直接障害が出るということはないと存じますけれども、その争議行為の態様いかんによっては国民経済なり公衆の日常生活に障害を生ずるおそれがある。そういう新会社に特有な経過的事情がありますので、当分の間に限りまして紛争を迅速に合理的に解決する仕組みを設けようというのが私どもの考え方でございます。  そこで、御指摘の専売公社、日航、KDDのことでございますが、専売公社につきましても御指摘のように民営化される点は今回の電電公社の場合と同じでございますけれども、国民生活等に与える障害につきましては基本的に差異がございますので、電電に考えておるような仕組みは必要がないんじゃないかということを考えましたことと、それから日本航空、KDD等につきましては、公益性はかなり高いものがございますけれども、その公益性についても、電話等を中心とする電電会社のサービスの国民生活、経済へのかかわり方と基本的に違いがあるのじゃないかというようなこともございますが、法的基盤が変わるという経過的な側面がないという点も違いますし、また現行法体系の中で特別問題がないというような実情もございますので、そういうことを勘案して、こういう措置は設ける必要がないというふうに考えているわけでございます。
  89. 大橋敏雄

    ○大橋委員 いろいろ御説明があったわけでございますが、要するに本当の気持ちは、労働組合に対する不信感が心のどこかにあるのではないか、私はこう思うわけですね。KDDにしろあるいは日本航空にしろ、労調法上の規制はかけられていますよ。私は、そこまででいいと思うのです。今の労働組合の良識といいますかあるいは見識、また国民の世論の力というものは莫大なものでございまして、そう非常識なことでこういうストを発動するわけじゃないわけですよ。ですから、私はせめてKDDあるいは日本航空並みに取り扱うべきであるということを強く要求します。大臣、最後に一言もう一度聞かせてください。
  90. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 私といたしましては、やはり先ほど申しましたように、労使関係というものは一番大切なものだ、そして電電労使関係というものは非常に私は評価をしておる、そういう中でございますので、基本的にはあなたのお気持ちは十分理解できるわけでございまするが、先ほど局長から申しましたような変化の過程の中で暫定的、特例的にという気持ちでございますから、それほど長期にわたるなどというようなことは考えませんし、発動につきましても、これはよほど慎重に、よほどのことがない限り発動するということはまず考えられないと思っております。
  91. 大橋敏雄

    ○大橋委員 もう時間が来ましたからやめますが、二重規制は必要ないということを主張して終わります。
  92. 志賀節

    志賀委員長 次に、安倍基雄君。
  93. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 時間も限られておりますから、二つの点に問題点を絞ってお聞きいたします。  第一番は株式の問題、第二番は外資規制の問題でございます。  株式の問題につきましては、大蔵委員会でも論議され、当委員会でも繰り返し論議されたと思います。いわば資本金一兆円くらいの、含み資産がどのくらいあるかわからぬというような電電株がどういったぐあいに公開されるか、非常にみんなが関心を持っておるわけでございます。現在どういうスケジュールでやるかという話につきましてもこれはなかなか難しい問題かと思いますけれども、私ども要望いたしますことは、まず第一に、これが一部個人あるいは企業の利得になってはいかぬということと、第二は、電電がこれから国際競争力を持っていく上におきまして、十分のいわば含み資産と申しますか、資金を持ってこなくちゃいかぬということだと思います。この点につきまして、大蔵大臣に、その株式公開につきまして、今後どんなルールを考えておるのか、またその際にあらかじめ我々に相談する気持ちがあるのかどうか、この一点に絞ってお聞きしたいと思います。
  94. 竹下登

    竹下国務大臣 株式売却、これは当然のこととして国会の議決を要することでございますので、議決をいただいた限度数の範囲内で行うということでございますので、私どもは最小限その時点で、少なくとも国会の御意見なり御協議には、当然議することになりますから、事前に相談するかという表現を広義に言えば、最小限それもあり得るということではなかろうかと思います。  それから、今、御指摘なさいましたような方向にその処分が行われることは厳に慎まなければならぬ。今までのもの、いろいろ調べてみますと、例えば合成ゴムとか、そういうようなのでもいろんな議論をされておりますが、これはやはり極めて重要な資産でございますので、まさにそれこそ競争入札によるのかあるいはその他の方法、例えばシンジケート団によるものか、さらには株式市場の関連等どうなるか。先ほど申し上げましたように、新株の発行額と言えば、大体一兆八千億から九千億ぐらいの間だなという消化能力とか、そういうものを総合的に判断して、政府部内で十分検討して行うべきものである。しかし、あくまでも国会の議決ということがその前提にあるという認識を持つべきである、このように思っております。
  95. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 次に、外資規制の問題でございますけれども、この問題は私は非常に重要な問題と考えております。ところが、どうも四月六日のいわば閣議決定、その後はみんなが触れないような形になってきておる。私はこれは非常に心外である。行革も大事かもしれないけれども、一番問題は、この通信の分野が外資の支配にいわばゆだねられるかどうかということでございます。  いろいろ話を聞いてみますと、これは大丈夫だということをしきりと言うのでございますけれども、まず郵政大臣にお伺いいたしますけれども、先進国でいわゆる大型VANと申しますか、特別第二種について、これを自由にしている、外資参入が自由になっている国はどことどこですか。私は今までの議論を通じて当然このくらいのことは郵政大臣は御存じと思います。お答えください。――私は大臣に聞いています。
  96. 奥田敬和

    奥田国務大臣 こういった二種事業を開放したという国は、今回の日本とそしてアメリカだけだと思っております。
  97. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 御承知のように、フランスにおいてもドイツにおいても規制されている。イギリスがある程度自由になっているといいますけれども、これも女王のライセンスという形をとっております。  かつて、問題が決着する前に郵政省がつくった資料がございます。「特別第二種電気通信事業がもつ国際的、政治的、経済的、社会的な影響の大きさを考慮した上で、国家の安全保障の面からいっても」外資規制は必要最小限であるとはっきり書いてございますが、これが変わったのはどういう意味でございますか。今でもそういうぐあいに考えていらっしゃいますか。――私は大臣に聞いております。
  98. 奥田敬和

    奥田国務大臣 当初、郵政原案としては緩やかな外資規制を考えたことは事実でございます。それは二種事業に関して特に大型VANという形になりますと、全国ネットで、しかも不特定多数ということで、これが経済的あるいは社会的に与える影響はまことに大であります。したがって、そういった意味から、ある特定VAN、特定の大型のVANがもしも外国資本一社に独占席巻されて、支配されるというような事態の想定も含めて考えたところでございます。その後、いろいろな調査、そしていろいろな討議の過程を経まして、一社独占あるいは外国資本に席巻されるおそれというものは全然ないという断定はできませんけれども、そういった形じゃなくて、競争原理が多分に働いて、十分対抗し得るという結論に達しましたので、そういった討議の末の中で、外資規制はこの際、世界でも先導的な一つの重大な改革ではございますけれども、こういった形で開放しようということに、内外無差別の原則をとったという次第でございます。
  99. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 このいわば大型VANの分野が、では、今でも、もし外資に席巻されたら困るという御認識をお持ちでございますか。
  100. 奥田敬和

