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1984-04-27 第101回国会 衆議院 決算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年四月二十七日(金曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 横山 利秋君    理事 近藤 元次君 理事 谷  洋一君    理事 東家 嘉幸君 理事 井上 一成君    理事 新村 勝雄君 理事 貝沼 次郎君    理事 神田  厚君       塩崎  潤君    河野  正君       城地 豊司君    近江巳記夫君       中川利三郎君    阿部 昭吾君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 奥田 敬和君  出席政府委員         防衛庁装備局長 木下 博生君         郵政大臣官房長 奥山 雄材君         郵政大臣官房経         理部長     高橋 幸男君         郵政省郵務局長 永岡 茂治君         郵政省貯金局長 澤田 茂生君         郵政省簡易保険         局長      奥田 量三君         郵政省電気通信         政策局庁    小山 森也君         郵政省電波監理         局長      鴨 光一郎君         郵政省人事局長 三浦 一郎君         自治省行政局選         挙部長     岩田  脩君  委員外出席者         科学技術庁研究         調整局宇宙企画         課長      清水 眞金君         大蔵省主計局司         計課長     加藤 剛一君         郵政大臣官房首         席監査官    加藤 祐策君         建設省道路局路         政課長     真嶋 一男君         消防庁防災課長 清野 圭造君         会計検査院事務         総局次長    佐藤 雅信君         会計検査院事務         総局第五課長  中村  清君         日本電信電話公         社総裁     真藤  恒君         日本電信電話公         社総務理事   寺島 角夫君         日本電信電話公         社業務管理局長 神林 留雄君         日本電信電話公         社計画局長   池澤 英夫君         日本電信電話公         社建築局長   岩附  昇君         決算委員会調査         室長      石川 健一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和五十六年度特別会計歳入歳出決算  昭和五十六年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和五十六年度政府関係機関決算書  昭和五十六年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和五十六年度国有財産無償貸付状況計算書  (郵政省所管日本電信電話公社)      ————◇—————
  2. 横山利秋

    横山委員長 これより会議を開きます。  昭和五十六年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、郵政省所管及び日本電信電話公社について審査を行います。  まず、郵政大臣から概要説明を求めます。奥田郵政大臣
  3. 奥田敬和

    奥田国務大臣 一般会計郵政事業特別会計郵便貯金特別会計及び簡易生命保険及郵便年金特別会計昭和五十六年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  一般会計歳出予算現額は二百四十五億八千七百十五万余円でありまして、これに対する決算額は二百四十五億七千九百四十万余円となっております。  郵政事業特別会計歳入予算額は四兆一千三百二十五億三千二百三十七万余円、歳出予算現額は四兆一千四百九十一億六千九百八十九万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では三兆九千八十六億八千四百七十七万余円、歳出では三兆八千六百四十三億八千二百七十七万余円となっております。  この中には、収入印紙等の売りさばきによる収入及びこれらの収入関係法令に基づき他の会計へ繰り入れる等のため必要とする支出借入金建設費等資本的収入支出が含まれていますので、これらを除きました事業運営による歳入歳出は、歳入では二兆一千七十五億九千五百八十六万余円、歳出では一兆九千五百六十七億三百四十八万余円となっております。  郵便事業損益につきましては、収益総額は一兆一千八百六十六億一千七百七十四万余円、費用総額は一兆六百九十二億六千七百六十二万余円でありまして、差し引き一千百七十三億五千十一万余円の利益を生じました。  この結果、郵便事業累積欠損金は、一千三百二十億四千八万余円となっております。  郵便貯金特別会計歳入予算額は四兆八千三百九十九億六千八百七万余円、歳出予算現額は四兆八千七百三十三億四千五百九十七万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では四兆八千七百三十三億五千七百四十八万余円、歳出では四兆八千七百三十三億四千四百八十四万余円となっており、差額一千二百六十四万余円は、法律の定めるところに従い翌年度歳入に繰り入れることといたしました。  簡易生命保険及郵便年金特別会計につきましては、保険勘定歳入予算額は四兆三千六百七十五億四千四百二十六万余円、歳出予算現額は二兆二千二百六十九億五千三百十九万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では四兆四千四百二十七億四千六百五十五万余円、歳出では二兆六百七十四億七千五百四十七万余円となっており、差額二兆三千七百五十二億七千百八万余円は、法律の定めるところに従い積立金として積み立てることといたしました。  年金勘定歳入予算額は百十九億四千四百四十二万余円、歳出予算現額は百十九億四千四百四十二万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では三百七十七億三千四百四十一万余円、歳出では百十九億七百九十万余円となっており差額二百五十八億二千六百五十万余円は、法律の定めるところに従い積立金として積み立てることといたしました。  次に、会計検査院昭和五十六年度決算検査報告に粗いて不当事項等として指摘を受けたものがありましたことは、まことに遺憾に存じます。今後、この種事例発生未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図ってまいる所存であります。  以上をもちまして、昭和五十六年度決算概要についての説明を終わります。  引き続きまして、昭和五十六年度日本電信電話公社決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  昭和五十六年度事業運営は引き続き順調に推移し、損益計算上三千五百五十七億六千八百八十八万余円の当期利益金を計上するところとなり、昭和五十二年度以降黒字決算を続けているところであります。  収入支出決算内訳を各勘定別に申し上げますと、まず、損益勘定におきましては、収入済み額は、四兆九百七十四億七千二百七十五万余円で、予算額に比べ一千七百七十六億二千百七十五万余円の増収となりました。一方、支出済み額は、四兆四百九十七億二千三百五十九万余円でありまして、支出予算現額四兆七百三十六億四千八十九万円に比べ、二百三十九億一千七百二十九万余円下回りました。  次に、資本勘定におきましては、収入済み額は二兆四千七百五億八千五十六万余円、支出済み額は、二兆四千七百五億八千五十六万余円であり、この中には財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律に基づき臨時かつ特例的に昭和五十六年度から昭和五十九年度までに納付する臨時国庫納付金額総額四千八百億円のうち当年度納付額一千二百億円が含まれております。また、建設勘定におきましては、支出済み額は、一兆七千五百二十三億二千三百五十三万余円であり、これにより一般加入電話百二十万九千余加入増設を初めとする各種の建設工事が実施されたところであります。  最後に、昭和五十六年度予算執行につきましては、会計検査院から物件に関するもの一件、職員不正行為に関するもの一件の指摘を受けたことはまことに遺憾に存じます。  今後この種事例発生未然に防止するよう日本電信電話公社指導監督してまいる所存でございます。  以上をもちまして、昭和五十六年度決算概要についての説明を終わります。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  4. 横山利秋

  5. 佐藤雅信

    佐藤会計検査院説明員 昭和五十六年度郵政省決算につきまして検査いたしました結果の概要説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項三十一件及び意見を表示しまたは処置を要求した事項一件であります。  まず、不当事項について説明いたします。  検査報告番号一一二号から一四二号までの三十一件は、職員不正行為による損害を生じたものであります。  これは、日本橋郵便局ほか三十郵便局郵便貯金または簡易生命保険の募集、集金の事務に従事している職員等が、預金者から郵便貯金預入申し込みを受けて受領した預入金契約者から受領した保険料等を領得していたものであります。なお、このうち、一一八号から一四二号までの二十五件については、昭和五十七年十月末日までに損害額のすべてが補てん済みとなっております。  次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。  これは、郵政事業特別会計機械器具に係る経理に関するものであります。  郵政事業特別会計における機械器具経理について見ますと、固定資産として経理する機械器具範囲は、郵政大臣郵政事業特別会計規程で郵便番号自動読取区分機等の四品目だけを指定しており、これに基づいて五十六年度末現在で五百八十八個七百三十九億二千八百万余円を固定資産に計上していて、これら四品目を除く機械器具取得費は全額を取得年度の損金として経理してきている状況であります。  しかしながら、近年、郵政事業機械化に伴い、高額な機械器具が毎年大量に取得されてきているのにこれらを固定資産として経理していないことは、資産状況を適切に表示し、損益を適正に経理しているとは認められないものであり、他の事業特別会計日本国有鉄道等公社では、いずれも、固定資産とする機械器具範囲をこのようにごくわずかの品目に限定してはおりません。  仮に郵政事業特別会計の五十六年度末現在の物品増減及び現在額報告書に計上されている機械器具千八百十九億三千六百万余円について、固定資産に計上したとすれば、現在固定資産として経理している機械器具七百三十九億二千八百万余円に比べ千八十億八百万余円の資産が増加計上されることとなり、また、この機械器具のうち五十一年度から五十六年度までの間に購入したものについて減価償却費計算し、五十六年度損益を修正しますと、同年度利益金は五億六千二百万余円増加することとなります。  つきましては、郵政事業機械化は今後も引き続いて進められることが見込まれますので固定資産として経理する機械器具範囲を適切なものに改め、もって郵政事業特別会計財政状態経営成績を適正に表示するよう求めたものであります。  以上をもって概要説明を終わります。
  6. 横山利秋

  7. 中村清

    中村会計検査院説明員 昭和五十六年度日本電信電話公社決算につきまして検査いたしました結果の概要説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項一件であります。  まず、不当事項について説明いたします。  検査報告番号一七四号は、顧客サービスシステム増設用物品購入当たり所要数量見直しを行わなかったため、不要の物品購入し不経済になったものであります。  昭和五十年度顧客システム基本設計を行った際には、東京都二十三区内全域電話加入原簿内容を記憶するには三十六台のディスク装置が必要であり、所要のデータを二秒以内に端末装置に出力するにはそのディスク装置を三群に分け、それぞれに四個、合計十二個のチャネルが必要であるとしていたものであります。  しかし、このチャネルは、三十六台のディスク装置を二群に分けることとすれば、それぞれに四個、計八個で足りるものであり、結局、チャネル四個等は必要のないものを購入した結果となっていて、約六千百七十万円が不経済になったと認められるものであります。  また、検査報告番号一七五号は職員不正行為による損害を生じたものであります。名古屋都市管理部管内名東電話局営業課社員電話加入申し込みの受け付け、承諾等事務に従事中、電話加入申込者から銀行に払い込みを依頼されて預った加入料設備料等架設代金を領得し、不正行為による損害を生じたものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について説明いたします。  これは、街頭用ボックス形公衆電話料金箱の取集に関するものであります。  この事態は、公社では十円及び百円硬貨併用の黄及び十円硬貨専用の青の街頭用ボックス形公衆電話料金箱の取集については、従来より料金箱一個当たり収納枚数を千五百枚を標準とし、取集のための周期、コースを設定するなどして一個当たりの取集単価によって民間業者に請け負わせているものであります。  しかし、このボックス形公衆電話については、近年既設の十円青公衆電話にかわって遠距離通話に便利な百円黄公衆電話の導入が本格化してきております。  その結果、一料金箱当たり標準とした千五百枚の半分以下の収納状態で取り集められているものが過半数に上ってきている状況であります。  このため、料金箱一個当たり収納枚数千五百枚を標準とし、仮に百円黄公衆電話については百円硬貨混入の割合を考慮し、合理的な取集周期を設定するなどしてこの取集作業を見直すと、年間取集個数について約三十六万個の削減が可能となり、取集経費について約八千三百万円低減できたと認められたものであります。  このため、本件取集業務については具体的な基準を定め、実態を踏まえた処置を講ずる要があると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、日本電信電話公社では、五十七年十月に通達を発し、同月以降より適用するよう処置を講じたものであります。  なお、以上のほか、昭和五十五年度決算検査報告に掲記しましたように、市内交換機設備の設置及び利用活用について、及びステップ・バイ・ステップ交換機の撤去スイッチ類売り払い予定価格の積算について、それぞれ処置を要求しましたが、これに対する日本電信電話公社処置状況についても掲記いたしました。  以上をもって概要説明を終わります。
  8. 横山利秋

  9. 真藤恒

    真藤説明員 昭和五十六年度電信電話事業概要につきまして御説明申し上げます。  昭和五十六年度公社事業につきましては、引き続き電気通信サービス拡充改良に努めるとともに事業運営効率化に努めた結果、おおむね所期の成果をおさめることができました。  昭和五十六年度の収支は、電話加入数の伸びの鈍化等により収入が伸び悩んだものの、事業全般にわたる業務見直し等経費効率化に努め、引き続き黒字決算となりました。  すなわち、総収益が四兆一千六百七十一億三千七百四十九万円余となったのに対しまして、総費用は三兆八千百十三億六千八百六十万円余となり、その結果三千五百五十七億六千八百八十八万円余の当期利益金を計上することができました。この利益金はすべてサービスの一層の改善に必要な投資等に充当しました。  また、こうした財務状況基盤として五十五年十一月の夜間料金割引制度拡大に続き、五十六年八月から遠距離通話料引き下げと新たに日曜・祝日の割引制度を実施いたしました。  今後とも健全な財務基盤の確立なくしては真の公共性の発揮が不可能になることを銘記し、事業全般にわたり一層の効率的運営を行い、よりよい電気通信サービスの提供に努めていく所存であります。  以下、昭和五十六年度決算内容につきまして御説明申し上げます。  損益勘定収入におきましては、予算額三兆九千百九十八億五千百万円に対しまして、収入済額は四兆九百七十四億七千二百七十五万円余となり、一千七百七十六億二千百七十五万円余予算額を上回りました。  その内訳は、電話収入で一千六百二十二億六千九百八十一万円余の増、電信収入等で百五十二億五千百九十四万円余の増となっております。  支出におきましては、予算額に前年度からの繰越額及び予算総則規定による経費増額を加えた予算現額四兆七百三十六億四千八十九万円に対しまして、支出済み額は四兆四百九十七億二千三百五十九万円余となっております。  次に、建設勘定におきましては、予算額に前年度からの繰越額及び予算総則規定による経費増額等を加えた予算現額一兆九千百六十五億二千六百七十七万円余に対しまして、支出済み額は一兆七千五百二十三億二千三百五十三万円余となり、翌年度繰越額は一千六百二十一億百四十万円余となっております。  また、建設勘定支出及び債務償還等財源に充てるため、電信電話債券及び借入金により六千四百八十四億七千六十九万円余、設備料として一千五百二十五億五千三十八万円余の受け入れを行い、一方債券及び借入金等につきまして六千百七十六億二千九百五十一万円余の償還を行いました。  なお、国の財政再建に協力するため、財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律に基づき、臨時かつ特例的な措置として、昭和五十六年度から昭和五十九年度まで納付する臨時国庫納付金総額四千八百億円のうち、当年度納付分一千二百億円を支出いたしました。  次に、昭和五十六年度の主な建設工程としましては、一般加入電話増設約百二十一万加入公衆電話は約七万四千個の工程をそれぞれ実施いたしました。その結果、移転も含めた電話架設のお申し込みに対しまして、全国的におおむね一カ月以内で架設できる需給均衡状態を維持しております。  昭和五十六年度事業概要は以上のとおりでありますが、公社といたしましては、インフラストラクチャーとしての電気通信のより一層の高度化を図るため、国民の皆様に役立つ、良質かつ低廉な高度情報通信システム、いわゆるINSの形成が社会的責務であると考え、その推進に全力を尽くす所存であります。  最後に、昭和五十六年度決算検査報告指摘を受けました事項について申し上げます。  不当事項としては、物件に関するもの一件、職員不正行為に関するもの一件、計二件の指摘を受けましたことはまことに遺憾に存じます。  物件関係につきましては、日本電信電話公社本社が行いました顧客サービスシステム増設用物品購入当たり所要数量見直しを行わなかったため、不要の物品購入し不経済となったものであります。今後は十分注意する所存であります。  また、職員不正行為により損害を生じたものは、東海電気通信局管内名東電話局において、加入料設備料等を領得したものであります。  今後は、この種の不正行為の根絶を期する所存であります。  以上、簡単でありますが、概略御説明申し上げました。
  10. 横山利秋

    横山委員長 これにて説明は終わりました。     —————————————
  11. 横山利秋

    横山委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
  12. 井上一成

    井上(一)委員 まず、私は、資金運用制度改善についてお尋ねをしたいと思います。  簡易保険郵便年金資金は、将来の保険金年金等の支払いに備えた加入者のいわば共同準備財産である、そういう観点からもできるだけ有利に運用する必要があると私は思っています。五十八年五月に、簡易保険積立金運用範囲が、外国債銀行預金等が追加されたわけでありますけれども、現在の積立金運用範囲は、民間生命保険はもちろんのことでありますが、国家公務員共済組合と比較しても、なおその運用範囲が著しく狭く、また、余裕金資金運用部へ低利で預託するほか運用することはできないということで、運用における利回り面で、民間生命保険との間に非常な格差が生じているということであります。  最近、我が国経済国際化の進展だとかあるいはまた高利回りの商品の相次ぐ開発等、いわゆる金融経済環境は大きく変化している、こうした変化におくれることなく対応していくためにも、資金運用制度改善を図るべきではないだろうか、こういうふうに私は思うのであります。今後、具体的に何らかの方策を講じる予定を持っていらっしゃるのかどうか、このことをまず当局にお聞きしておきたいと思います。
  13. 奥田量三

    奥田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のとおり、簡易保険郵便年金資金につきましては、郵政大臣がこれの運用に当たっているわけでございますが、一方においては、この資金は、加入者が任意の契約で積み立てをなされたいわば共同準備財産でございます。そういう意味合いから、極力これを有利に運用して、配当の増額あるいは保険料引き下げという形で加入者サービスをいたすべきものでございます。と同時に、この資金は国の資金の一部ということから、公共的な性格も持っておりまして、そういった意味で、現在の資金の大きな部分財政投融資に協力して運用し、残りの部分について、社債等についてできるだけ有利な運用を図る、こういう努力をいたしているところでございます。  ところで、資金運用実態につきましては、財政投融資協力分につきましては、言うまでもなく、一般の市中金利に比べてある程度の金利格差、つまり低い利回りでこれを運用せざるを得ないわけでございますし、その余の部分につきましても、ただいま御指摘のように、民間生命保険あるいは公務員共済組合等に比べても、なお格差があるという状況でございまして、この点につきましては、年々郵政省としてもその改善努力をしてまいっている状況でございます。  最近におきましても、昭和五十九年度予算編成期におきまして、資金運用範囲の若干の拡大、例えば金銭信託につきまして元本保証のないもの、あるいは特別に公共的な性格を持った会社の株式保有等について、政府部内において折衝をいたしましたし、また余裕金についても、発生当初から積立金と同様に郵政大臣運用できるようにという趣旨の折衝をいたしましたが、残念ながら政府部内において合意を見るに至らなかった状況でございます。この問題につきましては、ただいま御指摘のような事柄の重要性にかんがみまして、今後とも引き続き資金運用改善について努力を続けてまいりたいと考えているところでございます。
  14. 井上一成

    井上(一)委員 次に、私は、今、国会に提出されています電電改革法案ですね、このことについて少し尋ねていきたいと思います。  多くを申し上げる必要はないと思うのですけれども、今、提案されているいわゆる競争原理を導入していこうという電電改革法案、これはまさに、私は、過去百有余年国営さらには公社制度で多くの実績を上げてきた国民共有財産であるこの制度に大改革をしようとするものだ、そのことによって、だれが利益を得、だれが不利益をこうむることになるのか、あるいは本当に高度情報化社会の要請にこたえて国民のための電気通信事業になり得るのかどうか非常に疑問である、こういうふうに思うのです。むしろ、公共性より電気運信効率化を求めるような内容、あるいは郵政省監督下へ移行してしまう、あるいは株式の公開によって私的資本電電株買い占めを可能とする、将来電気通信事業私的資本経営行動に任せて多くの問題が生じてくるのではないだろうか、私は非常に危惧を抱くものであります。電信電話サービスの分野に新規参入を前提にするということは、本当に利用者にとってサービスになるのか。むしろ逆に利用者負担増につながっていくのではないだろうか。もう既に御承知かもわかりませんけれども、アメリカ等においては非常な負担増利用者に押しつけているという。さらには、日本よりも一足早く新規参入を認めたイギリスでも、当初の競争政策をスローダウンさせている、あるいは当分の間新たな参入を認めないという決議を議会で決定したというふうに私は承知しているわけです。ますます競争政策がサービス格差を生み、料金値上げにつながり、競争原理の導入こそ多くの問題をそこに生じてくる、こういうふうに認識をしながらお尋ねをしていきたいわけでありますけれども、通信は相互に通話する特性があるわけであり、そこには電信電話の特性を生かすこと、そのことによって利用者にとって最もよい方法ではないだろうか、こういうふうに思うわけであります。自然、独占制だとか一元的運営、これは本当に電信電話の特性だと認識をするのですが、いかがお考えでいらっしゃるのか。あるいはこの電信電話の特性についてどうお考えを願っているのか、お聞きをしたいと思います。
  15. 小山森也

    ○小山政府委員 ただいま先生から御指摘のありました独占に対する物の考え方でございます。実は、日本の電気通信政策というのは、イコール明治以来電話と電信、これを中心にして進められておりまして、電気通信はイコール電話であったわけでございます。したがいまして、電話をいかにして全国に普及しかつ安くかつ能率的に運営していくかということがイコール電気通信政策であったわけでございます。ところが、近年に至りまして、技術革新が非常に進みまして、通信メディアが非常に多様化してまいりました。例えばビデオテックスであるとか、ファクシミリ通信、それから双方向CATVとか、いろいろな通信メディアが出てまいりますと同時に、今まで電電公社でしかできないであろうと思われていたいわゆる電気通信技術というのが、民間技術の水準が非常に進歩いたしました結果、これが電電公社だけでなくてもできるというようなことになってまいりました。また、この電気電話には膨大な設備投資が必要でございますけれども、民間の資金調達能力というものも非常に向上してきたわけでございます。そういうような一つのメディアの多様化というものは、今までの通信というものが電話であるという観念からちょっと変わってまいりまして、すなわち、電話であるというときには、電電公社が一つの独占体として、電電公社の経営方針というものあるいは経営政策というものがイコール電気通信政策であってもよろしかったわけですけれども、今度は、電話以外のいろいろなメディアを要望することになりますと、電話以外の政策についてはどういうものが必要であるかということと同時に、電話以外のサービスについて電電公社が適切に応じられるかどうかという時代になってきたわけでございます。  先ほど申し上げましたように、電電公社というのは、本来、すぐつく電話、すぐかかる電話を目標にしてきた事業体であるために、そういう通信メディアの多様化というものに応ずる形で一生懸命やっております、非常に熱心にこれに対応しておりますけれども、どうしてもそういった基本的な事業体というものの性格からいたしまして、電電の与えるもののみが通信サービスであるという形にならざるを得ないというところから、多元的な通信事業体を置くことによりまして、利用者側から求めるサービスをきめ細かく対応していく事業者を導入すべきであろう、このように考えまして、いわゆる独占性から多元的な事業体、さらに多元的な事業体における競争原理導入による市場価格の導入というものによりまして、低廉な価格により質のよいサービス電気通信一般利用者に提供することがよりよい政策ではないかということから、今回の競争原理導入というような政策に踏み切ったものでございます。
  16. 井上一成

