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國場委員 六十億、私はそれをよく知っております。ところが、これは何も
県児の
負担なくして利益を上、
げたわけでもない。また、その一番大きな要因をなすものは、
石油が五ドル安くなった、それによってのなにであって、依然として
電気料金というのは、
沖縄の
経済から見た場合には、
負担過重なんですよ。だから、これも今円が下がってきますと、円がドルに対して一円下がると一カ月五百億ドルといったですか、
我が国は国際収支においてそれだけ支出を多とする、余計に払わなければいけない、こういうことを言っております。だから、これは今一時の現象によって起きた問題であるが、
基本的にこの
電力会社が
民営移行するについて安定した経営をしていくためには、そういうようなネックの問題を
解決しなかったら、これはとても
民間で株を買い上げる人もおらないのです。
そこで、
ガリオア資金においてしたものだから、
沖縄県民に
無償贈呈したものが、
復帰を実現させるために、また
我が国の
繁栄のために、
謝礼金として、
沖縄の犠牲によってなされたということでは、これは
沖縄県民としてはおさまるものではないのです。でありますから、御
案内のとおり、二十七カ年間ひたすらに、
復帰後においての
安保条約、あるいはまたドルの一ドルは血の一滴と言われる外貨の獲得の場として、
沖縄県一県で
我が国のドル獲得の第二位か三位の地位を示して、
我が国の今日の
経済基盤をつくり上げることに貢献したのです。
だから、そういうような
国家貢献度あるいは
沖縄の二十七カ年の苦労に対して報いるというような気持ちでひとつその問題に対しては、今六十億が出たからといって、六十億の裏には
沖縄県民の
負担という苦しみがあるということ、不自然であるということをよく御理解いただきまして、山中
先生もこの
ガリオア資金に対しては、
アメリカの下院におきましての国防
委員会におきましても、
沖縄県昂に
無償で与えられたものであって、この
ガリオア資金のもたらすところの権益は
沖縄県民のものである、これは
アメリカの財産とはかけ離れておりますということを、はっきり証言しておりますよね、レアード国務
長官もはっきりそれを証言しておるのです。だから、そうにもかかわらず、
我が国の
繁栄は
アメリカの
おかげであるからといって、それに
謝礼するから、
沖縄が犠牲になって金を払うから、君たちのものはおれの財産だ、これは通用しません。その点をよくひとつ御理解いただきまして、もっともっといろいろと話したいこともあるのですが、時間がございませんので、次にバス問題に移っていきたいと思います。
沖縄のバスというのは、鉄軌道のない
沖縄においては唯一の交通機関でありまして、戦前においては、これもまた国の
責任においてということを言いたいのは、
沖縄に県鉄はあったのですが、
戦争のために全部崩壊したのです。それを何ら国は
補償しておりません。だから、そういうことからしましても、御承知のとおり、バス
会社は木島の十三社を五社にようやくまとめてきております。ところが、やはりこの
方々も
生活はしなければいけないので、バス企業にかじりついて、役員と言わず、そこの従業員、社員と言わず、現状に至ってどうにも成り立たないものですから、きのう、おとといも四十八時間ストをやったそうです。また三十一日もやるそうです。
そうすると、鉄軌道のないような
沖縄においてこんなにストを打たれたんでは
県民生活はとんでもない混乱を起こすというような現状において、もう
一つ参考までに、よく御承知でしょうが、国鉄は年間において約二兆円の
赤字を抱えておるのです。いずれにしましても、国鉄は独立採算制だということかもしれませんが、国鉄を再興するにはどんなにしてでも今までの十六兆の
持ち越し負債は
国家の
責任においてなさなければいけないはずなんです。そうしますと、年間におけるところの国鉄の
赤字が約二兆円であったら、
沖縄は一%の人口ですから、二百億を交通機関に援助しても、機会均等、
国民の平等、憲法に従うところの
趣旨から申しますと、その義務があると思うのです。
でありますから、その点をよく御理解いただきまして、バスに対しての
——西銘県知事は去る六月二十五日に仲立ちして、公益
事業であるからこんなに混乱させてはいけないということで、県民の要望に従って仲立ちしまして、過当競争においての採算ベースが合わないで、
累積赤字が莫大になってきておるというバス企業は、
合理化せんとするにしてもにっちもさっちもいかない
状況になっているのですよ。
と申しますのは、
沖縄においては、私も企業の端くれですからよくわかるのですが、
我が国の普通常識としましては、株式
会社というのは、自分の持ち株をいざ
会社が破産したら放棄したらそれでいいのです。役員であろうとも
責任ありません。合資
会社とか合名
会社ありますよ。ところが、
沖縄ではそういうことにはなっていないのです。連帯
責任ということで、たとえ
会社がつぶれようがどうしようが、自分の持ち財産あるいは自分の一生を縛られてしまうような連帯保証というのが
沖縄にはあるのですよ。だからバス
会社は、あの人たちは戦後今日までバス
事業をして、また従業員もしかりで、そこで
生活を営んできておるのです。
たとえ
赤字といえども、月給は何とかして債務を重ねてやってきておるといえども、これが統合するにしましても、私が
お願いしたいのは、
整備をして受け入れ態勢をつくってやらなければできないのです。できないというのは、今さっきも申し上げましたとおり、役員はそこをやめたら直ちに
生活ができないのです。従業員はやめるにしても、統合整理ということになると首切りがきますから退職
資金もない、後の仕事は、
沖縄は今でも失業は
本土の二倍半ですから、行くところもない。こういうような
状況において、ただこれは企業だからと。
しかし、企業にしても、公益
事業を許認可するにおいては、これは琉球
政府がやったことなんだからと言うかもしれませんが、
復帰前からあるのですから。ところが、我々はそれを勘案して、琉球
政府が
復帰前において許認可したものについては、これ我が
日本政府の許認可したものとみなすというみなし規定がありますよ。こっちが立法したのですから、よくわかるわけです。でありますから、あれは国が許認可をしたものとみなす。それに対して、私は運輸省の係員ともよく話しておるのですが、今の法律にはなじまないということを彼らは言うのです。
しかし私は、行政官としては行政執行としての
政府かもしれないが、立法の提案権というのはありますよ。皆さん提案権があるのですよ。提案権があるのであれば、今の法制度の中になじまなければ、立法の必要があれば、特別な特例をもって立法する。政令でおさまることならばそれでやっていく。これでひとつ何とか工夫しまして、あれが合併してでもスムーズにいくようなことで御
配慮していただきたい。これを強く要望するわけです。これは、運輸省にしましても
開発庁にしましても、私の今言うような
質問に対しましての答弁は、なかなか難しい、今の法制度にはなじまないというのだから。
沖縄には鉄軌道もないというのも、
我が国の現状から見ました場合に、
沖縄県民には何とかやってやらなければいけないじゃないかということでひとつあらゆる英知を出していただいて、何とか殻を突き破って救っていただきたい、これを
お願いするわけでありますが、それに対する
所見、
長官と今手を挙げております運輸省の方のお二方の、これで
沖縄がやっていけるという期待と希望の持てる答弁をひとつよろしく
お願いいたします。