○青島幸男君 だから即座にただにしろというようなことを言っているわけじゃなくて、その方向で検討していくことが大事だということを私申し上げているわけですよ。それをやりますと、もう一つは、いま持ってらっしゃる方がありますね、四千万人ですか、いま持ってらっしゃる方は
加入権、質に入れられるだけの経済的価値を持ってらっしゃるわけですよね。だから、いま
公社が今度から
設備料ただにしました、
加入権というものは経済価値を持たなくなりましたとたとえ踏み切ったとしても、そうすることは、いきなりそこへいっちまうことは、いま持ってらっしゃる方の権益をいたく害することになるわけですよね。質に入れられるだけの価値があるものがただになってしまうというわけですから、そういうことはできません、それは。だから逐次やっていかなきゃならないことだろうと思います。その方向でいくんだったら料金徴収のときに少しその分の減額をお返ししますというかっこうででも、平等なかっこうで
加入者の方々に平等に負担をかけるならかける、平等に返すものなら返すというかっこうでしていかなきゃなりませんので、そういう手続はわりあい繁雑になるかもしれませんね。しかし、この問題を放置しておきますと、この
加入権質の問題も
法律の上で大きな矛盾を持ちながらそのまま全く解消することなく推移してしまいますね。ということは決して私はいい方向にはならないと思うんですよ。そういう、いまこうなっている状態だからそのまま移行してしまったらそれでいいんじゃないかというような考え方で今後のことも検討していくということはきわめて大きな誤りを生じてしまうことになりますので、ですから、
加入料金を下げるというかっこうで
加入権自体に経済価値がなくなるような方向で
努力してもいいじゃないか。これは私案ですけれども、そういうふうに考えていったら相矛盾した
法律案を一方はやめるの、一方は
存続するというようなことにならなくて済むだろうということを申し上げているわけです。その辺で御検討いただきたいと思います。それは希望だけ申しておきます。
もう一つは、
遠近格差の問題なども含めまして、遠いところは高くて仕方がない。近いところは安いんだというのは、それは飛脚のころからそうなんですよね。しかし、飛脚のころと違いますね、即時通話ですし。それから、昔のように交換手がたくさんおいでになって、至急報でも朝頼むと九州までいくのに夕方になってやっと届いたという状態になりますと、何人もの手間がかかってそうなっているんだろうから高いのは仕方がないという認識があったですよ、いままで。そういう認識が尾を引いてきて、いまは九州へかけても同
一
区域内へかけても大して電力がかかるわけでもないし、手間のかかるわけでもないし、いまある格差ほどもないのは事実ですね。しかし、その格差の認識の上にいまだに乗っかって料金格差というものを設けているわけですね。それで
公社は財政的にもある程度安定したかっこうでもっていますけれども、これも
遠近格差をなくさなきゃいけない方向で検討しなきゃならないとは終始申されているわけです。しかし、即座にはそういかない。そういう実際と違った習慣とか観念の上にそういう
遠近格差を直そうとしないというそういう体質が、私が先ほど言った
加入権の経済価値をなくすような方向につながらないということと同じ体質の考え方だと思います。一方ではそういう間違った認識、伝統的に引き継がれている事実と違った認識に基づいて料金格差を設けている、
遠近格差を設けておきながら、それで収益を上げながら、こっちはだめなんだというのはやっぱり片手落ちだという気がします。
ですから、
遠近格差も実際のコストに見合ったかっこうになるように検討していかなきゃならないだろうし、同時にそういう方向で、先ほどるる申し上げているような
加入権の問題を検討していけば、かなり民主的にといいますか、だれにもわかりやすい料金というものに近づいていけるんではないかという気がしますが、私は、時間がなくてそんなに延々と申し上げられませんが、いままで申し上げた私の見解についてはどのようにお感じになっていますか、お聞かせいただきたい。