運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1984-07-18 第101回国会 衆議院 運輸委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年七月十八日(水曜日)     午前十時十四分開議 出席委員   委員長 福家 俊一君    理事 鹿野 道彦君 理事 久間 章生君    理事 浜野  剛君 理事 小林 恒人君    理事 近江巳記夫君 理事 中村 正雄君       小山 長規君    田中 直紀君       中山 正暉君    若林 正俊君       兒玉 末男君    左近 正男君       関山 信之君    田並 胤明君       森田 景一君    梅田  勝君       辻  第一君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 細田 吉藏君  出席政府委員         運輸大臣官房国         有鉄道再建総括         審議官     棚橋  泰君         運輸省地域交通          局長      服部 経治君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       仁杉  巖君         日本国有鉄道常         務理事     岡田  宏君         日本国有鉄道常         務理事     須田  寛君         参  考  人         (日本鉄道建設公         団理事)    横山  章君         運輸委員会調査         室長      双生 敬一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  陸運に関する件  日本国有鉄道経営に関する件      ————◇—————
  2. 浜野剛

    浜野委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が所用のためおくれますので、指名により私が委員長の職務を行います。  陸運、海運、航空及び日本国有鉄道経営に関する件等について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本日、日本鉄道建設公団理事横山章君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存しますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 浜野剛

    浜野委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  4. 浜野剛

    浜野委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関山信之君。
  5. 関山信之

    関山委員 冒頭に委員長にお願い申し上げておきたいと思いますが、きょうの委員会出席状況、まことに不本意でありますし、大体運輸委員会、通常の委員会でも自民党の御出席は余りよくないようでありますから、この際、委員長から厳重にお申し入れをいただきたいと思います。
  6. 浜野剛

    浜野委員長代理 注意いたします。よろしくどうぞお願いいたします。
  7. 関山信之

    関山委員 きょうは、地方鉄道新線建設のことでお伺いをいたすわけでありますが、三十分という極めて短い時間でございますので、問題点を適宜簡潔にひとつお答えをいただきたいと思うのであります。  その前に一つだけ大臣お尋ねをいたしておきたいわけでありますけれども、これまで国鉄再建にかかわりまして当委員会でもさまざまな議論がございました。とりわけ、地方特定交通線廃止の問題につきましてもいろいろな議論があったわけでありますけれども、特にこの間の御議論を聞いてまいりまして、非常に重要な発言大臣からあった。それは、つまり特定地方交通線について廃止承認によって協議会に移る、しかし移ったからといってこれがストレートに廃止につながるものではないというような御趣旨の御発言があったわけでございます。例えばことしの四月十二日、内閣委員会元信堯議員に対する御答弁一つの附でありますけれども、ここでは大臣は、「始めたらもう見切り発車で決められちゃうぞ、そういう感じがあることは否めないと思うのです。私はこれはまことに遺憾千万なことなんでありまして、協議会を開いていただいて、国鉄はこうすればもっと便利になるじゃないか、もっと収入がふえるじゃないか、」、真ん中は略しますけれども、「協議会というのはそういうために開かれるものだと私は了解して」おるのでございますけれども、」、こういう御答弁があるわけでございます。私はこの時期、この大臣の御答弁は大変大事にしなければいかぬと思っておりますし、またきょう取り上げます地方鉄道新線の問題にも間接的にはいささかかかわることでもあろうと思いまして、この際この御発言について確認を、確認と言うのはあれですが、改めて御見解を賜っておきたいと存じます。
  8. 細田吉藏

    細田国務大臣 お答えいたします。  五十五年の再建特別措置法における地方交通線扱いというものをそのまま文字どおり解釈いたしますると、協議会を開いて一定の時期が来たときにはこれをやめるのだということになっておると思います。これは国会を通った法律でございますからそのとおりなんでございます。しかし、今質問の中でお読み上げになりました趣旨は、そのような法律をそのまましゃくし定規に当てはめるのではなくて、協議会の席上でいろいろ御議論になって何らかの形でこれを合理化して運営を続けていくことができるならばそれは一つ方法であって、やや長大な地方交通線等についてはむしろそういうことの方が望ましいし実際的ではないか、こういう意味で申し上げたわけでございます。  したがって、おまえの発言法律と少し違うじゃないかと言われますると、これはさようでございますと言わざるを得ないのでございますが、私ども法律の精神を生かしながら行政をやっていかなければならぬということで、さように御答弁を申し上げておる、今でも私はさように心得ております。
  9. 関山信之

    関山委員 私は、大臣のそうした御発言が、ただ単に全体の協議協議会に引きずり込むための便法といったようなことは月あり得ないことだと御信頼申し上げておりますし、むしろ逆に今の御発言が私どもにとりましても大変大事な発言であるというふうに受けとめておきたいと存じます。  ところで、国鉄再建法とのかかわりの中で、新線建設がある部分については工事休止になっておるわけでありますけれども、このAB線扱いについて基本的なお考えをまずお聞かせをいただきたいわけであります。なかなか面倒な問題ではあろうかと思いますけれども、約三十線、路盤着工線を入れれば三十線に及ぶこのAB線扱いについてまず基本的な考え方お尋ねいたしたいと思います。
  10. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 お答え申し上げます。  いわゆるAB線につきましては、国鉄地方交通線は四千人未満を他の交通機関に転換するということとの兼ね合いがございまして、昭和五十五年度以降乗車密度が四千人に満たない路線につきましてはこの建設凍結したわけでございます。二線だけ、四千人を超えました鹿島線内山線についてだけ工事を継続しておるという状況でございます。  工事凍結いたしました線につきましては、工事凍結いたしましたが、これらの線について国鉄ではなくて地元で第三セクターなどで経営をしたいという御意思が明確な場合には、所要手続を経た上でそれらの鉄道会社経営するという前提のもとで鉄道建設公団において工事を再開するということが可能であるように法律上の道が開かれておりまして、それに基づきまして野岩線宮複線という二線、さらには既に開業いたしましたけれども三陸鉄道というような各線については第三セクター経営するという前提のもとに工事を再開しておるというところでございまして、その他の路線についても同様な考え方で臨みたいというふうに思っております。
  11. 関山信之

    関山委員 そこで、皆さん方の方から資料をいただいたわけですけれども、「昭和五十四年度AB線建設工事扱いについて」というのがございまして、ここでは対象線区を第一グループから第二、第三、第四グループまで分けまして、順次このグループごとにそういう地元の要請があればこれに対応していくというようなことが「昭和五十四年度AB線建設工事扱いについて」というもので示されておるわけでありますけれども、この考え方は現在も生きているというふうに考えてよろしゅうございましょうか。
  12. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 先生の御指摘のは五十四年の七月に運輸省が明確にいたしましたものだと思いますが、これは先ほど申し上げましたAB線工事凍結する前の段階考え方でございます。その当時こういう考え方AB線工事を極力効率的に行っていこうというものでございます。ただ、先ほど申し上げましたようにその後凍結いたしまして、工事を再開するというような場合につきましては、いわゆる四千人未満路線工事を第三セクター等で御希望される場合にはそれぞれ工事を再開いたしますが、その際の基本的な考え方はこの先生指摘取り扱いに書いてあるような方向を優先的に行っていくという考えでやっていきたいというふうに考えております。
  13. 関山信之

