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1984-07-17 第101回国会 衆議院 環境委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年七月十七日(火曜日)     午前十時二十分開議 出席委員   委員長 竹内 黎一君    理事 國場 幸昌君 理事 戸塚 進也君    理事 福島 譲二君 理事 岩垂寿喜男君    理事 中村  茂君 理事 春田 重昭君    理事 中井  洽君       榎本 和平君    金子原二郎君       林  義郎君    村山 喜一君       山本 政弘君    斉藤  節君       薮仲 義彦君    藤田 スミ君       山原健二郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (環境庁長官) 上田  稔君  出席政府委員         環境庁長官官房         長       加藤 陸美君         環境庁長官官房         審議官     大塩 敏樹君         環境庁企画調整         局長      正田 泰央君         環境庁自然保護         局長      山崎  圭君         環境庁大気保全         局長      林部  弘君         環境庁水質保全         局長      佐竹 五六君  委員外出席者         環境庁水質保全         局水質規制課長 片山  徹君         厚生省生活衛生         局水道環境部環         境整備課長   小林 康彦君         農林水産省農蚕         園芸局植物防疫         課長      岩本  毅君         林野庁指導部治         山課長     船渡 清人君         林野庁業務部業         務第一課長   塚本 隆久君         水産庁漁政部協         同組合課長   樋口 健夫君         通商産業省立地         公害局公害防止         指導課長    廣瀬 定康君         通商産業省機械         情報産業局電気         機器課長    広野 允士君         資源エネルギー         庁石油部備蓄課         長       岩田 満泰君         運輸省港湾局管         理課長     小池 公隆君         建設省建設経済         局宅地開発課長 三井 康壽君         建設省都市局都         市政策課長   伴   襄君         建設省都市局公         園緑地課長   勝浦 康之君         建設省河川局開         発課長     志水 茂明君         環境委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ————————————— 委員の異動 七月十七日  辞任         補欠選任   山本 政弘君     村山 喜一君   藤田 スミ君     山原健二郎君 同日 辞任          補欠選任   村山 喜一君     山本 政弘君   山原健二郎君     藤田 スミ君     ————————————— 七月十三日  湖沼環境保全特別措置法案丸谷金保君外二名  提出、参法第一三号)(予) は撤回された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  公害防止並びに自然環境保護及び整備に関  する件      ————◇—————
  2. 竹内黎一

    竹内委員長 これより会議を開きます。  公害防止並びに自然環境保護及び整備に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
  3. 村山喜一

    村山(喜)委員 大臣もお見えでございますから、初めに、私、志布志国家石油備蓄計画の問題について質問をいたしますが、きょうの日本経済新聞の一面に大変大見出しで「官民で沖合人工建設」ということで、下関、秋田、清水、大村湾等の養殖や流通基地、これは沖合人工島をつくって利用をしようという運輸省の非常に膨大な開発計画が出ております。本来は、来年度の予算編成をめぐりまして、公共事業といえども聖域ではないという形で抑えにかかる、とするならば、やはり国家資金というものは限度があるから、民間資金を導入をして一定の公共事業割合だけは確保してまいりたいというようなことから、大きなプロジェクトをねらいまして事業量の拡大に乗り出した一つ政策であろう、こういうように考えるわけでございます。  しかしながら、そういうような問題は、自然公園法保護の任に当たる環境庁といたしましては、これらの地域が極めて国立公園なりあるいは国定公園、さらにまた海中公園等として指定をされているというような地域関連があると私は思っているのでございますが、これらの問題につきましては、非常に重大な問題として御認識をいただいた上で国務大臣としてお取り組みをいただきたい。そのことにつきまして、自然環境をどうして守っていくのかということは、これからそういう政策転換動き等が伝えられる状況の中にありましては極めて重要であると考えますので、大臣のこれに対する御見解があればまず初めに承っておきたいと思います。
  4. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  実はまだ具体的にお聞きをしておるわけでございませんので、基本的な見解について申し上げたいと存ずるのでございますが、環境庁は、自然公園法によりまして、国立公園の場合におきましては国の方においてこれを管理をいたしておるのでございますが、いろいろその区分をしておりまして、どうしてもという地域、そのほかの地域にいろいろと区分をいたしておりますが、環境ということ、環境保全ということを第一に考えて、私どもはその保全に全力を挙げさせていただいておるところでございます。また、国定公園につきましては、これは知事さんに委託をいたしておりますが、その知事さんの方におきましていろいろお考えをいただき、意見をお出しをいただくということになっております。これも区分がございまして、環境保全ということを第一に考えておやりをいただく。そのほか海中公園につきまして、定めによりましていろいろやらせていただくところでございまして、いずれも環境関係を第一に考えてやらせていただいております。  以上でございます。
  5. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、具体的な問題は事務当局との間で詰めてまいりますので、大臣には最後にひとつ御所見をお聞きをしたいと思いますから、お耳をおかしをいただきたいと思います。  そこで、志布志地区国家石油備蓄計画経緯経緯はわかっておりますが、現況はどういうふうになっているのか、環境庁の方からお答えをいただきたい。
  6. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 いろいろな経過があった上、現状を申し上げたいと思いますが、志布志国家石油備蓄計画関係する波見港の公有水面埋め立てに関しまして、いろいろ地元の調整の結果、本年の五月二十二日付で運輸大臣から私ども環境庁長官に対しましてこれについての意見を求められている段階にございます。  現在、その内容につきまして慎重に審査を行っている状況でございます。
  7. 村山喜一

    村山(喜)委員 通常の場合であれば、そういう協議意見を求められてから、普通のペースの場合には三カ月というふうに言われておりますが、慎重に審査を進めていただいている中で、進行の状況はそういう普通のペース差異がございましょうか。
  8. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 今、事務方でいろいろと内容説明を伺ったり、あるいはこちらの疑義とするところを照会いたしましたりというような通常ペースで事が運んでいると承知しておりまして、特段これについてはかのプロジェクトとの間に大きな差異があるとは考えておりません。
  9. 村山喜一

    村山(喜)委員 大臣、今山崎局長の方からの答弁にありますように、十二年の長い間自然環境を守れ、白砂青松の海を守れという地域の、そういうような国定公園の景観を守るために運動が行われてまいりました。それが、この案であるならば検討に値するという環境庁の原長官の発言を契機にいたしまして、現在、公有水面埋め立てに関する審査運輸省審査を終えまして、環境庁長官意見を求めるという段階に入ってきている。これでいくならば、八月の中旬にはそれに対する意見をまとめる段階に入ってきた。非常に、そういう極めて切迫した時期を迎えているだけに、これから私が申し上げますことについて大臣に後ほど御所見をいただきたいと思うのでございますが、関係者といたしましては、この問題については非常な深刻な問題として受けとめておるということだけを初めに申し上げておきたいと思います。  そこで運輸省お尋ねいたしますが、県の方からことしの四月の七日に公有水面埋立認可申請が出されましたときに、利害関係人意見が二十五件出てきていることは御承知だと思いますが、これの取り扱いはどういうふうにされたものでありましょうか。
  10. 小池公隆

    小池説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘のようにいろいろな利害関係者はございますが、この方々につきましては免許庁の方で、鹿児島県知事になりますが、こちらの方で慎重に審議をしておる、こういうことでございます。
  11. 村山喜一

    村山(喜)委員 そうしたら、運輸省としては直接そういう書類を見てもおいでにならない、こういうことですね。
  12. 小池公隆

    小池説明員 お答えいたします。  運輸省としまして、直接そういった方々と接することはございませんが、権利者同意書とか意見書に対する免許庁の評価とか、そういった面で対処しているわけでございます。
  13. 村山喜一

    村山(喜)委員 通産省にお聞きをしますが、埋立造成地は県が行って完成石油公団に譲渡する、これは間違いございませんね。そこで、造成負担区分は、上物堤防なり植樹あるいはタンク、それに至る橋梁防波堤、小型船だまり、こういうようなものが港湾施設関連あるいは埋立造成との関連でございますが、そこら辺はどういうふうになるわけですか。
  14. 岩田満泰

    岩田説明員 お答えいたします。  先生今御指摘のいわゆる埋立地造成事業に加えまして、今回鹿児島県が埋め立て申請関連して出しました事業の中には、元来、国家備蓄会社ができ上がった暁において国家備蓄会社が行おうとして予定をしていたもの、今既に先生から御指摘がございました築堤植栽等々事業がございます。平たく言えば上物ということになりますが、そのような事業がございます。したがいまして、埋め立てされた平板な土地そのもの石油公団完成の暁に取得をし、上物につきましては国家備蓄会社がこれを取得する、このようなことになるものと考えております。
  15. 村山喜一

    村山(喜)委員 いわゆる石油タンク埋立造成地周辺につくります堤防工事なりあるいは植樹というのは、そこまで県が行った後に石油公団に譲渡する、こういう形になりますか。その資金関係負担割合はいかがになりますか。
  16. 岩田満泰

    岩田説明員 今回鹿児島県が出されました事業埋め立て申請にかかわります事業費約八百十八億円と承知をいたしておりますが、そのうちいわゆる埋立地造成だけにかかわります事業費は約五百五十億円でございます。そのほか二百七十億円弱と申しますかの金額は、築堤でありますとか、植栽でございますとか、防波堤でございますとか、橋梁をつくりますとか、そういったような事業費であると承知いたしております。
  17. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、これは運輸省お尋ねしてまいりますが、取りつけ道路性格の問題でございます。  これは県が管理をする港には違いございませんが、「波見港湾計画」というのが出てまいっております。これによりますると、図面から見てまいりますが、波見港に至るまでの道路、それから柏原地区港湾埠頭周辺を通りまして石油備蓄基地に至る間は架橋施設をつくるわけでございますが、これらはどういう性格のものであるのかということをお尋ねをしてまいりたいと思います。  現在の波見港の既存の港湾施設にはどのようなものがあり、そしてまた新築計画をされております港湾施設はどういうものになるのでありましょうか。
  18. 小池公隆

    小池説明員 お答えします。  現在の港湾施設といたしましては、柏原地区には川の中の方に物揚げ場、それから硯石地区には埠頭用地その他突堤があります。  新しくできます港湾施設としましては、柏原地区埠頭用地が約四・一ヘクタールあるいは緑地二・六ヘクタール、こういったようなものができ上がります。それからまた硯石地区につきましては埠頭用地が約〇・三ヘクタールでございます。こういった施設ができるわけです。付随いたしまして、防波堤等ができ上がります。
  19. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、柏原の集落から松林を横切りまして漁船だまりを経て石油備蓄基地に通ずる取りつけ道路、これは港湾施設に該当するのですか。この道路には水道管も埋設をするということを聞いておりますが、それも港湾施設に該当するのでしょうか。
  20. 小池公隆

    小池説明員 お答えいたします。  この道路につきましても、港湾施設となるものと思っています。ただ、この自然林の方へかかる部分につきましては、でき上がりました後港湾管理者港湾法規定に基づきます臨港交通施設として管理する、私どもこういうようにお聞きしております。港湾法で申します二条六項の港湾施設とみなす、こういう性格になろうかと思います。この辺はまだ正確に決まっているわけではございません。
  21. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういたしますと、これは港湾施設新築に当たりますか。
  22. 小池公隆

    小池説明員 おっしゃるとおりでございます。
  23. 村山喜一

    村山(喜)委員 現在の時点においては、保安林のところを通りまして船だまりのところまで予定をされている道路港湾施設ではない、その他道路だ、こういうふうに考えてよろしいですか。
  24. 小池公隆

    小池説明員 その他の道路という意味がちょっとあれでございますが、港湾施設と理解していただいてよろしいかと存じます。港湾計画上「その他の道路」という用語はございますけれども……
  25. 村山喜一

    村山(喜)委員 私がお尋ねしているのは鹿児島県の「波見港湾計画(案)」でございまして、「その他の道路」と書いてある。だから港湾、その埠頭のところに通ずる道路あるいは石油備蓄基地に通ずる橋、これは港湾施設に伴う道路であろう。しかしながら、県の区分によりましても、これは「その他の道路」一ヘクタールというのは、「港湾施設等計画に対応して土地造成及び土地利用を次のとおり計画する。」こうなっているわけですから、船だまりに行くまでの道路は「その他の道路」という性格を持っているのじゃございませんか。これに対して、知事認可をして申請をしてくれば港湾道路として認めることはできるという規定はございますが、現実はその申請はなされていないのですから、「その他の道路」ということで入るのじゃございませんかと聞いているわけです。
  26. 小池公隆

    小池説明員 先生指摘のとおり、港湾管理者申請を待って運輸大臣が認定するものでございます。そういうことでございますが、一応港湾施設、こういうことでお考えいただいてよろしいのではないか、こういうことでございます。
  27. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、環境庁お尋ねしますが、自然公園法の第十七条の第三項第一号には「工作物新築し、改築し、又は増築すること。」とありますが、自然公園法上では新築改築増築はどういうふうに区分をされておりますか、特に新築について。
  28. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 今御例示に挙げました工作物新築改築増築につきましては、工作物一般的に建物、建造物、こういうものが典型的な例だと思います。新築は、常識的に新しく更地のところに建てるというようなものを意味すると考えております。
  29. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういたしますと、これは港湾施設新築に当たりますね。
  30. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 お答えいたします。  いろいろな公園内において行われる行為をいろいろなタイプに分けまして考えておりますが、この問題は実体が道路でございますから、車道新築ということに許可取り扱いについては把握したい、こういうふうに考えております。
  31. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは、環境庁の「国立公園内における各種行為に関する審査指針」に言うところの通知がございます。その中では建築物車道分譲地造成目的とした道路または上下水道施設、さらに4として「屋外運動施設」その他となっていますが、この車道という意味は、どうして車道というふうにお考えになるのでしょうか。我々は、向こうの方に石油備蓄基地をつくる、これはさっき通産省のエネルギー庁の岩田備蓄課長が言いましたように、県が建設をして石油公団分譲をする。だから、分譲という目的を持って一連の行為がなされて、それに関連をして港の改修が行われている。それを必要とするその道路建設ということであれば、その適用車道ではおかしいのじゃございませんか。「分譲地等造成目的とした道路又は上下水道」ということになりませんか。
  32. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 私ども許可をいたします場合の基準を定めておりまして、今先生指摘のように「工作物新築改築又は増築」という大きな柱がありますが、その中に、一つ建築物新改増築、それから二番目が車道、それから三番目が分譲地等造成目的とした道路または上下水道施設新築改築または増築、そして四番目が屋外運動施設新築改築または増築、五番目がそれ以外の工作物新築改築または増築、こういう分類分けをしておるわけでございます。  今先生が御指摘道路車道に当たるのか、分譲地等造成目的とした道路に当たるのか、こういうお尋ねだと存じますが、この審査指針は、いずれも特別地域内における問題でございまして、別荘分譲地念頭に置いたことが分譲地造成目的とした道路、これに当たる、こう考えておるわけでございます。石油備蓄基地分譲地であるという認識をとるか、あるいはそうではない一般道路という認識をとるか、こういうことに尽きるわけでございまして、分譲地というのは、私ども当初からいわゆる別荘分譲地、切り売りをして譲っていくというような分譲地考えておるわけでございまして、この取りつけ道路車道そのものというふうに理解をしておるところでございます。
  33. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは道路法上のどういう車道になるのですか。
  34. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 道路法上の性格がどうであるということは私ども関係のないといいますか、関係なく判断をすべきことでございまして、車の通る道路、これを一般的に車道考えておるわけであります。
  35. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは特別地域でございますが、ここは第二種特別地域なんですね。そこで、その第二種特別地域の場合でも「許可しないものとする。」という要件の中にもつの要件が挙げられておりまして、「分譲地等の全面積が二十ヘクタール以下のものであること。」が必要であるとされている。したがいまして、備蓄基地用地面積は百九十六ヘクタールですから、それを造成をするために専ら用いられる道路ですから、したがって、そこに至るのは、建造をし、維持管理をし、そしてそこの備蓄基地の機能を果たすためにつくられている。しかも、その備蓄基地というのは、明らかに分譲目的としてつくられている。  とするならば、これは解釈、法令の適用に当たりましては、それを厳格に適用されるのが環境庁としては当然ではないか、私はそう考えるわけでございます。しかし、車道だとおっしゃるのだったら、それについてはまだ後ほど質問をいたしますが、分譲をすることを目的としているということは明らかでございますから、この指針をつくられたころはそういうようなものは予定をしていなかったんだということでは言いわけが成り立たないのじゃないだろうか、そういうふうに考えますが、再度お答えいただきます。
  36. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 分譲地というのは、いろいろ別荘のために開発したものを切り売りするとかいうようなことを念頭に置いてこれを類別しただけのことでございまして、そういう意味でこの実態を考えますときに、石油備蓄基地がそういうものに当たるとは私ども毛頭考えていないわけでございますので、そういう意味では一般車道であるというふうにとらえておるわけであります。  さらに申し上げれば、別荘分譲地としましては、特別地域の中にそういう分譲地がある場合にその規定が働くわけでございまして、この石油備蓄基地特別地域内に存在するものではありませんから、この規定は働く余地がないわけでございます。
  37. 村山喜一

    村山(喜)委員 その適用解釈は私は間違っていると思いますが、それはまた後ほど時間がありましたときに追及をいたします。  取りつけ道路は、いずれにしても新築であることは間違いございませんね。
  38. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 そのように考えております。
  39. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、道路新築に当たりましては、自然公園法施行規則によりましてこの特別地域内における許可または届け出を要しない行為の列挙がございますが、その場合に規定がありますのは、港湾施設改築をし、または増築をするというものは許可を要しない。しかしながら、この取りつけ道路新築だ。先ほどからお聞きしますと港湾施設だとおっしゃるわけですから、港湾施設の新しい車道新築に当たるということになりますると、環境庁としてはこれはどういう規制対象として取り上げることができますか。
  40. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 工作物新築という広い概念に入りまして、それは許可対象になるわけでございます。
  41. 村山喜一

