○湯山
委員 これからが私の
意見が入りますから。
実は、いまたまたま御
指摘になりましたように、
臨調の
答申ではいまおっしゃったような点はございました。特に人事院勧告については、
答申では人事院勧告は尊重されるべきものであることというふうに明確に示されております。もちろん総人件費の抑制というのはあります。
そこで、いま
土光会長のご
あいさつにも、
臨調答申については
中曽根総理も尊重するという
言葉を使ってお約束された。検討するとかあるいはできるだけ
実施するとかいろいろありますけれ
ども、尊重というのは、私は
最大限のそのことについての約束だと受け取って差し支えないというように感じます。したがって、
臨調答申で人事院勧告については尊重すべきものであるということは、これはもう非常に大きいウエートがかかっている、このように判断をいたします。
それから、では同じ
臨調答申で人件費総額の抑制ということ、これも非常に重要な
課題である。そのことにつきましてただいま
参考人は、
歳出については
構造的に
削減措置をとるべきだということを強調されまして、私もその点十分理解もできますし、その点では同感でございます。そういたしますと、その間矛盾がございます。人事院勧告の
実施について抑制
措置をとるということと尊重するということとは矛盾がある。どちらをどう優先するかという
課題がありますけれ
ども、これは、私が
基本答申を何度も読み返してみますと、非常に頭のいい方がおつくりになったと見えまして、解決の方法を示しておるのです。
それはどういうことかといいますと、総人件費抑制が求められている、その方法については、いまのように目先だけで応急
措置をとるのでなくて、この
答申によれば、人件費総額の膨張については厳しい定員管理、このお
言葉はいまもお使いになりましたが、厳しい定員管理を行うこと等により抑制するとありまして、
臨調答申の間には人件費総額の抑制と人事院勧告の尊重ということに矛盾がないようにこういう方法でやれということが示されております。つまり、定員が半分になれば完全に
実施しても人件費総額は半分で済むわけですから。この
臨調答申は矛盾なくやる方法を示している。
ところが、ともすれば、ただ上げる率を抑えるとか
実施の時期をおくらせるとか、そういった一向
基本的な示された方針じゃなくて、尊重すると言って、しない方法でこれをやろうとしておるところに私は問題があると思います。したがって
臨調答申から、あるいは今度の場合も、いまお述べになりましたけれ
ども、いま人事院の
制度、これは堅持する、民間給与の問題、おっしゃったとおりこれに準拠していく、そして勧告は尊重する、これは
基本として動かない、ただ厳しい財政事情にあるからそれに
対応するということ、これはよくわかります。しかし同時に、
社会的な
経済的な事情というものの中には、これは公務員だけじゃなくてこの春の賃上げの場合に、たくさんの民間の労働者たちは、昨年人事院勧告を抑えたことがはね返ってきた、だからやはり人事院勧告は
実施してもらいたいというのは、マスコミには載らないにしてもほとんどの労働者の声でございます。それがありますのと、もちろん退職金が多いなんか、これはいけませんが、そうじゃなくて、この点はそうであるし、それからいま
減税の
お話が出ました。
減税にいたしましても、景気浮揚に役立つという、これは
経済界の大きな
課題でございます。
したがって、お示しになった条件の中には、国の財政が非常に厳しいこと、これもありますけれ
ども、検討要素の中にはそういう引き上げなければならないという要素もございます。したがって、おっしゃったように
歳出の
構造的な
削減というのをやらなければこの
答申に合わないわけですから、目の前でことしだけ時期をずらすとか率を抑えるということは本道ではない。本来の
臨調の精神は、むしろ一人一人の給与を抑えてではなくて給与総額を抑えよという意味はそこにある、こう私は読んでみまして感心もいたしますし、さすがに
臨調だなということも感じましたが、そのように理解してよろしいものでしょうか、いかがでしょうか。