    関山委員 わかりました。  そこで、このAB線仕掛け品残工事事業費、これがどの程度になるのか。これは一つは現在着工線として残されたお話しの鹿島線内山線等あるわけでございますけれども野岩線宮複線も含めてこれの残工事費はどのくらいあるのか。それから、休止線、これは路盤工事着工線は別にいたしまして、休止線全体で大体どのくらいの残工事費になっているのか、数字をお聞かせいただきたい。
  14. 横山章

    横山参考人 お答え申し上げます。  現在工事を進めております対象路線鹿島線内山線野岩線宮複線の四線の残っている工事費は六十年度以降おおむね二百二十億円でございます。  それから工事休止線は五十五年に凍結をいたしておりますが、五十五年の凍結段階で約五千億円というふうに見込んでおります。
  15. 関山信之

    関山委員 それから休止線から、新潟北越北線のことを伺うわけなんですけれども、当面第三セクターで浮上する可能性のあるもの、これは大体何線ぐらい、できれば路線の名称もお聞かせをいただけるとありがたいのですが、お聞かせをいただきたいと思います。
  16. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 第三セクター動きは各地でございまして、その程度がいろいろ違うものでございますから、一概にこの線とこの線というふうに申し上げにくいわけでございますが、現在明確な形で動いておりますのは、先生ただいまおっしゃいました北越北線とそのほかに丸森線、それから鷹角線、これは秋田でございますが、これらが第三セクター——丸森線は既に第三セクター設立されております。それから鷹角線北越北線は具体的に第三セクター設立方向で動いております。その他検討中の路線がいろいろございます。
  17. 関山信之

    関山委員 ちょっとその他検討という、これは情報という域を出ないのかもしれませんけれども、大体何線ぐらいあるのでしょうか。
  18. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 例えて申し上げますと、高知県の阿佐線、宿毛線、そのほか話が出ております線といたしましては宮崎県の高千穂線というようなところが主なものだと思います。
  19. 関山信之

    関山委員 それから、そのほかに路盤工事着工線というのがあるわけですね。これは第三セクターとして浮上してくる可能性というのはまずないというふうに承知しておいてよろしゅうございましょうか。
  20. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 未着工線という線につきましても、形式的には、先ほどお答え申し上げましたように、第三セクター設立したいという場合に、これがだめだということには法律上ならないというふうに思いますが、現実問題として未着工線というのは輸送量もまだ少ないところが多うございますし、それから後の工事費工事量考えますと開業というのがかなり先になるというような観点から、恐らく第三セクター動きというのはほとんどないだろうというふうに考えております。
  21. 関山信之

    関山委員 ちょっと聞き方が悪かったのですが、先ほどお話のございました五十四年度の取り扱いについての中で第四グループまでありまして、第三まではその道を開いておる。第四は、これはちょっと対象外になっておるものですから。ただし、未着工線といっても用地買収路線がある一定路線があれば、この対象、第三番目までに入ってくるという可能性があるものですから、いわゆるそういう部分では未着工線は外へ外れているのか、つまり全部第四グループかということなんですが、その辺はおわかりでしょうか。わからなければ結構です。
  22. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 先ほどお答え申し上げましたときに申し上げましたように、一応五十四年度の先ほどの運輸省方針凍結前の方針でございまして、それを踏まえて今後の第三セクター線に対処したい、こういうふうに申し上げたつもりでございまして、法律的には先生おっしゃるようないろいろな線についても道はあるわけでございます。  ただ、現実問題としては予算その他の関係からやはりいろいろ優先的な取り扱いをしなければいけないという場合には、それらの線についてはなかなか現状では難しいだろうということでございます。
  23. 関山信之

    関山委員 それから、この間のAB線予算額の推移と、来年度以降の見通しは依然として全体状況は厳しいわけでございますけれども、来年度以降の予算獲得についての見込みをひとつお聞かせいただきたいのと、あわせて五十九年百四十億、こう言われておるわけですけれども、いわばこれの配分ルールといいましょうか手続と申しましょうか、その辺のところについて運輸省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  24. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 AB線予算額は最盛時四百億までいっておりましたか、その後先ほど申し上げました凍結に伴いまして昭和五十五年度からはずっと百五十億で推移してまいりまして、その後財政状況が厳しいということで五十八年度、五十九年度はいずれも百四十億で推移いたしておるわけでございます。明年度以降につきましては財政当局との間におきます折衝において決まるものでございますので、見通し等について申し上げる段階ではございませんけれども所要の額については確保するように努力をいたしたいと考えております。  それからお尋ねの第二点、五十九年度の配分でございますけれども、これにつきましては先ほど申し上げた百四十億につきましてこれを凍結しなかった四千人以上の線、鹿島線内山線、これに五十億、それから、その後第三セクター建設を始めました野岩線宮福線に五十億、それにその後の第三セクター動きに伴います保留と申しますかそういうものを若干と管理費等配分になっております。
  25. 関山信之

    関山委員 今そこを伺おうと思ったのですが、予算的には確かに百四十億で、五十八年、五十九年百四十億という予算を当初例説明をいただいておるわけです。鉄建公団の方の予算資料をいただきますと、今五十億、五十億と大ざっぱにおっしゃいましたが、全体として総額で百五億という数字があるものですから、その間の数字の乖離は今御説明がありましたが、第三セクター動きがあれば−例えばことし二十五億ですかの予算保留分があるわけですね。後ほど伺おうと思っておりましたが、その数字が出てまいりましたので先にお伺いしておきたいのですけれども新潟北越北線、六月の県議会で第三セクター発足が決まったわけであります。関係住民はいろいろな面で収支採算償うのか、それがいずれは自治体のおもしになっては困るのだが、しかし地域社会の発展のためにはこれまた従来とも大事な事業としてその成り行きを見守ってきたことでもありますので、今私どもとしては非常に微妙な段階にあるわけであります。仮にことし第三セクターができる、免許申請をする、その間の手順が進めば、予算的には今年度着工ということもあり得るわけですね。     〔浜野委員長代理退席委員長着席
  26. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 北越北線につきましては、県当局が御中心になって第三セクター設立について動かれていることは私どもも伺っております。ただ、現実には第三セクター設立されましてその他所要手続を進めた上でそれから工事になりますから、それが非常にどんどん拍子に進むということでございましたら理論上は年度内着工ということも可能でございますし、またそのために保留分等もございますからそれを振り向けることも可能ではございますけれども、従来の第三セクター設立等の経緯から見て、今の新潟県御中心関係ではそこまで年度内に進むということはかなり難しいんじゃないかというふうには思っております。
  27. 関山信之

