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1984-11-20 第101回国会 衆議院 大蔵委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年十一月二十日(火曜日)     午前十時三十分開議  出席委員   委員長 瓦   力君    理事 越智 伊平君 理事 熊川 次男君    理事 伊藤  茂君 理事 野口 幸一君    理事 坂口  力君 理事 米沢  隆君       大島 理森君    熊谷  弘君       小泉純一郎君    笹山 登生君       塩島  大君    田中 秀征君       中川 昭一君    中川 秀直君       葉梨 信行君    平沼 赳夫君       藤井 勝志君    堀之内久男君       森  美秀君    山岡 謙蔵君       上田 卓三君    沢田  広君       渋沢 利久君    柴田  弘君       宮地 正介君    正森 成二君       簑輪 幸代君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 竹下  登君  委員外出席者         大蔵政務次官  中村正三郎君         大蔵政務次官  江島  淳君         大蔵省主計局次         長       平澤 貞昭君         大蔵省主税局長 梅澤 節男君         大蔵省理財局長 宮本 保孝君         大蔵省銀行局長 吉田 正輝君         大蔵省銀行局保         険部長     加茂 文治君         厚生省健康政策         局総務課長   多田  宏君         運輸省地域交通         局自動車保障課         長       福島 義章君         参  考  人         (日本銀行総裁)前川 春雄君         大蔵委員会調査         室長      矢島錦一郎君     ————————————— 委員の異動 八月八日  辞任        補欠選任   正森 成二君    不破 哲三君 同日  辞任        補欠選任   不破 哲三君    正森 成二君 九月十一日  辞任        補欠選任   簑輪 幸代君    岡崎万寿秀君 同日  辞任        補欠選任   岡崎万寿秀君    簑輪 幸代君 十一月二日  辞任        補欠選任   中西 啓介君    堀之内久男君   中村正三郎君    中川 秀直君   村上 茂利君    大島 理森君   与謝野 馨君    葉梨 信行君     ————————————— 八月八日  一、貸金業規制等に関する法律の一部を改正   する法律案伊藤茂君外十三名提出衆法第   一〇号)  二、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締り   に関する法律の一部を改正する法律の一部を   改正する法律案伊藤茂君外十三名提出、衆   法第一一号)  三、国の会計に関する件  四、税制に関する件  五、関税に関する件  六、金融に関する件  七、証券取引に関する件  八、外国為替に関する件  九、国有財産に関する件  一〇、専売事業に関する件  一一、印刷事業に関する件  一二、造幣事業に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国の会計税制及び金融に関する件      ————◇—————
  2. 瓦力

    瓦委員長 これより会議を開きます。  この際、今般新たに就任されました中村大蔵政務次官江島大蔵政務次官より発言を求められておりますので、順次これを許します。中村大蔵政務次官
  3. 中村正三郎

    中村説明員 今般図らずも政務次官を拝命いたしました中村でございます。厳しい財政情勢の折から、その職責の重大さを自覚し、誠心誠意職務遂行に当たる所存でございます。  御指導、御鞭撻のほどを何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手
  4. 瓦力

  5. 江島淳

    江島説明員 今般図らずも大蔵政務次官を拝命いたしました江島淳でございます。職責の重大さをひしひしと痛感いたしております。  微力ながら全力を傾けて職務遂行に当たる所存でございますので、委員各位の御指導と御叱正をよろしくお願い申し上げます。(拍手)      ————◇—————
  6. 瓦力

    瓦委員長 国の会計税制及び金融に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤茂君。
  7. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 今新しい政務次官の御発言ございましたが、竹下大臣も三期目の大蔵大臣の重責を担われるということで、恐らく三回大蔵大臣を務められる前例は聞かない、今までもないのじゃないかというふうに思いますが、大臣、また俊敏なる両政務次官、非常に重大なときでありますから、国民のために有益な御活動をなさいますように奮闘を祈りたいと思います。  短い時間でございますから、いろいろ問題ございますが、六十年度の予算編成関連をする幾つかの問題についてお伺いをしたいと思います。総論的な議論もいろいろしたいのですが、その時間がございませんので、二言だけまず大臣から、六十年度予算編成の基本的なポイント性格づけといいますかお考えになることを伺っておきたい。  もう新聞にも、予算編成のさまざまのスケジュールなども報道されております。年内編成ということで、もう月末から精力的なさまざまの作業に入っていくというふうなことだろうと思います。今まで竹下さんの大蔵大臣の時代に、財政再建前夜とかあるいは一歩とか、さまざまの状況がございました。ある意味では、これから昭和六十年代、六十五年赤字公債脱却という公約もございますが、どう持っていくのかというふうな意味で注目をされるときではないだろうかと思うわけでありまして、その辺の基本的な姿勢といいますか、どういうことを基本的姿勢としてお考えになってこれから詰めの編成に臨まれるのかということを、まず最初に簡単に伺っておきたいと思います。
  8. 竹下登

    竹下国務大臣 御激励をいただいてありがとうございます。  六十年度予算、八月末に概算要求が出そろいました。私どもといたしましては、五十九年度予算、いわば制度施策の根本にまでさかのぼってということで、これをして内なる改革というような言葉を使わしていただきましたが、健康保険法等が土台になりますところの改革などがそういうものであろうと思っております。したがって、六十年度予算につきましても、さらに制度施策の根源にまでさかのぼってこれが予算編成に当たらなければならぬ。  いま一つは、たびたび申し上げておりますが、これは個人、企業の分野である、あるいはこれこそまさに地方自治体の分野である、あるいはこれこそ国そのものが対応すべき問題であるというような分野調整というようなものも、やはり非常に重要なポイントとして考えていかなければならないというふうに考えております。したがって私どもといたしましては、何とか今年度、今進行しております予算案のように、いわゆる一般歳出を抑制いたしまして、対前年度伸び率ゼロ、それ以下というような方向でこれからも峻厳な査定作業を進めていかなければならぬではないか。どの面から見ましても大変厳しい情勢でございますので、今その作業進行途上にございますけれども、御協力のほどをお願いしたいというふうに考えております。
  9. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 本年は、先般七月でしたか自民党政調会長・総理四項目合意がございまして、党主導ということが非常に強調されております。政府の責任を担う大蔵大臣、いろいろと難しい編成作業にもかかわらなくちゃならぬというふうにも思っておりますが、私ども注目していきたいと思います。  幾つかの具体的な問題をきょうはお伺いをしたいと思います。まず第一は、マル優非課税貯蓄取り扱いの問題であります。  今日まで九月の七つ改革方向、十月の五つ改革試案、そうして今月に入りまして、二案に絞った大蔵省からの報告政府税調議論、間もなく絞り込みに入ろう。非常に難しい問題ですから、事務レベルでそれが絞り込まれるのか、あるいはややハイレベルのところで決着をするのか、いろいろな問題もあろうかと思います。ただ、この経過を振り返ってみて、まず一つどうしても見解をただしたいのでありますが、大蔵省、特に大蔵省主税局局長いらっしゃいますけれども、非常に手の込んだ手順といいますか、巧妙な手順自分たちの都合のいい方向へ的を絞ろうとしているというふうに思えてならないのでありまして、それは思うだけではなくて、経過からも明らかではないだろうかと思うわけであります。  この問題はいろいろな曲折をたどってまいりました。私が言うまでもありません。たしか昭和五十四年十二月の税調答申では、税の公平の視点から総合課税に移行させる、運用の適正化のためにグリーンカード制度を採用する、五十五年の国会で決め、また竹下大蔵大臣のとき、というようなことを今まで繰り返し議論をされてきたところであります。そうして五十八年に三年凍結ということになりました。私どもとしては、非常に筋の通らぬ話だということを強調したわけであります。  今回経過を見ていますと二案出されておりますが、現行制度の改善による限度管理の強化ということよりは、低率分離課税の導入という方向大蔵省考え方は出ているような感じがいたします。それは私が思うだけではなくて、いろいろな新聞報道を見ましても、すべてそういう見出しで報道をされているという昨今の状態であります。こういうことを考えますと、この利子課税の問題についてこの数年間の経過、当初グリーンカード制度を含めて議論をされたときとは全く逆の方向に進行しているということではないか。言うならば、税の公平のための議論をしているのがいつの間にか増税の方にすりかわったというわけでありまして、これは政府税調の方も私は甚だ不見識だと思います。この経過、全く矛盾する方向へ進んでいるということを一体どう国民説明できるのですか。この経過からして私は非常におかしい経過だというふうに思いますが、その辺のところをまず最初説明してください。
  10. 梅澤節男

    梅澤説明員 非課税貯蓄制度の見直しの作業の今日までの作業経過につきまして、まず冒頭に御報告申し上げたいと思うわけでございます。  先ほど委員から御指摘がございましたように、九月の十一日でございましたか、税制調査会利子配当特別部会中間報告というものが出まして、その中間報告の中では、非課税貯蓄制度につきまして七つ視点指摘されつつ、この見解を踏まえて税制当局において考えられる幾つかの方式について、いわばフィージビリティースタディーをするようにという要請を受けたわけでございます。この要請を受けまして十月の初めに、ただいま御指摘がございました五つ類型関係方面提示いたしまして、具体的なフィザジビリティースタディーの作業に入ったわけでございます。約一カ月経過いたしまして今月の九日でございますが、特別部会税制当局フィージビリティースタディーの結果を報告いたしますと同時に、その過程で浮かび上がってまいりました二つ方式を改めて提示させていただいたわけでございますが、私ども税制調査会にこの二つ方式提示するときに、こういうふうに申し上げております。  つまり、この方式いずれか一つに絞って御決定を願いたいという意味での二つ方式提示ではございません。仮にさらにフィージビリティースタディーを深めるとするならば、この二つ方式手がかりとなるという意味での方式提示であるわけでございまして、例えばさきの五つ類型の中には非課税貯蓄カードといったような方式もございますし、それから非課税貯蓄制度を一挙に廃止いたしまして所得税本則課税に戻るという方式もあるわけでございますが、この種のものにつきましては、フィージビリティースタディー対象というよりも、特にカードの問題については私どもグリーンカード制度過程におきまして相当技術的な検討を深め、つまり制度設計の成果ももう既に持っておりますので、この辺の御議論はむしろコスト・ベネフィットとかあるいは制度を基本的にどう考えるかといった観点からの御議論を賜る問題でございます。  今回提示いたしましたものは、もう少し技術的一に、制度的に私ども税制当局でもう一度詰めさせていただきまして、そういったものを全部そろえた段階税制調査会として最終的な御納諭を賜りたいということでございますので、今日の段階税制当局としてこの問題に対する一義的な糾諭とか、あるいは税制調査会の御審議の前に予断を持って方向づけをしておるということではないということは、ぜひ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
  11. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 そういう手順手順でわかっております。しかし、申し上げましたように、この問題の経過を見たら、当初グリーンカード側を採用するときほとんどの党が一致して決めた、いろいろな議論をした、税調の方もその方向審議をし、答申を出したというものとは逆のものが今提案されて絞り込まれようとしているというのは明白な事実ですよ。私は、こんな筋の通らぬ話はないと思うのです。変えるのならば、今までの継過その他を振り返って、あのときは間違っていました、今度はこうですとか、これは今郵政省、銀行といろいろやっているようですけれども、そういう金融機関やお役所の方じゃなくて、一般国民は、新聞報道されているように、みんなそう思っているのですよ。私は、そういうことについて筋の通った議論をしないと、税制議論は一体どういうことかと思わざるを得ないと思います。  この間雑誌を読んでいましたら、こういう方がおられました。「大蔵省低率分離課税照準大蔵省ひとり言。」うまく表現しているなと思いましたが、「なんとか二案に絞ったわけだけど、ここまでくるにはずいぶん苦労したよ。当然、狙いは低率分離課税のほうさ。」中身を見れば「低率分離課税のほうは、本人確認も簡単な方法ですむようにしてあるし、」もう一つの案の方は非常に面倒なことになっているし、「ちょっと考えれば、大蔵省がどっちに比重をおいているかわかるはずだ。」「財源不足をカバーする方策としては、マル優課税するのが、最も手っ取り早いからね。」というようなことが書いてありましたが、非常にうまく書いてあると思います。  同時に私は、非常に不審に思うのは、この経過の中で私ども説得性のある、あるいは内容の細かい説明をほとんど聞いておりません。私だけなのか、ほかの大蔵理事先生方皆さんそうなのかと思いますけれども説明してくださると言いました。最初の二案、この紙を持ってきました。新聞報道されているとおり。そして前から読んでみましたが、別の方のを読みましたら、もう大蔵省主税局、十一月九日、作業経過報告、これは全文が市販のものに報道されております。その中身を見ましたら、「税制基本的建て前からすれば、受取利子は、所得の一種類にほかならず、本来、課税対象となるべきものと考えられる。その意味で、現行非課税貯蓄制度は、あくまで」云々というようなことを書いてあります。こんな文章は五十四年、五十五年当時にはできていなかったと思います。  こういうことを考えますと、何か時の要望に応じて、国民信頼を得られるフェアな税制のあり方なんという理屈はどこかにいって、取れるところから税金を取る。前の局長福田さんが、税の最大のベース国民信頼であると言われました。私はそのとおりだと思いますが、そういう視点はどこにあるのだろうかと思うわけであります。  時間がない中での審議ですから、大臣にお伺いしたいのですが、大臣立場でもこれは大変なことだと思います。一期目のときにグリーンカード制政府提案竹下大臣のもとに採用されました。二期目の大蔵大臣のときにそれを凍結、事実上つぶすということで、私ども随分苦言を申し上げました。そうして、今さらに筋を曲げて増税へというふうな動きになっているというようなわけであります。やはり内容を見ますと、第二案を見ましても、源泉分離選択課税低率分離課税ということになっておりますが、この源泉分離選択税制の問題は不公平税制一つであるということは、長年皆様方も私ども指摘をしたということからいっても、これは非常に変な内容だと思います。  二つ大臣にただしたいと思います。  当然のことだと思いますが、一つは、税収を目当てにしてこれをまず考えるというのは筋が違うでしょう。あくまでも税の公平の観点からやるというのが当然のことだと思いますが、その視点はやはりきちんと持っていただきたい、この点が一つであります。  もう一つは、この数年来のこの問題についての経過最初のときをすっかり忘れてしまっては困るわけでありまして、国民も覚えておるし私どももはっきり覚えておりますから、やはりこの利子課税の問題についての従来の公式の税調答申あるいは皆様の御答弁など、この経過をきちんと踏まえ、それをベースにしてこの問題についての結論を出す、そういう取り扱いをすべきである。中身のことは抜きにしまして、理の当然のことだと思いますが、この二点、大臣から御明言をいただきたい。
  12. 竹下登

