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1984-02-28 第101回国会 衆議院 科学技術委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年二月二十八日(火曜日)    午後零時七分開議  出席委員    委員長 大野  潔君   理事 小宮山重四郎君 理事 笹山 登生君    理事 平沼 赳夫君 理事 与謝野 馨君    理事 大原  亨君 理事 渡部 行雄君    理事 小川新一郎君 理事 吉田 之久君       岸田 文武君    櫻内 義雄君       小澤 克介君    松前  仰君       遠藤 和良君    小川  泰君       永末 英一君    工藤  晃君       辻  一彦君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      岩動 道行君  出席政府委員         科学技術政務次         官       岡部 三郎君         科学技術庁長官         官房長     安田 佳三君         科学技術庁長官         官房会計課長  窪田  富君         科学技術庁計画         局長      赤羽 信久君         科学技術庁研究         調整局長    福島 公夫君         科学技術庁振興         局長      村野啓一郎君         科学技術庁原子         力局長     中村 守孝君         科学技術庁原子         力安全局長   辻  栄一君  委員外出席者         科学技術委員会         調査室長    曽根原幸雄君     ――――――――――――― 委員の異動 二月二十四日  辞任         補欠選任   工藤  晃君     不破 哲三君 同月二十五日  辞任         補欠選任   不破 哲三君     工藤  晃君 同月二十八日  辞任         補欠選任   工藤  晃君     不破 哲三君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  科学技術振興基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 大野潔

    大野委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興基本施策に関する件について調査を進めます。  岩動国務大臣から科学技術行政に関する所信を聴取いたします。岩動国務大臣
  3. 岩動道行

    岩動国務大臣 科学技術庁長官岩動道行でございます。  このたび、重要な科学技術行政を担当することになりました。よろしくお願い申し上げます。  第百一回国会に当たりまして、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。  現下の厳しい内外諸情勢の中にありまして、経済の安定的な成長と国民生活の一暦の充実図力、活力あお社会を築いていくためには、科学技術振興が不可欠であります。我が国が戦後の急速な経済成長により、自由世界第二位の経済力を有し、一億二千万人の人々が豊かな生活を享受することができるようになりましたのは、ひとえに国民のすぐれた知的能力とたゆまざる勤勉、努力のたまものでありました。資源に乏しい我が国にとって唯一の資源とも言うべき頭脳資源最大限活用し、国民の英知を結集して、創造性豊かな科学技術の創出を図ることにより、経済の持続的な発展国民生活向上を実現し、さらには世界経済発展に貢献していくことが、我が国の二十一世紀に向けての進むべき方向であると確信いたしております。  私は、現在始まりつつある高度情報社会へ向けて、科学技術の果たす役割はより一層大きくなっていくものと考えますが、その際、科学技術人間性との調和に配慮していかなければならないと考えております。  私は、昨年末、科学技術庁長官に就任して以来、科学技術政策推進のために精力的に取り組んでまいりましたが、今後とも科学技術振興を国家的な重要課題として位置づけ、その強力な推進を図ってまいる所存であります。  以下、昭和五十九年度における科学技術庁の主要な施策につき、所信を申し上げたいと存じます。  まず第一は、科学技術振興調整費拡充等科学技術行政企画調整機能強化であります。  科学技術会議企画調整機能強化を図るとともに、同会議方針に沿って運用する科学技術振興調整費拡充等により、先端科学技術中心とした重要総合研究等を強力に進めてまいります。  第二は、流動研究システムによる創造科学技術推進であります。  科学技術立国を目指す我が国にとって、次代技術革新を担う独創的な科学技術の芽を発掘し育成することが不可欠であります。このため、産学官のすぐれた研究者を結集し、創造性豊かな新技術を創出するための研究を行う創造科学技術推進制度拡充を図ってまいります。  