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1983-09-28 第100回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年九月二十八日(水曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 中野 四郎君    理事 小沢 一郎君 理事 奥野 誠亮君    理事 片岡 清一君 理事 小泉純一郎君    理事 佐藤 観樹君 理事 山花 貞夫君    理事 伏木 和雄君 理事 中井  洽君       上村千一郎君    大西 正男君       大村 襄治君    住  栄作君       田名部匡省君    渡海元三郎君       栂野 泰二君    堀  昌雄君       坂井 弘一君    安藤  巖君       河野 洋平君  出席国務大臣         自 治 大 臣 山本 幸雄君  出席政府委員         警察庁刑事局長 金澤 昭雄君         自治省行政局選         挙部長     岩田  脩君  委員外出席者         法務省刑事局刑         事課長     飛田 清弘君         自治省行政局選         挙部選挙課長  小笠原臣也君         自治省行政局選         挙部管理課長  平林 忠正君         特別委員会第二         調査室長    秋山陽一郎君     ───────────── 委員の異動 九月二十六日  辞任         補欠選任   山口 鶴男君     小野 信一君   山本 幸一君     栂野 泰二君     ───────────── 本日の会議に付した案件  公職選挙法改正に関する件(第十三回参議院議員通常選挙の結果概要)      ────◇─────
  2. 中野四郎

    中野委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山本自治大臣
  3. 山本幸雄

    山本国務大臣 この機会に、第十三回参議院議員通常選挙の結果の概要について御報告を申し上げます。  御承知のとおり、昨年八月に公職選挙法改正をされましたが、今回の選挙は、改正法による初めての選挙でありました。  選挙すべき議員の数は、比例代表選挙五十人、選挙選挙七十六人、合計百二十六人でありました。  選挙当日の有権者数は、約八千三百六十八万人で、前回通常選挙より約二百七十五万人増加しております。  投票状況について申し上げますと、六月二十六日の投票日の天候は、中部地方の一部で晴れ、九州地方の一部で雨のほかは全国的に曇りであり、投票率は五七%でありました。これは、史上最高を記録しました前回に比べ一七・五%低く、参議院議員通常選挙といたしましては史上最低投票率であります。  次に、立候補の状況について申し上げますと、比例代表選挙については、候補者名簿届け出政党は十八党であり、その名簿に登載された候補者の数は百九十一人でありました。また選挙選挙は、二百三十九人でありまして、その競争率は、比例代表選挙で三・八倍、選挙選挙で平均三・一倍でありました。  次に、当選人状況について申し上げます。  党派別では、自由民主党は、比例代表選挙で十九人、選挙選挙で四十九人、合計六十八人でありました。日本社会党は、比例代表選挙で九人、選挙選挙で十三人、合計二十二人、公明党は、比例代表選挙で八人、選挙選挙で六人、合計十四人、日本共産党は、比例代表選挙で五人、選挙選挙で二人、合計七人、民社党は、比例代表選挙で四人、選挙選挙で二人、合計六人、新自由クラブ民主連合は、比例代表選挙で一人、選挙選挙で一人、合計二人となっております。このほか、比例代表選挙では、サラリーマン新党が二人、福祉党が一人、第二院クラブが一人当選をしており、また選挙選挙では、諸派無所属で三人が当選しております。  婦人の当選人は十人で、前回の九人よりも一人増加いたしました。  次に、党派別得票率を見ますと、比例代表選挙では、自由民主党が全有効投票の三五・三%、日本社会党が一六・三%、公明党が一五・七%、日本共産党が八・九%、民社党が八・四%、サラリーマン新党が四・三%、福祉党が三・四%、新自由クラブ民主連合が二・七%、第二院クラブが二・五%、その他の九政党合わせて二・五%となっております。  また、選挙選挙では、自由民主党が全有効投票の四三・二%、日本社会党が二四・三%、公明党が七・八%、日本共産党が一〇・五%、民社党が五・七%、新自由クラブ民主連合が一・二%、その他諸派無所属が七・三%となっております。  今回の選挙は、わが国で比例代表制を採用して初めての選挙であり、有権者に対する新制度周知等新しい課題も多かったのでありますが、各方面の御協力により、無効投票比例代表選挙において二・四二%、選挙選挙において三・一四%と少なく、まずまずの理解を得ることができたと考えております。  最後に、選挙違反状況について申し上げます。  投票日後三十日目の七月二十六日現在の仮集計において、検挙件数は三百八十二件、検挙人員は一千三十八人となっておりますが、これを前回検挙状況と比べますと、件数において約八〇%、人員において約六九%、それぞれ減少いたしております。  以上をもちまして、過般の参議院議員通常選挙の結果の御報告を終わります。
  4. 中野四郎

    中野委員長 次に、警察庁金澤刑事局長より発言を求められておりますので、これを許します。金澤刑事局長
  5. 金澤昭雄

    金澤政府委員 第十三回参議院議員通常選挙における違反行為取り締まり状況について御報告申し上げます。  選挙期日後三十日、七月二十六日現在で集計いたしました数字は、お手元に資料としてお配りしてあります表に示したとおりでこざいます。  まず検挙状況についてでございますが、総数で三百八十二件、千三十八名となっておりまして、前回通常選挙昭和五十五年六月施行の選挙における同時期の千九百四件、三千三百十二名に比べますと、件数で七九・九%、人員で六八・七%の減少となっております。  総数につきまして、これを罪種別に申し上げますと、買収百五十六件、四百二十五名、自由妨害三十九件、六十二名、戸別訪問六十五件、百十六名、文書違反百十五件、四百二十六名、その他七件、九名となっておりまして、買収検挙事件のうち件数で四〇・八%、人員で四〇・九%と最も多くなっております。  次に、警告状況を申し上げますと、総数で九千三百六十六件でございまして、前回の二万九千百八十五件に比べますと、一万九千八百十九件、六七・九%の減少となっております。  なお、警告事案のほとんどは文書関係についてのものでありまして、総件数の九四・四%を占めております。  以上簡単でございますが、概略を御報告申し上げる次第でございます。
  6. 中野四郎

    中野委員長 これにて説明は終了いたしました。     ─────────────
  7. 中野四郎

    中野委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
  8. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 ただいま自治大臣からも御報告があったわけでございますが、今度の参議院選挙の特徴というのは、何といっても、比例代表制制度が新しく取り入れられたことにあると思うのであります。それに関しまして、実施する前からあるいは実施中、選挙中あるいは選挙後も、いろいろな角度からの問題点の指摘があったわけでございますが、自治大臣も、選挙が終わった後、この比例代表制のあり方について事務的にひとつ検討してみたいという趣旨を閣議後に言われているようでございます。この事務的に検討したいというのはどういう中身を持っているのか。  いろいろ新聞等に出ておりますところは、たとえば比例代表制に一人だけ出て、そして選挙選挙の方に九人出るということで、十人の要件を整えるのはおかしいのではないかというような意見があったり、あるいはやはりわが党が言っておりましたように、比例代表制選挙運動というものをもう少し、若干個人的色彩を持った、名簿登載者がもう少し選挙運動をやれてもいいのではないかという意見も出ていたようでございます。そういうことを頭に置かれて、事務的に検討したいということなのか。  この法案自体自民党議員提案という形になっていた性格上、その大枠自治大臣が外すということは私はできないと思うのです。その意味で、自治大臣が言われました事務的に検討したいというのは、どういうことが頭にあってそういう御発言になったのか、その点からまずお伺いしたいんですが……。
  9. 山本幸雄

    山本国務大臣 いまお話しのように、この制度は全く初めてのことであります。従来からの個人に対する投票を、政党に対する投票を求めるという全く初めての制度であるわけであります。  この制度の採用については、慎重を期して採用されたものだと思い、私どもはもとよりこの制度根幹そのものについては維持をすべきものである。そこで、私どもの言いましたのは、事務的あるいは技術的といいますか、そういう事務管理上、いろいろ初めての体験だけに考え直した方がいい、あるいはこう直した方がいいという点はやはりあるのではないか、そういう事務管理上の問題について改善すべきものがあればひとつ直していきたい、こういうことを申したわけであります。  それ以上の問題になりますれば、もとより各方面意見、ことに国会で御論議をいただかなければならない、また、各党各派の御審議、御意見をいただきながら、その中で私ども事務的にひとつ処理をしていかなければならない、そういう考え方でおるわけでございます。
  10. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 そうすると、その事務管理上というのはどういう範囲を言うのでしょうか。たとえば、比例代表制一人で選挙選挙に九人候補者を出すそういう政党、これはたとえば立会演説会なんかでも全然出てこない。それから、ポスターも全然、選挙選挙の方は張らない。これは選挙管理上好ましいことではないという発言も、意見としてはあったわけですね。いい悪いは別といたしましてもあるわけでございまして、その事務管理上から改善する点があるのではないか、それを検討するのだという、大臣の言われます事務管理上というのは、一体どの辺の範囲までのことを事務管理上と言われているのですか。  いま申しました、たとえば政党要件の問題ですね。これはもっと緩和すべきであるという意見と、いやもう政党本位選挙なんだから、政党要件はもっと厳しくていいんだという議論もありましたし、一体事務管理上の問題というのは、いま大臣が言われている言葉というのは、どういう範囲どういうイメージで言われているのですか。
  11. 山本幸雄

    山本国務大臣 どの辺までの話かということでございますが、たとえば選挙管理委員会でいろいろ事務執行していく上において、いまお話しのような、届け出があって、そしてそれぞれ掲示場あるいは立会演説会なんかも準備をするわけでございますが、それらの点について、事務管理上、選挙管理委員会でいろいろこういう点は何とか直した方がいいのではないかという意見などやはり出てくる。そうすれば、やや制度根幹に触れるようなところまであるいは話はいく可能性もないではないと私は思います。しかしその辺になってきますと、それはやはり各党皆さん方の御論議をいただかなければならないテーマになってくるであろう、こう思っておるわけであります。
  12. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 ちょっと、執行具体的責任者でございました岩田選挙部長大臣の補足をするような意味で結構でございますが、いま大臣言われましたように、確かに政党要件というのは政党本位選挙でございますから、いわば非常に根幹に触れる問題なんですね。したがいまして、実際執行上、皆さん方のレベルで検討しなければいかぬテーマというのは、たとえばどんなものがあるとお考えになっていらっしゃるのですか。
  13. 岩田脩