    奥田国務大臣 一手独占の形で支配されるという形はまことに影響大、困るという考え方は今でも変わりません。
  101. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 いろいろまあ、一体勝てるか勝てないかという問題がございます。  それでは、私は、大臣もいろいろこの議論を通じて覚えていらっしゃると思いますけれども、ATT、IBM、電電、富士通、それぞれ大体どのくらいの売り上げ規模と御理解でいらっしゃいますか。
  102. 奥田敬和

    奥田国務大臣 詳しいことは知りませんけれども、日本のNTT、電電公社と比較いたしますと、ATTの規模というのは売り上げにおいても恐らく倍近くあるのじゃなかろうかと思っております。IBMもそれ以上の規模であるように認識いたしております。
  103. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 ずうたいの大きいものが必ずしもいわばVAN事業、大型VANを支配するかどうかわからぬという議論もございますが、私自身もその辺は確信はございません。しかし、今我々は、この事業はまだ始めてない、要するに、プールのところでスタートを待っておるというところです。ずうたいの大きいものが勝つか、いや、我々のプールだから勝つのか、だれも言いようがないというような状況で、どうして日本の産業が、日本の方が勝てるという確信を持たれたのか。しかも、これは我々の電電だけではなくて、もう少し、今回の民営化は日本の民間の企業が育つことを望んでいると私は考えております。この場合に、私はきょうは通産大臣に来ていただこうと思っていろいろあれしたのですが、それができなかったものですから、通産の担当者の意見を聞いても仕方がないから主として郵政大臣にお聞きいたしますけれども、どういう根拠で我々の国内の企業が育つのか。電電のみならず国内企業は、IBMとかATTとかああいったものが本格的に乗り出すのに対して勝てるのか。IBM、ATTは、御承知のようにしばらくの間独禁法でアメリカは手足を縛られておったわけです。それだけにまだ十分ではないのでございますけれども、その潜在力というのは大きなものがあるわけでございまして、このままほっておけばATT、IBM、電電の三社の三つどもえになるのじゃないかと私は考えております。その場合にどうやってその民間の部分が育っていくのか、どうやって日本が勝てるのかということをお聞きしたいと思います。だれからそういうことを聞いたのか。
  104. 奥田敬和

    奥田国務大臣 大変専門的なお話になりましたけれども、日本の場合VANの分野は未成熟な分野である、この認識においては先生の御指摘のとおりだと私も認識いたしております。ただ、ATT、IBM、なるほど現在の公社の力をもってしてもその技術力、資本力といった形においては巨大なものであるという認識はもちろん私も持っております。しかし、このVANの分野においては、ATTといえどもつい昨年から開放されて、独禁の解除でようやく入ったばかりでございますし、日本においてはもう既に数年前から電電公社は先行してこのVANのシステムはやっておるわけです。現実において全銀のシステムであれ何であれ、これは不特定多数ではありませんけれども、そういった形でVANシステムのノーハウに関しては電電当局もATT、IBMに十分対抗でき得る技術力と信用力を持っておるということは自負いたしております。  そういった形でこれから民間の新しいローカル的あるいは業種的にそれぞれのグループのVAN事業ができると思いますけれども、やはりVANといえども基本的には、システムもさることながら企業の機密なりそういった形の信用が一つの非常に大きな企業基盤を支えておるわけですから、例えば電電公社が新会社になって、今日やっておるデータの処理部門というものは、IBM、ATTに技術的にも決して席巻されることはないという確信を公社当局は持っております。
  105. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 私は公社だけじゃなくて民間のいろいろな企業、実は私は二、三代表的な企業に聞いてみました。担当者は皆恐れておる。ただ、首脳部は表立って反対の旗を振ると通産ににらまれるとかいったことでちゅうちょしている。私は事実何人かに聞きました。電電はあるいは対抗できるかもしれない、しかし民間産業はどうだかわからないと私は思うのでございます。その意味において私は通産大臣の意見を聞きたかったのでございますが、これはどうせ政府委員が出てきても大丈夫ですという答弁しかないと思います。だれに聞いたか、一体どういった根拠で大丈夫なのか。私はいろいろ外国の人間と会っていますけれども、アメリカは今までは自分の弱い産業、鉄とか自動車は負けそうだ、それではしょうがないから先端産業で出てこようということを考えておるようでございます。その意味におきまして、私は少なくともこの二、三年は一応外資を閉ざして、国内でその市場をつくり、そして外資を認めるというようなことでいくべきだと思うのでございます。  私はここでずばりお聞きしますけれども、もし日本の国内産業が育たなかった場合、あるいは独占とは言わないにしても外資によって相当撹乱されたとき、大臣はもう一度この法律を見直すことができるかどうか、外資規制について見直しをするかどうか、その点についてはっきりとお答え願いたいと思います。
  106. 奥田敬和

    奥田国務大臣 今回の電気通信事業法案というものは、あらゆる面において、技術革新の面も含めて非常に変化の多い事業分野であるという認識で、この法案提出に当たっていろいろな御指摘も受けましたけれども、三年間の見直し規定という形の分野を設けてあるのも、そういった技術革新の分野と同時に、今、先生も御指摘なさったように二種事業という形はまさに未成熟な分野でもございます。そういったこと等々も勘案いたしまして、それだけのために見直し規定を設けてあるわけではございませんけれども、そういうグローバルな形の中での一つの見直し規定という形で御認識賜りたいと思います。
  107. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 それでは、今のお答えは外資規制についても見直すということをお約束なさるんですね。
  108. 奥田敬和