    関山委員 理論上も予算上もその可能性は残されている。そうすると、難しいじゃないかというのは手続的にということなんでしょうか。十分その辺は可能性を持って対応できるというふうに受けとめていいわけですか。
  28. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 先ほど申し上げましたように理論上、予算上は可能でございますし、手続も円滑に進めば可能性としてはあると思っております。
  29. 関山信之

    関山委員 それでは、次の問題についてお伺いをしたいのです。  第三セクターで出発するに当たりましては、あらかじめ国が開いてくれたいろいろな財政援助についての可能性というものを一方では期待をしながら、それを織り込みながら地域は対応しておるわけであります。しかし、形式的に言えば、皆さん方の方からすれば正式な申請が出ない以上は、こうなってしまうのでしょうけれども、既にいろいろと新聞報道どもされておる問題でもありますので、この際お考えを承っておきたいのです。一つは新線準備金。これは例の既に出発をしている制度でもありますが、これの可能性は一体どうなっていくのか。それからいわゆる特定地方交通線と対応する運営費補助、これの問題は具体的には制度化されたものではありませんだけに、いわば見通しの問題として、皆さん方が道を開きますよというふうに一定の目安を立てていただきませんと、これまた地元としては大変困ることにもなるわけでありまして、その辺のところの見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。
  30. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 北越北線を第三セクター建設する場合の国からの助成見通してございますけれども、まず施設は御承知のようにAB線予算鉄道建設公団がつくりましてこれを無償で貸与いたします。この点ははっきり申し上げていいと思いますが、先生指摘新線開設準備金、それから開設後の赤字助成等につきましては、いずれも予算折衝において決まる問題でございまして、その段階における財政当局との折衝の結果いかんによるものでございますので、この段階で明確なお答えはなかなか難しいと考えております。
  31. 関山信之

    関山委員 これは三陸の第三セクターが始まるときに、運営費補助についてはいわゆる特定地方交通線部分も含むわけでありますからその分は別といたしまして、何らかの事務レベル大蔵あたりとの折衝があって、将来的には道を開くということについて何か感触のようなものはあったのでしょうか。
  32. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 先生指摘のように、三陸鉄道につきましては新線部分転換線部分と両方ございます。その新線部分につきましては開設準備金助成現実に支出をいたしております。それから開設後の赤字補てんにつきましては、今申し上げましたように転換線新線とだんだらじまになっておるわけでありまして、転換線部分につきましては法律規定によりまして、生ずる赤字の二分の一を五年間助成することができるというふうになっております。新線部分についてはその規定がございませんので、これは今後財政当局折衝していきたいと思いますが、これについては新線転換線とが一緒になっておりますので、区分して扱いにくいという観点から、私どもはぜひこれについては新線部分も含めて助成いたしたいということで努力をしたいと思っております。
  33. 関山信之

    関山委員 いずれにせよ今後の問題のようでありますけれども地元期待を裏切ることのないようにひとつ御努力をいただきたいと思うわけです。  それから、これは鉄建公団の方からお伺いすることになるのだろうと思いますが、現在のところ北越北線残工事の計算は三百億ちょっとになっておるのですが、今後所要額見直しがあるのかどうかという問題と、もう一つは、どうせつくるなら電化にという声が強いわけですね。特に新潟県の場合はやたらと発電所がたくさんあって、安い電力を東京の方に送り出して地元の方は高い電気を使っている、そういう特殊なエネルギー供給構造になっておるものでありますから、そういう点で電化可能性はあるのか、仮にやるとしたら経費はどの程度のものなのかということをあわせお聞かせをいただきたいと思います。  それから、時間がなくなってきてしまいましたものですから、あわせて直江津、越後湯沢乗り入れについて、これもこの事業発足の条件として今地元では要望しておるところのようでありますけれども、これの可能性と新たな負担があるのかどうか、これは国鉄の方の係だろうと思うのですけれども、それぞれお聞かせをいただきたいと思います。
  34. 横山章

    横山参考人 それではお答え申し上げます。  第三セクターとなりまして工事が再開をする場合には、当然工事費見直しがあると思います。見直しを私たちもいたさなければなりませんし、第三セクターとしてもそれの申請をするときに工事費見直し申請をするというふうに思います。  それから、電化可能性でございますが、トンネル断面等電化が可能なような形で建設をされておりますので、電化は技術的には可能でございます。  それから、電化費用でございますけれども北越北線電化指定線区ではございませんでしたので、今までのところ電化考えておりません。したがいまして、ちょっと今電化費用がどれくらいというのは私ども試算をいたしておりませんのでお答えできませんが、電化費用はそこに対するところの送電線とかそういったような経費が大部分でございますので、その辺を調べないとちょっとわかりかねると思います。
  35. 須田寛

    須田説明員 お答え申し上げます。  今先生お話がございました国鉄線との連絡の問題でございますが、北越北線は六日町−犀潟間の路線でございますので、当然新幹線の停車駅でございます湯沢あるいは直江津方面との直通お客様がかなり多いものというふうに考えております。  結論的に申し上げますと、その場合は直通運転も可能だということでございますが、方法といたしましては、国鉄と第三セクターとが車両直通運用契約というのを結びまして、その契約によりまして車両乗り入れをいたしまして、直江津なりあるいは湯沢から北越北線への相互乗り入れが可能になるような、そういったルールをとることになると思います。  ただ、まだ開通まで時間もございますので、開通前提になりました場合の輸送の需要あるいはお客様流れ等を十分見きわめまして、そういった契約について国鉄と第三セクターで御相談してまいる、こんなことになろうかと存じます。
  36. 関山信之

    関山委員 時間が来てしまいましたので、少し質問が残ってしまいますが、最後に、これから免許申請というものが行われるわけでありますが、先ほどの運営費補助の問題なんですけれども、これは従来野岩線宮福線等あるいは三陸の場合などは運営費補助というようなものは収入見込みに入れずに収支の見通しを立てているというようなことがあるようです。それに対しまして北越北線の場合は、この運営費補助を見込んで地元が対応しているというような事情があるのですが、そのことが免許のいわば許可の場合の扱い上どういうふうになるのか、その辺のところが一つ気になるところでありまして、これについてお聞かせをいただきたいのと、もう一つ、ちょっと聞き漏らしましたので国鉄の方に、現在までの事業進捗率が、当然のことでありますけれども、かなり偏っていると申しましょうか、六日町と十日町間というようなところはかなり進んでいるようにも思いますが、これの部分開業というようなものは、免許が通った場合にそういうことも織り込んでそれが可能なのかどうか、あわせお聞かせをいただいて私の質問を終わりたいと思います。
  37. 棚橋泰

