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鎌田会計検査院長 会計検査院と
行政管理庁との相違につきましては、御承知のとおり、両者のそれぞれ置かれた位置、
検査と監察の目的、
方法というものが違っております。
すなわち、まず存立の基盤、職責について申し上げますと、
検査院は国の
収入支出の
決算等を
検査する
機関として、憲法上にその根拠を持ち、内閣から独立した外部
監査を行う
機関であるということでありますのに対しまして、
行政管理庁は、
行政の効率的な運営を図るため、総理府の外局として内閣の統轄のもとに
行政機関の業務全般の実施
状況を
対象とし、
内部監査を行う
機関であります。
次に、
検査院の
検査と行管の監察との相違でありますが、
会計検査院は、常時悉皆的に
会計経理を
検査するという立場から、
会計経理の正確性、
合規性から出発いたしまして、さらに
効率性、
有効性にまで及ぼす
検査を行うと同時に、
重点事項としたテーマについての
検査を実施しているわけでございます。しかも、事実を計数的に突き詰めていかなければならない。そしてその上で
問題点を取り上げていくというのが
検査院の基本的な姿勢でございます。
一方、
行政管理庁の監察は、仄聞するところによりますと、毎年、
年度計画あるいは四半期計画を立ててテーマを定めて、そのテーマを指向して管下の支局等を動員いたしまして監察を実施し、あるいは時期に応じた臨機応変な監察を行う、こういうふうに承っております。
両者の間には、このように目的、立場、
方法上の相違点があるために、両者の間で連携または調整するということは困難な面があるのであります。
しかしながら、
会計経理の
適正化と
行政執行の効率化を図るという点では共通する面もございますので、
検査報告は必ず
行政管理庁の方にお渡しするとともに、
行政管理庁からも随時監察結果の
報告をいただきまして、
情報の交換は行っております。また、行管の監察が先行いたしまして私
どもの非常に
参考になると考えられますときは、
検査の時期を手控えましてこの結果を待つ、こういうような姿勢をとっているところでございます。