○青島幸男君 それは私に聞いたってだめですよ。そういう事実は残るわけですよ。
確かに、いままで離島、僻地においでになった方なんかはなかなかごらんになれなかったでしょう。それにしても、とてもお困りになっていらっしゃる方は四十二万ですか。そうすると三千万の受像機から
考えますと、それはやっぱり誤差の範囲ですよね。ですから、本来ならこの誤差の範囲——誤差の範囲と言いながら、皆さん条件のいいところにおいでになる方と全く平等に日本国民としての権利を持っていらっしゃるわけですから、その方々の権益を放置する
気持ちは私にはありませんよ。しかし、普通の企業の
考え方とか普通の資本主義経済のあり方からすれば、四十二万というのは本当に誤差の範囲ですよね。その誤差の範囲のために、それこそ膨大な金のかかる難視聴対策等、しかも
衛星放送まで
考えなければならないというのは、そこに
NHKがあまねく人に同質のものを見せなければならないという宿命が法でかぶされているからでしょう。だったら、それ以上のものでも、それ以下のものでもないじゃないか。
衛星が上がってどんなに便利であろうと、総合と教育と地上でだれもが見られるのと同じ
電波が出てさえすればそれでいいのだという
考え方を私は持ちたいわけですね。それから先のことはまた別途
考えたらいいじゃないかということです。それを
NHKに押しつけるなり、
NHKにそれだけの権益をよけいに与える必要はないじゃないかということを申し上げているのですよ。そういうことをこんがらかしていきますと、話がどんどん錯綜していっちゃうわけですね。
それで、今後BS3ですか、もっともっと
幾つものチャンネルの可能性があるものがありますと、そこへどういう形で民放は競合して入ってくるかということも、その辺をきちっとしておきませんと、後、大変乱れたことになりはしないかという懸念があるわけですね。いままでそういうことを放置してきて、可能性がある技術が先行している。それがどんどん先走ってしまう。仕方がない、後で法制で取りつくろおうというようなかっこうをしてきたからいろいろ矛盾が出ているのじゃないかという気がしますよ。
実際にはCATVの
普及もこれからはもっと目覚ましくなるかもしれません、アメリカやヨーロッパの
普及度なんか見ていますと。もっとも、CATVが
普及する主たる原因は、特別な
放送に大変興味をお持ちのある方が争って線を引かれるということも聞いておりますけれ
ども、それはどなたがどういう興味で線を引かれようと、それは私
どもの関知することじゃありませんが、これがCATVでたとえばこういうことがありましたね。全部UHFに移行してVをあげようじゃないか、そんな無理な話はできっこない。UHFに移行するのだったら、その前にCATVで全部カバーできるだろうし、CATVがカバーできる前に
衛星が上がって一括カバーすることになりますよと、私は十五年も前に、いみじくも五十九
年度に上げられる
衛星のことを予測しておりますよ。そのときにしっかり対策を立てておかなかったら間違いのもとじゃないかという感じがするのです。
それで、
NHKさんにお伺いしますけれ
ども、
NHKさんはどう
考えているのでしょうね。
NHKの総合並びに教育が日本全国あまたの方々に平等に見られるということが確保できれば法的要件を満たせるからそれでいいとお
考えなのか。その上、もし上がった星から返ってくる
電波に可能性があるのだから、そこは重複する再
放送の時間で新たなことを積極的にやりたいという御希望を持っているのか。機能があるからやろうか、あるいは
郵政省が実験してもいいと言うのならやろうかというふうなお
考えなんですか。その辺の基本的な姿勢をまずお聞かせいただきたいと思いますけれ
ども。