    竹下国務大臣 まず第一点でございますが、経過的に申しますと、伊藤委員指摘のとおり、いわゆる総合課税ということからグリーンカード制度を五十五年に両院を通過させていただいた。それがその後各般の問題が指摘されまして、したがって、それが執行に至る前にこれをいわば凍結と申しましょうか、そういう形をとりまして、そうしてその凍結期間が切れるという状態までに税制調査会で、いわゆる税調利子配当特別部会というところで利子配当について御議論をいただこう、こういう経過で今日に至っておるわけであります。したがって、この問題はあくまでも税の公正確保ということが大前提であって、これを財源探しという角度から取り組むべき筋合いのものではない。結果として、いわば増収措置ということがあり得たといたしましても、基本的には税の公正確保ということがまず第一義であるということは御指摘のとおりであろうと思っております。  したがって、その議論の中から出てきた問題につきまして、いわば大蔵事務当局としては受け身の姿勢で、税調から、いろいろ議論をしたことについてのさらに議論を深めていくためのたたき台というようなものを整理してみると言われて、これがたたき台としていわば五類型というものをお出ししたわけであります。そして、その五類型に基づいてさらに御議論が深まってまいりまして、したがって、その中で二つ類型ということをさらに御提示申し上げて、いわば税調の御意見事務当局の方で整理いたしまして、論点を集約、整理をいたしまして、さらに具体的な御議論を進めていただく手がかりとしてこれを提示したということになるわけであります。したがって、現段階では一義的な結論に達しておるわけではありません。この二類型を中心としてさらに技術的、専門的な検討を進めておるということでございます。  いずれにせよ私どもといたしましては、国会等で行われた御議論を正確に税制調査会の方へお伝えをして議論が始まったわけでございますので、あくまでも最終的には税制調査会の御審議を経ての結論を得るべき問題である。だから、言ってみれば、我々の方からある種の予見を持ってもろもろの資料提出しておるという立場ではなく、御議論を集約して、その御要請に基づいて五類型とか二類型とかというものを提示して、御審議手がかりとしていただいておるというのが現段階の素直な姿でございます。
  13. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 前の方はまああれなんですが、後の方は私は納得できません。  大臣昭和五十四年、五十五年、あの当時にみんなで議論をして、合意をして成立をした。今大蔵省が内心取りまとめようとしている方向を見ますと、税の公平の視点からというよりも、税収考える。与党の内部にも、そういう御議論も、それとは違う御議論もいろいろあるようでございますが、総合課税への移行ということが議論されました。低率分離課税を提案する。大臣予見を交えずに云々と言われましたけれども、もし主税局が、前の福田局長か何か言われたように、税のベース国民信頼である、そういう信念を持ち、関係団体ではなくて国民説明ができるように、そういう根性、バックボーンをきちんと持っていたら、出るはずのない案だと私は思うのです。出すならば、今までの総括を全部やって、こうこうこうでこうでしたということをわかるように説明をするというのがフェアな態度だと思います。  申し上げておきますが、先ほどもペーパーのことを申し上げましたが、できたらこれらいろいろな問題については、担当の大蔵委員会のメンバーには、税調に出される資料くらいはお届けをいただいて、我々の方も政党政派は違っても大いにフリーに豊かな意見交換をする、そういう大蔵委員会でもありたいと思います。そういう意味からいったら、町に出ているペーパーの端っこの方だけ持ってくる、そういう状況ですから、私は、こんな状況が続くのでしたら、次の新しく構成される通常国会で徹底的に議論したいと思います。これは政府の方が、この法案を通さないと困ります、通してくださいと言っても、我々はやはり我々の形式で徹底的に議論する、そういうつもりで、次の常任委員長には悪いけれども指摘したいというつもりですから、きちんとやってください。  それから、歳入関連でもう一つ、時間がございませんから簡単に申し上げて、簡単にお答え願いたいと思うのですが、物品税のことであります。  この前の特別国会のときにいろいろ私の方から申し上げました。税調答申の中に、物品税本来の趣旨に立ち返って幅広くという表現がある、全然これはおかしい、物品税の当初の歴史を振り返ってみても、これは税の性格を変えるものである、税の性格を変える重大な問題を税調が勝手に答申をするというようなことがあってはならぬということを申し上げて、大臣からも、税調に御報告をして十分意見をまとめていきたい、こういうような趣旨の御見解もいただいたところであります。そういう趣旨を、衆議院、参議院含めまして、物品税法附帯決議にも付したところであります。  しかし、今進んでいる状況、特に、OA機器九品目と言われておりますが、一〇%かけて一千億、便益品平等性という理屈のようでありますが、私は、ますます理解のいかない税制が広がっていくというようなことではないだろうかと思うわけでありまして、簡単に伺っておきますが、特別国会議論があったこと、それから私どもの主張などを含めて、税調で御議論がございましたか、あるいは税調に御報告をいたしましたか、どんな御議論がございましたか、それに基づいてどういうお考えをお持ちですか。
  14. 梅澤節男

    梅澤説明員 物品税課税範囲拡大の問題につきましては、ただいま御指摘がございましたように、昨年の十一月の税制調査会中期答申では、税制調査会答申の文言によりますと、物品税のいわば本来の性格に立ち返って課税範囲拡大考えるべきである、そういう方向検討すべきであるという方向づけをいただきまして、五十九年度の税制改正検討作業過程におきまして、ワードプロセッサーなどいわゆるOA機器と言われるもの五つ物品についていろいろ検討したわけでございますが、成案が得られなかったわけでございます。その後、当委員会におきまして、ただいま委員がおっしゃいましたようないろいろな議論過程がございました。この御議論については、逐一税制調査会報告をしてございます。  ただ、六十年度の税制改正の具体的な議論は、これから実は御議論を賜るわけでございまして、ただいま問題になっておりますこの物品税範囲拡大も含めまして、これから政府税制調査会でいろいろ御議論を賜るということで、報告をしました経緯について、税制調査会としての見解というのは、現在のところまだ、そういった審議状況でございますので、まとめられていないわけでございます。六十年度の税制改正過程作業をしばらくお見守りくださいというふうに申し上げたいと存ずるわけでございます。
  15. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 主税局長、私は、大蔵省の各局の中でも主税局というのは大変なところだと思います。ただ、やはり税というもののあり方、国民信頼、その筋、常に国民の多数のタックスペイヤーとの関連において考えていく。局長の周りを取り囲む政府・与党の皆さんの状況その他、大変なことだとわかりますよ、私も。それだけにやはりバックボーンを持って対応されるように要望しておきたいと思います。  歳出の関連一つだけお伺いしておきます。防衛費の問題であります。  私から申し上げるまでもありませんが、GNP一%枠、先般の人勧の答申、この内容も非常に不満足でありますけれども、私どもは、人勧は完全実施、それから防衛費のGNP一%枠、長年の公約でございますから守っていく、両面ともきちんとやっていただきたいと思っておりますが、来年度を考えますと、七%満額概算要求で出されているというわけであります。ことしの人勧のはね返り分あるいはまた来年、名目成長率が六%、七%、どういうふうに勘定いたしますか、仮定をいたした場合には、一%枠をこのままでは超えるという可能性が非常に強いという状況になっているわけであります。  ただ、最近の状況を見ますと、加藤防衛庁長官も一%枠を守りたい、党は違いますし、また考えも違いますけれども、良識ある方だと思いますが、そういう発言をなさっております。また最近は米ソのデタントの動きも広がっている。アジアでも南北朝鮮でも新たな動きが出ている。大臣の友人の外務大臣も非常に御活躍をされているというような状況でありまして、やはりいろいろな意味で今日の日本の安全保障の問題、平和と安全の問題、今後の進路、あるいはそれの予算への表現、いろいろな変化があってもいいのじゃないだろうかというふうに思うわけでありまして、この際、竹下大蔵大臣としては経済の活性化、軍縮、そういう方向への戦略を持ってこの枠組みをきちんと守っていく。新聞には三%台とか四%台とかに圧縮するとか、一面に大きな見出しで報道されておりまして、ああ主計局もなかなか頑張るわいというふうに思っておりますが、本当なのかうそなのか、新聞だからよくわかりません。そんなことについて大臣としての心構え、考え方、態度を伺っておきたい。宮澤さんも政策を出されましたし、安倍さんも出されておりますし、やはり竹下さんもこの辺で、特に大蔵大臣のポストも含めて、こういうことについて国民から歓迎される案を出されるべきではないだろうかというふうにも思うわけでありまして、六十年度予算一%枠、財政当局としての基本的な考え方、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  16. 竹下登