    棚橋(泰)政府委員 北越北線の第三セクターがスタートいたしますと、地方鉄道法規定によりまして免許申請をするわけでございまして、その際にどのような積算基礎申請を出されるかということは、まだ第三セクターができておりませんので私ども十分わかっておりません。その内容を拝見した上で可否を決めるということになると思います。その際に、先生指摘のように、新線補助金も運営費補助も積算の予定の中に入れていないというのが過去の例でございますが、今回どういうふうなものをおつくりになるのか、それを拝見した上で、地域交通局の方の所掌でございますが、そちらの方で判断をすることになろうというふうに考えております。     〔委員長退席、浜野委員長代理着席〕
  38. 須田寛

    須田説明員 部分開業の点でございますが、これは前提になります六日町での接続工事、これを公団側からいろいろ御相談をして、受託工事その他で施工するということになると思うのですけれども、そういうものが完成をいたしておりまして、しかも新たにつくられます第三セクター側にそういう御意思がございますれば、国鉄といたしましても当然御相談に乗ってまいることができる、こんなふうに考えております。
  39. 浜野剛

  40. 田並胤明

    ○田並委員 私の方は、東北・上越両新幹線、上野開業と同時に開通をする予定であります赤羽から大宮−宮原間の二十一・一キロの通勤新線の問題についてちょっとお伺いをしたいと思います。  この通勤新線は、建設決定の経過から見て、当然東北・上越両新幹線と同時開業ということが考えられておったわけです。ところが、最近になりまして、六十年三月予定の両新幹線の上野開業と同時開業というのがかなり絶望的になってきた、このような話を聞くわけでありますが、この点について重点的にまずお伺いをしたいと思います。  第一点目としては、本通勤新線国鉄として建設決定をした経過です。これについてお伺いをしたいわけであります。  私どもの認識では、一つは上越・東北両新幹線の建設決定の見返りとして、それともう一つは、高崎、東北両線の輸送力の増強、この二点から実はこのことが決定をされたというふうに、私も当時県議会におりましたから理解をしておったわけであります。  特に東北・上越の両新幹線の建設計画が当初発表された段階では、大宮以南は高架でなくて地下化という計画が国鉄から発表されたわけであります。したがって、県なりあるいは県民は、仕方がない、とにかく新幹線は通ってもらった方がいいんだから、地下化ならばいいだろうということで賛意を表したわけでありますが、その後国鉄の方から、地下化が困難なので高架化にしたい、このような変更の提示があり、それ以来埼玉県も県議会もあるいは県民も、それでは困ると反対運動が実は起きたわけであります。そして県の方としては、四十八年の七月に再度地下化の強い要望を出したわけであります。これに対して国鉄の方は、五十二年の九月に至りまして、地盤の軟弱でどうしても地下化が困難だ、したがって、ぜひ高架にしてほしい、高架を認めてくれ。その条件ということじゃないのでしょうけれども、騒音一振動等環境基準を守ります、それと通勤新線建設をいたしますというような条件を国鉄が提起をしてきたわけですね。これを受けて埼玉県並びに県議会では五十二年十二月に至り、それじゃ、新幹線の高架化を受け入れる条件として、一つは通勤新線建設をすることと、新幹線の全列車を大宮にとめてもらうことだ、これでひとつ県内の反対運動を鎮静化をしようじゃないかということになって、県も県議会も挙げて、新幹線の受け入れについての努力、協力というものを実はしたわけであります。  こういう県の動きに対して、国鉄が五十三年の十一月に至って運輸大臣に対して、通勤新線、赤羽から大宮まで、これは東北新幹線に併設をして建設をする、さらに大宮から宮原までは高崎線に線増して宮原まで開通させます、こういう内容の申請をして、運輸大臣も同年の十二月に国鉄からの認可について許可を与えたわけであります。その中でもって、工事については新幹線と同時施工にする、これがはっきり申請の中にあり、また許可の中にも明確にうたわれておったわけであります。だれが考えてみても、県議会も県民も県の方も三者が、とにかくこれで通勤新線は上野開業と同時に走るんだなというふうに考えるのは常識だと思いますし、ごく当たり前に私たちも考え、御案内のように埼玉県というのは東北新幹線と上越新幹線と両方走るものですから、県内が三つに分割をされるという状況になったわけであります。おかげで大宮と熊谷はとまることになりましたが、いずれにしても、そういういろんな運動の経過の中でこのことが約束されたというように私どもとしてはずっと理解をしてきておったわけであります。そういう意味から、この建設決定の経過から見て同時開業が私たち、ごく当たり前だというふうに考えておったのですが、その点について国鉄総裁としてどうお考えになるか、まずそのことをお聞きしたいと思うのです。
  41. 岡田宏

    ○岡田説明員 お答え申し上げます。  国鉄が通勤新線建設に至りました経緯につきましては、先生お話しのとおりでございますが、特に首都圏の北口の輸送につきまして、東北本線の大宮−赤羽間の客貨分離を四十三年十月に行いまして、列車増発等による輸送力増強を行ってきたわけでございますが、東北、高崎線が上野−大宮間で一複線を共用しているということから、ラッシュ時間帯で申しますと、大宮以南につきましては、上野の線路容量もございまして、片道十八本の列車しか入らない。したがって、東北線、高崎線、均等に振り分けをいたしておりますので、現在設定いたしております列車本数は片道九本ということでございまして、そういったことから東北、高崎線の中距離通勤について輸送力の限界に達しているということもございまして、通勤別線の工事につきまして、先生お話がございましたような経緯を経まして、五十三年十二月に運輸大臣の認可を受けて建設に至ったということでございます。 現在の工事状況でございますが、新幹線の開業と同時に開業するということを目指して鋭意努力を進めているところでございます。いろいろ工事がおくれているのではないかという御懸念もございますけれども、その点についてちょっとお話を申し上げますと、当初、浦和周辺、浦和市内に通勤別線の車両基地を設けさせていただくということで計画をいたしまして、いろいろ地元お話を申し上げていたわけでございますが、この浦和におきますところの通勤別線の車両基地の用地取得が大変難しいということからいろいろ検討を進めておりまして、多少おくれてしまったわけでございますが、五十七年の秋に至りまして、浦和に車両基地を設けるということを断念をいたしまして、川越線の南古谷付近に用地を取得し、そこに通勤別線の車両基地を設けるということで、計画を変えざるを得ないということになりまして、五十七年の秋以降、川越周辺の自治体を含めまして、いろいろ御協議を申し上げているわけでございますが、現在、この川越線の沿線に設けることにいたしております通勤別線の車両基地につきまして用地の取得率が五〇%未満という状況になっておりまして、現在鋭意地元の地権者といろいろ協議を申し上げているところでございまして、その点におきまして車両基地ができませんと通勤別線の開業ということにならないということから、本当に車両基地が間に合うのかという御懸念がおありになるということがございます。  それからなおもう一点、これも細かい点でございますけれども、大宮から出まして川越線の方に入りますところで市道との立体交差が必要な区間がございますが、その部分について道路の拡幅のための用地取得がおくれているということから工事工程について懸念があるということでございますけれども、いすれにいたしましてもこの二点につきましても、六十年三月に予定をいたしております新幹線の開業と同時に開業できるように鋭意努力を重ねているところでございます。  なお、申し添えますと、大宮−宮原間の併設区間につきましては、これも用地の買収が若干おくれている状況にございます。
  42. 田並胤明