    井上(一)委員 今度の郵政省の改革案といわれるものは、電話の基本サービスの一元的提供責務や基幹ネットワークの一元的運用について、新規参入といって新事業体の参人を認めようとしているわけです。この新規参入は、もうかる地域あるいは回線をねらってのみ計画されることは、普通常識的にそういうふうに考えられるわけであります。としますと、現在の電電公社収入の八七%余りを占めている電話料金、電話収入にどのような影響を与えると判断していらっしゃるのか旧市内通話料等のむしろ値上げが地域によっては起こり得るのではないだろうか、こういうふうなことも考えるわけですけれども、郵政省は、この通話収入にどんな影響を与えるか、御判断をしていらっしゃるのでしょうか。
  17. 小山森也

    ○小山政府委員 新規参入はどういうところにまず起きるかということから理解をしてかかりませんと、これはなかなか結論が出ないと思います。新規参入の場合は、私どもの判断といたしましては、やはり期業でございますので、株式会社であるということから、利潤が生まれないところには確かに参入はしないであろうと思います。しかしながら、その参入の仕方の問題でございますけれども、単に電話ということでは、いわゆる電信電話あるいは電気通信全体としまして、スケールメリットというものが今までは唯一の損益分岐点であったわけでございますけれども、これからの参入の場合には、スケールメリットではなしに非常にきめの細かいサービス電話だけでやるのではなしに、電気通信のデータ通信サービスであるとか、あるいは第二次的なVANサービスとか、そういったきめ細かいサービスによって、ただ単に電話サービスという以外のもので、それでしかも、今までのサービスと違いました高速広帯域性のサービスというような新技術を導入した企業向けのものが多いのではないか、こう考えております。そういたしますと、既存の電電公社に対して確かに不採算地域における仕事というものだけが義務的に残りますけれども、それに影響を与えるほどのことはないのではないか、あるいは甘いと言われるかもしれませんけれども。今現在電電公社は四兆数千億の収入がございます。それでは、新規参入に対してどれくらいの料金収入が見込まれるかということはこれからの問題でございますけれども、正確な予測はできかねますが、この四兆数千億の収入に対するインパクトというのは極めて小さいのではないか、こういうふうに考えております。また、電電公社自体も、会社になることによりまして、やはり料金というものがコストベースに近づいていくということによりまして、むしろ競争原理の中でみずからの経営体質というものも改善するということによって対応するということで、料金の値上がりというものに直接つながることはまずないのではないかというふうに見込んでいるわけでございます。
  18. 井上一成

    井上(一)委員 それでは、電電公社の五十七年度決算によると三千六百九十六億円の収支黒字が報告されているわけです。地域別に見ての収支は一体どうなんだろうか。私の承知しているのでは、この黒字は、すべての地域が黒字であるということでなく、都市部においての黒字がむしろ地方における赤字を補てんしている、そして、全国的にその収支がバランスがとれてこれだけの黒字が計上された。今もお答えの中であったように、やはり新規参入というのは、公共性よりも、利益を度外視しての新規参入はあり得ませんから、私は、そういう意味では、現状における赤字地方は、今回の改革案によって民営化、会社化することによって、その地域に住む、その地域で利用される国民の負担がふえろのではないだろうか、こういうふうに思うわけです。あまねく公平なサービスが崩れるのは問題があるわけでありますし、ニューメディア時代といえども公平なサービスは貫く必要があるのではないでしょうか。さっきも、スケールメリットではないのだ、きめ細かいいわゆるデータ通信あるいはいろいろなVANの導入、あるいはきめ細かいサービス云々という非常な情報高度化の中での着視点というか発想というものは、私は決してすべてを否定するものではありません。しかし、方法論だとかあるいはもっともっと、一世帯一電話、全国ダイヤル化の二大目標を達成して、本当に公共性確保しながら国民のための情報通信を実現する、そして、それを国民のすべての共有財産にふさわしい新しい事業体というような方向に持っていくべきではなかろうか、こういうふうに思うのです。  そういう点について、少し具体的な数字を申し上げて恐縮だったのですが、地域別の黒字、赤字、赤字地域については一体どうなっていくのだろう。その地方の、その地域の人たちの利用に対する負担というものはおのずからふえるわけです。むしろこのことによって負担増を押しつけることになる。それはアメリカの例を見てもわかりますし、だから、ひとつそういう点について郵政のお考えを聞かしていただきたい、こう思います。
  19. 小山森也

    ○小山政府委員 アメリカの例を先生から御指摘いただいたわけでございますけれども、アメリカの場合は、実はもともとは千五百余の会社によってアメリカの電話会社というのは運営されておりまして、非常に狭い範囲でもってそれぞれの収入支出というものの経営単位が構成されております。したがいまして、ローカルにおけるいろいろな採算というものはイコール料金に敏感にはね返ってくるわけでございますけれども、今回私どもがとろうとしている政策は、日本全国一つの経営単位になることは間違いございません。それと同時に、恐らく新規参入者というのはいろいろな加入者線までは——加入者線と申しますのは、私ども一軒一軒の住宅まで新しい会社が線を張るというのは実際問題としてまず不可能であろう。そういった意味におきまして、幹線における通信量の増加というのが加入者線にまで至るときには、結局新会社の加入者線を使うということになるのではないか。したがいまして、そういったこともあわせ考えますと、地方の不採算地域と都会あるいは採算地域というものが全国一本の経営単位で経営されることは従来と変わりはないということを御理解いただきたいと思います。
  20. 井上一成

    井上(一)委員 さらに、先ほども指摘をいたしましたが、それでは、あまねく公平なサービスというこの認識は今回の改革案にどのようにあなた方は位置づけていらっしゃるのか、どれほどのニューメディア時代が到来しようともやはりこの公平なサービスは貫く必要があろう、こういうふうに思うのですが……。
  21. 小山森也

    ○小山政府委員 お説のとおり、基本通信である電話はあまねく公平にということは今後ともやはり守っていくべきであろう、こう思っております。
  22. 井上一成

    井上(一)委員 さらにこのことについては、いずれか次の機会に深くまた続いて質問をいたします。  さて、もう一点ぜひお尋ねをしておきたいことがあるわけです。今日の厳しい社会情勢の中で、郵政業務に専念される職員の御苦労は私多とするわけでありますし、それだけに、より一層国民のニーズにこたえて格段の精進を期待するわけであります。とりわけ、私は郵政事業職員の手当等についての問題に触れておきたい、こう思うのです。  給与法があり、それに照らした調整手当が支給されるわけであります。今さら調整手当について私がその意味するものをここでとうとうと申し上げる必要はないと思います。既に皆さんの方も、一般職の職員の給与に関する法律の第十一条の三ですか、これに明記をされています。特に都市圏における生活費等の高い地域、民間における賃金、物価及び生計費が特に高い地域で人事院規則で定められるそういう職員に支給するということが明記されているわけであります。ところが、具体的な問題で私は指摘をしたいのでありますが、大阪府において同じ大阪の都市圏の中で生活し、同じ郵政業務に専念をしている職員が十分な対応を受けていない、それは調整手当が支給されていない。具体的には、大阪の能勢町、豊能町については調整手当が支給されていない。さらには、調整手当が給与法の支給割合と異なっている地域があるわけですね。給与法の支給割合では九%、ところが、茨木の福井局だとか、安威局、清水局等では六%である。あるいは箕面においても給与法の支給割合は九%であるにかかわらず六%である。このことは、私はやはり十分配慮していくべきであり、いろいろな一定の基準があって、法律ではないけれども内規的な基準があって、いろいろと難しい問題があろうかと思います。支給区分、甲乙丙と無給と甲の米印、いろいろの地域が設定されて、その支給基準等については複雑で困難であるということも私は十分承知をしております。だからといって、これはほうっておいていいのか、僕はそういうものではない。あるいは三年ごとに見直していく、それまで待っていいんだということには、私は理屈としてはならない。やはりできるだけ早く実態に合った対応を当局はすべきであるし、その努力が必要である、こういうふうに思うわけです。具体的に私はその実情を訴えましたが、郵政当局のお考えをお聞かせいただきたい、こういうふうに思います。
  23. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 お答えいたします。  ただいま先生の御指摘の調整手当でございますけれども、先生御指摘のとおり、人事院の定める給与法に準じて、そしてそれに従いまして、人事院の場合、一般の場合は全国でかなり市町単位というところでございますが、私どもの官署につきましては、全国に非常に散在しておる、そういうことがございますので、基本的にまず給与法に準じての地域指定、並びに我々の郵便局というものの特殊性、それに合わせての指定をいたしておる、そういうところでございます。  ただいま先生御指摘の大阪府下のところでございますけれども、これはやはり基本的に、まず能勢町におきましては給与法に準じてやってございますし、さらにその他につきましても、その実態に合わせての郵便局の指定ということでやっておるわけでございます。今後ともそういう方針に持ってまいっていくわけでございますけれども、何しろ全国に一万八千という局所がございますので、私ども三年ごとに見直しをやるということで全国一斉に見直しをやる、こういったシステムがございまして、各地各地のいろいろな状況につきまして、その都度改定いたしていく、御指摘の地域につきましても、今後とも注目してまいっていきたい、このように存じております。
  24. 井上一成

    井上(一)委員 私は、やはりまじめに働く人たちに対して、その実情、実態というものを正確に把握して、そして当然、むしろ私は、これはもう三年なんというそんななまっちょろいものでなく、それは三年しても都市圏の中に入らない地域もあるかもわからない、しかし三年を待たず半年、一年のうちに都市化の中に入っていく、そういう地域もあるわけなんです。  それで、全国相当の箇所、それを毎日ずっと見て歩くということも物理的にはこれは不可能な話であります。いろいろとこういう指摘があって、そしてそこに今注目をします、こういうことですね。これは、注目という言葉には深い意味があろうとは思いますが、しかし、だからといって、三年なんというようなそんななまっちょろいことでは済まされる問題ではない。同じ行政区、同じ市内に、この局に勤めている者は九%もらう、この局は六%である、この局は三%だ。行政区が一線を、それこそ道路一つ離れたこちらはゼロだ。この人たちが住んでいる生活圏というのは同一なんです。そんなばかなことがどうして通るか。そんな考えは官僚的発想であり、役人の机の上で考える仕事であり、それこそ血も涙もないというか、本当に人間性に欠けた発想であり判断である。私は、生活の実態として、その都市圏に生活する職員に対しては調整手当を支給することは当然のことだ、むしろ働く人たちも受ける権利は当然あるわけです。  そういうことで、もちろん労使双方が相協力しながら、相話し合いながら、これは問題解決をしていかなければいけないわけでありますけれども、そういうところにたくさんのエネルギーを費やす必要はないわけです、だれが見てもわかっておるんだから。そういう意味では、片っ方は九%であり、片っ方は六%であり、片っ方は三%であり、ここは全然ゼロであるなんという、こういうようなおかしい、全くもってナンセンス、矛盾だらけのこういう手当支給というものは見直すべきであり、その格差を直すためにも、実態に沿った対応をぜひしていただきたい。  これは大臣に一言、私が今指摘をしたこういう問題、できるだけ早くこれらの問題解決に向けて積極的に取り組んでいただきたい。そして、できるだけこれらの問題解決のために、そう時間をかけずに精力的にひとつ当局が取り組んでいただけるように、特に私はお願いをしたいと思うのですが、大臣から御所見を承っておきたい、このように思います。
  25. 奥田敬和

    奥田国務大臣 同一の生活圏で働く職員が、調整手当の問題で不当な差別と申しますか、格差があるということは、勤労意欲の面も含めておかしい心やないかという御指摘であろうかと思います。  確かに慣行として、いろいろな見直し期間等々含めてやっておるようでございますけれども、今の先生の御趣旨は私も全く同感でございます。そういった意味合いを含めて、見直しを含めて誠意を持って対処いたしたいと思います。
  26. 井上一成

    井上(一)委員 このことについては強く期待をし、お願いをして、今後の推移を見守っていきたい、こういうふうに思います。  次は、人工衛星の問題についてお尋ねをしたいと思います。  自衛隊が人工衛星を使用できるかどうかというこの問題は、宇宙開発事業団法の一条ですか、「平和の目的に限り、」こういう目的条項が明確でありますし、さらには、四十四年の五月に本会議決議の平和の目的に限るという「わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」ということで決議がなされているわけであります。そういう意味からも、自衛隊が簡単に人工衛星を使用できる——平和目的以外にいわゆる事業団法一条あるいは本会議決議、この枠を踏み外してその利用が簡単にできるというようなことはあり得ないと思いますが、私はそう簡単にできないと思うわけですが、郵政大臣にも、そのように理解していらっしゃると思いますけれども、念のために聞いておきたい、こう思います。
  27. 鴨光一郎

    ○鴨政府委員 大臣への御質問でございますけれども、ちょっと事務当局から御答弁をさせていただきたいと思います。  先生の御指摘の点は、多分、通信衛星二号の公衆電気通信役務の防衛庁に対する提供についての問題だと理解をいたしておりますが、この点につきましては、昨年の八月に関係省庁の間で検討いたしました結論を得ているわけでございます。その中身といたしましては、現在実用に供せられておりますCS2と申しますものは、電電公社が国内公衆電気通信業務用の通信回線ということで、離島通信あるいは非常災害対策用の通信、臨時通信といったものに利用する目的で使用しているものでございまして、このこと自体は宇宙開発事業団法あるいは今御指摘のございました国会決議に反するものではないというふうに私ども結論をつけたわけでございます。  その理由といたしましては三つの点が挙げられるわけでございますが、一つは、公社の公衆電気通信業務と申しますものは、他人の通信を媒介するあるいはその電気通信設備を他人の通信の用に供する役務を提供するという業務でございまして、こうした業務が平和の目的に反するものであるとは言えないということ、そしてまた、公社が、先ほど申しましたようなCS2、通信衛星二号の利用によりまして公衆電気通信役務を何人に提供したとしても、そのことによって公社業務性格が変わるわけではないというのが第一点でございます。それから、第二点といたしまして、硫黄島を電話加入区域に指定をし、利用者申し込みに応じて公衆電気通信役務を提供するということは、公衆電気通信業務の枠組みの中と考えております。そういう理由で、私どもといたしましては、宇宙開発事業団法あるいは国会決議に反するものではないというふうに考えた次第でございます。
  28. 奥田敬和

    奥田国務大臣 ただいまの先生の御指摘は、宇宙政策の基本理念についての御指摘であったように思います。  確かに、今後展開される宇宙政策含めて、これは人類の平和への願いを込めたものでなければならないと思います。そういった意味合いにおいて、今回のサテライト利用による離島通信あるいは災害復旧等々のあれにつきまして、これは政府の統一見解といたしまして国会決議に反しないという見解をとっておることは事実でございます。しかし、他方、目下国会決議をめぐって国会の中でまだ問題点が決着を見てないという点を踏まえまして、国会決議を尊重することは当然でございまして、その推移を見守りながら慎重に対処してまいりたいと思っております。
  29. 井上一成

    井上(一)委員 私の質問に僕は大臣に答えてほしい言って、大臣の今の答えを、それなのにとうとうと先に、私はそういう答えを求める質問をいたしておりません。  では、あなたがこれを先に答弁されたから、防衛庁から郵政省に対して、通信衛星さくら二号を使用したいと申し入れがあったんですか。そして、では、いつごろどのような目的でどのような回線を使用したいといって申し入れがあったのか、これは郵政省に聞きましょう。
  30. 鴨光一郎

    ○鴨政府委員 その点に関しましては、先ほど申しました電電公社サービス提供ということでございますので、防衛庁から電電公社に対するサービス提供の申し込みがあるかどうかという点でございますけれども、この点につきましては、現在のところ防衛庁から電電公社に対する具体的な申し込みがあるとは承知をいたしておりません。
  31. 井上一成

    井上(一)委員 そうでしょう。正式な申し入れがないのでしょう。  では、防衛庁は郵政省に対して正式な申し入れをされたのかどうか。
  32. 木下博生

    ○木下政府委員 昨年の春、さくら二号が打ち上げられまして、電電公社としてサービスを始められるということを伺いました後、私どもとしては、電電公社の地上局を硫黄島に置いていただきたいという希望を持ちまして、郵政省、科学技術庁、電電公社の方に、正式の電話申し込みではございませんが、お願いをしたわけでございます。
  33. 井上一成

    井上(一)委員 郵政省に聞くのですが、正式な申し入れもない、そして、それは受けてもいないし、してもいない。正式な申し入れもないのに、五十九月度予算に硫黄島の通信整備関連経費として通信機器購入費として合わせて約二億一千八百万円ですか計上されているのですよ。これは本来はおかしいわけです、申し入れがあってあるいはそういう予算が必要になったときに計上されるべきだ。しかし、予算は計上された。それは計上されたけれども、いろいろとさっきの大臣の話、国会決議等の問題もありますが、推移を見守って対応したいということなので、それはまた後で……。  まず、そういう申し入れもないのに予算措置を講ずるということは、本来はよろしくないと私は思うわけです。別に予算委員会でもありませんがね。それで、今五十八年の、とうとうとあなたが説明された理由も書いてあるのです。私も手元に資料として持っておるのです、口頭説明メモ、五十八年八月二十四日。さくら二号の防衛庁利用について政府統一見解が出されたが、これは郵政省が主としてなされたのでしょうか。それとも、さっき各省庁が云々と、どの省庁とどの省庁とどんな関係の人が寄って作成されたのか。郵政省が主としてこういうものをつくられたのだろう、私はこういうふうに理解しているのですけれども、いかがなんですか。
  34. 鴨光一郎

    ○鴨政府委員 関係省庁と申し上げましたのは、郵政省と防衛庁、科学技術庁、そして内閣の法制局でございます。
  35. 井上一成

    井上(一)委員 いわば郵政省が主としてつくられたわけですね。
  36. 鴨光一郎

    ○鴨政府委員 郵政省に関係する部分がありますことは事実でございますが、先ほど申しました関係の省庁、科学技術庁の方も関係をいたしております、防衛庁も関係をいたしておりますので、関係省庁間で検討したわけでございます。
  37. 井上一成

    井上(一)委員 それで、さっきこの統一見解は国会決議に反するものではないということも答えられたわけです、私がそんなことを聞いてないときに、あなたが最初に。ちょっと僕はおかしいと思うのだよ。国会決議に反するものでないと言うが、国会決議は我々が行ったものである。我々が承知しないうちに、行政府がこの決議に反する反しないなんというそんな勝手な解釈をすることができるのかどうか。そんなことになれば、何ぼ決議をしたって、行政府が、それは決議に反しないんだ——国会決議というのは政治的には非常に重いのですよ。あなた方の認識を私はここできっちり聞いておかなければいけない。法律解釈、それは民主的な議会運営の中で多数決の原理で決まっていく、しかし、国会決議というのは全会一致なんですよ。勝手に行政府がこれに反しないなんという、そんなことが言い切れるのですか。立法府が承知をしなければできない問題だというふうに私は思うのです。それに、さっきとうとうと国会決議に反するものではありませんなんということを一はかなことを言いなさんなよ。そんなことをあなた方が考えているから、国会の決議というものに対する認識もさることながら、政治全般を何と心得ているか。行政府が勝手に何でもできるんだという、私はこの点は非常に重要な問題だと思う。  大臣は、先ほど私の質問に、国会決議を尊重したい、そしてその推移を見守りながら対応をしていきたい、こういうお答えをなされているわけです。この決議の解釈は、国会、いわゆる立法府、議運に持ち上がって、そういうことについてのどうあるべきかという議論が今後各会派が寄って話し合いをされるわけなんです。もちろん、奥田大臣は議会運営のベテランでもあるし、そういう点については、私と同じ政治の中で生きてこられた人だから、答弁は推移を見守ってちゃんとしたいと言っているのに、政府委員はさっきの答弁は何ですか。そんなことが通ると思っているのですか。
  38. 鴨光一郎

    ○鴨政府委員 先生御指摘のとおり、国会の決議については当然国会でお決めになることと私ども承知をいたしております。ただ、先ほど申し上げましたのは、私どもといたしましての統一見解の中で、政府としてこういうふうに考えているということを申し上げた次第でございます。
  39. 井上一成

    井上(一)委員 それがけしからぬと言っておるのです。あなた方が勝手に考えられるものと違うじゃないですか、国会決議は。これは国会が決めていくべき問題だ。国会決議に対して、あなた方が勝手にそういう解釈をするということが、国会の決議に政治的な重みを感じていないという証拠だと思う。これは今後十分あなた方の対応について注意しなさい。  先ほど大臣は、推移を見守ってということです。先ほども言ったように、予算はつけられているし、予算は成立しているわけです。この決議に反する反しないということは、政府だけの見解でなく、立法府がそれを承知しなければ、つけられた予算というものの執行は、国会決議がある以上は見合わすべきであるし、見合わさなければいけない。国会が承知しない限りその予算は動かせないんだ、僕はそういう認識を持つわけなんです。本当は、それはそれまでは凍結だという言葉を使いたいのだけれども、そういう言葉でここでは議論をしようとは思いません。いわゆる国会の決議は十分尊重していかなければいけないのですよ。余りにも当局事務レベルの段階で、自分たちが判断をすれば、これは国会決議に反しないのだ、勝手なそんな解釈をされたら、今後我々立法府はたまったものではありませんよ。そういう意味で、先ほどの大臣のお答えでも、趣旨は私は理解をしていますが、国会の決議もあることだし、国会が承認をしない限りは、承知をしない限りは、この予算についてはそう簡単に安易に動かせるものではないのですという、僕のこういう考え方に対しての大臣の御見解を聞いておきたいと思います。
  40. 奥田敬和

    奥田国務大臣 まず最初に、電電予算でもう計上しておるじゃないかということについて、別に反論を申し上げるわけではありませんけれども、電電は年度当初の予算編成の過程において、今年度予算において大体百万戸の新規加入を見込んでの包括的な予算であるように聞いております。決して今御指摘されたような個別的な形のものではなくて、これは比較的流動性があるということだけは御認識願いたいと思います。  そして、私も今行政府の立場で物を申すわけでございますが、政府側見解というものも他方ある。しかし、これはあくまでも国会で決められた決議が、この解釈をめぐって、率直に言えば与野党間での意見がまだ未調整段階であって、そういった形でございますから、私たちとしても、この執行に当たってはそういった与野党間の決議をめぐる解釈の調整を含めて慎重に対処してまいりたいということでございます。
  41. 井上一成

    井上(一)委員 次に、私は、現在我が国における自衛隊の公衆電気通信はすべて非軍事なのかそれとも軍事的利用をも行っているのか、このことについて聞いておきたいと思います。
  42. 木下博生

    ○木下政府委員 防衛庁といたしまして、現在電電公社にお願いいたしまして公衆電気通信役務のサービスを受けておるわけでございますが、千回線ほど受けておりまして、予算的には三十億円弱の予算を今年度も計上いたしております。これは当然のことながら、防衛庁が現在やっておりますすべての業務をカバーしたものでございます。
  43. 井上一成

