○関
委員 山内、
菊池両
参考人さん、大変御苦労さまでした。
私は
科学技術委員会にあって常に
原子力船の「
むつ」の問題を取り上げて、とうとう
中川長官は今までなくなってしまうという残酷な結果を生むほどに悲しい事実を積み重ねている、こう見ているわけであります。私は、きょう本当は北村
知事が参りまして
お話をして、そして
青森県がゆすりたかりの汚名を受けるのは真っ平御免だ、こう声高らかにここで言っていただきたかったと思うのでありますが、ヨーロッパの方に御視察されて本日お帰りだ、こう聞いております。ヨーロッパに出かけたのは、
核燃料サイクル基地の
予定地として
青森県が求められているものですから、そのために
調査においでになったと聞いております。これは下北、一
青森県の問題だけじゃなくて、言うなれば日本の
原子力行政の今最大の問題である、こう思っております。その問題と
原子力船「
むつ」の
定係港の問題が無
関係であればいいんですけれども、実は極めて
関係のある
状態に今来ている、こう思っております。そこで、私の質問時間は五十分でありますが、幸いに同僚議員から時間が過ぎてもなお続けられる場合は自分の時間も差し上げる、こういう
協力の申し出もありましたので、私は少しくじっくりとお尋ねをいたしたいと思うのであります。
なぜ、
原子力船「
むつ」の行政が
原子力船事業団の仕事でありながら、あなた方や
青森県の
知事さんに御苦労かけなければならないのか。これは県の行政では全くない。ありがた迷惑であるのが
青森県の行政当局ではないか、私はこう思っているわけです。ところが不思議なことに、ことしの一月十七日に
自民党の科学技術部会が
原子力船「
むつ」の
廃船論、そうして
予定されているところの
関根浜のこれまた
建設断念論、見事な変身と申しましょうか政策転換と申しましょうか、方針を打ち出しました。私は長いこと
科学技術委員会において、あの場所は適地じゃない、なぜならば活断層がすぐ目前にある。その活断層の
調査も容易にできないままでは、これはもうむだ金になるからというようなこともあって、
考えたんだろうと思うのです。
ところが、その方針を打ち出しましたら、
青森県の
知事は何事ぞと言って顔の色を変えてやってきた。ありがとうございますと言ってくれるのかと思ったら、とんでもないことだ。あれは
青森県が望んで、そうして欲しくてたまらない代物なんでございましょうか。五
者協定というものは、ありがたいものをちょうだいするための
協定であったのでしょうか。
協定というものは、そのことについての
一つの
条件としてやむを得ないものとして打ち出されたものだと思うのです。その
条件が用がなくなったならば、これほどきれいさっぱりすることはないんじゃないだろうかと実は私は思うのですが、あの一月の十七日におっ取り刀で走ってきて、
知事の辞職物だ、腹を切った方がよっぽどいいと思うのだけれども、腹も切れないでまた戻っていって、とにかくおどかしているような姿は、全くこっけいに見えてしょうがないのです。中央の識者たちは、
青森県というのはあれは何だろう、要らないものを置いたと思ったら欲しいものを置いて金を取っておるのかとまで酷評している始末であります。あれは
自民党の科学技術部会の崇高な
一つの決断であったと私は思うのです。なかなかやれません。でも、事やむなしというところに至った決断、そしてその裏打ち根拠、私は相当に根拠のあることであったと思うのです。それを
青森県の
知事が何でそんなことはやめてくれと言わねばならないのかということの真意がわからないのであります。
この際、あのことについての真意をまずひとつ、ここで御披露できるならば聞かせていただきたいと思います。