    村山(喜)委員 だれが許可をしますか。
  42. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 この地域国定公園でございますので、国定公園許可権者都道府県知事でございます。都道府県知事許可判断をいたします。
  43. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、林野庁お尋ねいたしますが、ここは知事管理をする保安林と、それから農林水産大臣管理をする保安林が存在をしている。  そこで、この取りつけ道路の問題に関連をいたしまして、その解除申請がなされなければならないわけでございますが、県の方から車道としてそういう申請を上げてきておりますか。上げておりませんか。
  44. 船渡清人

    船渡説明員 お答えいたします。  現在のところ、まだ解除申請は上がってきておりません。
  45. 村山喜一

    村山(喜)委員 この解除の場合はどういう場合に適用をされへその場合には中央森林審議会の諮問あるいは環境庁長官協議するというような手続や、あるいは知事が告示を行い、そして通知をするという義務並びに意見があった場合には公開による聴聞が必要であるというような規定がございますが、現実にはそういうような取りつけ道路予定地、これは保安林解除をしなければならないものであるのかどうか。  また、ここは市町村のいわゆる町有林のところは飛砂防止林、それから後ろの今鹿屋の営林署が管理しております国有の保安林防風林、こういうふうに聞いておりますが、その防砂林なり防風林というものを三百メートルぐらいですか、通過をする、こういうようなことを聞いておるわけでございますけれども申請が上がってきていないということは一体どういうことなんでしょうか。
  46. 船渡清人

    船渡説明員 お答えいたします。  現在、知事営林局長との段階協議をしておる、協議中というふうな段階であるというふうに承知いたしております。
  47. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういたしますと、大体規模なりあるいはどういう形でやるということで、この保安林解除に当たりましては、そこを解除しなければどうしてもぐあいが悪いという場合には解除ができるけれども、その理由が整わない場合には解除してはならないというふうに聞いているのですが、そこら辺はどういうふうにお考えになっておるのですか。
  48. 船渡清人

    船渡説明員 お答えいたします。  保安林につきましては、水源の涵養あるいは災害の防備といった国民生活に重要な役割を果たしているというようなことから、解除につきましては慎重に行っているところでございますが、私ども一つ基準としておりますのは、原則として傾斜度が二十五度以上の山地だとかあるいは治山事業施行地だとかいったような重要な保安林以外の保安林につきまして、保安効果を低下させないよう代替施設の設置が確実であるかどうか、あるいは環境保全について十分配慮がなされているかどうか、あるいは事業の実施が確実であるかどうかといったような点等を勘案いたしまして、ほかに適地を求めがたいものにつきまして必要最小限度に限って解除するというような基本的な考え方を持っているところでございます。
  49. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、今予定をしているその他道路、これは保安林を通過して船だまりから石油備蓄基地に通ずる車道だとおっしゃる。ほかに代替として道路がつけられないかどうかということを検討いたしますと、つけられない状態ではない。それから、これは何といいましても保安林として指定をしてある地域ですから、しかも第二種の特別地域でもあるわけですから、そこを解除することによりまして、風がトンネルを通るような格好で吹き抜けてきて砂が陸地の農業に対する被害を与える。あるいは、防風林がそういうふうに伐採をされることに伴いまして災害等が発生をするおそれがある。その場合につけかえ道路がほかにないのか、また、そこの石油備蓄基地に至る橋を取りつけることはできないのかというような問題は、いろいろ検討をしなくてはならぬ。  仮にそれが現在の地域でない、ほかのルートを通った場合にはアセスメントをもう一回やり直しをしなければならない、私はそういうように考えるわけでございますが、仮にそういうように保安林解除するのに抵抗がある、同意を与えることができないというような状態に立ち至った場合には何らかの別の方法を考えなければならない、考えた場合にはほかの方法はあり得る、こういう状態に立ち至ってきた場合には、これはもう一回環境アセスをやり直す必要があるんじゃないだろうかと思うのでございますが、そういう点はいかがでございますか。これは環境庁にお聞きします。
  50. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 それらを含めまして現在慎重に審査を行っている段階であるわけでございまして、道路の問題に関しましても、私ども当然のことながら自然公園法上の判断で、特別地域を通過するわけでございますから、一昨年、検討に値すると申し上げました時点においても一応の検討は行っているわけでございます。
  51. 村山喜一

    村山(喜)委員 水産庁も見えておりますが、今組合員の資格をめぐりまして、それから漁業権補償をめぐりまして裁判が行われ、あるいは補償額の問題等につきましてはいろいろな争いが始まっておるわけでございますが、私も、東串良の漁協の正組合員である、準組合員であるという判断を示すに至った、当時の漁業に従事した日数その他どういう条件で組合員として認定をした、あるいは認定をしていないというようなものの資料はここに持っております。しかしながら、これをここで取り上げる時間がございませんが、極めて大きな問題があると考えておりますのは、公共用地の取得に伴う損失補償基準というのがございまして、それに基づいて三十七年に閣議で要綱をつくった。その要綱に基づいて、積算をして、補償額を算出をした。しかしながら、それは一応の試算であって、必ずしもこれにこだわることはないということで、裁判で争われておる県の準備書面を見てみましても、これは契約だから、その契約に従って当事者間でやればいいんだ、こういうことを言っている。したがいまして、算定の額が物すごく違うわけですね。今、組合員資格の問題につきましては、その書類を警察が調べに入りましたら、その書類はどこかに隠したのか、現在存在をしない、こういうような状態も我々の耳に入っております。  これは、組合員の資格と漁業権補償という問題はここだけじゃございません。「むつ」の場合等は、大臣承知のように幽霊漁民に三百三十万円、一人当たり払っておるじゃないかという記事も大きく出ておりますね。そういうようなことを考えますと、この問題をめぐる問題は非常に深刻な問題が出てくるというふうに見ているわけでございますが、水産庁はそれらの実態を的確に踏まえた対応の仕方をこれからとっていただけるのかとっていただけないのか、指導をなさるお気持ちがあるのかないのか。現状の説明は時間の関係でよろしゅうございますから、その指導方針だけをお聞きをしたい。
  52. 樋口健夫

    ○樋口説明員 お答えいたします。  組合員資格の問題につきましては水産業協同組合法に規定してあるところでございまして、これの解釈なり運用につきましては、水産庁といたしまして従来から指導をしてきたところでございます。  現在、御指摘のように「むつ」の関係とか志布志湾をめぐりまして、いろいろ組合員資格をめぐりまして議論が出てきておりますけれども、私どもといたしましては、今後とも組合員資格の解釈、運用についての指導を強めてまいりたいと思っている所存でございます。
  53. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは環境庁お答えをいただきたいのですが、五十七年の二月二十五日に県知事が提出をいたしました代案について、原長官環境アセスメントの対象として検討に値するという発言をされました。当時のこのいわゆる景観の評価につきまして、本席においでになります岩垂議員が二月の二十七日に予算の分科会で追及をいたしておりますが、そのときに正田局長の方は、権現山というのは主たる展望点に入れないという答弁をなさった。八月の十日には土井委員が、公園法上の公園計画に指定をしてある権現山を主たる展望点から外して、かわりに柏原海岸を選んだというのはおかしいじゃないかということで、正田氏がまた、これは主たる展望点の一つとして選考をいたしますということでございました。  そこで、私がお尋ねいたしますのは、環境庁が当時検討に値するという発言をしました時点においては、もちろん公園計画を中心にして考えておいでになるというふうに承るのでございますが、これは主たる展望点というのはダグリ崎とくにの松原、それから権現山といいますか、あるいは柏原海岸と初めは言っておったのが、主たる展望点の一つに入れるとおっしゃったのですから、権現山を含めて柏原海岸、四つになったのでしょうか。それとも、これは一体主たる展望点というのは今日どういうところになっているのだろうかという疑問を感じますのは、港湾計画に当たりまして、公有水面埋立免許のその中に出ておりますいわゆる展望地点というのは十三にふえているのですね。だから、環境庁考えていたのと、今度は施業者である知事がこれを計画して公有水面埋立免許に伴います主要展望点を出してまいりましたのは十三だ。それから、前、志布志の場合には、主要展望点というのは、私が聞いているのでは、このダグリ崎と波見公園、益丸海岸、太子公園、枇榔島という五つだ、こういうふうに聞いているわけでございますが、この場合でも、公有水面埋立法上の申請をいたしましたときに主要展望点というものを示してきたというふうになりますと、公園法上の指定であります権現山というのは、これは一体今度のアセスに当たりましてどういうような立場で——変化をしているものですから、押さえることを正確に押さえておきませんとぐあいが悪いと思いますので、これは、当時の検討に値するの時点とそれから今日そういう十三の観測地点を出してきた、それの評価のアセスメントの違いはどういうふうに考えておいでになるのですか。
  54. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 検討に値すると申し上げました時点における地点というのは、いろいろな地点から見て総合的に考えだというのが実態でございまして、その後、そういう姿勢を踏まえまして、県当局におきましてこのアセスメントを行っていく場合に、私どもも指導いたしましたが、いろいろな地域から例の白砂青松を眺める地点というのは、これは数限りなくあるわけでございますけれども、その地域というものを大まかに区分しましてその地域の代表点を選ぶ、こういう手法をとってきておるわけでありまして、それが結果として十三地点に集約された、こういうふうに御理解いただければいいのではないかと考えておるわけであります。
  55. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは公有水面埋め立てに基づきます出願人のいわゆる主たる観測点の内容ですね、今言ったのは。そうすると、皆さん方は自然公園を守るという立場から、主たる観測点というのはきちっと初めにお決めになっておったんじゃないか、三点あったんじゃないか、それがなぜ十三にふえたんだろう、こういうように現地の住民も不思議に思っているのです。それで、どういう角度で、頭を固定をして目玉だけが動く範囲だけのもの、そういう視点の角度というものを固定をしてお考えになっているようだし、水平に眺めるというものだけを視点にとらえており過ぎるんじゃないか。だから、山の上から見たらタンクが林立をしている姿はすぐ見える。三百二十メートルですか。それから波見公園地域でも、これも高さがありますから、そこからも見える。そのほかは見えないですよね。見えない地帯から見たって、一体景観を損なうかどうかということはわからない。私は水増しをしているんじゃないかというふうに思うのですが、そこら辺は今確定したものを環境庁は持っていないんですか。県が言えば県が言うとおりにするんですか。
  56. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 そういうことではございませんで、何と申しますか、アセスメントに入る前段階において一つ判断を下したのが検討に値するということであります。そういうことで、県がアセスメントをやり、いろいろ私どもも指導いたしましたが、こういう最新の技術を使っての手法というものをいろいろと御指導もした、こういう経緯があるわけであります。そういうことで、十三地点を選んで、その十三地点から、白砂青松を視点場から対象に見る場合、あの人工物がどういう妨げになるかあるいはならないか、こういうことをアセスメントの一つとして、その内容として行ってきて、それが今私どもの手元に届いているわけでありまするから、その内容について今慎重に審査をしているというのが現段階でございます。  だから、県の言いなりとかそういうことではございませんで、確かに私ども手法についてはいろいろと指導もしてまいりました。その結果について今いろいろと内容をしさいに検討している、こういう段階にあるわけであります。
  57. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは時間の関係で最後になりますが、この自然公園地域指定の問題でございます。  十一条の変更の適用基準、区域変更の政令というものは、法のもとにおいては定めてないようでございまして、そうなってまいりますると自然公園の選定要領というのがございまして、随分前にできでおりますが、自然公園の区域は特別地域のほかに自然公園保護利用上必要最小限度の地域を加えたものということで、現在の特別地域のほかに海上の普通地域が加味されまして、そして日南国定公園が成り立っている。そこへ、第一次案よりは普通地域を侵害をしない狭い範囲になりますが、普通地域にとにかく人工島をつくる、それがかかっている。こういうような場合には、これは今まで必要最小限その普通地域は海の上も必要ですよということで設定をしておったわけですね。それが今度はその分を削っても差し支えないですよということで、原長官がいわゆる評価に値すると言われたのですから、そうすると、その欠けた部分だけは、前はそれが必要だったのが今度は欠けてしまったのですから、そうなると明らかに区域変更の手続をとるというのが、これは選定をいたしました経緯から、今の選定要領から見まして当然ではないだろうかというふうに思うのでございますが、なぜそれをおやりにならないか。
  58. 山崎圭

    山崎(圭)政府委員 これはいろいろお考えの違いはあると思います。あると思いますが、私ども従来からとっております態度というのは、何せその地域の土地の所有関係を問わずにある景観のすぐれたものを国立公園なり国定公園に指定し、その中を、さらに大事な部分を特別地域にし、そしてその特別地域を守るような意味で普通地域がそれを取り巻くというような感じで地域区分を設定しておる、こういう状況でございます。  そこで、一つ人工物ができた場合に、もちろんそれをその都度外していくという考え方はとれないということはありませんけれども、私どもはむしろそれが公園全体としてその価値が損じられないという考え方に立つ場合におきましては、解除するというようなことはしておりません。また、そのことによって普通地域内においていろいろな行為がある意味で制限もかけられるわけでございますし、また特別地域内においても、どうしてもその土地の所有者が自分の住むうちを建てたいという場合に、これを無理やり抑え込むということも実態上無理なところもあります。だからといって、その一軒のうちの周りを特別地域から外すというようなこともしておりません。そういうようなことを総合的に考えますと、私どもはその解除ということに結びつく問題ではない、そもそもそういう問題ではないと割り切ったわけでございますし、そういうことでございますので、これはそういう解除の手続をとる必要は全くない、こういうふうに考えておるわけでございます。
  59. 村山喜一

    村山(喜)委員 解除につながるような開発はなすべきでないということで、位置変更をさして少しかかるようにして第二次案を出してきた、これなら検討に値するということで始まったわけです。そうすると、今まで最小限必要な普通地域であったものがその部分だけは削られるということになりますると、これは今まで選定をした基準がおかしくなったんじゃないかということは当然のことでございまして、厚生省時代、環境庁が発足をする前に、国定公園国立公園の敷地内に原発その他の巨大な建物ができて、それに合わせて解除をしてきた。特に、普通地域についてはこれはやはり規制をしなければならぬということで規制の手続をとり、参議院においては附帯決議がついた。  もうこれで歯どめがかかるだろうと思っておったら、やはり公益優先という名において人工島をつくってやろうとしている。けさの新聞にも出ましたように、公共事業が抑制をされたら民間資金を導入をして官民一体となって開発をやりましょうという構想に転換している。これではせっかく自然環境保全法に基づきます審議会、自然公園法に基づく審議会がございまして、これについては環境庁長官が諮問をしなければならないとかいうようなことになっておりまするし、環境庁長官もそういうようなのは事前にそれはだめだよというようなことをはっきりと言えるような根拠というものをきちっとするのが必要ではないだろうかと私は思って、その点をただしたわけでございます。  時間が参りましたので、この点は後ほど長官にまとめてお答えをいただきたいのでございますが、私は委員長に要請がございますので、理事会で御相談をいただきたいと思います。委員長よろしゅうございますか。  というのは、請願書で、上西和郎君が紹介者でございますが、出されております請願の内容の中に、現地の住民の方から申すのには、そういう巨大な島を建造物として海上につくる場合に、今まで白砂青松の海を守ってきた立場からいえば極めて違和感を感ずる。だから、それだけのものをつくって、そして実際住民の縦覧に供してもらいたい。単なる予測やそういう図面等を引いて、これは景観を損なわないものであるというやり方をされては困ります。海の上に浮かぶビニールでつくるような具体的な建造物を実際の大きさに合わしたものをつくって、景観を損なわないかどうかを試してみてくれという請願が出てきております。現地の住民は、十二年間の長い間海を守ってきた立場からいいまして、自然公園を守るために頑張ってきたようなわけでございますから、この問題についての取り扱いを、ただ理事会で請願案件については採択していいかどうかということを決めるだけではなしに、そういう現地の住民の声を受けとめていただくように委員長の方で御配慮をいただきたい、こういうふうに考えますが、いかがでございましょう。
  60. 竹内黎一

    竹内委員長 お答え申し上げます。  ただいま村山委員お申し越しの請願書は運輸委員会の方に出るようでございますけれども、事景観上のことでもございますので、我が環境理事会においても検討はいたします。
  61. 村山喜一

    村山(喜)委員 今まで志布志の問題を事務当局を中心にずっとお尋ねしてまいったわけでございますが、この問題につきましては、大臣もお耳に入れておられると思いますが、漁業補償をめぐる裁判が現在進行中でございます。それから、県議会でもことしの六月二十五日に、一体東串良漁協の組合の決議は有効であったのであろうかという問題についての追及が行われております。これは組合員資格の問題でございます。それから、今私が申し上げました公害反対連協と自然保護連合の、景観を損なわないかどうかということを住民に縦覧をさせてほしいという請願書が今国会に出されている。そういうことをお考えいただき、さらに、今まだその他取りつけ道路をどういうふうにするかということについて正式の書類も出されてきていない。保安林解除をめぐる問題等も未定のものがございます。さっきの局長説明によりますると、それにかわり得る道路をつくった場合のアセスの方をどういうふうにするのかという問題等も含めて検討されているというふうに聞いているわけでございます。保安林解除の問題は、私が申し上げるまでもございませんが、先ほどから申しておりまするように、審議会にかけたり、環境庁長官協議したり、あるいは告示に伴いまして通知をしたり、あるいは意見がある場合には公開による聴聞も行うということが書いてございます。そして飛砂防止林については皆伐を禁止するという禁止規定もあるわけでございます。  そういうような一連の手続の見通しがつくまでは環境庁長官としては慎重に対処を願わなければならない筋合いのものだと私は考えるわけでございますが、慎重に御配慮をいただけるかどうか。運輸省の方から長官意見を求めてきている。普通のペースでいくならば三カ月程度で意見を言うということになっておるやに聞いておるのでございますが、それにこだわることなくこの問題は慎重に対処されてしかるべきではなかろうか、こういうように考えておりますので、最後に長官の御見解を承り、私の質問を終わりたいと思います。
  62. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  先ほど局長の方から御説明を申し上げましたように、ただいま運輸省からこの問題につきましての意見を求められておるのでございます。環境保全上の観点からの意見を申し上げることになっておるのでございますが、通常の日にちは先ほど申し上げたような状態でございますが、この点につきましては、環境庁といたしましても、以前から環境の問題で大分地元の意見その他の意見をいろいろお聞きして、検討に値するというようなことを申し上げておるのでございます。そういったようなことを踏まえまして、運輸省からのいろいろな御意見を十分にお聞きをし、調べて、そして対処していきたいと考えております。慎重にやらしていただきます。
  63. 村山喜一