    岩田政府委員 今度の選挙が一応順調に行われたせいでしょうか、選管の方をいま打診しているわけでありますけれども、そんなに十も二十も、こういうテーマがというような話は余り出てきておりません。むしろきわめて事務的な話、たとえて申しますと、例の名称保護のための届け出というのが九十日前にあったわけでございますが、早い話、あれが一週間期間がございましたが、実務上届け出期間を一週間置く必要はないのではないかとか、それから今回出ておりました政党の中には、非常に長い名称を冠しておった団体がございました。ああいう非常に長い団体というのは、たとえば投票所内氏名掲示その他におきましても、活字の大きさなどの問題がありましてかえってわかりにくくなるので、むしろああいう団体には略称の使用を義務づけるというような方法はないものだろうかとか、そういうごく限られた問題が出ているのでございます。  確かにいまお話に出ましたような、一人出して九人という問題が、ある意味では選挙管理委員会側にとっても、いまのポスター掲示場の確保であるとかそういう意味で大変問題を持っているわけでございますが、いまお話にありましたように、反面政党要件につながります。でありますので、選挙管理委員会側としては、むしろその点については、選挙区における立候補者の数をあらかじめ把握することができればというようなサイドで物を考えておるようでございます。要件という問題よりも、それさえ押さえられればいいのではないか。  といいましても、具体的に余りいいお答えを思いつきませんので少し行き悩んでおりまして、あるいは政党要件そのものについての国会その他における検討がある方向で進めば、むしろそのことによって解決するということになるのかもしれないと思っております。
  14. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 実は政党要件というのは、非常に重要な要素だと私は思っているわけです。その意味で、なぜ議員でない立候補者十名で一つ政党というのを認めたかというのは、これは十名がいいか五名がいいかという議論がいろいろございました。しかし自民党案では、公職選挙法関係から、あるいは政治資金規正法上から出てくる十名というのが一つの基準として、いわば政党という概念があるものですから、それを援用されたことだと思うのであります。  ただ、やはり民主主義でありますから、なるべく多くの方が出られる条件だけはつくっていかなければいけないのではないかというので、私たちはその点については五名ということを申し上げたわけでございますが、それが今度は選挙管理上、確かに選挙選挙に名前だけは出ているけれどもちっともやらないというのは、有権者に対して大変失礼な話だと思うのですね。しかしそれは、最終的に投票の段階で有権者判断をすべきことなので、確かに民主主義というのはそういう意味では大変むだといいましょうか、があるわけで、そのことを私はある程度容認せざるを得ないだろうと思うのであります。  もっと逆説的な言い方をすれば、たとえば政党要件を五人にしておけば今度は一対四ですから、逆の面で管理上はもう少しむだがなくなるということだって言えるわけで、それは別といたしましても、いずれにしろ私は、この政党要件というのはいわば政党本位選挙をやる基本的要件ですので、選挙管理上の、高い金をかけて掲示板をつくったのにちっともポスターを張らないじゃないかとか、あるいは立会演説会に出てこないじゃないかという話の観点から、この政党要件というのを詰められる、またそういう議論がかなり盛んに出ているのでございますけれども、それを大変重大なと申しましょうか、少し本末転倒ではないだろうかなと私は思っているので、その点についてはひとつ大臣におかれましても、十二分に留意をしておいていただきたいと思うのでございますけれども、よろしゅうございますか。
  15. 山本幸雄

    山本国務大臣 事務管理上の問題が制度基本に及んでくるという、いまのお話一つの例であったと思うのですが、ただ事務管理上の観点から言えば、掲示板とかあるいは立会演説会の場合は相当不都合があったのではなかろうか。少なくも国民政党に対して投票する、政党国民の信頼を求めて投票をしてもらう、こういう重要な問題に触れてくるわけでございますから、その辺はお話のように事務管理上の問題だけではもちろん解決のできる問題ではありません。重要な政党要件という高い見地から御判断をいただかなければならぬ問題ではある、こう思いますが、しかし事務管理上も、できたらこういう言うならば不都合と思われる点は、やはり選挙管理委員会意見が出てくれば、私はそれなり考えもひとつ考慮の中に入れていただきたいものだな、こうも思うわけでございます。  しかし、いずれにしろ政党要件という非常に重要な根幹に触れる問題でございますから、これはそれなり国会なりあるいは政党の御判断をやはり最終的にはいただかなければならぬ問題、そう思っておるところであります。
  16. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 これは、まさに本当に根幹に触れる問題で、比例代表制選挙というのは、いわば自民党案というのは、選挙選挙比例代表制というのは一体でという考え方があって、そしてそれゆえに地方区ではなくて選挙区という名称がついているのも、いわば二つ一つ参議院選挙を構成するんだという、そういう考え方だというふうに質疑の中でも出ているわけでありますから、その意味からいいますと、確かに事務的にいま申しました掲示板の問題とか立会演説会の問題、そういう問題が生じてくることはまことに残念なことですが、またそれはそれで有権者方々がそういう政党に対してそれなりの一定の評価を下すことだと私は思いますので、その意味でちょっと提起を申し上げたのであります。  それともう一つ、この法案の中で大変大きな問題になりましたのは、投票やり方つまり政党名有権者方々に書いてもらう方がいいのか、あるいはあらかじめ投票用紙印刷をしておいて、そして丸をつけてもらう、これの方が電算機処理からいっても非常に速いではないか。  それから政党略称というものを、自治省は何か模範の判断材料選挙管理委員会に出されたようでございますが、あれを読んでみても、かなりこじつけ的に見られないところもなくはないなと思うような判断材料もあったようでございますが、そういった意味で、まさに事務上といいましょうか、管理上と申しますか、投票用紙政党名をあらかじめ印刷をしてやることは、皆さん方は一回やってみてから、こう言われたわけですけれども、やってみて、これも今後政党の数がどのくらいになるか、まだ初めての経験でもございますからその次のことはわかりませんけれども、いまの感じとして、岩田部長どうなんですか。やはりこれだけあると、投票用紙にあらかじめ印刷していくのはちょっとむずかしいとお考えか、これぐらいなら印刷してやった方が有権者のためには便利になるのではないかとお考えですか。
  17. 岩田脩

    岩田政府委員 今度やった結果、一応先ほどお話がありましたように、無効投票率もかなり低うございました。各地の選挙管理委員会手なれぬことではありましたけれども、それほどその票の判定に関して混乱を生じたようには思いません。また、翻って今回の十八党ということを考えますと、たとえば通常投票用紙の大きさではとうてい無理であろうと思います。もちろん、いままでの考え方を変えまして、一投票用紙の大きさをたとえばB4判ぐらいにでもすればおのずから別でございましょうけれども、その場合には現在の投票所開票所システムそのものを変更しなければならない。いまの状態では、十八党ぐらいを前提にしてあらかじめ印刷した投票用紙をつくるのはむずかしいのではないか。各選挙管理委員会の方からも特にそういった要望は出ていない、そういうふうに考えております。
  18. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 それから、先ほど岩田選挙部長が言われました、いわば選挙管理委員会から出ている問題で、選挙運動の問題ですね。事実上、比例代表制の場合にはほとんどできない。選挙選挙の上に乗ってやるのが主だ。それゆえに、先ほど刑事局長さんから御報告がございましたように、選挙違反がきわめて少なかった。これは私は非常にいいことだと思うのですね。そういった意味で、選挙運動については本来なら政党間でさらに詰めていく問題だと私は思っておりますが、大臣が言われますような管理上、事務上の観点から見て何か要望といいましょうか、それはあったんでしょうか。
  19. 岩田脩

    岩田政府委員 まさにお話のように、この問題は各政党間でお詰めをいただくべき性格のものではないかと思っております。  何しろ今度は、たとえば車がなくなりポスターがなくなりというかっこうでございましたので、管理面からすると、いままでやっていた仕事がなくなっただけという形になっておりますので、管理面からしてこのことについての問題意識は、選挙管理委員会側にはないようでございます。
  20. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 比例代表制選挙運動の拡大というのは、もう少し各党とも意見を出し合って詰めていかなければならぬことだと私は思っておるわけであります。  そこで、大臣、初めての比例代表制というのが行われた。いま岩田部長からは、主に管理上、特に選挙管理委員会からの観点お話しをいただいたわけでございますけれども、とにかくまだまだ初めてのことでございますから、いろいろな意味でまずやってみて、比例代表制というのを国民方々がどういうふうに受け取られたか、政党本位選挙というのをどういうふうに受け取られたかというのを、少し国民皆さんから聞いてみる必要があるだろうと私は思うのです。政党要件の問題につきましてもあるいは選挙運動の問題についてもその他いろいろな問題についても、国民皆さん方がどう受け取られたかというのを少し聞いてみる必要があるだろう。  それから有識者の方々、こういう問題についての専門家方々に、日本で初めて行われたこの政党本位選挙というものを実際やってみた結果、どういう方向改善をしなければならぬかという意見を一回何らかの形で、それは国会委員会がやってもいいですし、あるいは自治省がやってもいいと思いますが、いずれにしろ選挙が終わった後、いや従来どおりの全国選挙、つまり個人本位選挙に戻した方がいいという御意見の方も、多いか少ないかは別としていらっしゃるわけだし、これは大枠を変えないでもっといろいろな意味改善をした方がいいのではないかという意見もあるわけでありまして、その意味では、よりよいものにしていくためには自治省自体がやることになるのか、あるいは明るい選挙推進協議会等に委託をしてやってもらうのか、やり方はいろいろあると思いますが、そういうよりよきものにしていくためにまず御意見を聞いてみる、こういうことをやってみる必要があるのではないかと思いますが、そのお気持ちはこざいませんか。
  21. 山本幸雄

    山本国務大臣 今回の比例代表制度というものは、従来の全国制度に見られたいろいろの弊害と一言で言っていいのかどうか知りませんが、そういうものを考えて、いわばそれのアンチテーゼみたいな形で出てきたものであると私は思っておるのです。それは、二つ制度を並べてみてどっちがいいかという一つ比較考量の問題でもあると思うのです。そういう意味で、おやりになる場合に、一つ国会あるいは政党という立場でいろいろ御議論もあったし、またいよいよそれを実施した場合の選挙民の方の受け取り方もいろいろあったろうと思うのです。それらの点につきましては、いろいろ各方面意見を今後とも聞いてみなければならないとは思います。  しかし、一回やっただけでもう根本的にこの制度をどうこうするということは、私どもはやりたくない。この制度は、なお根幹は維持しながら、直すべき点があれば直しながら、改善しながらひとつやっていきたい、こう思うのでございます。それだけに実施面で、若干制度根幹に触れるというお話になるかもしれませんけれども考えなければならぬ点があるとするならば私は考えていきたいと思うのです。  そこで、いまのお話で、各方面意見を聞けという御意見には私どもも全く同感でございますが、さて、その具体的なやり方につきましてはいろいろあると思いますので、それらはまたいろいろ考える余地があろう、こう思っておるわけであります。いずれにしろ、私は、やった後各方面の御意見はまあまあであったという声ではなかったか、こう思っておるのでございます。これはまあ、それぞれのお考えいろいろあるかと思いますが、それらはもっとひとついろいろと聞いていきたい、こうは思っております。
  22. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 次に、当委員会でも余りやってない問題について、私自身の考えもまとまってないのでございますけれども大臣の御所見を伺いたいと思うのでございますが、それは選挙権の年齢の問題なんですね。  最近、フランスでも年齢が引き下げられて十八歳ということですが、この十八歳を適用している主な国がアメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、オランダ、それからスウェーデン、オーストラリア、被選挙権が十八歳というのは西ドイツ、カナダ、スウェーデン、オーストラリア、こうあるわけですね。最近、新しい年齢制限引き下げの動きというのがあってこういうことになっているのですが、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス等の引き下げの理由と申しましょうか、一応ちょっと簡単で結構でございますから説明してください。
  23. 岩田脩