    井上(一)委員 それはお答えのとおりだと私も思います。自衛隊の公衆電気通信の利用が約千回線ですか使われているという、この問題は、自衛隊がどのように使おうとも文句を言うわけにいかぬわけです。非軍事的にも軍事的にもこれは利用されている。しかし、例えば硫黄島の場合、海底ケーブルを引いて本土におけると同じように回線を利用する、そういうことであれば何に使おうと、どういう利用をしようと文句は言えないと私は思っています。しかし、先ほどから指摘をしているように、硫黄島の場合は通信衛星を利用しようとしておる、ここに本土との大きな違いがある。先ほども議論をいたしておりましたように、通信衛星は平和目的に限る、こういう枠があって、自衛隊がどんなに利用したくとも、法律の改正なりあるいは国会の決議のやり直しというとそれはおかしい話だけれども、その国会決議の取り扱いかない限り法治国家としてそれはでき得ない、不可能である、こういうふうに私は思うのです。  これはちょっとやはり大臣に聞いておきましょう。本土のいわゆる電気通信回線は子回線あるわけですけれども、これは軍事用も非軍事用も何に使っても、硫黄島も海底ケーブルでやるのならそれを何に使おうといい。しかし、通信衛星でやる場合には、先ほどから指摘をしているように、平和目的に限りという枠があるから、自衛隊がどんなに利用したくても、法律を改正したり、国会決議の見直しというのですか、そういう調整がつかない限り、これはもう当然使えませんよ。これは先ほどのお答えでも趣旨については理解をしているのですが、そういうことをひとつ大臣にもう一度ここで具体的に重ねて聞いておきたい、こう思います。
  44. 奥田敬和

    奥田国務大臣 ここでこの通信衛星の利用が平和目的に限るという形の中で、くどいようですけれども、電電がそれを受けて今度は公衆電気通信法という法律の中での役務提供ということになってまいりますと、あまねく、公平、無差別に役務を提供しなければいかね、しかも、その際、これが自衛隊であれ何であれ、一般の役務提供を受ける、同一の資格で申し込んできた場合に電電公社側はこれを拒否することができないという、サテライトからすぐ自衛隊、こういくともう大変難しい論議になります。自衛隊——サテライトから電電公社が入り、通信回線、公衆電気通信法に基づく公社機能という形からいくと、今度はこれが断るわけにいかないというところに、この論議の難しい厳しい論点も、紛糾する原因もあるわけでございます。したがって、くどくど申しません。そういった経緯も踏まえながら、私が取り扱いに関しては慎重に対処すると言ったことは、それらをすべて、先生の御指摘される御趣旨も踏まえての答弁であると御理解を賜りたいと思います。
  45. 井上一成

    井上(一)委員 前段何かあまねく公平というのは、それはもう地下ケーブルであれば仕方ないけれども、通信衛星になれば、やはり事業団法の一条があり、国会決議があるのだから、その枠組みを外さない限りあるいはそれを調整しない限りできないのですよ。これはもう答弁は先ほどから何回も尊重したいということをおっしゃっていますから、大臣も私の意も理解していただいていると思うので、次の質問にいたします。  防衛庁は米国の打ち上げた人工衛星を利用しているのでしょうか。
  46. 木下博生

    ○木下政府委員 現在世界にはたくさんの人工衛星が打ち上げられておりますが、米国の打ち上げました衛星としまして、インテルサット衛星がございますし、それから海事衛星のインマルサット衛星もございます。こういうものは、国際電話をするとき、あるいは海洋において例えば「しらせ」が南極に行きましたときには南極との連絡を行うにはそういうインマルサットの衛星を使った方がいいということで、インマルサットを通じた電話は利用さしていただいているわけでございます。
  47. 井上一成

    井上(一)委員 科学技術庁はランドサットのデータをどこに提供しているのですか。
  48. 清水眞金

    ○清水説明員 ランドサットのデータにつきましては、提供の方法が二つございまして、一つは、市販の形で、リモートセンシングセンターというところを通しまして、一般の方に市販で提供をしているということがございます。それからもう一つは、ランドサットデータをどういうふうにすればよりよく利用することができるかということを研究開発するために、その研究開発を行ってくれるところに提供するということがございます。
  49. 井上一成

    井上(一)委員 さくら二号を在日米軍が利用したいと申し出があった場合に、在日米軍は当然軍事そのものであるわけですが、郵政省はこれは当然断ると思いますが、いかがですか。
  50. 鴨光一郎

    ○鴨政府委員 アメリカ軍の問題につきましては具体的な要望が出ておりませんが、もし出ました場合には、それにつきまして十分な検討をいたしたいと考えております。
  51. 井上一成

    井上(一)委員 郵政省にちょっと聞いておきたいのです。有事法制化に関連して防衛庁から何らかの照会があったと思うのですが、具体的にどういうことの照会があったのか、あるいはそれに対して郵政省はどう回答をなされたのか。
  52. 奥山雄材

    ○奥山政府委員 有事法制に関する研究は、先生御承知のとおり、昭和五十二年から総理大臣了承のもとに防衛庁において行われるというふうに承知しております。防衛庁の方から私どもの方に、天災地変その他の非常事態における通信の確保について法令上の解釈を照会されております。具体的には有線電気通信法、公衆電気通信法並びに電波法に係るそれらの条項でございます。  それで、これに対する郵政省側の対応でございますけれども、法令上の解釈をめぐりまして、現在なお検討中でございまして、結論を得ておりません。
  53. 井上一成

    井上(一)委員 最後に、郵政大臣にお尋ねを——お尋ねというよりも見解をひとつ聞かしてほしい。  社会経済国際化というのは今後も一層進展すると見られるわけでありますし、それに伴っての国際間の電気通信ニーズも質的にも量的にも飛躍的に増大していくであろう、私はこういうふうに考えるわけです。二十一世紀に向けての十数年間は、戦争がない限り、国際経済の安定的発展を遂げていくための新しい秩序が形成されていく。こういう流れの中で、今も申し上げたように、電気通信国際化への動向が一層早まっていく。企業活動の国際化だとか、金融の国際化、国際交流の拡大等、情報の国際化がより進展すると私たちは考えるわけでありますし、そういう意味からも、情報の円滑な流通あるいは迅速な流通、国際間のコミュニケーションに果たしていく電気通信の役割なんというものは、私は、非常にもう今までとは比較にならないほどの重要性を持ってくるのではないだろうか。ひとつ、今後二十一世紀の将来に向かってより高度化、多様化するニーズに対応する必要がある、そういう電気通信事業についての大臣のお考えをお聞きをしたい。  さらに、つけ加えて、私は、宇宙は全人類のものである、私たちは後世にこの宇宙を平和な宇宙として残していくべきであり、軍事に郵政事業が、通信事業が引っ張られていく、そんなことではなく、平和に引っ張られながらあるいは平和を引っ張りつつ、郵政事業がより発展拡大をしていくということを私は大いに期待したいわけでありますが、ひとつ、奥田大臣の大いなる御所見を承って、私の質問を終えたいと思います。
  54. 奥田敬和

    奥田国務大臣 大変高次元な先生のいつも持論である平和への情熱を率直に感じまして、感銘を受けておる次第でございます。  基本的には全く同感でございます。今後進める宇宙政策もあくまで平和を目指すものでなければならないことは当然でございます。とりわけ、多彩なメディアの時代を迎えまして、まさに高度情報社会への入り口に立っておる、しかもその先導的な役割を日本が果たさなければいかぬという立場にあります。しかし、この目指すところはあくまでも豊かな人間性が尊重される社会でなければならぬ、かつ当然平和でなければならぬ、こういう原点に立って、ニューメディア時代においてこの多彩な通信分野の発展を踏まえて新しい文化を今こそ創造しなければいかぬ、そういったポリシーが今政治家にとっても一番大切な時期ではなかろうか。そういった意味合いを含めて先生の御意見には全く同感でございます。
  55. 横山利秋

    横山委員長 新村勝雄君。     〔委員長退席、井上(一)委員長代理着席〕
  56. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 最初に、検査院にお伺いをいたします。  郵政省は残念ながら毎年指摘事項があるわけでありますが、この中に、極めて初歩的というか、現金の扱いをしている職員がそれを領得したというケースがあるわけであります。これを検査院の指摘をいただいておるわけですが、こういうことは仮に検査院の指摘がなければそれで見逃されて知らずに過ごされてしまうものであるのかどうか、そういう性質のものであるのかどうか、これを伺います。
  57. 佐藤雅信

    佐藤会計検査院説明員 お答え申し上げます。  五十三年度以降すっと見ておりまして、不正行為として掲記いたしましたものは、いずれも会計検査院法二十七条それから会計法第四十二条の規定に基づきまして検査院に報告されてきたものでございます。したがいまして、本院が検査の結果発見したという事態ではございませんので、仮に本院が検査報告に掲記しなかったといたしましてもこれは報告はされてくるわけでございます。
  58. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 これは現金を扱う職員がその金を領得したということでありますから、各単位の郵便局でこれは毎日会計の収支についてそれを総括して帳簿と現金を照合するわけでありましょうから、そうしますと、そういう毎日の事務の中で発見されて、それが検査院に報告されたということですか。——そうしますと、このほかには内部で処理をしたというようなものは全くございませんか。
  59. 奥山雄材

    ○奥山政府委員 お答え申し上げます。  私どもの事業は、先生御承知のとおり、郵便にしても貯金にしても保険にしても日々大量の現金を扱う職場でございます。その仕事の執行の過程におきまして不正行為が行われるのは非常に残念でございますけれども、それらにつきましては、いずれも財政法並びに会計法、さらにはそれを受けての関係法令に基づきまして厳正な措置をいたしておりますので、会計検査院への報告いかんにかかわらず厳正な措置がなされるわけでございます。そのことは、郵政省の現金計算関係の規定におきまして、仮に一円でも符合しない場合には最後の帳じりが締められないわけでございますので、一円たりとも厳正に措置をなされているわけでございます。
  60. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 次に、電話の地域的な問題についてお伺いするわけです。  全国的に各地でこういう事態があるのじゃないかと思いますけれども、その中の一つとして、流山市と柏市の例を申し上げたいわけですが、流山市の松ヶ丘、野々下、名都借等々、流山市民の約三分の一に当たる人たちが不都合な事態にあるわけです。それは、この地域に住んでおる住民が火災あるいは救急時に一一九番を回しますと、自分の市の消防署あるいは救急隊が出ないで隣の市の消防本部が出てしまう、こういうことがあるわけでありまして、このため住民が大変不便な状態にあるわけでありますけれども、こういう事態に対して、これをぜひ改善してもらいたいという住民の熱望があるわけでありますけれども、これを至急に改善することができるのかどうか。
  61. 神林留雄

    ○神林説明員 お答えいたします。  今、先生御指摘のとおり、流山市の俗に向小金新田地区と申すところが、現在柏の方の交換局の使用区域になっておりますので、ここで回しますと柏市の消防署に入るわけであります。現在どういう方法で消防署間で連絡しておるかと申しますと、柏の消防署と流山の消防署の間に専用線を引きましで、住民から御通報があった場合、それが流山地区であった場合には流山消防署へ連絡する、こういう格好で実は対処してもらっておるわけでございますが、一一九番を回しましてすぐこの地区だけが流山の消防署に入るというのはいろいろなシステム上大変難しいのですが、これを補完する手段といたしまして、今ちょっと申し上げた専用線を、実はこれは一応オフラインと申しますが、一回受けたものを柏の消防署の方で署員の方が流山に通報するという方式になっておりますけれども、流山地区だということを聞いた途端にすぐ切りかえるような方式はどうか、あるいは一一九番が流山の消防署と柏の消防署に両方同時に入るというような方式で対処したらどうか、こういうことをベースにいたしまして、現在、私どもの流山、柏の両方の局、それから両消防署、四者間でその解決策をいろいろ詰めておるところでございまして、近く御意見等を承りながら最適な方法で改善していきたい、こう思います。
  62. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 専用線を設置をして対応しておるということでありまして、これは火災等について甚だしく時期を失するということはないと思いますけれども、火災あるいは救急というのはそれこそ文字どおり分秒を争う場合もあるわけでありまして、ぜひそういう手段ではなくて直ちに出るような施設にしていただきたいわけでございますけれども、消防庁いらっしゃっておりますか。消防庁の御見解をお願いします。この問題については、現地の消防署でも消防署員も、そういう施設はあるけれども大変困る、一日も早く改善をしてもらいたいという強い要望があるわけです。
  63. 清野圭造

    ○清野説明員 火災報知あるいは救急要請の大部分加入電話によります一一九番通報という形で行われておりますけれども、御指摘のような、行政区域と電話加入区域が異なる区域がございます。こういった区域につきましては、所轄の消防機関に直接一一九番が接続されないということでございまして、そのためにはその通報を転送するというようなことをせざるを得ないということで、各消防機関としても苦慮してきたところでございます。  このため、消防庁としましても、日本髄停電話公社にその改善方を従来からお願いをしてきたところでございますけれども、公社におきましても、この一一九番の通報の重要性というのを御認識されまして、五十七年の九月以降、隣接の消防機関に入る一一九番を所轄の消防機関に直接転送する方式、あるいは関係消防機関双方で二九番を同時に受信できるような方式、そのいずれかの方式によって技術的な改善を図るという道を設けていただきました。したがって、このような状況下にある地域におきましては、これらの方式に改善すれば、従来のような加入電話等による再送などに比べまして時間的な短縮を図ることもできるわけでございますので、消防庁としましても、今後とも該当する消防機関に対しましては、公社機関の協力も得ながら、地域の実情に即するような改善策を講ずるように指導してまいりたいというふうに考えております。
  64. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 先ほど公社からは前向きの答弁をいただいたわけでありますけれども、現在こういう不便のある地域はどのくらいあるのか、それからその前向きの体制、施設、これがいつごろ実用に供せられることになるのか、これを伺います。
  65. 神林留雄

    ○神林説明員 お答えいたします。  全国で現在行政区域と、それから私ども加入区域と言っておりますけれども、私どもの電話の使用区域と異にする地域の数が、いろいろスポット、スポット飛びますが、全部で千三百六土地域ございます。これと今の一一九番の関係を見ますと、このうち過半数、七百五十二地域については、実は消防署の方がいわゆる広域消防体制というのをとっておりまして、幾つかの市町村を集めて受けるという形でございますので、これは問題ございません。残りが六百八の地域がございます。その一つに今の流山市の問題もあるわけですが、こういったものについては、今消防庁の方から御説明がございましたように、私ども、専用線ですぐ切りかえられる、あるいは私どもの言葉でマルチ接続と言っておりますが、両方とも呼ぶ、同時に呼ぶという方式で、御相談のあったところには現在対処中でございます。したがいまして、この新しい方式は、先ほど消防庁からも御説明があったように、実は五十七年度から採用しておるところでございまして、問題のところではこういった方式が逐次新しく取り入れられているというような現状でございます。
  66. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 そうしますと、逐次実施中ということでありますけれども、流山地区はいつから実施されますか。
  67. 神林留雄

    ○神林説明員 お答えいたします。  これは若干の費用負担等が伴うものですから、関係者の間で御相談しないとできない問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、これは少し前からでございますが、地元では、私どもの関係する電話局それから関係する消防署の間で既に話し合いに入っております。たまたま本日、若干実験してみようというようなことで行うようでございますけれども、これで消防署と私どもの間で合意ができればいつでも始める、こういう態勢にございます。
  68. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 次に、やはり同じようなことですが、市外局番、初めの四けたの市外局番がありますが、市外局番の中で局番の違うところはこの市外局番を回さないと通じないということでありますけれども、同じ市外局番の中では局番だけで出る、こういうことにできないかどうか伺います。
  69. 池澤英夫

    ○池澤説明員 お答え申し上げます。  今先生おっしゃいましたようなことは、地元の御要望がたくさんございます。で、私どもでは、単位料金区域というふうにちょっと専門的に言っておりますけれども、三分で十円という区域、その区域内を市外局番をダイヤルしないで通話ができるようにということで、地元の御要望に一生懸命おこたえをして、逐次そういうふうに進めていきたいと思っております。
  70. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 それから、もう一つ。地方におきましては、例えば千葉県北部等の人口欄密地帯が多いと思うのですけれども、市外局番が、比較的狭い地域でたくさんの市外局番に分かれておるというところでこれは起こるわけですが、すぐ近所にかけても局番が違うと料金が高くなるという現象があるわけです。ところが、東京のように、同じ〇三の場合には三分間十円でかけられる。ところが、千葉県北部の人口欄密地帯で、市外局番の違うところがたくさんあるというようなところでは、すぐ近所でありながら料金が高くなる。こういう料金体系の矛盾といいますか料金体系の不合理があるわけですが、こういった点の改善はお考えになっておりますか。
  71. 寺島角夫

    ○寺島説明員 ただいまお話ございました点、二点あろうかと思うわけでございます。  まず、第一点は、先ほども業務管理局長あるいは計画局長からお答え申し上げましたが、いわゆる単位料金区域とそれから行政区域、これが必ずしも一致していないところがございます。こういうものにつきましては、現在、その地域内の方々の一致した御要望があれば、これを変更するということで臨んでおるところでございます。  それから、もう一つお話がございました、いわゆる近近格差と私ども呼んでおりますけれども、道一つ隔てて料金が違う、あるいは最低料金でかけられる範囲が非常に差があるというふうな問題がございます。この点につきましては、先生御案内のとおり、私どももうここ数年ほどいわゆる遠近格差の是正ということに取り組んでまいりまして、昨年の値下げによりまして、遠近格差を一対四十まで縮小してまいりました。これも今後なお問題点として取り組んでいきたいと思うわけでございます。  さらに、今回、本年度は中距離料金の値下げということで、先般国会の可決をいただきまして、本年度内に実施をいたすわけでございます。  そのほかに、今御指摘のいわゆる近近格差の問題というのが大きな検討課題としてあるわけでございますが、これらにつきましては、先生御指摘の点を含めまして、こういった近距離の格差をどういうふうに是正していくかということを大きな課題としてとらえまして検討を進めていきたい、かように考えておるわけであります。
  72. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 この格差については、市外局番地域をさらに広域化するというような方法等によって、できるだけ早く格差の解消をお願いをいたしたいと思います。  次に、郵政事業でございますが、現在この郵政事業の財政状況はどうなっているか、その概略を伺いたいと思います。
  73. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 私から、郵政事業の中で郵便事業の財政状況について御説明申し上げたいと思います。  五十五年度末に二千四百九十四億円に上る累積欠損金を抱えまして、財政状況は大変逼迫しておりましたが、五十六年一月に料金改定をしていただきまして、その結果五十六年度は、先ほど大臣も御説明申し上げましたが、一千百七十四億円の黒字が生じましたし、五十七年度も七百八十一億円の利益が生じました。その結果、五十七年度末におきまして、累積欠損金は五百三十九億円まで減少しております。なお、五十八年度におきましては、二百四十六億円程度の利益を見込んでおりまして、その結果、累積欠損金は二百九十三億円まで減少する見通してございますが、なお決算は、最終的には確定的なものはまだ締めておりません。なお、この五十九年度におきましては、いろいろな増収の努力費用の節減等も図りましたが、残念ながら百五十五億円の赤字を計上せざるを得ない状況になっております。
  74. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 五十九年度百五十五億円の赤字を計上ということでありますが、そういたしますと、五十九年度は一転して財政的には悪化をしておるということですか。それをも含めた郵便事業の今後の財政の見通しについて伺いたいと思います。
  75. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 ただいま先生御指摘のように、五十九年度は百五十五億円の赤字を見込んでおりまして、これまでの過去の傾向、収入の伸びと費用の伸びから見ますと、六十年度におきましてはさらに財政事情が悪化する見込みでございます。したがいまして、六十一年度あたりになりますと、郵政事業全体の財政は大変厳しくなるというふうに思っております。
  76. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 それで、郵政事業は、民間の宅配企業あるいは電気通信事業というようなものに挟み打ちをされておるといいますか、厳しい競争、競合の状況の中にあるわけで、こういう状況では御苦労されていることはよくわかるわけですけれども、こういう状況を今後どういうふうに乗り切っていこうとされるのか、近い将来において郵便料金の再値上げ等も考えておられるのかどうか、それらを伺います。
  77. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 郵便事業は、先生ただいま御指摘のように、民間の宅配業者、それからまた電気通信の発達によって、非常に厳しい状況に置かれております。私たちはそれを、前門のトラ、後門のオオカミに挟まれて非常に窮地に立っているというふうに理解しております。宅配業者との関係で郵便小包が著しく減少してまいっておりますが、一昨年以来いろいろな施策を講じてきました結果、最近では小包もやや挽回の傾向が出てきております。私どもは、料金をなるべく低く抑え、またサービス改善し、具体的には送達速度を上げたり親切丁寧な取り扱いをしたりいろいろな施策をしていけば、郵便事業も決して民間に負けないで立派に事業運営を図っていけるというふうに思っております。  なお、電気通信の発達に対しましては、電子郵便というものを現在、わずか全国十四局でございますが、実験をいたしておりますが、幸いにして五十九年度予算におきましては相当数の設置が認められておりますので、夏ごろをめどに、その実験局の対象を大幅に広げてまいりたい、そういったことによって、郵便事業が二十一世紀に向かって国民の基礎的な通信手段として立派にその責任を果たしていくように努力してまいりたいというふうに思っております。  しかしながら、そうは申しましても、物数の伸び、収入の伸びの傾向は大変厳しい状況でございますし、一方、コストも運送費、人件費等のアップの率も高こうございますので、先ほど申しましたように、今年度も赤字になっておりますし、六十一年度あたりはかなり厳しい状況に追い込まれるのではないかというふうに思っております。しかしながら、そういった料金値上げということをお願いするような事態が一年でも先に延ばせるように、できるだけの努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
  78. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 今のお答えによりますと、かなり厳しいということで、料金値上げもなるべく先にということでありますけれども、やはり近い将来上げざるを得ないということなんですか。  それから、料金に関してですけれども、これは五十六年ですか料金が上げられたわけですが、封書とはがきの料金の差が不合理だということが専ら言われておるわけですね。それで、封書が六十円、はがきが四十円、このときの値上げが封書が二〇%、はがきは一挙に二倍、二〇〇%ということだったわけですけれども、そのためにはがきがかなり減ったということも言われておるわけです。そういう値上げによって増収もあったでしょうけれども、かえって評判を悪くして減ったという部面もあろうかと思いますけれども、それらの点はどうお考えになっておりますか。
  79. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 郵便料金、将来の値上げがあるかということでございますが、今日の時点ではそういった具体的な計画は持っておりませんが、過去を振り返ってみますと、大体五年に一回ぐらい料金の引き上げをお願いしてきているという事実はございます。しかし、先ほども申しましたように、できるだけそういったことが起こらないようにやってまいりたいというふうに思っております。  それから、二番目の、封書とはがきの料率の問題でございますが、現在はがきが四十円、手紙が六十円でございます。封書とはがきが三対二という料率でございますが、これは世界的に見ましても国によっては手紙もはがきもほとんど同じ料率だというようなところもございまして、日本の場合、過去長い間二対一という料率でやってきたこともございますが、原価計算的には、はがきの料金は当然半分では貯えないものでございまして、三分の二程度が妥当だというふうに思っております。  ただ、前回の値上げのときにはがきが二十円から一挙に四十円になって大変値上げ幅が大きかったわけですけれども、そのときには大変国民利用者の皆さんに御迷惑をおかけしましたが、私たちは現在の四十円、六十円という料率自体は妥当なものじゃないかというふうに考えておるところでございます。
  80. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 大変厳しい郵政事業でありますけれども、ひとつ皆さん方の御奮闘を期待いたします。  終わります。
  81. 井上一成