    村山(喜)委員 最後に、資料をお出しいただくように委員長理事会において御相談をいただきたいと思いますのは、こういうような私権との調整規定、十七条なり二十条によります私権との調整規定と、大型の開発、人工島をつくって石油備蓄基地国定公園の敷地内につくるというような問題は、峻別をしながら考えていかなければならない問題だと私は思っております。そういう意味において、五十ヘクタール以上の埋立造成に伴い、運輸大臣から環境庁長官意見を求められ、それに対して環境庁長官は答える、意見書を出すわけでございます。ところが、志布志の場合も埋め立てをいたしまして、長官意見書を提出してほしいという要請をしているのでございますが、その意見書が出てきておりません。別に隠すようなものではない。情報の公開というのは、今日の行政の民主的な運営において必要なことであります。そういうような意味において、私は今度の波見建設に伴います場合も、長官意見書をお出しになれば、それを公開していただきたい。委員会としてはそういう手続をお踏みをいただいて、国民に開かれた委員会の審議になるように措置を願いたいということを委員長にお願いしたいと思いますが、その点についてはお諮りをいただけましょうか。
  64. 竹内黎一

    竹内委員長 ただいま村山委員お申し越しの件は、理事会において協議をいたします。  次に、岩垂寿喜男君。
  65. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 最初に、長官にちょっとお尋ねをしたいのです。お顔を見るたびに私は質問をしてきましたので、少ししつこいというふうにお考えかもしれませんけれども、アセスの問題を伺っておきたいと思うのです。  今どういう状況にあるのか。もう国会は終わりに近づいております。どんな見通しを持っておられるか、御答弁をいただきたいと思うのです。と申しますのは、この前公明党の春田委員の何%ぐらい見込みがあるのかという質問に対して、長官は一〇〇%その成立のために努力をしていきますという言葉をお返しになっておられましたけれども、それらの言葉のやりとりではなしに、率直に言って今日の状況で一体どうなっているのか、国会提出というのはいつごろになるのか、そのことを御答弁を煩わしたいと思います。     〔委員長退席、戸塚委員長代理着席〕
  66. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  先生から環境アセスメントの重要性について環境庁を大いに激励をしていただきまして、この法案の提出についても非常に御配慮をいただいておりまして、ありがとうございます。  私ども環境庁といたしましては、この環境アセスメントはぜひとも提出をしなくてはいけない、これは今国会に何としてでも出したい、こういうことで今もまだ考えは変わっておりません。しかし、その状況はどうかと申しますと、政府・与党の方におきまして調整をやっていただいておるのでございます。具体的に言いますと、政調の方で今いろいろ各部会長を集めてお話をいただいておるのでございます。それがもう三回済んだという状態になっておるのでございますが、まだなおいろいろの御意見をお出しいただいておるようでございます。この意見を御理解いただくように説得をしていただいておるのでございますが、会期末が迫っておりますので私どもも非常に焦っておるわけでございますが、まだ懸命になってひとつやらせていただきたい、出させていただきたいということで、今盛んにお願いをいたしておるところでございます。
  67. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 理事会で話し合ってきたこの次の日程も三十一日というふうに決まりまして、あと一回しかありません。これも何回か申し上げてきましたのでくどくなってしまうのですが、長官は今国会で成立を目指す、そしてそのために政治責任を全うしたいという言葉を委員会の審議を通しても明らかにされています。事実上この国会での成立というのは不可能であるということはお認めになりますか。
  68. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  御審議の日程が非常に少なくなってまいっておりますので、私もその点について非常に心配をいたしておるのでございますが、このアセスの法案の内容については環境庁といたしましては非常に意を用いてやらなくてはいけない、実行していただかなくてはいけない内容でございますので、こういう点も込めて今与党の方にいろいろと申し上げておるところでございます。
  69. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 あなたが国民に対してお約束をした今国会における環境行政の二つの柱、アセスがその一、湖沼法案がその二。その最初の方のアセスがこの国会で成立は困難になってしまった。衆議院でもう一日しか審議の日程がないのです。最終日の前日を入れたって二日ですよ。これでアセスの法案が成立するなどとお考えになっていらっしゃるのですか。不可能でしょう。お認めになりなさいよ。  だとすれば、その不可能になったことに対する政治責任の重さというものを率直に言って謙虚にお述べをいただかないことには、本委員会は大変恐縮ですが逆転委員会でございますので、私ども野党の委員としてはやはりこれらの問題についての一つ判断を持ちたいと思うのです。その御答弁をいただけますか。
  70. 上田稔

    上田国務大臣 お答え申し上げます。  この御審議の日程が三十一日一日、こういうふうに今お話をいただきましたので、私も大変に責任を感じておるのでございます。一日でございますと、成立ということはお願いをいたしても大変無理であると考えるのでございますが、しかしとりあえずこの国会の場にこの法案が出されなければどうすることもできませんので、私はこれからも懸命になって提出をしていただくようにお願いをしていきたいと考えておるのでございます。よろしくお願いを申し上げます。
  71. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 私は、ここまで来て、政調でキャッチボールをやっているのをごらんになっているということであなたの政治責任の重さというのを果たせると思わないのですよ。私は、政府が前回提案をしてまいりましたアセスについて、それはどういう性格のものかという評価は持っています。満足するものではありません。しかし、少なくともこのアセスの取り扱いというものが中曽根内閣の環境行政のバロメーターですよということも申し上げながら、その中で一体どういう御努力をなさったのかということを、私は率直に言って激励の気持ちを含めて申し上げてきました。政調でキャッチボールをやっていまして最後まで実は期待をしているんだとおっしゃるのだが、あなた自身が総理に会って、どうするんですかと決断を迫るぐらいなことがあってもいいのじゃないですか。それがあなた自身が今国会で国民の前に約束をしてきた態度を貫く道じゃないんですか。そういうことをなさる御用意はございませんか。
  72. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  私もそういう先生のお話がある時期がもう近づいておるということでございますので、最後にはそういうことを申し上げていきたいというふうに考えております。
  73. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 そういう時期が近づいているという程度の認識じゃ困るのです。理事会で次回は三十一日、八日までの会期ならあとは七日、ここまで来て、つまりどん詰まりに来て政調でキャッチボールをやっている、それを見詰めて御努力を願っているんだという段階では、くどくて申しわけないけれども、あなたは環境庁長官としての責任を全うする道になりませんよ。総理に決断を仰ぐという時期が迫っているとおっしゃるのですが、どのくらい迫ってきたのですか。いつおやりになるおつもりなんですか。
  74. 上田稔

    上田国務大臣 時期を見ましてでございますが、近いうちにやらせていただきたいと思っております。
  75. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 私も環境委員会は、中断はございましたが、長い経験を持っていますので、自民党内部のさまざまな方々の御意見も伺っております。率直に言って難しいということです、国会に出すことも。私の判断は間違っていますか。希望的観測ではなしに、今日時点の判断です。
  76. 上田稔

    上田国務大臣 いろいろな御意見が出ておりますので、それを一致させるということについてはやはり相当時間を要するというふうに私も考えております。
  77. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 さっきから申し上げているのは、この国会で成立はもうだめですね。これはもうあなた自身もお認めになったところだろうと思うんだが、提案すること自身も非常に困難だ。私はそれなりの判断を持っていますが、私の判断はかなりかけ離れていますかということを伺っているのです。
  78. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  ただいま非常に微妙な時期に至っておりますので、それにつきましては、払お答えがちょっとできないというのが実態でございます。
  79. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 状況がよければもっと歯切れのいい答えが出ると思うのですけれども状況が悪いからそういうコメントしかできない。あなたの心中を私なりに察します。そして同時に、この問題についてのあなた自身のある種の政治責任のとり方について、また改めて御判断を仰ぐ機会を得たいというふうに思っています。  実はきょう、別のことを伺おうと思ったのですけれども、新聞などに出ました総量規制問題、水質汚濁防止法に関連する総量規制問題などについて少し質問をしてまいりたいというふうに思うのです。  先ほど私が申し上げましたように、長い間、昔の公環特という時代からこの委員会に所属をさせていただいております。その中で、当時瀬戸内海環境保全特別措置法というものの審議にもかかわらせていただきました。その後、率直に申し上げますと、閉鎖性水域ということになれば瀬戸内海だけでなしに東京湾や伊勢湾がある、だから議員立法で特別措置法をひとつ成立を目指そうではないかということを話し合いまして、与党の諸先生を含めて、当時、私、話を進めてきた経過がございます。その話が必ずしも煮詰まらない段階で、これが実は瀬戸内海と比べて大変困難があるということを承知の上でそんな話をしてきた経過があるわけですが、にもかかわらず、熱意においては瀬戸内海の特別措置法を成立させた議員の皆さんにも負けないつもりで勉強もしてきたつもりです。そうしたら環境庁の方から、実は特別措置法の議員立法というお話もあるけれども環境庁としては水質汚濁防止法を改正をして総量規制の手法を導入することによって瀬戸内海特別措置法に近づけるような努力をするので時間をかしてほしいということを言われました。そこで私としては、別に議員立法だけが目的じゃないわけですから、それならば時間の猶予を経ながら、総量規制という問題を一つのポイントにしながら法改正をやっていただけるということで期待をしていたのです。それだけに、この問題というのは実は関心を寄せざるを得ないのです。  そうした立場で少し質問をしていきたいと思うのですが、七月十五日の読売新聞の記事、それからきようの若干の新聞の記事などを拝見をいたしました。きのう私の手元に、私、実はちょっと説明を受ける時間がなかったものですから、きのう全国書記長会議をやっておりまして、その会合にどうしても出席をしなければいけなかったものですから、時間を得られなかったのですが、「水質総量規制に係るCOD総量削減基本方針とその達成状況について」というプリントを届けていただきました。これによりますと、「五十四年度現状値は、五十一年度当初の汚染源別排出実態をベースにして五十四年度における用水使用量、人口の伸び等を予測し求めた。」というふうに書かれているわけですけれども、実はさっき何で私が前段の話をしたかといいますと、たしか昭和四十六年ぐらいから東京一神奈川、千葉、埼玉の一都三県協議会というのができておりまして、ここで東京湾の問題について広域的な取り組みを進めてきていたのです。そのころから実はCODの数字というのははじき出されているのです。そういう各自治体の取り組み、それからそうした結果というものは環境庁は把握されておられたのですか。     〔戸塚委員長代理退席、委員長着席〕
  80. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 当時の事情をつまびらかにいたしておりませんが、この総量削減基本方針の策定に当たっては各都道府県とも十分協議をいたして策定しておるわけでございます。その過程で当然今先生指摘のさまざまな自治体での検討結果の数字等は参酌しているのではないか、かように考えております。
  81. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 四十六年という時点の選び方は、そのデータのとり方などについて若干の問題はあるにしても、五十一年からは各県ごとにかなり詳細にデータを持っているのです。そういう点は皆さん方は把握しているはずなのに、今度のこのやりとりの前段で見ますと、どうもちょっと根拠においてその辺が抜けちゃっている。データがなかったからしょうがない、「五十一年度当初の汚染源別排出実態をベースにして」云々、こうなっているのですね。地方自治体がきちんと持っているデータというものを信頼なさっていらっしゃらなければ話は別ですが、どうもちょっとその辺が地方自治体が今まで取り組んできた努力というものとの関係で言うと、どこかそこのところをネグって、データがないからしょうがない、そういうやり方をしたんだという言いわけみたいな言い方になっているように思われるのですが、その辺は間違っていますか。
  82. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 私も、当時の関係者に当たってつまびらかに調査をしておるわけではございません。これは、当然今後次期対策のためには必要になるわけでございます。したがって、推定で申し上げるのも恐縮ではございますが、一応考えられることは、先生も御案内のように四十八年の秋のオイルショックを契機に非常に経済の情勢が変わってしまった。したがって、その企業の生産見通し、それから用水使用の原単位等も非常に大きく変わってきているわけでございまして、さようなこともあって五十一年度の数字を使ったかというようなことも考えられるわけでございますけれども、ただ、決定的なことは申し上げられませんので、なおよく将来の計画に誤りなからしめるためにも、その辺については調査してみたいと考えております。
  83. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 そうしますと、実は実測値というような言葉や実績というような言葉が使われていますけれども、東京都や千葉県や神奈川県や埼玉県の、つまり都県の実測値というふうに称しているものの数字は推定の数字だというふうにしか見られないのですが、いかがですか。率直に答えてください。
  84. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 ここで申し上げている意味は、五十四年を推定した、つまりこれは五十四年六月にその削減基本方針が策定されておりまして、実質上の作業は五十三年度中に進んでいたというようなこともございまして、当時得られる実績の数字としては五十一年度しかなかった、かような意味で実測値というふうに申し上げている。これは実測とはどういう数字を指すかというのは、そもそもをやりますとそれはいろいろ議論もあろうかと思うのですが、一応実際にはかった数値で五十一年度を押さえて、それに基づいて五十四年度を推計した、こういう趣旨で私どもは申し上げているわけでございます。
  85. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 そうしますと、五十四年度の数字というのは、実測値というのはちょっと言葉として正確でない、これは言えますね、推定の数字なんですから。
  86. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 計画値と対比する意味での実測値と申しますのは、各企業に水濁法の総量規制規定に基づきまして法律の十四条の二項で実測義務が課されましたのが五十六年度からでございまして、それ以前の数字につきましてはさまざまな推定が入っておりますけれども計画に対比する意味ではこれを一応実績、実測値というふうに私どもは申し上げているわけでございます。
  87. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 今あなたの前段のお答えにあった言葉をそのままおかりしても、実測値というのは呼び方としてふさわしくない呼び方ですねと私は聞いているのです。
  88. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 さような意味では、五十六年度以降の実績の数値とそれから五十四年、五十五年度の数値とは性格が違うことは御指摘のとおりでございます。
  89. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 ところが、実は自治体なんかで言いますと、一年ぐらいのタイムラグはあるのですけれども、五十四年からそれなりに、さっき言ったように五十一年からやっているわけですが、もっと具体的にいかなり精査する測定の仕方などを含めてやってきているわけです。データがあるのです。  例えば五十四年のものが五十五年の数字に当然あらわれているはずなんですが、これも実は、今度のこの環境庁のプログラムを見ると生かされていないんですよ。さっき言ったように、どうしても五十一年度の実績に基づいて五十四年を推定したという数字で押さえないと、この問題の出発点というのが、指摘をされている問題点について、ごまかしと言うつもりはございませんけれども環境庁の対応は何かちょっと言い逃れという感じがしますので、その点を私はちょっと聞いておくために今二、三の点を聞いたわけでございます。  実は、CODの総量削減計画について、各県ごとで、率直に言って利害がかなり衝突しまして、長いこと議論がありました。これは私もよく知っているのですけれども、しかし、実績値とされている数字が推定値だった、その推定値で各県ともそれじゃしょうがない、これでいきましょうかというのじゃ、ちょっと各県も無責任だと言うつもりはございませんが、少し科学的でないなという点は批判を免れないと私は思うのです。実際問題として、東京湾の場合は都と県ですけれども、きちんとした数字というものを持たないで、推量でやりとりをしたというふうに環境庁は言っているのですが、そういうふうに見ていいんですか。
  90. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 基礎数字としてなぜ五十一年度をとったのか。もう少し長期的な平均値をとるということも、先生指摘のように各自治体が数字を持っているなら考えられるではないか。それから、仮に五十三年度にやるにしても、何とか五十二年度の実績、それこそ実績の数字が間に合わなかったのかという点については、私どもとしては、現在ここで五十一年度の数字を使った理由について御説明するだけの材料を持っておりません。当時としては、担当者がそれなりに努力して、種々検討した結果そのような数字を選んだであろうと私ども考えておるわけでございます。  今後の問題といたしましては、その辺については、十分次期削減基本方針策定に当たっては御批判をいただくことのないように留意いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  91. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 もうちょっときちんと科学的なデータを駆使してということができたはずだ。にもかかわらず、そういう形でなくてある種の見切り発車的な形で進めてきたという経過について、やはり出発点で大きな反省というものをこの問題を議論していくときにいただかないとまずいだろうという点で私は申し上げたわけです。  実は、きのういただいた資料によりますと、不思議なことに瀬戸内海の方は実績と計画というのがおおむね一致しているのですよ。多少の違いはありますけれどもね。伊勢湾については、乖離はあるけれども東京湾ほどではないのですね。東京湾はべらぼうな数字の違いが現実にあらわれていることは認めざるを得ないと思うのです。各県に明示していくといいましょうか、数字を当てはめていく過程で環境庁が各県に対してかなり指導をしていますね、現場の状況も私なりに調査をしてきましたが。その過程で、各県に対して環境庁が、これは調整というふうにあえて言いましょう、そういう経過はきのうも記者会見などでお認めになっていらっしゃるようですけれども、それは間違いございませんね。
  92. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 この目標値が実際に総量規制制度を運用する過程でどのように機能するかということを考えてまいりますと、一番効いてまいりますのは、新増設工場に対する届け出に対する勧告その他の運用、それからもう一つは下水道整備その他生活系の汚濁負荷については予算の投入量をどのくらいふやしていかなければならないか、こういうことがございますので、すぐれて政策的な問題が入ってくるわけでございます。  そういう意味で、各県担当者が将来の目標値をどう決めるかということはそれぞれの都道府県の行政運営上非常に大きな影響を持つというところで関心があり、そこでいろいろ何か、一定の算式で機械的に算定されたものでないことはおっしゃるとおりでございます。しかしながら、基本的な考え方の骨格としては法律等にも明示されているわけでございまして、私どもとしては現計画もその当時としてはそれなりに最善の努力をしてつくったものだというふうに考えておりますけれども、結果として今お示ししましたような結果になっていることについて深く反省している次第でございます。
  93. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 その調整というか修正というか、各県に対する修正を環境庁が求めてきた、そしてある種の一致を見た、コンセンサスを見た、その経過というのは文書でやりとりしたのですか。
  94. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 当時の事情はつまびらかにしておりません。昨日以来この問題が非常に取り上げられて、調べた限りでは文書等はございません。
  95. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 じゃ、口頭ということになりますわね。こういう重大なやりとりが環境庁と都道府県で口頭でやられるのですか。文書がないとすれば、口頭でしょう。そして、それは記録にもとどめられないのですか。そして数字がはじき出されるのですか。それはあなたの時代でないからそう言うのは酷かもしらぬけれども、このやり方を私は私なりにずっと横目で見てきて、問題になって、そしていろいろ聞いてみると、これはいささかずさんだと言われても仕方がないな、ずさんという言葉がきついとすれば科学的ではないな、かなり政治的、かなり裁量の余地のある数字のはじき出し方だな、こういうふうにしか考えられないのです。大変残念だと思います。  それで、これは読売新聞の記事ですから大変申しわけございませんけれども、そういうふうになったのは「実測値より大きい数値を使ったのは、工場の稼働率は年によって異なるので、稼働率が低い五十四年度のデータをもとに削減計画を定めると、将来景気が良くなった時、目標達成が出来なくなる恐れがあったからだ。」と規制課長が語った。私はこの言葉を聞いて、実は唖然としました。これが環境庁規制課長さんのお言葉だろうかな、総量規制という考え方はこの程度に産業寄りといいましょうか、この程度に恣意的といいましょうか、こういう総量規制の方針、考え方というものを持っていらっしゃるとすれば、これは重大な事態だというふうに思わざるを得ません。  課長さん、申しわけありませんが、水質汚濁防止法第一章第一条を読んでいただけませんか。
  96. 片山徹

