○若杉
政府委員 お答え申し上げます。
世界の
特許の審査期間の
状況は、おおむねでございますが、やはり二年二、三カ月かかっていると思います。具体的にアメリカについて申しますと、アメリカは、やはりたしか二年をちょっと超えていると思います。それで、アメリカも三年前に長期
計画を立てまして、これを十八カ月ぐらいに持っていこうじゃないかというビジョンを立てておるわけでございます。
ところで、日本の
状況でございますが、今先生おっしゃったように、現在は二年三カ月ないし二年四カ月でございます。これが、放置すると七年を超える。これはいろいろなデータで積み上げて確実にしております。
ところで、今度
コンピューター化をやるということでどういうふうに動くのかという御
質問だと思います。これにつきましては、いろいろな前提条件がもちろんございます。ございますが、我々としては、いろいろな
現実可能の前提条件を置きながらやってみますと、率直に言いまして、この三、四年はむしろ若干延びると思います。三年ぐらいあるいは三年を超えるという
状況が一時的に出てまいります。そうして、十年ぐらいになりますと、現状程度にまた戻っていく。我々としては、現在は、ビジョンはそこまででしていますが、決してそれに満足しておりませんで、結論的に言えば、我々の目標は、
特許、実用新案については二年程度にしたいと思っています。したがって、さらに一層の
努力を諸般の面で加えまして、二年ぐらいまでに落としていきたい。おおむねの推移を申しますと、そういうような感じでございます。
〔
委員長退席、中西(啓)
委員長代理着席〕
それでは、途中でなぜ延びてしまうのかというわけなんですが、これはある
意味ではやむを得ない面があります。というのは、やはりいろいろな
施策の効果というのは時間がかかるのに対して、やはり能力と受け入れ態勢のギャップは既に発生しておりまして、どうしてもそれがこの三、四年は広がってくる傾向にやむを得ずなると思います。できるだけ早く現状維持程度に戻すというのが一応の十年ビジョンでございますが、さらにその先、何とか二年ぐらいまでは目標にして持っていきたい、こういうふうに
考えているわけでございます。
定員、定数の問題でございますが、午前中も御
説明いたしましたように、実際問題として、審査官の定員は、この三年ほど減っておるわけでございまして、非常に苦慮しておるわけでございます。非常に厳しい国全体の定員管理は先生御承知のとおりでございまして、我々の非常に大きな
問題点の
一つでございます。それで、我々のコンピューターの発想もいろいろな
理由がありますけれども、その中の
一つは、このままいくとえらいことになるけれども、定員をどんどんそれにスライドしてふやしていくのは、
現実論としてなかなか難しいのじゃないかということで、もちろんかなりのショッキングな、八年とか七年とかいう
状況になれば、世間も
考えてくれるかもしれないけれども、そこまで行ってからでは遅いということでございまして、それをできるだけ定員に大きく依存しないで、何とかできないかという発想が
一つはあったわけでございます。
そういう
意味で、
コンピューター化の問題を今やっておるわけでございますが、もちろん、
コンピューター化が万能ではございません。コンピュ-ター化をやっていきますと、途中ではむしろ人手を余計食う面もあるわけでございますし、それから最後のジャッジメントは、人の頭と起案力ということがどうしても働くわけでございまして、コンピューターだけですべて片づくわけではございませんから、必要な人員の確保というのを同時に、並行的に
考えています。
ただ、これにつきましても、我々としては、人手の方はぎりぎりミニマムにしたいとは思っていますけれども、それとてもなかなか難しい
状況にあります。したがって、外部の、民間活力の活用とか、そういうものもできるだけ取り入れたいということで、今
研究しています。しかし、最後に行きますと、これもやはり
特許庁が責任を持ってジャッジしなければならないものですから、民間の活力に依存するといっても、当然限界が出てくるわけでございまして、その分はどうしてもミニマムを確保しなければいけない、こういうふうに
考えております。