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1983-03-25 第98回国会 参議院 決算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年三月二十五日(金曜日)    午前十時四分開会     ─────────────    委員異動  二月十六日     辞任         補欠選任      福岡日出麿君     川原新次郎君  二月二十一日     辞任         補欠選任      川原新次郎君     福岡日出麿君      北  修二君     藏内 修治君  二月二十八日     辞任         補欠選任      藏内 修治君     北  修二君  三月八日     辞任         補欠選任      和田 静夫君     対馬 孝且君  三月九日     辞任         補欠選任      黒柳  明君     中野 鉄造君  三月十日     辞任         補欠選任      中野 鉄造君     黒柳  明君  三月十五日     辞任         補欠選任      仲川 幸男君     宮澤  弘君  三月十六日     辞任         補欠選任      岡部 三郎君     岩崎 純三君  三月十七日     辞任         補欠選任      宮澤  弘君     藤井 孝男君  三月十八日     辞任         補欠選任      森山 眞弓君     井上 吉夫君  三月二十二日     辞任         補欠選任      井上 吉夫君     森山 眞弓君      岩崎 純三君     岡部 三郎君      藤井 孝男君     仲川 幸男君  三月二十四日     辞任         補欠選任      仲川 幸男君     林  ゆう君      対馬 孝且君     和田 静夫君  三月二十五日     辞任         補欠選任      林  ゆう君     仲川 幸男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         竹田 四郎君     理 事                 井上  裕君                 杉山 令肇君                 内藤  健君                 降矢 敬雄君                 和田  静夫                 峯山 昭範君     委 員                 岡部 三郎君                 竹内  潔君                 塚田十一郎君                 仲川 幸男君                 福岡日出麿君                 福田 宏一君                 森山 眞弓君                茜ケ久保重光君                 安武 洋子君                 小西 博行君                 三治 重信君                 中山 千夏君    国務大臣        郵 政 大 臣  桧垣徳太郎君    政府委員        内閣官房長官  藤波 孝生君        大蔵大臣官房審        議官       岡崎  洋君        大蔵省理財局次        長        佐藤  徹君        郵政大臣官房長  澤田 茂生君        郵政大臣官房経        理部長      奥山 雄材君        郵政省郵務局長  永岡 茂治君        郵政省貯金局長  鴨 光一郎君        郵政省簡易保険        局長       魚津 茂晴君        郵政省電気通信        政策局長     小山 森也君        郵政省電波監理        局長       田中眞三郎君        郵政省人事局長  奥田 量三君        自治省行政局選        挙部長      岩田  脩君    事務局側        常任委員会専門        員        丸山 利雄君    説明員        行政管理庁行政        監察局監察官   塚原 喜朗君        国土庁計画・調        整局総務課長   八木 国雄君        国土庁計画・調        整局特別調整課        長        新村 淳一君        労働省労働基準        局補償課長    林  茂喜君        会計検査院事務        総局第二局長   竹尾  勉君        会計検査院事務        総局第五局長   中村  清君        日本電信電話公        社総裁      真藤  恒君        日本電信電話公        社総務理事    西井  昭君        日本電信電話公        社職員局長    児島  仁君        日本電信電話公        社厚生局長    中原 道朗君        日本電信電話公        社経理局長    岩下  健君    参考人        日本放送協会副        会長       田中 武志君        日本放送協会専        務理事      坂倉 孝一君     ─────────────   本日の会議に付した案件理事補欠選任の件 ○派遣委員報告に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○昭和五十四年度一般会計歳入歳出決算昭和五十四年度特別会計歳入歳出決算昭和五十四年度国税収納金整理資金受払計算書昭和五十四年度政府関係機関決算書(第九十四回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十四年度国有財産増減及び現在額総計算書(第九十四回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十四年度国有財産無償貸付状況計算書(第九十四回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十五年度一般会計歳入歳出決算昭和五十五年度特別会計歳入歳出決算昭和五十五年度国税収納金整理資金受払計算書昭和五十五年度政府関係機関決算書(第九十六回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十五年度国有財産増減及び現在額総計算書(第九十六回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十五年度国有財産無償貸付状況計算書(第九十六回国会内閣提出)(継続案件)     ─────────────
  2. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事和田静夫君を指名いたします。     ─────────────
  4. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) この際、派遣委員報告に関する件についてお諮りいたします。  先般、当委員会が行いました昭和五十四年度決算外二件及び昭和五十五年度決算外二件の審査に資するための委員派遣について、その報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  6. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十四年度決算外二件及び昭和五十五年度決算外二件の審査のため、本日の委員会参考人として日本放送協会会長田中武志君及び専務理事坂倉孝一君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 次に、昭和五十四年度決算外二件及び昭和五十五年度決算外二件を議題といたします。  本日は郵政省及び日本電信電話公社決算について審査を行います。     ─────────────
  9. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算概要説明及び決算検査概要説明は、いずれもこれを省略して本日の会議録末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  11. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  12. 和田静夫

    和田静夫君 一月の決算委員会以来、私は高級公務員OB選挙活動地位利用しての入党勧誘、あるいは政治資金づくりなどというものを問題にしてきたわけでありますが、郵政省に関して幾つかの事実が指摘をされています。したがって、官房長官の日程の都合ありますので、冒頭若干時間この問題に触れますが、これは案内状です。昨年十月の三十日に秋田市において、秋田県の中部郵政協力会という組織通常総会を開催をされた。この会合には特定郵便局長九十七人が参加した。総会議事の方はもう全く短時間、十分もかからなくて終わった。来賓の元郵政官僚比例代表区立候補予定者と言われる方が五十分間にわたって講演をした。郵政省としてはこの事実はどのように受けとめていらっしゃいますか。
  13. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) ただいま御指摘の昨年秋の秋田における会合につきましては、ただいま詳細資料を持ち合わせておりませんので記憶する限りで申し上げますが、秋田地方特定郵便局長会が日ごろ業務上お世話になっている皆さんにお礼をするという趣旨で、会合を持ったというふうに承知しております。
  14. 和田静夫

    和田静夫君 この郵政協力会というのはどういう組織ですか。これは全国的に組織されているんでしょうが、その組織内容会費はどうなっていますか。
  15. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) 郵政協力会という組織につきましては若干いろいろバラエティーがございまして、大きないわゆる普通郵便局の場合等につきましては、郵便局ごとにその局がお世話になっている利用者方々協力者方々構成をされているという場合が多うございます。また、ただいま御指摘秋田の地区の場合には、これは特定局集まりでございますので、特定局長が一緒になってそういう協力者の方にお集まりをいただくということになっていると思う次第でございます。また、会費につきましては、これも会の活動状況によっていろいろな違いがあろうかと思いますが、協力会そのもの一般的には郵便局に御協力いただく方々のお集まりということでございまして、協力会の日常の運営に若干の経費等要する場合、これを協力会皆さんの御負担で賄われているというのが通常ではなかろうかと考えます。
  16. 和田静夫

    和田静夫君 この秋田中部特定郵便局長会ですが、この秋田中部協力会会長秋田駅前郵便局長。この名前で出した発文書があるわけですよ。これは五十七年六月十九日、「暑中見舞い用はがき一局八十枚、あて名記入の上六月三十日まで副会長へ送付願います。」これは、各局長が知人の名前をその表に書き入れて、そして中部連絡会議の副会長に送付をする。副会長がまとめて東京の特定郵便局長会本部に実はこれを上げてくる。本部はその裏に元郵政官僚あいさつ文を印刷して差し出す。こういう仕組みなんです。こういう事実なんですが、要するに、特定郵便局長会議組織ぐるみ選挙準備活動、もっと言えば選挙運動事前運動、そういう形になっていますね、これ。
  17. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) ただいま御指摘の、暑中見舞いはがき云々の件については、承知いたしておりません。
  18. 和田静夫

    和田静夫君 これはきょうの理事会でも確認をしましたが、官房長官にお見えを願って、過日の理事懇で、一月の各省のいわゆる政治活動選挙準備運動についての一定の結論は出してあったんですがね。しかし、新しい事実関係が生まれれば各大臣を通じて厳格に処置いたしますというのが副官房長官決算委員会理事会に対する公式なお約束になっていますから、その後初めての決算委員会でありますので、残念ながら郵政省を問題に供せざるを得ないということでやっているんですが、否定をされたってこの事実関係はありますので、答弁を意識的に避けられるということは許せません。そのことはちゃんとお考えになって答弁されていましょうな。
  19. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) ただいまお答え申しましたように、ただいま御指摘秋田中部とおっしゃいましたかと存じますが、そちらの方で暑中見舞いはがきを云々したかどうかということについては、つまびらかに承知していない次第でございます。
  20. 和田静夫

    和田静夫君 それでは、ここのところは調査をしてください。そうして後で私に報告をください。
  21. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) 調査いたしたいと存じます。
  22. 和田静夫

    和田静夫君 五十六年七月三日付で退官された岡野元人事局長ですかね、現在何をやっておられ、どういうところに所属をされておりますか。
  23. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) 詳細はつまびらかにいたしておりませんが、退職後、全国特定郵便局長会の顧問という立場にあるのではないかと考えます。
  24. 和田静夫