    奥田国務大臣 今回の法案では内外無差別ということで二種事業に関して開放するわけでございますけれども先生の御指摘されたような懸念は日本の市場では起こらないという形の中で開放いたしました。もしそういった形の危惧が具体的なものとなって、業界秩序という形の面においても、あるいはそういった中小VANに対する影響の混乱度から見ましても、それがふさわしくなかったという結果が出た場合においては、当然それらの点も見直し規定の中に含まれるものと私は理解いたしております。
  109. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 それは議事録にきちっと書いておいてください。私はこの前中曽根総理大臣にも御質問したんですけれども、現在金融の自由化、そしてこのVANの問題。金融というのはいわゆる血液である、通信は神経である、この二点はやはりどうしても、私は金融の自由化もやむを得ないと思うけれども、ある程度テンポが必要である、血液の交換にはある程度の時間が必要であるということとともに、いわば神経組織である通信事業、これはどうしても譲るべからざる一線もあるのではないかと思うのでございます。  この点におきまして大臣がはっきりと、外資規制については状況によっては見直しを行うということをお約束してくれましたから、まだ時間もございますけれどもこの点については私は一応……。この一点につきまして私は非常に心配をしておった。  それとともに、それじゃもう一つお聞きしますけれども郵政省が財投あたりから大分資金を受けてVAN事業あるいは第一種についての援助を要求しようというお話がございますけれども、それは本当でございますか。政府委員で結構でございます。
  110. 奥田敬和

    奥田国務大臣 ちょっとその前に……。  外資規制については見直すと名言したように先生指摘なさいましたけれども、これは大事なことですからはっきり言わせていただきます。  今回の御審議願っている電気通信事業、今日のこの法案の中で三年後の見直し規定がある。それはなぜか。この分野というのは世界でも技術革新の変化の非常に著しい分野であるし、この際内外無差別という世界でも先導的な形で通信事業というものを開放いたしました。そういった形においては日本はまさに、通信事業を世界で内外無差別という形で開放したということは、先生の御指摘にもありましたようにほとんど例のない先導的な一つの試案でもございます。そういう形の中でいろいろな技術革新の変化の分野であることも踏まえて、通信分野において国家の通信主権を侵されるような、先ほども先生も御指摘ありましたが、確かに神経系統であるそういった形の分野において、万が一にも混乱が起こるというような形になった場合には、広範な範囲において見直し規定の中にも当然その問題は含まれるであろうということを申し上げた次第でございます。見直すと申し上げておるわけではなく、含まれておるということを申し上げたかったわけでございます。
  111. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 政府委員に対する質問は小さな問題ですから。  これは、そういった状況が起こったら見直すということ。大臣は世界に先駆けてというお話をされましたけれども、先駆けてというのは、耳ざわりはいいけれども、実際のところアメリカの圧力に屈してと言っても同じだと思うのですよ。でございますから、この点につきまして、この見直し規定というものは、外資の見直しも含めて、そういった状況が起こったら手段はとるということをお約束なさったものと理解して構いませんですね。
  112. 奥田敬和

    奥田国務大臣 見直しも含めてという形の中には、広範の中には入っておるということでございます。
  113. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 さっきの質問についての……。
  114. 奥山雄材

    ○奥山政府委員 財投関係の御質問につきましてお答え申し上げます。  今年度、五十九年度予算の中にVAN並びに双方向CATV関係の財投は三十億円、それから放送型のCATVで三十億円、衛星放送関係で二十億円、計八十億円の財投が認められております。  先生お尋ねは、六十年度に向かってそれを拡大する方針であるかどうかというお尋ねかと思いますが、来年度の予算要求の中身はまだ固まっておりませんけれども、少なくとも申し上げられますことは、現在国会において御審議いただいております電電改革法案を成立させていただきますと、来年四月以降新しい競争体制が現出しますので、当然のことながら、VAN事業を初め新しい電気通信事業者が一種、二種を含めて登場してくると想定されますので、それを前提にいたしまして、来年度の予算要求の中では今年度の八十億円にとどまらず、さらに拡大した形での財政投融資の要求をすることになろうかと思います。  なお、これは八月三十一日の概算要求までに結論を出すつもりでございます。
  115. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 負けては困るからということはわかるのですけれども、もしそうやっててこ入れをしなければ対抗できないという産業であれば、もともとその辺を規制するのが当然だったわけだと私は思うのです。  私どもの時間は二十分しかないものですから、この辺でやめますけれども、いずれにいたしましても、この外資問題はいわばアメリカに言われたからやったと言いますが、アメリカの場合には、御承知のように、行政府は、国会がうるさいから、国会がこうだからということを常に交渉の手段にしているわけです。我々国会が交渉の盾になろうじゃないですか。国会がうるさいから君たちの要求には応じられないよとなぜ答えなかったのか、私は非常に心外でございます。郵政大臣がはっきりと見直しの中には外資の問題も含むということをおっしゃいましたから、あと何年間の様子を見ましょう、一応外資を閉めておいて、そして三年後あるいは五年後に、見直しのときに開けばいいんじゃないか、何で今やる必要があるのかと私は思うのでございます。プールのスタート台に立ちながら、一体向こうが勝つかこちらが勝つかまだわからない状況で、一遍こちらがやってみてそれで本当に勝てる、外資に攪乱されないという見通しがついて初めて幕を開けるのが当然じゃないかと思うのでございます。この点いかがでございますか。
  116. 奥田敬和

    奥田国務大臣 一種事業に関しては、もうはっきりと外資の厳しい規制枠というのはあるわけでございます。二種事業に関しまして、特に今、御指摘のようなVAN事業に関してでございます。しかし、アメリカも成熟した分野とはいえ、この分野においては十年くらい、しかもそれも中小に限っての一つのあれでございますし、今、御指摘になったようなATT、IBMという巨大技術力、巨大資本を持ったところと、今日もう既に開始している日本のVANシステムのノーハウ、技術、あるいは民営化された会社がその面で十分対抗して多彩なサービス供給が行われることになれば、内外無差別の体制をとって開放したということは、後で結果的には、先生の御懸念されるような面と同時に、逆に言えば、むしろこういった二種事業の大変な活力というものは国家の経済社会の中で恩恵としてもたらされるということも考えていただきたいと思うわけでございます。
  117. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 もう時間もございませんけれども、勝てる、勝てないはちょっと問題でございまして、これを外資にオープンするということは、いざとなってみればじゅうりんされても仕方がないよという前提じゃないでしょうか。(奥田国務大臣「じゅうりんされないだろう」と呼ぶ)されない、されるというのは……(奥田国務大臣「意見だよ。討論になっちゃうじゃないか」と呼ぶ)もしこれでもってじゅうりんされたら、責任をとりますな。
  118. 奥田敬和

    奥田国務大臣 そういう形にならないようにお互いに努力いたしたいということでございます。もちろん責任をとれと言われれば当然でございます。
  119. 安倍基雄

    ○安倍(基)委員 それではこの辺でやめておきましょう。  いずれにいたしましても、この問題は大きな問題でございますので、よろしく考えていただきたい。いずれにせよ、見直しの中にそれが入っていると私は理解しておきます。質問を終わります。
  120. 志賀節

