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説明員(鹿島尚武君) 債務者が融資を受けました住宅を第三者に譲渡するという場合につきまして、貸付金を一括返済させるというのが私
どもの一応原則というふうに考えておるわけであります。しかしながら、公庫債権の
管理上必要と認められるものにつきましては、債務引き受けを認めるというようなことでやってまいったわけでございます。そこで、従来は住みかえのために融資を受けた住宅を譲渡をするというような場合につきましても、債務引き受けを認める運用をいたしてまいっておるわけでありますけれ
ども、昨年このやり方に見直しを加えまして、ことしに入りましてから
生活困窮とかいうような特別の事情によって住宅を譲渡しなければならないというような場合に限りまして、また債権
管理上の必要があると公庫が認めたものに限りまして、債務引き受けを認めるというふうにいたしたわけでございます。
その
理由は幾つかございますけれ
ども、
一つは新規の貸し付けに、昨年からでございますけれ
ども、段階金利
制度を導入いたしたわけでございまして、従来の運用を行うということになりますと、新たに借り入れをなさる、融資を受ける方々も融資の条件と異にするようになりまして、公庫
利用者間の不公平というものを生ずることになるわけでございます。
それから
二つ目は、既存住宅貸し付け
制度につきまして、最近貸し付けの
限度額をふやすとか、あるいは対象を広げるということで、中古住宅の流通につきまして、別途中古の住宅流通という視点からこれを拡充しようということで、
制度を大幅に広げてまいってきたわけでございます。このようなことでございます。
そこで、中古住宅の流通の円滑化につきましては、公庫の既存住宅貸し付けにつきまして、年々ただいま申し上げましたとおり、
限度額の引き上げ等を行い、ことしからは木造の戸建ての住宅等につきまして、中古の貸し付け対象とするというようなことで、大幅な
制度拡充を講ずることといたしたわけでございまして、このような背景
理由をもって、この際債務引き受けにつきまして、運用の内容について一部手を加えさしていただいたということでございます。