    岩田政府委員 正確な御返事になるかどうかわかりませんが、あれはたしか十年ほど前のことだったと思います。イギリスで成人年齢の引き下げが問題になりまして、当時イギリスは成人年齢が二十一歳で、選挙権もそれに連動して二十一歳だったと思います。それをどうしたらいいか、青少年の日常生活、社会生活の上で、いままでのように二十一歳を成人年齢とし、それ以下を未成年として、法律行為能力などを制限しておくことが果たして本当にいいことかということが問題になって、イギリス議会の議長の諮問委員会の長い検討がありまして、その結果、成人年齢を十八歳に引き下げるという結論が出た。そのときに、いわば一種連動いたしまして、選挙権年齢が十八歳に引き下げられたというように思っております。  たしか表向きは、成人年齢引き下げの報告選挙権年齢引き下げの報告とは、何の関係もないのであるという報告が出たわけですが、実際には、それに引き続いて選挙権年齢が引き下げられたと記憶しております。恐らく、何といいますか、未成年者の保護のための規定の運用の実態とか、そういったようなものが日本とは異なっておって、二十一歳まで未成年にしておくことに社会上の不都合、不便宜があったということが、一つのきっかけになったものというように思っております。  その他の国については、直接は存じません。ただ、現象的には、イギリスが十八歳に引き下げたのを一つの契機みたいにしまして、次々にいろいろな国が十八歳に引き下げる時期がございました。国内でも、ひとしきりそういう議論があったと記憶しております。
  24. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 若干、私も調べてみたのでありますけれども一つは学生運動等の動きで、大体日本で言えば高校を出るのが十八歳、その上大学へ行く。学生運動になって大変社会的な混乱が起こったところなどは、学生自体も政治に参加をさした方がいいのではないかという議論があったり、あるいは兵役年齢との関係で十八歳というのを取り入れているところもございますし、そういった意味で、日本でも少年法や民法が成人二十歳ということになっているものですから、いままで余りこの問題というのも大きく取り上げられなかったわけでございますけれども、実は私自身もいろいろ考えてみて、必ずしも一つの結論をまだ出し得ていないわけです。  片や高校を出てお勤めになられて、税金はそれなりに取られる。社会的なそういった責任も果たしている。いま、ある程度肉体的にもかなり成熟をしているわけでございますから、高校を出たくらいのときというのは、いわば社会的な成熟度といいますか判断力といいましょうか、こういったものも考慮に入れてみて、果たして二十を十八歳に引き下げていいのかなという気もするのですが、いま申しましたように、私も必ずしも一つの結論を持ってこうすべきだということにはなっていないので、質問そのものが必ずしも正鵠を得ない点もあろうかと思います。  大体、いま十八歳、十九歳の方が、これは五十五年の国勢調査でも三百十五万人いらっしゃるのですね。そうすると、果たしてこのまま放置しておいていいのか、この問題についても少し、いろいろな角度から研究をしてみる必要があるのではないかという気がするのですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  25. 山本幸雄

    山本国務大臣 いま、佐藤委員から十八歳説が出たわけでございますが、私も実は不勉強ながら十八歳の問題は余り勉強したことがないので、ここで十八歳でいいのか悪いのかということを申し上げるだけの知識を持たないということでございます。たしか大分前のことですけれども、世論調査したことがあるのだけれども、そのときはたしか尚早論ではなかったかと思うのです。しかし、それから見れば十分時代もたっておるわけでございます。  ただ、いまおっしゃるように、民法上の行為能力あるいは法律上の少年法との関係、そうしたいわゆる成人としての取り扱いをする、法律上行為能力を成人として認めるというものとの関連もやはりあるであろうと思うのでありまして、これは選挙法上の十八歳という問題と、そういう日本の法制全体の中で一体どう取り扱いをしていくのかという問題との関連も、やはり考えながら解決していかなければならぬ問題だ。確かに、おっしゃるように、一つ問題点ではあるという問題意識だけは私どもも持たしていただこう、こう思うのであります。
  26. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 ひとつこれは自治省の内部でも——これは自治省だけのことではないと思うのです。いま申しましたように、民法上の問題もございますし、また少年法というと法務省の問題にもなってきますので。ただ、国家がこれだけ高齢化社会に向かっているときに、従来のようなかっこうでいいのかなという疑問を私自身持つものですから、いろいろな角度からこれはやはり有識者の意見を少し聞く機会を何らかの形で持つ必要があるのではないだろうかという気がしますので、提起を申し上げたわけでございます。  次に、政治資金の問題についてお伺いしておきたいのでございますが、時間が中途半端なので一つだけお伺いしておきます。  このほど政治資金の報告が出て、いろいろな新聞報道があるわけでございます。それでついにというか、三年続いて政治資金が一千億円台になったというようなことで書かれておるわけでございますが、まず私は、政治資金の概念というのが、少し新聞の報道というのは必ずしも正確ではないのじゃないかという気がするのです。  これは某最有力新聞の解説の記事なんですが、「五十七年の政治資金は三たび一千億円台。自民党では、総理大臣のイスをかけて、この巨額な献金が舞ったわけだが、その透明度はいかにも低い。」という書き方がしてあるのですが、「この」というのは一千億円台というわけですね。ところが、これは自由民主党本部はもちろんのこと、わが党も共産党さんも公明党さんも民社党さんも、政党に入ったものやらあるいは政治資金団体に入ったものやら、全部含めて一千億円台なんですよ。ですから、この大新聞のあれすらこういう書き方をするというのは、私は、いま政治資金というものの概念をもう少しはっきりしていく必要があるのじゃないかという気がするのです。  これも一つの社説なんですが、「集めた金の量は、共産党が依然トップで、以下政党間の順位は変わらない。また資金の中身も、自民、民社、新自クは寄付に対する依存率が高く、共産、公明両党は機関紙などの事業収入が主体、社会党は事業収入と個人党費というパターンに変化はない。」ということで、何かこのままでは悪いような書き方になっているのです。そこで、この政治資金の中に事業収入、政党が新聞を売ったりあるいは政党の機関紙を売った金額が、五十七年度一千九十四億ですが、その中にそのまま全部入って政治資金という概念に法律上もなっている。  私は、何も政治資金をなるべく低く抑えようなんというつもりは一切ございません。その他の問題は後からお伺いしますけれども、新聞を発行する、それは確かに政党政党の政策や意見や何かを載せるわけでございますから、それは確かに一つの政治活動だと思うのです。しかし、それには物質的というのでしょうか、コストがかかるわけですね。紙代とか印刷代とか人件費がかかるわけで、それもひっくるめて全部政治資金という言葉でまとめてしまうのはどうも感覚的にそぐわないのではないか。  たとえば、いま読みましたので事業収入を引いてみますと、自民党が百十五億、共産党が六十五億、公明党が三十六億、社会党が三十一億、民社党が十三億。これは、自民党届け出の額が百二十七億に対して百十五億、共産党が二百十六億の届け出に対して事業収入を差し引いたものが六十五億、公明党の場合には届け出が八十八億ですが事業収入を引いた額は三十六億、社会党の場合にも五十億に対して事業収入を除いた分は三十一億ということで、社会党の場合にはパターンが変わってない、事業収入と個人党費というパターンになっているので、そういう意味では、パーティーの話は後でお伺いしますけれども、ただ百万円なり百五十万円なり寄附してもらってそれを政治活動ということで使う政治資金と、この事業収入のように、たとえば新聞を売る、それは必ず印刷代と人件費と紙代がかかるわけで、実際にそれ以上の政治活動に使うお金というのは、その差の粗利と申しますか利潤と申しましょうか、残りをいわばその他の政治活動に使うわけですね。  だから、新聞を発行すること自体が政治活動だという概念でとらえれば、それは確かにいまの法律体系になると思いますが、いま政治資金が問題になっているのは、やはり政治資金を出したことによってそれが何らかの形で政策的に曲げられて、そして政治がいびつなものになってくるということで、政治資金というのは問題だという認識に私は立っているわけですよ。  そういう面からいいますと、いまの法律体系は私も知っておりますが、事業収入の総額まで全部政治資金で一千億円だ、一千億円だというのは、どうも実態にそぐわないのじゃないか。だから、事業収入の純益の部分だけ政治資金というところに入れて、それを政治活動に使うわけでありますから、ここはやはり分けていく必要があるのじゃないか。どうもそうしませんと、たとえば他党のことを言って失礼でございますが、共産党さんのように赤旗をたくさん売られてそして活動なさっているというところも、共産党が政治資金は一番だという書き方というのは、政治資金というものの問題意識考える場合にどうも実態にそぐわないのじゃないかという気がするのでございますが、若干選挙部長から説明していただいて、大臣、御意見がございましたら聞かせていただきたいと思います。
  27. 岩田脩

    岩田政府委員 まさにおっしゃるとおりでございまして、現在の政治資金規正法は政治団体の全収支の公開という形をとっておりますので、いまおっしゃるような部分が全部入っております。私どもとしても、そういったような目からの分析が出てくるのは、それなりに大変結構なことだと思うのです。ただ、制度の上でそれを区分することができるかということになると、いまお話しのように、機関紙の発行はそれ自身政治活動性を帯びているという部分を除いても、そのほかにもいろいろな形の事業みたいなものがありましょうし、支出面でも、極端なことを言えば町内のお祭りの寄附みたいなおよそ政治と関係のない支出もあるわけでしょうし、それを区分するのは、かえって八幡のやぶ知らずみたいなところに入っていくような気がするのでございます。確かに、おっしゃるような側面を現在の収支報告書が持っているのは、御指摘のとおりでございます。
  28. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 大臣、御意見があったら。
  29. 山本幸雄

    山本国務大臣 確かに、おっしゃるような面はあると思います。思いますが、それではそれを分けた場合に一体どういうメリットといいますか、そういうものがあるだろうか。いずれにしろ、率直に言いましていま自治省がおあずかりしている面は、大体やや受け身で受け付けをしているということであって、内容の実質的な審査というのはやらない、こういうたてまえになっておりますだけに、それだけにそういうお話のような点をやってみてどれくらいの、どういうメリットが出てくるのであろうかという気が若干しないでもないわけでございまして、ただいまの選挙部長が答弁申し上げたことは私も同感であるわけでございます。
  30. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 時間ですから残余は後でいたしますけれども、私も、公開ということは非常に重要なことなものですから、このことは何にも言いません。ですから、事業収入も公開したらいいと思うのです。ただ、政治資金という概念で入ってきた新聞を売った額、コストは別として、全部政治資金です、一千億台ですというのは、どうも実態にそぐわないのじゃないか。公開は非常に重要だと私は思いますので、事業収入を公開することは結構でございます。それは結構でございますけれども、概念をもう少し精査してみる必要があるのじゃないか、その他の問題についてももう少し考えてみる必要があるのじゃないかということをつけ加えさせていただきまして、あとは後半に譲らせていただきたいと思います。
  31. 中野四郎

    中野委員長 午後零時より再開することとし、休憩をいたします。     午前十一時十八分休憩      ────◇─────     午後零時七分開議
  32. 中野四郎

    中野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。佐藤観樹君。
  33. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 午前に引き続き、政治資金規正法の問題についてお伺いしたいと思います。  先ほど触れました、事業収入は経費を引いた残りを政治資金として考えるべきではないかという問題につきましては、さらに詰めたいと思いますが、ちょっときょうは時間がありませんので、またの機会に譲りたいと思います。  その次に、いまの政治資金規正法届け出のあり方というのは、大臣自身も言っておられましたように、受け身的立場で必ずしも正確に出ていないのではないか。たとえば収入でも、まあちょっと都合が悪いなと思ったら収入のところも落として、そして支出の方も収支つじつまを合わせていけば、自治省の目というのでしょうか、通ってしまうということで、そういった意味でもこの政治資金規正法のこういったいわば抜け道というのでしょうか、これが何かできないようなことにしないと、公表公表と言っても、その中身自体がチェックできないようでは、これは政治をきれいなものにと言っても、中身がないのではないかという気がするわけでございますけれども、部長、これは何らかもう少し政治資金規正法の抜け道、いま一つだけ申し上げましたが、この点を改革するつもりはないのか。  それから、時間がありませんから、いまはやりのパーティーの収入の問題ですね。これも正確に申告していらっしゃる方と、どうも聞くところによると、やったけれども、いや、これは個人のパーティーだとか、あるいはたくさん発起人をつくって、いわば議員候補はやってもらう立場だから、その発起人が、つまり百万円以下ずつ寄附をしたというかっこうにすれば名前は出てこないというようなことで、パーティー収入についても政治資金規正法上、抜け穴になっているのではないんだろうかということであります。  もう一つ、この前改正をしました個人献金についてでありますけれども、これも自民党さんが出されたときに、私たちは、このやり方では抜け穴になるんじゃないでしょうか、たとえば個人でもらった金額を指定団体に一時入れて、そしてその後引き出せば、これは全く何に使ってもわからないということで、指定団体というものは事実上隠れみのになっているんじゃないだろうか、これはもう委員会審議の中でずいぶん言ってきたところでございますが、事実今度の報告を見ましても、個人献金を、あれは留保金ですかとして公表、届け出られたのが、自民党の楢橋進先生のみということがはっきりと出ているわけですね。こうなってきますと、いまの政治資金規正法というのも、政治倫理が非常にうるさく言われているときでございますし、また当然のことだと思います。私も政治というのは、先ほど事業収入の点でも申し上げましたけれども、法律がこうなっているという以前に、国民皆さん方に信頼を持っていただける制度というのを確立をしていかなければいかぬと思うのであります。  以上、私三点申し上げましたが、この点についてどういうふうにお考えになっているか、抜け穴をふさぐ道を何か自治省として考えられるかどうか、その点についてお伺いしたいと思います、
  34. 岩田脩