    志賀委員長 次に、塚田延充君。
  121. 塚田延充

    ○塚田委員 私の予定質問時間は非常に制限されておりますので、労働省に対しまして、スト権問題を中心とする労使関係に焦点を絞って御質問申し上げますので、労働省サイドの明快かつ簡潔なる御回答を期待するものでございます。  まず、労調法附則におきまして、国民生活に相当の影響を及ぼす争議につきましては労働大臣によるスト規制、これは十五日間でございますが、これができることとなっておりますけれども、労調法には総理大臣による緊急調整の規定がございます。ですから、この総理大臣による緊急調整の規定で十分な対応が可能であると考えてもいいんじゃないかと思うのですが、労働省の御見解をお伺いいたします。
  122. 谷口隆志

    ○谷口(隆)政府委員 今回講じようとしております措置は、電電公社が新たに民営化されます、その新会社への移行につきまして、一つは公労法から労組、労調法へ適用が変わる、そういう意味での労使関係の法的基盤が大きく変わるということ。それから二番目には、公社から民営に変わってまいりますけれども、少なくとも当面、引き続き公社時代と同様な重要な役割を果たされる新会社につきましては、経過的な事情がありますために、これに対応する暫定的な仕組みとして考えようとしているものでございます。  御指摘のございました緊急調整制度は、争議行為によりまして国民経済とか国民生活が重大な危機にさらされるような場合に対応しようという性格のものでございます。つまり異常な規模だとか異常な性質の争議行為に対処いたしまして、国民経済を擁護するとかあるいは国民生活の安定と秩序を保持しようという、いわば非常事態に対応するような制度でございます。今回考えております措置は、こういうふうに緊急調整を発動するような事態にまでは至らない場合でも、国民経済なり公衆の日常生活に相当程度の障害を生ずるおそれがある場合に対処しようというものでございまして、基本的には争議権を認めながらも公益を擁護する、そういう調和の中で私ども必要最小限の措置であると考えているわけでございます。
  123. 塚田延充

    ○塚田委員 重複するような質問になるわけですけれども、労調法附則によります規制をわざわざ上乗せすることの効力といいましょうか、実効性または必要性、これはどんなことにあるのか、もう一度お聞きしたいと思います。
  124. 谷口隆志

    ○谷口(隆)政府委員 労使関係に関します問題は本来労使間の良識ある自主的な関係によって処理されるべきであるという基本的な考え方はございます。ただ、先ほど申し上げましたように、争議行為によりまして国民経済等が重大な危機にさらされるような場合に、公益擁護の観点から緊急調整という制度が現在設けられておるわけでございます。  今回、電電の新会社につきまして考えております措置は、緊急調整のような事態に至らないまでも、場合によりましては国民経済等に相当程度の障害を及ぼす争議行為も考えられますので、そのような場合にはできるだけ労使間の自主的な対応という大枠は尊重しながらも、公益への障害を回避するため、迅速に、かつ適切な労使紛争の調整を行うことができる仕組みを設けるということは、私ども必要でかつ合理的なことだと考えております。  今回の特例調整制度は、新会社が持っております。そういう経過的な側面に着目して暫定的な措置として設けようとするものでございまして、場合によりましてはそういう実効性のある制度として機能するというふうに期待をいたしておるものでございます。しかし、当然のことながら、冒頭申し上げましたように、新会社におきましても労使関係が引き続き良好な状態で推移いたしまして、こういう特例調整制度が発動される事態にならないようなことが望ましいということでございまして、そういうことを期待をいたしておるところでございます。
  125. 塚田延充

    ○塚田委員 私がただいま質問申し上げておりますスト権問題を中心とする労使関係の問題につきましては、逓信委員会においても何度か質疑に上ったことでございましょうし、ただいまの連合審査においても同じような質問が繰り返されておるようでございますけれども、最後に労働大臣に、労使関係というものは本来労使の交渉にゆだねるべきだというこの原則を尊重する、これが一番大事なことだと思います。この原則について、繰り返しになると思いますけれども大臣の明確なる御答弁をお願いしたいと思います。
  126. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 おっしゃるとおりであろうと思います。労使関係、この信頼関係というものが今日の日本の活力の源になってきたということも、私はそう思っております。特に電電労使関係につきましても評価もいたしておるところでございます。決して電電労使関係に不信を持ってという意味でこの特例調停制度をつくったわけではありません。ただ、きのうまではスト権はない、一夜明ければ完全スト権というような事態に対しまして、電話がとまるようなことは私はないと思います、またそれ以上の事態に発展することも万々なかろうとは思いまするが、国民の皆さんに対する公益擁護という観点から、この過渡期におきましては暫定的に特例的にそういう制度も設けまして、そして万々が一のときはその紛争解決を早めて円満な解決にお役に立ちたいという程度の制度だ、私はこう思っておるわけであります。あなたのおっしゃるように、労使関係は信頼関係というものが確立されるべきである、大原則は間違いありません。
  127. 塚田延充

    ○塚田委員 これをもって私の質問を終わります。
  128. 志賀節

    志賀委員長 次に、小沢和秋君。
  129. 小沢和秋

    ○小沢(和)委員 最初に郵政省の方にお尋ねをしたいと思うのですが、日本電信電話株式会社法の附則、つまり会社の設立について定めている第三条の四では、「株式に関する商法第百六十八条ノ二各号に掲げる事項は、定款で」定めるということになっております。  そこでお伺いしますが、二号の株式の発行価額は幾らにするのか、それから三号の「株式ノ発行価額中資本二組入レザル類」、すなわち資本準備金は幾らになるのか、まずお尋ねをいたします。
  130. 小山森也

    ○小山政府委員 お尋ねの点でございますが、これはいずれにせよ正式には設立委員が決めるべきものでございますが、私どもが一つの試算として申し上げるという点を前提条件として申し上げますと、発行価額の総額というのは電電公社が新会社に出資する財産の正味価額に当たる額になるものと考えております。これにつきまして、昭和五十九年度の予定貸借対照表の自己資本総額、約五兆円として考えますと、これは非常に大胆な計算でございますけれども、そういうことを前提といたしまして退職手当は現在法律によって担保されておりますが、民営化によってその担保がなくなるわけでございますので、一般民間会社の例に倣いまして引当金、要するに負債として計上する、これが大体の計算でございますが一兆六千億ございます。その額を控除いたしますと約三兆円強が出資財産の正味価額になるものと考えられております。したがって、出資価額に相当する額はこの三兆円強であろうと推定しているわけでございます。  次にお尋ねございました資本に組み入れない額でございます。電電公社の純資産のうちの設備料累積額、これは加入者が負担した資本拠出的性格を持つことというふうに考えられますので、資本金に組み入れて株式に転化させることは適当でないと考えておりまして、資本準備金として整理すべきものと考えております。これも大胆な試算でございますけれども、推定するところの五十九年度の予定貸借対照表によりますと、これは大体二兆五千億ぐらいになるのではないかと考えております。
  131. 小沢和秋