    竹下国務大臣 将来の防衛費の対GNP比がどのようなものになるかということは、今後のGNPの推移等、不確定な要素がありまして、見通しを述べるということは難しい問題でございます。しかし、いずれにしても、先国会でもたびたびお答え申し上げておりますように、昭和五十一年の三木内閣の防衛費に関する閣議決定の方針、このものを守っていくという考え方には変わりがございません。
  17. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 私どもも今後の経過に注目をしていきたいと思います。  本日はお忙しい中、日銀総裁にお越しいただきまして大変恐縮でございます。国債管理政策に関連をして、政府並びに参考人でお越しをいただきました総裁に二、三お伺いしたいと思います。  先般来、国債管理資金制度とか国債管理資金特別会計とか、経済面に随分大きく報道されました。この春の特別国会でも、赤字国債の借りかえをめぐりまして随分激しい議論があったところでありますから、私ども非常に注目をして見ているところであります。それによれば、新規債、借換債の発行を一元化するようにするとか、年度にまたがって弾力的に運用できるようにするとか、単年度主義を改めるとか、あるいはまた新たに一年未満の短期国債の発行をするとか、また新聞でいろいろございましたが、短期国債の日銀引き受けの問題とか、いろいろなことが報道されてまいったわけであります。  確かに、この大量国債発行時代の国費管理政策あるいは金融政策、非常に難局だと思います。しかし、難局であるだけに、一歩間違えば大変大きな犠牲を国民と日本経済に押しつけることになるということも事実であります。非常に難局であるけれども、そこを毅然とした原則を持って対応しなければならないというのが、今やらなければならない御苦労ではないだろうかというふうに思うわけであります。いろいろな報道が随分なされておりますし、一面ではもっと機動的、弾力的運営をしないと、発行の時期も非常に偏っておりまして大変だということもあるでしょうし、それからいろいろな誘惑にも駆られるという気持ちも出てくるであろうというふうに実は思うわけでありまして、その辺の検討状況をまずお伺いしていきたいと思います。  それから、続けてお伺いして恐縮でございますが、総裁も、新聞報道でも拝見いたしておりますけれども、やはり現状以上に目録信用をふやしていくということに対する考え方の問題、恐らくこれは物価安定という中央銀行としての最大の使命とつながる問題でございましょう。理財局の方でどういうことを議論しているのかをお伺いした後で、その御見解をお伺いしたいと思います。
  18. 宮本保孝

    ○宮本説明員 ただいま御指摘のとおりでございまして、来年度以降特に借換債を多額に発行しなくちゃいけないという状況でございますので、私どもといたしましては、その国債の発行、消化をできるだけ円滑にしてまいるというふうなことでいろいろ検討はいたしておるわけでございます。過去、長期の国債、特に超長期であるとか、あるいは中期の国債の入札であるとか、いろいろ国債管理政策をやってまいったわけでございます。また、銀行による窓口販売、証券会社の中国の販売とか、消化、販売両面にわたりましていろいろなことを考えてきたわけでございますけれども、さらに一層、できるだけ円滑に国債が消化されるようにということで、現在いろいろ案は検討中でございます。  ただ、具体的に新聞報道されているように私どもの案ができているというわけでは全くございませんで、現在あらゆる角度から検討を加えている段階でございます。また、新しい短期国債とかいろいろ報道されておりますけれども、新しい形態の国債を出してまいります場合におきましても、新聞報道されておりますように、そういうものに日銀信用を導入するというようなことは全く考えていないという点を付言させていただきたいと思います。
  19. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 恐縮ですが、総裁の御見解を。
  20. 前川春雄

    ○前川参考人 ただいまお話がございましたように国債の大量償還期を控えますので、それが金融面あるいはその他の経済面に及ぼす影響ということを十分に考えてまいらなければいけないわけでございます。今理財局長からお話がございましたように、私ども大蔵省のお考えを正式に伺っておるわけではございません。また、今お話のございましたように、現行以上に日銀信用に依存する考えはないというお話でございますので、その点につきまして、具体的な問題についてお答えするわけにはまいらないのでございますが、一般論としまして日銀信用をどういうふうに考えるかという点についてお答え申し上げたいと思います。  日本銀行は将来にわたりましてインフレを未然に防いでいくという職能、任務を持っておるわけでございますので、財政面で安易に日銀信用に依存するということはどうしても防いでいかなければいけないということでございます。そういう点から考えまして、現行政府短期証券以上に新たに日本銀行の信用をそれに加えていくという考え方は、私どもには全くございません。
  21. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 ありがとうございました。  もう一つだけこの問題でお伺いしたいのですが、理財局長はまださまざま検討している段階とおっしゃいました。昨日も担当課長にお越しいただきましたが、そういうお話でございました。ただ、新聞にそういう検討段階とは思えない第一案、第二案、第三案とか、その場合それぞれどうかと言っております。また新聞報道でも、日本銀行初めいろいろなところに内々の打診があってというようなこととか、全く検討中で白紙に近い状態ならば、事務次官や総裁がわざわざ心配をして発言なさるとか、記者会見でお話をなさるとかということはないわけでありまして、そういうことも内容的には大きな問題でありますから、いろいろな意味で私ども意見交換できるようにお願いしたいと思いますし、それからこういう心配があると思います。何らかの新たな対応をしたいという気持ちは当然でございましょう。例えば特別会計をつくる、さまざまの一体化をする、新規債、借換債、一体的運用をする。その中に、例えば一年未満の短期国債、それから蔵券も含めて一体化するという場合もあると思いますね、この構想の中には。そういうものを一体内部でどう分離するのか。事実上プールということになる。建前は日銀信用に表向きお願いをするということはしないけれども内容的にはいろいろとそういう問題が出てくるとか、いろいろなケースがあり得るのだろうと私は思います。  ですから、大体物の考え方として、現在のシステムをさまざま改良し、改善をし、努力をしながらやっていくということになるのか、あるいは特会設置となりますと新しい法律になるのか、あるいは現在の整理基金特別会計法の改正になるのかわかりませんけれども、何らかの法改正も含むことが必要ではないかと考えるのか。さらには財政法四条、五条、均衡財政が通常に行われている時代にできた財政法で、今は特例の方が常態になっちゃったというわけでありますが、そういう基本問題まで突っ込んで御検討なさっているのか、三つくらいの方面があるだろうと思います。そのやり方によっては、今総裁から伺った中央銀行の建前等もございますけれども、具体的な動きもあり得ると思いますが、その辺は率直に言ってどんな気持ちでおられますか、新聞に出る以上に率直な気持ちを聞かしてください。
  22. 宮本保孝

    ○宮本説明員 今まさに御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、あらゆる角度から検討いたしておりますので、その案といたしましては、本当に多種多様な案があろうかと思うわけでございます。  ただ、私どもといたしましては、この財政法の基本的な精神を守るということと、新しく日銀信用を拡大していくという考え方はないという二点だけは申し上げておきたいと思います。
  23. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 時間ですのでなんですが、わざわざ日銀総裁に今までこの五年間の在任中に何遍もお越しいただきまして、私どもの先輩が御意見を伺うのを興味深く拝聴してまいったわけでありますが、何か新聞報道を見ますと、国会にお越しいただくのもこれが貴重な機会のように伺うわけでございまして、私はこの五年間、国債大量発行時代の金融あるいはトラスチックな自由化、国際化の進行、大変な御苦労があったと思います。  また、これから先を考えますと、さらに厳しさを増すだけに、さまざまのことを私どもも勉強しなければならないと思いますが、お考えのこともあるのじゃないだろうかと思うわけでありまして、貴重な機会でございますので、その辺を含めまして、総裁の御所見がございましたら、ちょっと伺っておきたいと思います。
  24. 前川春雄

    ○前川参考人 五年間やってまいりまして、その間に、今御指摘のように、環境は非常に変化してまいりました。国内では大量国債償還期を迎える、借りかえ時期を迎える。海外では自由化あるいは国際化という問題になってまいりました。そういう中で、金融政策の効果をどうやって発揮していくか、金融政策の有効性をどうやって確保していくかということが、これからの最大の問題であろうと思います。基本的には金利機能を活用していくということが、これからどうしても必要であろうというふうに思っております。なかなか統制、規制ということでは対処できませんので、これからは金利政策、金利機能を活用していくということであろうと思います。  そのためには二つのことが必要であろうと思いますが、一つは、金利が自由に動く、金利の自由化を進めるということでございます。もう一つは、金融政策の効果が波及するような環境を整備する。端的に申しますると、短期の金融市場をさらに整備する、この二つが必要であろうと思います。  第一の金利の自由化につきましては、既にいろいろやってまいりましたけれども、さらに残っておりまするのは、預金金利の自由化ということもどうしても進めませんと、金利機能が十分に発揮されないということになると思います。この預金金利の問題につきましては、中小金融機関の経営の問題あるいは郵貯の問題といろいろ問題がございまするけれども、ぜひこれは進めなければいけないことであろうと思います。  環境整備の短期の金融市場の問題につきましては、だんだん企業の手元資金も潤沢になってまいりましたので、短期の金融市場も非常に拡大してきておるわけでございまして、金融機関だけでなくて企業も短期の金融市場に入る、あるいは証券も入ってくるということになってまいりました。そういう短期の金融市場を今の市場よりもさらにオープンなものにして、金融機関も企業も証券も全部そこで取引ができるというようなオープンなマーケットを育成していく必要があろうというふうに考えております。  そこで、そういう市場ができますれば、日本銀行がそこにオペレーションなり何なり介入いたしまして、その効果がほかの市場に波及するということが、金融政策の有効性を確保する上において一番必要であろうというふうに考えておるわけでございます。この短期の金融市場につきましては、いろいろの金融資産が取引されることになると思います。市場言われておりますBAも結構でございます。ただ最も適当な金融資産は恐らく政府短期証券であろうと思いまするので、私どもはそういうふうな政府の短期証券の市場をぜひ育成してまいりたいというふうに考えております。  もう一つ金融政策のこれからの課題といたしましては、日本経済の地位がこういうふうに世界経済の中で非常に強くなってまいりましたので、円相場ということをどうしても考えなければいけない。特に国際収支が黒字のときに余り円相場が安くなることは、さらに貿易摩擦等を激化さすことになりまするので、円相場を維持していかなければいけない。円高の方向に安定させていくということを常々私は申しておるわけでございますが、それが国内の物価安定のためにどうしても必要であろうというふうに考えております。金融政策の新しい課題としては、そういう問題も出てきておるわけでございます。  そういう面につきまして、五年間いろいろやってまいりました。必ずしも思ったとおりにはまいりませんけれども、これからは今申し上げましたようなことをさらに推進いたしまして、日本銀行の本来の使命である物価安定ということに努力してまいるべきであろうと考えております。
  25. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 ありがとうございました。さらに御活躍をお願いいたします。  間もなく時間も来ますから、あと一分だけ。  大臣、ちょっと具体的なことでお願いしたいのですが、グリコ・森永脅迫事件、もう何カ月にもなりまして、さまざまの市民運動その他起こっております。私どももやっておりますけれども、何かこういう問題について国民世論が、こういう子供が食べるお菓子に毒を入れるようなことを許さない、そういう社会ができることを私は非常に願っているわけでありますが、私が申し上げるまでもない、工場も会社も大変な状態であります。従業員も家族も必死の努力をなさっている状態であります。いろいろな意味で協力が必要だと思います。私どもも森永の工場から五百円袋や千円袋のお菓子を直接もらってきて、それを配る、あるいはみんなで食べようとかしているわけでありますけれども、森永の工場、会社及び特にさまざまの下請があるわけでございます。年末でもありますし、さまざまの緊急融資の手配とか、あるいはこれらの問題についての特別な金融支援の手配とかいうようなことも必要なんじゃないだろうか。たまたまある新聞に、大蔵省も御検討なさっているというようなことでございましたが、これらに対して特別の対応をなさるということをぜひやっていただきたいと思うわけでありまして、前向きのお言葉だけいただいて質問を終わりたいと思います。
  26. 竹下登