    ○片山説明員 お読みいたします。   この法律は、工場及び事業場から公共用水域  に排出される水の排出を規制すること等によつ  て公共用水域の水質の汚濁の防止を図り、もつ  て国民の健康を保護するとともに生活環境を保  合し、並びに工場及び事業場から排出される汚  水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じ  た場合における事業者の損害賠償の責任につい  て定めることにより、被害者の保護を図ること  を目的とする。
  97. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 総量規制の前提となる水質汚濁防止法の基本は、今あなたがお読みになったように国民の健康を保障するということです。万が一被害が起こったときに、原因者負担によって救済の措置をとっていくということをこの法律の精神にしていますね。あなたが新聞で語られた言葉で国民の健康が守れますか。そんな態度で少なくとも被害者に対する補償を原因者に求めることができますか。私は、お言葉としてこの言葉をお取り消しをいただきたい、このことをお願いをいたします。
  98. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 私の監督している部下の課長でございますので……
  99. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 いや、本人がしゃべった言葉ですから、本人から聞かしてください。
  100. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 あえて申し上げますが、お言葉を返すようでございますけれども……
  101. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 あなたに答弁を求めてないんだよ。本人に求めているんだ、私は。本人がそこにいらっしゃるじゃないですか。
  102. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 では、失礼しました。
  103. 片山徹

    ○片山説明員 今御指摘のございましたこの私の談話でございますけれども、これは実は土曜日の午後に電話がございまして、それで私がお話を申し上げたわけでございますが、多少この記事につきましては私の方の説明も不十分でございましたことを率直に認めます。その後、私どもその当時の策定の方法につきまして早急に調べた結果、先生の方にお出しいたしました見解書としておまとめしたとおりでございまして、先ほどそれについては局長が申し上げたとおりでございますので、よろしくお願いいたします。
  104. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 経過を聞いているんじゃないんですよ。今あなたの言葉を私は引用しました。こういうお立場、お言葉に対して責任を持ってほしいと思うのですが、それは、ニュアンスの違いはあるかもしれませんよ。しかし、稼働率が落ちていたときのデータだから、企業活動が活発になっていったら上乗せするのは当然だと言わんばかりの言い方でしょう。それが総量規制という精神にそぐいますか。あなたのお読みになった水質汚濁防止法という精神にマッチしていますか、あなたの言葉は。そのことを言っているんです。私は、その言葉はぜひひとつ反省をいただきたいと思うのです。
  105. 片山徹

    ○片山説明員 私の説明のときには、事実としてはそういうことを言っておりません。ただし、多少そういうことで、例えば稼働率という点につきましては、五十一年から五十四年に推計する際にはそういった稼働率ということも考えなければいかぬだろうというニュアンスで言ったということで、それが五十四年度云々ということになったものと思われます。しかし、そういうことで私が誤解を与えましたことにつきましては申しわけなく思っております。
  106. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 五十四年、五十一年とあなた、言いわけするけれども、景気がよくなると目標が達成できなくなるから実測値よりも高い数値を使ったというんじゃ、あなたの反省の言葉にならぬじゃないですか。そういう姿勢じゃないでしょう、いやしくも環境庁の姿勢というものは。それこそ国民の健康とか、そういうことが水濁法の精神、第一章第一条ですよ。そこでやってもらわないと私は困るから、もっと素直に、それはやはり間違っていますよ。ここで開き直ってあなたがそうおっしゃっていくと、私は、水質汚濁防止法を守ってもらわなければならぬお役所の環境庁の責任者として、あるいは担当官として、そのいわば何といいましょうか、お立場の仕事を疑わざるを得ないですよ。もっと素直になっていただきたいと思うのです。私は個人的にあなたを責めたくないのですよ。そうじゃなしに、こういう言葉は国民に物すごい誤解を与えているだけでなしに、水濁法なり総量規制という考え方が、国民の側から見ると何をやっているんだということになっちゃう。あなたのお仕事の上での立場の適格性を問われるのです、環境庁全体を含めて。そこで私は言っているのです。
  107. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 この記事に書かれたような印象を与える発言を規制課長がしたことは甚だ不適切でありまして、ひとえにそれは直接監督の責任を持つ水質保全局長の責任であると深く反省しております。今後、このようなことのないようにきちっと指導してまいりたいと考えております。
  108. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 佐竹さん、きのう環境庁からいただいた資料によっても、実測数値と削減計画の間には物すごい大きな食い違いがあることがはっきりしたわけでしょう。埼玉は別として、千葉、東京、神奈川では一対二ですよ、皆さん。一対二。五%とか一〇%ぐらいの違いなら、それはそれであり得ることだと私は思う。ところが、一対二。この言葉をまた引用しちゃ悪いけれども、これじゃ実績の二倍も余裕を持たせたことに、余裕という言葉は課長の言葉なんだが、ことになっちゃうのですよ。これは事実関係において、削減計画じゃなくて増大計画になっちゃうんじゃないですか。このような大きな乖離に対してどうお考えになりますか。
  109. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 実は、私どもがこの数字をまとめましたのは、若干時間が以前になるわけでございます。これはだれが見ましても、先生の今御指摘のような疑問がいろいろわいてくるわけでございまして、その辺の解析について現在いろいろ進めているところでございます。  ただ、あえて若干弁解をさせていただければ、五十年以降、例えば工業用水の需要見通し等につきましてもかなり大幅な狂いを生じておりまして、それと同じように、将来の生産動向あるいは水の使用原単位の見通し等について誤った可能性は十分多いわけでございまして、今後このようなことのないように次期総量削減計画策定に際しましては対応してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  110. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 局長さん、素直に五十年以降というふうにおっしゃった。五十年以降の変化というものを前提にして、五十四年から五十五、五十六、五十七、五十八、五十九とたっているわけですよ。しかも、この話題というのは、関係をしている人たちにしてみればあらかじめ気がついていて、こんなことをやられていいんだろうかと、みんな地方自治体の関係者も心配していたのですよ。そういう問題点の指摘やそれから時日、つまり時間の経過やそういうものにほおかぶりしておいて、今突然取り上げられたから慌てふためいて数字を発表してみたり、これじゃ私は問題の解決にどうもきちんと取り組む姿勢というものを問わざるを得ないのです。率直に言ってかさ上げという言葉はあなた方も嫌いなようですから、私もそれは使いますまい。  しかし、読売の記事なんですけれども、例えば   千葉県の場合、生活排水中の下水について  は、同県は早くから「上乗せ条例」でCOD濃  度を二〇ppm以下に抑え、五十四年度の実測  値は平均一二・三ppmだった。これに、一日  当たりの排水量二十四万トンを掛けた日量二・  九トンが実際の総量値だが、環境庁は、水質汚  濁防止法の規定濃度上限の三〇ppmに、施設  規模の最大水量三十五万トンを掛けて算出する  ように指導。このため、下水処理場からの排出  総量は、実際の三倍以上の日量十・五トンが「現  状値」にされた。以下書いてございます。  数字の細かいところはともかくとして、結果的にこういう形になってしまっていることは、大筋で認めざるを得ませんね。かさ上げの部分については、あなた方なかなか言いにくいだろうから、そこまではあえて私は言いません。
  111. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 生活系での汚濁負荷につきましても、例えば東京都の場合、かなりの乖離が出ているわけでございます。千葉県の場合には比較的実測値に近い値が出ているわけでございまして、この生活系汚濁負荷の将来を見通す際に一番問題になりますのは、下水道普及率をどの程度見込むか、人口の伸びがどのくらいになるかということももう一つ絡んでまいりますけれども、そのような意味で逆に言いますと、下水道整備のためにどのくらい予算を投入できるかというようなところからいろいろな検討がなされたというふうに想像するわけでございまして、今後産業系のみならず、生活系の汚濁負荷につきましても、今回の第一次、第一次と申しますか、五十九年度を最終目標年度とする総量削減基本方針運用の反省の上に立って次期方針を樹立してまいりたい、かように考えております。
  112. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 下水道の実際のキャパシティー、そして現状と言われるものとの関係を、細かい数字を申し上げる時間がございませんけれども、少なくとも下水道で最大排出量掛けることの水濁法の規制濃度最上限の三〇ppm、こういう形で算出して指導していたのじゃ、これは申しわけないけれども規制にならぬですよ。なりません。これは同じように企業にも言えるのです。これでは現状追認ということ以外の何物でもない。私が言いたいのは、環境基準というものをクリアすること、その目標に向かって具体的な施策がとられないことには、これは現状追認を繰り返していくだけだというふうに思うのですが、下水道の今の例を一つだけ言いました。この点はやはり考え直してみる必要があるでしょう。
  113. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 基本的に総量規制環境基準の目標達成をめどとして実施すべきであることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、当時はもちろん、遺憾ながら現在でもある特定の地点の水質とその汚濁負荷量との関係につきまして、明快に説明するだけの知見が得られておりません。もちろん、得られておらないから私どもやらないということではございませんので、それは将来の目標としてあくまで環境基準の達成を目標に実行すべきであろうというふうに考えております。  ただ、お言葉を返すようで大変恐縮でございますけれども、あの法律の四条の二を読みましたとき、実行可能な範囲内においてという文言が入ったのは、恐らく下水道普及等の見通しについて将来の財政見通しとの関係で非常に困難な問題があるためにあのような文言が入ったかと思うわけでございます。しかし、さはさりながら、先生指摘のように終局的には環境基準達成を目標にやっていかなければ何のために総量削減するかわからないわけでございますから、私どもはそのようにやってまいりたいと思います。したがってまた、単に目標を達成したからそれでいいなどというふうな評価をいたすつもりは毛頭ございません。
  114. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 私は一つの下水道の例を言ったのです。これじゃだめなんです。それで最大のあれを出してみてその枠組みの中でという議論をなさったのでは現状と合いませんよ、目標に近づくこともなかなか至難のわざですよということを申し上げているわけですから、この点も含めて検討を煩わしたいというふうに思うのです。  長官、手持ちぶさたですからお伺いをいたしますが、五十六年に測定体制が整備されて、五十六年の中間目標値と実績値がかなり食い違っていることが判明したというふうにきのういただいた文章に実は書いてあったので、百歩譲ってそういうお立場の、そういう御発言も今既にやりとりの中でちょっと崩れてきていますけれども、水濁法四条の二というのは内閣総理大臣の責任にかかわる総量削減に関する基本方針がそのいわば前提になるわけでしょう。内閣総理大臣の権威が文字どおり茶々めちゃめちゃになっているわけです、実態論として。そういう事情を承知しながら時間のたつのを、責任転嫁とは言いませんけれども、実態を明らかにしない、そして是正する手だてもとろうとしない、そしてどんずばり五十九年度でやろうと思っていたという言い方をしても、これは率直なところ余り信用できませんよ。そういうことなどを含めて、環境行政のいわば責任を持っている環境庁長官はどのようにお考えになっていらっしゃいますか、御答弁を煩わしたいと思います。
  115. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます、というよりもおわびを申し上げなければならないと存じます。  五十四年度のときにおきましては、そういう分野の実測の方法がまだ決まっておらず、そういうことで発足したのはやむを得なかったのではなかろうかと思いますが、それから後やはり早く補正をしていかなければいけなかったのでございますが、少し検討が長くなっておくれてしまっておりますことは大変申しわけないことだと存じます。  また、いろいろな、前に五十四年度に推定をしたときのこれはどういうことでなっているのだろうかということの推測についての発言をしたようでございますが、これにつきましても、実態をもっとよく調べてからでないといけなかったのではないかと考えております。  今後はとにかく実態に即して、測定法も決まっておりますし、そのデータも入っておりますので、それに基づいて実態に合った基準を決めていきたい、こういうふうに考えております。早速改めるようにいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
  116. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 検討がおくれたと長官おっしゃったけれども、乖離が出ているのは、変な話だけれども、五十五年、五十六年がちはっきりしているのですよ。検討がおくれるにしては長過ぎるのです。しかも局長は、五十年以降のオイルショック以後の云々という言葉まである。原因もわかっているのです。それに手をつけなかっただけの話なんです。そして、事実上は結局高い実績を示すわけですから、目標値をここに置けば、例えば今八十だとしますよ。それを百に直したとしますよ。将来八十の目標を目指すといったら、何にもやらなくていいじゃないですか。そういうことでしょう、単純に言えば。しかも、私嫌なのは、きのうの文章の中に申しわけみたいなことを書いてあったけれども、地方自治体にその資料の公表というものを抑えつけてきているんですよ、言ってくれるなと。これは、環境行政というのは開かれた行政というところに特徴を持たなければならぬ、住民の信頼、国民の信頼というものをから取らなければならぬ立場からいうと、この点でもやっぱりやばかったなということを認めますか。
  117. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 先ほど水質規制課長の発言として引用された点を根拠とされて、何か環境庁が目標を達成しやすくするためにこういう方法をとったというふうな御指摘がございましたけれども、この点につきましては、私どもは……
  118. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 そう言っていないんだよ。結果的にそうなっているんじゃないかと言っているんです。素直に聞きなさいよ。
  119. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 そうでございますか。それでは結構でございます。  大変失礼でございますが……。
  120. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 地方自治体の対応というものについて、頼むわというようなことになっているわけですよ。そういうなれ合いも困るし、やっぱり開かれた環境行政をやってほしいなということを申し上げたい意味で、私は反省を求めたかったということです。
  121. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 この結果が目標を定めている以上、年度別に実績がどうなっているかということを公表するのは、これは当然のことでございまして、私どもその点、隠そうなどという気を持っていたわけでは毛頭ございません。ただ、余りにも数字がいろいろばらついておるものでございますから、これを何らかの説明ができない以上、公表するということはいかがなものであろうかというように考えて、実は苦慮していたというところが真相でございますので、その点もひとつお酌み取りいただきたいと思います。  いずれにいたしましても、開かれた環境行政でなければならないということは、これは当然のことでございまして、今後はそのような御指摘を受けることのないように努めてまいりたいというふうに考えております。
  122. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 それはいろいろ考えていて、時間がかかってしまった。それから、同時に乖離がでか過ぎちゃった。言いわけもできない。ところが、言いわけの原因というのは、きのうちゃんといろいろ出てきているじゃないですか。指摘をされてから、それに合わせて、これもちょっと私は言いわけとあえて言う部分もございますが、問題が表に出てから、数字もちゃんと持ってきてくれたし、それから箇条書きでちゃんとわざわざ会館まで届けてくれた。このことは感謝しますけれども、問題が出る前にこういうことはやってほしかった。そうでないと、あなたが後の言葉で結んだ、開かれた環境行政などということにはなりませんので、この点は御反省を賜りたいと思うのです。  実はその文章の最後に、環境庁は「方法論的に問題があったことは否定できない」というふうに言って、かかる反省に立って総量削減基本方針を策定すると言っておられますけれども、この言葉は、今日までの総量規制の成果というものは決して十分なものになっていなかったということは言えますね。それはお認めになったことだろうと私は思うので……。
  123. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の水質の現状を見る限り、これは五十九年度で総量規制が打ち切れる状況にはないという判断に私どもは立っております。もちろん次期総量削減基本方針を策定するのは政府部内でそれぞれ所要の御相談を申し上げなければなりませんが、現在段階で、私どもはそれを打ち切れる状況にはなっていないという判断に立っていることを申し上げておきます。
  124. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 これから方針の策定に対する基本的な態度を、今言える範囲で、つまり反省を含めて、新聞に出てきのうが月曜日、きょう火曜日ですから、そう簡単に云々というわけにはいかぬけれども、やっぱりこの問題に対する反省のあかしみたいな意味で、どういうことを考える必要があるんだということを御発言いただきたいと思うのですけれども、問題は、環境基準の達成と最低限何かリンクする目標というものがなければいかぬし、その目標に向かって具体的な裏づけを持っていかなければならぬと私は思うのです。そこらを含めてちょっと御答弁願いたいと思います。
  125. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 環境基準のリンクでございますが、これは先ほど御答弁申し上げましたように、基本的にそうあらねばならないと思います。現に湖沼につきましては、湖沼水質保全基本計画策定に際して、今御指摘のような作業を進めてまいりたいというふうに考えております。  しかしながら、海の場合には、周辺からの汚濁負荷と特定の地点の水質につきまして、海流の影響その他等非常に複雑な原因が働きまして、遺憾ながらこの環境基準を達成するために科学的な知見の裏づけによってこのような措置をとればいいということがいまだわかるような段階になっておりません。これは今後の検討課題であろうかというふうに考えております。基本的には、私ども再三申し上げておりますように、先生の御指摘のようにしなければいけないというふうには考えておるわけでございます。  それからさらに、今後の策定作業を推進する際の問題点としては、基本年次の基準になるデータをどう押さえるか。特に現在達成されている数字をどう見るか、それからまた今後の産業活動の変化と、それからその場合に汚濁負荷量を推定する原単位、これをどのように見ていくか、それから将来の人口の伸びと下水道普及率とをどう見るか、このような点が主要な検討事項になろうというふうに思うわけでございまして、これらの諸点について、ただいま種々御指摘のありましたような点を含めて検討してまいりたい、かように考えております。
  126. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 今私の手元に、建設省が中心になってまとめてまいりました東京湾流域別下水道整備総合計画検討委員会の「検討委員会決定事項」というのがございます。これはもう恐らく局長はとっくにごらんになっていると思うのですが、これは昭和五十五年の一月の二十二日の第三回委員会で決められた文章なんです。これは建設省ですよ。環境庁じゃないですよ、はっきり申し上げますけれども建設省の文章で、「東京湾へ流入するCOD許容負荷量の都県別配分について」。ちょっと長くなりますが、読ましていただきます。   東京湾流域別下水道整備総合計画については、東京湾流域別下水道整備総合計画検討委員会において、昭和五十二年度を初年度として、鋭意検討されてきたが、現在までのところ、東京湾へ流入するCOD許容負荷量の算定までの作業を、おおむね終了した。  このため、本検討委員会では、COD許容負荷量の都県別配分の目標値を、次のように定めるものである。  一、 COD許容負荷量の都県別配分の目標値東京湾内のCODの濃度は、流入負荷に起因する一次汚濁と内部生産に起因する二次汚濁とがある。内部生産も富栄養化対策として削減することとし、東京湾流入COD負荷量を二百十八トン/日にすれば、おおむね環境基準を達成できることになり、都県別COD許容負荷量の目標値は次のとおりとする。 ということで、具体的に東京都八十三、神奈川県四十、埼玉県四十六、千葉県二十九、系外二十、計二百十八という数字が環境基準をクリアする基礎の数字として指摘を受けているわけであります。  ところが、きのういただいた環境庁の資料によれば、これは五十九年度ですよ、あえて申しますけれども、東京都は建設省の八十三に対して二百八十、神奈川県は建設省の四十に対して百二十七、埼玉県は建設省の四十六に対して百四十一、千葉県は二十九に対して百十二、系外をここでは指摘をしませんが、東京湾全体として建設省が二百十八に対して六百六十という数字になります。建設省が五十五年につくった資料というものも一つの資料です。そして、それはもちろん下水道の達成などということに対する一つの理由づけというふうに考えて、これはかなり立派な資料です、このくらいの厚い資料ですが。私は素人ですから余りよくわかりませんけれども、それなりに読ませていただいた。やはり環境基準達成を目指して下水道の計画建設省なりに考えようという一つのスケジュールです。これに対して環境庁が、きのういただいた資料によっても物すごい開きがある。これで環境庁環境基準をまじめにクリアしようと考えていらっしゃる政治的態度なのかと問わざるを得ないのです。非常に残念であります。建設省の方が環境庁みたいなことを言っている。  もう時間が来ましたからやめますけれども、そういうことを含めて、この問題に対する環境庁長官の、国民の皆さんに申しわけなかった、そして今後はこのようなことのないように取り組んでいきたいという決意を込めた御答弁を煩わさないと、少なくとも総理大臣の政治的権威にかかわる出来事なんですから、御答弁をいただきたいと思います。
  127. 上田稔