    井上(一)委員長代理 貝沼次郎君。
  82. 貝沼次郎

    貝沼委員 五十六年度の郵政並びに電電公社関係の質問をさせていただきます。  それでは、初めに電電方面から入りたいと思います。  総裁が御出席でございますから、私は初めに総裁に一点だけお尋ねしたいと思いますが、今回日本電信電話株式会社法案というものが出ておりまして、いろいろなお考えがあろうかと思いますけれども、率直にどういう御感想をお持ちなのか、これを伺っておきたいと思います。
  83. 真藤恒

    真藤説明員 これから先の技術革新に伴い、電気通信事業あるいは電気通信の使い方というものが急激に今まで想像もしなかったような使い方になっていく、もちろん国際、国内ほとんど差がないような使い方にならざるを得ないだろうと思います。そういう形になりますと、今までの電話と全然使い方が変わってまいりますので、まず技術的に世界のどこの国とでもそういうことができるようにならなければ、日本の国際競争という面からも立ちおくれます。そういうことで、競争原理を導入してだんだん国際的に開かれた通信体制をとっていく、そして世界的な流れに沿って料金の合理化というものも競争原理を入れて促進していくというふうな考え方の法案のようでございますので、時宜に即したものだというふうに心得ております。
  84. 貝沼次郎

    貝沼委員 総裁としては時宜に即したものである、こういう御感想でございます。  それから、次の問題は、電話料金の問題でございます。  先ほどもちょっと話が出ておりましたが、私が今お尋ねしたいのは、電話料金のトラブルが絶えません、大変多いわけです。あんなに電話かけたはずはない、いや機械でちゃんとそう出ております、どっちの方が正しいのかさっぱりわからぬ。そうして、随分とトラブルがあるようでありますが、今大体どういうような状況になっておりますか。
  85. 神林留雄

    ○神林説明員 お答えいたします。  一番近間のまとまったデータは五十七年度のものがございますけれども、苦情とか問い合わせとかいろいろな形がございますけれども、そういうことで電話局に寄せられた総件数が年間十八万件ございます。ちなみに、一カ月一万加入という見方をいたしますと約三・五件、こんな状況になっております。
  86. 貝沼次郎

    貝沼委員 今、五十七年だけ御答弁がありましたが、私がいただいております資料によりますと、各年度ごとの苦情・問い合わせ件数、これが五十三年度が二十七万件、五十四年度が二十二万件、五十五年度二十六万件、五十六年度二十一万件、そしてただいまの五十七年度が十八万件、これは大変な数字ですね。一年間だけ見るとそれだけですけれども、これは実は解決はしておるのかおらないのかというと、その辺がなかなか難しいわけでございます。そうして、そのうち料金の事故の状況がまとまっておると思いますけれども、当局から五十三年度から五十七年度までの年度別の事故件数を発表してください。
  87. 神林留雄

    ○神林説明員 お答えいたします。  今、先生から苦情・問い合わせの件数がございましたが、こういったものをお客様といろいろ折衝いたしまして、あるいは私ども内部のいろいろなチェックをいたしまして、最終的にこれは私どものミスだな、いわゆる料金事故という格好で把握いたしましたものが、五十三年一千二百件、以下五十四年九百件、五十五年八百件、五十六年六百件、五十七年度で五百件、こういうような状況になっております。
  88. 貝沼次郎

    貝沼委員 この数字を見ましても、例えば五十七年度十八万件に対して五百件でございます。非常に少ないわけです。  そこで、数字だとはっきりいたしませんので、そのトラブルの現場というのはどういう状況なのかということを私申し上げたいと思います。  これはある電話を使っておる方の手紙でございます。これによりますと、私の電話料金について納得できない金額を三カ月続けて銀行の通帳から引き落としされました。このことを不審に思って料金課に電話をして調査を頼みました。係長の応答は全くその誠意すら感じられなかった。月平均の四、五倍の料金を収納し続けたことについても関心を示さず、私がどんな方法でどの程度の調査をしてくれるのかと尋ねたところ、はっきりした回答はありませんでした。ただ、第一回目は調査したけれども異常ないので料金収納した、こう言うだけであったそうであります。  そこで、この人は、水道局ですら少し料金が高くなると飛んできて調査するのに、こう言えば、公社ではそんな規則はない、こう突っぱねておるわけでございます。この人は、自分のこの電話については七項目にわたって今までと電話使用について何ら変わった様子はないということを言っております。例えば、キャッチホンになっておるとか、あるいは、五年前は浜松に本社があったけれども、今は仕事をしていないのでそんなにかかるはずがないとか、この人は細かく事情を述べておるわけであります。そして、その七項目を示しまして、電話局に電話をかけた。ところが、窓口では、この人は「異状な高額料金に対して、調査してほしい。」こういうふうに言ったところ、「公社でも、前月の二倍の料金となれば、チェックする規則です。」規則がある、こういうふうに答えた。それから、係がかわりまして係長が出てまいります。そして、係長が、「今、お申し越しの内容聞きました。」そこで、「とにかく当方は心あたりがないのでそちらで調査して戴きたい。」こういうふうにこの人が言っております。「平均の五倍にもなっているのに何の連絡もなく引落してしまうなんて」ひどい、こう言ったところ、係長は、「公社では、急に料金が高額になったからと云って、連絡も調査もしていない。」これはわからぬことはありませんけれどもね。そして、今度はこの人が、でも「貴方の部下が「二倍になったら調査する規則となっている」と答えている」ではありませんかと言ったら、係長が「ああそうでした……」、それでは第一回の十一月以来調査していただけるのですか、こういうことを言ったら、とにかく「やっていません」ということで、大変な勘定が出ておるわけでございます。  ちなみに、この人がどれくらいの料金になってこれだけの大騒ぎをしたのかと申しますと、五十八年の六月二十日、五月分ですね、一万三千二十円という料金でございます。それから、七月の二十日は六千五百六十円、八月二十日が五千六百六十円、九月二十日が八千四百二十円、十月二十日が一万六十円、ここまでは大した電話料ではありません。そして、十一月二十一日がぼんと上がりまして四万一千八百六十円、十二月二十日が三万六千三百円、五十九年の一月二十日が四万二千七百九十円、二月二十日が四万三千円と、こういうふうに四カ月連続して大変な金額が出ておりますので、この人は大騒ぎをしておるわけでございます。  そして、一生懸命何かかんかやっておるうちに、ついにこの四万三千円につきましては留保、こういうところまで、これはこの人は個人として一生懸命努力してここまで、二月二十日の予定の分だけは留保になっておるのですけれども、こういうようなことでは料金のトラブルがいつになっても絶えないと私は思いますね。  これについて、大臣、どのようにお考えですか。総裁でも結構です。
  89. 神林留雄

    ○神林説明員 ひとまず私からお答えいたします。  今、先生の御指摘のあった件は、私ども把握しておる代々木電話局で起こった件かと思いますが、事ここに至る過程では、私どもとの間のやりとり等でいろいろ手違いがあったことは——手違いというのは、私どもの手違いもあったことは、大変深くおわびいたします。  いろいろございますが、数字は先生のおっしゃったとおりでございまして、今までに比べて四倍か五倍、十一月から出始めておるのですけれども、大変高い状況になっております。私どもは、このお客様については、一応日別の度数というのが大体わかる仕組みになっておりまして、何日はどのくらいお使いになった、何日はどのくらいお使いになった、これは御説明いたしておるわけでございますけれども、要すれば度数だけでございまして、いつどこへかけたかわからないじゃないか、こういうことで御指摘を受ければ、そのとおりでございまして、大変苦慮しておるのですが、結論を申し上げますと、御本人とは大体話が近々づくように私は承っております。  なお、本質的には、とどのつまり私ども細かい内訳は現在ないわけでございます。いつ何度使ったかというところまでは、局によっては調べられますけれども、どこへかけたかということはないわけでございまして、これがいわば料金問題の解決を大変難しくする原因でございます。ということもございまして、私ども、将来方向としては、料金の内訳を出していこうというような方向を、これは実は私どもだけではなくて、行政管理庁の勧告あるいは郵政省の御指導もあるのですが、大体そんな方向で今検討しておりまして、いろいろな技術実験は昨年いたしまして、たまたまでございますが、来月から実際にそういったものを使って、お客様との応対に使っていくという試験を実施しようとしておるところでございまして、こういったものを踏まえた上で、将来本実施、全国的に導入していくことを検討したいと思いますので、いわば若干時間がかかりますけれども、こういったような抜本策を今後進めていこう、こう思っております。
  90. 貝沼次郎

    貝沼委員 そういうわけで、確認する方法は今ないわけでございます。ですから、こういう問題が起こってきますと、とにかく一生懸命言った方が何とかなる、言わなければそのまま。これ、信用して料金すら全然見ない人もおる。そうすると、間違いが起こっていても、これは何もわからない、こういうのが現状なんです。今これを直すということですから、それは直していただかなければなりませんが、ただ、電電公社の方で、このようにあなたの使ったのは度数から考えでこれだけの料金になりますということを言われてきても、かけた本人の方が、そんなにかけた覚えはない、私はこうして一々つけてきたけれども、これしかありません、ところが、コンピューターで計算した結果はこうですというわけで、公社と個人がやり合ったときに、どちらの方が信憑性があるのか、第三者が考えたときどうなるのかというと、これ付コンピューターが正しいのじゃないかと思うでしょうね。ところが、コンピューターは必ずしも正しくない。それを実証するものは我々は何も持ち合わせていないわけであります。  ですから、ユーザーの方がこれこれであるという一つの確証があるものがあり、それから今度は電電公社の方が、いや幾ら調べてもこういうふうにきちっとわかりますというので、両方突き合わせて料金の紛争が解決するならいいけれども、それは現在できないし、今の答弁でも、電電公社の方でやるというだけのことであって、電話をかける方からは何にもわからないわけでありますが、この点はどうなりますか。
  91. 神林留雄

    ○神林説明員 お答えします。  先生御指摘のとおりでございまして、私ども、細かい一々の通話内訳は現在ないものですから、いろいろ御申告等をいただいたときにチェックするというのは、いろいろな作業過程のチェックはみんないたしますが、作業過程のチェックが正しいとなった場合に、あとはいろいろな、これは基本的には度数計というものがもとにあるわけです、そういったものを集めてコンピューターで計算するわけなんですが、そういった度数計が正常に動作するかというような機械の動作の試験というのが中心になりますので、そういう意味で申し上げますと、確かに内訳について現在私どもは持っておりませんので、こういうふうにかけた、ああいうふうにかけたという証拠になるものは、率直に言ってないというのが実情でございます。  お客様の方はどうかということなんですけれども、現在、お客様の方にも、一般の方は自分の内訳を御記録でもされない限りは、持っておらないのがほとんどでございます。一部の会社等では、別に特別な機械を買われまして料金記録をとっておるところもございますが、一般にはメモでもつけない限りはないのが実態かと思っております。
  92. 貝沼次郎

    貝沼委員 今お話しのとおりでございます。  そこで、今まで、電話をかける人が自分の料金がわかるような電話が欲しい、あるいはそういう電話の開発を急いでいただきたい、こういう話が多かったわけでございます。私はもう何年も前にそういうことが開発できたという話も何回も聞きました。ところが、電電の方では余りいい顔をしませんでした。なぜかと思ったら、かける人が今何ぼになりましたという料金がわかると早くやめるわけですね。収入に影響する。これは実際重大な問題でしょう。しかしながら、やはりこれだけの十八万件ものいろいろな苦情が出ておるということは考える必要があるのではないかと思います。いろんなところで現実に、電話をかけながら、現在かけたのは何ぼ料金がかかりましたという電話は既にできておるわけです。数字でぴしゃっと出る。そして、それが記録されてちゃんと出てくるような電話機もいろいろ考えられておりますから。ただ、値段の方で十三万とか三十万とかというふうに、まあセンターのコンピューターが必要なわけですから幾らか金がかかるようですけれども、大きなマンションとかビルとか、こういうのであれば、一つコンピューターがあればあとは谷ところの電話は全部使えるわけでありますし、それからさらに、こういう電話を使ってみて月十三万円節約ができたという会社の例もあるわけでありますから、こういう面をもう少し、コストが安く、そして電話を利用する人が安心して電話をかけられるようなシステム、そして、トラブルのある場合は、そこで計算したものとそれから電電公社の方で計算したものとどう違うのか、こうできるような方法が今後検討できないものかどうか、これを伺っておきたいと思います。
  93. 神林留雄

    ○神林説明員 お答えします。  先生今御指摘のように、現在、電話をかけたときに、この電話は何分ぐらいかけて計算すると何円になる、こういうような機械ですね、いろいろな商品名がございます。テレデーターとか、いろんなやつがございます。こういうのが出回っております。これは私どもの提供ではございませんで、民間の方がつくってやっておられる、こういうことでございまして、私どもとしては、今先生にお話ししましたように、こういったものは個別の宅内ではなくて電電公社の局の中に大きな機械を置きまして、一言でまとめて面倒を見る、こういう方式で進もうというふうに現在しておるわけでございます。  なぜそうかということは、いろいろ方針その他の問題もございますが、一つは、今の民間で売っておられる方も、実は私どもの度数計、度数を回すには信号が要るわけですね、信号が来て度数が回るわけですが、それとは連動した形になっておりません。自分の機械の中でタイミングをとりまして、自分の中のメカニズムで動くような形、だから、そういう意味でいいますと、概数計といいましょうか、そんなことが言えると思いますが、それと、今宅内の度数計は何十万すると先生おっしゃいましたけれども、一つ一つ個別につくりますと相当高いコストになってしまうわけでございます。そういったものを両方勘案しながら、私どもとしては、一応宅内の、お客様のお宅の中に置く機械ではなくて、局の中に置く機械で対処していきたい、実はこんなような方針で現在進めておるところでございます。
  94. 貝沼次郎

    貝沼委員 今、私は、そういう料金トラブルの問題について当局の対策をお願いをしておるわけでありますから、ひとつこれはしっかりとお願いをしたいと思います。  それから、ついででありますから電電公社の方にお伺いをいたしますが、ファクシミリというのがありますね。これは電話なんですか、電話ではないのですか。
  95. 小山森也

    ○小山政府委員 全般的な法の問題でございますので、郵政省から答えますけれども、ファクシミリ通信は基本的にはコピーでございます。いわゆる記録通信として考えております。
  96. 貝沼次郎

    貝沼委員 これは電電から出ておるガイドですけれども、この中に「便利な電話のいろいろ」というのを書いてある。この中にミニファクシミリが入っておる。これは間違いですか。
  97. 小山森也

    ○小山政府委員 電話機を利用しておるうちは電話でございますが、その電話を利用いたしまして出てきたものは記録通信、こうなるわけでございますので、電話通信を利用するものでございますので、電話線は利用いたしますが、結果的に出てきたものは、電話は音声通信として理解し、ファクシミリは記録通信として理解しておるわけでございます。
  98. 貝沼次郎

    貝沼委員 それじゃ、末端から出てきた紙に書かれたものは文書ですか、それともほかのものですか。
  99. 小山森也

    ○小山政府委員 文書というものをどのように位置づけるかによって非常に難しい問題になりますが、いわゆるコピーでございますが、ただ、出てきましたコピーを、例えば印鑑証明のように公的な機関においてそれを証明した場合におきましては正式な公的な文書になるということであります。
  100. 貝沼次郎

    貝沼委員 今そうなると断言いたしましたが、これはまだ決まってないでしょう。例えば、民事的な問題とかあるいは公選法上の問題がございますので、私今ちょっとお尋ねしておるわけです。例えば聾唖者、この方々は電話を使っておるけれども、聞こえないわけです。しゃべることができないのです。そこで、何を使っておるかというとファクシミリを使っておる。それで、公選法においては選挙をやる場合に電話で頼むことは自由なんです。ところが、ファクシミリでやると文書配布になるのかならないのかという問題があるのです。こういう場合と、それから、これからニューメディア時代に入ってきたら、いろいろなところで、今印鑑証明と言いましたけれども、そうでなしに、会社と会社との契約であるとかいろいろなことがこれから行われてくるので、その辺の扱いと、それから公選法上の扱いと違ってくると思います。  それから、今度テレビ電話が出てくるでしょう。そういたしますと、今度は顔が映るわけですね。そうすると、これは戸別訪問になるのかということになるのです。ですから、この辺がややこしいものですから、今聾唖者から私の方にきておる話は、とにかく私どものたった一つの通信の方法としてファクシミリがあるのだから、これを電話並みに使わしていただいて、相手方が持っていなければできないことですから。ところが、聾唖者のほとんどは今回山県下では持っておる。ですから、そういうのを選挙のときは文書配布になるのではかないませんので、まずそういうものが文書なのか文書でないのかということと、あわせて自治省から、自治省としてはどういう判断になっておるのか、お聞かせ願いたい。
  101. 小山森也

    ○小山政府委員 自治省からお答えいたします前に、ちょっと私の方で申し上げますけれども、私の方は完全に電話とファクシミリという意味で申し上げたわけでございまして、それがいかなる形の法律効果を及ぼすかということは、やはりそれぞれのその法律の趣旨等に照らして個別に判断すべきものであろう、こう思っております。
  102. 岩田脩

    ○岩田政府委員 何しろ新しい媒体の話でございますので、ちょっと戸惑っておるのでございますが、お話しのように、聾唖者の方がファクシミリの機械をお持ちになって、一対一でファクシミリを使って会話をなさるというのは、文書の配布でないのではないかと思っております。ただ、そこででき上がりました紙切れはやはり文書であることに間違いはございません。そこで、でき上がった紙切れを聾唖者の方が他の方へ渡したり配ったりということになると、公選法の上で文書の配布主言わざるを得ませんので、そういう意味では特に御慎重にお願いしたいとは思いますが、例えて申せば、一種の筆談みたいなものかと思っております。
  103. 貝沼次郎

    貝沼委員 これは一種の筆談と解する。この答弁は大変重要だと思います。変わらないように願いたいと思います。  それから、さらに、最近は電報事業の損失の累積額が大変多くなっておるようでありますが、五十一年ぐらいから大体金額でどれくらいになっておりますか。
  104. 神林留雄

    ○神林説明員 お答えします。  ちょっと手元に五十三年からしかないので、五十三年以降暦年申し上げます。赤字額を絶対額で申し上げますと、全部赤でございます。五十三年は千百五十六億円、五十四年が千百六十四、五十五年が千百五十四、五十六年が千百七十、五十七年が千二百億、こういうふうになっております。
  105. 貝沼次郎

    貝沼委員 今、年度で答弁がありましたが、これを累積した数字が会計検査院の方から出ておりますが、それによりますと、それはずっと累積してきまして、五十一年度一兆百五十一億円、五十二年度一兆一千二百六十六億円、五十三年度一兆二千四百二十二億円、五十四年度一兆三千五百八十六億円、五十五年度が一兆四千七百四十億円、五十六年度一兆五千九百十億円、五十七年度一兆七千百十億円、これは大変な数字なんですけれども、これに対する対策は今特別やったことはありますか。
  106. 神林留雄

    ○神林説明員 お答えいたします。  私ども、電報がこういうふうに大変赤字を出しておりますので、極力この赤字の幅を縮めようということで、実は今まで何次かにわたって俗に言う合理化計画というものをやってきております。概要的に申し上げますと、例えば配達を、かつては直営と申しますか、私どもの職員で全部やっておったのを、次第に民間の方に委託していく方式だとか、あるいは電報を打たれるときに一一五番にかけますが、この受け付ける局の数を逐次集約して縮めていくとか、その他、一般的に郵政省にお願いしておる委託業務について、逐次これも、俗に言う合理化といったものを図っていくとかということをやっておりますが、近々始めるのは、俗にそういうステージで言いますと第四次ということになりましょうか、相当抜本的な改善策というのを実は考えてこれから進めようとしておるところでございます。基本的に申し上げますと、今申し上げたような受付局等を集約していくこと、それから配達を極力民間に委託していくこと、それともう一つは、私ども現在持っております電報を流すための設備が大変古くて能率が悪いものでございますから、これをいわば大変新しい斬新な能率のいいものに上げていくとか、その他、委託関係のさらに一層の合理化を図っていくとか、こういったことを枠組みにいたしまして、また新たな効率化施策といったものを打っていくことを今検討並びに実施中でございます。
  107. 貝沼次郎

    貝沼委員 民間委託を極力ふやしていくというお話は私大変重大だと思うわけでございます。これは今度この次また郵政省ちょっとやりますけれども、そのときに影響してまいりますので、わざとこれを今確認したわけでございます。  そこで、電電関係をもう一つだけ。五十八年七月に自治省から各省にわたりまして、「地方財政再建促進特別措置法第二十四条第二項の規定により」「地方公共団体から無償で借り上げている用地等がある場合においては、速やかに、買上げ、交換又は適正な対価による有償借上げ等適切な措置を講じられたい」というものが出ておりますね。これに郵政関係で該当いたしますのは、日本電信電話公社電話局、無線中継所等の用地、こうなっておりまして、時間がありませんから私簡単に申し上げたいと思いますが、これは資料によりますと、たしか全国で四十四カ所、面積にして三万九千四百七十四平方メートル、こういうようなところがあります。これについてどのように措置されたのか、ひとつお答え願いたい。
  108. 岩附昇

    岩附説明員 お答え申し上げます。  先生のおっしゃるとおり、五十八年末で四十四件、三万九千四百七十四平米でありますが、ほとんどが山間僻地の地価の安いところでございます。ただ、法の精神からいきまして、この四十四件につきましては有償借り入れあるいは買収の措置を講ずるよう当該地方公共団体と現在折衝中でございます。
  109. 貝沼次郎

    貝沼委員 現在折衝中でありますが、大体わかったところがあるでしょう。もう一回答弁してください。
  110. 岩附昇

    岩附説明員 ちなみに、私どもの試算でございますが、この四十四件中二十九件については有償借り上げの予定でありますし、それから、十五件については買収したいと思って折衝中でございます。
  111. 貝沼次郎

