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内藤功君 農林漁業とか商工業とか、それからお医者さん、弁護士、自家営業の人はみんな
国民年金に強制
加入させられておるわけですね。そのほか
任意加入をしておる。私が話を聞いて非常に不満の多いのはやっぱり商工業者の人ですよね、こういう人、それからその
人たちの家族の人、この国保の強制
加入者。こういうふうに一方的に上げられてきたら大変だ、
負担が大きいと。
公的年金に共通するかどうか、そういう理屈はそういう人にはわからないですね。掛けるのをやめたいけれ
ども、やめれば取れなくなるので無理して掛ける。この
負担が年々やはり増大しているんです。こういうものにやっぱりきちんと
国民が安心して
保険料を払い、将来はもらえるというものにしていくような
考え方をもっと
考えるのが私は
公的年金制度で先決じゃないかと思っているんですよ。
あなたが、
先ほどから
公的年金の全体の
再編統合の
具体的内容というものをいろいろ
理由をつけて明らかにされない。それは役所のたてまえもあるでしょう。あるけれ
ども、しかしこういうものだということを
国会の場でやっぱり明らかにすべきだと私は思うんですね、できるだけ具体的に。
数字が出されたら、
委員のいま示された
数字に近いものだぐらいはなぜ言えないのかと私は思うんですよ。私の言葉で言えば、
給付水準の
切り下げと
支給開始年齢の
引き上げと
保険料というものをさらに増大する、
国民年金五千八百三十円を八千円にする、こんなことまで
考えているものだから、やっぱりこの時期に発表できないのだろうなと私は思っているんです。そういうふうに思うんです。これはやっぱり明らかにすべきだと、私はこのことを申し上げておきたい。
いま御
提出になっております本
法案というものは、そのような
国民の
負担、犠牲というものをもっと大きくする
公的年金の
再編統合のその第一歩だ、第一
段階だから私たちはこれは反対だということを申し上げておるのでございます。特に、
年金制度の一元化の名のもとに、
高齢化社会へ向けて
給付内容を
切り下げ、
保険料の徴収を強め、
年金財政に対する国の
負担を減らし、あるいはできるだけふやさないというための私は過酷な
内容の案をいま
厚生省、
政府が準備をしておる、こういうふうに思うのであります。ですから、私はいまやられているような
年金制度の
再編統合案というものについてはこれは強く反対をするということをここで申し上げておきたいと思うんです。
それじゃ、
年金制度をどうするかという問題は、私はやはり日本の憲法の立場に立ってやるべきだと思うんです。そこで、大臣おいででございますから、大きな観点から御所見を伺いたいと思うのであります。
私たちは、まず憲法の生存権保障の
趣旨に立って、それから憲法には十三条というのがあって、生命、自由追求の権利は最大限に国政の上で尊重されなければならない、こういう理念の上に立っている。そして、
国民だれでもが一定の年齢が来たら、そこに
年金があまねく差別なく受け取れる、それから家庭におる婦
人たちも
年金の権利を得ることができる、こういうことを基本にして
年金の
制度というものを
考えていく。専門家からいえば素人ぽいかもしれませんが、私はそこが基本だ、ここを外れちゃいかぬ。そういう
意味で、私たちは最低保障
年金というのを設けるべきだと思うんです。つまり、すべての
国民が現在六十歳に達すれば、いまの相場で言えば毎月五万円、夫婦で十万円の
年金を受けられるようにする、そういう
制度をつくっていく。そして、従来の
厚生年金や
国民年金の一定部分は
拠出に見合って最低保障
年金とあわせて
給付をする。それで、最低保障
年金の財源というのは、国庫の
負担、各
年金制度からの
拠出金をそうたくさんふやさなくても、若干ふやす。
そして、もう一つは、大臣にもう一遍御再考、御
検討願いたいのは、ヨーロッパの各国並みにやはりこの
負担部分は労働者を三、企業七、これを目標にする。一遍にやるとなるとできませんとかなんとか言うんですが、これは一遍にできなければ年次計画をつくって、その
方向に持っていくように年次計画で
努力をして改めていく。それから、その場合も、企業といっても大企業と中小企業は違いますから、大企業、巨大企業、中堅企業、中小企業違いますから、中小企業についてはその
負担が過度にならないような調整をその間でやはりしていく。具体的な
数字は、私たちはこれを発表する予定でおりますけれ
ども、この基本的な
構想、これを私たちは持っているわけです。
大臣は、先日の参議院本会議で、わが党の近藤議員の
質問に対しましてきわめて簡単に、わが国は従来の経過にかんがみて労働者と企業は折半であるということのみをお答えになりましたけれ
ども、ヨーロッパの実情、それからそれを一遍にやるのじゃなくて、年次計画をもってこれを達成していく
努力、そういう
努力というのはやっぱり私はぜひ大臣にお
考えをいただかなければならぬ、かように思っているんですが、大蔵大臣というのは、金がない、財源がないと言うだけじゃこれは頼もしい大臣じゃないのであって、どういう
方向にこれをやっていくかということがなきゃならぬと私は思うんです。この点についての御所見をお伺いしたいと思います。