    上田国務大臣 お答え申し上げます。  大変ずさんな計画になっておるようでございまして、私も実は初めて気がついたのでございますが、これからはそういうことのないように私ども戒めて、厳格なるこの規制をつくらせていただくようにいたします。国民の皆様方に対して、大変申しわけございません。
  128. 岩垂寿喜男

    ○岩垂委員 以上で終わります。
  129. 竹内黎一

    竹内委員長 午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十二分休憩      ————◇—————     午後二時開議
  130. 竹内黎一

    竹内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。薮仲義彦君。
  131. 薮仲義彦

    薮仲委員 先ほども問題になっておりました東京湾初めいわゆる総量規制の問題についての件について、何点か確認をしておきたいと思うのでございます。  先ほどの質問の中で、私、長官にお伺いする前に具体的な問題でちょっと確認をしておきたいのですが、私の手元に環境庁からいただいたその説明の書類の中で、「東京湾に係るCOD総量削減計画とその達成状況」という中では、計画と実績という形で数値が出てまいります。先ほどの御質問の中で出てきたのは、いわゆる現状値というような形で、現状値が実測値であるように受けとめられかねない質疑の内容があったわけでございますけれども、この辺は、五十四年の我々いただいたのは計画値になっていたわけですが、実測値あるいはほかの名前でこれを言っていたのかどうか、その辺の具体的なところをちょっと聞きたい。
  132. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 私どもが公表いたしました資料では、計画値と実績ということになっております。この計画の五十四年度の数字が、五十一年度の実測値をもとに用水使用量、人口の伸び等から推測して求めた、こういうことでございます。
  133. 薮仲義彦

    薮仲委員 わかりました。  そうすると、現状値というのは、あくまでも環境庁のくださった計画値という形での、今御説のように五十一年の観測データをもとにして、いろんな経済的な諸問題等を含めてフレームをつくったという形でよろしいのですね。  それでは、改めて大臣にお伺いいたします。  一部マスコミで、いわゆる総量規制についての問題が報道されました。その報道の内容は、見出しだけ読みますと、「東京湾水質データを操作汚染値わざと高く」こういうような形で報道されておるわけでございまして、昨日来環境庁として鋭意マスコミの皆さんにその真意を発表なさったようでございますけれども、私はそれはそれとして、この問題について一番何が問題かといいますと、やはり環境庁規制官庁でございます。水質汚濁防止法あるいは大気保全の立場からのいろんな規制値を持っております。環境庁がこういう書かれ方をしますと、一番問題は、行政に対する国民の不信、環境庁の言っている数値というのはみんなげた履きなのか、操作しているのか、でたらめなのか、こうなったときに、環境庁が幾ら環境基準あるいは類型の指定をしても、これはまた当てにならないぞ、こうなったら環境の改善は全然進まなくなると思うのです。私はその点が非常に問題だと思うのですね。特に環境庁は人の健康、生命あるいは社会全体の環境保全しようという重要な規制官庁ですので、データがそもそもおかしいとなってきますと、言っていること自体が全部信頼されなくなってくる。環境庁の存在にかかわるような重大な問題なんです。やはりこれについては、行政当局として十分正確な認識を国民の皆様にいただかないと、誤りを起こしかねないと思います。  冒頭に、長官のこの問題に対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  134. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  先生の御指摘、まことにそのとおりだと私も考えるものでございます。このことが起こりましたのは、大体海水の汚濁の測定方法というものが実はまだ確立されておらなかったときにおいて、こういう規制をやろう、こういうふうに考えたそのときに誤りがあったというか、少し早過ぎたと言った方がいいのかもしれませんが、そういうことから端を発しておるのでございます。  しかしながら、先ほどから御指摘をいただいたように、五十六年以降については実績があるわけで、測定値があるわけでございますから、それに基づいて早く対処していかなければならなかったのではなかろうかと思うのでございます。そこの点が非常におくれておって、そしてマスコミの皆さんから御指摘をいただいて、何か環境庁が操作をしたような印象を与えましたことは大変に遺憾でございまして、申しわけないと考えておる次第でございます。今後はこういうことのないように、実績に基づいてあくまで科学的なやり方でやらしていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。     〔委員長退席、福島委員長代理着席〕
  135. 薮仲義彦

    薮仲委員 今長官がいみじくもおっしゃいましたけれども、この問題の本質はどこにあるかといいますと、長官がおっしゃられたように、五十六年以降各企業のいわゆる水質汚濁に関する観測データというのが正確になってきた。いわゆる観測機器というのが整備されてきた。ですから、データというものが整備されたのでというお話です。ですから、五十一年当時のフレームワークというのは、データとして、基礎資料としては非常に不十分であったし、経済変動の見通しも必ずしも正確ではなかった。これは私はそれなりに理由はあると思うのです。  ただ、何が一番問題かといいますと、例えば五十六年から観測データがはっきりして、じゃ五十六年の観測実績はいつわかったかといいますと、二年後の五十八年の秋ですね。五十六年の実績が五十八年に初めて公表されてきた。実績値がわかった。それでそれから推測して、五十四年の実測値は実績値というけれども、これは計算した上の実績ですね。逆算して五十四年の実績値というものは環境庁がお出しになっていらっしゃるけれども、これは実績じゃないんです。五十六年のデータから五十四年はこれぐらいだろうという、これこそ計測した数値をおつくりになって実績値という形でお出しになったけれども、そのことは当時の調査が必ずしも正確でないということから、私は理解をします。  でも、じゃ何が一番問題かといいますと、五十六年当時から観測して、いわゆるデータが集まってきたときに、環境庁としては自分の立てたフレームワークというものは、フレームが間違っているな、基準が全然狂っているなということはおわかりになったと思います。その時点で一番必要なことは、これは環境庁の面目とかあるいはメンツがあるとか、そういうことじゃなくして、やはり規制官庁としてこういう基準を立てたけれども実際はもっとこうでありましたと国民の前にデータを公表する。公開の原則に立って、この五十六年あるいは五十八年の時点で実際のデータと計画とは大きく食い違いました、これはあと一年か二年見てみないと、もっと正確なデータは集まらないかもしれませんけれども、現時点においてはこれぐらいの乖離がありますともしも長官が発表なされば、こういう言われ方はある意味ではされなかったと思うのです。こういう点は、次の問題でも私指摘したいと思うのですが、やはり環境庁が当初予測したよりもこうであったというようなときには、遅滞なく国民の前に、実際はこうでしたということを発表なさることが、今後行政の信頼を回復する上に非常に大事な視点だと思うのですけれども長官、いかがですか。
  136. 上田稔

    上田国務大臣 お答え申し上げます。  そのとおりだと考えております。
  137. 薮仲義彦

    薮仲委員 どうか長官、今後こういうことのないように、今後はデータを率直に発表なさるというふうに理解してよろしいですか。もう一度ちょっと。
  138. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  データ整理次第発表をするようにさせる覚悟でございます。
  139. 薮仲義彦

    薮仲委員 それではもう少し、これについて余り質問したくなかったんですけれども、きょうは時間が限られていますので、数多くの御質問をしますので、御答弁は要点を明確にお答えいただけると大変ありがたいわけでございます。  じゃ、この問題についてあと何点かちょっと確認させていただきたいのですが、いわゆる総量規制という考えを取り入れたとき、総量削減の考えの根底に、これは長官も御承知のように、こういうことがあるわけです。水濁法の総量削減基本方針、それにはこう書いてあるわけです。「当該指定地域における人口及び産業の動向、汚水又は廃液の処理の技術の水準、下水道の整備の見通し等を勘案し、実施可能な限度において削減を図ることとした場合における総量」。ここにあるように、実施可能な限度において総量規制をしなさいと。ということは、悪く言いますと、できそうもない規制はかけちゃいけないよ、できない規制はかけるなということです。だったら、ある程度厳しい規制をかけておいてそれに到達しようというのではなくて、実施可能な規制を総量規制としてかけなさいということですから、これは、ある意味ではしり抜けというようなことも言われかねないわけです。  それがこういう数字の上に出てきますと、なるほどそうか、環境庁のやったことはやはりしり抜けだったのかと、こう言われかねないのです、法律にそう書いてあるのだから。やはりこれは、環境庁としてもこの問題を契機として、確かに、実施可能でなければそれは逆に言えば絵にかいたぼたもちみたいなもので、まずいかもしれない。でも、こういうデータが出ると、何だ、しり抜けの規制をしているのかと言われる批判は免れ得ないのじゃないかと思うのです。ですから、もっと極端に言うと、規制なんで意味がないじゃないか、そんなものはあったってなくたって関係ないよという言われ方があると思うのです。  もう一つは、この総量規制環境の類型指定とはリンクしてないのです。例えば、東京湾はBなりCなりの類型が指定されております。それに近づくために、総量規制をこうやればいわゆるBになるのかな、このリンクは全然リンクされてないと思います。ちなみに、東京湾の類型の、といいますか、環境基準の現状をちょっと数字の上で言ってください。東京湾、それから、ちょうどあれですから、瀬戸内、伊勢湾、数字だけで結構です、三つ言ってください。  時間がなければ、私が数字を申し上げますから、間違えているかどうか、ちょっと確認してください。数字は、こういう数字だと思うのです。東京湾が六一%、伊勢湾が四一%、瀬戸内海八一%、これが達成の現状だと思いますが、どうですか。
  140. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 達成率についてはそのとおりでございます。
  141. 薮仲義彦

    薮仲委員 長官、お聞きになったように、類型指定の、東京湾の場合は六一%なんです。非常に達成が悪いわけですね。ということは、やはりこれから総量規制をかけるときに、環境基準とリンクするような、これだけ規制すればここに到達するというような形の考え方はこれからは持っていく必要があるのじゃないかな、私はこう思うのです。特に、東京湾の場合ですと、A、B、Cの類型指定があるのですけれども、今の平均は六一%というのは、C類型のところが一〇〇%達成しているのです。このC類型というのは、いわゆる歩いたときに悪臭がしないという程度の環境基準を守っているわけですから、最低の、というのは、語弊がありますけれども、一番下の環境基準です。少し、ボラであるとか、そういう魚が釣れるような環境までいくとB類型に指定されるわけですが、これの達成は三七・五なんです。ほとんど達成してないのです。ですから、こういう総量規制では、環境基準の達成率は全体では六一というのはよくいっているなと思いますけれども、Bへ来ればわずかに三七・五、A類型というのは全然ゼロです。  こうなってまいりますと、やはり将来は総量規制環境基準というものがだんだん近づいてくるといいますか、そういう努力、それから、規制がなくてもいいやという、そういう考えにならないように、これから五十九年に規制を見直されますけれども、今後やるときには、やはりなるほどなと納得できるような総量規制を検討すべきだと思うのですけれども長官いかがですか。
  142. 上田稔

    上田国務大臣 お答え申し上げます。  閉鎖性水域の種類によっていろいろ特性があると思うのでございますが、その特性をよく考えて、そして基準考えさせていただきたいと考えます。  東京湾は、特に今まで河川の汚濁も相当ひどうございますし、そういうような意味からCの類型のものが非常に多く決められたのではなかろうかと考えておりますが、よく検討をいたします。
  143. 薮仲義彦

    薮仲委員 長官、その類型基準環境によって指定する、これはわかるのです。私の言うのは、先ほどの総量規制考え方の中にある「実施可能な」というようなことと、それから規制なんかしてもというような考えを、ある程度、そうではないよと、この規制によって環境基準の類型もだんだんそれに近づいていくよというような形での努力は、当然、これから五十九年に見直されて計画をつくられるということですが、その計画の中にお入れになったらどうですかということを言っているのです。  それともう一つは、将来削減計画等を見直されるということなんですけれども、私はこれを具体的に、前回は五十四年から五十九年までやっていますけれども、例えば五年計画とか、第一次五年計画、第二次五年計画でもいい、いろいろあると思うのですけれども、今度もやはり五十九年に見直されて六十年からスタートすると思うのですが、例えば年次計画みたいなものをきちっとつくっておやりになるのかどうか、その辺の見通しはどうなんでしょうか。
  144. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 若干技術的になりますので私から……。  まず第一点の、環境基準とリンクすべきではないか、これは基本的には先生指摘のとおりでございます。ただ、遺憾ながら、湖沼の場合等と違いまして、海域につきましては水質決定のメカニズムが非常に複雑でございまして、ある地点の水質が周辺の汚濁負荷量ときちっとリンクできるような説明ができる段階になっておりません。したがって、将来の目標としては、その辺を明確にしてきちっと理屈の上でもリンクさせるようにしたいと思いますが、現在の段階では遺憾ながらそのようなことは難しいわけでございますが、基本的には先生の御指摘のとおりでございますので、そのようにしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  それから年次計画の点でございますけれども先生も御案内のように、海流の状況あるいはその年の気象条件で年次によって非常に振れが多うございますので、毎年度の目標を決めるということはちょっといたしかねるわけでございますが、やはり最終目標年度と中間目標年度を決めまして、必要があればその途中過程でも、乖離が著しくなれば修正するというようなこともやってまいりたいというふうに考えております。
  145. 薮仲義彦