    岩田政府委員 お尋ねの第一点でございますけれども、現在の政治資金規正法の理想、立場といいますか、という側からすれば、やはりこれは政治団体の収支報告でございますから、それぞれの政治団体の良識ある態度を期待するという前提に立っておるわけでありまして、私ども、いわば役人側が政治団体の監査を行ったり、その金庫をあけたりというわけにもまいるまいというように思っております。  御承知のとおり、現在の公職選挙法は、そういう内容につきましては各団体の良識、常識にまってそれを公表し、国民の批判を期待するという立場に立っておるわけでありまして、大臣そこのところを先ほどある意味で受け身、こう申し上げたのだと思います。われわれとしても、そういったごまかしがあっていいとは毛頭思っておりませんけれども、われわれのところに提出される報告書というものは、それぞれの団体が法律の課する義務に従ってお書きになったものではありますので、真正な内容であろうというように存じております。  それから、パーティーのお話でございますが、これも確かに、お話のようにいろんな形で掲載されているものがございます。報告書の概要を見たのでは、必ずしも全部の伝えられるパーティーがわかるかというと、そうはなっていないという側面があるのでございます。それは、蛇足になりますが、ある政治団体が自分でパーティーを御開催になれば、収入も支出も、その団体の収支でございますから、団体からの報告書に載ってまいります。しかし、何人かの有志がといいますか、そういう政治団体でない開催主体が開催された場合には、経費も収入も全然報告には上がってきませんで、ただ、そのことによって得られた収益が処理されたとき、たとえばそれが政治家個人なり政治団体に対して寄附がなされた場合に、それを受け取った政治団体なり政治家からの報告になるというスタイルになっております。  したがって、あの報告書をごらんいただくと、皆様方の、この人にこういうパーティーがあったではないかという常識からすると、あれがないではないかというようなものが出てくる面があろうかと思いますが、そこはそういう仕組みになっております。われわれとしては、なるべく政治団体主催でおやりになったらどうですかという指導はしておりますけれども、さりとてそれを強制するわけにもいきませんので、そういう事情にあるということを御了解いただきたいと思います。  第三に、いわゆる個人還流金の問題でありますが、これは五十五年ですか、前回改正のときも国会で大変問題になった点でございましたけれども、政治家の個人収支、少なくともその収入の面は全部これで明らかになるではないかということと、それから個人に還流してそこから支出する金額といってもそんな大きなものではあるまいというお話で、あのとき、あのような御決裁をいただいたというように考えております。  まだ、施行後間もないことでもありますので、もう少し様子を見た上で、また皆様方の御意見を伺いたいというように思っております。
  35. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 まさに、部長とこうやりとりしていますと、こちら側はいわば性悪説なんだな。質問している議員側の方は、大体正確にやってない。部長の御答弁は、いや正確にやっていただいているものと思うという前提に立って、何かこちらはもう、私個人は別といたしましても、全体的にはこそばゆいような感じがする質疑になるわけであります。  私は、そういった意味で、いま収入を最初から落とすという問題についても、確かに、ではどこかがこれを全部厳しく、会計検査院のところでチェックをするということが具体的にできるかどうかということを考えますと、これもなかなかむずかしいのじゃないかな。ただ、パーティー収入は、これだけパーティー、パーティーと言って、いわばこれは政治資金規正法の抜け穴が、だんだん穴が大きくなってきて、これが一番いいものだから、いま部長から御説明がございましたように、恐らく——私は一回もやったことないのですが、あれは、政治団体が主催をしているのじゃなくて、その人を支えるというかっこうで、任意につくったものがやるというかっこうでやっている場合が恐らく多いのでしょうから、したがって寄附自体はその発起人か何かが百万円以下ずつやってやるというやり方なので、必ずしも政治資金規正法のいまの法律の体系の中には乗ってきてないと思うのであります。  しかし、ではいつまでもいまの体系に乗ってないからいいのかねということになりますと、これも何か考えていかなきゃならぬのじゃないだろうか。そうしないと、なかなか、抜け穴からふくれたものがどんどんケースとして多くなってくるということになってしまうと思いますし、それから、個人献金の還流分でございますが、これはひとつ、委員会の審議のときにもあったように、十二分に今後も検討して、いま部長言われますように、何らかの検討を加えていく必要があると思うのです。  最後になりますけれども大臣政治資金規正法には、御存じのように五十年のときにできた政治資金規正法で五年後の見直し規定があるわけですね。これは三木内閣という時代でございましたから、その趣旨に沿って入れられたと私は思うわけでございますが、五十五年からもさらに三年たっている。一応これに関する主務大臣山本自治大臣でございますので……。なかなか企業献金から個人献金へという移行も、必ずしもはかばかしくいってない。  ただ、私は、ここであれしなきゃいかぬのは、企業献金といっても、少なくも私の例にとった場合に、いま八百屋さんでも魚屋さんでもみんな株式会社、有限会社なんですね。形式は一緒なんです。新日鉄でも株式会社なら、本当にわれわれの周りにある中小零細企業でも、何らかの関係で法人関係になっているわけですね。それを全部ひっくるめて企業献金という概念は、私はいただけない。  ただし、法律のたてまえとしては確かにそういうふうになっていますから、だから私は個人献金が五%しかない、四%しかないと言うけれども、いまの税法のやり方やまた日本人の感覚からいいますと、やはり企業から出した方がめんどうくさくないものだから、したがって八百屋さんや魚屋さんの有限会社、株式会社でも、いわば企業の交際費のようなかっこうで、あるいは寄附金というかっこうで出ているというので、それは言えば個人じゃない、個人の献金ではないというかっこうの統計に上がってくる問題もあろうかと私は思うのであります。  いずれにいたしましても、これは非常に今国会、本来なら政治倫理に関係して、政治倫理というのは挙げて金の問題というのが非常にウエートが大きいわけでございまして、その意味では、とにかく法律に五年後見直しということが書いてあるわけでございますから、今日までどんなふうに皆さん方はこれを受けとめられ、今後この見直し規定についてはどういうふうになさろうとしているのかを大臣にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
  36. 山本幸雄

    山本国務大臣 確かにいまお話しのように、五年たったら見直すということになっております。やはり個人献金をふやしていこうという一つの目標があるわけなんです。個人献金をふやすという観点に立ってひとつ見直しをせい、こういう意味に書いてあるように思うのです。ただ、いまお話しのように、個人献金はその後の経過を見れば余り——余りと言っていいか、ほとんどと言っていいか、進展をしていない。しかし、一方政治はやはり何がしか金はかかるわけでございますから、何らかの方法でこれを調達するということになるわけでございます。  お話しのように、これを見直さなければならないということは、私どもも十二分に承知をしておるわけでございますが、何せ政治資金の問題は、それぞれ各政党によってそのよりどころが違っているということがあります。また同時に、政治資金というのは政治活動の上において最も重要な問題であるだけに、各党各派の御関心も非常に高い、こういうことに考えておりまして、もとよりこれは私ども事務的に考えることではありません。自治省の立場からすれば、政府側でも何か考えなさいということは私どもよくわかります。わかりますが、事が事だけに、これは国会の審議あるいは政党各派でひとつよく御審議をいただきたい、いまのところこう思っておるのであります。  率直に言いまして、その後それじゃ何らか申し上げるほどの進展を見たかとおっしゃれば、残念ながら今日のところ、さようなことは申し上げる段階にはまだない、こう思っております。
  37. 佐藤観樹

    佐藤(観)委員 大変不満な答弁でございますが、時間が来ましたので、私の質問を終わらせていただきます。
  38. 中野四郎

    中野委員長 伏木和雄君。
  39. 伏木和雄

    ○伏木委員 先ほど参議院執行の御報告をいただいたわけでございますが、特に参議院比例代表制につきましては、本委員会においても徹底した議論がございました。私どもは、憲法に違反するおそれありということで大きく批判をいたしまして、反対をいたしました。その後成立いたしまして、とにかく一遍やってみようということで実施を見たわけでございますが、端的に申しまして、大臣どうでしょうか。当初ねらっておった目的が達成できたのか。できたかと言うとちょっと言葉が足りないと思いますが、むしろ私は新たな弊害も出てきたのじゃないか、こう考えるわけでございます。プラス面、マイナス面、両方あったと思いますが、いまどのようにお感じになっておられるでしょうか、最初にお伺いいたします。
  40. 山本幸雄

    山本国務大臣 この制度は、わが国で初めての制度でありますだけに、これをおやりになるということが最終的に決まるまでには、いろいろな御議論があったと思います。しかし、先ほども申し上げましたように、全国制度のいわば弊害をどうしたら除くことができるかという観点に立って、新しい比例代表という構想が取り入れられた。比例代表というものが非常にいい制度だからこれをやろうということよりも、むしろ全国制度の弊害をどうしたらやめられるかということから始まった、私はこう思うのでございます。  そこで、今度の比例代表制度につきまして、全国制度に比べて弊害は除かれた、こういう点も私はもちろんあると思います。  そこで、今度の制度につきましても、いろいろ心配された点など幾多あったと思いますが、私ども事務的な管理の面から申しますれば、一つは、やはり人物から政党へという選択を求めるということでございますが、この場合に、いままでとやり方が違いますから無効投票が相当出るのじゃないか、こう思ったのですけれども無効投票は全く予想を裏切って二%程度でありました。私は、あの選挙が済んでから、マスコミを初め世論の様子をいろいろ見たわけでございますけれども、それらを聞いておりましても、まあまあということではなかったか、こう思っておるのであります。  そこで、先ほど来お話しのように、この制度の基幹は維持しながら、実際のこれの実施面において改善すべき点については、今後改善方向でひとつ検討をしよう、今日こういう立場でおるわけであります。
  41. 伏木和雄

    ○伏木委員 先ほど佐藤さんの質問にもお答えになっておりまして、無効投票が減った、減ったということで、何かえらい大きな成果を上げたようにおっしゃっておりますが、投票率がこれでは無効投票が減るのはあたりまえのことです。国民皆さんが幅広くたくさん行った場合には無効投票も多くなるのは当然で、こんな五〇%台であれば無効投票が減ってくるというのはあたりまえのことなんです。  なぜ、こんなに投票率を低下させてしまったか。本来、新しい制度で、政府の方も相当PRをしたわけでございます。各県の選管も、一生懸命力を入れておりました。もちろんマスコミも、新しい制度の解説、新しい制度についての国民動向というものをどんどん報道をされたわけでございます。あれほどPRしながら、なぜこんなに投票率が下がってしまったのか、この点どのようにお受け取りになっていらっしゃるか、お伺いいたします。
  42. 山本幸雄