    ○小沢(和)委員 その点はわかりました。  では、次にお尋ねをしたいと思うのです。これは大蔵省の方にお尋ねをしたいのですが、政府は今まで電電公社利益金に目をつけて、昭和五十六年度以降、国庫に毎年納付をさせてきたわけであります。初めは四年間で納付させるということになっておったのに、五十八年度は二年分納付させて、五十九年度にまた新しく財源確保の法律をつくって二千億円も納付させた、こういういきさつがあるわけですが、新会社なりますとこういう納付金は取れなくなりますけれども、先ほどからも議論されておりますように、これにかわって政府の収入をいろいろ上げる道があるということがはっきりしてまいったわけであります。まず税収ですけれども利益金を見てみると毎年約四千億円ぐらいですから、実効税率五三%とすると約二千百億円ぐらいが、これは地方税も含むことになるでしょうけれども、ある。しかし、その大部分は国税ということになるだろうと思うのです。それから次に配当、これは来年度は発足したばかりで、株の大部分は政府が持っておるということになりますと、配当をもし一割と考えれば、これで一千億、そうするとこれだけでも今まで取っていた納付金以上に政府には収入があるということになるのじゃないかと思うのですが、これは政府にはなかなかこたえられぬ改正なんだなということを私、先ほどからの議論で感ずるのですけれども、そういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
  132. 竹下登

    竹下国務大臣 まず第一に、五十六年に法律をお願いいたしまして、千二百億ずつ四年間これをお願いをしたわけです。これは納付させたんじゃなくして、お願いしてお聞き届けいただいた、こういうふうに理解をすべきであろうと思っております。そのお願いしてお聞き届けいただいたことを国会で御協賛を賜った、こういうことだろうと思っております。これは民営化が行われますならば一般の企業と一緒になりますから、念頭にあるのは、まずは法人税等の問題と配当の問題、この二つということになるわけでございます。  それから、株式売却ということにつきましては、これはまた国会の議決をお願いしなければできないことでございますが、その範囲においてその売却収入も、筋道からいえば一般の歳入財源として入ってくる、こういうことになろうかと思うのであります。ただ、四千億を仮定しておくという、今、御議論の土台でございますが、なかなかそういうことを今の段階で予測することは難しいわけであります。一つの仮定を前提に置いてのお話ですから、小沢さんのおっしゃっているのはむちゃだなどと申すつもりはございませんが、現実今の場合、それを予見することはなかなか難しい問題であろうというふうに思っております。  配当にいたしましても、一般的に、常識としては八分とかあるいは一割とかいうことが言われまずものの、それもいわば常識の範囲内の議論の土台となる問題でございますので、これとて現在予測するわけにはいかぬ。  ただ、御心配なすっておりますように、新会社から、また何か知恵を絞ってかわりの新たな政府収入をそれこそお願い申し上げるのじゃないかということは、今全く念頭に考えておりません。
  133. 小沢和秋

    ○小沢(和)委員 いや、私が言ったのは、特別に何かそういう制度をこしらえなくても今までの納付金以上のものが入ってくる、これはこたえられぬ話になっておるということを指摘をしたわけであります。  そこで、今度は郵政大臣の方にもお尋ねをしたいと思うのですが、今申し上げたように、国には今まで以上に金を出さなければならないようになるだろう。ところがその一方では、今度は電話利用税という話もきのうから盛んにここで議論をされているわけです。これは国税になるとかあるいは地方税として考えた方がいいとかいろいろそれはあるけれども、とにかくこれも五%とか一〇%とかいわゆる税率どおりならまた大変な負担になってくる、そういうような中で、新会社民間会社ですから利益を上げていかなければいけないということになれば、きのう私がここで心配していろいろお尋ねをしたような労働者に対する合理化とかあるいは電話料の値上げ――電話利用税というのは事実上値上げみたいなものですけれども、そういうことに勢いこれはなってこざるを得ないのじゃないかと思うんですね。この辺について、きのうはちょっと議論をしなかった点なんですが、どうお考えでしょう。
  134. 奥田敬和

    奥田国務大臣 きのうの御質疑の中でもこの電話利用税という問題が取り上げられました。  きょうは大蔵大臣がお見えになって、さっきからの御答弁にもありましたように、電話利用税は考えていないということでございました。論議の過程の中ではあるのでしょうけれども、今、大臣としてはそういった形の利用税は念頭にないということでございます。  私として、昨日答弁してまいったのは、競争原理を導入して公社民営化することによって新しいメディアのサービスと同時に、料金的にも安い形で国民にそのサービスのメリットを還元していただくという今度の新法案を目下御提案いたし、御審議願っているさなかに、電話利用税なるがごとき形で出ますと、これは結局、今、先生にも御指摘をいただきましたように、国民に直接はね返ってくるということになります。したがって、この利用税云々の形が、電電経営内容、本質は別として、直ちに利用税という形の加算というものは料金の値上がりにも通ずるおそれあり、したがって、今日のように料金を安く、サービスを還元しようという法案審議のさなかにこのような論議が出ること自体私としては承服しがたいということを申し上げた気持ちはきょうも変わっておりません。
  135. 小沢和秋

    ○小沢(和)委員 では、問題を変えたいと思いますが、先ほどから、これもスト権問題が盛んに議論されておりますので、これについての私ども見解を申し上げながら若干お尋ねをしておきたいと思うのです。  もともと、敗戦後、新しい憲法のもとで、憲法二十八条に基づいて、電電の労働者も含めて官公労働者にスト権が保障されておったわけであります。ところが、労働者の闘いの盛り上がりを恐れて、時のアメリカ占領軍が昭和二十三年に、マッカーサーの指示ということでこれを禁止するように指令をして、スト権を剥奪する政令がその後出されておるわけです。その状態が、言ってみれば憲法違反のこの状態が今日まで継続しているというのが今の状態ではないかと思いますし、私どもは、そういう立場からも、一日も早く官公労働者にスト権を回復すべきだということを今日まで言ってまいりました。  そこで、これは労働大臣お尋ねをしたいと思いますけれども、今回の法改正で新電電の労働者は民間の労働者になるというので、自動的にスト権を回復することになるわけです。ところが、無条件で返すわけにはいかないというので、労調法に新たに附則第三条を起こして、今でも内閣総理大臣が緊急調整を決定して五十日間争議行為を禁止することができるようになっているのに、これに加えて、労働大臣が同法十八条五号により労働委員会に対し調停の請求をした場合には十五日間争議行為を禁止するという、いわば屋上屋を重ねるようなナンセンスな条文が出てきておるわけです。これは本当意味があるのか、私はもう全く屋上屋、言ってみれば、ねらいとしては、労働大臣がまず調停の請求をやって、それでもだめなら内閣総理大臣の緊急調整、二つ関門を置けば大抵ストライキをやろうと言ってもできないような状態に追い込んでしまうことができる、事実上、これで今までと同じようにストライキなんかできないような状態をつくり上げることができる、その辺をねらってのことだろうと思いますけれども、これは私はまことに深くない態度じゃないかと思うのですね。この際、きっぱりこういうようなことはやめたらどうかということを思いますけれども、いかがでしょうか。
  136. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 私もきっぱりやめようかとも思ったこともある。しかし、たくさんの国民の皆さんの中には、きのうまでは全面禁止しておいて、一夜明ければオールフリー、ちょっとそこは、そんな心配はないかという意見もあったことも事実なのでございます。そこで、私としては、これはやはり民営になった以上は労使関係を信頼していくのが大道である。まあしかし、そういう御心配の向きもございましたので、初めは相当ありましたよ、だから、その向きも少しは配慮して、暫定的、特例的な調停制度、禁止というようなつもりではなしに、もしものことがあったならばひとつ早く解決をしたい、お世話をしたい、そういうつもりでつくったということでございまして、決してスト権を禁止するというようなつもりでやったわけではありません。
  137. 小沢和秋