    竹下国務大臣 森永事件につきまして、社会悪に対する国民世論が高まるべきであるという点は、私も御指摘のとおりであると思っております。中曽根総理から、森永・グリコ事件についての各省それぞれの所管において最大限の対応策を講ずべきであるという御指示もありまして、私ども、発生以来、いわゆるメーンバンク等を通じながら、それの資金的な面における対応がいつでも可能なように準備をお願いしておるわけでございますが、中小公庫、商工中金、国民公庫はどうも今のところ申し出がございません。すなわち、下請といえどもかなり大きな規模ではなかろうかということが推察されるわけでございます。したがって、それらいわゆる森永関連会社からの資金面での相談が持ち込まれたら柔軟に対応するように、既に報告も受けておりますが、持ち込まれた問題について既に措置済みの問題もあるというふうに聞いておるところでございます。何らかの措置が必要だということにつきましては、事態の推移を見ながら、それこそ関係省庁と相談をしていくわけでございますが、とりあえず私どものいわば所掌内のつなぎ融資でありますとかという点においては、今のところ障害が生じておるという状態ではない。  いずれにいたしましても、御趣旨の点をよく体して、これからもこれには注意深く見守りながら対応していくべきものであるというふうに心得ております。
  27. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 終わります。
  28. 瓦力

    瓦委員長 沢田広君。
  29. 沢田広

    ○沢田委員 大臣、大変恐縮ですが、ちょっと立ちっ放しになりますが、時間の関係でひとつ御協力いただきたいと思います。  年末になれば金が要るというのは世間の常識なんであります。振り込みの現行方式をとっておりますと、職員としてみれば年末の仲間のつき合いですらいろいろ事欠く状況も生まれる、そういうことは御存じだろうと思うのでありますが、そういう状況は御承知ですか。
  30. 竹下登

    竹下国務大臣 おおむね承知しております。
  31. 沢田広

    ○沢田委員 承知ならば、今度の人勧の暫定支払い、これは予算も特に今必要としませんし、三月までの資金を流用し、補正予算を組めばいいわけでありますから、約四・五でありますけれども、その分を年末に差額支給をする、そのことを考えてやるのが——正月になってこれを支払ったって全く意味がない。やはり無理しても概算払いで年末に支払ってあげることが思いやりといいますか、やはり政治の一つの真理だと思うのでありますが、大臣、そういう措置を講ぜられないかどうか、ひとつお答えいただきたいと思います。
  32. 竹下登

    竹下国務大臣 政府としては、給与改定に関する方針は決定したわけでございますから、決定した以上はできる限り早急にこれを法案化して、そうして国会の御審議をお願いするという原則に立って、私どもも今鋭憲法案の作業中、こういうことでございます。それに国会審議をいつまでということをこちらから注文をつけるわけにはいきませんが、それらを含めまして私どもは御趣旨方向で措置されることを、国会審議を含めて言えば期待をしておる、こういうことになります。
  33. 沢田広

    ○沢田委員 国会審議にゆだねるということも一つの方法ですけれども、ともかく、それは野党なり与党なり、これからいろいろ議論があるのですけれども、年末を控えて支払いをするというのが一つの大きな意味なんでありますから、建前論だけじゃなくて、大蔵大臣のところの措置でそれは不可能ではないと思うので、可能な限りそれをひとつ追求してみていただくということで、そのように御回答いただけないかどうか。もうあと細かいことは省略しますが、政治家ですから、ひとつその意味において可能な限り職員に行き渡るように配慮をしてもらう、検討してもらうということでいかがなものかと思いますが、いかがですか。
  34. 竹下登

    竹下国務大臣 給与改定に伴います差額を年内に職員に支給できるようにしたい、こういう考え方で対応しております。
  35. 沢田広

    ○沢田委員 次に、財政調整額は現在大蔵大臣として——これは政府がどうか、あるいは政党がどうかは別として、大蔵大臣としての財政調整額は今幾らと押さえている状況ですか。
  36. 平澤貞昭

    ○平澤説明員 今、委員がおっしゃいましたのは要調整額のことかと存じますが、これにつきましては、歳出面の数字がどうなるか、あるいは歳入、特に税収がどういうように見込まれるかということで、今いろいろ歳出歳入両面にわたって、御存じのように予算編成に向けて検討中でございますので、まだ確たる数字があるということではないわけでございます。
  37. 沢田広

    ○沢田委員 だから、事務当局の答弁になるとそういうことになるので、大体、どうやっても一兆円ぐらい出そうだ、あるいは一兆五千億ぐらいは出そうだ、まあ二兆円にはいくまい、いろいろな、例えば何かあったとしても、現状どおりでいったとすれば大体この程度、一兆四、五千億でおさまるのじゃなかろうか、こういう勘はあるだろうと思うのですね、もう大ベテランの大蔵大臣ですから。計算機出して計算しろと言っているのじゃないんですから、政治家として大体今年度の、あるいは不公平税制もやるかもしれませんし、あるいは税収にあれもあるでしょうが、簡単に言えば不足額と出てくるものはどの程度だろう、それを増税でさらにいくか、あるいは歳出カットであくまで切り詰めて合わせるか、これは残されている問題としても、大体この程度の分が今厳しい三十八度線なんだというものがあるだろうと思うのです。我々だって、大体一兆五千億ぐらいは相場として、これはどうやっても出てこない数字じゃないのかなという気がしますよ。大蔵省でも二兆五千億ぐらいあると当初言っていたのが幾らか減ってきているわけですから、大蔵大臣としては大体、今の段階で、あっちこっち動いているけれどもこの程度に詰めたい、これも簡単にひとつお答えいただきたい。もう時間が、三十分までにしてくれなんて、五分間に縮められそうなので、ひとつお願いいたします。
  38. 竹下登

    竹下国務大臣 今おっしゃいましたように、要求ベースで見ると二兆四千六百億でございますか、それに今度のベア分四千四百億がオンされるということになります。したがって今の段階では、要求ベースをどこまで抑えるかということについての確たる見通し、まだ立てておりませんので、およそどれぐらいだろうとおっしゃっても、これぐらいでしょうと言うだけの自信が今まだございません。
  39. 沢田広

    ○沢田委員 またいずれ機会を改めますが、続いて、これはもう回答はいいですが、これからの貿易摩擦あるいは内需の拡大を図るのには、公共事業もさることながら一兆円程度の減税をしなければならぬであろうというのが、今大きく世論として形成されつつあります。どうかさらに一兆円、この前の減税はもう減税じゃなくなっちゃったような状況ですから、その点はひとつ十分御検討いただきたい、きょうはもうここで議論している暇はありませんから。そうしなければ、日本の経済の活性化は図れないだろう、こう言われているわけですから、その点は特に要望をいたしておきます。  もう一つ、今度生活保護費だけを例にとりますと、八〇%が七二%になるわけですね、一割控除というのは。」今まで国庫補助八割だったわけです。それがマイナス一割いたしますから七二%になって地方へいくわけです。その場合に、八%がどういう切られ方をするかということ、これも質問したいのですが、大臣、どういうふうに削られるであろうか。例えば、全部補てんをしてくれれば、ほかの財源を食うということになりますから、結果的には切っていくという傾向が強くなるわけです。例えば、カラーテレビ二台持っているから、あなた生活保護対象から外しますよ、あるいは幼稚園へ行っているから生活保護対象から外しますよということで、その八%分はいずれか人的削減につながる。今まで受けていたものが、それは中には間違いもあるでしょうけれども、そうではなくて、そういう形式的なものによって査定をされていくという傾向が生まれてくる。精神障害者にしてもしかり。そういうことはきょうは大蔵大臣に説法するだけであって、答えを求めることはできませんけれども、そういう状況も生まれるということは、まさに弱い者いじめになる。だから、それが必ず救済されるという削減の方式大蔵省としてはとらなければならぬ、そういう義務があるということをひとつ大臣、腹にくくっておいていただきたいと思うのです。  その一番最たるものが青函トンネルだと私は思っているのですが、青函トンネルは無用の長物、何にしたらいいでしょうか。これから過剰米の倉庫にでもするか、あるいは油の備蓄にするかなんという議論も出るくらいでありますが、そういうことで大蔵大臣、この青函トンネルはどういうふうに考えておりますか。大蔵大臣として青函トンネルをどう見るか、一言お答えをいただきます。
  40. 竹下登

    竹下国務大臣 六十二年完成ということで今やっておる。したがって、これをどう見るかということになりますと、今、国鉄再建監理委員会で相談して結論を出していただくということになっておりますので、その審議の結果を見守る、こういうことであります。
  41. 沢田広

    ○沢田委員 慎重な答弁ばかりですから、これ以上一あとはもう要望で終わらせます。  サラ金の融資状況ですが、大蔵省が一生懸命てこ入れしているようなあれもあるのですが、その場合には絶対要件として、大手の銀行が零細な預金をサラ金業者に回すときは、そのサラ金業者は必ず金利は三〇%以下で貸し付けをする、その程度の行政指導は確実にやってもらわなければいかぬ。三〇%以上になんかしているところへは金融機関の貸し付けは停止する、それでイエスかノーか。また、三〇%以下に抑える行政指導を行うかどうか、御返事をいただいて質問を終わります。
  42. 吉田正輝

    ○吉田説明員 サラ金業者につきましては、貸金業規制法で最終的な貸出金利の目標が書いてございます。それによりますと四〇・〇〇四%ということになっておりまして、ただいまのところ、大手のところではそれ以下になるように実施したように聞いておりますので、次第に下がっていくことを期待しているわけでございますけれども、ただいまおっしゃいましたような三〇%以上には貸さないように指導しろということについては、本質的には金融機関の最終的経営判断だというふうに存じておりますので、私どもといたしましては、社会的に批判を受ける、不当に助長するような業者に対しては貸し出しをしないように厳に自粛するという現行通達を指導徹底させるようにしてまいりたい、かように考えております。
  43. 沢田広

    ○沢田委員 出さないようにね。——それならいいです。
  44. 瓦力

    瓦委員長 坂口力君。     〔委員長退席、熊川委員長代理着席〕
  45. 坂口力

    ○坂口委員 歴史は繰り返しまして、また予算編成の時期がやってきたわけでありますが、大臣にまず総体的なことをひとつお聞きをしておきたいと思います。  それは、昨年とことしと比較をいたしまして経済環境というものは変わったというふうに御理解をなすっているのか、それとも、いや、余り変わっていないというふうに理解をしておみえになるのか。もし、変わったというふうに理解をされるのなら、それは予算編成にどのように表現をされようとしているのか、現在の心境をまず一言だけお聞きをして、詳細な点に入りたいと思います。
  46. 竹下登

    竹下国務大臣 昨年とどう変わったかというなかなか難しい問題でございますが、五十八年度の締め切りで実質成長率が三・七でございますか、に終わったわけでございますが、今年度は、四・一と言っておったものが、今、諸般の調査機関等からは五%を超すであろう、こう言われております。そういう情勢は、いわば上向きかげんにあるではないか、こういう感じがします。したがって、財政が主導することによって景気に刺激を与えるという環境は、昨年の場合よりも低くなっておるではないか、こういう印象でございます。
  47. 坂口力