    薮仲委員 その計画は、例えば第一段階は五十四年から五十九年ですけれども、今度は六十年から、最終、中間をどの辺に置かれる予定ですか。
  146. 佐竹五六

    ○佐竹政府委員 六十五年と六十二年というふうに……。
  147. 薮仲義彦

    薮仲委員 長官、その他にたくさんありますのでこの問題はこのくらいにしておきますが、環境庁の重要な行政を、国民の信頼を失わないように、よろしくお願いをしたいと、重ねてお願いしておきます。  それから、今のことと同じようなことで、長官、これは前にも報道された日本碍子の知多工場のベリリウムの問題がございました。  これは、五十五年、五十七年当時の測定値というものが発表されなかった。これも新聞の見出しで言えば「毒性強いベリリウム排出」。時間がありませんから長官にわざわざベリリウムの毒性を聞く必要もないのですが、これは呼吸器に対して気管支炎、急性肺炎あるいは発がん性があるというようなことが言われております。人間の健康にとって非常に危険なる物質であることは事実です。私はこれで何を問題にしたいかというと、今の総量規制と同じようなニュアンスがここに出てきているわけです。これは必ずしも正確じゃないと思うのですが、やはり考え方を一にするので、私はスタンスをきちんとしておくために確認したいのですが、ここにこう書いてあるのです。環境庁大気保全局は「法的強制力がないから工場を説得して調査したもので、公表すると他物質の調査への産業界の協力が得られなくなる。データの公表が必ずしも汚染防止に有効に作用するとは限らない」こうコメントが書いてある。  私はこれは非常に問題だと思うのです。これだからいけないと思うのです。環境庁のやるべきことは、人間の健康被害がある、大気汚染させる、これは有毒性の物質である、こうなったら——確かに大気汚染防止法に特定物質として指定されていないのは私もわかります。指定されてない、規制されてないからこれはだめなんだという考えでいったら、環境庁の存在理由はなくなると思うのです。たとえ特定物質になってなくても、これは非常に人体に与える影響が危険であると思えば、それはきちんと調査すべきであると思いますし、また、法律でできなければ、この工場については、逆にもしも調査に協力しなければ、国民の前にオープンにすればいいのです。どこどこの工場はベリリウムのいわゆる発生源である、調査に協力いたしません、あるいはこれについては非常に危険だと思いますと、環境庁がきちっとしたコメントを出しておれば、こういう書かれ方はしないわけですね。あたかも環境庁事業のデータをとるために人間の健康などは二の次ですよ、こう言われかねないコメントが出ているのです。これは必ずしも環境庁の言った正確なものが出ているとは私は思いませんけれども、こういうことが立て続けに出てくることはよろしくないと思うのです。データの公表、そして健康被害があるのだったら、やはり環境庁として、毅然たる態度でこの大気汚染あるいは水質汚濁防止に取り組む姿勢が規制官庁としてないと国民の信頼は得られないと思いますが、大臣、いかがですか。
  148. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  その新聞に出ております発言でございますけれども、やはり私はちょっと舌足らずのところがあると思うのでございます。というのは、日本碍子の工場から外に出ております地域についてのデータにつきましては、これはそういう環境上に出ておりますデータは、環境庁がはかりましたものは皆発表をさせていただいておるのでございます。  それで、その工場の中の部分につきましては、実は、そういうところにおいてもこれは危険であるということがはっきりしておるときにおいては、これはもう赤信号でございますから発表はするのでございますが、青信号である場合におきましては、そこまでは環境庁としてはタッチしないという考え方にあったということでございまして、その中まではからせてもらったときは、外へこれだけ少ないのだけれども大丈夫なのかと思いながらもはからせてもらうということで、そういう中のいろいろな状況を余り外に漏らしますと、何といいますか、企業秘密みたいなものを侵すというようなことも考えてそういう発言になったのだろうと私は思うのでございます。そういう点もひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。  赤信号なら、これは発表させていただきます。
  149. 薮仲義彦

    薮仲委員 私は、今の大臣の発言、全然納得しないのです。なぜ納得しないかというと、じゃ、ちょっと質問の順番をかえて、この次はほかの問題をやろうと思ったのですけれども、水銀電池のことをやりますが、今長官のおっしゃったことが一番行政の混乱するところなんです。というのは、国民の感情と行政の感覚に乖離があるのですよ。いいですか。これは長官、後でこの水銀乾電池はぎっちり聞きますけれども、例えば厚生省に聞いても環境庁に聞いても、大気に拡散された状態での水銀は、粉じんに入っているあれは〇・〇〇幾つでございます、何百分の一、何千分の一のあれですからという言い方を必ずするのです。それはそれなりにある意味では科学的かもしらぬです。たとえ科学的であっても、国民感情は別なんです。  例えば水銀乾電池の問題でも、幾ら安全だというデータを並べても、国民には水銀に対するアレルギーがある。アレルギーと言うとこれは非常に失礼な言い方ですから、この表現はちょっと変えさせていただきますけれども、水銀に対する恐れがあるのですね、水俣病に始まって。ちょうど日本全体が核に対して恐怖心を抱くように、こういう気持ちがあるのです。幾ら行政側が安全だと言っても、もしも国民がそれは不安ですと言ったら、これは解決しないのですよ。行き違いになるのです。これは、行政の対応と国民の感情との乖離が今度の乾電池問題を解決するには一番大きなところなんです。  このベリリウムも、今長官の御発言、後で会議録を読みますと非常に問題点があるように私は思うのですよ。そういう御発言でいくと、赤信号という判断ですけれども、例えばWHOが水銀については十五マイクログラム・パー・リッターですか、というようなことを出しておりますね。でも、じゃWHOが絶対それでいいのかという疑問すら持っている人もいるわけですし、あるいは今、例えば東京都の問題で言えば、ごみ処理場、あそこの煙道もしくは煙突ではかればこれだけの水銀量があります、拡散すれば影響はありません、こういう言い方をするわけです。でも、国民の持っているのは、煙道ではかろうと何であろうと、そういう健康被害を及ぼす物質があるということについて非常にシビアな反応を示すわけです。  こういうベリリウムのように危険な物質の発生源であれば、濃度がどうの赤信号だ青信号だという判断ではなくて、一応環境庁として、これは健康に影響を及ぼさないかどうかということを何年かたって、隠していたような「愛知県、データ隠す」こういう言われ方をすることを私はいかぬと言うのですよ。はっきりデータを公表しないことに国民の不信感が出てくるわけですから、長官の言うことも私はわかるのですけれども、やはり健康被害にかかわる部分は自信を持って国民の前にデータを公表するなり、それの対応の仕方を環境庁として検討いただきたいのです。     〔福島委員長代理退席、委員長着席〕  特に私は環境庁に、ではこのベリリウム以外に人間の健康に被害を及ぼすような危険物質でどういうのを見ていると言ったら、こういう国設の大気測定所でこういうことをやっておりますということを言われておりました。私は、長官の行政が国民から信頼されるために、こういう総量規制であるとかベリリウムのデータ隠すなんて言われないためにも、健康に影響する大気汚染源物質、こういうものについては環境庁としてはもう少し毅然たる態度で対策をこれから考えていただくということが非常に大事なことだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
  150. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  先生の御指摘のこういう有害物質といいますか、そういうものにつきまして、例えば水銀であるとかホルムアルデヒドとかあるいはベンズビレンなんというような環境の範囲に出てきております数値につきましては、これは環境庁は発表をさせていただいておるのでございます。  特に今先生乾電池のお話をされたのでございまして、乾電池について、今大気中に出ております水銀の濃度というものは、これは確かに今健康被害はございませんけれども、これからどんどん乾電池がふえてくるじゃないか、それから一般ごみが捨ててあるところをちょっと掘りますとたくさん乾電池が転がっておる、ああいう状況から見ると、これからどんどんふえてくるということになったらやはり恐ろしいのじゃないかなと国民の皆さんが非常に不安を持っておられるというように、私も同じく持っておるものでございます。  各市町村長さんもそれに対して非常に敏感に動いていただいておりまして、分別収集をおやりをいただいておるごみ処理の市町村がどんどんふえてきております。そして、たまっております筒型の乾電池も、非常に多くたまっておるものですから、早くこれを何とか処置しなくてはいけないんじゃなかろうかということで、厚生大臣も同じ考えを持っておられますので、お諮りをいたしまして、厚生省と環境庁で、とりあえずは分別収集していただいている筒型の乾電池を早く何とかせなければいかぬじゃないか、その対策を早く立てろ、こういうことで、今ハッパをかけておるところでございます。そういうことに対してのデータにつきましては、どんどん発表をさせていただきたいと考えております。
  151. 薮仲義彦

    薮仲委員 水銀の乾電池の前にベリリウムを決着つけておきたいのですが、長官、これをよく見てください。「毒性強いベリリウム排出 愛知県、データ隠す」こうなっておるのです。こういうことは環境行政上好ましくないですよというのが私の論点なんです。こういうことが、さっきの総量規制と同じようにデータを操作したりあるいは隠しているのじゃないかと言われること自体が、国民の行政に対する不信を招きかねません。  ですから、健康に非常に影響のあるこういう有害物質については、環境庁はむしろ、いわゆるデータが公表されないとかなんとかという話じゃなくて、工場側が協力するとかしないとかということじゃなくして、国民の健康被害を起こさせない立場で守りますよ、こういうスタンスこそが環境庁のとるべきスタンスだと私は思うのですが、長官いかがですかと聞いているのです。
  152. 上田稔

    上田国務大臣 お答え申し上げます。  それは環境庁としては当然そういうふうにしなければならないと考えております。
  153. 薮仲義彦

    薮仲委員 ではそのように、今後こういうことを言われないようによろしくお願いをしておきます。  それでは、今大臣がいみじくも水銀電池のことをおっしゃいましたから、私は基本的なことからちょっと長官認識をお伺いしたいのですが、これは乾電池の処理に対する一番基本的な考えです。  大臣は、今水銀といいますと有機水銀と無機水銀がございますけれども、いわゆる水俣病はメチル水銀、有機水銀系ですか、そういうことは抜きにして、有機、無機を問わず人体にかかわる健康被害、これについてはどういう御認識をなさっておられますか。
  154. 上田稔

    上田国務大臣 無機水銀は、戦前におきましては人体には影響がない、こういうふうに考えられておりました。私も戦前はそういうふうに考えておったのでございます。しかし、水俣病が発生をいたしまして、無機水銀必ずしも有機水銀にならないとは限らない、しかもそれが蓄積をされる、こういったようなことがわかってきたのでございまして、そうなりますと、水銀全体に対しての注意をしなければいけないというようなことになってまいっております。  そして、特に最近はいろいろそういうことに対する研究も進んでまいりまして、汚泥の中に無機水銀がありますと、それが有機水銀に変わっていくことも多いということも発表されておりますので、そうなりますと、水銀というものは放置しておいてはいけない。だから、早くこれを処理せねばいけない。ところが、その処理をするにしても、今のところは場所がないから、またそういうことに対しての装置といいますか、そういうものがまだありませんので、これをどの程度に、どこに、どの付近につくればいいかというようなことについても早く対策を立てていかなくてはいけない、これを早くやるようにということで今やっているところでございます。
  155. 薮仲義彦

    薮仲委員 それでは、先ほども大臣がちょっと水銀についての御自分のお考えをお述べになりましたけれども大臣もおっしゃられたように、今一部マスコミの報道によりますと、これは厚生省でも正確にはつかんでいらっしゃらないというようなお話だったのですが、いわゆる全国で約二割近い自治体が分別収集を始めているということですね。     〔委員長退席、國場委員長代理着席〕 ということは、あと八割は従来の一般ごみとして処理している。二割は分別収集、八割は一般のごみとして処理場で処理されているということですね。  こういう処理の方法が、ある意味では混乱しているといいますか、二つに分かれている。片や二割、片や八割。しかし、その二割の方向はだんだんふえていく方向にある。このようにごみ処理の方法が混乱している現状と、それから今分別収集をおっしゃられたようにしているわけです。この実態について、長官は今どういう御認識になっていらっしゃいますか、改めてお聞きしたいのです。
  156. 上田稔

    上田国務大臣 これになりますと、厚生省の方の担当でございますので、私がその意見を申し上げるというのはちょっとはばかるのでございますが、私は早く統一をしていただきたいと念願をいたしております。特に分別収集の方向で統一していただきたい。しかし、それに対しては、早く分別収集したものを処理できるようなそういうものを考えるのが先だ、こういうふうに考えております。
  157. 薮仲義彦

    薮仲委員 今長官がそうおっしゃったから、私は長官には環境を守るという立場で長官の御意見を承ろうと思ったわけで、厚生省がいいというのでしたら、厚生省のお考えはどうですか。今私が質問したことに厚生省のお考えを。
  158. 小林康彦

    ○小林説明員 お答えいたします。  廃棄物処理施設からの排出水中の水銀につきましては、水質汚濁防止法及び廃棄物処理法で規制をされておりますし、それから大気に出ております水銀につきましては、先ほどお話ございましたようにWHOのガイドラインに照らしまして、かなりの低濃度という状況でございます。このため、廃棄物処理に伴いまして環境に対し水銀で汚染をする問題はないというふうに廃棄物処理の立場からは考えております。  ただ、廃棄物の中の水銀を含みます乾電池の量が非常な勢いでふえているという状況にかんがみまして、環境汚染の未然防止あるいは廃棄物処理の円滑な推進の観点から、通商産業省とともに業界に要請をいたしまして、ボタン型乾電池の回収あるいはアルカリ・マンガン電池の水銀量の低減等の対策がとられつつある状況でございます。このため、私どもはこれらの施策を注視していきますとともに、これからの中長期の課題といたしまして、これらの使用済み乾電池対策の基本的あり方の検討及び具体的な広域回収処理の体制のあり方についての検討を進めておるところでございます。一部の市町村におきましては、乾電池のみ分別収集をされておるところがございますが、これはそれぞれの市町村の判断で行われておるところでございまして、全国一律にこの指導を行う必要は現在のところないというふうに考えております。
  159. 薮仲義彦

    薮仲委員 今時間がないから、質問したことだけ明快に答えてください。  私の聞いたのは、いわゆるごみ処理に混乱を生じておる。乾電池を分別収集したのは二割あります、あと八割は処理場で処理しております。これは行政当局として必要な措置と考えているのかどうか。厚生省は、地方自治体が勝手におやりになったのだから、それを全国的にやれとかやらないとかということは厚生省の及ぶところではございません。あなた、そんなのんきなことを言っているけれども、厚生省で三年間で見通しを立ててやります。この分別収集がどんどん進んでいってごらんなさい。どうなるか。たまった乾電池をどうするの。一個だったら水銀の量が少ないからいいけれども、たまったらどうするの、立川みたいにあんなにたまって。あなた、そんな甘いことを言っているから事が解決しないんだよ。  今厚生省が一番困るのはごみ処理場じゃないの。下水処理場、し尿処理場建設反対で困っているじゃないの。厚生省は三年間で広域処理センターをつくります。何を言っているんだ。そのときに広域処理センターをつくれますか。よその県の乾電池を何でうちへ持ってきてうちが処理するの。今東京都区内でごみ処理場がつくれないじゃないですか。よそのごみを何でやるの。ましていわんや、有害な水銀が入っているとなったら、埋め立ても反対、広域の処理センターも反対、デッドロックに乗り上げちゃうよ、あなたみたいなそんなペーパーを読んでのんきなことを言っていると。私はきょう長官にここで聞いているのは、あなたのそんなペーパー問答を聞いているんじゃないんだ。だから、国民の感覚と行政の厚生省の感覚が違い過ぎるというのだ。国民は水銀に対してノンと言っている、たとえ環境がゼロであったって。  きょうだって、東京都のいわゆる処理場から出ている大気汚染の物質は七千分の一と書いてある。国民はそれで納得するか。たとえ限りなくゼロに近づいたってノンという声が返ってくるよ、今のままだったら。そうじゃないの。あなたの言っているようなそんなことは何回もこの委員会で論議されたのです。もうここまで来ると、誠実に決着をつけなければだめなんだ。あなたが、私が聞けば今言ったように、ごみ処理場でやっているのは大気汚染の影響ありません。そんなこと国民が納得してないじゃないか。だから、一般ごみとしてやることについては反対な自治体が出てきた。あなたにこれ以上言っても気の毒だからあれだけれども、事実認識が甘過ぎるよ。私は、将来のことを見通すと、厚生省のやろうとしている広域処理センターなんてできない。埋め立てたって反対されたら埋め立てられないですよ。  そこで私は、きょうは国務大臣として、環境庁長官ということを離れて、環境庁が言うとか言わないとかなんというスタンスじゃなくて、国務大臣として——これは、国民のいわゆる行政に対する不信になってきます。国務大臣の一人として明快な決断を下していただかなければならないと思うのですが、じゃ、どうすればいいか。さっき長官もおっしゃったけれども、現段階考えられる最適な処理を、今たまっている分にはこうしなさいということを厚生省が本当はきちっと言うべきなんだ。行政が明確な指導を出さないからこうなっている。今水銀を回収しなさいと言えば、北海道の野村興産ですか、あそこまで持っていかなければいけない。物すごいコストがかかるのですよ。できないのですよ、遠いところは。あんな二十キロ四方の広大なところならできますよ。この関東周辺の狭いところで水銀の処理センターをつくるなんて、住民運動が大変ですよ。そうなったら、今何かと言ったら、今たまっている分については適切な処理はこうしなさいという決断を、環境庁長官と、厚生大臣を呼んできて、通産大臣もかかわり合って、どうするか、適切な処理をぱちっと出すことがまず第一です。三年間ほっておいたら大変なことになると私は思う。  第二番は、これは通産省と相談をして、今日本電池器具工業会が三年をめどに三分の一に、もっと早くして、限りなくゼロにいつまでにできるかという明確なプログラムを出させること。これはこの後通産省に聞きたいと思うのです。  もう一つは根っこで断つことです。これは、例えば国民生活を守る上で使いやすい、便利ですね。コストが安い。今度の水銀乾電池だって、大臣も御承知のように、一番根っこにあるのは補聴器なんですよ。あのボタン電池を使っている。大半はボタン電池なんです。お年寄りの使っているボタン電池のコストが水銀を使えば安いのです。あれをアルカリ・マンガンにすると八百円ぐらいになって、二百円、三百円あるいは百円のオーダーであるかもしれませんけれども、そのお年寄りの月の支出が水銀電池をアルカリ・マンガンにかえるとかほかの電池にかえると非常にコストが高くなるし、機器の電圧の調整もしなければならぬと思うのです。そうなってくるので、問題点を見てみると、この補聴器に一番かかわり合いがある部分なんです。  その他、電池をいわゆる製造段階でゼロにすることと根っこで断つというのは、使いやすさ、便利さ、安さのほかに、これから環境庁通産省と話し合っていただきたいのは、人間の健康に有害な物質を含む製品はやめるべきだ。たとえそれが安くても、リサイクルできなければ、あるいは処理ができなければ、そのツケはどこかに返ってくるのですよ。全部消費者、国民に返ってくる。恐らく電池のメーカーは、処理の経費を負担しなさいと言えばコストにかけできますよ。それは全部国民にはね返るのです。ですから、やはり行政の責任として何をやらなければいけないかと言えば、使いやすさとかコストの面だけではなくて、健康に悪影響を及ぼす物質の入っている製品は使うな。また、処理しにくい、処理場で問題になるようなものを勝手につくることはやめなさいということを環境庁、厚生省、通産省三閣僚がきちっと話し合って、これはいろいろな委員会で附帯決議で載っているのです、つくらせないようにしましょうということは。そんな紙に書いた文字ではなくて、実効ある措置をここでとらないと、この水銀の乾電池の問題は処理できないと思うのです。  ですから、私が長官にお願いしたいのは、現段階でどうするかということを早急に関係閣僚と話し合って、この処理については明確にする、国民が安心し、納得できる処理方法を現時点で早く明示するということ。そんな厚生省みたいに、地方自治体でおやりになるならないは勝手ですなんて、甘いことを言っては絶対にだめです。これはやっていただきたい。  それから乾電池の量を減らすということも、はっきりとしたプログラムを明確にしてもらう。と同時に、製造段階でとめるという確固たる措置をこの際確立しませんと、こういう問題がまた出てくると思うのです。  これをほっておけば、蛍光灯が危ないとか何が危ない、ブラウン管が危ない、いろいろな形でもしも危ない危ないということになってくると、環境庁が言うアメニティー社会のためにどれだけのコストを払わなければならないかという問題になってきますけれども、やはり根底にあるのは、必要なものは、人間の健康や住みやすい社会をつくるためには、断つべきものは根っこで断っておくというきちっとした姿勢を国務大臣としてとっていただかないといかぬと私は思うのです。  ですから、重ねて、いま申し上げた適切な処置、水銀の量を減らす、製造段階でとめる、こういう考えに立ってこの問題を、長官もここまで来ると、国務大臣として政治的な決断しかないと思うのです。いわゆる各省庁がきちっと対応していただかないといけないと思うのですが、いかがでしょうか。
  160. 上田稔