    和田静夫君 そうですね。そこで、この特定郵便局長会機関誌「全特」五十七年九月号が、自民党への入党勧誘運動を示唆する文章を掲載をした。これは郵政省、確認できますか。
  25. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) ただいま、申しわけございませんが、私、詳細記憶いたしておりません。
  26. 和田静夫

    和田静夫君 ここも調査の結果を教えてください。よろしいですか。
  27. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) 調査いたします。
  28. 和田静夫

    和田静夫君 この特定郵便局長会事務局郵政省出身者で占められていますね。
  29. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) あるいは元郵政省勤務の人間もいるかと思いますが、詳細については承知いたしておりません。
  30. 和田静夫

    和田静夫君 じゃ、ここもひとつ調査して。よろしいですか。
  31. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) 何しろ特定郵便局長会任意団体でございますので、私ども、その辺の関係もありますが、問い合わせをしてみたいと思います。
  32. 和田静夫

    和田静夫君 自治省ね、この一連の特定郵便局長会組織ぐるみ入党勧誘、これは国公法、まあ、国公法上の取り扱いはこの前の委員会で人事院総裁明確に答弁していますが、それから公選法違反の疑いが強いわけですが、見解を承ります。
  33. 岩田脩

    政府委員岩田脩君) ただいまのお尋ねは、ある任意団体がある政党党員勧誘運動をしたということについての公選法上の評価でございますけれども、ただいまのお話で伺った限りでございまして、私どももその団体の性格とか、それからその団体構成員国家公務員としての身分を持っているのかどうか、全部がですね、というようなこともよくわかりません。ですから、一般論としてお答えせざるを得ないわけでございますが、一般に、ある団体がある政党党員獲得運動に参加もしくは協力したからといって、公職選挙法上、直ちに問題は出てこないだろうと思っております。  ただ、御承知のとおり、国家公務員その他につきましては、特別の地位利用選挙運動ないしはその類似行為禁止規定がございますから、個別のケースについて、それぞれの人の身分いかんによっては、それはいろんな関係が出てくるかもしれませんけれども、そういう身分関係、さらには、あれは御存じのとおり地位利用という要件がついておりますので、そういう具体的な関係があったかということで、具体に判断せざるを得ないだろうと思っております。
  34. 和田静夫

    和田静夫君 特定郵便局長というのは何ですか、これは。
  35. 岩田脩

    政府委員岩田脩君) 私からお答えするのはちょっとあれかと思いますが、一般職国家公務員ではないかと思っておりますが。
  36. 和田静夫

    和田静夫君 したがって前提ははっきりしていまして、一般職国家公務員ですよ。それがいわゆる地位利用、こういう形になっている。先ほど来の論議をまじめに聞いておってもらえば明確です。この前のあなたの答弁はずらかしの答弁だったんですがね。金丸さん、降矢さん、松浦さん、あなたの先輩、私も皆さん熟知していますがね。自治省次官経験者で現職の参議院議員皆さんで、比例代表制法律をつくるのに大きな役割りを果たされた皆さんがつくられているところのいわゆる解説によって、いま私が述べたことは明らかですよ。ちゃんとそうなると書いてあるじゃないですか。地位利用罪成立が認められよう、こうなっているわけでしょう。  そこで、一月にも議論したんですが、政党名簿上位に載せるために入党運動を進めること、いわゆる上級の国家公務員がですよ、この地位利用の問題というのは、これはもう選挙運動になるわけですね。
  37. 岩田脩

    政府委員岩田脩君) 国家公務員地位利用して選挙運動をやった場合、ないしは百三十六条の二の第二項にある類似行為をやった場合は問題になると思いますけれども、ただいまのように入党を勧告した、政党党員獲得運動をしたということだけでは、直ちには地位利用といいますか、選挙運動の問題は出てこないというように考えております。
  38. 和田静夫

    和田静夫君 そうしますと、先ほどの金丸降矢松浦三先生が推薦をしていますこの解説ですが、ね。「獲得党員数一定数以上であれば名簿に登載するという基準が明らかになっている。その名簿登載者となろうとして、その地位利用して党員獲得運動を行うことは地位利用罪成立が認められよう。」ということはそういうことでしょう。この八十八問でやりとりがありますがね。お読みになっているでしょう、きのう通告してありますから。
  39. 岩田脩

    政府委員岩田脩君) 残念ながら、その本のそこのところは読んでおりません。
  40. 和田静夫

    和田静夫君 それじゃ、百三十六条の二、第一項あるいは同条二項、この有権的な解釈を示してください。
  41. 岩田脩

    政府委員岩田脩君) 百三十六条の二、第一項というのは、国家公務員またはそのほか国鉄以下、一定の公団、公庫の役職員、そういった方々が、その地位利用して選挙運動をすることを禁止する規定であります。  同じく百三十六条の二、第二項というのは、そういった者が直接の選挙運動ではなくてもその類似行為、まあたとえば後援団体の結成であるとか、それから投票の周旋、あっせん等企画関与であるとか、そういういわゆる準備行為に類するものの中の特定のものについて、地位利用してこれを行うことを禁止する規定であります。
  42. 和田静夫

    和田静夫君 したがって、私が先ほど来申し上げている解釈、私というよりもむしろ公にされているこの解釈は成り立つと思うんですが、あなたは実態がよくわからないからという前提を置かれています。それじゃ実態について調査をされますか。
  43. 岩田脩

    政府委員岩田脩君) このことについてはいままでもたびたびお答えをしてきたところでございますけれども選挙管理委員会サイドはそういった事実の一々について内容調査する権限も機構もございません。したがいまして、私どもの方から調査をすることをお約束することはいたしかねます。
  44. 和田静夫

    和田静夫君 じゃ郵政省の側、調査しますか。
  45. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) 国会で御指摘のありましたことにつきましては、私どもとして調査をいたしたいと存じます。
  46. 和田静夫

    和田静夫君 そこで自治省に注文ですが、あるいはこの比例代表制選挙区の公職選挙法は今回限りで終わりではないかというささやきもありますし、いろんなことを勉強してみる必要があると思う。実態を把握せずしてあなたの方で、これは議員立法でありましたけれども、今後の問題あろうと思いますから、いま郵政が先ほど来幾つ調査を約束されました。それは私のところへ出てくるわけであり、あなたの方へその写しをあれしますから、それらに立ってこの法律運用について、やっぱりもう少し突っこんだ公的な見解とでもいいますかね、そういうものを出す必要がある。そういう時期に来ている、そういうふうに思いますが、それらは受けて立たれますか。
  47. 岩田脩

    政府委員岩田脩君) 私どもの考え方については若干申し上げたところでございますけれども、新しい事実に基づいてのお尋ねがあれば、またお答えをしなければならないと思っております。
  48. 和田静夫

    和田静夫君 電電公社総裁郵政大臣ですが、二月二十八日付のこれは読売ですけれども宏池会という組織があるんだそうですが、その宏池会という組織が四月十二日に開く二十五周年パーティーパーティー券を二千枚、六千万円を郵政電電公社に依頼したということになっていますね。  郵政省並び電電公社は、こういう種類のパーティー献金枠というものをお持ちなわけでしょうか。それはどういう予算に計上されるわけですかな。
  49. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) 宏池会の件につきましては、私ども承知をいたしておりません。またそういう献金について予算枠とかそういうふうなものについては一切ございません。
  50. 西井昭

    説明員西井昭君) ただいま郵政省から御答弁のございましたとおりでございまして、私どももそういうことについて直接的に了知いたしておりません。
  51. 和田静夫

    和田静夫君 答弁は私が予想したような答弁でありますからあれですが、とにかく日本マスコミというのはそうするとでたらめだということになりますよね。幾つか取り上げてきていることは全然、第一線記者からデスクまで含んで想像でもって書いてきたというようなことを裏書きするような答弁なんですが、そのことは別にして、そうすると、宏池会から依頼はなかった。この記事によると、他の与党議員が実は電電公社郵政省に自分のパーティー券の持ち込みをやったら、二千枚、六千万円の宏池会の枠でもってどうにもならぬものだからといって、持ち込んだ他の派閥の与党議員は大変に怒ったという表現になっているのでありますがね、他の議員からの要請もございませんでしたか。
  52. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) いままでそういうものはございません。
  53. 西井昭

    説明員西井昭君) 電電公社に対して、そういうものはございません。
  54. 和田静夫

    和田静夫君 副官房長官、お聞きのとおりでありまして、ここのところはもう否定をされるだろうということは十分私は考えていました。しかし、私は、マスコミがかなり責任を持ってここの部分は書いている報道でありますからね、この事実関係というのは、私は存在をすると思いますよ。  なぜならば、あなた、その行われるパーティーの会場に行ってみれば、各省皆さんもお見えになっていますし、電電公社皆さんもお見えになっている。じゃ、割り当てがなかった、持ち込まれなかったのになぜそういう諸君がお見えになっているのか。明らかじゃありませんか。札も何もなかった、招待券も何もなかった、割り当てもなかった。しかし、どこかから風聞で聞いたから、関係のある人だから自発的に出ていったんですなどという、子供をだますに等しいような論理が通用すると思うんですか。そんなことにはなりませんよ。しかも、具体的な枚数や金額まで報ぜられているということでありまして、私は、政府機関なり特殊法人がこういうような疑惑を招くこと自体が、公的機関政治的中立性にとってまさに好ましからざることだと思うのであります。  副官房長官理事会では御見解を承りましたが、この場でひとつ一月からきょうまでの、これらをくるめて見解を承っておきたいと思います。
  55. 藤波孝生