    ○坂口委員 今御指摘になりましたことを六十年度予算編成にどのように表現をされようとしておみえになるのかということを一言。
  48. 竹下登

    竹下国務大臣 いわば景気刺激型予算というようなものではないということではなかろうかと思っております。
  49. 坂口力

    ○坂口委員 今さら申すまでもなく、外需主導型で参りまして、内需の方は一向に初めの予定どおりにはいかなかった。経企庁の方は修正を発表するというような段階でございまして、結局こうした中で、来年度予算の中でやはり考えなければならないのは、内需をいかに拡大をさせるかということはやはり予算として十分に考えていかなければならない。ただし、今御指摘になりますように、例えば公共事業に大量にこれを出すといったような一点集中的な意味での予算編成というのは難しいということを述べられたのではないかと思うわけでありますが、そういたしますと、総合的に工夫をして、そしてより内需拡大方向に向けた予算をいかにしてつくるかというところに大蔵大臣の苦心があるのだろうと思うわけであります。  その中で、一番問題になってまいりますのが今申しました可処分所得の問題だと思うわけでありますが、そういたしますと、それは減税の問題あるいは新税の問題、それから先ほどから議論のありますところの利子課税の問題、こうしたことも非常に大きな問題になってくるわけでありまして、とりわけ利子課税は、先ほどから議論がありますように、今までいろいろの歴史がございますし、その歴史の中でこれをどういうふうに位置づけていくかということは国民にとりましては非常に大きな関心事でございます。ですから、さらにまた課税が強化されるぞ、利子課税まで強化されるぞということになりますと、国民の側は、それではさらにまた貯蓄に励まなければならないのではないかというような思惑も出てまいりまして、内需はさらに拡大がおくれるということにもなりかねない、大変大きな意味を含んでいると思うわけでございます。  そこで、先ほど伊藤議員との議論を聞かせていただいておりますと、主税局長さんの方からは、大蔵省としては方向づけというものはしていない、こういう御発言がございました。また大臣の方からは、税の公正確保ということが基本理念である、それから、審議促進のための資料を提供はしているけれどもそれ以上ではない、こういう趣旨の御発言であったと聞かせていただいたわけであります。  大臣にお聞きをいたしますが、税の公正確保という立場からいたしますと、今一番大きな話題になっております限度管理強化と低率分離課税とを比較いたしまして、どちらの方がよりすぐれていると大臣はお考えになるのか。簡単で結構でございますから、ひとつお答えをいただきたい。
  50. 梅澤節男

    梅澤説明員 大臣の御答弁の前に……。  税制固有の観点から申しますと、公平という視点をどこに置くかということで、非課税貯蓄を存置し限度管理を厳しくするということと、低率の分離課税をするという観点、どちらが公平かというのは、公平の視点が違うという問題があろうと思うわけでございます。  そもそも非課税貯蓄制度そのものは税制議論といたしましては政策税制でございますから、所得税本則に基づく総合課税あるいは所得税本則に基づく課税が、本来の公平という視点に立ては、非課税貯蓄を存置することと、分離課税といいますか、ある程度の税負担をお願いするということとの間で、公平という視点ではどちらが公平かということはなかなか言えないと思います。これはまさに国民の御選択の話であろうと思います。
  51. 竹下登

    竹下国務大臣 今、主税局長からもお答えいたしましたが、私も、どちらが公正かと言われたときにどういうお答えをすべきかということで実は判断に迷ったぐらいでございます。元来利子といえども所得である、言うなれば税というものの負担をすべきであるという意味からいえば、たとえ低率であっても税負担が行われるという意味においてはその方が公正だとも言えるでありましょうし、いわゆる政策税制としてのマル優制度というものを残すという前提の上に立って限度管理を厳しくする、そういう観点からいえばその方が公正であろうと言えるわけでございますので、公正の定義づけということによって違ってくるのじゃないかな、こういう感じでございます。
  52. 坂口力

    ○坂口委員 まさしく私はそこを聞いているわけで、大蔵省として、あるいは大蔵大臣としてその定義づけをどのようにお考えになっているのか、その考え方によりまして、公正というのは今おっしゃるように違ってくる。しかし、大蔵省大蔵省なりに、大臣大臣なりに、どちらが公正であるかという、いわゆる公正の指針なるものはお持ちになっていてしかるべきである。  先ほどからお話を聞いておりますと、この問題で大蔵省は、いかにも皆さんの意見を聞いて、そして皆さんの手が挙げられるのが多い方向に私たちは従うのであって、私たちは意見を申しませんというように言っておみえになるように聞こえる。これは大蔵省がふだんから行っておみえになります姿勢とはかなり違った姿勢であると我々には映ってならない。それはいかにもこの大蔵委員会においてそのような表現をなさっているけれども、決してそうではないというふうに、聞いている人はみんな受け取りながら聞いている。だから私は、この大蔵委員会におきましては、その辺のところは大臣としてあるいはまた大蔵省として、我々はこう思うということをはっきり明確におっしゃるべきだと思うのです。先ほどの議論にも出ましたし、以前にも私は議論をしたことがございますが、大蔵委員会では余り本当のことをおっしゃらずに、いろいろの印刷物その他の中でいつの間にやら本当のことが出てきているというようなこと、あるいはひどいときには、大蔵委員会でそれはまだ決まっておりませんというふうにおっしゃったその日のうちに新聞にもう既に出ているというような、まことに大蔵委員会というものを軽視した態度も今まであったわけで、それは私どもも今まで指摘したとおりでございます。  そうした意味で、こうした問題については、各省あるいはそれぞれの政党いろいろの意見はありましょうけれども大蔵省としてはこう思いますということははっきりした意見があってしかるべき問題であって、これは行司役でございますと言っておれる問題ではない。間もなく新しい国会が始まりますが、大蔵省としての態度はそれまでに決定されますか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
  53. 竹下登

    竹下国務大臣 いわゆる利子配当課税の問題につきましては、私は十二月もかなり遅くまで税調審議がかかるのじゃないかという気がいたしますので、一日召集までに大蔵省としての態度を決定するということには至らないと思っております。
  54. 坂口力

    ○坂口委員 時間が制約されておりますので余り多くを申せませんが、これは税調の方にゆだねてある問題だから、難しい問題はすべてあちらに任せてあるからというようなことではなくて、この大蔵委員会でもう少し本当の生の話を大蔵省も言っていただき、我々も各党がここでそれを出し合うという場でなければ、大蔵委員会意味がない。したがって、これからの新しい委員会審議につきましては、我々もまた新しい注文を出させていただきたいと思います。  さて、利子課税の問題ばかりやっておるわけにまいりませんので、これだけにいたしますが、もう一つ、我々は一兆円減税の問題をぜひ強力に推進して詰めていきたいと考えておりますが、その中で、とりわけ教育費が家計を非常に圧迫しているという発表が最近相次ぎました。経済企画庁が十日に発表いたしました「物価レポート側」に、教育費の値上がり率が消費者物価上昇率の二倍に達している、そして中年層で家計消費支出の一割を占めている、こういう発表がございました。また、九日に提出されました五十九年度の国民生活白書におきましても、教育費が中年層の生活の重圧になっているという結果が出ているわけでございます。これは大臣発言でございましたかどうか忘れましたけれども、独身貴族に中年こじきという言葉がこの委員会でも出たことがございますが、まさしく中年の負担さらに高まりつつある、そういう状況でございます。  したがって、こうした全体の中にきめ細かな税制というものをこれからは考えていかなければならないのではないか。税制そのものがまだこちらの方は固まっていないとおっしゃるかもしれませんけれども、こうした問題をどのようにとらえていかれるかということにつきましても、ひとつ御意見を賜っておきたいと思います。
  55. 竹下登

    竹下国務大臣 税制固有の問題として考えてみますと、個別の事情を税制においてしんしゃくすることには限界があるということは、税制調査会答申でもきちんと述べられておるわけであります。それと、教育という問題になりますと、歳出面からの助成が一方にあって、もう一つ税制面において親に対する助成というものをやってまいりますと、いわゆる教育助成方式に基本的に変更を加えることになるからこれは軽々に結論を出し得ない問題であるということが今日までも言われておるわけであります。  実際問題として、税金を納めていない貧しい家庭の父兄には言ってみれば何ら恩典が及ばない、こういうことにもなりますので、やはり先般の所得税法の改正のときに御審議いただきましたように、いわゆる段階等から見ましてそういう年齢層の人が結果として税負担というものが少しでも軽減されていくというような、結果としてそういうふうになるということが望ましくて、一つの個別事情をしんしゃくして税の上で取り上げるという問題は非常に難しい問題だというように考えております。
  56. 坂口力

    ○坂口委員 最近、マスコミの方では、連日のように新税の問題が取り上げられております。これも、どの程度大蔵省としてまとめておみえになりますのかよくわかりませんが、しかし、火のないところに煙は立ちませんので、大蔵省としてある程度の意思固めというものをなさる、そのことがない限り、やはりどの新聞にも同じようなことが出るということはないだろうというふうに思われますが、六十年度予算、それに関連した税制の中で、新税というものについて本当はどのようにお考えになっているのか。現在各新聞等に出ておりますようなことが本当にそうなのか、それは全くの憶測であって決してそんな状態ではないのか、その点ひとつお伺いをしておきたいと思います。
  57. 梅澤節男

    梅澤説明員 六十年度の税制改正作業、今これから具体的な作業に入るわけでございますけれども、常々御説明申し上げておりますように、昨年十一月にいただきました政府税制調査会の中期谷中に基づきまして、各税目にわたって洗い直しの作業をしておるわけでございます。  ただ、ただいま委員の御質問にございます新税という意味が、六十年度において新しい税目の税制の創設を考えておるのかという御質問であるといたしますれば、具体的にそういうものを検討しておるという事実はございません。
  58. 坂口力

    ○坂口委員 それから、いわゆる内需拡大にとりましてもう一つ大事なことは、現在もさることながら、将来に対する不安、そうしたものが国民の中にあります以上、内需拡大というものは起こってこないことは当然でございます。したがいまして、現在の諸般のいろいろの問題とあわせて将来に至りますところの国民にわかりやすい見通しを示す、将来こういうふうにしていきますよということを明確にしていくということもこれまた大事なことではないかと思いますが、その中で一番問題になってまいりますのはいつも年金の問題でございますけれども、今度の国会は年金の問題も出てまいります。それにあわせて、例えば大蔵関係の問題でございますと個人年金、これは生命保険等の個人年金の問題がございますが、この個人年金の課税最低限は、昨年でございましたか、五千円アップになったと思いますけれども、こうした問題はこれからもやはり考えていかなければならない問題ではないか。  今、一例として申し上げましたけれども課税最低限だけではないと思います。やはり公的な年金で十分いけるという時代ではなくて、プラスアルファが必要な時代でありますから、そうした整備もきちんとして国民に示すことが内需拡大には大事な問題になってくるのではないかと考えます。最後の質問になりますけれども、この点についてひとつお考え大臣からお聞きをしておきたいと思います。
  59. 竹下登

    竹下国務大臣 お互いの将来生活設計の中で、いわば老後の安定、安心ということについては年金の持つ役割が非常に大きい、そして公的年金というものに先国会来継続審議いただいておりますいわゆる基礎年金の導入というものが土台としてあるわけでありますが、その上に二階建であるいは三階建てということが、老後生活設計の中でそれぞれ個人が追求していく一つの設計図であろうと私も考えております。  そこで、今おっしゃいましたが、去年五千円を行ったわけでございますが、年金というものが将来の生活設計の中で大きな役割を果たすという事実認識の上に立って、それは公的年金と自助努力による年金というようなものについて絶えず配慮していかなければならぬ課題であるという事実認識はおおむねひとしくしておるのじゃないかな、こういう感じでございます。
  60. 坂口力

    ○坂口委員 もう一言。  そこまでお考えいただいておるのであればそれの具体化ができるかどうかということでありますが、今申し上げたことだけではなくてさらにそれに付随してでも結構でございますけれども、具体化の話が出ておればここでひとつ出しておいていただきたい。
  61. 竹下登