第三は、がん関連研究等ライフサイエンス振興であります。  科学技術会議及びがん対策関係閣僚会議で示されたがん制圧のための基本方針に従い、がん関連研究の総合的かつ効率的推進を図るとともに、保健医療、食糧、エネルギー等、広範な分野において人類福祉に貢献する総合的科学技術であるライフサイエンス関連施策を強力に推進いたします。なお、ライスサイエンス推進活用に当たっては、人間の尊厳という問題に十分配慮を払っていくことが必要であると考えております。  第四は、原子力研究開発利用推進であります。  資源小国我が国が将来にわたって発展していくためには、石油代替エネルギーの中核たる原子力研究開発利用国民理解協力を得つつ積極的に推進していくことが必要であります。  このような原子力研究開発利用推進に当たっては、安全性確保が大前提であり、原子力安全規制行政充実安全研究推進等各種安全対策を強力に展開するとともに、電源三法の活用による地域住民の福祉の向上及び地域振興のための施策等を講ずるなど、原子力開発利用促進を図ってまいります。  また、原子力発電を円滑に推進するためには、原子力発電規模の拡大に見合った自主的な核燃料サイクル確立が不可欠であり、濃縮ウラン国産化使用済み燃料め再処理、放射性廃棄物処理処分対策等の諸施策推進していくとともに、核燃料有効利用を可能とする高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設新型転換炉実証炉計画推進など、新型動力炉開発を強力に進めてまいります。さらに、核融合等研究開発を積極的に推進いたします。  原子力船研究開発につきましては、資源小国世界有数造船海運国として、今後とも、舶用炉研究開発はどのような方法にせよ続けてまいる所存でありますが、原子力船むつ」のあり方につきましては、今後政府・自民党内において検討を行うこととしております。関根浜港については、その検討結果いかんにかかわらず必要となる部分について建設を進めてまいります。また、今国会に「むつ」の研究開発実施主体である日本原子力船研究開発事業団日本原子力研究所と統合することを内容とする法律案を提出する予定でございますので、よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。  第五は、宇宙開発推進でありますの  昨年の通信衛星二号(さくら二号)、先般の放送衛星号a(ゆり二号a)の打ち上げ成功等により、我が国は本格的な宇宙の実利用段階に入りました。このような風向における宇宙開発進展や、国際的諸状況の変化を踏まえて、今回宇宙開発政策大綱の改定を行いましたが、今後、同大綱に示された方針に沿って我が国宇宙開発推進していく所存であります。  昭和五十九年度におきましては、気象衛星三号を打ち上げるとともに、通信衛星三号、放送衛星三号、海洋観測衛星一号の開発地球資源衛星一号の開発研究等を行うこととしており、さらに、スペースシャトル利用した第一次材料実験システム開発宇宙基地システム研究等宇宙分野国際協力推進することといたしております。  また、ロケット開発につきましては、人工衛星の打ち上げ能力向上のため、HIロケット開発推進するとともに、昭和六十年代後半の大型人工衛星の打ち上げ需要に対応するため、大型ロケット研究を進めるなどその推進を図っていくことといたしております。  第六は、海洋開発推進であります。海洋国家日本としましては、海洋科学技術に関する研究開発を積極的に推進していく必要があります。とのため、昭和五十九年度におきましては、潜水調査船「しんかい二〇〇〇」による深海調査技術研究開発を引き続き進めるとともに、さらに大深度を目指した潜水調査船システム研究を実施するほか、潜水作業技術に関する実海域実験を行うための海中作業実験船の建造を進めるなど、総合海洋科学技術プロジェクトを積極的に推進いたします。  第七は、各般の重要な総合研究等推進であります。  地震雪害等自然災害の防止、軽減を目的として、地震予知震災対策雪害対策等研究中心に、防災科学技術推進を図ってまいります。  また、航空技術研究開発については、ファンジェット短距離離着陸機STOL機実験機製作を進め、昭和五十九年度には初飛行を行うこととしております。  さらに、レーザー科学技術材料技術等基礎的基盤的研究推進するほか、資源総合的利用方策調査、新技術企業化等を進めてまいります。  第八は、国際協力推進であります。  国際化進展に伴い、国際交流重要性が一段と高まりつつあります。このため、サミットで合意された科学技術国際協力に積極的に対応するほか、米国、フランス等先進諸国との協力推進を図ってまいります。また、我が国と密接な関係を有するASEAN諸国中国等との科学技術協力推進してまいります。  第九は、科学技術振興基盤整備であります。  科学技術振興を支える研究者養成等研究基盤強化を図るとともに、高度な知識と多額の投資が集約された科学技術情報の効率的な流通を図るため、科学技術情報全国流通システム整備等促進いたします。  最後は、国際科学技術博覧会開催であります。  