    政府委員藤波孝生君) 先般も理事懇でいろいろ御指導をいただきまして感謝をしておるところでございます。さらに政府内の各機関を通じまして、御指摘のありましたように職員の綱紀の粛正、厳正化につきましては、重ねて指示をいたしまして今日に至っておる次第でございます。  先ほど来いろいろ御指摘がございましたことにつきましては、それぞれその事実関係がないと、あるいは調査してみなければわからないという、それぞれの御答弁があったわけでございますが、いやしくも地位利用をして選挙活動をやるというような疑惑を持たれるようなことのないように、さらに厳正に粛正をしていくように、それぞれの機関を通じて徹底をしてまいりたい、こんなふうに考えておるところでございます。  また、個々の職員のみならずそれぞれの機関で、いまお話しのような、たとえばパーティー券を大量に引き受けるというような事実はないと私も確信をしておりますけれども、それらにつきましてもそれぞれ、いま御指摘がありましたことについてそれぞれの機関調査もいたしましょうし、私どもの方からも十分大きな関心をもって調査をするようにいたしたい、このように考える次第でございます。
  56. 和田静夫

    和田静夫君 どうもありがとうございました。  郵政大臣、郵便貯金の目的というのは何でしょう。——一遍ぐらい大臣に登場をさせなさい。
  57. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 郵便貯金は、郵便貯金法に目的が明記されておるわけでございまして、御承知のような全国津々浦々に設置をされております二万有余の郵便局を通じて、国民生活に密着した貯金サービスをあまねく公平に提供することによって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とするということでございます。
  58. 和田静夫

    和田静夫君 重ねてこの郵便貯金の基本的性格について伺いたいんですが、郵貯はそもそもの性格からして銀行預金とは違うものでしょうか。その辺はどうでしょう。
  59. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 私は、郵便貯金も銀行預金も、いずれも金融資産の性格を持つという意味では私は共通をしておるものだと思いますけれども、ただ、郵便貯金は本来的に個人の少額貯蓄を奨励をし、国の事業として貯金者の利益を擁護していくという意味では、他の銀行等の金融機関と違う性格を持っておるというふうに思っております。
  60. 和田静夫

    和田静夫君 この臨調なんですが、臨調ではこの官業のあり方というのが大変問題になっているわけです。郵貯に関して言いますと、銀行預金との関係が問題にされているわけですね。郵政省一般に官業がこれまで果たした役割り、あるいはまた今後果たすべき役割りというのはこれはどういうふうに認識をされますか。
  61. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 郵政省としてといいますか、郵政大臣としての見解を申し上げたいと思いますが、私は、官業というのはいろんな機能を果たしてきたわけでございますが、官業は悪である、民業は善であるということにも私はくみする気持ちがありません。同時にまた、官業は何といいますか神聖なものであるとか、官業が最もすぐれたものであるという断定的な考え方にも私は賛成ができない。それぞれ官業が果たしてきた役割り、また、現在果たしておる役割り、将来果たすべき役割りに従って官業というものを評価すべきであるというふうに私は思っております。
  62. 和田静夫

    和田静夫君 同じ質問を銀行局、どうですか。
  63. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 基本的には郵政大臣がおっしゃるとおりだと思います。  その場合、いまの時点で官業としての貯金業務ということを考えた場合に、官業——政府の立場、国の立場ということを守りながら活動をしていただくということをやや具体的に考えれば、今日のように民間金融機関の活動が従前に比べて非常に活発になり、全国津々浦々まで組合金融も含めまして広がってきた場合には、その時代時代に即応した状態でお考えいただくというのが適当であろうというふうに考えております。
  64. 和田静夫

    和田静夫君 臨調の答申が「組合系の機関も含め民間金融機関が相当程度発達してきており、少額貯蓄の手段の提供は、民間金融機関でも対応が可能となっている。」こういうふうにしているわけですね。この認識は一般論として私、わからないことはもちろんないのですが、個別に見ますといろいろの問題を含んでいるだろうと考ます。たとえば人口の密集地のことを考えてみますと、人口密集地では店舗競争が非常に熾烈に行われるわけです。過疎地では一体どうなのか、そういうこと。あるいは中小金融機関が、何というんですか、上昇指向を強めて地域に密着する。そうすると金融活動が行われにくくなってきているというやつがある。都銀は依然として大きいところにやっぱり目を向けているということになっているでしょう。そういういろいろのことの問題があると思うんですが、この点の認識は、大臣並びに大蔵省、どういうふうにあれですかね。
  65. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 先生御指摘のような臨調答申の中身があることは私、承知をいたしておりますけれども、銀行の個人サービスにつきましては、私どもから見まして、店舗配置あるいはサービスの内容等、充実はしてきておりますけれども、まだ必ずしも十分なものとは言えないのではないかというふうに考えております。  その中身といたしましては、たとえばでございますけれども、銀行の場合に店舗が駅前といったところに集中をする、また採算がとれる地域といったところに集中をして、必ずしも身近なところですべての方々があまねく利用できる状態になっているんだろうか。それからまた、個人と申しますものはいわゆる不時の出費等に備え、あるいはいろいろな不特定の目的のために貯蓄をこつこつとしておられる。そういった個人の貯蓄にふさわしい長期性を持った貯蓄商品が余りないというふうなことがあろうかと思います。  そういうことで銀行は依然として産業金融、これもまた大事なことであることは申し上げるまでもございませんけれども、産業金融が中心ではないか。もう一方にございます個人向けのサービスという面では、まだ十分なものではないんではないでしょうかという気持ちを持っております。  私どもの郵便貯金につきましては、貯蓄あるいは貸し付け、送金、決済といった個人の金融サービスの充実という観点からいたしまして、全国にあまねく存在をし、これは法律にもございますけれども、公平なサービスを提供するという意味で、郵便貯金の果たしている役割りは今後とも大きなものがあろうというふうに考えております。そして先ほど大臣お答え申し上げましたように、官業、民業が共存をしてサービスの充実を図るということが国民のためになるというふうに考えているところでございます。
  66. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) ただいま先生御指摘の点につきまして、二つお答えをいたしたいと思います。  一つは、各金融機関の業態の話でございまして、金融機関は御存じのとおり、普通銀行から組合金融機関に至るまでいろいろ業態がございまして、その中には信用金庫、信用組合等地域に密着した業態の金融機関もある。なお、農協、漁協は申すまでもなく、農村、漁村津々浦々まで地域を営業の基盤として活動しておるわけでございまして、そういった面から言いまして旧来に比べて店舗等が民間の方々に対するサービスという点でかなり充実してきているというふうに思っております。  それから第二点は、各金融機関の店舗についての考え方でございますけれども、私ども行政といたしましてもかなり従来は比べまして自由化という方向で進めておりまして、かなり創意工夫ということもやらせております。先ほどちょっと先生おっしゃいましたように、すべての銀行がいま大きなお店を指向しているというわけではございませんで、簡易な小型店舗、機械化店舗あるいは機械の発達によりまして、いわゆるCD等を各所に設けるというような方向を指向している、あるいは代理店制度を活用するといったかなり多角的な考え方をとってきておりまして、そういう面で従来に比べればずいぶんと個人のお客さんに対する預金サービスというにも力を尽くしておりますし、その面でかなり充実してきているんではないかというふうに考えております。
  67. 和田静夫

    和田静夫君 民間の金融機関に私がいま指摘をしましたような問題があるとするならば、郵貯の果たすべき役割りというのはなお大きいものがあるだろう。  それで、ここのところはもう一遍どうですか、概念的ですがね、銀行局いかがですか。
  68. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) もちろん郵便貯金に期待される役割りが今後もあるということは当然でございまして、それは郵貯法に基づいて、先ほど来大臣からも御答弁が再三あっておりますけれども、少額で簡易な貯蓄手段を提供することによって、政府の立場を守りつつ適切な役割りを果たしていただくということについては私も全く同感でございます。
  69. 和田静夫