    ○小沢(和)委員 今、大臣は、一夜明ければオールフリーというふうに言われたのですけれども、オールフリーでない。内閣総理大臣が緊急調整を決定して五十日間ストライキを禁止できるということがこの電電の労働者にはちゃんとかけられてくるような仕組みになっておるわけでしょう。だから、もともとオールフリーじゃないのですよ。いつでもそれを発動することができるような状態に今度はなるわけでしょう。だから、オールフリーだなどと言うこと自体が間違っておる。それから、お世話をすると言うのですけれども、お世話をするのだったら、何もそんな禁止などということをまた振りかざさなくてもそれはできるわけなんですね。だから、そういうことはやめてもらいたいと思いますけれども、きょうは時間もありますから私は一応我々の見解を申し上げる範囲にとどめておきたいと思うのです。  それから、もう一つお尋ねをしたいのは、これはどなたにお尋ねすればいいのかちょっとわかりませんけれども、新会社に移行して心機一転するということになれば、憲法違反の公労法によって多くの処分が今日まで行われてきた、その処分についてもこの機会に過去の悪しき遺産だということできっぱり全部撤回をする、そして実損を回復するということ、私は新たな再出発をするというのだったらこれは大いに考えた方がいいんじゃないかと考えるのですが、こういうことは考えませんか。
  138. 外松源司

    ○外松説明員 お答え申し上げます。  電電公社はストライキの処分につきましては適法にやっておるわけでございまして、経営形態が変わりましても画一的に実損を回復するという考え方は現在持っておりません。今後とも勤務成績が優秀な者につきましては特別昇給制度を実施する中で対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
  139. 小沢和秋

    ○小沢(和)委員 時間がありませんからその次の問題に移りたいと思うのですが、私は、「最近の高齢者対策について」という表題の大阪電電の西地区管理部長名のマル秘の指示文書の写しを入手いたしております。それがこれですけれども、これによりますというと、ことしは年金制度の改正を控えて、それがやられる前の方が退職しやすいということになるのじゃないか、だからことしはやめさせるチャンスだから頑張れということで、例年より退職勧奨期間を繰り上げて、一人でも多くやめさせるようにというしりをたたいた文書なんですね。具体的にはどんなことを言っているかというと、労使間で退職勧奨は五十八歳になったときに一回だけやるようになっているわけですが、ことしは特に過去に勧奨した人、それでやめなかった人についても、そういう事情だからやめたらどうですか、年金の改まることなども言ってもう一遍やめるように説得しろ、それから、五十八歳になったら退職しなければならないという職場雰囲気の醸成に努めろ、どんなことを言っているかというと、職場で高齢者を村八分のようにしていたたまれないようにしてしまえ、年とったからといって簡単にきつい仕事を軽い仕事に変えてやるようなことを配慮したりしたらだめだぞ、こういうことをマル秘の文書の中では言っているのですよ。これは随分ひどい指示文書だと思いますけれども、こういう文書を実際出しているかどうかということをまず御確認したい。  それから、これは大阪の西地区で出された文書なんだけれども、この西地区の管理部長だけが特に気がきいておってこんなことをやるはずはないと私は思うのですね。これは電電公社の本社が考えて全国的にそういう方針で指示をした、その文書がたまたま大阪西地区で私どもの方にこうやって写しが手に入ったという関係じゃないかと思うのですが、その点もひとつはっきりした説明をしてください。
  140. 外松源司

    ○外松説明員 お答えいたします。  御指摘の文書につきましては、近畿電気通信局を通じまして調査いたしました。御指摘内容、御指摘の現場管理機関におきましてそういった文書が出されておるのは事実でございます。  その趣旨は、今、先生もちょっとお触れになられましたけれども公社におきますところの昭和五十九年三月期の高齢者の退職勧奨を実施するに当たりまして、共済年金につきまして、昭和五十九年四月一日に公企体の職員等共済組合が国家公務員等共済組合法に統合されるということに伴いまして、高齢の職員にとって退職した方が有利となるというようなことから、該当者に対してもその趣旨を説明するように、そういう趣旨でそのような文書を出したようでありますけれども、表現につきましてちょっと行き過ぎた点がございますので、この点については十分指導することといたします。  なお、本社がそういった指導をしておるかどうかという御質問でございますけれども、本社として、今、先生がおっしゃったような指導はいたしておりません。(「どういう指導をしているの」と呼ぶ者あり)
  141. 小沢和秋

    ○小沢(和)委員 今そちらから声が出ましたように、それではどういう指導をしているかということをお尋ねをしたいわけであります。御存じのとおり、公務員には今、既に六十歳の定年制がしかれております。それから、労働省は民間に対しても六十年六十歳定年の一般化ということを強力に指導をしているわけですね。国の大方針としては、私は、六十歳までこの高齢化社会の中でみんなが働けるようにするというのが大きな方向だと思うのですよ。そういう中で、五十八歳の人たちに、ことしがやめるチャンスですよということでうんと力を入れて肩たたけなんて、これは途方もない間違った方針じゃないかと思うのですね。そういう国あるいは全体としての動きになっておるということを知った上で公社はこういうことをやっておるのですか。一体どういう指導方針を今、公社本社としてはお持ちなのかということをお尋ねします。
  142. 外松源司