    山本国務大臣 私は、今度の参議院選挙について二つ心配したことがあった。一つは、いまお話しのように投票率がどうなるか。それからもう一つは、無効投票はどれくらいになるかという二点であったわけです。  その第一点の投票率の問題は、過去の参議院選挙の事例を調べてみますと、地方統一選挙参議院普通選挙が同時に行われる年、これは任期の関係上十二年目ごとに一回回ってくるわけでございますが、ちょうどそれに当たった。十二年前、二十四年前の投票率を見てみますと、やはりいずれも五〇%台。その前後の通常選挙と比べますと、著しく落ちておるという現象が見られまして、今回も地方統一選挙期間的に重複するために、投票率は低いであろうという予想は立ったわけだと思います。さらに、そういう問題のほかに、いまお話しのように新しい制度だということもあったかと思いますが、地方統一選挙とダブっておったということが相当大きな原因ではなかったか、私はいまでもこう思っております。  それから、無効投票率の問題は、各方面から私どもが言われたことは、これは一割ぐらいはなるであろう。確かに、全国制度が初めて行われた最初の選挙のときの無効投票率は、たしか一四、五%だったと思いますね。だから、今回も全く初体験だから、これが一〇%超すぞという話でございました。それは全体として、各方面の非常な御協力をいただいたおかげで二%台になって、この比例代表の考え方というものはやはりある程度浸透をさせた、こう思っておるのでありまして、そういう意味で私は全体としてまあまあであった、こう申し上げたわけです。  さらにつけ加えますれば、選挙違反が比例代表の場合は格段に少ないという点も、一つつけ加えさせていただきたいと思っております。
  43. 伏木和雄

    ○伏木委員 投票率の低下は、あらかじめ、十二年に一回の統一選挙と重なるということでは、もう三月も前からいろいろ言われて啓蒙に力が入っているのです。各県の選管も、そういう見通しのもとにかつてないほどPRをやっておりながら、過去の最低に終わった。  たとえば、これはある労働組合の、産別の組合で、過去選挙のたびに候補者を立て、そして当選をさせておった。ところが、この比例代表制によって、いままで落選させたことのない自前の候補を落選させてしまった。私はこれを見ますと、明らかに政党選挙の名のもとに選挙民の意思が反映できなかったのではないか。これは一つの例であろうかと考えているわけであります。  言うまでもなく、国会国民が選んだ議員をもって構成する。選んだ政党をもってとはございません。選んだ議員をもって構成する、こうあるのですが、選挙をやるたびに全国区で当選させておりましたその一産別の組合が、とうとう今回の制度のもとにその候補を当選させられなかったということは、明らかに国民の意思を反映することができなかったのではないか。こういうところに、比例代表制に対する国民の批判というものが今後はますます出てくるのではないか、こう懸念をいたしております。  また、選挙違反がないというのは当然のことでして、運動をほとんど禁止してしまっているわけですからあろうはずがございません。これはあたりまえのことだと思うのです。  そういう意味から、私はこの選挙制度、再考を要するのではないか。特に、できた法律でございます。この次もこの制度によって行われてまいると思いますが、少し運動面について真剣な検討をしなければならない、こう考えているわけでございます。  法律上も非常にあいまいな点もございました。たとえば、比例区の選挙で不特定多数の人が政党の名前を書いたたすきを肩からかけて、そして法定ビラをまく。この件について選管に問い合わせましたところ、選管もよくわからない。自治省に問い合わせましても、自治省もはっきりした見解が出てない。言ってみれば、盲点になっているのではないか。  これは一つの例でございますけれども、こんなような問題もございました。こういったたぐい、自治省に問い合わせがあって、県選管が結論を出せなかったのか。いま申し上げたような運動面でございますが、あいまいであったために違反が出なかったというのもあるのかもしれませんが、いま申し上げたような例、これは違反になるのか、合法的運動になるのか、この点お答えをいただきたいと思います。
  44. 岩田脩

    岩田政府委員 後半お挙げになりました具体的なたすきの件でございますが、これはいろいろ態様にもよろうかとは思います。ただ、一般的に申し上げますと、それが政治活動として行われております限りでは、立て札、看板の類というわけにもちょっとまいりませんし、まず普通のたすきならば問題がないということになるのではないかと思います。  ただ、その配っておられるのが法定ビラというのがどちらの法定——恐らく、それは政党の政治活動用のビラだろうと思うので、そうするといままででもむしろ政治活動用のビラをお配りになるときには、選挙運動ではなくて政治活動であるということをはっきりさせる意味で、それぞれの政党がその党名を書いた腕章をおつけになるというふうなことが普通にあったわけでして、そういった範囲を出ない程度のたすきであれば、直ちに違反とは申し上げかねる。ただ、それが常識を超えたたすきになりましたり、およそたすきをかける特に必要がない場所でかけておるということになると、これは脱法行為かなということになっていくんだと思いますけれども、すぐにはちょっと断定できないというように御理解をいただきとうございます。
  45. 伏木和雄

    ○伏木委員 大臣お出かけになるそうですから、ちょっと問題を変えまして、政治資金の問題について端的にお伺いいたします。  附則の第八条、見直しの要件がございます。私、前回の五十五年の政規法改正の際に、見直し事項がある、来年見直さなければならない、これはどうなっているか、新しい改正案にはなぜ入れないのか、こう申し上げた際、いま鋭意検討をして着々進めております、五十五年の改正に当たっては、今回は間に合いませんでしたが、検討を進めております、こういうお答えをいただいたのでございます。この件につきまして、あれからもう約三年たったわけでございますが、その後どうなって、自治省として、政府として見直す意思があるのかないのか、お答えをいただきたいと思います。
  46. 山本幸雄

    山本国務大臣 先ほども申し上げたように、確かにこれは政治資金規正法上の最大の課題だと思うのです。方向一つ個人献金ということに重点を置くということでございますが、それを一つの目標にして政治資金規正法改正をするということになってまいりますれば、やはり政治活動上どうしても要るという資金の調達上、これは各政党によって皆それぞれの立場がお違いになるということも考えられるわけでございまして、そういう一つの目標を置きながらやはり皆さんの、各政党のお考えも何がしかずつ違うという、私は非常にむずかしい事情があると思うのです。  したがいまして、自治省事務的にこれをどういうふうにするかということの考え方を出すのも、これは一つの方法でございますが、私は政治活動上の最大の問題点である政治資金につきましては、やはり政党政派で、国会の場で一つの合意点を見出していただきたいものだ、こう考えているわけでして、いろいろな準備資料とかあるいはこういう点はどう考えるかという具体的なお話になってまいりますれば、私どもそれなりの対応をしたいと思いますけれども、この問題についての具体的な一つの案というものをこしらえて御相談をするということは、これは私どもの仕事の上から見て大変むずかしい課題である、こういうことに考えておるわけでございます。
  47. 伏木和雄

    ○伏木委員 ちょっと大臣のお答えはおかしいのではないかと思うのです。この政規法の附則の八条でございますが、検討するものとする、この条文をどのようにお考えになっているんでしょうか。どっちでもいいよで、あとは政党任せというようにおとりになっていらっしゃるのでしょうか。附則とはいえこの法律にこう書かれてあること自体、政府はどういうふうにおとりになっていますか。
  48. 山本幸雄

    山本国務大臣 法律に書いてあることが全部政府の責任でやるという場合もありますし、もちろん国会の御意見をこういう審議の場を通じまた各政党間のお話し合いによって、その結果を待って政府がやる、こういう場合も、いろいろのケースがある。私は、事はやはり立法府でございますから立法府の方でお考えいただく場合もある、これは当然あってしかるべきことだ、こう思っておるわけでして、この場合はひとつ各党各派お話し合いをいただくのがまず適当であろう、こう考えておるわけであります。
  49. 伏木和雄

    ○伏木委員 そのお答えはちょっとおかしいと思うのです。私は、政府に責任がある、法律にこのように書かれている以上は。ということは、法制局長官をやられた林さんの御意見ですが、これは「検討を加えるものとする。」こうあることは、検討を加えねばならないと読むべきである、これが法律解釈である、こういう意見すら出ておりまして、法律にこのように規定されたことは当然見直しをしなければならないという規定にとらなければならない。政府はそこまで厳粛にこれをとっていくべきではないか、私はこう考えますが、いかがでしょうか。
  50. 岩田脩

    岩田政府委員 ただいまお挙げになりました林さんの御意見でございますけれども、われわれとしては、検討を加えなければならぬというのと同意義ではなくて、附則八条の「検討を加えるものとする。」という表現は、立法技術の上からは、しなければならないというよりはやや緩和したニュアンスを持ったもので、することをたてまえとする、することを原則とするんだよというニュアンスのものだというように承知しております。そのことに基づきましての政府側の考え方につきましては、先ほど来大臣からお答えをした次第でございます。
  51. 伏木和雄

    ○伏木委員 いや、いま十歩も百歩も譲って、それを原則とするあるいはそれをたてまえとする、こう政府自身が読む以上は、政党任せというのではなくて、みずからがこの法律で定めた方向に進むべきではないか、こう思うのですが、これはどうですか。
  52. 岩田脩

    岩田政府委員 私どもの知ったことではないと申し上げているつもりはさらさらないのでございますが、これはそういった立場から現行の法律を改めるべくいろいろその努力もし、かつて申し上げたあれから言えばいろいろ苦悶をしたわけでありますが、御承知のとおり個人からの寄附も、各党の御努力にもかかわらずなかなか目立ったような伸び方をしておりません。かつ、御承知のように、現在この個人献金につきましては税法上の優遇措置があるのですが、それではあれ以上優遇措置を考えることができるかというと、なかなかそれもすぐに思いつきません。そういったことでいわば苦慮しながら、各政党が成り立つ基盤の問題もあるし、各党の間での合意がなければこれはとてもやれないことであるし、まずはお話し合いを願えないものかという立場にあるというお答えを申し上げた次第でございます。
  53. 伏木和雄

    ○伏木委員 いろいろ質問したい点もございましたが、大臣、時間がないということで退席をされましたのでこの程度にいたしますが、とにかく政治倫理がこれほどやかましく言われている、今国会口を開けば一〇・一二と、すべての国会運営の中核になるほどこの問題が大きく取り上げられているわけでございます。私は、ただ単に今回この一〇・一二の判決に基づいて本会議における決議案がどうのこうのという、それも非常に大事でありますけれども、同時に、再発防止ということで、この種の問題が再び起きないというためにも、せっかく政治資金規正法に規定がされている以上、これはもう真剣に努力しなければならない、その方向に向かって、もちろん各政党も政府も一体になって、政治の信頼回復のためにこれを最優先しなければならない、こう考える次第でございます。  質問を終わります。
  54. 中野四郎

    中野委員長 中井洽君。
  55. 中井洽

    ○中井委員 大臣が来られてからまた選挙戦のことについてお聞きをしたいと思いますが、先ほどからのいろいろな御議論の中で、参議院の新しい制度での選挙を一度やってみて、そしていろいろ実施面での事務的な手直しを考えてみたい、こういうお話があったわけでありますが、具体的にどんな点なのか、幾つかお挙げいただけますか。
  56. 岩田脩