    貝沼委員 こういう大変山間僻地だとかなんとか言っております。あるいは法の精神だからと条件がつきましたけれども、そんなことじゃないのですね。これは逆に言うと、大きなところから地方に持たしているのです。もう一回逆に言うと、上納金になるのです。ですから、いろいろないきさつがありまして、それだけのサービスをするならば行ってあげようというふうな考え方でずっと進められてきますと、地方自治体はいろいろな面で金を出さなければいけないのですね。何かに来てもらおうとすれば、全体のかかる金の幾らかは自分たちで持ち出して超過負担をして来てもらう、こういうようなことで、何も郵政だけでなくて現実は相当あります。今私調べているところですけれども、実際あります。ですから、地方自治体から国に対してこの使用料を下さいというようなことはちょっと言いにくい。したがって、わざわざこういう地方財政再建促進特別措置法という法律をつくって、自治大臣が後ろについて、そうして払ってもらえるものは払ってもらいなさい、こういうふうになって行われたわけでしょう。ですから、私は、法の精神もさることながら、そういう国とか公社公団というものは力があるから、それでもって地方自治体の財政に圧迫をさせるようなことをしてはいけませんというところから実はこの問題を取り上げておるわけでございます。大臣、いかがですか。
  112. 奥田敬和

    奥田国務大臣 表向きは、その地域の発展のために要請してそれを受けてやったということで、一つの便益が対価として供与されておるような感じがいたします。しかし、先生の御指摘のとおりに、お上意識と申しますか、そういった形の中で向こうの要請に応じてやってやったんだという形でそういった形の便益を受けてそのままにほったらかしておくというのは、今御指摘のように、地方財政のそういった健全化の意味からいっても適当ではない、今後はそういった対価は当然法に基づいて支払っていくべきであろうと思っております。
  113. 貝沼次郎

    貝沼委員 それから、この電電公社関係ではもう一つ、指定都市の首長さん方がずっと名前を連ねまして陳情してあることがございます。これは何かというと、「日本電信電話公社にかかる道路占用料徴収に関する要望」、要するに一つは、簡単な例を挙げるならば電話柱であります。この電話柱が道路を占用しておりますので、管理者に対する使用料を何とかひとつお願いしたい。ところが、これは昭和五十二年九月十日付建設省道路局長通達によって、これは出さなくてよろしい、こういうふうに法律ができておりますから、今のところはどうしようもないわけでございますが、ただ、これから先ほど話がありましたように電電公社は民営化するわけでございます。この場合に、民営化した段階でいろいろ議論にはなると思いますけれども、とにかく一たん民営化して株式会社になる、その時点では、少なくとも三公社の中の電電公社というものは、この通達から外れて、元来納めなければならないという部類に位置づけられるものなのかどうか、この点を建設省とそれから自治省の方からお願いします。
  114. 真嶋一男

    ○真嶋説明員 お答えいたします。  道路の占用料の減免措置のあり方につきましては、かねてから建設省道路局内で検討しておりまして、局内に学識経験者からなりまする道路占用料制度に関する特別委員会というもので御検討いただいているところでございます。先ほど御意見をちょうだいしたところでございますが、この電電の占用料の問題につきましては、占用者の組織の形態、事業公共性の程度、道路管理との相互関係等を十分検討した上で、その必要性、妥当性を判断したらどうかというような御報告の内容になっております。  お話しのただいまの電電公社の組織改正の問題が、法案が提出されているわけでございますけれども、私どもといたしましては、この法案が、経営形態等について具体的な形が確定するという段階を見ながら、先ほど申し上げました委員会での考え方を踏まえて、総合的に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  115. 貝沼次郎

    貝沼委員 これは慎重に検討をしていただきたいと思います。特に、地方自治体の財政は大変今苦しいわけであります。それから、例えば電力会社は全部金を払っておるわけでありますから、その辺のバランスをよく考えて、ひとつ決断をしていただきたいと思います。これは要望でございます。  次に、時間が余りありませんので、本来の郵政事業特別会計の問題に入りたいと思います。  私は、この特別会計をずっと見まして、大臣、先ほどもちょっと答弁しておりましたけれども、一体これで郵政事業というのはこれから成り立つのかな、大変心配をいたしております。成り立たないのじゃないかという感じがいたします。ちなみに、これは当局からやはり一度聞いておかないといけませんので、現在どういう財政状況になっているのか、簡単にひとつ答弁していただきたい。
  116. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 五十九年度予算で申し上げますと、収益が一兆二千六百七十五億円に対しまして、費用が一兆二千八百三十億円で、百五十五億円の赤字でございます。なお、累積欠損金は、その百五十五億円を加えまして四百四十八億円になる見込みでございます。
  117. 貝沼次郎

    貝沼委員 そういうふうに大変な欠損なんですね。  そこで、これは第九十三国会衆議院の逓信委員会、五十五年十月二十三日配布資料、これを見てみますと、郵政事業はやがてだんだん赤字になるだろう。したがって、ある時期には値上げをちゃんとやらなくちゃいけませんということで、昭和六十四年まで書いてありますけれども、値上げの時期がちゃんと書いてありますね。初めから、これは赤子になるから値上げして、値上げでもってやっていかなければならないという精神がこの表の上には貫かれておりますね。私はこういう考え方は極めて安易な考え方だと思います。その点どうですか。
  118. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 先生御承知のように、郵便事業は人力に依存する度合いの非常に高い事業でございまして、例えば、先ほど来のお話の電話のような装置産業ではございません。したがいまして、物数がふえますれば、当然それに要する人件費それから運送費等が多いわけでございますが、そういったものの値上がり等がございますと、ある時期にはまた値上げをお願いしなければならない時期が来ないとは言えないというふうに考えております。
  119. 貝沼次郎

    貝沼委員 それは値上げしなければならぬ場合は値上げしなければいけません。しかし、郵政事業の場合の赤字の原因はそれだけじゃない。ただ物価が上がったからとかそんなことじゃありませんよ。それももちろんあるでしょう。  それじゃ具体的に聞きましょう。いろいろ尋ねたいと思っていましたが、時間がありませんから、それじゃ具体的な話に入りますが、例えば速達ですね。今郵便は翌日配布が大抵の県は完備いたしましたね。岡山県などは、きょう出したら翌日は全部配布されるわけです。非常に速くなった。大変すばらしいことだと思います。速達とどれだけの差があるのか、ひょっとすると速達の方が遅いのじゃないか。     〔井上(一)委員長代理退席、委員長着席〕 さらに、岡山から今度は例えば東京に来る、こういう場合に、速達が必ず速いというそういうことはあるのでしょうか、その辺どうですか。
  120. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 現在、郵便物数は年間約百五十五億通程度の取り扱い量がございますが、その中で速達郵便物の取り扱いは二%強、約三億五千万通程度でございます。なお、普通の郵便は最近は配達は一回でございますし、また日曜日は配達いたしませんが、速達は原則として一日に三度配達しますし、日曜日も配達をいたしますので、やはり普通郵便に比べましては速度の面でもかなりよろしいのではないかというふうに思っております。
  121. 貝沼次郎

    貝沼委員 そういうのは理論的にそうなるのです。だけれども、現実はそう簡単にいかない。郵政の特徴というのは夜やらないことなんです。夜動かないことなんです。これは民間と全然違うところです。  そこで、例えば岡山の例で言いますと、手紙は期の七時まで投函した分は、中央郵便局に九時二十分までにつけば岡山駅発の列車に乗るわけです。列車ですよ。今飛行機たくさん飛んでいるのだけれども、手紙はどういうわけか列車になって、東京へ着くまで十五時間かかるのですね。そうすると、朝の七時ごろ着くわけです。それから、十時までの分は、中央郵便局に十二時三十分までに着いたものは、これはどの列車に乗せるかというと、十六時五十六分の列車に乗せる。それから速達、書留ですね、これは航空便になっているわけです。ところが、飛行機余り飛んでおりません、岡山は。二回しか飛んでいない。そこで、朝八時半ぐらいまで、飛行機で出発が十時二十分でありますから、大体二時間ぐらい前に集まったものについては、十時二十分の飛行機に載って東京着十二時五分ですね。それから、十七時四十分の飛行機に載せようと思えば十五時四十分ごろまでに入らなければなりませんから、それが東京に着くのは十九時二十五分ごろ、これは空港に着くまでの時間。それからまたいろいろあるわけですから、三回、五回、幾回行くかはそこで差があるわけですね。  具体的に言いますと、例えば夕方の十六時に岡山の中央郵便局に入った手紙と速達はどっちが早いかということなんです。十六時に入ったものは列車は十八時五十五分しかありません。したがって、東京に着くのは朝の九時ごろ。それからいろいろやるわけですね。ところが、速達の方は飛行機がありませんので、翌日の十時二十分まで待たなければなりません。そうすると、東京に着くのが十二時五分ごろになるわけです。そうすると、速達料を払った人は損をしますね。どうなんですか、こういうことはありませんか。
  122. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 一般的に申しますと、現在は普通の手紙も飛行機で運んだ方が速い場合には飛行機で運ぶことを原則としております。ただ、岡山の場合は、先生もおっしゃいましたように岡山空港の関係等もございまして、大阪で一たんおろして飛行機に積みかえるよりは汽車で真っすぐ持っていった方が速いので、普通郵便は列車で運ぶケースが多いと思います。しかし、速達は、具体的な事例を細かく承知しておりませんが、岡山空港から飛行機で運んでおると思いますが、今お示しの具体的な事例、普通郵便であれば朝九時に東京に着く、速達であれば十二時五分に空港に着くということになります。東京に列車で九時に着いたものはその日の配達にはなりません、翌日になりますので、差し出された日から数えますと翌々日の配達になると思いますが、速達は空港に十二時五分に着きましても速達の最終便には当然間に合いますのでその日の配達になります。結果としては、速達の方が速いんじゃないかというふうに思うのでございます。
  123. 貝沼次郎

    貝沼委員 余り差はありません。速達料を出す方があほらしい。  次に、小荷物ですね。これがまた遅いのです。遅いだけじゃない、小荷物を預かってもらっても証拠がない。例えばいろいろ民間のがありますが、あれは全部コピーで、はいあなたのはいついつ受け取りました、着いたか着かないかはちゃんと確認が来ますね。ところが、郵政の方はそれがない。しかも、小包をお願いしようと思って電話をすると、ありがとうございましたと言って電話料十円をちゃんと持ってきますよ。郵政の方は郵便局へ持っていかなきゃならない。これでは余り商売できませんね。そうして、今度は何か試験的に領収証を書くようにするわけですね、するんだそうですけれども、それは行ってもらわないといけませんが、それでは書留というのはどうなるのか、小包の書留。同じように着いたことが確認されるように小包がなるのなら書留は要らないんじゃありませんか。書留料はただになりますよ。その辺はどうですか。
  124. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 まず、最初の、ラベルの問題でございますが、私どもも大変反省しておりますが、民間に比べてそういった面のサービスが大変立ちおくれておったことは事実でございます。そこで、来る五月十四日から一部の郵便局でこういったラベルをつくりまして、小包に貼付いたして、受取もお客様に差し上げたいというふうに思っております。なお、このやり方では、小包を配達した場合に、お届けしたことを差出人に通知することもあわせてやっていきたいというふうに考えているわけでございます。  そうなりますと、書留とどう違うんだというお尋ねでございますが、あってはならないことでございますが、万一紛失した場合に、現在の法体系のもとでは、書留は損害賠償をいたしますが、普通小包はそういった道がないといった面では、書留と普通とははっきり違った取り扱いになっておることは変わりありません。
  125. 貝沼次郎

    貝沼委員 余りすっきりしませんね。それだったら保険制度にすればいいんです。あなたの荷物がなくなった場合は補償いたしますから相当する金額についで保険を掛けてください。書留という意味は余りありませんな。その辺のところをもっと詰めないと、今までの習慣上書留というのは確かだろうと思ってやったりなんかしている人が、普通の小包と何ら差がなかったということでは、後日郵政省はかなり威しく恐らくやられるでしょう。その辺ははっきりしなくてはならぬと思いますね。大臣どうですか。
  126. 奥田敬和

    奥田国務大臣 大変いろいろな示唆に富んだ御指摘をいただきまして、ありがとうございました。確かに、今民間宅送業者のサービスぶり、そして今までの郵便なり小包なりの郵政側のサービスぶりというものは、今非常に厳しい環境の中で競争を強いられているというのが現実でございます。したがって、この二月からのシステムの改善も、先ほど来の先生の御指摘のように見直したわけでございますけれども、まだ一部においてそういった、どの便を使ってどれをやった方が地域的に一番スピードアップするかという点も、今見直しを含めて労使双方にわたって大変勉強しておる真っ最中でございます。確かに厳しい現況ではございますけれども、何とか国民に最小限の負担をお願いする形で頑張りたいと思っておるわけで、郵政三事業が将来だめになるというような御指摘は、そういった点も踏まえて頑張ってやっていかなければいかぬと思っております。何といっても国民生活には不可欠な分野でございますから、民間だけでは絶対にやり得ない公益性を持っておるという利点もぜひ御理解賜りたい。
  127. 貝沼次郎

    貝沼委員 今の大臣の答弁はそのとおりだと私も思います。であればこそ、信頼される、そういう郵政になっていただかなければなりません。ここは決算ですから、そういう嫌なことばかり言うわけでございます。  それから、せっかく扱った郵便物とかこういうものについて、もっと責任を持ってやらないといけませんね。最近は大分信頼が下がっております。今まで郵便局不正行為件数、こういうものは大体どれぐらいありますか。
  128. 高橋幸男

    ○高橋(幸)政府委員 お答えいたします。  決算検査報告に掲記された件数で申し上げますと、五十七年度は二十九件、五十六年度は三十一件、五十五年度は二十八件、五十四年度は十七件という数字になっております。
  129. 貝沼次郎

    貝沼委員 今の数字は件数、これを金額別に私が見たところでは、五十二年度三十六件、一億一千九百三十八万円、五十四年度十七件、一億四千六百三十三万円、五十五年度二十七件、二億五千百十八万円、五十六年度三十一件、一億四千五百十六万円、五十七年度二十九件、五億五千四百七万円、こういう数字が出ておると思いますが、これだけのことが起こっておったんじゃ郵便局は危ないなという感じが出てくると思うのですね。そうして、集配課長が猫ばばをしたとか、これは横浜南郵便局ですか、保管の二十万円入り書留を猫ばばしたという記事が出ておったり、これはどこですか、大森郵便局は郵便九百通ごみ扱いをして二週間地下に放置しであったとか、いろいろなことがちょこちょこ出よるわけでありますけれども、こういうようなことが起こっておるのでは信頼はがた落ちでございます。今後こういうことに対してどう対処されますか。
  130. 高橋幸男

    ○高橋(幸)政府委員 お答えいたします。  御指摘のとおり、職員不正行為事業の信用を失墜させることはなはだしいということでございまして、私ども、この生じました不正行為についてまことに国民の皆様に申しわけないという気持ちでございます。それを受けまして、私ども、省内に郵政事業防犯対策協議会というものを設けまして、これは郵便だけではございません、貯金、保険すべての各部門を通じまして、業務取り扱い上必要な防犯体制の整備強化と、また、この不正行為職員の防犯意識と非常にかかわりのあるものでございますので、職員の防犯意識の高揚を図り、また、犯罪の未然防止と早期発見に努めるよう努力してきているところでございます。これは私どもの内部の協議会でございますが、その場を生かしまして、防犯について日常の努力を積み重ね、防犯意識の高揚を図りますとともに、部内の内部監査と申しますか、これは監察、経理両部門において部内のチェックシステムがございますので、そういう業務考査あるいは会計監査を厳正に実施いたしまして、不正行為の絶滅を期するよう今後も努めていきたい。また、この行為者に対しましては全員懲戒免職の処分をする、あるいは監督者について行政処分をするなど、そういう行政処分を通じまして職員の防犯意識の高揚にも努めるとともに、私ども、今後とも業務の適正な執行という面について努力していきたいというふうに考えております。
  131. 貝沼次郎

    貝沼委員 今の答弁のとおり、努力はしていただけると思いますが、では、今まで努力しなかったのかというと努力しておるわけでありますね。それでもなおかつ起こっておる。したがって、今までのとおりではだめなんですね。起こっておるのが証拠です。ただ、それが起こり得る一つの温床があるということ、これを研究しておかなければならぬと思います。それは答弁は私は必要ありませんが、今後こういうことのないように十分やっていただきたいし、こういうことが続く限り信頼はだんだん落ちていくと思います。  先ほど電電の方で民間委託の答弁がございました。郵政の場合ももっと民間委託を考えてもいいのではないか。それは通信の秘密とか皆さんいろいろおっしゃるでしょうけれども、それは言ってくだされば結構です。ただ、アルバイトあるいはパートというものが現実にやっておるというふうに聞いておるわけですが、そういうところから判断をして、民間委託ということはどのように考えておられるのか、御答弁願います。
  132. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 私ども、民間に委託できる分野につきましてはこれまでもかなり委託してきております。また臨調からも、さらに一層そういった面を促進して事業運営の合理化を図るようにと言われておりますので、必ずしも民間委託というものに対してのアレルギーを持っておるわけではございませんで、現に郵便事業運営していく場合に、運送の面、それから切手売りさばき所の面、簡易郵便局といった面は委託でございます。法律に基づく委託でございますし、また、配達の面におきましても、団地における配達、それから小包の配達、山間僻地における集配の個人委託といったものをかなり進めてきておりますが、臨調の答申等もございますし、また先生の御指摘もございますので、今後なお可能な分野につきましてはそういった方向で検討してまいりたいと思います。
  133. 貝沼次郎

    貝沼委員 あとちょっとしか時間がありませんので、NHKの問題でお尋ねしておきたいと思います。  私が申し上げるまでもなく、放送衛星を使いまして難視聴区域は解消した、こういうことが言われておるわけでありますが、本当にそれは解決したのかというと現実はそうではない、これが私の言いたいところでございます。  今までの難視聴区域というのがどれぐらいあり、そして、今後NHKとしてはどういうふうな対策でその方々にサービスを提供しようとしておられるのか、郵政省で全部答えるということでしたので、私はNHKは特に言っておりませんので、どうぞ郵政省から答えてください。
  134. 鴨光一郎

    ○鴨政府委員 NHKの放送の難視聴地域は全国で現在四十三万世帯ございます。  この難視聴につきましては、これまで共同受信施設等によりまして、またそのもう少し前段では、当然中継局数の増加ということで対処してまいったわけでございますけれども、これからにつきましては、現在放送衛星の二号が上がっておりますので、現在はそれのテスト中ですけれども、この五月から放送衛星による難視聴救済が行われるということでございます。
  135. 貝沼次郎

    貝沼委員 今の答弁は、放送衛星二号が五月から開始されるから、そこから電波が出ておるから、パラボラアンテナさえつければどんな山の中でも全部受信することができる、こういうことですね。  それはそのとおりですよ。だけれども、アンテナのない人は見ることはできないのです。なぜかというと、金がなければアンテナができないからです。では、このパラボラアンテナはどのくらいの値段でつけることができるかというと、アンテナ自体は恐らく二十万くらい、工事その他技術的なものを加えるとさらに二十万か三十万かわかりませんが、四、五十万かかるのじゃありませんか。そうして、実際に見られるチャンネルは、NHKの衛星でありますから当然一チャンネルと三チャンネル、NHK総合テレビと教育テレビだけですね。そういうようなことで、その二つを見るためにそれだけの金をつぎ込んでアンテナをつけるでしょうか。こう考えたときに、恐らくつけないだろう。そうすると、何も解決したことにはなっていない。  私が申し上げたいのは、今までは共同アンテナをつくってあげて、そして皆さんがそこに加わって何とか見れるようにしていただいたわけですね。ただ、それをこれだけ四十三万世帯全部対象にしてやるととてもとても金が足りない、それよりは衛星を上げた方がよろしいという決断があったんだろうと思いますけれども、だからといって、一遍では解消しないのでここに経過的措置として考える部分があるだろうと私は思うわけです。  それはどういうふうにするかというと、このパラボラアンテナをあなた方は買いなさい、何人か集まって一つ買いなさいというと、今人間が非常に動きますので、いつまでもそこにおるという保証もありません。したがって、その人たちの財産としてそれを買うということは大変難しい状況にございます。したがって、例えばそういうアンテナをリースで貸与して、そしてリース料を払わせて、そして何十軒か何軒か知りませんが、そういう人たちが共同でパラボラアンテナをつけていただきたい、こういう場合はアンテナそのものについてはNHKあるいはリース会社を頼るか知りませんが、いずれにしてもリースあるいは利子補給等で面倒を見てあげて、さらに、技術的な問題についてはこれはもうNHKの方がずっと上でありますから、技術援助もこれはNHKの方でしてあげる、こういうような経過的な措置というものが必要ではないかと私は考えますが、この点はいかがでしょうか。
  136. 鴨光一郎

    ○鴨政府委員 先生御指摘のように、衛星放送用受信機、衛星放送を受信いたしますためには、パラボラアンテナ、それとチューナーというものが必要でございます。この値段でございますが、当面確かに御指摘のように価格が高いという面がございまして、私どもの推定でございますけれども、受信機のアンテナそれからチューナー、両方で現在のところ大体二十四万円ぐらい、工事費に四万円ぐらいのものがかかろうか、つまり二十数万円のお金が必要でございます。私どもといたしましては、当面NHKの番組二チャンネルでございますが、NHKの側でも番組編集上の工夫などをしてもらうということでこの普及を図るということ、そのことによりまして量産が図られることに伴う低廉化ということをひとつ目指しているところでございます。  それからまた、このチューナーに対しましては、五十九年度から物品税の減免措置を講じていただくことにいたしておりまして、非課税措置ということで対応することにいたしておりますが、今御指摘のございましたそのリースという点につきましても、私ども五十九年度財政投融資の中で受信機のリースを行う者に対します開銀の融資枠というものを確保しているところでございます。  それから、御指摘のございましたNHKによります技術的な援助と申しましょうか、指導という点につきましては、私どもといたしましても、NHKがこれを十分に行ってもらうよう、新しいメディアでございますので、十分話をしてまいりたい、このように考えております。
  137. 貝沼次郎

    貝沼委員 時間がもうなくなってまいりましたので、大臣に最後にお尋ねしておきたいと思います。  一点は、今私リースという話をいたしましが、国の財産を見ますとリースというのは余りありませんね。今議員会館のいすが二つかわりました。あれだけが色が違う。応接セットで色の違ったのがついているのは国会ぐらいのものでしょうね。なぜかというと、あれはやはりそこの資産になっておるわけですね。ところが、これがリースだったら、もうそのままそっくりかわって、そして、常に最も先端のものが安く使えるようになるわけです。この辺は私、もっと国会自体もあるいは官庁、そういうところは全部考えるべきだというふうに考えております。そういう点は、ひとつ機会があれば大臣から一回閣議ででも提案してもらったらどうか。  それから、今度は大臣に直接関係がありますが、今大蔵省でグリーンカードがもうああいう状態になってしまいまして、そうして、マル優制度までも今度は云々しようという動きが出ておりまして、税制調査会にかかっておりますが、そうすると、郵貯の方も大変影響を受けてくるわけでございますが、これに対する郵政省の一つの感触、これはどうなっておるのかお答え願いたいと思い、ます。
  138. 奥田敬和