    竹下国務大臣 昨年五千円の所得控除というものをやったばかりでございます。今年度、今動いているわけでありますが、それらの推移を見ていきたい。あれも、国会等議論がありましたのを正確に報告し、それに基づいてやったわけでございます。だから、今のところはあれの問題がどういう効果をあらわすかということを見守っておる段階でございましょう。
  62. 坂口力

    ○坂口委員 終わります。     〔熊川委員長代理退席、委員長着席〕
  63. 瓦力

    瓦委員長 米沢隆君。
  64. 米沢隆

    ○米沢委員 私は、自賠責の問題について質問をいたします。  このたび大蔵省は自賠責保険の保険料と保険金の限度額の引き上げを行うことを決めまして、ただいま自賠責審議会に諮問中ということであります。五十八年度予算においては御案内のとおり政府は本来保険契約者の利益に活用すべき自賠責特会の運用益から二千五百六十億円もの多額を一般会計に繰り入れて、しかもこの償還も完了していない段階で契約者に新たな負担増を求める保険料率の引き上げや保険金限度額の引き上げを行おうとされていることは、時期的にも感覚的にもまことに遺憾である、こういう立場から質問をさせていただきます。  まず、今般保険料引き上げあるいは保険金限度額の引き上げ等を諮問された緊急性はいずこにありや、その背景と、同時にまた、引き上げ率のめどとその考え方につき当局の見解を伺っておきたいと思います。
  65. 竹下登

    竹下国務大臣 今、保険部長が車がつかえて、その辺まで来ておるようでございます。私がいわゆる諮問案を朗読して、今この御審議をいただいておるという段階でございますが、正確を期するために保険部長の方からお答えした方がよかろうと私も考えますし、もう合図しておるようでございますから……。
  66. 瓦力

    瓦委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  67. 瓦力

    瓦委員長 速記を始めてください。  米沢隆君。
  68. 米沢隆

    ○米沢委員 私は、自賠責の問題について御質問をいたします。  このたび大蔵省は自賠責保険の保険料と保険金限度額の引き上げを行うことを決めて、ただいま自賠責審議会に諮問中ということであります。五十八年度予算におきましては御案内のとおり政府は本来保険契約者の利益に活用すべき自賠責特会の運用益から二千五百六十億円もの多額を一般会計に繰り入れて、しかもこの償還も完了していない段階で契約者に新たな負担増を求める保険料率の引き上げや保険金限度額の引き上げを行うとされておることは、時期的にも感覚的にもまことに遺憾でありまして、そのような立場から当局の見解をただしておきたいと思います。  まず、今般保険料引き上げや保険金限度額引き上げを諮問される緊急性はいずこにありや、その背景と、引き上げ率のめどとその考え方につき当局の見解を伺っておきたいと思います。
  69. 加茂文治

    ○加茂説明員 遅くなって申しわけございません。  お答え申し上げます。  自賠責保険の保険料は昭和四十四年以来据え置かれてきた一方、給付内容が大幅に改善されてきたこと、また近年における事故の件数が増加傾向にあること等から自賠責の保険収支は年々悪化してきておりまして、単年度収支では五十三契約年度から赤字になり、また赤字幅は拡大傾向にございます。五十九契約年度におきます累積の赤字額は約四千八百億円に達する見込みとなっております。したがいまして、保険料率の引き上げ等早急な収支改善が必要な状況になっておるわけでございます。一方、五十三年以来据え置かれております支払い限度額の引き上げを求める声も強くなってきております。また、五十八年度の財確法によりまして自賠責再保険特会の累積運用益を一般会計に繰り入れましたが、同法可決時の附帯決議におきまして、運用益は保険契約者の利益のために還元すべきであるとなされております。今回の料率改定に当たりましては、累積運用益を料率引き上げ幅の抑制に活用する必要がございます。  以上の問題につきましては、十月二十二日に自賠責審議会に対しまして諮問を行い、現在審議中でございまして、十二月の中旬に答申をいただく予定になっております。  そこで、保険料等の引き上げ幅の問題でございますが、ただいま申し上げましたように現在自賠責審議会で審議をいただいておりますので、現段階で具体的に申し上げることは難しいわけでございますが、要素といたしましては、一つは六十年度以降におきます収支の均衡、二番目は五十九年度契約分までの累積赤字の解消、三番目は支払い限度額の改定、このようないろいろな要素を勘案いたしますと、自賠特会及び損保の累積運用益の活用を最大に見込んだといたしましても、種々の要素の組み合わせを達観して全車種平均で五〇%弱の引き上げという感じではないかというふうな感じを持っております。いずれにいたしましても、今後の審議会で種々の要素にわたって審議をいただくものであるということで御理解いただきたいと思います。
  70. 米沢隆

    ○米沢委員 今お答えいただきましたように、最近の自動車事故の増加だとか医療費の上昇とか、保険金支払いの基礎となっております被害者所得の上昇等の理由から、自賠責保険の単年度収支は支払い超過となっており、その額も年々拡大傾向にあることは事実でございます。しかし、御案内のとおり自賠責特会運用益、保険会社の保険料の運用益は五十八年度末で約六千六百億円にも上っておるわけでございまして、こうした単年度収支超過分は今日までのこのような運用益によってまず埋め合わせをするのが筋ではないか。この六千六百億すべて使わないにしても、このうちの五千億くらい使ったとしても二、三年は引き延ばすことができますね。そういう考え方がなぜとられないのか。
  71. 加茂文治

    ○加茂説明員 ただいま委員指摘のような考え方で私どもおるわけでございます。  ただ、累積運用益を単年度に使うことにした場合には、契約者間の公平性の問題が一つございます。それから、運用益を使った後の料率の引き上げ幅が大きくなるというような問題もございます。私どもは、今度の料率の改定案に対しましては、先ほど申しましたように、一般会計に繰り入れた二千五百億を含めて六千五百億全体を料率抑制のために活用する方向検討いたしております。
  72. 米沢隆

    ○米沢委員 それから保険金の最高支払い限度額の引き上げもそれなりの要請があるということでございますが、一方ではそのような限度額の引き上げ等につきましては、自動車の場合には任意保険の普及率が御案内のとおり約八割くらいありますね。個人の自家保険を入れますと約九割くらいは任意保険的なものを持っておるわけでございまして、そういう意味では、保険料を引き上げてまで今の段階で支払い限度額を引き上げる必要はないという意見も実際はあるのじゃないでしょうか。特に自賠責保険は他の公的補償制度とは違いまして、今申し上げましたような任意保険もあるのでございますから、そこらを含めて検討する必要があるわけでして、引き上げには慎重であるべきだと我々は考えるのでございますが、その点いかがなものでしょうか。
  73. 福島義章

    ○福島説明員 ただいま先生お尋ねの限度額の引き上げの件でございますが、これにつきましても自賠責審議会で現在審議を願っておるところでございます。  ただ、支払いの限度額につきましては、五十二年の七月以来既に六年以上も据え置かれております。その間、賃金、物価水準等につきましては約二、三割上がってきております。お尋ねの任意保険との関係ももちろんございますが、自賠責保険と任意保険と単純に同列に比較することができるかどうかという問題はございますけれども、現実に二割程度の人が任意保険に加入していないという状況の中で、そういう人が起こした事故に対します被害者保護をどうしていくかということについては、私どもとしては、それなりの被害者保護を考えていく必要があるのではないかということで自賠責審議会で御審議いただきたいと思っておるところでございます。
  74. 米沢隆

    ○米沢委員 事故に遭って、それなりに保険金をたくさんもらう方がベターなことは間違いありません。しかし、現実の段階では、例えば示談等になりますと、自賠責は当然のごとくに出るのだからその上について議論しようという傾向がありますね。これはまさに公序良俗に反するような感じだと私は思うのでございますが、そういう傾向をますます助長するようなことになるんじゃないですか。
  75. 福島義章

    ○福島説明員 先生のおっしゃっておられます趣旨は、医療費等の問題についての御指摘ではなかろうかと思います。(米沢委員「慰謝料もすべて」と呼ぶ)はい。  支払いの方の適正化につきましては自賠責保険の健全な運営にとって非常に重要なことでございますので、医療費の適正化の問題を中心といたしまして、そういう問題につきましても自賠責審議会で十分御審議いただきまして、私どもとしましても保険制度のより適正な運営ということに努めてまいりたいというふうに考えております。
  76. 米沢隆

    ○米沢委員 話はちょっとそれますけれども、五十三年度以来限度額を引き上げていない、そのために、物価は上がった、賃金は上がったなんてよくおっしゃいますが、そんな議論は減税なんかのときに早く大蔵省の方から言い出してもらいたいものだと私は思っておるのでございます。特に、警察官の事故で、警察官の事故の場合の限度額は千五百万ですね。こんなのはそれこそ五十一年以来改定してないのでございますから、そんなところに目を向けて、逆に上げてあげる方が自賠責の保険の限度額を上げる以上に大事なことじゃないでしょうか、大蔵大臣
  77. 福島義章

    ○福島説明員 警察の方の話につきましては、私どもの所管ではございませんけれども、ただ、自賠責保険というものは、一応保険契約者からいただいております保険料というものをベースとしまして保険金を支払うという形になっておりますので、警察サイドの方のそういう制度と必ずしも直接的な比較といいますか、同じレベルで比較するというわけにはいかないかと思いますが……(米沢委員「運輸省に聞いてない。大蔵大臣に聞きたいんだよ。そのことの方が大事なんじゃないの」と呼ぶ)
  78. 竹下登

    竹下国務大臣 その警察官の問題について、私、知識を持っておりませんので、勉強してから適当な機会にお答えいたします。
  79. 米沢隆

    ○米沢委員 この大蔵省の保険料引き上げの動きと並行いたしまして、任意の自動車保険についても、損保業界は来年度早々にも車両保険、対物賠償保険いずれも平均一〇%前後の引き上げを検討していると言われ、来年三月までには大蔵省に申請をする見通しであると伝えられておりますが、運輸省のただいまの論理を損保業界にも当てはめて、任意保険についても保険料アップオーケーということになるのかどうか、また、任意保険の収支状況はどのようになっておるのか、この点お答えいただきたい。
  80. 加茂文治

    ○加茂説明員 任意の自動車保険の損害率はここ数年悪化してきております。損害率について見ますと、リトンベーシスでございますが、五十四年度四九・五%でありましたが、これは五十五年度が五〇・七%、五十六年度五五・六%、五十七年度六一・三%、五十八年度六二・九%と、年々収支は悪化しておるわけでございます。今後もこの傾向は続いていくんじゃないかというふうに想定をしておるわけでございますが、料率を引き上げる必要があるかどうかにつきましては、来年六十年一月中に判明します任意の自動車保険の料率検証結果を見てから判断することになると考えております。
  81. 米沢隆

    ○米沢委員 昨年七月に平均一二%も引き上げたばかりのこの対人賠償保険の保険料の引き上げについても云々されておりますが、この点はいかがですか。
  82. 加茂文治

    ○加茂説明員 ただいまお答えしましたような状況でございまして、まだ私ども何も検討に入っておるわけではございません。
  83. 米沢隆

    ○米沢委員 それから、この自賠責保険の問題として、医療費の適正化の問題と後遺障害の問題がよく指摘をされております。  そこで、この二点についてちょっとお尋ねしたいんでありますが、自賠責保険の保険金支払いの中で医療費の占める割合は傷害の損害額の約半分を占めておりまして、保険金支払いの主要な項目になっておることは御案内のとおりでありますが、自賠責保険の医療費請求のうち、社会保険経由のものは約一四%にすぎないことでもわかりますように、交通事故による治療は九割近くが自由診療で行われ、その診療単価は健康保険に比較して平均約二倍強と、一般的に高額な請求となっております。これが収支悪化の一因でもあるという。わけてありますが、交通事故の際に必要となる治療は緊急性を要し、かつ特殊であることは言うまでもありませんが、しかし、そのことを十分勘案いたしましても、ちょっと自由診療での取り扱い割合が多過ぎるのではないかという意見が多いのです。これはどういうような理由によるものか、・どのように当局は判断をされておりますか。
  84. 加茂文治