    岩田政府委員 実施面問題点につきましては、私どもは、まずこれを実際に管理執行に当たりました選挙管理委員会側からの反応をいま待っているところでございます。  正直に申し上げますと、今回の管理執行の面では、今度の選挙は特に問題を持ちませんでしたものですから、余りたくさん数は来ておりません。  ごくごく事務的な面としては、先ほどもちょっと申し上げたのでございますけれども、たとえば九十日前の名称保護のための届け出期間が一週間もあるのはよけいなことではないか、二、三日で足りるのではないかという話とか、それからたとえば非常に長い名称の政治団体がございましたが、ああいったものは名前を印刷するのも大変、かえって活字が小さくなって、実は私ども投票所内氏名掲示考えます際に、ああいう長い団体は活字を小さくして掲示の幅を同じくすべきや、それとも活字の大きさを同じにして幅を広げるべきかというようなつまらない問題にもぶつかりましたし、そもそも一定の略称を初めから使えるようにした方がいいのではないかといったような話、そういうきわめて事務的な話が出ております。  ただ、もう一つの側面としてやはり問題になりましたのは、特定の選挙区ではありますが、幾つかの選挙区で、初め予想しておりました候補者よりも著しく多い候補者が、しかもぎりぎりになって飛び込んできたというケースがございまして、選挙管理の上でいろいろ問題がある。ただ、このことは、取り上げようによりましては政党要件とも絡んでくることでありますので、選管サイドとしてはむしろ、いきなり政党要件の問題として受けとめるのではなくて、一体こういうような立候補を事前に把握できるような制度はないものかというような側面で物を考えているのですけれども、(笑声)いまお笑いがありましたように、なかなかそっちの方からの名案がございません。で、ちょっと困っておるという状態でございます。
  57. 中井洽

    ○中井委員 あの選挙をやっていまして一、二感じた実施面での要望がありますので、一遍お考えをいただきたいと思うのです。  一つは、開票速報が途中経過だとかそういうのを一切出してくれないのですね。選管で全部とめられている。中央で一本だとか、私の県なら、三重県なら三重県で一本で発表するまでだめだ。あれが全然どういう意味かわからないのですね。ひとつそういうのを具体的に、衆議院であれ参議院であれあるいは市会であれ県会であれ、みんな途中経過をいままで発表しているわけですから、ちゃんと各地区選管で発表していただくように、発表できないのはよっぽど何か理由がおありなのか、お聞かせをいただきたい。  それからもう一つは、私どもはあの法案に反対をいたしまして、また、法案審議の中でも、通るならという形の中でこれだけは手直ししてくれぬか、いろいろなことで要望申し上げ、その後法案修正まで実は提案したのは御承知のとおりでございます。で、今回その選挙実施してみて、先ほどから大臣お話がありましたように、日本人というのは大したもので、一割ぐらい無効票があるというのを、まあまあ消化していただいて、ほとんど無効票がなかった。それはそれで結構であります。  しかし、現実に私ども自身も投票所へ行って投票してみようと思いますと、皆さん方は、印刷しなくても投票所にだっと政党の一覧表が書いてあるからすぐわかりますよ、こう言うけれども、とうてい見えるものじゃありませんし、わかるものじゃありません。部長さん、あなたはどこで投票なすったかわからないですけれども、本当にこれじゃひどいなというふうに感じました。投票用紙印刷をする云々ということは別にしても、いまのお話にもありましたけれども、もっと政党名がわかるような形での何らかの方法をお考えいただきたい。  この二点要望いたしますが、何か考えありますか。
  58. 岩田脩

    岩田政府委員 最初の点についてお答えを申し上げます。  御指摘は、恐らく即日開票が行われた都道府県で、その都道府県集計が比例代表区に関しましては翌朝まで公表されなかったという点にあると思います。翌日開票の分につきましては、それぞれある段階段階で発表していきましたから、これは問題なかったと思います。これは実は、開票速報を組み立てます上でちょっと思いがけないことが起こったためでございまして、事前に選挙管理委員会から情報をとりましたときは、即日開票をやる各都道府県とも、開票が終わるのがまず午前二時、それからその都道府県に報告が入ってくれば、都道府県からわれわれのところへ入ってくるのはまず四時という目算があったのでございます。したがって、四時ごろに私のところへ幾つかの県から次々に連絡がございましても、これを順次公表しても仕方があるまい、それくらいならばいっそのこと、翌日の第一回の公表、午前七時でございましたかにまとめて公表するのがよかろうという形で、実は各報道関係機関とも御相談を申し上げてそういうかっこうで組み立てました。  ところが、実際にやってみましたところが、大変な見当違いでございまして、十二時過ぎから開票結果がわかってくる都道府県が出てまいりました。これはもう、いまさら方向変換ができませんでしたので、今回はやむを得ず既定方針どおり、その公表は明朝というかっこうでやってしまいましたが、これは御指摘のとおり、今回の公表手続の非常に大きな問題点でございます。この次の回のときには、そういう開票の終了時間についてももっと確かな目標が立ちましょうし、われわれとしてもその結果を抑えるのが目標ではございませんので、次回は実際に合うような相談を各報道機関ともしたいというふうに思っております。これが第一点でございます。  第二点につきましては、これは確かに御指摘のような側面もあると思います。ただ、余り大きな掲示物をつくりますと、かえって投票所によっては張るスペースがなくなる、場所が確保できないということで、各選管とも、それぞれ実情に応じて一番大きな形の掲示物をつくったわけでございますけれども、何しろ候補者の名前が下に書いてあるというような制約もありまして、おっしゃるような余り大きなものにならなかったことは事実でございます。ただ、候補者の名前を抜かすということは、これはまたちょっと制度上できませんので、今後とも各投票者にはなるべく政党の名前が周知できるような工夫はしたいと思いますが、一定の制約はあるというふうに御理解をいただきたいのでございます。
  59. 中井洽

    ○中井委員 それじゃ、あとの問題は大臣が見えられてからにしまして、選挙一般のことで幾つか、今回の地方統一選挙を含めてお尋ねをいたします。  過日、一月でしたか熊本県で知事選挙が行われまして、その前後テレビあるいは新聞等で、ある候補者の立候補の届け出が妨害をされている生々しい現場が映し出されました。その後、妨害した人たちは取り調べられ、それぞれ裁判も終わったようでございます。私あれを、事件を見ておって、大変なショックを実は受けたわけでございます。議会制民主主義を守り抜いておる国において、真っ昼間ああいうことが公然と行われる、しかもやられた人たちは農協という、地方へ行けば半分公以上の一つの機関へお勤めになっておる、それぞれ役職についておられる方々が、まあやくざまがいと言えばやくざが怒ってくるかもしれませんが、大変な恥ずかしい行動をおとりになった。  私ども地方におりますと、たとえばある地域で、村会議員選挙は今回は無競争でいくという話し合いが行われたんだ、ある若い衆が無競争を何とかぶち破ろうというので締め切りの三十分前に届け出に行ったんだ、そうしたらたちまち役場のえらいさんが出てきてちょっと別室へ、こう言うて、三十分やめろ、やめろと言われている間に届け出の時間は過ぎてもうだめだと言われたとか、いろいろな形のこういう妨害事件があるやに私どもは聞いております。そういう事例が一体どのぐらいあるのか、あるいは調べられたものがどのぐらいあるのか、おわかりだったらひとつお知らせをいただきたい。
  60. 金澤昭雄

    金澤政府委員 御指摘の立候補妨害事件でございますが、最近、過去一年間のこの事案の状況調査いたしました結果、いまお話のございました熊本県知事選挙におきます妨害事案のほかに、福井県内の町議会議員選挙におきます事件、それと、岐阜県内の村議会議員選挙におきます事案、この三件がこの一年間にございました。
  61. 中井洽

    ○中井委員 当局の皆さん方選挙のたびに大変御苦労でありますが、選挙をやっております私どもから見ますと、これが選挙違反かという形で御警告なり取り調べをときどき受ける。それはそれで法に照らしてのことであろうかと思います。しかし私は、この世界一自由であると信じておる日本で、選挙に立候補をする、それが物理的にあるいはいろいろな意味で徹底的に妨害をされる、これほどひどいことはない、またひどい選挙違反はない、このように思うわけであります。したがって、そういう意味で徹底した取り締まり、そういったものを強く望むものであります。  それから、もう一つお尋ねをいたします。  これは自治省にお答えをいただけたらいいと思うのですが、先ほど伏木先生のお話にもございました、選挙のたびに各選管あるいは各役場が猛烈に投票に行きましょうという運動をなさいます。私は、民主主義というものは、投票に行くも行かないもやはり自分の勝手だと思うのですね。余りお上があるいはお役所が投票に行きなさい、行ってくださいという運動をするのがいいことかどうか、こういうことについて疑問を抱いております。その点についてお考えをいただきたいと思います。
  62. 岩田脩

    岩田政府委員 投票基本的に当人の意思によるべきであるというのは、もうおっしゃるとおりだろうと思います。かつて、世界的にも投票強制主義とやらいうものがあって、投票に行かないと罰金を科するとかいう国が幾つかあった、そういうものもだんだんなくなっておりますし、それはおっしゃるとおりだと思います。     〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕  ただ、われわれとしては、やはり選挙権というものが参政権の中核をなすものであるということ、民主主義基本をなし云々ということからしても、有権者が第一義的にはその選挙に参加する義務がある。それは、法律的な義務ではないかもしれませんけれども国民一つのなすべき仕事であるということは、認識していただきたいという気がするのでございます。その上で、御本人が自分の選択としておれは投票に行かないというのは結構、それはまた一つの御判断であろう。  ただ、われわれとしては、うっかりきょうが投票日であることを忘れたり、ないしはそういう気持ちもなく、ただムード的にきょうはやめておくかというようなことではないように、その呼びかけはやらせていただきたいと思っております。
  63. 中井洽

    ○中井委員 お話のとおりであればそれは結構だし、大いにそういう啓蒙運動をおやりいただけたらいいわけであります。また事実、世界の中には選挙というものがやられておって、平等にやっておるのだ、こうたてまえはなっておるけれども立候補者当選者の数だけである、投票に行かなければ大変だということで、九九・数%の投票率などという国もあるわけであります。そういう強制がなされておるということは、これは全然自由でもなければ議会制民主主義でもないわけであります。     〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕  私が申し上げますのは、皆さん方は中央でそういう形で選挙制度を、きょうは投票日ですよという啓蒙活動をやっているんです、こうおっしゃるけれども、行政の末端機構へ行けば全然違う形で、この投票運動あるいは投票率を上げる運動が行われておるというのを御認識をいただきたい。たとえば町村なんかでも、九〇%を超える投票なんというのは、はっきり申し上げて半分強制だと思うのですね。大変高い投票率だからこれはいいんだ、いいんだと言われますが、私は強制だと思います。  たとえば、有線放送で朝から晩まで役場の職員が——これは町の人、村の人は、その役場の職員の声をみんな知っている、しかも役場の町長、村長がだれを応援しているか、知っているんですね。一時間置きに、投票に行きましたか、投票に行きましたかと有線電話で言う、まだの人は行ってくださいと言う。ここまでいくのは、本当に投票率を上げよう、あるいは投票日というのを知らせようという運動でしょうか。特定政党の有利な者にこういうことが逆に使われておる。やっておられる人たちは、善意に解釈をされてやっておられるかもしれませんが、そういう踏み出しになっておる、私はこのように思います。  したがって、民主主義でありますから、五、六〇%から七〇%の投票率があればいいんだ、八〇、九〇に無理やりしなくたっていいんだ、そこまでいけば逆に強制じゃないか、こういったこともお考えをいただきながら、こういう選挙投票日に向かってのPR活動をしていただきますように御要望いたしますが、どうですか。
  64. 岩田脩