国際科学技術博覧会は、科学技術重要性に関する国民理解を深め、科学技術国際交流促進するなど、極めて大きな意義を有しております。準備最終年度といたしまして、会場及び政府館建設等を完了させ、運営等準備を整え、昭和六十年三月から茨城県筑波研究学園都市において開催することといたしております。本博覧会開催については、広く海外及び国民協力を得て、国家的事業にふさわしい立派なものになるよう最大限努力をしてまいります。  以上、昭和五十九年度における科学技術庁施策に関し、その概要を申し述べましたが、これらの諸施策を実施するために、昭和五十九年度予算といたしまして、一般会計三千二百九十三億円、電源開発促進対策特別会計七百八十七億円を計上いたしました。また、科学技術振興関係の税制に関し、民間の試験研究促進等のため及び国際科学技術博覧会の円滑な開催促進のため、それぞれ国税及び地方税につき、所要の優遇措置お願いいたしてまいる所存であります。  エネルギー問題、食糧問題等我が国を初めとする世界各国が直面している諸問題を克服し、豊かで明るい人類の未来を開く上での重要なかぎとなるのが科学技術であります。  私は、科学技術行政を担当する者として、その使命の重大さを深く認識し、科学技術振興誠心誠意努力してまいりますので、委員各位の御指導、御鞭撻をお願い申し上げますとともに、国民の皆様の御理解、御協力を心からお願い申し上げます。  以上をもちまして、私の所信表明を終わります。(拍手)
  4. 大野潔

    大野委員長 この際、岡部政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。岡部政務次官
  5. 岡部三郎

    岡部政府委員 昨年の暮れ、科学技術政務次官を拝命いたしました岡部三郎でございます。  科学技術振興は、ただいまの大臣所信表明にもございましたように、我が国にとりまして非常に重要な政策課題でもございます。委員長初め委員の諸先生方の御指導、また御支援、御鞭撻を賜りまして、誠心誠意努力をいたしまして大臣を補佐してまいりたい、かように考えております。どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。  ありがとうございました。(拍手
  6. 大野潔

    大野委員長 次に、昭和五十九年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。安田官房長
  7. 安田佳三

    安田政府委員 昭和五十九年度一般会計予算におきまして科学技術庁歳出予算額は、三千二百九十三億四千六百万円を計上いたしております。  また、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁分といたしまして、歳出予算額七百八十七億四千五百万円を計上いたしておりますが、両会計を合わせた科学技術庁歳出予算額は四千八十億九千百万円となり、これを前年度の当初歳出予算額に比較いたしますと百一億三千六百万円の増額となっており、その比率は二・五%増となっております。  この歳出予算のほか、国庫債務負担行為限度額といたしまして、一般会計一千九十億六百万円、電源開発促進対策特別会計七百六十五億三千五百万円を計上いたしております。  また、一般会計予算予算総則におきまして、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を二千五十八億円にするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を二百三十一億円とし、これに基づく借入金を使用済み燃料再処理施設の操業費等の一部に充てることといたしております。  次に、一般会計歳出予算額のうち重要項目につきまして、その大略を御説明いたします。第一に、科学技術会議の方針に沿って、科学技術振興に必要な重要研究業務総合推進調整を実施するための科学技術振興調整費の拡充を図り、同会議を中心とする科学技術行政における企画調整機能の一層の強化を図るための経費として、六十三億五千九百万円を計上いたしました。  第二に、流動研究システムによる創造科学技術の推進といたしまして、産学官のすぐれた研究者を弾力的に組織化して、次代の技術革新を担う創造性に富んだ新技術を創出するための研究を推進することとし、これに必要な経費として新技術開発事業団に二十二億九千六百万円を計上いたしました。  第三に、保健医療、農業、工業等、広範な分野において人類福祉に貢献する総合的科学技術であるライフサイエンスの振興につきましては、七十六億五千七百万円を計上いたしました。このうち、科学技術会議及びがん対策関係閣僚会議で示されたがん制圧のための基本方針に従って、がん関連研究の総合的かつ効率的推進を図るための経費として三十四億五千八百万円を計上いたしております。  まず、理化学研究所におきまして、がん関連研究等ライフサイエンスにおける先導的基盤的な研究を推進するための遺伝子組みかえ研究棟の建設及び最高度の物理的封じ込め機能を有する遺伝子組みかえ実験棟を用いたがんの本態解明のための研究等に着手するほか、人工臓器等研究開発を推進するための経費など十二億八千二百万円を計上いたしております。