    ○田並委員 国鉄の取り組みといいましょうか、鋭意努力中の内容は大体わかったのでありますが、現段階で南古谷の車両基地の用地が五〇%程度ということになりますと、これは今月もしくは来月の早い時期に用地買収のめどが立たないと同時開業というのは相当難しくなるのじゃないだろうか、こういう気がするのです。それで、これはあくまでも暫定的かもしれませんが、例の大宮操車場駅、現在貨車が大分滞留をしておりますが、あれらを一定の整理をして、とにかく六十年三月に同時開業するという決意があるならば、その辺のところも考えての同時開業に向けての努力というのが一つは必要になるのじゃないだろうか、暫定的に、方法として。  それともう一つは、通勤新線の、高崎線にもう一つ線をふやして宮原まで持っていくという大宮−宮原間の関係ですが、大宮市内で十七号国道と交差をする部分があるわけですね。この交差をする部分は大成トンネルということでトンネル工事が予定をされているようなんですが、このトンネル工事ができないと実は高崎線の宮原まで通勤新線が当初の計画どおり入ってこないという隆路があります。このトンネルの工事に必要な用地等については既に確保されているというふうに私は聞くのです。そして予算もついているというふうに聞くのですが、いまた工事についてのゴーサインが出ておらない。これがされないと、六十年三月宮原から赤羽までの通勤新線の同時開業というのは不可能になってしまう、こういう気がするわけでありますので、このトンネル工事関係については早急にひとつゴーサインを出して始めるべきではないかというように思うのですが、この点についてもお聞かせを願いたいと思います。
  43. 岡田宏

    ○岡田説明員 まず第一点の車両基地の問題でございますが、現在南古谷におきます。地買収の状況は先ほど申し上げましたように五〇%弱、四七%ということでございますけれども、その他の地区につきましても地域内の住民の方々に大変御協力はいただいておりまして、田植えの時期でございますけれども、今年度の田植えは見合わせていただいているという状況でございますので、なお希望を持って鋭意進めたいというふうに考えております。  それから先生がおっしゃいましたように、今の大宮のヤードにとりあえずその車両を置いたらどうかというお話がございますが、車両の置き場ということだけではなしに、当然車両も検修が必要ということになりますので、そういった検修庫をつくらなければいけないという問題もございますし、それから大宮操の線群の大半は架線が張っていないところでございまして、電車を入れることにいたしますと、そこへ架線を張らなければいけないという問題、さらには今の通勤新線の大宮駅は地下に設けられておりますが、それから大宮操への出入り、この辺に大変難しい問題がございますので、私どもといたしましては何とかこの南古谷の車両基地ということで頑張って進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、先生からお話のございました大宮−宮原間国道十七号との立体交差の工事についてでございますけれども、この前後におきますところの用地取得は既に終わっております。ほかの区間の工事工程とにらみ合わせまして、まだここに着工するにはちょっとゆとりがあるということで今のような状況になっているということでございますので、御了承いただきたいというふうに考えております。
  44. 田並胤明

    ○田並委員 今の最後の答弁、ちょっとわかりにくかったのですが、至急ゴーサインを出さないと来年の三月の同時開業に間に合わないのじゃないかという気がするのですよ。その辺どうなんでしょうか、済みませんがもう一回。
  45. 岡田宏

    ○岡田説明員 今の十七号のところの立体交差をする工事につきましては、六十年三月という開業予定をいたしましても、若干工程的にゆとりがあるという段階であるということを申し上げたわけであります。
  46. 田並胤明

    ○田並委員 わかりました。それではぜひ今お話のあったとおりひとつ最大限の努力をして同時開業に持っていくようにお願いをしたいわけです。  あわせて、県の方で地下化から高架化を受け入れるときの四条件の一つとして東北・上越両新幹線の全列車を大宮駅に停車してほしい、これを国鉄に強く要望してあるはずなんですが、先日発表された中身によりますと東北新幹線で六往復、上越新幹線で四往復大宮通過という発表になっておりますので、これについてぜひ再考方をお願いしたい。この点についてひとつお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  47. 須田寛

    須田説明員 大宮の全列車停車につきましては、地元から大変強い御要望があることは承知をいたしております。ただ、今回私どもが新しく考えておりますダイヤによりまして実は大宮駅で御利用いただきます列車の本数がかなりふえることになっております。端的に申し上げますと、例えば東北新幹線でございますと現在二十八本ございますものが四十三本になる、上越でございますと二十一本のものが三十二本になる、大宮駅で御利用いただきます本数だけ見ましてもこういうふうにふえるわけでございまして、約五割の増発を予定いたしております。したがいまして、私どもは大宮駅を御利用のお客様には御不便をかけることはほとんどないだろうというふうに考えておりまして、むしろ全体といたしまして停車駅のバランスをとりまして沿線各駅のお客様に極力早い列車を御利用いただくようにするということも新しい新幹線の使命だというふうに考えておったものでございますから、先般発表いたしましたような案を考えているわけでございます。地元にいろいろの御異論のあることも承知をいたしておりますが、これからも今のような事情をよく御説明いたしまして、できるだけ地元の御理解をいただくように努めてまいりたいと思っておりますので、何とぞ御了承賜りたい、こんなふうに考えております。
  48. 田並胤明

    ○田並委員 須田常務の話については十分わかります。確かに従来よりも東北、上越とも五割増しで大宮にとまります、本数もふえますから。ただ、本数がふえた中なんですからわずか四本や五本とめていただいて、とにかくこれは犠牲と言うとちょっと大げさかもしれませんが、かなりの努力をして県なり県民はこの新幹線についての協力をしたわけでありますから、そういう県民感情というものもひとつ考えてもらって、ぜひ実現方に向けて御努力をお願いしたい、このことを申し上げておきたいと思うのです。  もう時間が来ましたので最後に運輸大臣、今私の方でお願いした件についてとにかく埼玉県民挙げて、この通勤新線の同時開業というのは高崎、東北両線の輸送力の増強にも大変な影響を与えるものですから、ぜひこれの実現に向けて運輸大臣の方から国鉄当局に対してひとつ積極的な指導をしてほしいと思うのですが、最後にひとつ決意のほどをお聞かせ願いたいと思うのです。
  49. 細田吉藏