    ○加茂説明員 ただいま先生御指摘なさいましたように、自由診療の比率が八六%で、健保一四%ということでございます。これにつきましては、どちらで受けてもいいという被害者の選択の問題になっておりますが、現状はそういうことで、非常に自由診療割合が高いわけでございます。  これにつきましては、交通事故は非常に特殊なあれでございまして、緊急性を要するあるいは複雑な事故が多いということからそういうふうなことになっておるわけでございますが、私どもといたしましては、従来からこの適正化の問題につきましては、診療報酬明細書の提出を義務づけておりまして、それについての調査、チェックを行っております。また、高額医療あるいは濃厚診療と思われるものにつきましては、顧問医の助言を得ながら各医療機関にその改善を依頼しておるような状況でございます。また地域の医師会ともいろいろ協議をいたしまして、単価問題についても引き下げるように努力をしておりますが、これらの問題については一定の限界もございます。したがいまして、今度の審議会におきまして自賠独自の診療基準案を作成すべきじゃないかという御意見も出ておりますので、そういう御意見答申に盛り込まれる場合には、その方向に従って診療基準案を作成していくように努力いたしたい、このように思っております。
  85. 米沢隆

    ○米沢委員 確かに被害者にとっては、社会保険を利用するかあるいは自由診療にしてもらうか、自賠責を利用するか等々は、これは選択できるようになっておりますけれども、実際は被害者が選択するのですか、それとも治療側が選択するのですか。
  86. 加茂文治

    ○加茂説明員 被害者側の選択ということになっております。
  87. 米沢隆

    ○米沢委員 この問題と関連いたしまして、御案内のとおり昭和四十三年当時、社会保険利用についての厚生省通達が、難しい名前ですが、「健康保険及び国民健康保険の自動車損害賠償責任保険等に対する求償事務の取り扱いについて」というものが出されまして、これに反論するような形で日本医師会の法制部見解が出されて、いわゆる自賠法でいくか健保法でいくか、両者の任意選択は当然だが、行政上の取り扱いとしては自賠法を優先適用すべきであるというような問題提起がなされた経緯があるのですが、この問題は決着しておるのですか。
  88. 加茂文治

    ○加茂説明員 確かに四十三年の当時には、厚生省からはそういう、まあ自賠が優先と申しますか、どちらでも選択できるという見解を出しておりますけれども、医師会の方は、先ほど申しましたような交通医療の特殊性からそのような健保でというような制限診療にはなじまないということで、強く反発しておるのが現状でございます。したがいまして、現在でも医師会は、交通事故につきましては自由診療が原則であるという考え方は変わっておりません。ただ、先ほど申しましたように、一般世論の動向等もございますが、医師会の中に、自由診療は原則であるべきだが、しかしながら一定の基準は必要でないかというような御意見も出てきておるような状況でございます。したがって、若干環境が変わりつつあるということは言えようかと思います。
  89. 米沢隆

    ○米沢委員 社会保険のような制限診療は交通事故の治療にはなじまないという意見を持たれる医師会に、今おっしゃるように診療基準をつくって、今から医療費の適正化をやろうなんという甘い話が本当に通用するのでしょうか。
  90. 加茂文治

    ○加茂説明員 先ほど申しましたように、医師会としてはそういう考えにつきまして理解を示しておられる方々もおられますので、今後とも医師会と十分協議をしながら、そのような基準案作成に取り組んでまいりたい、このように考えております。
  91. 米沢隆

    ○米沢委員 御期待するところ大でありますが、ちょっと難しいような感じがいたします。  また、次の問題でありますが、五十六年六月時点に調査された自動車保険料率算定会の資料を見ますと、病院開設者別の自由診療料金の平均単価にばらつきがあり過ぎますね。健保単価を一とした場合、国立の一・一六倍から私立の二・二六倍まで、一体これはどういう理由でこんなに自由診療の平均単価がばらついておるのでしょうか。
  92. 加茂文治

    ○加茂説明員 私もその実態がどうしてそういうふうに違っているのかということまではまだ分析しておりませんが、先生御指摘のような差異があることは事実でございます。
  93. 米沢隆

    ○米沢委員 大蔵省にこんなことを聞いても本当は答えられないのかもしれませんね。厚生省の方、何か理由があるのじゃないですか。
  94. 多田宏

    ○多田説明員 私どもでも明確な理由は承知しておりません。
  95. 米沢隆

    ○米沢委員 それぞれ理由はあるのかもしれませんが、私の推測するところ、例えば今、夜間診療だとか緊急医療だとか、本来ならば公的な病院が受け持つべきところをどうだこうだといってみんな逃げ回って、結果的には私立病院がこれを引き受けるという、それが今の実態ですね。しかし、そうした場合に、個人のお医者さんにとっては、夜間に起こされて、緊急に起こされて、そして治療をするにもかかわらず、売り上げを上げたらほとんど税金で持っていかれる、そしてまた、その事の性質上、うまくいかなかった場合には裁判ざたになってしまう、そういうところから、できればもう夜間診療だとか緊急医療等は本当はやりたくない。それは社会的な責任を感じられて対応されておるお医者さんもたくさんあると思いますが、やはりお医者さんだって人間ですから、夜間はさせられる、緊急はさせられる、売り上げたら税金でごっそりみんな持っていかれる、実利は余りない、にもかかわらずまた裁判ざたになる可能性もある等々のことによって、どうもみんな後ろ向きになられつつあるんじゃないかな。したがって、やはり平均単価くらいでもある程度多くしないと、実入りの分でも全然問題にならないという感覚が意識的にはなくても無意識的に働いて、私立の平均単価を上げておるのじゃないかな、私はそう推測するのでございます。  そういう意味では、税法上でも夜間診療の売り上げとか緊急医療に対する売り上げ等々はもっと踏み込んで優遇措置をつくるべきである、私はそう思うのでございますが、大蔵省、いかがですか。
  96. 梅澤節男

    梅澤説明員 診療報酬をめぐる税制の問題というのは、御案内のとおり、社会保険診療報酬課税の特例すらも税制調査会等ではむしろ政策税制として廃止すべきであるという考え方で従来議論されてきた問題でございます。したがいまして、ただいま伺っておりますと、ましてや自由診療の報酬につきまして政策税制でアプローチするのにはやはり相当問題がある。私ども議論になっております問題の所在をつまびらかにしないわけですけれども、恐らくそこで何らかの措置が必要であるとすれば、それは税制以外の手段で考えるべき問題ではないかというふうに考えます。
  97. 米沢隆

    ○米沢委員 それが自由診療であれ社会保険診療であれ、少なくともお医者さんにとっては夜中の二時、三時に起こされる、そして売り上げを上げたらごっぽりと税金で持っていかれる。そういうものは、幾ら社会的な責任を云々されてもちょっと過酷な部分があるような気がしますね。もしそういうふうにして税制でも対処できないとするならば、公的な病院が緊急医療だとか夜間診療をもっとまじめにやるように厚生省は努力すべきだと思いますね。いかがですか。
  98. 多田宏

    ○多田説明員 私ども、救急医療に関しましては、年次計画等も作成したりしまして、できるだけ公的な部分にも責任を持ってやってもらうように努力しておるつもりでございますが、なお不十分なところがございます。救命救急センター等整備も逐次進めておりまして、今後ともその方向で努力してまいりたいと思っております。
  99. 米沢隆

    ○米沢委員 次は、後遺障害の認定のあり方と支払い基準の問題でございますが、これも昔からいろいろと御指摘をされておる問題でございます。  昭和五十年から昭和五十八年の間における後遺障害の等級別支払い件数を見ておりますと、いわゆるむち打ち症を中心に軽度の神経系統の後遺障害が急増しておりまして、特に最下位の十四等級は、これは医学的に他覚所見がなく本人の自覚症状のみによるものなんだそうでございますが、昭和五十年の四〇・二%から昭和五十八年では全体の五五・二%というふうに一〇ポイントもふえております。それに従って支払い保険金も約八ポイントぐらい上昇しているのでございますが、このような数字を見ておりますと、どうも不自然な実態ではないかなという気がしてなりません。したがって障害及び後遺障害の認定のあり方に問題があるのではないかと我々は考えるのでございますが、その点はいかがですか。
  100. 加茂文治

    ○加茂説明員 後遺障害の認定につきましては非常に特殊な知識を必要とするために、自算会の調査事務所において統一的な認定を行っているところでございます。現在、全国六十九カ所の事務所に三百二十名の後遺障害認定担当者が配置されまして、顧問医の助言を得ながら医療機関が発行する後遺障害の診断書の審査を行っているほか、二百の病院を再診断委嘱病院に指定して再診断を行わせておるところでございます。しかしながら、先生御指摘のように軽度の神経系統障害のように他覚的所見の得がたいものにつきましては、医学的にもその認定は非常に困難な問題とされておるわけでございます。  今後の問題といたしましては、一つは、後遺障害の認定につきまして自算会あるいは損保会社の担当者に対する研修を充実させることでございます。それから、再診断委嘱病院の数を増加させ、再診断制度を積極的に活用することが二つでございますが、今問題になっております軽度の神経系統の後遺障害の認定方法開発のための調査研究を推進することとしたいと思っております。特にパスファインダー等の機器による認定の有効性を調査研究し、その有効性が高いものであるということが認められた場合には、その導入を積極的に図ることも考えていきたいと思っております。
  101. 瓦力

    瓦委員長 米沢議員にお願いいたします。時間が参りましたので、御協力をお願いいたします。
  102. 米沢隆

    ○米沢委員 余り時間がありませんが、最後に一問だけ。  今私が指摘した問題については、結局、収支が大変に厳しくなって保険料を上げようという段階で、一方では水漏れする部分でございますから、できればその水漏れ部分を早く防止した上で、それから保険料の引き上げをやるという、そちらの方が物の考え方としては筋が通っておるのじゃないかなと、したがって、今度の引き上げ等については大変問題があるという意見を私は申し上げたいのでございます。  同時に、最後になりますが、制度改革という面で二、三点まとめて質問したいと思うのであります。  一つは、任意保険にありますように自動車無事故者の保険料割引制度をこの際導入すべきだ。医療保険だって健常者でもっておるのでございまして、事故を起こす者はどんどん起こす、起こさない者は二十年も三十年も起こさない、そして保険料は一緒だというのはおかしいのでございます。やはりこの際、任意保険と同様の無事故者の保険料割引制度を導入すべきだというのが第一点。  第二点は、車種間の損害率を見ますとかなりばらつきがございますね。そういう意味では、車種間の事故発生率に即した保険料の見直しもこの際やってもらいたいなと思います。  第三番目には、例の自動車保険も所得控除の対象にすべきだと思います。御案内のとおり自動車は今日私たちの生活に密着した庶民の足みたいなものになっておるのでございまして、日常生活には欠かせない状況にある中で、保険契約者の負担の軽減を図るためにも、自賠責保険、任意の自動車保険についても所得控除をすべきである。この点について大蔵省見解を伺って、質問を終わりたいと思います。
  103. 加茂文治