    和田静夫君 この臨調答申の、「民間金融機関が過保護な金融行政の下で預金者のニーズに適切に対応してこなかった」と述べているわけですね。このくだりというのは、金融行政が過保護であったこと、それから民間の金融機関が預金者のニーズにこたえてこなかったというか、こたえ切らなかった、そういう二点を問題にしていると思うんですが、ここのところは銀行局としてはどういう見解をお持ちですかね。
  70. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 従来の金融機関のビヘービア、あるいは銀行行政そのものが個人金融あるいは個人に対して全面的に正面切った形で対応してきたかどうかという点につきましては、臨調の御指摘にもありますが、百点満点であったというふうには私どもも考えておりません。今後とも大いに努力すべき点はあるのであろうというふうに考えておりますけれども、しかし全く背を向けておった、あるいはそれは何か意図的にそうやっておったかということであると、それはそれなりの理由があったと思います。と申しますのは、戦後日本の経済が復興から成長へという過程をたどっていく上において、国民経済全体として金融に果たすべき役割りとして一番期待されておりましたことは、やはり産業の各部門に資金を投入いたしまして国全体を引っ張り上げていくということが、有形無形で暗黙の合意となって国の政策が営まれておったということでありまして、金融機関の活動も、おのずから産業金融の分野に中心を置いて仕事をしてきたということでございまして、そのこと自体はそれなりに評価されるべきことであるというふうに考えておりますし、そのために資金が金融機関につつがなく吸収される、その吸収されるお金が全く安全であるというようなことも、金融の問題としては大切でございます。  その点、銀行行政としてはまず第一義的に預金者保護ということを頭に置き、そのためには金融機関の経営も、戦後体力もかなり弱まっているということもありまして、金融機関経営の強化を通じて預金者保護を図ると、そういう行政運営をやってまいったわけでございまして、それはそれなりに、時代時代の要請に応じて行政をやってきたわけであるというふうに私は考えております。ただ、世の中の移り変わりとともに金融機関の営業の重点の置き方、あるいは銀行行政のウエートの置き方等も弾力的に考え直していかなければいけないということは当然のことであろうというふうに思っております。
  71. 和田静夫

    和田静夫君 なお、二、三銀行局に関連してお聞きしますが、臨調答申が、「民間金融機関も、競争がより一層促進されることによって経済社会の変化に対し高い適応力を持つべきであり、そのための施策が強力に進められなければならない。」、こういうふうに述べてます。そうすると、私は経済社会の変化に適応力を持つことは当然であるといたしましても、金融機関の場合は一般の産業のように、自由な競争にゆだねられるということができるのだろうか。自由競争というのは、一面では倒産の自由も持っているわけですから、金融機関の企業間競争のあり方というのを考えてみたいんです。特に、昨年私もずっと調査してきましたが、アメリカで銀行が倒産をする、ドイツでも倒産をするという時代ですから、預金者保護あるいは金融秩序という観点から、これどうなんでしょう。
  72. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) ただいま先生御指摘の問題は、私ども銀行行政にとって現在一番中心の課題、取り組むべき課題というふうに考えておりまして、金融の自由化というものをどういうふうに受けとめるべきか、それが今後の金融機関の業務活動にどういう影響を及ぼすか、あるいは適正にそれに対応していくにはどうすればいいかということは、一番の課題として金融制度調査会にも諮って、現在鋭意検討をお願いしているわけでございますけれども、まだその検討の途中段階でございます。しかし、その検討の中からにじみ出てます方向は、先生おっしゃるとおりに、いろいろ国際化あるいは金利の自由化ということで、方向としては好むと好まざるとにかかわらず金利も含めまして自由化の方向に向いていくということは否定できないけれども、それは野放しであっていいというふうにも言えないと、そこは金融秩序あるいは金融機関の果たすべき役割りを阻害するような形での自由化の流れというものを野放図に受けとめてはならないのではないかというような御指摘もございまして、全体的に自由化をどういう形で日本経済の金融の中に定着させていくのがいいか、あるいはその持っていき方も当然のことながら漸進的であるべきであるし、強い者の論理がそのまままがり通るということであってもいけないということで、所々気配りをしながら、タイミングを見はかりながら推し進めていくべきであるというふうに、これはやや途中段階の検討ではございますけれども、私が受けている印象はそんなところでございます。
  73. 和田静夫

    和田静夫君 臨調答申がこの定額郵貯の金利を金利自由化の観点からも問題にしていますね。そうしますと、定額貯金の金利が高いのかどうかということですけれどもね、これは郵政大臣何かお考えをお持ちでしょうか。どういう判断をお持ちでしょうかね。
  74. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 最近におきましては、規制金利下にございます預貯金金利、それと市場実勢を反映をいたしました高利回りの新種商品であります、具体的な名前を挙げて申しますとビッグあるいはワイドといったものとの間に、金利格差がかなり大きくなってきております。数字で申し上げますと、現在定額貯金の一番高い金利、これは預け入れ期間が三年以上の場合でございますが、これが年六・〇%でございます。これに対しましてビッグ、いわゆる貸付信託でございますが、年間年率にいたしまして七・五二%、それから利付金融債を商品にいたしましたワイドと申しますものは年七・五〇%と約一・五〇%の差がございます。それからまた銀行等の期日指定定期預金、これと比較をいたしました場合にも、三年までの期間につきましては期日指定定期預金が定額貯金よりも有利になっていると、こういう状況でございまして、いま申しました市場実勢を反映をしました高利回りの新種商品あるいは期日指定定期預金を比較いたしまして、定額貯金は格別に有利なものではないというふうに考えております。
  75. 和田静夫

    和田静夫君 大蔵省はどうですか、これ。
  76. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 定額貯金の金利が高いか低いかという問題は、金利だけの話で判断すべきものかどうかということでございますが、それはやはり全体の商品として総合的に考えると、さらにどういう貯蓄者に向けられてこの商品が考えられているかという二点に分けて考えてみますと、定額貯金の場合は国の信用をバックにいたしまして流動性、これは半年据え置き後はいつでも引き出せると、流動性の問題。それから安全性については、国という絶大の信用力があるという点で民間の預金とは差があると。さらには、いまの利回りのお話でもありましたけれども、かなりいい利回りになっておるということから見まして、総合的に見て定額の郵便貯金は普通銀行が扱っております定期預金よりもかなり魅力のあるものであろうというふうに考えております。  それから、いま郵政省の方からお話がありましたビッグとかワイドとの比較におきましては、利回りで考えれば御指摘のとおりでございますけれども、先生御承知のとおり、日本の金融機関はそれぞれかなり業態別に機能を分けて活動をしております。ビッグとかワイドというのは長期専門の金融機関でございまして、それの資金調達は店をたくさん持つかわりに、こういった債券あるいは信託といった形でお金を集めると、店はかなり限定的に制限しておりまして、そういった形で業態間の競争のバランスをとっているという点がございます。そういう点から考えますと、単に利回り比較で云々ということよりも、さらにそれを販売する店舗網との比較ということも含めて、この商品の評価が考えられるべきであろうというふうに見ております。
  77. 和田静夫

    和田静夫君 預貯金金利と物価上昇の関係なんですが、現在のような物価上昇水準ではまだしも、今後物価が上昇するような事態、いま予算の総括でも、また二十八日の一般でも大蔵大臣ともっと突っ込んだ論議をするつもりでいますけれども、たとえば大型間接税の導入などというようなものも、そういう一因になるだろうということを考えて論議してきたわけですけれども、今後も物価上昇が見通せますよね。そうすると、預貯金金利と物価との関係というのはやっぱりかなり深刻に考えておく必要がある、十分に慎重に考えておく必要があるといいますか、その辺の見解は何かお持ちですか。
  78. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 預貯金金利のレベルを考えますときには、先生御指摘のように、物価も当然かなり大きなファクターとして考えざるを得ませんし、そのほか、そのときの資金需給の状態はどうであるか、これはもちろん考えるべきファクターと思っております。さらには、そのときの景気の状況、局面というものも金利レベルを考える際にかなり大きな要因になるということでございまして、私ども金利を考えます場合には、特に預金金利を考えます場合には物価とともにいま申したほかの要因等も総合勘案して、さらに預金者に対してどのくらいの、利益還元と申してはちょっと語弊がございますけれども、収益配分の中で適正な配分をする——収益配分と申しますとやや語弊がございますけれども、資金の需要者に対してもできるだけ良質の資金を供給するということも金融機関の一つの使命でございますから、その中間に立って、もちろん金融機関の経営努力で金融機関が中間として得るマージンはできるだけ圧縮されるべきことが大切でございますけれども、資金の需要者と供給者との間でどういうぐあいにそれぞれ果実を分けるのが適正であるかという観点も含めまして検討をしておるというところでございます。
  79. 和田静夫

    和田静夫君 郵政省にもちょっといまのことで見解を承っておきます。
  80. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 郵便貯金の利率につきましては郵便貯金法に規定がございまして、これは政令で利率を定めることになっておりますけれども法律規定では、郵便貯金の利率は預金者の利益の擁護及び民間金融機関の預金利率との均衡を配意して定める、こういうことになっております。先生御指摘の消費者物価上昇率につきましては、郵便貯金の場合特にその大部分、九九%を超えるものが個人の預金者を対象にしております。そういった点から、個人の預金者の利益に特に大きな影響を及ぼすものでございますので、この消費者物価というものが郵便貯金の利率を改定する際の重要な要素の一つである、ファクターであるというふうに考えております。
  81. 和田静夫

    和田静夫君 実は私、ここの問題で論議したいのは、マネタリストやあるいはFRBがとっている実質金利という考え方ですね、物価上昇率を金利決定に際して勘案をしていることの証左だろうと思うんですけれども、それはそういうふうに考えておいてよろしいですかな。
  82. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 具体的に、詳細にマネタリストの考え方を熟知しているわけではございませんけれども、金利を考える際に大きなファクターとして物価を考えなければいけないということは、あるいはそういうことを含んで言っておるのであろうということは推測できるところであります。
  83. 和田静夫

