○阿部(昭)委員 特に
建設省が、これは県段階、地方段階まで相当徹底したようで、これは大変いいことをやっておるなと思っておるのは、ランクづけということをやっておる。したがって、でかい業省が地方に来て、前は地方の小さな
工事まで全部入札に参加するようにした時代があった。相当無理をやった時代がありました。今は何かランクづけとかいって、でかいものは小さい
工事の受注には余り参加をしないように区切っておる。これは大変いい制度をやっておるなと思います。しかし、問題は、地方段階で相当大きい
工事になりますと、元請である大手は、重機、機材その他要員はほとんど、監督はわずかだけ、あとは全部地方の業者を下請に使う。その下にまた孫請を使う。その下にまた四段階目に請負があるということになりますと、大手と次の請負は大体しっかりした契約をやっておるんですよ。しかし、その下請から孫請段階になると、契約なんという契約らしいものはほとんどない。いわんや四段階目の請負なんかになったら、全然真っ当な相手などしておりませんね。したがって、かねての業法改正、私の記憶では十二、三年前ではなかったかと思いますけれども、あの際に、元請の責任というものを相当はっきりさせようということを、いろいろな分野で私は業法改正にかかわったという思いがあります。それが現場段階では実際はどうかということになると、必ずしもまだそう徹底してはおらないという意味で、ぜひひとつ制度的に、単なる
指導といったような領域を超えた厳しい何かがもう一つなければいけないのじゃないかというのが、私がきょうこの問題を提起しておる気持ちであります。
時間がありませんので、次は、
住宅金融公庫の問題、これは先ほどもお尋ねがございました。この
住宅金融公庫の
住宅融資政策というものが、我が国の
住宅建設というものを非常にいろいろな意味でいい
状況をつくったと言っていいと思うのであります。戦前などは、こんなような
住宅建設に対して長期低利の融資の制度なんというものはまるっきりなかった。その意味では、
住宅金融公庫を中心とする
住宅資金政策というのは、やはり今日の我が国の
住宅状況をがらっと大きく転換させた原動力になっただろうと思うのであります。
ただ、問題は、きょうこれはぜひお願いをしておきたいのでありますが、全国の地域によって若干の傾斜があるのでありますが、甲
地区、乙
地区、丙
地区といろいろ割っておるわけでありますが、一番多いのは丙と呼ばれる地域であります。この地域になりますと、
住宅を一戸建てようとする人に、融資限度枠は四百八十万であります。四百八十万では今日家などは全然建ちませんね。そこで、最近、それに加えて一般民間のローンをあわせてやっていくとか、ところがローンをあわせてやっていこうという場合に、
住宅公庫は、わずか四百八十万の融資だけれども、土地建物、一番担保を必ずとらなければいけない。一番担保をとられた後に民間の金融機関のローンを設定しようといっても、そうは簡単にいかない。したがって、最近非常に一般的に現場で有効であるのは、厚生年金なり国民年金なりあるいは共済年金なりの
住宅還元融資というものと
住宅公庫をあわせて借りて、そして
住宅を建てるというのが非常に一般的に広がっているのであります。
その中で、
建設省でぜひ頑張って厚生省なりその他の方面と話をつけていただきたいと思いますのは、私が承知しておるのでは、
住宅金融公庫で融資の対象にして一年間に百戸家をつくるということになりますと、年金からの
住宅還元融資とあわせ借りをして家をつくっておるというのが四十戸、大体四〇%なんであります。
公庫で家を建てる場合ですよ。ところが、私が現場段階ずっと調べてみると、地域的にばらつきがあるのかどうかわかりませんけれども、国民年金の
住宅還元融資を受けたい、あるいは厚生年金で
住宅還元融資を受けて
住宅公庫融資とあわせ借りで家を建てたいという希望があっても、年金からの還元融資はくじ引きになっちゃう。したがって、
公庫は借りて、これは私の地域では四百八十万ですから、本当はもう六百万くらいの厚年なり国年なりの還元融資があるという前提でかかったところ、そっちの方は抽せんでだめになりました、それでなかなかうまくいかぬという例が非常に多い。したがって、私は、この年金からの
住宅還元融資は、少なくとも
住宅公庫で融資を受けることになった人は希望するならば一〇〇%受けられるように手だてをすべきじゃないか。希望者はですよ。これは最後にいって抽せんということになるものですから、大変弱っている例が多い。私は、今日この
住宅建設が我が国の景気全般に及ぼす影響というのはまことに大きい、単なる建築に関係する人たちだけの景気の問題じゃなくて、相当広い分野に、地域経済に
住宅建設というのは大きい影響をもたらす。そういう意味では、
住宅公庫の融資を受ける人が希望するならば、年金の還元の
住宅資金のあわせ借りは、抽せんではなくて必ずできるというような
状況にするのに、そんなに私は――国年で言えば、さっき聞いてみると希望者の七〇%を融資対象にしておる。厚年の場合は三割くらいでずっと少ないけれども、それは何も
公庫を通じて厚生年金の融資を受ける人ばかりじゃなくて、
事業所の窓口で借りる人もいる、あるいは年金の福祉協会か何かの窓口で借りる人もいるのでパーセントはもっと高いだろう、こういう話であります。そこまでパーセントが高いのならば、私は、
住宅公庫の融資を受けて家を建てようという人が希望するならば、
住宅還元融資は抽せんでなくて全部が借りることができるように道を開くべきだと思うのであります。ぜひ御努力を願いたい、御尽力を願いたいと思うところでありますが、御見解を承りたい。