    奥田国務大臣 郵貯はもう国民各層の少額の貯蓄で、しかも長年にわたって定着をしてきておるところでございます。最近この非課税措置に関していろいろ論議もなされておるわけでございますけれども、私たちとしては、この制度は何としても堅持してまいりたい。なぜならば、郵貯利用者というのは、国民の中で本当に汗とあぶらの結晶で、長中期にわたってもう名前の示すとおり貴重な労働の結晶でためてきたお金でございますし、その運用はもちろんでございますけれども、利子の非課税という聖域だけは何としても堅持してまいりたいと思っております。  また、先ほどの御提案のあった、リース方式というものを今後うんとそういったいろいろな面に活用していったらいかがかという御提案に関しましても、また機会があればその御趣旨に関しましては発言をしていきたいと思います。
  139. 貝沼次郎

    貝沼委員 終わります。
  140. 横山利秋

    横山委員長 神田厚君。
  141. 神田厚

    ○神田委員 郵政省所管の問題につきまして御質問を申し上げます。  本日の質疑を通じましてそれぞれ触れられたようでありますが、まず最初に、郵便事業の赤字の現状、これはどういうふうになっておるのか。さらには、この累積欠損金の解消の見通しをお聞かせいただきたいと思います。
  142. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 五十九年度予算におきまして、郵便事業の全体の収益は一兆二千六百七十五億円でございますが、それに対しまして費用は一兆二千八百三十億円でございまして、百五十五億円の赤字となっております。  なお、五十九年度末の累積欠損金は四百四十八億円になる見込みでございますが、なおこの累積欠損金の解消の見込みにつきましては、私どもも、できるだけ増収を図りかつ経費の節減を図って圧縮してまいりたいとは思っておりますが、人件費、諸物価等の値上げがありますと、それに対して収入の増加が追いつかない場合には、そういった累積欠損金がまだふえていくのではないかといった厳しい見方をしておるところでございます。
  143. 神田厚

    ○神田委員 五十五年でしたか、料金値上げが行われましたが、この累積欠損金並びに郵便事業の赤字の現状の中で料金値上げの心配をする向きがありますが、私は、経営努力によりましてこれらの問題を解決すべきでありまして、料金の値上げはすべきではないというふうに考えておりますが、郵政大臣のお考えはいかがでありますか。
  144. 奥田敬和

    奥田国務大臣 もちろん値上げに安易に依存するという体質はどうしても脱却しなければいけませんし、今日までも五十六年の値上げ以来二千五百億の累積赤字をおかげさまで解消して、去年までは、五十八年度予算計上までは何とか黒字を持ち込んでこれたということでございます。その後の人件費等々のアップ要因がございまして、明年度多少の赤字を覚悟しなければいかぬというような収支予測をしておりますけれども、これは今御指摘のとおり徹底的にアイデアを出しまして、本当に前垂れ精神で、郵便物も含めてできるだけお使いになっていただくように、また経費の合理化、節減にも努めてまいりまして、今年度の赤字予測を何とかしてゼロに持っていくような努力を今各職員を通じて労使間にも徹底していただいておるところでございます。今年度の結果いかんによっては、そういった形で六十年、六十一年値上げをお願いしないで何とか内部合理化によって切り抜けていける、そういった素地を今年度はつくっていきたいと思っておるわけでございます。
  145. 神田厚

    ○神田委員 次に、民間宅急便と小包との競合の状況はどういうふうになっているのか、それによる影響はどういうふうになっているのか。信書についても事実上独占が崩れつつある、こういうふうに言われていますが、どのような状況認識を持っているのか、さらにはその対策はどうするのかをお聞かせいただきたいと思います。
  146. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 まず、民間宅配便と郵便小包の競合関係でございます。まず、分野が一つはっきり区切られているという面におきまして、郵便小包は重量が六キログラム以上のものは取り扱いません。六キロ以下のものしか取り扱いませんので、六キロ以上のものはいわば民間の土壇場でございます。しかしながら、四キロから六キロくらいの間で非常に激しい競争が行われておりまして、郵便小包が昭和五十五年十月に値上げいたしました時期あたりから、そういった部門で民間の運送便にかなり侵食されまして、最盛期の大体半分くらいまでに減ってきておりますが、私どもは一昨年以来、大口割引制度だとか料金の簡素化だとか、またスピードのアップとかいろいろな施策を講じてまいりまして、最近減少し続けておりました小包もようやく歯どめがかかってやや増加の兆しも見えてまいりましたので、こういった従来の施策をさらに一層強化、定着させることによって、郵便小包も、そういった六キロ以下の軽い荷物につきまして国民のニーズ、需要に十分こたえていけるのではないか、またこたえていかなければならないというふうに思っております。  なお、信書の部分についても競合関係が生まれているのではないかといった御指摘がございましたが、私どもも、例えば民間の宅配便の小包の中に、荷物の中に手紙が入っていないとは言えないと思いますし、一部入っているものもあるのではないかという危惧は持っております。また、業務用書類等を運ぶ業者も一部あるのではないかと思っておりますが、先生御承知のように、信書の送達は郵便法によって郵便事業の独占とされておりますので、そういった疑いの持たれる業者に対しましては、私どもとして、信書の送達はできないのですよといったような警告もしてまいっておりますし、今後ともそういった姿勢で臨んでいきたいというふうに思っております。  なお、将来の対策としましては、郵便事業はあくまでも国民の基礎的な通信手段としてできるだけ安い料金で、安全確実に、しかも速く送達することを本旨としておりますので、その本旨に沿って各面の努力を積み重ねて、国民の御期待に沿い、また、二十一世紀に向かって郵便事業も立派に生き残ってまいりたいと考えておるところでございます。
  147. 神田厚

    ○神田委員 この信書の問題にしましても、結局、時代の要請でこういうバイク便とかそういうものが出てきていると思うのです。ですから、郵政省が今までずっとやってきたことだけではもう時代のそういう要請にそぐわなくなってきている、こういうことでありますから、郵便配達の問題と信書の送達等の問題についても何か考えていかなければならない、新しくもう少し工夫を凝らしていかなければならないと考えますが、この辺はどうでございますか。
  148. 永岡茂治

    ○永岡政府委員 もし郵便事業が時代の要請に十分対応できてないといった面があれば、私どもは、積極的にそういった時代の要請に対応していくことによって信書送達の独占を維持してまいりたいと思っております。ただ、私たちも、信書送達の独占が単に法律で保護されているからということに決して安住するつもりはございません。国民のニーズにこたえ得なければそういったものも崩されていく、また修正されていくというふうに認識しておりますので、一方においてそういった法律を守る努力もいたしますと同時に、さらにそれ以上に、先生御指摘の時代の要請にそぐわないことがないように、時代の要請にマッチしたサービスを提供してまいりたいと考えております。
  149. 神田厚

    ○神田委員 次に、郵便貯金事業の赤字の現状の問題。赤字はどういうふうになっているのか、さらには、累積赤字解消の見通しと、そのための対策をどういうふうにするのか。
  150. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 郵便貯金会計の収支状況並びに今後の見通し等でございますが、五十八年度予算では単年度で二千三百二十六億円の赤字、それから、五十九年度予算ベースで単年度で千二百四十五億円の赤字、こういうことでございます。五十九年度の収支は赤字でございますが、前年度に比べて一千億円改善をされるという状況でございます。  なお、今後の見通しでございますが、金融、経済等諸情勢が流動的であるということでいろいろ難しい状況ではございますが、現在の預託利率が七・一%でございます、これと郵便貯金の最高利率が五・七五%ということになっておりまして、その利差が一・三五%ということでございまして、経費率〇・七%、これを上回っているわけでございまして、現状のまま推移いたしましても、昭和六十年度には単年度で黒字、昭和六十一年度には累積赤字も解消する、こういうふうに考えております。  なお、郵貯会計が一時的にもこういうふうに赤字が出てくるという原因は、預託利率に原因があると考えております。すなわち、郵便貯金の利子等のコストというのは民間金融機関に比べましても低いわけでございます。この低いコストを賄い切れないような預託利率というものによって赤字が生じているということでございます。仮に郵便貯金を国債に運用しておったということを考えますれば、この赤字が生じるわけもございませんし、年間数千億というものがむしろ今のような形で郵便貯金運営されていることによって国庫は潤っているということが言えるのではなかろうかと思うわけでございます。
  151. 神田厚

    ○神田委員 郵便貯金資金運用の問題でありますが、運用先でありますところの財投機関には、国鉄など償還の見通しがつかないものが多い状況であります。預金者の預金の払い戻しの安全性というようなことも含めまして、これらの問題についてどういうふうに考えていくのか、また、郵貯資金の自主運用についての考え方をお示しをいただきたいと思います。
  152. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 郵便貯金資金は、全額大蔵省の資金運用部に預託をして財投原資というふうに使われているわけであります。この資金の管理運用につきましては、大蔵省の資金運用部資金運用部資金法に基づいて確実、有利に運用するということになっているわけであります。  なお、預金者に対する郵便貯金の払い戻しにつきましては、国が法律で保証いたしておりまして、その点は心配は要らないわけでありますけれども、資金運用部の最大の資金を提供しているという立場から見まして、資金運用部運用条件についても重大な関心を持っているわけであります。貸出先というようなものを十分吟味をされて、より一層確実な運用がなされるということを強く要望したいと思うわけであります。  なお、郵便貯金資金の自主運用の問題につきましては、事業主体として、集める方、運用する方というのが一体となって初めて完成された運営形態ということになろうかと思うわけであります。  なお、今日的な問題といたしまして、我が国の金融は現在自由化というものが進展をいたしております。金融革新とかあるいは金融革命ということで呼ばれているように、こういった新しい金融環境にどう対応していくかということが非常に大きな問題になっているわけでございます。郵便貯金といたしましても、こういう金利の自由化に対応しなければならない、こういった自由化の中におきましては、郵便貯金も市場実勢に合った貯金金利というものをつけなければならないわけでありますが、その場合には、郵便貯金資金運用の面についても市場実勢というものが反映できるような仕組みにしなければこれはできないわけであります。出口だけを自由化して入り口を自由化しないというわけにはまいりません。両方の自由化ということが必要になってまいるわけであります。  そういう意味で、実は五十九年度予算におきましても、郵便貯金資金によって国債を引き受けようというようなことを提案したわけでありますが、これは実現に至らなかったわけでございますけれども、金利の自由化というものは喫緊の課題になっている、日本の金融の自由化というものを進めるに当たっても、郵便貯金がそれに対応するような仕組みを早急につくる必要があろうと思いますので、国債の引き受けということによる運用改善というものをぜひ図っていく必要があろうと考えております。
  153. 神田厚

    ○神田委員 民間金融機関の金利の一元的決定、こういう主張が強く出されておりますが、これらについてはどういう立場をとり続けるおつもりでありますか。
  154. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 金利の自由化という場合に、金利の決定の一元化というようなことがよく言われるわけでありますけれども、金利の決定の一元化というのは、金利の決定の場を一元化をして、金融当局がある意味では思いのままに預金金利あるいは金融商品の内容というものを統制的に決めていこうというのが金利の一元化であろうと思うわけであります。自由化が進展をいたしますれば、それぞれの機関が市場の実勢を反映し、また、それぞれの金融機関の経営戦略というものを盛り込んで、自主的に金利を決めていくというのが自由化の姿であろうと思います。例えば、昨年の十月にアメリカにおいて金利の自由化というものがなされたわけでありますけれども、その後は各金融機関がそれぞれそういった今申し上げたような形で金利を決めておる。したがいまして、金利もそれぞれの機関によって差があるというようなことでございまして、こういう金利の自由化に当たって一元化をするということはまさに論理矛盾ではなかろうかと思うわけであります。ある意味では、金利決定というものを何らかの形で協議をする、暗黙の協議をする、民間金融機関が協議をする、それに郵便貯金も追随をしてほしいというようなことがあるいは意図されているのかと思うわけでありますけれども、これも真の自由化、特に独占禁止法というものがある以上そういったことが許されるわけもないわけでありますので、金利の自由化というものの本当の意味での実現ができるように、私どもも郵便貯金の対応を適切にしてまいりたいと考えております。
  155. 神田厚

    ○神田委員 郵便貯金が伸び悩んでいるという現状がありますが、民間金融機関の高利回り商品に対する対抗商品、こういうものがないからだというような指摘もあります。この辺のところで何か予定なり考え方がございますか。
  156. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 現在、国民の貯蓄手段に対する金利選好の高まりというのが大変話題になっておりまして、特に、ビッグ、ワイドあるいは国債定期口座などの、長期金利というものを反映した高利回り商品というものが相次いで開発をされているわけであります。郵便貯金もこういった動きに影響されまして、伸びというものが従来よりは鈍化をしているというのも事実でございますが、私どもといたしましても、去る三月二十六日に、一万九千の郵便局をオンラインシステムで結び、これが完成をいたしました。これによって、従来から順次進めてまいりました総合通帳サービスとか、あるいは公共料金の自動払い込み、あるいは年金とか株式配当等の自動受け取り、こういうような新しいサービスというものを全国どこでも利用できるというような体制になったわけでありまして、これらの商品の販売促進というものを一層強めてまいりたいと思うわけであります。今申し上げましたような貯蓄手段の多様化が進んでいく、あるいはさらには、期近債あるいは銀行の窓口におけるディーリングというようなことが一層の自由金利商品というものを開発をしていくであろうと予想されるわけでありまして、こういったことに郵便貯金利用者も十分対応できるように、今後広く新商品の開発というようなものについても検討を進めてまいらなければならない。いろいろ検討している段階でございます。
  157. 神田厚

    ○神田委員 行革の問題が出ておりますが、郵政事業におきましてもこれは避けて通れない問題であります。業務機械化あるいは組織の簡素化、こういうことについてのスケジュールはどういうふうになっておりますか。
  158. 奥山雄材

    ○奥山政府委員 行政改革につきましては、現下の政府としての最重要課題であるということは私どもとしても十分認識しておりまして、郵政行政全般にかかわる行革推進の立場で鋭意日々の行政を執行しているところでございます。  今お尋ねの郵政事業におけるより一層の合理化、簡素化、効率化を推進するための機械化その他組織の合理化でございますが、具体的に申し上げますと、臨調の答申を踏まえまして、ことしの一月二十五日に閣議決定されました「行政改革に関する当面の実施方針」、これに基づきまして着々と改革を行っているところでございます。  まず、業務機械化等でございますが、郵便事業につきましては、郵便システム等の改革に伴いまして、去る二月に鉄道郵便局の分局など三十一局を廃止する等の合理化を行いましたが、引き続き、機械化による省力化、自動化あるいは業務委託の拡大、さらには配達の原則一日一度化を推進することにいたしております。  それから、為替貯金事業及び簡易生命保険事業、これらにつきましては、既に四十二、三年ごろから総合的な機械化、合理化を行ってきたわけでございますけれども、ほほこれらの総合機械化が完成いたしましたので、最終段階に立ち至っております。今後とも総合機械化の推進による一層の効率化、合理化を図ることによって、サービスの向上に資していきたいというふうに考えております。  それから、機構の合理化でございますが、現在独立の地方支分部局でございます地方保険局並びに地方貯金局を地方郵政局に統合することにいたしまして、そのための改正法律案を今国会に提出申し上げておりますので、速やかに御審議の上、御可決方よろしくお願い申し上げたいと思っております。統合の実施時期は七月一日を予定しております。そのほか、地方郵政監察局の支局、現在五十七局ございますが、これにつきまして、必要最小限の現地的な事務処理機関を配置いたすことにして簡素合理化を図っていくつもりでございます。この地方郵政監察支局の効率化につきましては、実施を十月一日というふうに考えているところでございます。  なお、最後に、本省における内部部局の再編成も考えておりますが、郵政事業分野におきましても、企画調整部門の充実強化ということが臨調におかれても指摘されておりますので、本省における課の再編成を七月一日を目途に予定しているところでございます。
  159. 神田厚

    ○神田委員 次に、電電関係について御質問申し上げます。  電電公社の民営化を図って、電気通信事業への民間企業の参入を図る電電改革法案、これが今国会の一つの大きな目玉の法案になるわけでありますが、いろいろな意味におきまして長期間の審議が必要とされているようななかなか難しい状況がありますが、郵政省としてどういう方針で臨むのか、大臣の方からお聞かせいただきたいと思います。
  160. 奥田敬和

    奥田国務大臣 今回御審議願うことになります電気通信事業法案並びに電信電話株式会社法案、この二法案とも、極端に言えば、まさに郵政省の歴史始まって以来の大改革法案でございます。  御存じのとおり、通信の一元体制のもとで、大変なメリットもあったわけでございます。積滞解消、全国ネット、自動化、そういった意味合いにおいて非常に大きな功績ももたらしてきた、しかし、今日、これから予測される高度情報社会に向かっては、多数の競争原理を働かして、ここで民間競争による活力をこの通信分野にも導入しなければなるまいということで、今回民営化に踏み切ったわけでございます。しかし、この法案の意味するところ、私たちは最小限の関与にとどめたいと思って、法案内容にもその趣旨を盛り込んだところでございます。  また、労使双方の当事者能力を最大限に発揮して、新会社が弾力的、効率的に運用していただきまして、そのサービスが低廉な料金になって返ってくるようにも期待を申し上げておるところでもございます。しかも、こういった投資あるいは給与総額制なんかの制限を取っ払う形の中で、民営化された新会社としての最大の活力を期待しておるということでございます。しかし、いずれにしても、公益性のある事業であるという形は新会社になってもいささかも変わることではございませんし、全国あまねく今日の通信サービスを供与してきたという実態、これは維持してまいらなければならないわけでございます。  そういった意味合いにおいて、審議のお時間は当然でございましょうけれども、ぜひ、今日の電電改革法案の意味するところ、これは日本が将来において情報化社会の先導的役割を果たすためにどうしても必要不可欠な改革法案であるということの御理解と御認識を賜りまして、御審議を賜りたいと思っておるわけでございます。
  161. 神田厚

    ○神田委員 政府においては過日、アメリカからの通信衛星の購入というようなことで、衛星購入を決定をしたということでありますが、従来、国産衛星の技術を育成をするということで、そういう方向でやってきたわけでありますが、このアメリカから買うといった方向を出したことによりまして、国産衛星を開発促進をしていくという従来の方針との間で両立できるような形で果たしてやっていけるのかどうか、この辺はどうでありますか。
  162. 奥田敬和

    奥田国務大臣 先生御指摘のように、衛星の自主開発というのは、これはまさにナショナルプロジェクトでございます。ですから、この自主開発という形で今日、CS2、通信衛星の場合まで自主開発をやってまいりました。そして、CS3の段階においても、これはもちろん自主開発の路線で取り組んでおることも事実でございます。放送衛星においてもしかりでございます。しかし、今後、新電電がCS3への移行がどういう形になるのか、あるいはその間にもまた新しい衛星を内外を問わず購入することになるのか、そういった形はまさにこれからでございますけれども、ともかく、新会社にもそういった自主開発の一つの建前で沿うべき分野の部分と、そしてまた、今後の多角的な利用の分野でどういう形で新しく星を買うかというような形に関しては、新会社の独自の判断にお任せする。というのは、片方では、自主開発路線についてのちゃんとやるべき形は協力してもらう、他方、経営も含め衛星購入の面についてもある程度のフリーハンドを持ってもらうということになろうかと思います。また、新規参入予定されている民間の会社に関しては、これはそういった意味合いにおいて自由に購入の道も開いていくということで、本日の経済対策閣僚会議においてもこの趣旨は了解され、閣議了解を見たところでもございます。
  163. 神田厚

    ○神田委員 実際にそういうことになりますと、いろいろな大きな問題が出てくると思うのですがね。私は、そういう意味で、従来からの国産衛星の自主開発という路線はやはり堅持をしていくべきだというふうな考え方も持っておりますが、いろいろな意味でこの問題はなかなか厄介な問題になってまいりますので、郵政省等はよく研究をしてしかるべき指導をしていただきたい、こういうふうに要望しておきます。
  164. 奥田敬和

    奥田国務大臣 私が大変舌足らずでございましたけれども、衛星の自主開発の基本路線というものは堅持してまいるということは間違いありません。  さっきちょっと具体的にCS3の問題に触れましたけれども、これは大体六十三年打ち上げの予定でございます。しかも、この星の寿命は大体七年ということになりますから、この星に関しては昭和七十年までは自主開発の線でまいっておることも事実でございますし、御指摘の国産衛星による自主開発路線というものは政府として堅持してまいる、他方、ある程度フリーハンドをこれからの多目的な用途に関しては残しておく、そういうことでございます。
  165. 神田厚

    ○神田委員 科学の先端技術競争には負けられない、こういうわけでありますから、ひとつその辺のところはさらに研究開発の促進をお願いいたしたいと思います。  本会議の時間も迫っておりますので、電電公社の総裁も来られておるようでありますが、最後に、新電電会社の労働関係につきまして、これは労働査法で労働形態はこのままの形でいいのかどうか、スト規制というようなことが必要になるのかどうか、総裁としての御意見をお聞きしたいと思います。
  166. 真藤恒

    真藤説明員 新電電会社法案の中に出ておりますように、労働三法に移っていっても、ストについての特定の条項が入っておりますが、非常に大切な公共事業を実質上責任を持たなければならない企業のあり方という点から見まして、あの法案は非常に妥当だと私は思っております。
  167. 神田厚

    ○神田委員 終わります。
  168. 横山利秋

    横山委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後一時五十一分休憩      ————◇—————     午後三時十四分開議
  169. 横山利秋

    横山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。城地豊司君。
  170. 城地豊司

    城地委員 郵政省の仕事は、郵便事業のほかに郵便貯金事業とか簡易生命保険事業及び郵便年金事業などの事業を遂行する重要な使命を帯びた行政機関であります。そして、国民から郵便貯金として集められたお金は、資金運用部に預けられ、財政投融資の重要な原資となって、国の重要な施策である住宅の建設、道路の整備等に充てられております。また、簡易生命保険郵便年金加入者から郵便局に払い込まれた保険料なども、簡保資金として財政投融資の貴重な原資となっていることは御承知のとおりであります。  このように、国民全階層から集められた郵便貯金、保険加入者等から払い込まれた保険料などは、いわば国民の共通の財産ともいうべきものであります。しかるに、会計検査院決算報告書によりますと、五十六年度決算に限らず、毎年職員不正行為による損害が多いわけでありますが、このような事態に対して、会計検査院はどのような所見を持っているか、まず伺いたいと思います。
  171. 佐藤雅信