    和田静夫君 それで、ちょっと重ねた伺い方で恐縮ですけれども、預貯金金利というのは実質金利の水準で議論をすると、議論をすべきだと、私はそう考えているんですが、それはそれでいいですか。
  84. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 実質金利だけに限定して、それですべてであるというふうにも私ちょっと断定しかねます。
  85. 和田静夫

    和田静夫君 郵政省にも同じような質問でお考え方を聞いておきたいんですが、いまさっきあなたの答弁で言われましたように、局長答弁で言われましたように、庶民の零細な貯金を守るには私は実質金利で考えるべきだ、どうですか。
  86. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 私どもの考え方は先ほどお答えをいたしましたとおりでございますけれども、消費者物価、現在の状況、最近の状況は先生御指摘のとおり安定をいたしております。ただ過去の状況を見ました場合に、いわゆる狂乱物価といったような状況の際には、必ずしも実質というふうな形で考慮できないようなケースもあったわけでございますけれども、基本的にはやはり、私ども郵便貯金の利率というものが物価上昇率との関係において非常に重要なこれが要素になっておりますだけに、この郵便貯金の利率を考えます場合に、物価上昇率というものが極力低い状態にあるということが望ましいと考えていることは間違いございません。
  87. 和田静夫

    和田静夫君 定額貯金の平均の預け入れ期間、それはまずどれくらいですか。
  88. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) その時々によりまして多少の変動がございますが、ただいまの状況では約四年でございます。
  89. 和田静夫

    和田静夫君 その場合の金利は何%ぐらいになりますか。
  90. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 定額貯金は私どもの郵便貯金の中の大きなウエートを占めている商品でございますけれども、いわゆる個人の貯蓄にふさわしい商品ということで、六カ月の据え置き期間経過後十年間、六カ月の据え置き期間と十年の預け入れ期間という形で提供いたしております。したがいまして、その金利はお預け入れになりましたときに決められております金利でおろしていただくときの金利が決まってくるということでございまして、一律にはお答え申し上げられません。ただ、いつに預入されたものがいまどういう金利であるかということは当然確定をいたしております。
  91. 和田静夫

    和田静夫君 平均的には出ないですかな。
  92. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) ただいまでございますと、四年後には六・六七%の利回りになります。具体的に申し上げますと、十万円お預けになりました場合の四年後の元利合計が十二万六千六百七十六円ということに相なります。
  93. 和田静夫

    和田静夫君 銀行局あれですがね、私はどうも金利自由化論者というのは、金利自由化を美化し過ぎてないだろうかという感じがしてしようがないんですよ。マーケットメカニズムをどうも美化しているんじゃないだろうかという疑問を非常に持つんですが、これは私は銀行法改正のときだってかなり突っ込んだ論議をさせていただきましたからあれですが、金利自由化、特に預貯金金利の自由化に対して預金者保護の立場から慎重でなければならぬことは当然のことであります。金融機関の立場からいっても、中小の金融機関に対する配慮というのが非常に必要なわけですね。考えなきゃならぬと思うんです。  そこで、お尋ねをいたしますが、昭和五十四年の六月の金融制度調査会の答申なんですが、この金融制度調査会の答申、あれは「普通銀行のあり方と銀行制度の改正について」というやつでしたが、全体として自由化の方向を指示しつつも慎重な姿勢をとったのは、その意味で私はゆえあることだと思っているわけです。一般論として、一般の商品の価格形成といいますか、一般の価格形成についてプライスリーダーがあるわけですから、それと同じように金利の場合もプライスリーダーが形成される。そして、そのプライスリーダーは都銀大手になるんだろうと、そういうふうに想定をしていますが、ここのところはどうです。
  94. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 金利の自由化一般について申し上げますれば、私どもも自由化そのものが目的であり、あるいは自由化そのものが結構なことであると、何か大変いいものであるというふうには認識しておりません。むしろ自由化というのは政策的に推し進めなければいけないとかいうような見地よりも、むしろ今日の客観的な環境と申しますか、国際的な内外資金の交流、あるいは先生御承知のとおり、ここ数年来預貯金という形ではない金融資産、ボンド類が非常にふえておるわけでございまして、これは事の性質上、一遍マーケットに発行されれば、そのときどきの資金の需給等に応じまして自由な金利がついて売買される商品でございますから、それの影響を預貯金等が受けざるを得ないわけでございます。したがいまして、そういったむしろ外側の環境にどうやってうまく適切に対応して金融機関本来の役割りを果たしていくか、あるいはそういうような環境のもとで預金金利がどういうふうにあるのが一番適当であるかという道を模索しておるわけでございます。  小口の預金金利について申せば、確かに先生もおっしゃるように、完全に自由にした場合にどうなるかという問題もございますし、それで少額の貯蓄者にとって適切な環境が生まれるのかどうかということも十分検討しなければいけないわけでございますけれども、外側の動きに全く目を閉ざしていて、いままでと同じような金利のあり方でおれるかどうか。もし、いままでと同じような金利のあり方でいた場合には、むしろ少額の貯蓄といえども債券の方にお金が回っていくというような現象が大きく生じないだろうか。その場合に、国全体の直接金融と間接金融のあり方、個人貯蓄のあり方、お金の循環がそれでいいのだろうかというようなことも展望しながら考えておるということでありまして、いまの時点に小口の預金までも含めて完全に自由化してしまうということが、自由化であるがゆえに大変結構であるというふうには思っておりません。
  95. 和田静夫

    和田静夫君 郵政省、何か見解ありますかね、いまのところ。
  96. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 私どもも、金利の自由化あるいは金融の自由化につきましては、これまで金融の国際化、そしてまた国債の大量発行といった状況の中から、自由化自体が避けられない方向であるという認識は持っているわけでございますが、その認識のもとで、郵便貯金としてこうした情勢にどう対応していくかということについては模索をしている状況にございます。もちろん、個人の、多くの国民の利用者方々の御利用いただいております郵便貯金といたしまして、こうした情勢に的確に対応していかなければいけないというのが基本的な気持ちでございますけれども、いま御指摘ございましたように、自由化につきましては個人預貯金金利がどういうぐあいになっていくかという点が私どもの最大の関心事でございます。ただ、この自由化につきましては、現在、先ほど大蔵省からもお話がございましたように、各方面で検討がなされている段階でございまして、非常にむずかしい問題があるわけでございます。ただ、個人と申しますものが金融機関に対しまして弱い立場にあるということから、適切な市場原理が働かないおそれも出てくるのではないか。もちろん、一面で、これまで低金利政策ということで低位に規制されてきました個人の預貯金金利が、自由化によってあるいは合理的な金利を実現する余地というものもあろうかと思いますが、一面では、いま申しましたような懸念もあるわけでございます。  そうした中で、私どもといたしましてはどういうふうな対応をするかということでございますけれども、私ども、こうした自由化傾向に対応するための一つの考え方といたしまして、資金の直接運用ということを主張いたしておるわけでございます。この中で、自由化との関連におきまして郵便貯金のシステムを市場の原理に乗せ得るのではないか、これもまだどういう形になるか明確ではございませんけれども。ただその場合に、直接運用をいたしましても、公共債あるいは財投機関といったものへの融資というふうに限定をして、郵便貯金資金の性格を反映した運用をしていきたいと考えておるわけでございまして、先ほどちょっとプライスリーダーというふうなお話が出ておりましたけれども、仮に私ども直接運用をいたしました場合にも郵便貯金がプライスリーダーになるというふうなことはないというふうに考えております。
  97. 和田静夫

    和田静夫君 いま言いました金融制度調査会の答申というのは、「預金金利については、規制を解除した場合その過程において大きな混乱を生じさせるおそれがあること及び郵便貯金を含めての弾力的かつ整合的な金利の運用が行われ難いこと等にかんがみ、必要な範囲の規制を残す」というふうにしているわけですが、ここで言われているこの「必要な範囲の規制」ですね、この「必要な範囲の規制」というのは、これはどんなものを想定したらよろしいですか。いかなることを想定したらよろしいですかね。
  98. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 御承知のとおり現在の金利の規制のやり方は、臨時金利調整法に基づきまして大蔵大臣が最終的には告示をするという形でやっておりますが、どういう対象の預金について規制を残していくのが適当かという観点から考えました場合に、いま申された必要な——たとえば必要なというのは、現在でも預金の中では譲渡性預金というのがございますけれども、これはすでに規制から外れておりまして自由な金利がついておる。あるいは外貨預金というのも、これは海外の金利をビビッドに反映するものでございますので、その金利の規制から外れているというぐあいに、過去に比べますと状況の変化に対応して規制の範囲を徐々に縮小しているということがあるわけでございまして、そういう点にも着目して、今後必要な規制は残すけれども、外していっていいものは外していくという方向を考えるのも、しかるべきではないかという意味合いも含まれているのではないかというふうに思います。
  99. 和田静夫