    細田国務大臣 御質問の中でおっしゃっておるとおりでございまして、私どもとしましては同時開業をあくまでもやってもらうように国鉄を督励いたしておるところでございます。ただいまのところおくれて通勤新線開業するというような話を我々は全然聞いておりません。
  50. 田並胤明

    ○田並委員 終わります。
  51. 浜野剛

    浜野委員長代理 森田景一君。
  52. 森田景一

    ○森田(景)委員 昨日関東地方も梅雨明けが宣言されましていよいよ本格的な暑さがやってまいるわけでございます。ここ数日来も非常に暑い日が続いております。そういう中で、首都圏の通勤電車はいわゆるラッシュアワーは通勤地獄と言われる状況が依然として続いているわけでございます。そういうことでこの通勤地獄を何としても解消していきたいというのが利用者の立場に立った願いでございます。そういうことから首都圏各線の混雑卒と冷房化率について、まず最初に御報告いただきたいと思います。
  53. 須田寛

    須田説明員 お答え申し上げます。  まず首都圏の国電区間の冷房化率でございますが、昨年の夏は七三%という冷房化率でございましたがことしの夏は七八%ということで五ポイントほど向上いたしております。  それから混雑状況でございますが、私どもなるべく通勤一時間の一番ピークの時間の混雑率を二四〇%以上にしないようにということで努力いたしてまいっておりまして、最近の状況で申し上げますと、東海道、横須賀線等は大体二三〇%程度ということでかなり改善を見たわけでございます。常磐線の緩行、快速、これが緩行では約二五〇でございますが快速は二七〇。それから高崎線、東北線、これが約二七〇%程度でございますが、こういったところには依然としてかなりな混雑度のところが残っておりますので、今後も鋭意改善に努めてまいりたい、こんなふうに考えております。
  54. 森田景一

    ○森田(景)委員 国鉄では運賃値上げのたびに旅客に対するサービスということを今まで言ってこられたと思います。最近運賃値上げが大臣の認可になりましてからはそういうことを聞かなくなったのじゃないかと思います。赤字の解消のためにということがメーンになったように私は感じておるわけでございます。いずれにしましても、乗客に対するサービス、このサービスの内容について、大臣どこかへ行かれましたけれども国鉄総裁それから大臣の所見を承っておきたいと思います。
  55. 仁杉巖

    ○仁杉説明員 お客様に対するサービスということ、私、就任直後にお客様を大切にということを申しておりますが、今お話がございましたように冷房化というようなことはやはりサービスの一つの大きな目玉であるというふうに私は考えております。  御承知のとおり、私鉄等はかなり国鉄より進んでいるという実態もあるわけでございます。それで今須田常務からお答えいたしましたように、国鉄自体といたしましても、特に大都市圏の冷房化率を上げるという努力は今いたしておるわけでございますが、まあ国鉄が非常にずうたいが大きいということもございまして、車両の融通等がいろいろございますのでなかなか思うに任せない点がございます。例えば古い車両を新しく取りかえる時期に冷房を進めるというようなこともございまして、なるべく早く冷房を進めるということで努力はいたしておりますが、線によりましては車両を取りかえる時期がおくれるために冷房化率が上がらないというような緑もございます。これらにつきましても、余り車齢の長いものにつきましては改造するというような方法もございますので、それらを勘案いたしまして、できるだけ冷房化率を上げていくということでございます。  全般的に申しまして、やはりこういう競争の激しい時代でございますので、我々といたしましても、先ほど申しましたように、お客様を大切にという原点に立ち返りまして、いろいろな点につきまして施策を進めてまいりたいと思います。それらにつきまして、努力をいたしますので御了承を願いたいと思うわけでございます。
  56. 細田吉藏

    細田国務大臣 ただいま国鉄総裁が答弁をしたとおりでございますけれども、冷房の問題というのは大変おくれておると思います。運賃改定云々の問題じゃなくて、このごろの日本の状況から考えますと、今ごろ冷房がいろいろ言われるのは時代おくれも甚だしいので、国有鉄道が大変貧乏しておるものですから、こういうことが残っておるので、少ない予算工事経費の中でも、やはり重点的に一番先にやるべきことだというふうに私は考えております。
  57. 森田景一

    ○森田(景)委員 ちょうど夏の暑い時期を迎えるので、サービスということについては冷房の話だけが出たようでございます。乗客に対するサービスは冷房だけじゃないと思います。サービス内容についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、こういう質問でございますから、その一つに冷房、こういうふうにひとつ御理解いただきまして、サービスは冷房だけなんでしょうか。
  58. 細田吉藏

    細田国務大臣 私は、ちょっと席を外していて質問を伺っておらなかったものですから、冷房のお話というふうにあらかじめ承っておりましたので、さような答弁を申し上げたわけでございます。  国有鉄道のサービス全体は、私鉄と比べまして大変見劣りがするということで、各方面から非常にいろいろ御批判がございます。私ども、この批判を謙虚に受けとめなければならないと思っております。しかしながら、最近は一時よりはやや見直してまいったのではないかと思っておりますが、なお一層、これは努力をしていかなければならない問題で、やはりこれは国鉄の国民に対する基本的な問題である、かように認識いたしておる次第でございます。
  59. 森田景一

    ○森田(景)委員 大臣答弁は非常に抽象的でございまして、抽象的ですと、やはり具体的なサービスが実行されない、こういうことになるわけでございます。  余りこのことでやっておりますと、後に進みませんが、私は私なりに、こういうことがサービスじゃないのだろうかと考えてみました。例えばただいまの冷房化の問題、あわせて、暑い時期ですけれども、今度は寒くなりますと暖房という問題があります。それから、混雑緩和であるとかあるいは事故を起こさない、時間を守る、あるいは出改札の職員の態度あるいは電車の案内のアナウンスであるとか、こういういろいろと具体的な問題が乗客に対するサービスであろう、こういうふうに私は考えるわけでございまして、是非については、ここでは私は問題にしません。  そこで、冷房化の問題でございますけれども先ほどお話もございましたが、現在、横須賀線、総武線の快速は冷房化率一〇〇%、東海道線が九九%、中央線が九四%、そして東京地区平均として、お話がありましたように七八%、こういう状況であるわけでございますが、そうした中で、武蔵野線が一二%、常磐線の各駅停車が四七%と非常に低いわけであります。こうした異常に低いのは一体どういう理由なのか。この常磐線あるいは武蔵野線の冷房化率はもっとアップしなければならないのじゃないか、こういうように考えているわけでございますが、御答弁をいただきたいと思います。
  60. 須田寛