    佐藤会計検査院説明員 お答えいたします。  御指摘のとおり、このような不正行為が後を絶たないということは、まことに遺憾なことでございます。このような不祥事が発生いたします最も端的な原因は、やはり職員のモラルの問題であろうかと思われます。郵政当局におかれましても、このモラルの向上には、午前中にもいろいろお話しございましたが、かねてから御腐心のところでございまして、しかし、膨大な数の職員が多額の現金を取り扱っているという現状から見まして、職員の教育だけでこの問題が解決できるというものではないというふうに私どもも考えております。したがいまして、この職員の教育に加うるに、内部牽制組織を実態に即したものにしていくように絶えず見直していくとか、あるいはまた内部監査を充実強化するとか、そういう組織面からも不祥事が発生しにくいようにしていくというようなことを、体制面で整備していくということが肝要かと思われます。  郵便当局がこういう不正防止の対策に努力されることを私どもとしては期待しておりますとともに、会計検査院といたしましても、こういう組織あるいは体制面の欠陥、こういうものがあるかどうかということは、今後とも十分留意して検査してまいりたいというふうに感じております。
  172. 城地豊司

    城地委員 じゃ、同じようなことで、今会計検査院の所見は伺いましたが、郵政省当局としてはどのように考えておられるか、お考えを伺いたいと思います。
  173. 加藤祐策

    加藤(祐)説明員 ただいま検査院の方から御発言がございましたけれども、そのとおりでございまして、まずもって我々三十一万の職員が一人一人、犯罪は起こさないのだ、こういう覚悟が必要だと思うのでありますけれども、三十一万の職員の中には、やはり不心得な者がおりまして、公金に手をつける、お客さんのお金に手をつけるという者が後を絶たないわけでございまして、この点まことに残念に考えておる次第でございます。  しかしながら、残念だということだけで済む問題でございませんので、郵政省といたしましては、まず、現金を扱います郵便局の窓口、それから、外に出ましてお客さんと接しております外務職員と内勤職員事務上のやりとり、そういったものでまず犯罪が起きにくいようなシステムをつくる。それから、お客さんからお預かりしました現金、それから証拠書類というようなものを、後部の事務センターと申しますか、貯金事務センターあるいは保険の事務センターというところで処理をいたしますので、そちらの方でお客さんとの間に間違いがないかあるいは郵便局での取り扱いに間違いがないかというようなことをチェックする、それに加えまして、郵政局に監査課というものがございますけれども、監査課で現金の扱い方が正しいかどうかということを調査いたしまして、加えまして、全国に我々郵政監察官が七百名、その他監察官を助ける者を加えまして千二百名ほどおるわけでございますけれども、これがお客さんからいただきました申告その他に基づきまして年間十万件ほどの調査をいたしております。それから郵便局一万五千ほどを立入考査いたしております。それから、最終的に犯罪の容疑があるというようなことにつきまして、年間に四千件ほどの捜査等々を行って、もし不心得な者がおりました場合には、徹底的にこれをとらえてしかるべき行政処分と司法処分をする、こういう体制をとって日夜努力をいたしておりますけれども、残念ながら検査院報告に載りますような犯罪の件数を毎年見ているわけでございまして、この点の改善につきましては、大臣の御指示も仰ぎまして、日夜絶滅方に全力を尽くしているところでございます。
  174. 城地豊司

    城地委員 昭和五十三年から五十七年までの五年間で、合計百四十一件、十二億以上に上るこの種の不正事件があるわけでございますけれども、それらの内訳で見ますと、そういう事件があった、しかし、損害額の一部を補てんをしているけれども、全額の補てんが済んでいないのは三十五件、八億九千万、不正行為による損害が生じたものの全額の補てんが済んでいるものが百六件、三億二千万ということになっておるわけで、実際に不正事件が起こった、しかし、それの補てんを完了している件数は五年間見ても百六件と多いわけでありますが、そういう補てんが済んでいない三十五件、金額では補てんの済んでいるものよりこの五年間を見た限りでは多いわけでありますけれども、補てんの済んでいないものの場合にはどういう処置をしておられるのか、伺いたいと思います。
  175. 加藤祐策

    加藤(祐)説明員 ただいま未回収になっているものにつきましては、債権を設定いたしまして、毎月幾らとかあるいは年に幾らとかということで債務者から取り立てておりますけれども、犯罪を犯しました者の大方は、例えば行政処分で懲戒免職処分になっておりますので、退職金も出ておりません。家庭的にも債務を支払う能力が極めて低い者たちが多うございますので、全額の回収ということにつきましてはなかなか困難な状況にあるということを申し上げねばなりません。
  176. 城地豊司

    城地委員 では、具体的に聞きますが、そういうことで回収がなかなか難しいという事情はよくわかりますけれども、最終的に回収不能になったものの処置は、どこでだれがどのような形でする仕組みになっているわけですか。
  177. 奥山雄材

    ○奥山政府委員 先ほど首席監察官がお答え申し上げましたように、郵政省の債権として債権管理簿に載せて徹底的に追及するわけでございますが、その過程におきまして、資産がない音あるいは行方不明になったりしてさまざまな困難が生じます。しかしながら、これは国の債権管理法その他の債権管理に関する法令の定めるところによりまして、催告その他で時効を中断しながら厳正にいつまでも追うわけでございます。しかしながら、中には客観的にどうしても取ることが不能な場合が生じたことがございます。その場合には、最終的に予算の定めるところによりまして、支払い戻し補てん金という形で欠損処理をすることになっております。
  178. 城地豊司

    城地委員 繰り返しますが、欠損処理をするというと、国のお金で欠損だということで処置をされるということに理解していいですか。
  179. 奥山雄材

    ○奥山政府委員 先ほど回収率について首席監察官から御説明申し上げ、また先生からも御指摘がありましたけれども、それはあくまでも現時点における債権回収のランニングの状態でございますので、その残りの分が即欠損になることではございません。先ほど申し上げましたように、息長く時効を中断しながらずっと追っていくわけですけれども、最終的に、客観的にどうしても取れなくなった場合には、欠損処理ということで国の欠損といたします。
  180. 城地豊司

    城地委員 ですから、私が伺っているのは、どういうところまでいったときに回収不能であるとだれが判断をして、どういう形で欠損処理をされるかということを伺っているわけです。
  181. 奥山雄材

    ○奥山政府委員 お答え申し上げます。  例えば、債権管理簿に登記されました金額を、時効を中断しながら追及するわけですが、本人が死亡し、かつその相続を行う者もいないといったような場合が一番典型的な場合でございます。それを判断いたしますのは、それぞれの債権につきまして債権管理官というものが定められておりますので、債権管理官が判断いたします。
  182. 城地豊司

    城地委員 具体的な事例で御質問を申し上げますが、昭和五十七年度会計検査院の報告書によりますと、九州郵政局管内の赤池郵便局ですか、この報告苦によりますと、昭和四十五年十月から五十七年六月まで十一年半の間、三億六千百七十三万九千八百九十九円という不正な金額が表示されております。この事件で、私は検察官でもないし、ここは裁判所でもありませんから、そのことじゃないのですが、こんなに多くの金額が十一年間もわからないで、わかったときには三億幾らになっていた。この事件を徹底的に恐らく理由、原因等々について調査をされたと思いますが、きょうは時間が余りありませんから、詳しく答弁を受けておりますと時間を食ってしまいますので、大まかで結構ですから、どういうことでこれがわかったのか。またなぜ十一年間もわからないで三億円にもなったのか。しかも、これは特定郵便局でありますから、我々が聞いたところでも、特定郵便局問題はいろいろな課題を抱えているやに聞いておりますが、それらの状況について簡潔に要領よく説明をいただきたいと思います。
  183. 加藤祐策

    加藤(祐)説明員 発覚の端緒は、預金者が赤池郵便局以外のところで預金をおろしましたために、その証拠書類が地方貯金局に上がりまして、地方貯金局の書類と違っているということで監察宮が捜査をいたしまして、犯罪だということを見つけたわけでございます。  なぜこれがわからなかったかという点でございますけれども、簡単に申しますと、正規の貯金証書を金額だけ入れずに取得いたしまして、お客さんに差し上げるときには、例えば百万円なら百万円というふうに書き込んでお客さんにはお渡ししておったわけであります。ですから、お客さんは百万円貯金をした場合に百万円で間違いないと思いますけれども、役所の処理、郵便局の処理としては、例えば一万円なら一万円、こういうことで処理されておりますので、郵便局、地方貯金局の書類を調べただけでは犯罪が存在するかどうかわからぬ。お客様がおろしに来たときに初めてわかるわけであります。この赤池の局長の場合には、非常に近しい信頼を置いていただいているお客さんだけを選んでそういう犯罪をやっておりましたので、もしおろす、現金にする必要があるとお客さんが思ったときには、局長が別途の個人的な資金その他を使いまして、正規の金額を計算しまして払い戻しに応じておりましたので、お客さんも別段不都合はないということでわからなかったわけでございますけれども、初めに申しましたとおり、たまたまよその郵便局でおろしたために事件が発覚しました。なぜ長い期間にわたって多額の横領があってわからなかったかというのはそういう点でございます。
  184. 城地豊司

    城地委員 概略は理解できますが、十一年間もそういう形でやっていても、なおかつわからなかったという点は、どうしても理解できないのであります。私も郵政関係は余り詳しくありませんが、二、三の人に聞きましたら、特定郵便局というのは、大体一軒の家でだんなさんとか奥さんという関係で運営しているところが割合多い。そして、要するに一家主義でやっているということで、ある意味では、共謀と言うと言葉は悪いのですが、だんなさんと奥さんが示し合わせれば、その種のことがいつまでもわからないで済むということになっているんだということで、断定的に言う方もいらっしゃいますけれども、その辺の、例えば日々の金銭の管理とか、そういうものはどういう形で行われると理解したらいいのですか。
  185. 加藤祐策

    加藤(祐)説明員 まず、赤池のことで申しますと、赤池の局は十四名の局でございまして、特定局としては小さくはございません。ただ、局員の方々も、そういうふうに後から発言されているのでありますけれども、局長が非常に仕事熱心だということで、朝早くから夜遅くまで残ってやるということでございましたので、一人でお客さんのお金をいじるあるいは書類をいじることも可能であったわけでございます。  それから、御指摘の小さな特定局でございますと、確かに現金をいじる者と書類をいじる者とが同じというケースは起こり得るわけでございますけれども、この点については、私ども監察、経理部の監査課というところで二年に一度書類と現金をすべて当たるということで、直接郵便局の考査もしておりますし、書類は地方貯金局あるいは郵政局等に集まってくることになっておりますから、書類と現金を突き合わせることは、日にちの差はありますけれども、日々行われていることになっております。
  186. 城地豊司

    城地委員 どうもわからないのですが、もう少し詳しく伺いたいと思うのです。  郵便局というのは非常にたくさんのお金を扱います。預け入れもあれば払い出しもある。そういうのを全体的に統括しているのが郵便局局長だと思うのですね。そのほかに何々課長、何々ということがあると思いますけれども、そういう意味では、毎日毎日の現金監査といいますか、出し入れのチェックはどういうふうにやられる仕組みになっているのですか。
  187. 加藤祐策

    加藤(祐)説明員 貯金のお金が幾ら入った、あるいは貯金をおろされたのは幾らである、あるいは保険の料金は幾ら収納した、あるいは保険の支払いは幾らしたということは、全部その日のうちに一表につくりまして、係員がその表に掲げられた金額と現に金庫にある金額が合っているかどうかということを調べまして、それを局長が最終的に監査をするというのが郵便局のシステムでございます。したがいまして、局長が犯罪をしたときはどうだという御懸念は確かにあろうと思います。  話はちょっと飛びますけれども、従前は、赤池の局長がやりましたようなことは、手作業でやっておりましたので、そういう危険がございましたが、現在はオンラインのリアルタイムのシステムになっておりますので、赤池事件で起きたような犯罪は今のシステムでは起こしにくい。起こせないと申し上げたいのでありますけれども、どこでどういう頭の働くやつが考えるかわかりませんので断定はできませんけれども、少なくも赤池局長が起こしましたような事案は、オンラインになりましてからは起こせないというふうに考えております。
  188. 城地豊司

    城地委員 今、局長が毎日毎日のやつを監査をするといいますか、ちゃんと内容をチェックをして、とにかく締めをする、一日一日はそれでぴしっとなるわけですね。そうすると、局長がやったやつを、またどこかの貯金局がどこかでそれを集計してチェックをするということになるわけではないかと思うのですね。局長がその中間で、先ほどの赤池の問題のように、お客さんには書いてやるが、実際のものはどうするかということで捜査をすれば、ある時期は延ばせますけれども、長いことそういうことで延ばすわけにはいかないのじゃないかと思うのです。そういう点はどうですか。
  189. 加藤祐策

    加藤(祐)説明員 郵便局の定額貯金は十年間をもって一つの時期といたしておりますので、一つの証書でそのまま十年間いけることになるわけでございます。それで、十年間参りまして、もう一度書きかえをしてもらいたいということで局長のところへ赤池の場合持ってくれば、局長がそれを同じ方法で処理をするということをやっておったわけでございます。
  190. 城地豊司

    城地委員 私たちが一応報告を受けているのは、会計検査院検査もさることながら、郵政省の場合には内部監査が非常にきちっとしているという報告を受けておりました。しかし、現実、今私が指摘しておりますように、毎年毎年同じような事件が起こる。そのことは、ただ単に三十一万人の人が従事をしているから一年間に三十件や四十件は仕方がないのだという問題とは私は違うと思うのです。  例えば、郵政省の監察官の人たちが——監察官というのは非常におっかない存在でありますし、民間の会社でも、内部監査というので監査で指摘されたら、これは大変なことであって、私は日立製作所の出身でありますが、日立製作所のある工場に本社のそういう監査がある。監査があって指摘されると、たとえ工場長といえども、その監査が正当であればもうどうにもならないというような、それぐらい監査する人には権限を与えてある。  先ほど、七百名の監察官がいる、その他千二百名、これは監察官補佐ですか、そういう方がいるということで、これだけ内部監査制度が人的には充実しているようであるのに、なぜこういうことが起こるかということで考えてみると、どうも監察官の監査の方法そのものに問題があるような漠然とした感じがしてならないのですが、監察官というのは、日常はどういう仕事をやって、どういう形態で監査をしているのですか。
  191. 加藤祐策

    加藤(祐)説明員 監察官は全国で七百名、それから監察官補というのは、これは考査だけを専門にやる者でございますけれども、これが二百六十八名、その他事務職、いろいろと書類をつくっていただいたりなんかする方々が二百七十名ほどおります。それで千二百名ほどでございます。  全国に郵便局は二万三千ほどございます。簡易局を含めて二万三千ほどございまして、これを二年に一度主として監察官が考査に回る。そのほか犯罪とかその他のことあるいはお客さんからの申告等がございますれば、随時郵便局に考査に参りますので、大体一万五千局を毎年考査いたしております。先ほど申しましたとおり、監察官はそのほかに、例の郵便物が届かないよというようなお客さんからの御申告等十万件の調査、それから今言いました郵便局の考査一万五千、それから犯罪の危険があるということで捜査をいたします件数が四千件ほどございますので、七百名では多いではないか、充実しているではないかというお話がございましたけれども、全国的に考えてみますとそう多くはない。例えば、先生の御出身の茨城県では水戸に監察支局を置いておりますけれども、今正確に覚えていませんが、全員で十名足らずの職員でございまして、監察官は数名でございます。その者をもって茨城県全体のそういった調査、考査、捜査に当たっているわけでございまして、結果として十分な成果を上げていないではないかというおしかりは甘んじて受けざるを得ないと思っておりますけれども、監察官一人一人は非常に熱心に頑張ってもらっていると私は確信いたしております。
  192. 城地豊司

    城地委員 私が考えておるのは、今首席監察官からお話があったことと違って、七百名の監察官というのは監察業務だけでしょう。日常業務は監察業務ですね。七百名いて、そしてその人たちが十日やると七千名分ですね。百日やると七万。そうすると、二万あるのも、百日やっただけでも一人の人が全部の郵便局、大小ありますから一概に言えませんが、とにかく三、四回行ける。実働日数からすると、百何日休んだにしても、年間二百四、五十日実働日数があるわけですから、そういうことからすれば、例えば二年に一度の監察ということではなくて、もっともっと頻度としてもできるような感じが漠然とするわけです。そういう点についてはどういう計画で、余り立ち入って、私専門じゃありませんからわかりませんが、素人考えですが、そういうことで監察官が監察だけをやっていれば、少なくとも監察というのは、何も書類の端から端まで全部見るのじゃなくて、監察の要領がありますから、どういう帳簿を押さえてどれをやれば大体ある。あとは日常業務をやっている人はやっている人なんですから、そういうことで、監察というのは要点をチェックしてやれば相当成果が上がると思うのですけれども、どういうふうなやり方で具体的にやっておられるか。
  193. 加藤祐策

    加藤(祐)説明員 小さな特定郵便局、無集配の特定郵便局、局員さんを入れて数名というようなところについては、考査をする場合には一名の監察官が二日をかけております。それから、例えば水戸郵便局というような大きなものになりますと、通常それぞれの課に一名を配置するということで数日かかっております。例えば郵便課、貯金課、保険課、集配課、それから会計課といったようなところに一入ずつつけまして、数日かかる調査をいたしております。ただ、おっしゃるように、要領が悪いのではないかということは、我々の中の議論としてもございまして、昨年から防犯に重点を置くべきではないかということで方向転換を今いろいろと考えております。なかんずく大臣の御指示もありまして、コンピューターを使って資料を整備する。その資料に基づいて科学的な分析をするというようなことについて、おくればせながら今鋭意努力を開始しているところでございます。  それから、二年に一度というのは余りに少な過ぎではないかという御指摘でございますけれども、私どもも確かにそう考えておりまして、特定郵便局については少なくとも年に一度はお邪魔する。事業全部にわたっての考査でなくて、その局についてどこか問題点があれば、ワンポイント考査と申しますか、そういうことで少なくとも特定郵便局については年に一度考査等にお邪魔する、臨局するということを五十九年度からは実施いたしております。
  194. 城地豊司

    城地委員 会計検査院にちょっと伺いますが、会計検査院のこの報告書を作成するに当たっての検査というのは、どういうふうな形でどういうふうに行われるわけですか。
  195. 佐藤雅信

    佐藤会計検査院説明員 お答えいたします。  会計検査院検査報告に掲記してございます。その不正行為は、すべて会計検査院法第二十七条、それから会計法第四十二条の規定に基づきまして、郵政官署の方から報告を受けたものでございます。  したがいまして、今御指摘のような、どういうふうな検査をして発見したかという、それは私どもの方で発見したという事態ではございません。
  196. 城地豊司

    城地委員 それではっきりわかりましたが、結局は郵政省の監査というのは内部監査だけ。言うなれば、会計検査院は、その内部監査をして得た報告に基づいてこの書類を作成しているということなのであります。だとすれば余計、郵政省の監察といいますか、監査制度を充実させなければならない。これも先ほど申し上げたことと重複しますけれども、私は何も監査制度というのは、どれもこれも全部監査するなんということは絶対不可能なことであります。これだけ多くの金額、そしてこれだけ多くの三十一万人が仕事をやっている、そのことを一人一人何かやるんじゃないかというようなことで監査していたら、当然それは監査してもし切れないわけであります。そういう意味で、今年度大分新しい方法でやっておられるとうことで、その面では安心するのですが、私が仄聞するところでは、どうも監察官、内部の監査というようなものがある意味では十分行われない嫌いがある。  それと、もう一つは、先ほども若干指摘をいたしましたが、日常の毎日毎日の現金出納なり監査というよりは、日常業務ですね、そういうことに一部問題がある。特に特定郵便局においては何か、先ほどの赤池の例は十四名ということでありますが、非常に人数が少ない。そのために、言うなればツーカーで、とにかくああそれはあした頼むよというようなことでやれば、そのまま明日に持ち越すというようなこと等があるという話も聞いています。いずれにしても、この種の問題は、先ほど会計検査院から職員のモラル問題というふうに言われましたが、私はモラルといっても、人間だれでもだれも見ていないとすれば、例えばそこにお金が落ちていれば拾いたくなるような、これは当たり前のことであるし、そのために監察制度もある。だからといって、そういう窮屈にぎゅうぎゅう締めるのが、こういう不正事件や事故をなくするということではないと思うのです。もう少しそういう点で機能的に監査制度というようなものを打ち立てる必要があるような感じがいたします。  きょうは、先ほど申し上げましたように、時間がこの程度しかありませんから、専門的な関係でとかもう少し突っ込んだ点の指摘は難しいと思いますけれども、どうも漠然と監査をしているだけではやはりまずいのであって、問題の出るところは、この事故報告等を見ても大体共通している課題がかなりはっきりしてきていると思うのです。そういうことからすれば、監査もどこに重点を置いてどういうふうに監査をするか、それでも恐らく不正事件や事故が起こるでしょう。それは起こっても、人間の社会ですから、事故をゼロにしろといってもそのことは無理だと思うし、私自身それはゼロが望ましいが、そんな空論を言っているわけではないのですけれども、先ほどの赤池郵便局事件のような問題が十一年間もわからないでいる、そういうような事態、そして毎年毎年これだけ多くのそういう不正事項指摘をされる、しかも、その指摘事項が内部監査の結果の報告であって、会計検査院はその報告をもとにしてこの報告書をつくるということであります。そういう意味で、内部監査を疑ってかかる必要はありませんけれども、内部はあくまでも内部の監査なんですから、そういう意味で若干の疑念と言うとおかしいですが、自分の悪いところは出したくない、これは人情でありますが、それと同時に、やはり出さなければならない、監査をしなければならないという監察官の人たちの気持ちもわかるわけです。しかし、どうもそういう意味で監査制度そのものが少し一本何か欠けているのじゃないかという感じがするわけでありますけれども、私の杞憂であれば幸いなんですが、これらの内部監査の充実等について大分指示をされておられるようですが、郵政大臣の今後の対処についての御所見を伺いたいと思うのです。
  197. 奥田敬和