次に、がん制圧に必要な遺伝子及びたんぱく質に関連する共通基盤技術等ライフサイエンスについての研究開発を積極的に進めるため、科学技術振興調整費及び新技術開発事業団委託開発制度を活用することとし、三十三億七千万円の充当を見込んでおります。また、同事業団における創造科学技術推進制度により高耐性微生物に関する研究等を実施するための経費として七億四千万円を計上いたしております。  さらに、放射線医学総合研究所を初め国立試験研究機関における放射線によるがん診断、治療のための研究等を実施するための経費として十八億二千百万月を計上いたしております。  また、日本科学技術情報センターにおきまして、がん関連研究等ライフサイエンスに関する科学技術情報の収集、提供を進めるための経費等として四億四千四百万円を計上いたしました。  第四に、原子力研究開発利用の推進といたしまして一千六百六十一億一千二百万円を計上いたしております。  まず、原子力安全規制行政及び環境安全対策につきましては、原子力利用における安全の確保に万全を期するため、原子力安全委員会の運営、放射能測定調査研究などに必要な経費として二十億四千六百万円を計上いたしております。  次に、動力炉・核燃料開発事業団におきましては、高速増殖炉の実験炉の運転等新型動力炉研究開発を進めるとともに、ウラン資源海外調査探鉱遠心分離法によるウラン濃縮パイロットプラント運転等核燃料サイクル確立のための研究開発を進めることとし、これらに必要な経費として同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ六百三十七億二百万円を計上いたしました。  また、日本原子力研究所におきましては、原子力施設の安全性及び環境安全性に関する試験研究を進めるとともに、臨界プラズマ条件の達成を目指した臨界プラズマ試験装置の建設等、核融合の研究開発を推進することとしております。  また、多目的高温ガス炉に関する研究開発及び放射線利用に関する研究開発を進めるほか、各種基礎的研究を行うなど、これらに必要な経費として、同研究所に対する政府出資金と補助金を合わせ八百二十五億八千九百万円を計上いたしました。  さらに、日本原子力船研究開発事業団につきましては、関根浜新港の整備、改良舶用炉研究開発等を行うために必要な経費として七十七億三千万円を計上いたしました。  また、放射線医学総合研究所におきまして、低レベル放射線の影響に関する研究、内部被曝実験棟の建設、運営等を進めるため六十億五千二百万円を計上いたしましたほか、国立試験研究機関及び理化学研究所における原子力試験研究等に必要な経費として三十九億九千三百万円を計上いたしております。  第五に、宇宙開発の推進といたしまして八百五十八億一千二百万円を計上いたしました。  まず、宇宙開発事業団におきまして、重量約五百五十キログラムの静止衛星を打ち上げる能力を有し、自主技術による液酸液水ロケットエンジン慣性誘導装置等を用いたHIロケットの開発を進めるとともに、昭和六十年代後半の大型人工衛星打ち上げ需要に対応するため、HIロケット開発成果等を生かして、大型ロケットの研究を行うこととしております。また、静止気象衛星三号を昭和五十九年度に打ち上げるとともに、放送衛星二号に次ぐ放送衛星二号、スペースシャトルを利用した第一次材料実験システムの開発、能動型観測技術の確立を図るとともに、資源探査を主目的に、国土調査農林漁業等各種観測を行うことを目的とする地球資源衛星一号の開発研究に着手するほか、放送衛星二号b、海洋観測衛星一号、技術試験衛星Ⅴ型、通信衛星三号の開発、宇宙基地システム構成要素の研究等を行うこととしております。これらに必要な経費として同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ八百四十三億五千八百万円を計上いたしました。  次に、宇宙科学技術の基礎的、先行的研究といたしまして、航空宇宙技術研究所において大型ロケット用液酸液水ロケットエンジン要素の研究、衛星基礎技術に関する研究等を進めるための経費として九億一千八百万円を計上いたしました。  また、人工衛星の打ち上げを円滑に実施するため、種子島周辺漁業対策事業の助成等を行うために必要な経費として五億三千六百万円を計上いたしております。  第六に、海洋開発の推進といたしまして五十一億四千六百万円を計上いたしました。  まず、海洋科学技術に関する研究開発を推進するため、海洋科学技術センターにおきまして、水深二千メートル級潜水調査船による深海調査技術研究開発を進めるとともに、さらに大深度を目指した高耐力潜水調査船システムの研究を実施するほか、水深三百メートルまでの潜水作業技術の実海域実験に使用する海中作業実験船の建造を行う等、総合海洋科学技術開発プロジェクトを進めることとし、これらに必要な経費として同センターに対する政府出資金と補助金を合わせ四十九億六千三百万円を計上いたしました。  また、関係省庁の協力を得て、黒潮の開発利用調査研究海洋遠隔探査技術開発研究等を進めることとし、これらに必要な経費として一億八千三百万円を計上いたしております。  