    ○外松説明員 高齢者に対する対策につきまして、電電公社として特にその対応が従来と変わったということはございません。ただ、先ほどもちょっと申し上げましたように、共済組合の関係が変わる、これについて、その該当と思われる職員にはよく周知した方がいいという考え方でもって、公社としてもその周知には努めてまいってきたところでございます。  御指摘の六十歳の定年制の導入の問題でございますけれども、これは国家公務員を初め他企業においても導入されつつあるわけでございまして、今後とも電電公社といたしましても検討していく課題であるというふうに考えております。
  143. 小沢和秋

    ○小沢(和)委員 これで終わりにしたいと思いますけれども、今、電電公社としては基本的には今までと対応に変わりがないというふうにおっしゃったのですが、私は、変えてもらわなければいけないと思うのですよ。なぜかというと、今まで電電公社がやってきたことというのは、国が六十歳定年制もしいていないあるいは全国的に六十歳定年を一般化することが大きな流れにもなってきていないという時期につくった退職勧奨の慣行、その仕組みを今もずっと続けているというのでしょう。これじゃだめなんですよ、ほか全体の情勢が変わってきているのですから。だから、当然はっきり六十歳以上にするという立場に立って、今後電電公社としては、新電電になるにしたって、その点をはっきり変えていくという姿勢に立って対処していかなければいけないのじゃないですか。この点については、総裁と労働大臣郵政大臣に一言ずつ伺って終わりましょう。
  144. 真藤恒

    真藤説明員 今度組織が変わりますので、そのときに労働協約の見直しをやらざるを得ませんので、その中に織り込む予定にいたしております。
  145. 奥田敬和

    奥田国務大臣 労使の自主決定で、新電電の場合当然労働協約の中にも先生の御指摘の趣旨というのは労使の自主決定にゆだねられる部分であろうと思っております。(小沢(和)委員「六十歳以上にするということですな」と呼ぶ)それらを含めて自主決定されるのが至当であろうと思います。
  146. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 六十歳定年ということは労働省も努めておりまして、今や相当な主流になってきておる時代であります。公社の職員は法律的にも身分は守られておるわけであります。自主的な問題はともかくとして、強制退職ということは許されることではないと思っております。
  147. 小沢和秋

    ○小沢(和)委員 終わります。
  148. 志賀節

    志賀委員長 次に、江田五月君。
  149. 江田五月

    ○江田委員 逓信委員長及び逓信委員会理事各位の御理解をいただきまして、十五分という貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。時間が食い込んでおりますが、もうしばらくよろしくお願いしたいと思います。  まず、私もスト権の問題について伺いたいと思いますが、どうも新電電のスト権、何かぱっとしませんね。すぱっとやめようと思ったこともあるという労働大臣お答えでしたが、しかしそうはいかなかったということで、なぜきちっとした解決にならないかということを考えてみたときに、どうもスト権なり労働基本権なりというものについての基本的な見方、考え方、どういう価値をそこに置くかということについての感覚の違いみたいなものがあるのかなという気がしまして、最初に労働大臣にその感覚を伺ってみたいのです。  けさの朝日新聞なんですが、見ておりましたら、イギリスのことなんですが、情報機関員の組合活動禁止について英国の高等法院が違法の判決、つまり違法であるからいけない、そういう内容の判決を下した。この情報機関というのは政府通信本部だそうで、情報収集活動に従事をしておる。米国家安全保障局と緊密な連絡をとりつつ運営して、対ソ情報通信処理の欧州探題だという大変な機関で、組合活動は機密漏えいのおそれがあるからというので、組合の団結権の剥奪を決定をしたら、そんなことは違法であってできない、こう裁判所が判決をしたということです。この電電、情報通信の網の目が麻痺をする、国民に大変な迷惑をかける、それはそうなる。しかし、片やイギリスのようなところでは、こういう国家機密をあずかるところまで、これはスト権かどうかちょっとわかりませんけれども、組合活動が自由になっている。警察にしても消防にしても、軍隊まではちょっとなかなか難しいでしょうが、そういう労働基本権というものが、これはもうそういうものだ。少々いろんな国民生活の迷惑があっても、スト権を含めた労働基本権というのは尊重されなければならないんだという、それが何か近代国家なり近代憲法なりの原則だということが我々戦後世代の常識なんですが、どうもそのあたりがちょっと違うんじゃないかという気がしますので、今のこのイギリスの例、詳しいことはもちろん御存じないと思いますけれども、どんな感じてお聞きになられたか、感想、感覚を伺いたいと思います。
  150. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 詳しいことは存じませんけれども、一般的に言いまして、スト権を含む団結権というものは尊重さるべきものである、それによって多少の影響を受けるということはやむを得ない場合が多い。しかし、そこがまた基本的人権と公共の福祉の調和というところがございまして、どこまでやるか、具体的な問題はその国その国のやはりいろんな実情に応じて、法律、制度によって規制をされておるところもあるだろうと思っております。  我が国におきましては、あなたから見ればイギリスほど進んでないとおっしゃるかもしれぬけれども、やはり日本人の大方の感覚というものは、公共の福祉というものも非常に大事なんだという感覚はイギリスよりちょっと強いのではないかな、こう思っております。そういうところですね。
  151. 江田五月

    ○江田委員 どっちが進んでいるといっても、イギリスもイギリスで悩みを抱えているわけですから、それがいいと一概に言えるわけではありませんけれどもね。しかし、別にストライキがどんどん起こった方がいいわけじゃないので、これはもちろん信頼関係が保たれて円満な、円滑な労使関係が続いていく方がいいに決まっている。しかし、公共の福祉といっても、万やむを得ないときに労働者の皆さんがストライキをやって、それで公共の福祉が多少害される、そういうことは長い目で見ていくと世の中の進歩発展に通じていくんだという一種の信頼がなければいけないわけで、労働省なり労働大臣というのは、そういうときに国民の皆さんに、どうもストライキに対して公共の福祉に対する懸念の方が強いから、そういう心配の向きもあるから、だから屋上屋を架したスト規制をやる。総理大臣の政治責任だけじゃ足りないから労働大臣の政治責任までさらに上乗せをする。そういうことをやるんじゃなくて、むしろ逆に、国民の皆さんに、労働基本権なりストライキ権なりについての寛容の態度なり精神なりを助長していく、そういう努力をすることの方が労働大臣の務めじゃないかと思いますが、いかがですか。
  152. 坂本三十次

    ○坂本国務大臣 先ほども申し上げましたように、やはりその国その国のいろいろな国民感情なりそれからまた慣行なりございまして、その具体的な判断というものは、あなたのおっしゃる気持ちはよくわかるのです。わかりますけれども、しかし、政治でございますから、大方の国民はどう考えておられるかなという判断が、私どもはこれはやはり考えなければいかぬことでございます。そういうような意味におきまして、今度の特例調停、暫定的な特例的なものという、基本的人権の方に八分のウエートを置けば二分ぐらいは多少考えよう、こういうことで今度考えたわけであります。
  153. 江田五月