    和田静夫君 郵政省と大蔵省の両方にお尋ねをいたしますが、この現行の郵貯金利決定方式なんですがね、この金利決定過程に不整合をもたらす、あるいは機動性を損なうという指摘ですね、この指摘についてはどういう見解をお持ちでしょうかね。
  100. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 預貯金金利の決定方式でございますが、先ほどもお答えをいたしましたように、現在郵便貯金法がございます。この郵便貯金法の規定によりまして、私ども政令で郵政審議会にお諮りをして金利を決めているわけでございます。先ほど申しましたように、「郵便貯金が簡易で確実な少額貯蓄の手段としてその経済生活の安定と福祉の増進のためにあまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意し、その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う」というのが一点。そして、「あわせて一般の金融機関の預金の利率についても配意しなければならない。」、これが二点目でございます。この二つに基づきまして私どもの利率を決定をいたしているわけでございます。いま申し上げましたような原則によりまして対応をいたしているわけでございます。  先ほども御質問がございましたように、消費者物価が著しく上昇をしているというふうな場合におきましては、先ほど申し上げましたような預金者の利益あるいは景気の動向等いろいろな要素についての関係の向きとの間の意見調整が必要でございます。そうしたことで若干の日時を要したというふうなことはございますけれども、機動性云云というふうなことでの特段の食い違いがあったと私どもは認識をいたしておりません。
  101. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 金利決定のメカニズムは、いま郵政省が申したように、郵便貯金は郵政審議会に諮って決められるわけでございますし、民間の金利は大蔵大臣告示で決まっていくという形でございます。預金金利を動かす場合には、先ほど来からの御質問にもございますように、私ども物価のみならず景気政策の面からもいろいろ考えるわけでございますので、全体的な金融政策という観点から考えて、預金金利を、民間の預金金利がしかるべき方向に動いていった方がいいというふうに判断した場合に、現状のように郵便貯金の金利が違った立場で決められるということでありますと、もちろんお話はいたしますけれども、その間においていろいろ調整に時間を要するということも過去あったことは事実として否めないと思います。最終的には調整はつきますけれども、金融政策の機動的タイムリーな運営という面から見て、これまでやや時間がかかり過ぎたなあということがございました。そういうことの反省もございまして、例の三大臣合意等によりまして、運用については十分気持ちを合わせてやっていくようにというふうな形で閣僚ベースでも整って、今日では運営しておるわけでございます。ただ、つけ加えて申し上げさしていただければ、郵政省の場合はどちらかと申しますと、それは法の精神でもありましょうけれども、個人貯蓄者の利益ということをもっぱら正面に置いて考える。私どもはそれも大切であるけれども、預貯金金利といえども全体の国の金利体系の中の一環として、しかもその金利体系あるいは金利バランス、金利の関係というのは、それを通じて経済政策を行う場合の連環の一つでございますから、そういう観点も含めて考えなければいけないわけでございますので、そこのウエートの置き方に差が出ることは政策運営として決して好ましいことではないというふうに考えておりますから、私どもの気持ちといたしますれば、制度的にも弾力的、機動的に動く形のことが担保できれば大変ありがたいことであるというふうに考えております。
  102. 和田静夫

    和田静夫君 大臣、いまの両方から答弁いただいたんですがね、確かに以前公定歩合引き下げの際に郵貯の金利が機動性を、何といいますか、妨げたということがあったですかね、最近はこれどうでしょうね。
  103. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) いろいろ過去に経緯があったわけでございますが、五十六年の九月の三十日に三大臣合意というのがあったわけでございまして、「民間金融機関の預金金利が決定、変更される場合には、郵便貯金金利について、郵政、大蔵両省は十分な意思疎通を図り、整合性を重んじて機動的に対処するものとする。」という合意ができておるわけでございまして、私どもとしてはこの合意を尊重をしていくということは当然のことでございますので、今後の運営については何ら心配する事態は起こらないというふうに考えております。
  104. 和田静夫

    和田静夫君 ちょっと若干問題を外すんですがね、せっかく銀行局お見えになった機会でありますのでお尋ねしますが、三重県と奈良県の県境に台高山脈という山脈が走っていまして、この山脈の中に国見山という山があって、この山の北斜面、三重県飯高町ですが、この国見山の北斜面に二百五十七万五千九百七十二坪の土地があるわけです。この土地は防衛庁が将来レーダー基地を青山高原から移すんではなかろうか、ナイキハーキュリーズの基地にするんじゃなかろうか、いろいろ言われているんですけれども、そこのところをきょう問題にしようとは思っていませんが、昭和四十七年十一月に大末建設がこれを購入しているわけです。これは謄本があります。そして、この土地に対して昭和四十九年七月に三和銀行が七億円の極度額で根抵当権を設定したわけですね。そして四十七年に大末建設が購入したときの坪の単価というのは七十円なんです。したがって、総額では一億八千三十一万円。つまり一億八千万円で購入した物件に七億円の根抵当権が設定をされている。さらに、この大末建設というのは末広不動産というところに昭和五十三年の十二月にこの土地を売却するわけですね。そして、大末建設、末広不動産、これは二つとも三和銀行のダミーなんですね、系列会社ですよ。そうすると、私はこの告発を見てみまして、時間もまだ十分ありませんからあれですが、どうも、三和銀行は、さらにこの謄本によりますと五十四年八月にこの土地に十億円の根抵当権をつけているでしょう。これはどういう仕組みなんだろうと思ってるんですよ。七億円をつけておいて、そして自分のダミーの大末建設から末広不動産に移しておいて、今度はそこに十億円の根抵当椎を設定する。ここのところはきのうの夜になってからの通告ですからあれですが、確認をされましたでしょうか。
  105. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 昨夕そういう御指摘がございましたので、現在、銀行に問い合わせ、事情を報告するようにと申しております。ただ、事実関係につきましては、電話で聞いた限り、先生のおっしゃるとおりのようでございます。
  106. 和田静夫

    和田静夫君 そこで、私は、どうもこの二つの融資というのは三和銀行が系列企業に対して行った情実融資ではないんだろうかということを、直観的にそう思ったんですがね。また、もし防衛庁、これは後ほど、実はもう予算委員会の時間がなくなってきているもんですから、予算委員会でやるかどうかわかりませんが、防衛庁は予定の土地として考えていることがある意味では漏れる、漏れたこととの兼ね合いにおいて限度額が上がっていくというようなことになってくると、これはまた別の問題も発生しますが、私は、とにかく情実融資の疑いが非常に強いと思うんですが、厳密に調査をしていただきたいと思いますが、よろしいですか。
  107. 岡崎洋

    政府委員(岡崎洋君) 事実関係あるいは本件の経緯等十分聴取いたしまして、しかるべき形で御説明させていただきたいと思いますが、何分にも個別案件の話でございますので、その取り扱いにつきましては御相談をさせていただきたいと思います。
  108. 和田静夫

    和田静夫君 理財局ですが、財投の性格が低成長に入りまして著しく変わってきています。産業関連融資、民間金融の補充なんですが、という性格から、国と地方の財政の資金繰り機関になってきているんじゃないかという指摘があるわけですね。日経の試算を、これは八三年二月十八日ですが、五十七年末は四六・二%が資金繰りに使われていると、こういう報道になっているんですが、この点は確認されますかね。
  109. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 財投と申しますか、資金運用部資金と申しますか、そういった財政関係の融資の中身が、大きく分けますと、いわゆる財投、つまり公社とか公団とか、そういったところに対する資金供給のほかに、国の一般会計、つまり国債という形でございますが、そういったものへの資金供給、それから地方財政、これは二つございまして、地方債という関係、これは財投の中に入っておりますけれども、それと交付税特別会計への資金供給、こういったものの三つがございまして、ここ数年あるいは十年ぐらいの傾向をとってみますと、国債という形での一般会計への資金の供給といいますか、それと地方財政関係の資金供給のウエートが上がっていることは事実でございます。
  110. 和田静夫

    和田静夫君 この資金繰りの中でも問題なのは国債の引き受けであって、五十七年末で長短合わせて運用部資産の一六%強が国債の引き受けに使われている。これもそうでしょうね。
  111. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 残高ベースで申しますと、五十六年度末、御指摘のとおり一六%になっております。
  112. 和田静夫

    和田静夫君 けさの日経の社説でもあれですが、三月の長期国債の応募者利回りがいわゆる事国逆転である、民間の事業債利回りを上回ることになったというのは、これはどういう理由でしょう。
  113. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 国債の条件につきましては、御承知のとおり、毎月の発行に際しましていわゆるシ団と交渉と申しますか、相談と申しますか、して決めていくわけでございます。一方、事業債の方の発行条件は、発行体であります電力会社等の事業会社とそれから幹事証券会社等々で相談して決めてまいるわけでございます。いずれも、公社債市場がかなり発達をしておりまして、新たに発行する国債、事業債の条件は、市中において売買をされております既発のものの流通利回りとほぼ同じレベルに設定をいたしませんとなかなか売れないわけでございます。そういったことで国債、事業債とも、それぞれいま申し上げたようなことで相談をして、その都度決めていくわけでございますが、流通利回りの状況を見ますと、国債と事業債の流通利回りがかなり接近をしてきております。特に流通利回りが決まってくる要素というのはいろいろあると思いますけれども、直利志向が強い。つまり流通利回りなり発行利回りがどうやって計算されるかと言いますと、一つは直利でございます。もう一つはアンダーパーの部分がございますので、それの両方で決まってくるわけでありますが、その中で直利志向が非常に強いということもありまして、三月債発行の時点では事業債の流通利回りとそれから国債の流通利回りが逆転をするような事態がときにあったわけでございます。そういったことで実際の発行条件が決まったものを比較いたしますと、国債のいわゆるフィールドの方が事業債よりも高くなってしまったという事態が起こったわけであります。
  114. 和田静夫

