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宇野国務大臣 前二代の
大臣が非常に熱意を持って、何とか再開できないものかと
努力せられたことに対しましては、私は私といたしまして、非常に
努力されたのだなと評価いたしております。当然、
通産大臣といたしましてはそうした精神が生かされまして、そして一年有余にわたって再開を待ち焦がれておられた
方々に万歳と言っていただくような結果を得たいということは、政治家として当然のことでございます。だから、私もそういうような結果が得られるものであるか得られないものであるか、いろいろな
立場から検討をさせていただいたことも、すでに御
承知いただいておることと存じます。最終的には、本
委員会におきます各党また各代表の
方々の御
意見を私も踏まえて
判断をさせていただきますということでございましたが、私自身といたしましては、そうした気持ちで十二分に各
方面の
意見は聴取させていただきました。また、なおかつ足らざるところは、たとえばもう一度
石炭協会に何とかならないのか、こういうことに対しましても執拗に私といたしましてはその答えを求めたのでございます。
しかしながら、残念にいたしまして、最終的には
経営主体が見出せなかったということが大きな原因でございました。また同様の比重を持ちまして、やはり保安
体制に私自身が自信を持ち得ない。もしこのまま、再び不慮の事故を誘発するようなことのまま再
開発することは、最高の責任者としてどうであろうか、こういうこと等々も
考えますと、これは非常にむずかしい問題であると私は
判断させていただいた次第でございます。
また、先般の
委員会におきまして、
岡田委員からも懇々といろいろな
立場からの御
質問がございましたし、特に
石炭企業は、これは本当にもっと国が力を尽くすべきではないかというふうな御
意見もございましたが、
石炭企業は今日はあくまで
私企業であって国営ではない、国管ではない、そういう意味においては国としての援助にもおのずから限度があるので、したがいまして、やりたいと思ってもそこら辺のことを
考えますとこれはなかなかむずかしい問題であろう。以上申し上げましたようなことを私は踏まえた次第でございます。
なおかつ残存の
石炭に関しましても、何とか少しの
方々でもここで働いてもらえないものかと思いまして、その点も詳細に
調査をいたしましたが、これまた保安上の問題あるいはまた資金の
問題等々むずかしい問題がございましたので、そうした以上申し述べましたようなことを総括いたしまして、七月十一日に、私は、これは
地元で待っておられる
方々に対しましては本当にお気の毒なことである、あの事故さえなかったならばと、私もそう思います。そして
従業員の
方々に責任があるわけではなく、また町の
中小企業者の
方々に責任があるわけではなく、すべての問題に対しましていろいろな観点からやはりこれは私が責任を持って、そして最後の断定をせざるを得ない、こういうふうに存じましたので、まことに遺憾な
措置ではございましたが、万やむを得ない、かように存じまして
判断をいたしました。
そしてこのことは、やはり前
通産大臣が
横路知事に対しまして、
北海道も
地元として一枚参加されませんか、こういうふうなボールを投げられておったという
経緯もございます。その
経緯に対しまして、平易な
言葉で言えば
知事からもボールが
政府に投げ返されたという
経緯がございます。それで私は、そのボールを投げたり投げられたりというふうなことであってはいけない、やはりこれはできることはできる、できないことはできないということが本当に明らかになった場合には速やかにその後の善後策を講ずるべきである、こういうふうな気持ちでございましたので、私といたしましてはいたずらなるボールの投げ合いを避けまして、そして十一日に
横路知事にはひとつ御
連絡を申し上げよう、こう思いまして、たしか十二時四十五、六分だと思いますが、たまたま
知事が道庁におられましたから私から電話をいたしまして、本日の午後三時ごろになれば私といたしましても万やむなき仕儀としての再
開発断念の
声明を出すから、どうぞひとつこの点だけは御了解賜りたいということを申し上げました。もちろん
知事は了解されるはずがありません。何とか
大臣、再考できませんか、そういうふうにおっしゃいましたが、これもあれこれ
考えての末である、八方手を尽くしたと私は思う、だからひとつこの点だけはあなたに御
連絡いたしておきますから、いろいろと
関係各位にもよろしく、そういう趣旨で電話をいたした次第でございます。
実は、この点におきまして、もっともっとほかにも
連絡すべきではなかったかというような御
意見もございました。あるいはそうした方がよかったかもしれませんが、しかし私自身といたしましては、いろいろな
判断に立ちまして
知事だけに御
連絡を申し上げて、裏話を申し上げますと、その日
政府・与党
連絡会議がございましたが、
知事に
連絡をした後で、
政府・与党
連絡会議で、本日三時ごろにこうした仕儀と相なりますのでこれは御報告申し上げる、別に御了解という意味ではなくして御報告申し上げるということで、
政府・与党にもそうしたことで私から改めて報告をさせていただいたというふうなことでございました。
もちろん、ここまで決断するに際しましては、やはりアフターケアの問題に関しまして十二分に
政府としても責任を持ってやっていかなければならない。したがいまして、この点に関しましても実は私は閣議で御報告を申し上げまして、そして
関係各省の御協力をぜひともお願い申し上げるということを申し述べて、そしてその後はいろいろと
関係各省庁間における
連絡会議が開かれておるというのが今日までの
経緯でございます。