    岩田政府委員 われわれとしても、お話しのようなこともありますので、たとえば政治的な活動をしていらっしゃる方、選挙の中で大きな役割りを担っていらっしゃる方たちを、投票参加の呼びかけに使うというようなことはやらないように努めておるつもりでございますが、先ほどのように、小さな団体で役場の職員の顔もわかる、ああ、あれが言っておるんなら行ってやろうという程度は、ひとつお許しをいただきたいと思っております。
  65. 中井洽

    ○中井委員 別にそう目くじら立てて言うつもりはありませんが、ああ、あれが言う、強制になっておる、田舎においてはそれは強制なんだ。田舎に住んでみなければわからないかもしれません、御出身がどこかわからないのですけれども。このことは、僕らが不利だから言っているわけじゃありません。日本人の少し癖としてのやり過ぎになっておる。選挙というのは自由で御当人の意思に任せる、このことが基本にあってのPR活動だ。そういったことをわきまえて、善意でやっていただいておる、大変御苦労をいただいておるわけでありますから、それが曲解をされないような形で運動として行われるように、ひとつ御努力をいただきたい、重ねて要望をいたします。  大臣が見えましたので、時間までに幾つかお尋ねをいたします。  先ほどから大臣、初めての選挙の感想がるる述べられたわけであります。私ども大反対をいたしましたし、実際やってみてこんなひどい選挙はないといまだに考えておりますが、しかし初めての割りには混乱もなしにやれたんじゃないか、こんなふうに考えます。その中で、選挙のいろいろな問題の中で、今後問題点としてやはり考えていかなければならない問題の一つは、各党がおっしゃっておる衆参の定数是正の問題だ、このように思うのです。  今回でも自民党さんは、選挙選挙の議席数で六四・五%を獲得された。しかし、得票としては四三・二%ぐらいだ。社会党さんは、一七・一%議席数を取られたけれども、得票は二四・三%だ、こういうことでございます。各党それぞれあるわけでありますし、参議院の地方区の議席でありますから、必ずしも得票率どおりに比例をしない、こういうことはわかりますが、衆議院においても参議院においても、いつも一つ選挙区での一人の有権者の比重の重さ、それと同時に、過半数を割っておる政党がいつまでたっても議席数では圧倒的に多数を取っていく、こういう制度、これに対する不満というものは非常に強いものがあるわけでございます。  選挙に対するいろいろな制限はございます。しかし、これは法として、きちっと平等の中での制限、理屈のある制限という形で法律として施行しているわけでありますが、この定数の問題だけは大変な不公平を生み出していると私は思います。各政党が、いろいろな選挙改正あるいは法律の改正に先立って、真っ先に取り上げなければならない問題だと強く思うわけであります。この点につきまして、大臣の率直なお考えを承ります。
  66. 山本幸雄

    山本国務大臣 定数問題というのは、今後の選挙法の上で最大の課題であろうと思うのです。裁判の結果もいろいろ出ておりますし、その格差がだんだんと拡大をしていくという傾向にもございます。  そこで、これをどう是正すべきかということになりまして、まず第一に、どうしても問題は、定数を一体どう観念するか。これは衆議院の場合、前二回定数是正が行われておりますが、それは二回ともいずれも定数をふやすという方向で是正をされました。今後やる場合に、定数は一体どう考えるのかということがまず前提でなければならないだろうと思います。  そこで、一つは、時代の流れ、世論の動向というものも考えていかなければならない点であろうと思うのです。そうなってまいりますと、全体の定数、さらに選挙区割りをどうするかという問題等、これは選挙の全く根幹中の根幹に触れてくる問題でありまして、各党もその必要性は全くお認めになっておると私は思いますけれども、また考え方もいろいろおありだろうと思うのです。方法論になれば、これまたそれぞれお考えがおありだろうと私は思いますので、問題の重要性については十二分に私ども考えます。考えますが、同時に、これは各政党におかれまして、選挙制度根幹に触れる問題だけに、過去の例から見ましても、やはり各党国会の審議を十分に尽くしていただいた上で解決への道をたどっていただきたい、こう思っているわけでございます。
  67. 中井洽

    ○中井委員 私も、この委員会に所属をさせていただいて二年になるわけであります。そういう各党間の主張はありますが、一向、どこかであるいはどこかの政党内で具体的に検討が始まったという話も聞かず、たびたび世論からあるいは特に有権者の多い地域の皆さん方からおしかりをいただいているのが現状であります。私どもは私どもで、委員会の場でいろいろな形で定数是正をやろうと呼びかけをしてまいりますが、どうぞ大臣も、与党内であるいは政府内でこの問題が真剣に検討されるように御努力をいただきたい、このように要望しておきます。  最後に、かねてから問題になっております海外居住者の投票権の問題。法案作成、事務レベルでいろいろとお詰めをいただいておると承っておりますが、どのような時点までいっておるのか御報告をいただいて、質問を終わります。
  68. 岩田脩

    岩田政府委員 かねてから外務省との間で検討を進めておるわけでございますけれども、検討はほぼ最終段階までいっているというように御理解をいただきとうございます。  なお、これにつきましては、来年度の概算要求の中でも所要経費の要求もしておりますし、そういう仕事の進みぐあいを見ながら、いずれ御審議を賜ることになろうかというように存じております。
  69. 中井洽

    ○中井委員 終わります。
  70. 中野四郎

    中野委員長 安藤巖君。
  71. 安藤巖

    ○安藤委員 先ほど、この前の第十三回参議院議員通常選挙の結果について御報告をいただきました。  そこで、投票率につきましては、自治大臣参議院選挙史上最低だというふうにおっしゃってみえる。まさにそのとおりですね、五七%ですか。この投票率が低下したのは、一体どういうところに原因があるというふうにお考えになってみえるのか、まずお伺いしたいと思います。
  72. 山本幸雄

    山本国務大臣 それは、いろいろな原因が複合したものであることは間違いないと思います。ただ、事前に投票率が低いであろうと予想をせられましたのは、まず第一は、やはり四月の地方統一選挙と同じ年、わずか三カ月ばかりして重複して行われたという点であります。これは過去の十二年前、二十四年前は、それぞれ五八%、九%という非常に低い、そしてその前後の通常選挙から見ますと著しく投票率が悪いという実績がありますだけに、その実績を踏まえて、やはり今回は悪かろうという予想が事前にあっただけに、私どももそのジンクスを何とか破れないかということで、各方面も非常な御協力、御努力をいただいたと私は思うのです。  もう一つ、私流に申せば、無効投票が相当多いだろう、こういう予想があったわけなんですが、しかしこれは全く予想を裏切りまして、各方面の御協力を得まして二%台でとどまったということ。そこで十二年前、二十四年前の無効投票率から見ますと、これは低くなっておりますから、私は手前みそながら、無効投票率は非常によかったから、実質的な有効投票率は決して史上最低ではなかったという一つの理屈を言ったわけでございますが、私は私なりにそういうことも考えて、懸命に投票率を上げ、同時に無効投票を減らす、こういうことに努力をしてきたつもりでございます。  そこで、いまお尋ねの投票率が悪かったという点は、ただそういういわば同時、統一選挙と同じ時期に行われたということだけではないと思います。それは、今度の新しい制度に対する御理解というものも、私はないわけではないと思いますが、しかし、予想どおり大体五十数%台で終わったということを見れば、やはり統一地方選挙というものの影響があったのではないか、こう思っておるわけであります。
  73. 安藤巖

    ○安藤委員 投票率が低かった一番大きな原因は、その前に行われた統一地方選挙の影響じゃないかというふうにおっしゃるのですが、それも幾分かはあるのかもしれぬとは思います。しかし、私はどうも選挙に対する国民の関心、これは残念なことですが、そしてこれは憂慮すべきことなんですが、それが徐々に低下をしてきている、そういう懸念を抱かざるを得ないです。  といいますのは、ここで改めて申し上げるまでもないと思うのですが、いま日本公職選挙法はいろいろ規制があって、べからず法案だという悪口まで言われている法案ですね。何回かにわたっていろいろな規制が加えられてきた。だから、選挙にかかわり合いがあるとこれはえらいことになるとかうるさいことになるとかというのもありましょうし、それから有権者国民皆さん方に、それぞれの政党の政策あるいは候補者の公約あるいは人柄というのも入るでしょうが、そういうものを十分知っていただく機会、チャンス、これをだんだん狭めてきているというような規制ですね。それがやはり投票率の低下の大きな原因になっているのではないかと思うのです。  たとえば、この前の比例代表の選挙でも、比例代表名簿登載者が自分が名簿に載っているからぜひとも自分を入れてくれというふうに、名簿登載者独自の選挙活動というものがだめだ。それから、比例代表選挙での選挙用の宣伝カーですね。これはいろいろ各県に一台ずつはというようなお話があって、自民党さんの中からもそのぐらいはいいじゃないかみたいな話もあったと思うのですが、それも制限されている。  そういうようなことで、有権者国民皆さん方政党が政策を知っていただく、そういうようなチャンスが非常にだんだん切り縮められてきている。選挙の前には、いろいろポスターなんか張ってあってにぎやかだけれどもポスターが規制されて、選挙に入ったことを全然知らない。選挙に入ったら途端に、もう選挙が終わってしまったのじゃないかというぐらいの話まで聞いているわけです。だから私は、その辺のところにどうも一番大きな原因があるのじゃないかと思うのですが、そういう点については大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  74. 山本幸雄

    山本国務大臣 今回も比例代表選挙だけが行われたのじゃなくて、選挙選挙とも同時に行われておるわけです。言うなれば、個人選挙政党選挙が同時に行われたという理屈も成り立つだろうと思うのです。  そこで、従来から選挙の場合に、個人政党かという選択の一つの基準がよく言われたものでございますが、やはり私は政党の政策というものを浮き彫りにしながら、その中で個人というものを選んでいくという方向一つあると思うのです。そういう意味では、政党の政策というものを国民の選択に求めるというあり方も一つの行き方であって、それが選挙に対する国民の関心を非常に薄めたとまでは私ども考えたくない。国民政党に対する関心を失い、あるいはそれによって選挙に対する投票率が低くなったとは決して思わないわけでございまして、今後とも、その低下した原因というものはいろいろあるでしょうから、いろいろとその原因を考えながら、なるべくひとつ投票率を上げていくという方向自治省としては努力をしていきたい、こう思っております。
  75. 安藤巖

    ○安藤委員 その関係でもう一つお伺いしたいのですが、できるだけ投票率を上げるように考えていきたい、それは全く同感です。  そこで投票率を上げるということについては、いま大臣政党に対する関心が云々ということをおっしゃったのですが、もちろんそれも入ると思います。しかし、先ほど来私が申し上げておりますように、幾つかの政党がある、その政党の政策というものが一体どういうものかということを十分知る機会、そしてまさに選挙というものは、それぞれの有権者の人たちが直接政治に参画をする、いわゆる有権者意識というものをしっかり持っていただく、そういうことが基本だと思うのです。  だから、そういうような意識をしっかり持っていただくのではなくて、逆に選挙離れという言葉が出てくるほど選挙から離れていく、無関心になっていくというような動きが、残念ながらあるのじゃないかと思うのです。だから投票率を上げるとすれば、まず選挙離れ、これを何とかそうでないような方向有権者皆さん方国民皆さん方が積極的に選挙に非常に大きな関心を持ってもらうというような方向をまず考えるべきじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
  76. 山本幸雄

    山本国務大臣 選挙離れなんというようなことがどんどん深まっていくということになれば、これは民主主義の根底を動かすという重要なことになるわけでして、これは何としても防いでいかなければならない。選挙制度というのは、私は、民主主義あるいは議会制民主主義の根本だと思うのです。これはどうしても守っていかなければならぬ点だと思うだけに、いまのお話は私どもも今後の選挙やり方の上において、投票率を上げるという方向にはいろいろと創意工夫をこらしながらひとつやっていただきたいと思うのです。
  77. 安藤巖