    和田静夫君 その事国逆転という現象は、不正常な事態であるという認識でしょうか。
  115. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 正常、不正常という言い方が正しいかどうかわかりませんが、通常、国債は国という非常に信用の高い発行体から出されている。事業債ももちろんかなり信用の高い企業から出されるわけでございますが、そういったことからいって、通常の状態であれば国債のフィールドカーブの方が事業債よりは低く出ているのが普通でございまして、過去においても大体そういう状況で推移してきたわけでございます。
  116. 和田静夫

    和田静夫君 国債の応募者利回りが上昇しますと、他の長期金利が上昇する、そういうメカニズムも働きますわね。大蔵大臣は公定歩合を下げられるということで、非常に熱心で答弁をされているようでありますが、これでは長短金利差が広がるばかりじゃないかという、そういうことはありませんか。
  117. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 長短金利差の問題は、実は私どもプロパーの問題ではございませんので、必ずしも十分にお答えできるかどうかわかりませんが、最近の国債の流通利回りの上昇、一つは、国債の発行額が非常に大きいということもあって、他の事業債の利回りとかなり接近をしているという面はあると思います。そういった意味で、これから相当長い期間かかると思いますけれども、国債の発行額をできるだけ抑制的に考えていくというようなことも必要だろうかなというふうに考えております。
  118. 和田静夫

    和田静夫君 その長期国債について、公募入札方式をとるべきだという意見がありますね。どういうふうにお考えになっているわけですか。
  119. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 御承知のように、昭和四十年に国債が初めて発行されました。そのときには全部をシ団引き受けという形でやっていたわけでございますが、その後いろんな形の消化を考えなければいけないということで、中期国債というものをいま出しております。その中期国債については、いわゆる公募入札という方式で発行をするようになってきております。だんだんこの公募入札で発行する中期国債のウエートは上がってきておりますが、あるいは先生の御指摘は、いまシ団引き受けをしております十年国債についても、公募入札をやったらどうかという御指摘かとも思いますが、この点につきましては、やはり発行量との関係もございますし、にわかに公募入札というわけにはなかなかまいらないのではないかというふうに考えております。
  120. 和田静夫

    和田静夫君 臨調の答申で、財政投融資について情報公開をすべきだとして、三点にわたって提案されているわけですね。百九十二ページなんですが、これは全部やられると承っておいてよろしいですか。
  121. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 財政投融資の関係につきましては、従来からその計画につきましては予算と一緒に国会で議決をいただいている。それから、実績につきましても、いろんな形で公表しておるわけでございますが、臨調の御指摘は、もうちょっとわかりやすい形で情報公開というものを考えたらどうかということではないかというふうに考えております。どういうことを考えればいいのか、財政投融資については、ほかにもいろいろ臨調から御指摘を受けておりますので、それらを含めてこれから検討を進めてまいりたいと考えております。
  122. 和田静夫

    和田静夫君 最近の傾向というのは、本来一般会計で支出した方が望ましいもの、あるいは支出すべきもの、そういうものが財投に流れているという批判があるわけですが、しかもそれは赤字隠しではなかろうかと。この点について理財局の見解
  123. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 財投と申しますか、その資金、運用部資金についての需要はいろんな形のものがございます。先生御指摘一般会計の赤字なりあるいは本来一般会計が持つべきものを財投で持っているものがあるのではないかという点、具体的にどういうものというのはいろいろ意見が分かれるところでありますが、よく言われている、たとえば住宅金融公庫の利子補給金のようなものがあるいは御指摘の具体例かと思いますけれども、これらにつきましては、一方で一般会計が現在のような財政状況にございます。住宅金融公庫の利子補給のようなものも、これは一昨年でありましたか、制度改正がございまして、将来にわたって余りふえないようないろんな手だてが講じられております。ところが、この一、二年の時期だけをとらえてみますと、金利が非常に高かった時期の借り入れが多いというようなこともあって、利子補給の額が非常に多いわけでございます。こういったものをある程度の期間をかけて、平準的に一般会計から払っていくということもまあ一つの財政の考え方として全く否定し切れない面がございます。そういった形をとりますと、結果的に、その額だけ財投がふくらむということになるわけでございますが、そういった意味で、この数年の財政運営のあり方として出てきたものであるというふうに考えております。
  124. 和田静夫

    和田静夫君 国債の引き受けに関してですね、大蔵省が発行して大蔵省が引き受けるという形では歯どめが失われるんじゃないか、そういう批判があるわけですが。
  125. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 大蔵省が発行して大蔵省が引き受けるということでございますが、発行の主体は国の一般会計でございますし、現在それを引き受けておりますのが資金運用部ということでございます。ですから、それぞれの主体がそういう意味では制度的に別のものでございまして、運用部が引き受ける際には、全体としての財投を含めた運用部資金へ対する需要というものを一方で十分に考慮をしてやっておりますし、他方で、もちろん市中の金融状況等も見ながら、運用部としてどれだけ引き受けるのが本年度として適切かというサイドからの検討も十分に行っておりますので、おっしゃるような意味で歯どめがなくなってしまうんではないかということはないと私ども考えております。
  126. 和田静夫

    和田静夫君 郵政省ね、財投原資の調達者であるわけですがね、いままでの論議を踏まえてどういうような見解をお持ちですか。
  127. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 郵政省といたしましては、いま先生御指摘のように、私ども資金運用部資金の最大の原資供給者でございます。現在の資金運用部の資金残高の六割を占めるのが郵便貯金でございます。そういった意味、もちろんこれは利用者、国民の方々からお預かりをした大事な資金ということでございますので、その意味におきましても、運用状況について重大な関心を持っているところでございます。国民が健全な資産形成を目的として行った個人貯蓄の集積という意味で有償の資金でございます。そういうことで確実有利に運用する必要があるというふうに考えておりまして、資金運用部において資金の運用をするに際しましても、こうした趣旨が十分に生かされるように強く望んでいるところでございます。  なお、先ほど御指摘のございました、運用者が国債を引き受けるという点でございますけれども、私どもが考えております直接運用、これはいろいろな要素がございますけれども、私どもが直接運用をさせていただくといたしますと、先生御指摘の国債の発行者と引受者が異なる形に相なりまして、その間にチェック・アンド・バランスが働くというメリットも直接運用の一つの要素として浮かんでこようかというふうに私どもは考えております。
  128. 和田静夫

    和田静夫君 大蔵省、運用部引き受けに関してですね、国債の。やっぱり何らかの歯どめが必要である、年来そういうことを言ってきましたけれども、制度的な歯どめが必要なんじゃないだろうかと、そういう観点で大蔵委員会でも何遍も論議をさせていただきましたが、たとえば発行条件を市場の実勢に合わせるとか、あるいは引受主体を別に求めるというようなことを制度的にするとか、そういうような工夫があってしかるべきじゃないかと思うんですがね、いかがでしょう。
  129. 佐藤徹

    政府委員(佐藤徹君) 運用部でどれほどの国債を引き受けるかにつきましては、いま国債の発行額が非常に多いこともございまして、民間の金融機関サイドからはもっとたくさん引き受けてくれ、運用部で、という御要望が強いわけであります。  一方、資金運用部の立場からいたしますと、やはり本来の財政投融資についての資金需要がまだかなり根強いわけでありますし、それから先ほど申し上げましたように地方財政についての資金需要もございますので、それほど大きなものを国債引き受けに充てるわけにはいかないという事情がございます。  そういった点をいろいろ勘案をいたしまして、毎年引受額は決めておるわけでございますが、この決めるにつきましては、やはり資金運用審議会等にお諮りをして決めておるわけでありまして、おっしゃるような制度的な歯どめというのはどういうものが具体的に考えられるのかでございますけれども、いままでのところ私どもはそう野方図に国債を引き受けてきているというふうには考えておりません。
  130. 和田静夫

    和田静夫君 郵政省、郵貯特会の赤字が急増している。郵貯特会に対してはどうも私は、経理上のずれがあるために隠された赤字が一兆円に達しているという批判があるんですがね、そういうことを金融機関から言われているでしょう、そこのところの解明を求めたいと思っているんですが、この預託金利収入については発生主義、利子支払いについては現金主義と、そういう経理処理されていますか。
  131. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 先生御承知のように国の会計は原則として現金主義がとられております。郵便貯金の特別会計につきましても昭和二十六年の制度創設以来一貫して現金主義を採用いたしておりまして、この経理基準を継続的に適用するということによりまして、事業経営の健全性を判断してきているところでございます。預託率を決定するに当たりまして、収支を参酌する場合にもこの現金主義の収支ということを前提にいたしておるところでございまして、郵便貯金の経営は収入、支出とも現金主義で判断をしておるというのが現状でございます。
  132. 和田静夫