    上田国務大臣 お答えを申し上げます。  水銀を使わないような電池をつくれ、これが第一点だと思うのでございますが、これに対しましては後で通産の方がお話をされると思うのでございますが、その研究を今進めていただいておるとお聞きをいたしております。これは早くそういうふうにしていただく。  次に、そういう水銀もつくらさないようにするということも、しかし、やはりそれの代替品がはっきりとしてこない限り、ちょっとそういうわけにもいかないかもしれませんが、そういうことで、私は早くつくっていただくということに向けていけばいいのではなかろうかと思います。  それからもう一つ、出てきたものをどう処理するかという問題でございます。これも通産の方でもいろいろお考えになって、そうしてボタン電池と同じように筒型も製造元へ返ってくるというやり方もこれはあるのではなかろうかということで、いろいろ御議論が出ております。ただし、私が思いますのは、今もう既に分別収集に踏み切って、どんどん分別収集しておられるところでは乾電池がたまってくる、もう使い古した乾電池がたまってくる、たまってきたものを置く場所もなくなってくるという状態になるまでに、やはり処分方法というものをはっきりさせなければいけない。その処分方法というものを、先生が今お話しのように、有害なものがまた出ていくというような処分方法ではやはりいけませんので、これは有害なものが出ないような処分方法を早く考える、私はこれが一番ではなかろうかと思うのでございます。そういう点で、先ほどちょっと申し上げましたが、厚生大臣の方も非常に心配をしまして、これはひとつ一緒になってそういう点を考えようじゃないか、たまってきたら困るということで、今進めておるところでございます。
  161. 薮仲義彦

    薮仲委員 ちょっと長官、重ねて恐縮なんですけれども、これはなるべく早い時期にこの処理について結論を出していただくことが一番いいと思うのですが、いかがでございますか。
  162. 上田稔

    上田国務大臣 お答え申し上げます。  早い時期にやるべく、渡部厚生大臣と話をいたしておるのでございます。
  163. 薮仲義彦

    薮仲委員 それでは通産省、水銀の入っていない乾電池をいつごろまでにできるか、ちょっとやってください。長々しくやらないで結構ですから、すぱすぱっとやってください。
  164. 広野允士

    ○広野説明員 ことしの一月に厚生省と通産省両省の要請でもちまして、乾電池の水銀に関します公害の未然防止の見地から業界に要請をいたしましたが、それの一つがアルカリ電池の中に含まれます水銀の減量化の問題、これは三年間に三分の一に減量化させるという点が一つでございます。  もう一つは、水銀電池の回収強化の問題でございます。     〔國場委員長代理退席、委員長着席〕  それで、アルカリ・マンガン電池の水銀使用量の減量化につきましては、業界全体の問題として業界の力を結集する共同研究体制をとるという方向で今現在指導しておりまして、鉱工業技術研究組合法に基づきます研究組合を設立すべく現在準備中でございます。これによりまして、できるだけ効率的に、また共同研究によって力を結集いたしまして、研究をできるだけ短期間のうちに完成させたいと思っております。また、通産省といたしましても、適宜適切な支援をしてまいりたいと考えております。
  165. 薮仲義彦

    薮仲委員 もう少し具体的に、例えば今の水銀量を何分の一にするのがこのぐらいの時期をめどにとか、三分の一にするのが三年とか、それがさらに縮まるということはないのですか。
  166. 広野允士

    ○広野説明員 できるだけ短期間のうちにやりたいと思いますけれども、技術開発が伴う問題でございますので、私がここでお約束申し上げましても余り意味のないことになりますので、できるだけ短期間のうちにやれますように通産省としても支援をしてまいりたいと思っております。
  167. 薮仲義彦

    薮仲委員 水銀の問題は他の委員会でもいろいろ論議された非常に大きな問題ですから、どうか通産省は責任を持ってこの対策は進めていただきたいと思うのです。  きょうはそのほかにいろいろな問題をやりたかったのですが、時間がなくなったものですから、これも農水委員会等でもいろいろ問題になり、ここでも問題になったことですが、ここでどうするかということを確認しておきたいことは、2・4・5T除草剤の不純物としての地上における最強の毒性を持っているという2・3・7・8ダイオキシン、調査結果も大体まとまったようですから、これについてどうするかということをお伺いしたいと思うのです。  まず、現状認識林野庁ちょっと簡単に数字だけ言ってください。2・4・5Tというものの出荷された総量、それからメーカーが回収したものと土中に埋設したものを引きますと総使用量が出ますね。除草剤として使われた総使用量は、乳剤幾ら、粒剤幾ら、ちょっと数だけ言ってください。
  168. 塚本隆久

    ○塚本説明員 お答えいたします。  当時の2・4・5T剤の総出荷量というのは、推定によりますと約九十六トン。これは原体有効成分換算量でございますが、約九十六トンと思われます。そのうち廃棄処分あるいはメーカーに返品されたものが約五トンでございまして、残りの九十一トンが一応散布された、このように考えるわけでございます。
  169. 薮仲義彦

    薮仲委員 私の聞いているのは、2・4・5T除草剤の総出荷量ですよ。そんな数じゃないでしょう。粒剤だったら四千トンのオーダーでしょう。乳剤だったら百台のオーダーになっていますよ。数字は正確に言ってください。いわゆる2・4・5T換算じゃなくて、除草剤全体の。
  170. 塚本隆久

    ○塚本説明員 かなりいろいろな種類の除草剤がございますので、私ども一応原体換算量として押さえておりまして、今申し上げた数字でございます。
  171. 薮仲義彦

    薮仲委員 じゃ、農林省来ているでしょう。農林省わかるでしょう。数字だけ言ってください。
  172. 岩本毅

    ○岩本説明員 お答えいたします。  これは製剤でございますけれども、全体で約四千六百トンというふうに承知しております。(薮仲委員「乳剤と粒剤と分けて」と呼ぶ)乳剤と粒剤の別でございますけれども、主な粒剤でいきますと約四千三百トン、乳剤が合わせて百十六キロリッターぐらいと考えております。
  173. 薮仲義彦

    薮仲委員 長官、今お話があったように、粒剤は四千五百六十トン、乳剤が百十六キロリッター、これは総出荷量ですね。回収されたのを引きますと、散布された乳剤は百九キロリッター、それから粒剤は四千四百九十四トン、こういう数字が僕のところに来ているのですよ。これは農林省から来たのですけれども、これでいきまして、さっきお話しのように、2・4・5T換算でいきますと九十六トンがまかれていますよということなんですね。長官も御承知のように、この2・4・5Tの恐ろしさというのはいろいろ言われているわけで、卑近な例ではベトナム戦争の当時の催奇性の問題等が指摘されております。  もう時間が来ましたので、きょうは問題点だけ指摘しておきますけれども、この処理方法で、長官の指示どおりやらなかった処理の仕方がたくさんあるわけですね。高知としては高知独自の方式で、ビニールを敷いて、消石灰を入れて、粒剤をそのまま袋に入れて、あるいは缶のままとか、いろいろあるわけです。これは細かく言うとたくさんあるのです。セメントで固めていないとか袋が不十分であるとか、セメントの使用方法が不適切であるとか、いろいろ書いてあるのです。これはもう調査が出ているのです。こういうように長官通達どおり埋めてないものがあるわけですが、こういうものの処理について環境庁はどうお考えになるか。この処理をこのままにするのかどうかということは、非常に問題なんです。  それからまた、一番危険と言われたのは乳剤の方です。事柄を正確にしますと、林野庁の方で2・4・5T換算という言い方をしていましたが、あれによれば、九十六トンまかれたこと自体、土壌あるいは水質等にどういう影響があるのかということも大事だと思うのです。追跡調査しなければなりませんけれども、問題は乳剤の方です。乳剤の方には、2・4・5Tのダイオキシン、いわゆる2・3・7・8という最強のダイオキシンが含まれている量が一九%あるいは二十数%あるいは五十何%、いろいろ種類がありますが、危険なダイオキシンがたくさん入っているものがあるわけです。乳剤が一番危険ですから、乳剤は掘り起こして厳重に保管しなさいということで保存されているわけです。その中で、周辺の土壌の調査をしたところ、ダイオキシンが検出されましたよという箇所が五カ所あるわけですね。土壌が汚染されていますよという現状でプラスの調査結果が出ているのです。まだ結果が出ていないところもございます。  このようにダイオキシンが散布されたこと、長官の指定どおり処分されてないものが現にあること、回収した乳剤を倉庫の中に厳重に保管しておきなさいということで保管されたままになっていること、それから土壌を調査したらプラスの結果が出てきたこと等々、これは環境汚染上非常に深刻な認識をして、これから健康被害も継続的にやらなければなりません。これは大したことないやという判断に立ては、このまますうっといっちゃうかもしれません。しかし、事柄をこうやって見てみますと、私はダイオキシンの持っている毒性というのは怖いと思うのですね。  なぜかといいますと、ここに書いてあります。ダイオキシンの急性毒性、発がん性、催奇性、遺伝毒性などから明らかなように、地上最強の毒性と2・3・7・8ダイオキシンは言われております。これは、環境に放出された場合でも安定していて分解されることが少ない。生体濃縮があり、たとえ微量のものでも長い間には生体内に蓄積される。また、体内に入ったダイオキシンは発がん性、催奇性、遺伝毒性を持っている。こういうふうに恐ろしい研究発表がたくさんあるわけですから、これは長官、篤と御存じだと思うのです。こういうものはたとえ年数がたっても非常に怖いことですので、環境庁としては、その処理が今申し上げた適切な処理じゃなかったこと、乳剤として保存されているもの、プラスの反応の出たところをどうするか等々、これについては関係省庁と話し合ってしっかりとした対策を立て、早急に結論を出していただく必要があろうかと思うのですが、いかがでございますか。
  174. 上田稔

    上田国務大臣 お答え申し上げます。  この2・4・5Tにつきましては、林野庁の方におきまして、廃棄の方法を誤ったものにつきましては、周辺に対する環境の影響の状況というものをお調べをいただいておるのでございます。2・4・5Tにつきましては、毒性はあるものの、やや低いものでございますが、それについてはある程度出てきておるのでございますけれども、肝心のダイオキシンにつきましては、これは周辺の方には今のところデータとしてはそう大きく出てこずに、むしろ下の方にしみ込んでいっておるようでございまして、それが土の中にとまっておるというふうに今発表していただいておるのでございます。  ところが、大変情けないというと何でございますが、情けないことには、ダイオキシンに対してのいろいろ調査をしていただけるようなお医者様といいますか、技術者といいますか、そういう方が非常に少のうございまして、ダイオキシンを扱っていただけるところは、日本でも、信頼できないと言うとおしかりを受けますけれども、信頼をおけるところは三カ所ぐらいではなかろうかというようなことが言われておるのでございます。したがいまして、大々的にそういう調査をというわけにいきませんので、やはり今あるところにおいてそれがどういうふうに浸透していっているかというようなことについて調べていただくようにしておるのでございまして、それを今待っておるところでございます。  なお、周辺の地下水その他におきましては、2・4・5Tもダイオキシンも発見をされておらないというのが今の実情でございます。したがいまして、特に一カ所において深く調査をしていこう、こういう考え方でおります。
  175. 薮仲義彦

    薮仲委員 もう時間になりましたからこれでやめますけれども長官、必ずしも認識が正確じゃないと思うのですよ。一度担当の局長から、どうなっているかと調査結果をよく聞いていただきたい。ここにありますように、水質、土壌調査の結果には明らかにダイオキシンについての危険な指標が出ておりますが、これについてどうするかということは、きょうは時間がありませんからやめておきます。  それで最後に、大臣、本当はきょうこういう暗い話ばかりじゃなくて、長官が一番明るくなるような、環境庁の目玉のアメニティー社会をやろうと思ったのですけれども、時間がなくなってできなかったが、長官に最後に言っておきます。  長官の言うように、これからの社会はアメニティー社会、本当に快適な環境づくりをしてもらいたい。その中で一番大事なのは、やはり緑の指標というのは大事だと思うのです。環境白書を読んだけれども、余り緑に熱心じゃないですから、長官は元建設省の河川局長ですから、もう少し緑について心を砕いていただきたい。アメニティー社会には緑が大事だ。特に最近、東京都の中は、環境庁の資料の中の「植生自然度」という長官のところでやっている資料でいきますと、東京は自然がほとんどなくなって、八七・二くらいになくなっているのですよ。これはもう非常に住みにくくなっている。  きょうはいろいろな資料を持ってきて長官と論議しようと思ったのですけれども、できなかった。緑がどんどん減っておりますので、どうか長官、きょう問題提起だけしておきますけれども、これからの住みよい社会のために、くれぐれも環境庁は緑に心を置いてお考えいただきたいとお願いをして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  176. 竹内黎一

    竹内委員長 次に、山原健二郎君。
  177. 山原健二郎

    ○山原委員 問題は二つですが、一つは、四国を貫流する吉野川の早明浦ダム建設による濁水の問題です。二つ目は、今質問のありましたダイオキシンの問題について質問をいたします。  早明浦ダム建設以来十年たちますが、その間における濁水の問題について、地元の高知県長岡郡本山町の町長、町議会議長はしばしばこういう上申書を出しております。これは本年の二月二十日に提出されたものですが、「早明浦ダムの冷濁水は、ダム建設以来十年を経過した今日も、高濃度に汚染された濁水禍及び冷水は尚依然として続き、多年にわたるこのダム公害は、地域住民の怨嗟の的となっております。」こう書いてあります。そして「かつては紺碧の湖に映える紅葉の渓谷美を誇り、河鹿晴き、若鮎の波間に躍った清流吉野川は、人々の「母なる川」から逐に「死の川」へ追いやられようとしています。」こういうふうに述べております。そして、その後の「記」の冒頭に「早明浦ダム建設にあたり、川はダム建設中も濁さない、完成後は濁らない。」など三つの約束をいたしておりまして、「建設省より町議会及び執行部に説明された事により、これを信じこの約束の下にダム建設に同意したものであります。」こういうふうに書いておりますが、その後におきまして猛烈なダム放流が行われて、下流における被害が起こったわけでありますけれども、それから後も濁水によっては川は見る影もない姿になってしまいました。  この点について私もしばしば取り上げてきたのでございますが、恐らく全国でダム建設によってこれほど大きな被害を受けたところはないのではないかと言われる状態にあるわけでございます。公害対策基本法第九条、大気汚染、水質汚濁、そして土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について第九条は書かれておりまして、これに基づいて環境庁告示で河川に対する一定の基準が出ております。吉野川はその基準の中で最も厳しいAAのランクでございまして、もう説明するまでもなく二五ppm、これが基準となっておりますが、昨年の冷濁水の放流によりまして、濁ったとき最高五〇ppmとなっております。その前の五十年、五十一年の大洪水のときは九〇ppm、しかもそれが長期に続くという濁水の状態でございまして、名物のアユは生育せず、コケ類はほとんど全滅状態。この状態に対して水資源公団にしばしば住民が交渉しましても、公団は、まれに見る大雨のためにこうなったのだという言いわけをしておりましたが、昨年の場合はそういう洪水ではありません。その中で渇水期にもあるいは洪水期にもこの濁水が流れ続けておるという状態でございまして、これに対して地域の町村がこぞって抜本的対策を求めております。  その求めているものをちょっとまとめてみますと、一つは早明浦ダムの基本計画の見直しをしてもらいたい。特にダム下流に流れ込んでおります汗見川の取水については、中止を含めて見直していただきたいというのが第一点です。  第二点は、地元関係者を含めた対策検討委員会をつくってほしい、その中で抜本的な濁水対策を進めてほしい、こういう要求でございます。つづめて言えばそういうことですね。  この地域は有名な地すべり地帯でございまして、今まで各省が指定をしております日本の地すべり地帯の中にも十一カ所の地すべり地帯がこのダム周辺にあるわけでございまして、これも相関連して濁水のもととなっておるわけでございますが、建設省は恐らくこのことについては十分御承知のことと思いますが、この町村の要求に対してどうお答えになるつもりか、伺います。
  178. 志水茂明