    ○江田委員 これはひとつやはり大いに努力をしていただいて、今の新電電労使関係もこれまでの電電公社における労使関係と同様に、そうおかしなことになっていくはずはないと思いますし、また国民の理解もなるべく得るよう努力をしていただいて、こういう妙な制度、屋上屋を架すような規制の制度は一日も早くなくしていくよう努力をしていただきたいと思います。  それから次に共済について伺います。  ことしの四月からですか新しい制度になって、電電公社の共済がその他の国鉄とか専売とか国家公務員の共済と一本化され、麗しき労働者連帯、こう言われると、救いの手を差し伸べる方も差し伸べられる側も恐らく目をぱちくりするのじゃないかと思いますね。日ごろいろいろいじめ抜かれて、こんなときだけおだてられて、そんなおだてに乗るもんかという感じもあるんじゃないかと思います。労働者連帯も大切ですが、一体今、国鉄共済の救済のために電電職員一人一カ月当たり幾らくらい拠出している勘定になるのでしょうか。
  154. 中原道朗

    ○中原説明員 お尋ねの件でございますけれども、来年度に入って応援をするということになっておりまして、ただいまは長期財政調整委員会という組織の中で、どのような形で幾ら援助をしていくものであるかということを検討しておるところでございまして、まだその論議の中にあるというふうに理解をしております。
  155. 江田五月

    ○江田委員 一月一人当たり千二百円、公社負担分も入れたら二千四百円というような勘定になるというのも聞いたりしておるわけですが、これ民営ということになって、今のままで続けていくという整備法、これはこれで整合性があるというふうにお思いになっているんですか、そうじゃないんですか。退職金とか労災とか雇用保険とかといろいろ比べてみて、どうも共済だけがこういうことになっておるというのは、これ整合性があるようにはどう考えても思えないんですがね。
  156. 中原道朗

    ○中原説明員 お答えいたします。  私ども電電公社の立場で考えますと、全体が民営化されていく中で、ここの部分がむしろどちらかと言えば国家公務員と同じ扱いになっていくという点につきましては、いささか問題がないではないというふうに考えております。  ただ、前国会等におきまして、政府の方針が決められてまいったわけでございますけれども、共済年金の特殊性あるいは継続性、過去の経緯、こういうものの中から、厚生年金と共済年金との間に給付要件等いろいろ差があったり、あるいは移管するについて難しい問題等があるということから、直ちに厚生年金等へ移っていくということが特に年金問題については難しいという問題からされました所要の措置であって、移行するに当たりましては、ある意味では常識的、妥協的な措置として考えられる一つの方法であったであろうというふうに思っております。
  157. 江田五月

    ○江田委員 この年金制度は、いずれにしても将来大改革が必要になってくる。今既に大きな改革の筋道が、検討がもう既にかなり終わって、いろいろな法案も提出されたりしておるわけですけれども、そういう将来展望の中で一体電電公社、新しく民営化された新電電はどういう年金制度になろうとするのか、これは厚生省ですかね、将来展望の中でどういう位置づけを考えておられるのかを伺いたいと思います。
  158. 吉原健二

    ○吉原政府委員 電電公社民営化されるに当たりまして、当面、先ほどから御議論のございましたように、共済組合の適用を続けるという措置がとられたわけでございますけれども、将来の年金制度全体のあり方として、いずれにいたしましても、共済、厚生年金、国民年金、そういった各種の分離した年金制度を統合一元化する方向で進めなければならないという考え方を持っておりまして、私ども現在、今の国会に厚生年金と国民年金についての大きな制度改革というものを法案として提出して、御審議をいただいているわけでございますけれども、その考え方に沿って、次の通常国会に共済との調整を図るというスケジュールを持っておりますし、さらに昭和七十年を目指して制度全体の統合一元化についてさらに検討を進めるというスケジュールを持っておりますので、そういった中で今の電電の共済の取り扱いを含む全体の問題について検討を進め、見直しをしてまいりたいというふうに思っております。
  159. 江田五月

    ○江田委員 抽象的なお答えで、もっと突っ込みたいところですが、時間がありません。  真藤総裁に最後に伺っておきますが、これちょっと話が違うんですが、現在、来年の夏には婦人差別撤廃条約を批准をする。それを目指して今この国会でも男女雇用機会均等法が議論をされているというそういう時期なんですが、電電公社というのは交換手の皆さんが非常に多いわけだから、随分女性がたくさんいる職場がなと思って調べさせていただきましたら、全職員で見ると七七・三%が男だ。どうも女性は余り多くはないんですね。二三%弱。交換手を除いてみますと八八・五%が男だということで、この男女の差を見ると、平均年齢は男が三十七・四歳、女が三十九・七歳と女性の方が高いのに、平均給与は男が二十一万九千六百円、女性が二十万六千二百円。年が平均では女性の方が高いのに、給与は平均では女性の方が安い、こうなっていて、どうも公社という公共的経営体でも女性の地位が十分に確立されていないのかなという感じがするのですが、民営ということになりますと、ますますそういう女性がないがしろにされるという方向が強まるのじゃないか、こう懸念されますけれども、こういう男女の平等という大きな時代の流れの中で、総裁としてどういう御決意がおありか伺って、私の質問を終わります。
  160. 真藤恒

    真藤説明員 この男女平等問題というものが大きな流れとして動き出しましたので、私も今、先生のおっしゃるようなことに気がつきまして、実は女子職員の特殊な訓練スケジュールをつくりまして、今その実施に具体的にかかっておるところでございます。  考えますというと、今から新しい情報社会に入っていくときに、私どもの持っております女子職員というもののタレントというものは、使いようによっては非常に大きな力になるという可能性を持っておりますので、その方向についていろいろな基礎的な教育ということで、女子職員の中の指導者をグループ分けにつくりまして、それを今、訓練を始めておるのが実情でございます。そこから手をつけていきたいと思っております。
  161. 江田五月

    ○江田委員 終わります。
  162. 志賀節

    志賀委員長 以上をもちまして、本連合審査会は終了いたしました。  最後に一言お願いをしておきたいのでございますが、先ほど来の御質疑の間に、委員長の取り仕切りによらないで特定の答弁者を求める動きがございました。こういうことは、一歩誤りますと、委員会混乱の源に相なりますので、どうか同僚委員におかれましては十分御注意をしていただきたいと思うわけでございます。  以上、特にお願いをいたしまして、これにて散会をいたします。     午後零時五十八分散会