    須田説明員 今先生指摘がございましたとおりでございますが、まず、常磐線の方の冷房化率が比較的低い理由は、常磐線の緩行線は営団の千代田線と乗り入れをいたしております。千代田線の方が、実は地下鉄という特殊事情がございますので、車両の冷房をいたさないで、ホームとトンネルの冷房をするという方式でやっておられるわけでございまして、国鉄の冷房をつけました車も営団線内に入りますと冷房をとめているような実情でございます。したがいまして、営団の所有されております車は、冷房がついておる車が実はございませんので、それが緩行に入ってまいりますものですから、国鉄の車が冷房化を進めましても、全体として冷房化率がなかなか上がらないという特殊事情がございます。  ただ、先生も御指摘のように、常磐線、大変込んでまいりますのと、地上区間の運転区間が北千住から取手までと非常に長いものでございますから、今、営団側とちょっと相談をいたしておりまして、営団側につきましても、車両の冷房について取り組んでいただけるようにお願いを申し上げておりますので、もうしばらくお時間をちょうだいして、営団と私どもと極力協力をいたしまして、もう少し冷房化率を上げるように努力をしてまいりたい、こんなふうに思っております。  次に、武蔵野線でございますが、確かにこれは一二%ということで非常に申しわけない状況でございますし、昨年からもそのままの状況でございますが、これは武蔵野線内に実は長いトンネルがございまして、武蔵野線に使います車というのは、特別な保安基準を満たした車でなければいけないということでございまして、他の線区の車との流用がきかないという特殊事情がございます。武蔵野線が四十八年に開通いたしましたときに改造いたしました車を実はそのまま使っておりましたので、大変冷房化率が低いわけでございますが、この車がやや老朽化してまいりまして、そろそろ取りかえの時期が近づいてきておりますので、今年は一二%でございますが、明年はかなりな程度これは改善できるというふうに考えております。  したがいまして、やはりいろいろなそういう特殊事情、悪条件があるわけでございますけれども、大変混雑をしてまいっておる区間でございますので、関係の箇所とも十分協議をいたしまして、少しずつ冷房化率を上げてまいるように、そしてまた、全体として混雑緩和を図りますように、なお努力を続けてまいりたい、かように考えております。
  61. 森田景一

    ○森田(景)委員 常磐線の緩行電車のラッシュアワーの混雑率は、先ほどお話がありましたけれども、これは昭和五十七年の資料ですが、北松戸−松戸間が七時半から八時半までで混雑率が二五二%、今はもっと上がっていると思います。夏場の車内はまるでサウナぶろみたいな状況でございまして、私も毎日、この列車に乗っているわけでございます。やはり一日も早く東京地区平均並みの七八%より以上に冷房化を進める必要があるだろう、こう思うわけですが、ただいまの御説明では、営団の関係がある、こういう話ですけれども、それでは営団と話して、ことしは間に合わないにしても、来年はどのくらいにする見通しであるか、その辺のところはお考えでしょうか。
  62. 須田寛

    須田説明員 営団側となお協議を要すると思いますが、実は、営団側も最近、冷房準備工事を大体、車両に全部付していただいておりますので、改造がかなりやりやすくなっているやに聞いております。まだ営団から最終的に明年どうするかという話を聞いておりませんので、この辺はなお詰めたいと思います。ただ、国鉄所有の車の冷房化率を、来年はさらにもう少し上げられると思いますので、来年の夏は少なくとも五〇%は超えられるだろうと思っておりますが、なお、時間もございますので、営団側と協議を十分いたしまして、なるべく高い率にするような努力をこれからいたしたいと思います。
  63. 森田景一

    ○森田(景)委員 来年五〇%というのは、わすか三%しか上がらないのですね。とにかくあそこは一番大変な線ですから、もっと努力をしていただきたいと思うわけでございます。  それと、武蔵野線が長いトンネルがあるから冷房化が進まない、こういう説明ですけれども、それで一方では、今度老朽化したから新しい車にすれば冷房化が進む、この二つの答弁は矛盾している答弁でしょう。長いトンネルというなら、総武線、横須賀線、これは錦糸町からずっと地下に入って品川の方まで地下で抜けているわけです。これは一〇〇%なんです。このトンネル、トンネルと言っていいのじゃないかと思いますが、それと武蔵野線のトンネルとどっちが長いのですか、どっちが短いのですか。
  64. 須田寛

    須田説明員 ちょっと言葉が足らなかったので大変申しわけないと思うのでございますが、実は、武蔵野線の開通が四十八年でございますが、総武線の開通が千葉方の方はかなり早かったわけでございますが、横須賀方の方がドッキングをいたしましたのは、ここ二、三年前でございます。実は、四十八年当時はまだ国鉄が国電冷房というものを打ち出していない時期でございまして、そのときにたまたまトンネル使用の車を改造してしまったということがございまして、その後それの改造が非常に手戻りなものですからおくれたということでございますが、横須賀線の方は、総武が四十七年に開通しましたときは非冷房のままでやったのですが、最近地下へ、車をつくるときに冷房化をいたしましたのでそういうふうになってしまったということで、たまたま開通の時期のずれがございまして、まだ国鉄の冷房に対する取り組みが浅いころに武蔵野線ができてしまったためにおくれたということでございますので、ちょっとその辺は言葉足らずでございます。  先生指摘のように、トンネルは当然総武線、東海道線の方が長うございますし、トンネルがあるからというだけの理由ではございませんで、その開通いたしました時期と、国鉄車両を投入いたしました時期の兼ね合いでそうなったわけでございますので、ちょっと言葉足らずでございますが、補足をさせていただきます。もちろん、たびたび申し上げておりますように、決して今の武蔵野線は十分ではございません。明年の夏はかなり改善できると思いますし、できるだけ早く全車冷房に向かって前進をしたい、このように考えております。
  65. 森田景一

    ○森田(景)委員 武蔵野線は新しい路線であるにかかわらず、非常に冷房ではなく冷遇されています。車両も古い車両があそこは走っております。冷房も非常に少ない。そういうことで、努力をされるということでございますが、来年は何%ぐらいに冷房化率をアップされる見込みか。  それからここで、冷房とちょっと話が違うのですが、混雑緩和という観点から、朝のラッシュアワーは、新松戸駅で一時間に四本しか出ていないのですね。これもひどいのです。この増発ということと両方合わせてお答えいただきたいと思います。
  66. 須田寛

    須田説明員 車両計画を今、これから詰める段階でございますので、ちょっと何%ということを正確に申し上げるのはもうしばらく御容赦いただきたいと思うのでございますが、改善をするということだけははっきりお約束を申し上げられると思います。  それから、増発の件でございますが、現在、先生おっしゃいますように、浦和周辺あるいは朝霞の周辺とか、在来線なり私鉄線と接続をいたしております前後の駅が相当込んでまいっておりまして御迷惑をかけておりますので、この七月から臨時列車の格好で若干手当てはいたしておりますが、明年春のダイヤ改正におきまして、そういった混雑緩和を中心に、ラッシュもデータイムも含めまして増発を目下検討いたしております。
  67. 森田景一