    ○加茂説明員 まず最初の無事故割引の問題でございますが、自賠責保険は、無保険車防止の観点から、車検にリンクして車両単位に付保が強制されている保険でございます。一方、任意保険にございますようなメリット、デメリット制度は、運転者の事故歴に着目して過去の無事故を評価する制度でございまして、これを自賠責に導入する場合には幾つかの問題がございます。  例えば、メリット料率を適用している車両をメリット料率を適用できない第三者に譲渡する場合には差額を徴収すべき必要がございますが、保険会社がそのようなすべての譲渡人の事故歴等を常時把握することが非常に難しいという問題、あるいは仮に適正な保険料を支払ってない場合にはそれは免責になるとしますと、いわゆる自賠責の被害者救済ということとも矛盾する問題、あるいは仮に導入しました場合には、事故歴から見てほとんどの契約がメリット料率適用の対象になるわけでございまして、したがって、メリット料率がむしろ一般料率化するというような問題もございます。このような難しい問題がございますが、ただデメリットについては、死亡事故を起こした場合には保険料を追徴するということはございます。  いずれにいたしましても、この問題については非常に難しい問題がございますが、自賠責籍議会の答申等を踏まえて慎重に対処したいと思っております。  それから、車種間の問題でございますが、私ども、車種間の損害率に応じた料率改定が必要だろうと考えております。
  104. 梅澤節男

    梅澤説明員 事業用の自動車でございますと、自賠責の保険料は申すまでもなく事業所得を計算する上での経費として認められるわけでございますけれども、いわゆる固有の意味での自家用車となりますと、税法上は家計たる所得処分ということでございますから、所得控除にはやはりなじまないのではないか、つまり年収の全く同じサラリーマンで、自動車を持っている人と持ってない人で所得税の負担が違ってくるという問題が起こってくるわけでございます。やはりどうも税の問題としては難しいと考えます。
  105. 米沢隆

    ○米沢委員 いろいろ言いたいのですが時間がありません。法律が出てからまた頑張りましょう。
  106. 瓦力

    瓦委員長 正森成二君。
  107. 正森成二

    ○正森委員 赤字国債の大量借りかえの問題、これを円滑にするためには短期国債を出さなければならないのではないか、その性格の問題については、既に四月十八日の委員会で私が質問をいたしまして、当時の理財局長からお答えを願っております。先ほど伊藤委員から詳細に御質問があり、日銀総裁もお答えになりましたので、重複する点は省いて私から質問したいと思います。  宮本理財局長が、いずれにせよ日銀の信用を拡大する考えはないという結論を言われました。そこで、私は二、三の問題を聞いていきたいと思うのです。それならば、国債資金特別会計というのはつくらないのですか。あるいは短期国債は出すのですか、出さないのですか。その二点について答えてください。
  108. 宮本保孝

    ○宮本説明員 先ほどもお話し申し上げましたように、あらゆる観点からいろいろ議論をいたしておりまして、今御質問のような国債資金特別会計をつくるかつくらないかとか、あるいは短期の国債を新しく発行するかしないか、こういったものも含めまして実は検討中でございまして、その成案ができ次第またお話し申し上げたいと思います。現在のところはできておりませんので、お答え申し上げかねます。
  109. 正森成二

    ○正森委員 それは余り不親切な答弁じゃないですか。そういう問題については、この四月の段階でも理財局長は今のあなたの答弁よりは多少突っ込んだことを答弁していますよ。あなたの私的な諮問機関もあるでしょう。そこで論議もしておって、もう目の前に予算編成が来て、十二月二十二日には原案を発表するということになれば一カ月しかないじゃないですか。それについて予算委員会に匹敵する歳入委員会として権威のあるべき大蔵委員会で聞いているのに、事もあろうに、結論の日銀信用を新たに拡大する考えはないということだけは言えるけれども、四月でさえある程度言えた短期国債を出すか出さぬかもわかっておらぬ、そんな答弁で私らがこないして座れますか。それで新聞などにはいろいろなことが出ている。大蔵委員会を何と心得ておる。言える範囲で言いなさい。大臣、当たり前でしょう。
  110. 宮本保孝

    ○宮本説明員 短期の国債につきましては、国債の多様化を図るという見地から、私どもといたしましては従来、超長期の国債であるとかあるいは二年から四年物の中期の国債、これは入札でございますけれども、いろいろ種類の多様化を図ってきたわけでございます。来年度からは特に大量の借換債の問題がございますので、私どもといたしましてはできればこの短期の国債も国債の種類の多様化という見地からこれを出したいという気持ちは持っておりますけれども、どういう形にすれば一体出せるのか、あるいはどこのどの辺の法律を直せばできるのか、あるいは特別会計のままでいいのかあるいは資金をつくらなければいけないのか、あらゆる点について今検討中でございまして、具体的な成案ができておりませんけれども、短期の国債については私ども発行当局としては出したい、そういう方向で今検討を進めております。
  111. 正森成二

    ○正森委員 慎重過ぎるくらい非常に慎重な答弁ですから、これから二、三の問題を細かく聞いても、あなたのお顔を見ておるとなかなかお答えできませんよというふうに書いてあるから、えらいとばっちりがいって悪いですけれども大蔵大臣伺います。  大蔵大臣、これから私は財政法の四条、五条、そういう問題について触れたある本の内容について読みますので、御感想を承りたいと思います。  「第四条は健全財政を堅持して行くと同時に、財政を通じて戦争危険の防止を狙いとしている規定である。財政が総ての国策の根本であり、健全なる国策遂行の要締は常に財政を健全に維持して行くことにある。」  この本の序文には、またこう書いてあります。  「財政法は財政に関する、重要な基本原則を明確にしている。即ち従来のように公債によって戦争を計画したり、インフレーションを招来して大多数の国民を塗炭の苦しみに突き落したり、国民の知らぬ間に、煙草の価格や通信費や、鉄道賃が何倍にもなったりすること等を一切禁止している。これ等をみると、なる程従来の財政法規に比して国民の総意を尊重していると。いい得ないこともない。又一部支配階級の専横を封じているともいい得る。然し私には憲法や、会計法が不備であったがために戦争が計画されたり、インフレーションが起ったりしたとは信ぜられない。やはり戦争を惹起したのは人であり、インフレーションによって大衆をこの惨めな生活に突き落したのも人である。こう考えて来ると如何に民主的な憲法が出来ても、立派な財政法が出来ても、其の運用に人を得なかったならば、所謂、猫に小判であって、意味をなさない。況んやこの財政法には幾多の抜道と、曖昧なところのあることは本文で指摘しているとおりである。従って私は総ては人にあると信じている。即ち民主的な人によって民主的に運用せられて、始めて、財政法は民主的であるといい得るのである。私はこの財政法が民主的な人によって民主的に運用せられて、この荒廃した、祖国を再建し、国民大衆を再びこのような惨めな生活の淵に突き落すことのないように念願する。」こう書かれております。  この本文並びに序文の一部について御感想をお聞きしたいと思います。特に、現下の情勢関連して御所見を承りたいと思います。
  112. 竹下登

    竹下国務大臣 財政法によらず法律というものは、その運用というものが最も大切であるわけであります。したがって私どもといたしましては、運用の基本というものは、やはり戦後与えられたとはいえ、民主主義すなわち民主的な運営、こういうことであろうというふうに常々心がけておるつもりでございます。
  113. 正森成二

    ○正森委員 御答弁の趣旨は、文言などは多少いろいろございましょうが、精神においてはこの著者の言っていることと余り変わりないような御答弁でしたが、この本は一体だれがお書きになった本だとお思いになりますか。主税局長でも結構です。——御存じないようですから申し上げますと、この本は平井平治という人が、「財政法逐条解説」として出したんですね。これは昭和二十二年に、実際に出たのは二十三、四年のようですが、当時大蔵省の主計局の各課長を歴任した人が出しておるんです。当時の大蔵省はこれぐらいよかったんですね。今の宮本理財局長の答弁やなんかとは雲泥の差があります。だからやはり財政法あるいは財政法規の運用は人によるんですね。  私どもは、国債の日銀引き受けが云々されており、新たな信用の拡大はない、こう言われましたが、その詳細について、予算編成が一カ月に迫っておるのにこの大蔵委員会でも十分に答弁できないというような点を考えますと、この昭和二十二年のあなた方の先輩の主計局の人が祖国を憂えて書いた本、この精神にあなた方は立ち返って、いやしくもインフレを起こしたり財政が戦争の手段に利用されるようなことがないようにしてもらわなければならないというように考えるわけであります。そのことを申し上げておきたいと思います。  時間の関係で、あと三つほど聞きたいのですが、一つだけにいたします。  主計局、来ておりますか。——平澤さんが来ているようですが、何か新聞によると、なかなか予算編成ができないので、まだ電電法案は成立していないんですが、それが成立することを前提にして、六十年度予算案には電電株の売却収入を計上する考えである、こういうことが出ております。そこで、そういう考えがあるのかどうか。  それから、そういうことをやる場合には、電電は一兆円の資本にすると言われており、二分の一ぐらいは売却できる、三分の一以上は国が持っていないといけませんのでということで、五年ぐらいの間に二分の一ぐらいを売却するということになっておりますが、そうすると一年間に額面で一千億円ですが、これは、幾ら売却収入を計上するかというのは実は重大なことなんですね。それは株式の売却価格といいますか、それに関連するわけです。私は、電電ではございませんが、たばこの法案審議のときにも、それが重大な内容を持っており、下手をすると利権につながりかねないということも指摘しましたが、いよいよこういうように諸新聞に電電株の処分益を六十年度予算に計上すもということになっておれば、これは単に何株売却しますじゃ済まないんですね。額を予算計上しなければならないということで、税外収入として計上するんですね。大体どういう考えに基づいてやるのか、お答えください。
  114. 平澤貞昭

    ○平澤説明員 今、委員がおっしゃいましたように、電電公社の株につきましては、これが株式会社になった趣旨からいいましても、できれば政府がいつまでも持っていないで処分していくということが基本的な考え方であるわけでございます。したがいまして今後そういう方向でずっと考えていきたいということでございますけれども、今もおっしゃいましたように、これは国民の貴重な財産でございますので、どのようにフェアに売っていくか、特にその値段について、適正な値段でどう売っていくかということは非常に重要な問題であるわけでございます。  したがいまして、その点を十分に固めないうちにこれをどうするかということは、具体的な特に金額につきましてはなかなか答えが出てこないわけでございまして、今言いましたような基本的な考え方のもとに現在作業を進めております。したがいまして具体的に幾らとか何株とかということまでまだ我々としては確たるものを得ていない、こういうことでございます。
  115. 正森成二

    ○正森委員 まだなかなか予算計上額、したがって一株当たりの値段まで出せないのはもっともな点もありますが、私がたばこ法案のことで質問しましたときに、例えばたばこなどは同種の企業がないわけですね。だから比べようがないということになれば、せめて同じ程度の規模の優良な企業の株の値段とか放出株とかいうのを参考にするというような答弁もありましたが、例えばトヨタというのは資本金も大きいし、今、日本では最優秀のうちの一つですね。このトヨタを見ますと、昭和五十六年に株式の時価発行をしておりますが、額面株五十円のものについて千四百十五円ですね。実に二十八倍というものに達しているのです。そのときの株の値段は幾らかといいますと、五十六年は最高が千六百五十円、最低が七百二十三円ということで、五十七年は時価発行で株の値段が落ちまして千百五十円が最高というようになっておりますね。  したがって、やはりこういう株の値段とかあるいは時価発行の値段などを参考にすると、電電株の場合は、トヨタにまさるとも劣らないくらい将来性もあるというように言われておるわけですから、額面が五万円だとしても、もうそれはけた違いに大きな額になる可能性があるんですね。そういう点を考えていただかないと、世上では、五年間で一千万株放出して単年度当たり数千億円程度計上しようかということになれば、せいぜいのところ四、五倍、こういうように見ていることになりますね。もしそういうようなことが公正な財務管理なしに行われるということになれば、国民の財産が不当に一部の資産家に譲り渡されるということになります。だからそういうことのないようにあらかじめ申し上げておきまして、時間はまだ少し残っておりますが、やめさせていただきます。
  116. 瓦力

    瓦委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十九分散会