    奥田国務大臣 本当に国民の皆さんの汗とあぶらの結晶とも言うべき大切なお金を預っておる、特に貯金業務に携わっておる、現金扱いをしておる皆さん方には、つとにこのことについての使命感と申しますか、防犯意識というものについては強く要請をしている、あらゆる機会をとらえて、特定局長会議等々でも、このことはまさに郵貯の原点、信頼の原点にもつながることですから、強く言っているところでございます。  他面、確かに、防犯意識の高揚あるいは監査制度の予備チェックの機能の充実等々も大事でございますけれども、それと同時に、システム自体が、限りなくこれをゼロに近づけていく意味においても、このオンライン・ネットワークで即日、金銭の出し入れはもちろんのこと、今CDクレジットで、ああいったキャッシュディスペンサーなんかでカードでいつも出し入れする、そういう形で、実はこの犯罪の起きた赤池の原因を聞いてびっくりしたのでございます。今先生の御指摘のとおり、なぜかということに非常に大きな疑念を持ったことは事実でございます。しかも、監察官は内輪とはいえ非常にこういった意識が高い精鋭をそろえているということもございまして、まさに郵貯事業の原点を支えておるという使命感に燃えてやっていることも事実でございます、しかし、地域的に密着している特定局あたりは、どちらかというと、預金される側の皆さん方も平生の日常生活の中で親近感を抱き過ぎて、自分のそういった自己チェックもある程度ルーズになさっておられるという実態も事実でございます。ですから、赤池の場合なんかは職員間の信用は絶大でございまして、しかも残業は進んでやる、この残業を進んでやるところがくせ者であったわけでございますが、いろいろな意味合いにおいて、職員間の信望も厚い、地域の奥さん方の信望はこれまた絶大である、まさに二重大格と申しますか、骨用を逆手にとった知能犯でございました関係上、本当に御指摘のとおり遺憾千万の結果になったということでございます。  今後ともそういったシステムの改善、モラルの高揚を含めて、監察官の職務意識というものを常に啓蒙いたしながら、今御指摘のように、確かにチェックポイントが、犯罪を主にした予防措置から言うチェックポイントもあるわけでございます。そういった形を今新しく検討させて、しかも一年最小限一局、特定局の場合は特に一年に一度という形で、それも抜き打ち監査という形の方向の中で、夢物語に近い理想目標かもしれませんけれども、限りなく物心両面のそういった機能充実によって犯罪をゼロに持っていくべく努力させようということで意気込んでおるわけでございます。
  198. 城地豊司

    城地委員 時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。  どうか、ただ単に不正事件が起こったその現象だけをとらえるのではなくて、先ほど言葉が足りませんでしたが、その原因がどうなのか、そしてまた、そういう意味での監査体制その他、そういうことが起こらないようにするのにはどうしたらいいのかということを含めて、ぜひとも前向きで検討していただきたいということと、私はきょうは郵便貯金特別会計の問題についても質問を用意したのですが、時間がありませんので、後日に譲ることにして、以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
  199. 横山利秋

  200. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 郵政大臣の所管に属する公益法人の一つ郵政互助会についてお聞きするのでありますが、この「財団法人郵政互助会寄附行為」、つまり定款を拝見いたしますと、その第三条「目的」に、「本会は、郵政省職員の相互扶助を行い、もって郵政省職員の福祉増進と郵政事業の発展とに寄与することを目的とする。」こう書いてあるわけであります。同時に、そちらからいただいた資料によりますと、この公益法人郵政互助会についてでありますが、「設立」「昭和二十九年十月一日」、「事業」「退職給付事業」とありまして、「会員から毎月俸給の三%を掛金として徴収し、退職又は死亡のさい給付金を支給。」「加入者数二十六万二千人」「加入率八四%」、「役員」「会長魚津茂晴」その他ずっと書いてありますね。  そこで、お伺いするのでありますが、この公益法人郵政互助会の現在の総資産はどのくらいになっていますか。
  201. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 今先生の御指摘になりました郵政互助会でございますけれども、郵政大臣が監督する公益法人でございます。現在会員から寄附金を受けまして、そして今までの資産でございますが、その積立金昭和五十七年度末において一千九百三十八億円、こういうことになっております。
  202. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 今御答弁ありましたように、これは零細な職員積立金でありまして、その総額からいいますと、まさに日本一金持ちの法人だ、こういうことにもなろうかと思います。しかし、この法人はこれまでも何度か国会で問題になったことがございますね。例えば、特定金銭信託方式をとって公益法人に許された限界を越えた融資の仕方だとか、会員外貸し付けなどで、怪しげなと言えば語弊がありますが、不良会社に膨大な融資をした問題だとか、土地を対象に投資をするのに、買い戻し特約付の条件で好ましからぬ使用料を取ったとか、そういう問題でたびたび指摘を受けたことがございますね。あるかないかで結構です。
  203. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 ただいま先生御指摘の点につきまして、過去郵政大臣から三回ほど勧告をいたしております。
  204. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 国会で問題になったことがたびたびありますねということを聞いたのであります。
  205. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 国会でも取り上げられたことがあると承知いたしております。
  206. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 今はしなくも答弁がありましたように、郵政省自身でさえもこれまで何回かにわたって立入検査をしたり、また検査結果についての勧告をしたり、さらにその勧告に十分従わないからということでまたまた勧告してみたり、いろいろなことをやっておりまして、その中には例えば子会社、こういう子会社についても、その経営刷新の問題について指摘をして勧告した、こういう事実もありますね。
  207. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 ただいま申し上げましたとおり、大臣から三回勧告をやりまして、立入検査をやった、そういうことがございます。
  208. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 子会社の分までやったということはお認めになりますね。
  209. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 郵政大臣が直接監督するのは郵政互助会でございますので、郵政互助会に対し立入検査をやり、あるいは勧告いたしたということでございまして、先生のおっしゃる子会社なるものに対しては、これは互助会から聴取をし、それに対するいろんな指導監督、こういったことでございます。
  210. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 そんなことを聞いているんじゃないんだ。例えば、昭和五十年十月十四日、郵政大臣村上勇、その名前で当時の会長に対して、郵政互助会の検査の結果についてその二項目、「日本弘信産業株式会社の経営改善について」、ちゃんと書いてある。そういう子会社に至るまで一連のものとして皆さんが御心配になったということだと思うのですね。それは一々答弁をとる必要もないと思うのですよ。  そこで、私お聞きするのでありますが、昭和五十六年六月二日、参議院逓信委員会で我が党の山中郁子議員が質問いたしまして、この郵政互助会の関連会社、子会社あるいは系列会社などについて監督責任の問題でいろいろ論議した経緯がございます。これはきのう皆さんの方にも十分見ておいていただきたいということを、私、政府委員室を通じて申し上げておいたのですが、その結論として、当時の郵政大臣の山内一郎さんが、「互助会から出資をいたしておりますから、これはやっぱり互助会の一つの仕事でございますから、それが健全であるかどうかということは当然監督の責任があると解釈しております。」こうおっしゃっていますね。これは今もそういうことに間違いないね。
  211. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 ただいま先生おっしゃいましたとおり、郵政互助会に対して監督責任がございまして、さらに子会社、これに対しましては、その子会社の運用というものを、これが健全な運営あるいは信用を損なうおそれもある、こういうことに対しまして子会社に対する指導を強化する、こういった意味から子会社に対しても責任がある、この旨答弁いたしております。
  212. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 そこで、お聞きするのでありますが、この「郵政互助会から出資している出資法人一覧」というものをきのう皆さんの方からいただきました。これを拝見いたしますと、やはりいろいろ子会社があるのですね。日本弘信産業株式会社、弘信商事株式会社、弘信観光株式会社、互興建設株式会社、津久井湖観光株式会社、こういういろんな会社がございまして、いろんな仕事、ホテルをやっているのもあれば、ゴルフ場の経営もあれば、不動産の売買もあれば、手形の割引その他もあるわけでありますね。それなりにその会社に互助会が大半の資金を直接出しているわけでありますが、こういうのは子会社だということだと私思うのです。そのほかに孫会社というものがあるわけですね。これはやはり皆さんからいただいた資料ですが、「関連会社の出資による会社一覧」というものをいただきまして、これを見ますと、例えば、今、子会社と申し上げました弘信商事株式会社が出資しておる会社の中には、株式会社イチビルあるいは株式会社福商、これは九州にあります。それから日本弘信産業、これも子会社ですが、それから出資する会社にコーシンホーム管理株式会社というのがありますね。つまりこれは孫会社だと思うのですね。人脈から資金からいろいろな面で工作しながら、郵政互助会の本来の任務に尽くしていらっしゃるだろうと思うのでございます。私が調べたところによりますと、そのほかにも信友リースという株式会社がございます。これは端的に言えば、いろんな系列からいえばひ孫の会社に当たると思うのです。子から孫からひ孫から。これは昭和五十四年六月に設立した会社でございますが、郵政互助会の孫会社に当たる福商だとかイチビルだとか、こういうところの役員が全部派遣されてやっています。その発行済みの株式数七万八千株のうち、それだけでも株数の八五%を持っているわけです。人脈の流れも、当然、互助会の元理事であったり、あるいは福商、イチビルの取締役を兼ねている。こういうことを見ても一目瞭然な会社であります。  そこで、私聞きたいことは、一体なぜ次から次に、この公益法人の郵政互助会が子会社をつくり孫会社をつくりひ孫の会社までつくるのか、ここはちょっと解せないところでありまして、そうしなければ、定款の「目的」にある「郵政事業の発展」だとかあるいは「相互扶助」ができないのかどうか、非常に私疑問に思うのでありますので、この点に対する御見解をいただければありがたいと思います。
  213. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 私ども、互助会に聞いたところによりますと、先生おっしゃるいわゆる子会社のまた孫会社というのですか、福商とかコーシンホームとかそういったところは一応孫会社に当たる、こういったことは聞いておりますけれども、その地ひ孫、そういったところについては私ども聞いておらないのでございます。ただ、いずれにいたしましても、互助会というものが、先ほど一番最初におっしゃいましたように、郵政職員の退職給付、こういったことのために資産の効率的運用のために弘信商事あるいは弘信産業といったものに乗りましてやっておる、そのように承知いたしております。
  214. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 孫会社、例えば信友リースをもう一回詳しく言いますと、この定款で見ますと、土居下さんという取締役さんが株式会社福商の取締役でもあるんですよ。それから西沢邦夫さんという、この人は亡くなっていますが、この奥さんがイチビルの社長ですね。それから笠さんという方も取締役にいます。これは株式会社福商の取締役です。それから取締役小畑さんという人もいます。これは元互助会の理事です。それから松岡さんという方、これはイチビルの取締役を兼ねていますね。つまりみんな全部人脈はもうばっちりです。  それから、資本の流れも、この信友リース一つ見ただけでも、イチビルから三二%の株を出資して、そのほか役員を派遣している。これは今わかりましたね。それから株式会社福商から三二%の出資をして、役員を派遣しているでしょう。この福商というのは弘信商事の一〇〇%出資なんですよ。そういうことを見れば一目瞭然、これは孫会社だということは明らかじゃありませんか。どうですか。
  215. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 子会社、孫会社、そういった点でのいろいろな御議論があるかと思いますけれども、私ども聞いております限りは、こういった今先生御指摘のあれにつきましては、株式の出資というもの、そういったものがやはり五〇%以上ということが子会社あるいは孫会社、そういったもののあれであろうかと思います。いずれにいたしましても、これらにつきましては、比率はその五〇%以下であって、そういった孫会社あるいはひ孫会社、そういったものに当たらない、そのように聞いておるところでございます。
  216. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 冗談じゃないですよ。今私言ったでしょう。信友リースの七万八千株の発行済み株数の中で、株式会社福商が二万五千株持っているのですよ。イチビルが二万四千九百六十株持っているのですよ。それだけでも六四%ですよ。そのほかに株主七名が一万六千八百四十株。この株主は全部ダブっているのですよ。それを合わせますと八五%ですよ。当然でしょう、あなた。
  217. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 お答えいたします。  商法上の定義によりますと、子会社というもの、第二百十一条の二でございますけれども、他の株式会社の発行株式の総数の過半数に当たる株式あるいはその過半に当たる出資口数を有する会社、このようにされております。したがいまして、これにつきましては、やはりその過半数を占めるというのが子会社の要件であろう、このように考えております。そして、まずその子会社でございますけれども、先生のお手元の資料に差し上げましたように、コーシンホームあるいは福商、そういったものは子会社でございますけれども、その他の先生のお挙げになったものは、それは株式その他につきまして過半数は占めていない、したがって、そういうところは子会社に当たらない。そういったもののそれから先というものにつきまして、これまたその過半数に当たらない、そういったもので、我々が互助会から徴したところによりますと、これらは子会社あるいは孫会社、そういったものには当たらない、このように理解しておると聞いておるところでございます。
  218. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 今言ったでしょう、八五%を占めているでしょう。過半数を占めているじゃないですか。しかも、なぜこういうものが次々つくられるかということは、これはやはり先ほど言いました昭和五十六年六月二日、参議院の逓信委員会で、おたくの岡野裕さん、今どうなっているか知りませんが、政府委員ですよ。こういうことを言っているのだな。「三十年後退職一時給付金ということで支給をします場合には、その掛金の運用ということをどうしても必要とする。ということでありますならば、これは長期の安全な、しかもある程度の利率を確保するというような運用であらねばならないという、そういうような角度の中からあるいは弘信商事あるいは弘信産業といいますような子会社というものもできてまいった。ということでありますならば、やはり弘信産業とか弘信商事といいますものの会社の営みが経営としておかしくなりますならば退職給付事業そのものがおかしくなるというようなことがあってはならないという意味では私どもは十分限をこらしている」とおっしゃっている。  つまり、この信友リースも同じような意味で、これがおかしくなれば、今、私はそれを証明しますけれども、必ず互助会がおかしくなります。なぜかというと、先ほど申し上げましたように、そこに出資している、その流れ図を見ましても、例えば郵政互助会から弘信商事に九九%、これは完全に子会社を認めたわけです。福商も認めたわけですね。これも役員を派遣して一〇〇%出資していらっしゃるわけですね。それがこのイチビル、これも皆さん認めていますが、両方合わせて六十何%やっている。そのほかにダブっている役員がやったのを含めれば八十何%になるわけですからね。  そんなことを論議していれば時間がなくなるわけですが、これからいよいよ本論に入らせていただくわけです。  ここに有価証券報告書というのがありまして、サラ金の武富士、その十六期、つまり五十七年十二月一日から五十八年十一月三十日、信友リースが武富士に十億円の融資をしております。それから有価証券報告書レイク、これの五十七年一月から五十七年十二月の第二十期、これには短期借入金、イチビル、先ほどあなたが認めたでしょう、これが運転資金としてレイクに二十四億円融資しております。アコム、この有価証券報告書によりますと、第六期、五十七年十二月から五十八年十一月まで、これには信友リースが十億円融資しております。それからアコム、五十六年十二月から五十七年十一月、第五期、これには信友リースは十億円を融資しております。  これは先ほど言いましたように、あなたがどんなに否定したって、先ほどあなたが認めたイチビルでさえも資本金わずか一千万円ですよ。一千万円の会社が二十四億円もどうして融資できますか。信友リースは三千九百万円の資本金ですが、十億円単位で金を動かしているのですよ。これらは郵政互助会や弘信商事、そういうものをバックにして初めて可能になるということは明らかではありませんか。あなたはいろいろなことを言いますけれども、なぜ率直にそういうことを認めないのですか。同時に、この寄附行為の目的からして、定款の目的からして、こういうやり方はいいと思うのですか。
  219. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 先ほどから先生にお答え申し上げておりますとおり、子会社から孫会社の表を先生のお手元にお届けしたわけでございますが、子会社あるいは孫会社、そういったものは規定としまして五〇%以上、そういうことを申し上げまして、コーシンホームそれから株式会社福商、これは子会社あるいは孫会社と言えるであろう、こんなことを申し上げたはずでございますけれども、先ほどから先生御指摘の信友リースあるいはイチビル、そういったものにつきましては、いずれもとにかく子会社ないしは孫会社、そういったものには当たらない、そのように御返事を申し上げているとおりでございます。  いずれにいたしましても、基本的に、その一番の根本というものは郵政互助会ということでございまして、この郵政互助会の資産運用ということに対しましていかにして指導監督するかというところが我々の基本的なことでございます。まず第一義的には……(中川(利)委員「だれもそんなことは聞いてないよ」と呼ぶ)第一義的には、弘信商事それからその子会社、そういったものが融資のあれで、この資産運用、その限りにおいてこれが運営に誤りなきを期する、こういったものをやっているところでありまして、そういったものに対して、我々といたしましても、互助会に対して十分なる注意、指導というものをやっている、こういうところでございます。
  220. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 当時の山内大臣が、子会社その他についても「互助会から出資をいたしておりますから、これはやっぱり互助会の一つの仕事でございますから、それが健全であるかどうかということは当然監督の責任がある」、こうはっきり述べているわけですね。これはひ孫だの孫なんということで区分けをしているわけではないのですよ。  まして、私申し上げたいことは、これは最近の「郵政互助会ニュース」です。互助会が発行しているものですよ。「信用保証事業」と書いてありますね。その欄を見ますと、「関係法人とはこれまでより一層連携の強化を図り、経営基盤の強化と収益の向上に努めます。」と書いてある。関係法人ということは、政府にとってはどうか知らぬけれども、互助会にとってはまさに関連でしょう。こういうものにどんどん金を流して債務保証しているわけですね。だから、こういう弱小の会社でも、銀行へ行って十億借りる、はい、来たれ、全部債務保証しているからですよ。ですから、あなたの言い分によれば、そういうふうにダニみたいに隠れた形でやったら何でもできるということになるのですよ。こんなことをあなた許して、そういうことでいいかということですね。ちゃんとここに関連企業と書いてあるでしょう。  そこで、お聞きしたいのは、それならば、あなたがそうおっしゃるならば、いわば信用保証事業であるところの郵政互助会の債務保証、五十八年末にこれらの会社に対して全部含めて何ぼしているのか、あなた御存じですか。
  221. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 郵政互助会の子会社に対する信用保証というものは、弘信商事、弘信産業、それから弘信観光と、いずれも合算いたしまして総計八百二十五億円の信用保証をいたしております。
  222. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 それだけ大量の信用保証をしているのでしょう。しかも、それらの会社が次々それに対してまたやっているわけでしょう。そうして、皆さんの目の届かないようなところでサラ金に——社会的に大変問題があるのですよ。そういうものに融資しているのですよ。いずれの流れもはっきりしているじゃありませんか。私申し上げたいのは、そういう言い逃れが通用する限りこういう問題はなくならないということですよ。あなたそんなことを言っては身内身中をかばっていることになりますよ。物事に筋目、けじめをつけなければならないということですよ。このことは大事なことだと思いますが、大臣はどう思いますか。
  223. 奥田敬和

    奥田国務大臣 何か職員の出資のお金も含めて物すごく巨額なお金が運営されておるということです。大臣の所管である公益法人でございますし、たとえ合法的であったとしても、サラ金へということは、互助会の性格からいって決して好ましいとは思いません。
  224. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 皆さんの仲間の郵政省職員が毎月の給料から三%を差し引かれて、助け合いだ、相互扶助だといってなけなしの金を納めて、そのお金がめぐりめぐってサラ金の原資に使われているとすれば、会員の職員の人だって浮かばれないだろうと思うのです。  現に、私のところに皆さん方の仲間から、郵政省職員がサラ金の返済に追われて悪いことをしたという問題が報告されているのです。例えば、大阪府の東成の大今里局員の方は、サラ金から金を借りて返済に窮して、返済金欲しさに窓口で切手売りさばき代金四百九十万円横領、五十五年五月から六月までの犯行。これは懲戒免職になりました。福島県の吉倉というところの局員さんは、お父さんの入院費用に充てるためサラ金を利用、返済金欲しさに定額貯金預入金など約百七十万円横領、五十七年一月から五月。長崎県の長崎住吉郵便局の局員さんが、サラ金から借りて返済金欲しさに保険の貸し付け関係書類を偽造して貸付金約八百八十万円を領得した、五十六年十一月から五十八年一月まで。わずかに七%かそこらの利息つきで還元されるという予定で納めたお金が、結局は自分の首を自分でくくるようなサラ金の金に転化しているという事実があるじゃないですか。なぜあなたはそれをかばうようなことを言うのですか。今、大臣でさえもそう言っているのですよ。郵便互助会、公益法人のあり方からしても、郵政職員の福利厚生に資するという目的から見ましても、こうした資産資金運用に対してまでも十分監督を強めるべきだと思うのです。この点について大臣の所見をいま一度お伺いしたいと思います。
  225. 三浦一郎

    ○三浦政府委員 郵政互助会から聴取したところでございますけれども、互助会の子会社の弘信商事は、手形の再割り業者であって直割り業者ではない。こういうことでサラ金の手形を直接割り引くことはない、融資もしていない。また弘信商事の子会社でも一切そういったことはやっていないとのことでございます。また、ただいま大臣のお言葉がありまして、私どももこれにつきましてはさらに厳重に指導していきたい、このように存じております。
  226. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 だれも互助会がサラ金に融資しているということを言っているのじゃないのですよ。そういうからくりの中にやられているからこそ私は問題にしているのです。大体郵政互助会というのは、手足をいろいろと縛られているから自分でそういう金もうけができないのです。だからこそこういうことになっていくのでしょう。仕組みはそういうことなんです。  特に、互助会の役員の一部、これは寄附行為、定款によりましても、評議員のうち何名かは大臣の任命によるものなんです。ですから、大臣は非常に重要なお立場にあると私は思うのです。そのことを含めまして、今いろいろ当局者の身内身中意識を丸出しにしたお答えもありましたけれども、客観的に国民の立場から見て、また零細な二十六万人の郵政省職員のお気持ちを考えるならば、このようなことを早速やめさせるべきだと思いますが、大臣の御所見をいただきたいと思います。
  227. 奥田敬和

    奥田国務大臣 詳細については今後の検討課題といたしたいと思いますけれども、確かに、公益法人として国会なり国民のそういった指弾を受けるというようなまやかしい仕事に、子会社、句会社といえども手出しをするような形はないように、特に人事面も含めて監督指導してまいりたいと思っております。
  228. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 最後に、ちょっと違うことでありますが、特に大臣にお聞きしたいのですけれども、大臣が電波の免許その他を持っているラジオ福島の件ですが、ラジオ福島の社長は問題の小針暦二氏であります。これは大量の使途不明金を出している疑惑の人物ですね。こうした人物が免許を受けた放送事業者となっているということです。行政の信頼性、電波の公共性からいたしまして問題があると私は思っているわけでありますが、大臣は直接任命権者でないわけでありますけれども、こういうことでは電波の公共性も非常に損なわれる問題であると私は思うのでありますが、そこら辺について、大臣は、一定の勧告なり前向きの助言をするなりしてはっきりした態度をとらせる、そういう方向で努力をするということが大事だと私は率直に思うのでございますが、これについていささか御所見をいただければありがたいと思います。
  229. 奥田敬和

    奥田国務大臣 今、個人の名前を挙げての御指摘でございましたけれども、私も、先般の予算委員会の審議の中でも、また新聞報道等からでも、大体のことは存じております。疑惑であるか疑惑でないか、使途不明金をめぐっていろいろ話題になっておることでございますから、これらの真相の経緯を踏まえたいと思っております。特に、公共放送機関、電波は有限で貴重な国民資産でございます。わけても、その経営を委託しておるということになった場合、こういった事実が明らかになる過程と同時に、こういった面においても、適切に再免許等々においても指導してまいりたいと思っております。
  230. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 一言申し上げて終わらせていただきますが、きょう、このほかにも富士宮の例の土地問題、これは工業団地の問題だとか、あるいは例の霊園の付近の問題だとかいろいろあるわけでありますから、せっかく準備してきた皆さんに大変申しわけないのでありますが、時間の関係上、きょうはその点を後にさせていただきまして、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  231. 横山利秋

    横山委員長 次回は、来る五月九日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十八分散会