    ○森田(景)委員 それでは、冷房につきましては以上で終わります。  次に、常磐新線計画について、総裁は退席されましたけれども、運輸大臣その他にお願いしたいと思います。  御存じのとおり常磐線は、沿線地域の人口が急激に増加いたしまして、これによる旅客輸送需要も非常に増大しているわけでございまして、この混雑緩和対策が緊急な課題となっております。  現在、これも昭和五十七年十月の国鉄調査でございますが、ラッシュアワー一時間当たり混雑率が、中距離電車で我孫子−上野間二五九%、快速電車が松戸−北千佳間で二七七%、緩行電車が亀有−綾瀬間で二五〇%、こういう状況でございます。  そして、この千葉県と東京都の都県境における一時間当たりの混雑率の動向を見てみますと、北総開発鉄道の二期工事が完成しまして東京に直接乗り入れができた場合でも、六十五年には二一九%と若干減るわけでございますが、七十年には再び二六三%、七十五年には二八三%となる、こういう指数が出ているわけでございます。この北総開発鉄道が開業されない場合には、六十五年で二七八%、七十年で三二九%、七十五年で三六九%、こういうふうに見込まれているわけでございます。     〔浜野委員長代理退席、鹿野委員長代理着席〕 そういうわけで、現在の常磐線につきましては、車両の増結、増発等最大級の輸送力増強策を講じましても、昭和七十年ごろには輸送力の限界に達するものと見込まれているわけでございます。  こうした状況から、常磐新線の早期実現が絶対不可欠となっているわけでございまして、このことについては、運輸大臣国鉄総裁も十分御承知であるはずでございます。この常磐新線の実現性についての見解をひとつ大臣と、国鉄総裁は退席されましたので、国鉄関係の方にお答えをいただきたいと思います。
  68. 細田吉藏

    細田国務大臣 既に御承知のように、五十七年九月に運輸政策審議会に対しまして、首都圏における今後の鉄道網の整備計画について諮問を行っておりまして、審議会では作業をどんどん進めていただいておるところでございます。その中におきまして、これはもう申し上げるまでもなく、今御質問の中におっしゃったような常磐線の状態でございますので、これを緩和するためにどうするかということについては、当然この答申の中に織り込まれるというふうに私どもは理解をいたしております。どういう形の答申が出てまいりますかわかりませんが、いずれにしても、現在の常磐線が完全に行き詰まるという時期が見通されるわけでございますので、何らかの方法を講じなければならぬ、こういうことだと思っております。  これにつきまして実現性の問題ですが、これは実現させなければならぬという必要性についてはもう問題ないわけでございます。ただ、予算の状態が今後どういうふうになりますかわかりませんが、やはり窮屈な中で、言うなれば鉄道の使命を果たす上において最優先的なプロジェクトだと思うのでございます。そういった意味で優先的にやらなければならぬわけですが、それにしてもかなりな工事費がかかるということは間違いないだろうと思うのでございます。  そこで私ども、これについては相当工夫をしなくてはいかぬのじゃないか。予算をどういう形で出すか、どういう経営主体にするのかというようなこと、まあ国鉄全体の問題とも関連をいたすことと思いますが、いずれにしても、実現性があるなしということではないので、これは実現させなければいけない。その方法をどうするかということについて、今後運政審からもあるいは何かのお考えが出るかもしれませんが、私どもとしましても、国鉄としましても考えていかなければならぬ、むしろ国として考えていかなければならぬ、こういうことだと思っております。
  69. 森田景一

    ○森田(景)委員 大変大臣の力強い答弁でございまして、地元の住民としては、まだ実現しませんけれども期待に燃えるわけでございます。  それで、この答申はいつごろ出る予定でございましょう。
  70. 服部経治

    ○服部政府委員 お答え申し上げます。  ただいま路線網策定ワーキンググループというのをつくりまして、詳細な需要測定等に基づきまして、今後具体的な詰めを行っていくこととしておりまして、答申の時期につきましては、私どもの立場からあらかじめ具体的なことを申し上げるのははばかるべきでございましょうけれども、私どもの希望といたしましては、できれば年内、遅くとも年度内には答申をちょうだいいたしたいというふうに考えております。
  71. 森田景一

    ○森田(景)委員 我々もできれば年内に答申を出していただければという希望を持っているわけでございます。なぜかといいますと、新しい鉄道をつくるためには非常に多額の費用が必要なことは大臣もおっしゃるとおりでございます。しかし、いずれにしても着工するというためには調査費をまず計上してもらわないことには、経営主体がどうなるかという問題につきましても検討ができないはずです。ですから、我々としては年内に答申を出してもらって、とにかく金額の多い少ないは別としまして、国鉄から調査費をつけていただくということがやはり新線の実現に一歩を踏み出すということになるのだと私理解しておりますが、この調査費をつけるという点について、大臣、お考えはいかがでございましょう。
  72. 細田吉藏

    細田国務大臣 地元の強い熱望を受けてそういう御質問になっておると思います。ですから私どもも、これは答申はどういう形で出るにしましても、東京のあの地域というものが、西北といいましょうか、大変問題であることはもう間違いがございませんので、できるならば今地域交通局長が申しましたように年内に出していただいて調査費をつけることができれば大変いいがなというふうに思っておりますが、ちょっとそれ以上今ここでお約束すみ云々というような問題ではございません。私どもそういうことを希望は持っておるということだけにお答えをとどめさせていただきたいと思います。
  73. 森田景一

    ○森田(景)委員 大変難しい問題だと思いますが、仮定で話をしますと決着がつかないわけでございますけれども、それでもなおもう一つ、念のために、年内に答申が出た場合に来年度調査費をつけていただけますかということです。
  74. 服部経治

    ○服部政府委員 ちょっと御説明させていただきたいと思いますが、このいわゆる常磐新線とか第二常磐線とか言われておりますルートの設定につきましては、これから運輸政策審議会の場で詳細な議論が行われて詰めが行われるわけでございますが、地元の御要望にも幾通りもの考え方がございまして、例えば千葉県の場合は、現在の常磐線に対する腹づけ線増的な性格の強い路線を御希望なさっておられますし、東京都、埼玉県、茨城県の一都二県の場合は、千葉県の場合とはややニュアンスを異にいたしまして、もうちょっと新しいそういった地域の開発計画に即応したような形の新しい性格の線というようなことも考えておられまして、どういう形で結論が落ちつくか、ちょっとこれは今定かではございませんけれども、そういう路線の位置づけと関連いたしまして第二常磐線なるものの建設運営主体の議論も今後の問題としてされていくことになるだろうと思います。いずれにいたしましても、そういうことが決着を見ませんと調査費の問題にまではなかなか立ち至らないような感じでおります。
  75. 森田景一

    ○森田(景)委員 いろいろと申し上げたいわけでございますが、時間でございますので、以上で質問を終わります。
  76. 鹿野道彦

    ○鹿野委員長代理 次回は、来る二十四日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十四分散会