第七に、重要総合研究等の推進といたしまして二百六十五億九千三百万円を計上いたしました。  まず、防災科学技術の推進につきましては、関東・東海地域における地震予知研究地震発生機構に関する研究、平野部直下型地震予知研究等を行うほか、地震防災関連研究雪害対策研究等を実施するため、国立防災科学技術センターの予算を中心に二十一億一千万円を計上いたしております。  次に、当庁の附属機関のうち、航空宇宙技術研究所航空技術部門におきまして、短距離で離着陸が可能であり、かつ、低騒音を特徴とするファンジェットSTOL実験機の製作を前年度に引き続き行いますほか、航空技術に関する各種研究を実施いたしますため八十八億六千二百万円を計上いたしております。また、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における極限科学技術関連材料など材料技術研究開発のための各種試験研究及びこれに関連する施設の整備のため必要な経費として五十三億五千四百万円を計上いたしております。  理化学研究所につきましては、原子力関係に計上いたしました経費のほか、ライフサイエンス関係レーザー科学技術の研究等の各種研究を推進するための経費として八十億六千七百万円を計上いたしております。  資源の総合的利用方策の推進といたしましては、自然エネルギーの利用を中心とした地域エネルギー総合利用実証調査等を行うほか、資源調査所における各種調査等のため必要な経費として三億六千三百万円を計上いたしました、  新技術開発事業団につきましては、前述の流動研究システムによる創造科学技術の推進のための経費のほか、新技術の開発を効率的に進めるとともに、その成果の普及を行うための経費として、同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ十八億九百万円を計上いたしております。第八に、国際協力の推進を図りますため、エネルギー分野及び非エネルギー分野における日米科学技術協力を初めとする先進国との科学技術協力に必要な経費として三十七億四百万円を計上いたしましたほか、ASEAN諸国等開発途上国との科事技術協力に必要な経費として一億二千四百万円を、また、経済協力開発機構等国際機関との協力に必要な経費として八億二千九百万円をそれぞれ計上いたしました。  第九に、科学技術振興基盤の整備といたしまして、まず、研究公務員の海外・国内研修等研究基盤の強化等に必要な経費として五億三千五百万円を計上いたしました。  次に、日本科学技術情報センターにおける内外科学技術情報の収集、整理及び提供業務の充実を図る等、科学技術情報の流通を促進するために必要な経費として四十二億五百万円を計上いたしましたほか、科学技術広報啓発活動の推進に必要な経費といたしまして一億九千百万円を計上いたしております。  第十に、昭和六十年に筑波研究学園都市において国際科学技術博覧会を開催するために必要な経費として二百六十七億二百万円を計上いたしました。  本博覧会は、科学技術の重要性に関する国民の理解を深めるとともに、科学技術国際交流の促進に寄与すること等を目的として開催するものであり、昭和五十九年度においては、会場及び政府館の建設並びに政府出展展示物の製作を完了するとともに、運営等の準備を整え、昭和六十年三月から開催することとしております。一以上、一般会計歳出予算につきまして、その重要項目を御説明いたしましたが、次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁分重要項目につきまして、その大略を御説明いたします。  まず、電源立地勘定におきましては、原子力施設の立地を一層促進する見地から、原子力施設周辺地域の住民等に対する給付金の交付及び周辺地域における雇用確保事業の推進に必要な経費として十三億円を計上いたしております。また、地方公共団体の公共用施設の整備に必要な交付金に充当するため二十五億七百万円を計上いたしましたほか、放射線監視対策、原子力防災対策などの原子力安全対策等に必要な経費として六十六億七千四百万円を計上いたしました。  また、電源多様化勘定におきましては、高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設、新型転換炉実証炉に関する研究開発等新型動力炉の開発を進めるとともに、使用済み燃料再処理技術の開発及びウラン濃縮原型プラントの建設等のウラン濃縮技術の開発に必要な経費として動力炉・核燃料開発事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ六百三十九億六千三百万円を計上するとともに、原子炉解体技術の開発、放射性廃棄物処理技術の開発等を推進する経費として四十三億百万円を計上いたしました。  以上、簡単でございますが、昭和五十九年度科学技術庁関係予算につきましてその大略を御説明申し上げました。
  8. 大野潔

    大野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十七分散会