    ○志水説明員 お答えいたします。  早明浦ダムにつきましては、先生ただいま御指摘のとおり、昭和五十一年の台風十七号によります出水の際に、ダム上流域で流域平均総雨量で千七百八十二ミリというような異常豪雨を受けました。ダム地点の計画高水流量、毎秒四千七百トンと同程度の流入量を見たわけでございます。それによりまして発生をいたしました流域の山地崩壊によって濁水が早明浦ダムに流入をいたしまして、洪水後約三カ月にわたりましてダム放流水が濁る現象が生じております。  また、昨年の、昭和五十八年の八月末それから九月末に発生をいたしました早明浦ダムの濁水の放流、これも先生指摘のとおり、貯水位が低下をいたしておりまして、露出しておりました貯水池末端の十ミクロン以下の微粒物質を多量に含んでおります堆積土砂が中小規模の出水によりまして洗掘をされまして、これがダム貯水池に流入したために生じたものでございます。  こういった濁りの問題につきまして、私どもにおきましても、これも先生承知と思いますが、まず最初の昭和五十一年の濁水問題にかんがみまして、五十一年の十一月に国それから四国四県、水資源開発公団、電源開発株式会社、四国電力によります吉野川水系の濁水調査委員会を設置いたしまして、五十五年三月までにるる重ねて検討いたしました。濁水機構の解明とこの軽減策について検討いたしました。この検討結果に基づきまして、長期的な観点に立って山地の荒廃を防止する、そして流出土砂を抑制するために昭和五十四年度からこの地域で直轄砂防事業に着手をいたしました。現在鋭意その事業の促進を図っております。またさらに、表面取水設備の操作、それから堆積土砂の除去、貯水池周辺の護岸工事等によりまして濁水の軽減に努めているところでございます。  そのほかまた、五十五年から五十八年にかけまして、現地の砂をろ適材といたしまして吉野川の濁水をろ過することによりましてこの濁度の軽減を図るための室内実験を実施いたしております。ただ、この実験におきましては、非常に対象の流量が多いこと、それからまた濁質の粒度が非常に微細でありまして、目詰まりを起こしましてなかなか有効な対策を見出すに至っておりません。しかしながら、今後とも濁水に対する軽減対策につきましては上流域の砂防事業を積極的に進めますとともに、実用的で有効な対策について研究をしてまいりたいと考えております。  それから、先生指摘の基本計画の見直しという件でございますが、これは早明浦ダムが治水、利水の目的をあわせ持っております多目的ダムでございますので、洪水時に発生いたします濁水を貯水池に貯留いたしまして、洪水後徐々にこれを放流いたしますために、流入土砂の状況によりましては濁水が長期化する現象が見られる場合がございますが、早明浦ダムは治水、利水で非常に大きな機能を果たしておりまして、四国の開発発展に大きく寄与しております点を考えますと、この濁水の長期化現象というデメリットだけでダムの評価を下すのは早計であると考えております。私どもとしては、先ほども申し上げておりますようにいろいろ対策をとっていきたい。それからまた、さっき申し上げました調査委員会の提言にもありますように、早明浦ダムの運用等の問題につきましては、吉野川の治水、利水事業の拡大とあわせまして今後引き続き検討していきたいと考えております。  それから、汗見川の取水を中止したらどうかという点でございますが、これは五十八年の九月の濁水発生時に、電源開発株式会社の協力を得まして一時的に中止をいたしまして下流に放流をいたしております。しかしながら、この取水は電力供給から見ましても重要な取水でございますので、直ちにこれを中止するということはできません。ただ、今申し上げましたように、今後の吉野川におきます濁水対策の検討の中で総合的に検討してまいりたいと考えております。  それから、もう一つ指摘のありました地元関係者を含めた対策委員会の件でございますが、先ほど申し上げましたように、吉野川水系濁水調査委員会でいろいろ検討をし、この結論を踏まえて現在いろいろな対応をとってきておるところでございます。今後もこの結論に沿いまして濁水対策を検討してまいりますが、その過程におきまして、必要に応じて地元関係者の意向は十分反映してまいりたい、このように考えております。
  179. 山原健二郎

    ○山原委員 今のような答弁は私ども大体知っているわけですね。それではもうもたないという住民感情がありまして、去年なんか、もうダムをぶち壊せですよ。そこまで来ているわけでございます。これは私の故郷でもあるのですけれども、あれだけ美しかった川というのが本当に見る影もない状態になっているわけですね。確かに四国の水問題の解決に役立っておるとはいえ、これほど濁水が流れて、しかもまず平然としている状態ですから、これはきょうは時間がありませんからこれ以上言いませんけれども、相当厳しい意見が地元にあるということを申し上げておきたいと思います。また、この問題については今後さらに取り上げていきたいという気持ちを持っております。  時間の関係で、建設省、結構です。  いわゆる猛毒除草剤流出の問題でございますが、この問題は今なお地域の住民に大きな不安を与えております。何でこんなずさんな処理が行われたのか。これは調べてみますともう全くいろいろな問題が出てくるわけでございまして、これについて幾つか質問をしたいと思います。  これまでの調査結果について簡単に説明をいただきたいと思います。特に埋没箇所の近くの水質調査、土壌調査の結果はどうなっておりますか。時間の関係で簡単に御説明いただきたい。
  180. 塚本隆久

    ○塚本説明員 お答えをいたします。  通達と異なる埋没処分を行った箇所について、県等の協力を得まして水質調査あるいは土壌調査を実施しておりますが、六月末時点での結果について申し上げたいと思います。  まず水質調査につきましては、三十二の調査予定箇所のうち二十七カ所について調査結果が判明しておりますが、いずれも2・4・5Tは検出されておりません。  次に土壌調査につきましては、十五カ所におきまして調査結果が判明いたしておりますが、このうち2・4・5Tが検出されましたのは乳剤を埋没いたしました五カ所でございまして、その他につきましては2・4・5Tは検出されておりません。  以上でございます。
  181. 山原健二郎

    ○山原委員 五カ所というのはどこですか。
  182. 塚本隆久

    ○塚本説明員 お答えいたします、  土壌調査の結果2・4・5Tが検出されましたのは愛媛県の西条市、それから津島町、それから高知県に参りまして西土佐村、窪川町、安芸市、以上の五市町村でございます。
  183. 山原健二郎

    ○山原委員 四国へ集中しているのですけれども、人体への影響について健康診断をやるという方針だったと聞いておりますが、これはどうなっていますか。
  184. 塚本隆久

    ○塚本説明員 お答えいたします。  当時2・4・5T除草剤の散布に従事した者につきまして健康診断をやるということで、現在専門家の意見を聞き、健康診断要領を作成し、七月中旬から健康診断実施のための具体的な準備に入っておるところでございます。
  185. 山原健二郎

    ○山原委員 それでは、散布した従業者の方に対する健康調査と、それから埋没箇所近くの住民についてはどうですか。
  186. 塚本隆久

    ○塚本説明員 一般住民の健康診断につきましては、まずこの2・4・5Tに濃厚に接触をした散布従事者の健康診断の結果や、あるいは水質調査の結果等を見ながら、専門家の意見等を聞き、あるいは関係省庁とも相談しながら考えてまいりたいと考えております。
  187. 山原健二郎

    ○山原委員 この掘り出した2・4・5T除草剤、これはどう保管されており、またこの保管したものを今後どう処理するつもりですか。
  188. 塚本隆久

    ○塚本説明員 掘り出しました2・4・5Tにつきましては、厳重に保管をするということで指示いたしております。なお、この掘り出した2・4・5T等の処分につきましては、現在、環境庁等との話し合いを進めておるところでございまして、また専門家の意見等も聞きながら、早急に処分方法について対処してまいりたいと考えております。
  189. 山原健二郎

    ○山原委員 まだそのいわゆる対処の方法が何となく不明確でして、それで特に中間報告、今の御報告を初めて伺ったのですが、私がいただいておりますのは六月十五日現在の御調査の結果をいただいている。このときには、土壌汚染というのが二カ所ございました。今は五カ所お聞きしたわけでございますが、その中の窪川などは、これは処理方法には三百キロ以上は埋没してはならぬというのに、ここなんかは六百四十八リットルですね。物すごいものです。しかもそこで土壌汚染があるというのは、これは重大なことだと思いますが、しかもこの四国管内はほとんど乳剤を使っているわけでございまして、いわゆる五八%の2・4・5Tを含んでいるという強烈な毒素を含んだものが、全部乳剤が使われるわけですね。しかも、他の局の場合は四十六年当時、乳剤の九九%はメーカーに引き取ってもらっているわけですが、例えば私の県の高知局管内を見ますと、メーカーの引き取りはわずか三六%にすぎず、残りの六四%が埋没処理しているという状態ですね。しかも、林野庁からの通達に従わないでやっておるという。非常に不思議に思いまして、どうしてそんなことになったのか、何か理由があるのでしょうか。
  190. 塚本隆久

    ○塚本説明員 2・4・5Tの使用中止の通達を出しましたのが昭和四十六年の四月でございます。それで、そのとき追って通達をいたしまして、厳重に保管するようにということも出しておるわけでございます。その間、それからいろいろ関係省庁と処分の方法等について協議をいたしまして、処理方法についての通達を出しましたのが同じく四十六年の十一月でございます。高知営林局管内におきましては、その通達を出す以前の十月に手持ちの2・4・5Tを処理した、こういうことでございます。  なぜ高知市が通達以前に処理したかということにつきましては、いろいろ関係者の話を聞いてみますと、はっきりしないわけでございますが、恐らく保管中に缶が破れて2・4・5Tが流れ出していたところがありますとか、あるいはそのまま保管しておきますとまただれかに使われるのではないか、そんなことがございまして、林野庁からの通達を待たずに処分をした。たまたま高知管内の植生等からしまして乳剤の方が有効に効くということで、乳剤の在庫量が多かったということで、高知営林局管内につきましては通達に異なった形で大量に乳剤を処分した、このように考えております。
  191. 山原健二郎

    ○山原委員 十一月にこの処理通達が出ているその直前に、本当にそそくさと十月に埋没しているんですね。恐らく大量に、当時三月の会計末期にぼかっと入ってくるわけですよ。物すごい金ですからね、これは。そのために処理ができない状態に置かれている。そして十一月には通達が出るのだけれども、その直前にそそくさとそちらこちらに埋めてしまったという感じになっておりまして、これは後でやりますけれども、全国的に見て乳剤で七〇%、高知局を除きますと一〇〇%ですね、それから粒剤で六四%がメーカーに引き取られていますが、メーカーはどういう処理をしたのか、それは林野庁としてはつかんでおられますか。
  192. 岩本毅

    ○岩本説明員 お答え申し上げます。  当時、使用中止の指導の対象になりました2・4・5T剤でございますけれども、こういった問題が起こりましたので、営林局が持っております在庫品につきましては、林野庁の方から関係メーカーに引き取りの要請がございました。それに従いまして関係メーカーは在庫品を引き取ったわけですが、これはそれぞれのメーカーの焼却炉におきまして高温によって焼却したという報告を受けております。
  193. 山原健二郎

    ○山原委員 恐らくメーカーは高熱の処理方式を備えておると思うのですね。であれば、どうして全部をメーカーに返して処理させなかったのか。処理能力のない営林署は埋没する以外に道はないわけですから、ここがまた不思議なことで、私は非常に疑問に思うのは、この2・4・5T除草剤をなぜ販売禁止しなかったかという問題です。これは何か理由がありますか。
  194. 岩本毅

    ○岩本説明員 お答えいたします。  2・4・5T剤は本格的に使用されましたのが昭和四十四年以降というふうに承知しておりますけれども、四十六年当時になりまして、国際的にこの薬剤に催奇形性の疑いがあるという問題が提起されました。その時点におきましては、疑問が出たということで、農薬取締法に基づきます販売の禁止措置その他の措置をとるには十分な知見が得られてなかったということで、使用中止の指導をしたというふうに承知しております。
  195. 山原健二郎

    ○山原委員 これは、そこの辺が非常に甘い取り扱いだと思いますよ。農薬取締法に基づいて販売の禁止措置をとれば、メーカーはそれによって回収しなければならないということになるわけですから、それをやらないで、しかも一方では催奇性などについての疑問が出ているということで中止措置をとっているわけでしょう。  昭和四十六年四月六日付の林野庁長官名の通達によれば「2・4・5Tについては催奇性について疑問があり、現在世界各国において調査検討が行われている」と書いてございまして、疑わしいが、クロだという証拠がないから禁止しないというような立場でこの問題を処理しようとしたことに問題があるのではないか。禁止措置をとっておったならば、今日のようなこれほど全国民に不安を起こすような事態にはならなかったと思うのですが、これは林野庁として非常に甘い観測のもとに措置が行われたのではないかと思いますが、その辺の反省がありますか。
  196. 塚本隆久

    ○塚本説明員 当時といたしましては、ただいまお答えがございましたように、催奇性等の問題がありまして、林野庁といたしまして独自に使用中止ということで使用中止いたしたわけでございますが、結果的に通達違反という形で埋没処理が行われまして、関係住民その他にいろいろ迷惑をおかけしていることにつきましては、大変遺憾に存じておる次第でございます。
  197. 山原健二郎

    ○山原委員 この当時、このダイオキシンについての製造販売禁止問題が出まして、そのときに私の党の津川代議士が昭和四十五年七月十日と同年十二月八日に使用中止の問題を取り上げまして要求しましたときに、林野庁の方がどういう答弁をしておるかといいますと、食塩より含有量が低いのだという答弁をしまして、回収についても指導で対処できるのだというお答えをしているわけですよ。その直後に中止が行われる。こういう関係から見ましても、非常に甘い態度をとってきたのではないかということで、私は、大きな反省として、この際十分反省をしていただきたいと思うわけでございます。本当に業者が回収しておれば、業者はそれなりの処理能力を持っておると思いますね、高熱処理もやるだろうし。それができなかったところに今日の事態があるわけで、十三年たって旧悪がばれるという事態が出てくるわけですから、もっと厳正な処理をすべきである。  ところが、これは当時社団法人林業薬剤協会が出しております「林業と薬剤」、現在も出ておりますが、これを当時のものをずっと見てみますと、林野庁と業界、業界といえば、これは大手の業界でございますから、四十社が集まっております。その中には、例えば日産化学工業、石原産業、三井化学、三井化学は2・4・5Tの本当に総本山と言われていますね。しかも戦時中は毒ガスをつくっておったところですが、そういうところが四十社集まっている。その集まった林業薬剤協会の参与とか顧問、これに林野庁の幹部職員が入っているのです。入っているばかりじゃなくて、全国の営林署の造林課長会議が東京で行われますたびに、この協会のメンバー、会員が一緒に参加しておるのです。これは驚くべきことです。資料は筒抜けです。  だから、例えばこれを見ますと、造林課長会議の資料を全部業者へ渡していますね、薬剤の試験の状態も。時間がありませんからまとめて申し上げますけれども、例えば会報がこれに付随して出ておるわけですが、会報の中には「除草剤試験について、会員の希望に基づき、林野庁に薬剤試験の協力方の申し入れを行い、当局と打ち合わせの上、四月より早速全国十四の営林局に各会員会社の技術者が出張し、各局との協議、試験を実施することとなった。」国有林が、まさにこの毒性を含む除草剤の試験場化されているのです。そして協議をしていくという構えでございまして、そういう状態で試験的に国有林の林野で使用して、それが民間へいく足場になっている。  当時、国有林の年間新植面積は、昭和四十年から四十五年までの間で、平均しまして年八万三千ヘクタールです。八万三千ヘクタールに2・4・5Tを散布しますと八億五千万のもうけになる。ものすごいものです。最大の市場です。ここで一定の試験をやって、そしてそれをパイオニアにして民有林の方に使用していく。当時国有林は財政が豊かでしたから、特別会計に年間二百億の黒字があったわけです。それで、年度末になりますと各営林署ともこの農薬、薬剤かどーんと入ってくる。高知県の場合を見ますと、千六百ヘクタールの新植が行われているのですが、四十三年の買い入れが恐らく三千四百万円に達するであろう。短期間に膨大な除草剤を入れまして、これの処理に困っている。そのためにあわてて十一月の通達が出る直前の十月に埋没をしたのではないかというふうに思われるわけでございます。  そして、この造林課長会議が行われますたびに宴会が行われているのです。これは、私の方で見ましたら、一年間に三回の宴会が行われておりまして、それに薬剤協会の代表が出席をして、その宴会の中でヒントを得るとともに、一層の親近感を強めた、中間報告が配付された、今後に資すること大であると、いわば官庁の研究した試験材料あるいは官庁の方針、政策が、良さにこの社団法人の林業薬剤協会に筒抜けの状態にあったのではないかということなんですね。これは、全部宴会の記録まで出ておりますから、六十八名でやったとか、二時間半にわたって目黒の三条苑あるいは椿山荘等において、もう本当に一緒になってやっておるのです。官庁らしい、そういう毅然たる倫理観というものが、その当時は、現在は知りませんよ、現在はお聞きしたいけれども時間がないが、その当時は全く欠如しておったのではないかという感じさえするわけでございまして、そういう状態の中でこのダイオキシン問題があのようなずさんな形に放置されて、今日のような事態を起こしているのじゃないかということを私は指摘せざるを得ないのです。  その辺はどういうふうにお考えになっていますか。
  198. 塚本隆久

    ○塚本説明員 お答えいたします。  除草剤あるいは農薬一般の開発、これは林業関係でございますが、につきましては、開発試験あるいは実用化試験というものを実施して農薬登録をとるという形になるわけでございますが、その開発試験なり実用化試験につきまして国有林のフィールドを使わせたということは事実でございます。また、当時国有林としましても、年々増大する下刈り等に対処しまして、有効な除草剤あるいはその他の薬剤を開発する必要がございましたので、そういう面で協力したというふうに考えております。  ただ、そうした癒着につきましては、十三年前のことでございますので、私ここで何とも申し上げられませんが、現在はそのようなことはないというふうに考えております。
  199. 山原健二郎

    ○山原委員 こういうことがこれだけの大問題になりまして、しかもまだ汚染された土壌の問題あるいは水質、ほとんど流出でしょう、これは見たら流出しているのですから、本当を言えばその流出した海岸の汚染状況調査であるとかあるいは人体に及ぼしている影響であるとか、例えば窪川町の場合は二十九缶のうち十七缶が除草剤で、ほとんど流出ということが出ている。そこが今土壌汚染が検出がなされたということですから、これはやはり、余り声を大にして言うわけじゃありませんが、本当にきちんとした処理をしないと大変なことになります。そういう意味では、住民に不安を与えないような処理を林野庁としてもすべきであるというふうに私は考えておりますが、その点よろしいですか。
  200. 塚本隆久

    ○塚本説明員 今後住民に不安感を与えることのないように、適切な処理を行ってまいりたいと思います。
  201. 山原健二郎

    ○山原委員 時間をいただいてどうもありがとうございました。
  202. 竹内黎一

    竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十九分散会