    ○安藤委員 そこで、たとえば選挙運動期間を縮める、こういうようなことになると、よけい政党の政策を有権者に知ってもらう機会がそれだけ縮まるわけです。となると、やはり選挙離れというようなことに一役買うことになるんじゃないかという心配を私は持っておるんですが、その点どうでしょう。
  78. 岩田脩

    岩田政府委員 選挙運動期間を挙げてのお話でございますけれども、やはり選挙のときにどういう情報をどういうかっこうで出すかというのは、そのときそのときの社会にふさわしいといいますか、一定の期間というものがあるのでございましょう。恐らくそういうことが、二十五年当時三十日でございましたか四十日でございましたか、かなり長かった選挙運動期間がだんだん変わっていく。選挙運動期間というものも、そのときそのときに応じて変わっていくということとのつながりもあるのでございましょう。  さらに申し上げれば、選挙離れというお話でございましたけれども、やはり問題は、私どもの啓発ではございませんが、その選挙のときだけではなくて、常日ごろから各政党なり政治家の方々なりの活動に注目をしていくことこそ、あるいは選挙離れ云々というもの、その根底にある政治に対する関心というものを持っていくことが一番大事なことでもございましょうし、選挙運動期間ということが直ちにそれに結びつくというほどには考えておらないのでございます。
  79. 安藤巖

    ○安藤委員 現実に、自民党議員提案でそれが国会に提出されているという状況でありますので、それは選挙部長さんもなかなか言いにくいところはわかりますが、やはりこれは大きな原因になるというふうに私は懸念せざるを得ないのです。これはまた後で機会があればの話ですが、議論をしたいと思います。  そこで、警察庁の方からも来ていただいておりますので一言お尋ねしますが、先ほど選挙違反検挙状況についてお話を伺いましたが、この「その他」という中に、たとえば公職選挙法第二百二十一条一項二号あるいは二百二十五条三号の利害誘導罪あるいは利害関係利用威迫罪ですか、これは含まれているのかいないのか、お尋ねします。
  80. 金澤昭雄

    金澤政府委員 含まれておりません。
  81. 安藤巖

    ○安藤委員 そこで、これは法務省の方にお尋ねをしたいのですが、十一人の方々、これは弁護士だというふうに伺っておるのですが、ことしの八月十八日に、先ほどの参議院選挙における犯罪行為があったとして告発が最高検察庁になされているわけなんですね。そして、この被告発人は自民党議員であられる天野光晴さん、それからもう一人は建設大臣の内海英男さん、告発の趣旨は、先ほどお尋ねした利害誘導罪、利害関係利用威迫罪にそれぞれ該当するということで告発をしておられるのですが、これは九月一日付で東京地方検察庁へ移送になっております。その後、この告発事件についての捜査の状況はどういうふうになっているか、お尋ねします。
  82. 飛田清弘

    ○飛田説明員 お尋ねの事件につきましては、最高検察庁が受理手続を終わったのが八月三十日でございましたが、その被疑事実につきましては、先ほどお名前を挙げられましたお二人の方が共謀の上、五十八年六月二十一日に横浜市において開催された公共事業推進神奈川県決起集会におきまして、神奈川県下の建設業関係者ら千五百人に対して、参議院議員選挙に際し、比例代表選挙については自由民主党へ、それから神奈川選挙選挙においてはある特定の方へ投票をふやせば、神奈川県や同県下市町村への公共事業の割り当てを増加するという趣旨のことを告げて、特殊の直接利害関係を利用して誘導し、あるいは投票を減ずれば公共事業の割り当てを減らす旨告げて、特殊の利害関係を利用して威迫したという趣旨の告発でございました。  最高検察庁といたしましては、これを受理いたしました上どうするか検討しまして、本年の九月三日にこの事件を東京地検に移送しております。東京地検は、同日これを受理、立件いたしまして現在捜査中、こういうことでございます。
  83. 安藤巖

    ○安藤委員 見通しについてはまだなかなかということになるのかもしれませんが、大体いつごろまでに結論を出す予定なのか。あるいは、関係人ですから被告発人に当然なるわけですが、そういう方々からもいろいろ事情をお聞きになる予定なのか、どうですか。
  84. 飛田清弘

    ○飛田説明員 まず、いつごろまでに結論を出すかということでございますけれども、捜査はよく水ものと言われまして、予定どおりにいくものではございませんし、いつごろまでという時期をいまこの段階で、告発を受理してそう間もない段階におきましては、いまの時点で申し上げることはできかねます。  それから、関係者の取り調べにつきましては、これは捜査の過程で検察当局が適切に判断してしかるべき取り調べを行うもの、こういうふうに考えております。
  85. 安藤巖

    ○安藤委員 いま法務省の方から、告発の事実については私の方から言おうと思ったら概略の説明がありましたので、それは省略しますが、公職選挙法の第二百二十一条、まさにこれに該当するんじゃないかと私は思うのですが、まず岩田さんにでも第二百二十一条の一項二号ですね、読んでいただきますか。
  86. 岩田脩

    岩田政府委員 お話しのございましたのは、公職選挙法第二百二十一条の一項二号、二百二十一条というのは全般的に言うといわゆる買収の規定でありまして、そのうちの二号はいわゆる利害誘導というふうに言われている条文に当たります。  読んでみますと、「当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対しその者又はその者と関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の直接利害関係を利用して誘導をしたとき。」ということになっています。
  87. 安藤巖

    ○安藤委員 時間がありませんからそう詳しい議論はできませんが、告発の内容は、先ほどもちょっとお話があったのですが、被告発人の天野さんは、公共事業推進神奈川県決起集会、これは神奈川県建設業協会主催ですから、建設業関係の方は全部と言っていいほど集まられたということですが、そのときのテープを起こしたものです。「そうですから全国区の投票の割合によって私は各府県に市町村の公共事業をわりあてるつもりであります。そうですから、この前よりもでたところには、かならず、上づみをするように努力いたします。これは、この前、幹事長同席の上、全国から集まった業界の最高幹部の方々のもとで、私はそういっておきました。これをやります。そうですから、杉元君が圧倒的に最高点でとらせるようでなければ、神奈川県の公共事業の比率は下がりますから。おわかりですね。こういう政策をとる。」こういうふうに言うておられるわけですね。  それで、いまの二百二十一条一項二号の解釈は、詳しいことは言いませんが、「社寺、学校、会社、組合、市町村等」それから「用水、小作、債権、寄附その他特殊の」、その他というのは一つの例示であって、もちろんそれ以外で特殊の直接利害関係を利用して誘導すればこれになるというのが通説だというふうに言われております。  ついでに、内海さんも被告発人になっておりますからどう言われたかというと、国会で「おしかりを受けるようになるかもしれません。」これは前に、六月十六日の災害対策特別委員会でおしかりをお受けになったようですね。「天野先生がおっしゃったようなことをいわないと、あまり効果がないわけであります。」「そのとおりだなあと私はうなずいておるわけでございます。」ということで、これは共謀だということですが、いま私が読み上げたことからすれば、まさにこれは神奈川県の集まった建設業界の方々に対して、自民党に票をたくさんくれれば建設業界が潤うように、あなた方の仕事がふえるように私は神奈川県の市町村に仕事を出します、こうはっきり言ってみえるのです。少なかったら出しません。これはまさに、先ほど読み上げられた公職選挙法の二百二十一条の一項二号にぴたりと該当するのです。岩田さん、笑ってみえるけれども、どう思われますか。
  88. 岩田脩

    岩田政府委員 条文については、先ほども申し上げたとおりでございます。ただいまお読み上げになったような発言だけをとらえて、個々の事例についてそれが当たるかどうかということを直ちに言うのは困難でございます。そういったような文言がどのような形で受け取られたのかとか、御発言になった方が事実上どういう立場にあったのかとか、それから利害関係範囲はどうかとか、いろいろ問題はあるだろうと思います。さればこそ、恐らくこれから捜査をなさるわけでございましょうし、個々の事例についての判断は控えさせていただきたいと思います。
  89. 安藤巖

    ○安藤委員 これは、先ほどの天野さんの告発状に書いてある発言にもありますように、下敷きがあるのです。これは法務省の方にもよく聞いておいていただきたいのですが、朝日新聞にも大きく出ております。六月二十日付です。これはやはり五月十九日の自民党全国幹事長会議で、中曽根総理がこういうことを言ってみえるわけです。「中央と地方の補助金を悪用、乱用する気はないが、投票率の悪いところはそれなりのお仕置きをし、優秀なところは表彰する。」お仕置きというのは仕事を減らす、補助金を減らす。表彰するというのはふやす。そして、さらに今度は六月六日から五回にわたって自民党の本部に各団体の幹部を集めて、「党で集票活動をチェックしている。予算編成のとき困るのはあなた方でしょう」これはまさに威迫ですね。チェックするのだ、そのときにあなた方のところへ影響がいきますよというのは、二階堂幹事長が言うておられる。新聞の報道です。  これが下敷きになって、先ほどの天野さんの御発言、内海さんの御発言、こうなっておるわけです。だから、こういうような下敷きを考えていけば、まさにこれは二百二十一条の一項二号あるいは二百二十五条の三号に該当する。これははっきりしておると思うのです。  そこで、大臣にお尋ねしたいのですが、総理は本会議で、それは政策を鮮明にするためだとかあるいは投票率を上げるためにやったのだ、できるだけ多くの人に選挙に参加してもらうためにやったのだ。これは政策鮮明の域をはるかに抜け出ていて、まさに補助金という公金を私物化する以外の何物でもないと思うのです。こういうようなことが横行しますと、自民党という政党はそういう政党なのかというふうに国民が思うかもしれませんよ。だから私どもは、それは自民党の勢力が低下した方がいいというふうに思いますけれども、議会制民主主義の問題、公金の私物化の問題、それから選挙の公平の問題からすると、これは本当にやってはいかぬと思うのですね。  そして、仮にぴたりとその二百二十一条の一項二号、二百二十五条の三号に該当しないとしても、これは大分えげつないやり方だと思うのですよ。だから、そういうふうに国民皆さん方が思うということも十分考えていただいて、一体こういうようなことが大っぴらにやれることなのか、これからもおやりになるのかどうか、これは与党である自民党の党員でもあられるし、そして自民党内閣の自治大臣をしておられる立場で明快にお答えをいただきたい。それで終わりたいと思います。
  90. 山本幸雄

    山本国務大臣 これは選挙の真っ最中の出来事のようでございますから、選挙のときは各党とも少しエスカレートしておりますから、いろいろあると私は思います。いまお話しの告発になった事件につきましては、これは私ども行政という立場にあるわけですから、いま法務省の方からお話があったように、もう最高検から東京地検に移っていま捜査中という話ですから、私どもがかれこれ行政の立場でこれを申し上げるのは適当でないと思っております。  それから、総理のお話ですけれども、実は私も選挙の前から総理と投票率の問題についていろいろお話をしました。投票率は何としても上げたい、これは要するに全体の投票率のことなんです。総理の頭にあったのは全体の投票率の問題。自民党へのことであれば、私は自民党への得票率と言ったろうと思うのですよ。ですから、投票率と言う総理の頭は、どこまでも全体の投票率選挙全体として上げて、そしてりっぱに選挙が行われて、いい選挙であった、民主主義の上から見てもいい選挙であった、こういうお考えだろうと私は思っております。
  91. 安藤巖

    ○安藤委員 時間が来ましたので、終わります。
  92. 中野四郎

    中野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時三十七分散会