    和田静夫君 一兆円問題は。一兆円の赤字の問題。
  133. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) ただいまの御指摘で、これは発生主義というもう一つの会計原則によってやったらどうであるかということと思いますけれども、経理基準はいま申しました現金主義、発生主義二つございます。当然のことに、この経理基準を変えて経理をいたしますれば、相違が生ずるということは当然でございますけれども、私どもの会計につきましてはこれまで先ほどお話し申し上げましたように現金主義を前提にしてきておりまして、経理基準を変えて計算をいたしました場合に、一兆という数字は私ども耳にいたしたことございませんが、数千億というふうな数字が計算上出てくるというふうな記事は目にしたことがございます。これはあくまでも経理基準を変えた場合の問題ということで、私どもがいま行っております事業運営上の赤字と同一視するわけにはいかないというふうに考えております。
  134. 和田静夫

    和田静夫君 おたくが五十六年の七月に出した「郵便貯金特別会計の経理基準について」の(3)ですね、一ページの2の(3)、説明できますか。
  135. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) ちょっと申しわけございません、資料が手元にございませんのでしばらくお待ちをいただきたいと思います。  手元の資料がちょっと不確かでございますけれども、私どものいま手元にございますのは「発生主義に基づく郵便貯金特別会計の経営について」というタイトルをつけたものでございますと手元にございます。  これでございますと、(3)といたしまして「現金主義と発生主義の利子計上の違いについて」ということで御説明を書いてございますが、ここでは……
  136. 和田静夫

    和田静夫君 ちょっと違ってますからよろしい。私がちょっと質問します。
  137. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) どうも失礼をいたしました。
  138. 和田静夫

    和田静夫君 私はあなたの方の文書に基づいて、五十六年七月の郵政省の文書に基づいてちょっと質問しますが、発生主義をとった場合幾ら欠損金が上乗せされるかというのを、私どもの試算では五十六年度で九千百九十三億円となるんですが、いまこれ論議にならなければ——この辺過去五年間ぐらいの数字というのは出ますかね。これは出るわけですよね、計算すれば出るわけですから。出していただきましょうか。そこをちょっと……。
  139. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 私ども承知をいたしております試算で、発生主義にした場合に約八千億円ほどの累積赤字になるというふうな、これは全銀協のようでございますけれども、試算が行わわれているということは聞き及んでいるところでございますけれども、先ほど申しましたようにわれわれの会計は現金主義でございますが、仮に発生主義によりました場合には、こうした試算が出てくるかなというふうには考えております。
  140. 和田静夫

    和田静夫君 考えていらっしゃるわけですね。
  141. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 私ども先ほどから申し上げておりますように、現金主義によります経理をいたしてきておりますので、この種の試算というものをいたしますことは、それをまた公表いたしますことは、いろいろ数字がひとり歩きをするということで御容赦をいただきたいと思うわけでございます。
  142. 和田静夫

    和田静夫君 はい、わかりました。  そこで、私は実は問題にしたかったのは、あなたの方の説明なんですよ。こういうふうになっているんですね。「郵便貯金事業を現時点で廃止した場合、それだけ利子の支払財源が不足しているということであるが、この前提条件自体全く現実性のないものである。」、こうなっているんですが、私は本当に現実性がないんだろうかということをちょっと思ったものですから、何かあなたの方の論理のすりかえがあるんじゃないだろうか——いや私の見解が間違っておれば正してもらえばいいんですが、正しい会計基準や整合性のある会計基準でいっていらっしゃる、またいくというのはこれは当然のことですがね、郵貯から大量に貯金引き出しが行われるということは、私はあながち非現実的な想定ではないと思っているんですが、ここのところちょっと引っかかったものですからね。
  143. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 私ちょっと正確に記憶をいたしておりませんが、私どもの考え方といたしまして、いま先生がおっしゃいましたようなことをわれわれが申し上げたといたしますと、それは先ほどから申し上げておりますように郵便貯金事業というものが存在をし、これからも存続をしていくであろうという前提のもとで、会計の原則としては二つございますと、その場合の発生主義というものももちろん一つの原則でございますけれども、私ども現金主義ということで会計をいたしております。これは国の会計原則の一般的な原則でもあるわけでございますが、そういった観点からの計算上の問題というふうにとらえておりまして、いわゆる企業的な経営をするということ万般にわたって取り上げるといたしますと、会計的にも発生主義をとる余地はあり得るわけでございます。現在におきましては長い間の歴史的な経緯もございまして、現金主義によって経理をしてきている、そこに計算上の問題はないということを申し上げているつもりでございます。
  144. 和田静夫

    和田静夫君 臨調答申見ていて、いわゆる「郵便貯金特別会計については、当面は現金主義によることとするが、」云々とあって、「発生主義会計に移行することにつき検討を行う。」、これは臨調答申ですね。それではここのところの見解だけ承っておきましょうか。
  145. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 先ほども申し上げましたように、国の会計は原則として現金主義ということでございまして、われわれもう三十年余この経理基準でこれを、経理基準と申しますものは、これを継続的に適用するということが事業経営の健全性の判断の上に必要なことだという側面がございます。そういうことでやってきているわけでございますが、仮に郵便貯金特別会計で発生主義を採用するということになる場合には、私どもは、郵便貯金事業が運用面も含めまして企業的に経営できるような制度の改善を行うということを前提にいたしまして、同時に国の会計全体との整合性を考慮して判断をする必要があるというふうに考えております。
  146. 和田静夫

    和田静夫君 郵政大臣、郵便料金の値上げについてどういう見通しですか。
  147. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 郵便料金の問題につきましては、前回郵便料金の改定をいたしました際に、今後十年間に二回ぐらいの料金改定を行えばおおむね郵便事業の運営に支障がないであろうということを申してきておるわけでございますが、現在の段階で郵便事業についてはまず順調な経営が行われておるわけでございますので、現段階で郵便料金の改定をやるという考え方は持っておりません。
  148. 和田静夫

    和田静夫君 見通しはどうなんですか。
  149. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) お答え申し上げます。  先ほど大臣が申し上げましたように、前回の郵便料金の改定の際に、向こう十年間に二回ばかりの値上げをお認めいただけるならば、二回ばかりの郵便料金の引き上げを実施するならば、それまでの累積欠損金二千五百億円、最高時でございましたが、その根雪を解かして郵便財政を健全化することができるであろうという見通しを立てたところでございます。  その後の足取りでございますが、昭和五十六年度の郵便事業の損益計算は先般国会に御報告申し上げましたが、収益が一兆一千八百六十六億円で、費用が一兆六百九十二億円で、差し引き一千百七十四億円の利益となっております。この結果、昭和五十五年度末の累積欠損金は二千四百九十四億円でございましたけれども昭和五十六年度末におきまして一千三百二十億円と減少しております。  さらに、現在の足取りでございますけれども、五十八年度の予算では五百八十二億円の利益が見込まれる予定でございまして、累積欠損金はさらに七百三十九億円に減少する見込みでございます。  さらに加えまして、現在国会で御審議をいただいております昭和五十八年度の予算におきましては、二百四十六億円の利益を生ずる予定でございますので、五十八年度末の累積欠損金は四百九十三億円にまで減少する見込みでございます。つまり、昭和五十年末に過去の最高の累積欠損金を記録いたしましたが、そのときの累積欠損金の額二千五百十四億円が四百九十三億円と約五分の一にまで圧縮される見込みでございます。  今後とも郵便事業の事業運営の効率的な運営、さらには事業の拡大を図りまして、郵便事業財政が健全な方向に進んでいくように努力をしていきたいというふうに考えております。
  150. 和田静夫

    和田静夫君 けさですが、郵政大臣、電報事業ですが、電報の廃止問題について、けさの報道によりますと五十九年度をめどに夜間配達を廃止して電報料金を引き上げる、そして電子郵便を拡充させる、同時に六十年度以降電報の廃止を検討する、こういうふうに大臣なっているんですけれども、具体的な段取りとしてはどういう見通しをお持ちなんでしょうか。
  151. 小山森也

    政府委員(小山森也君) 本日の新聞に、廃止を含めて全面的に見直す方針を固めたという記載が出ておるんですが、このような事実はございません。ただ、この問題につきましてはすでに国会、行政管理庁等の勧告、それから臨時行政調査会の答申に出ております。それで御指摘されておりますので検討課題にはなっている次第でございますが、まだ明確なそのような検討結果というのは出ておりません。
  152. 和田静夫

    和田静夫君 電電公社総裁総裁としてはこれどういうふうにお考えになっていましょう。
  153. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 私ども電電公社に関する臨調の文言の中に、いま局長が申されたように書いてありますので、どう具体的に対処するかといういま勉強中でございまして、結論は出ておりません。
  154. 和田静夫

    和田静夫君 総裁総裁の立場だからなかなかでしょうが、総裁になられた経緯からいって少し個人的な見解でも何かお持ちでしょうか、ここのところは。
  155. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 行革大綱が出ておりまして、私どもの動くべき方向をきちっと指示されておりますものですから、いまちょっと個人的見解をこの場で申し上げるのは御遠慮させていただきたいと思います。
  156. 和田静夫

    和田静夫君 これまでも郵貯問題について若干の論議をさせていただきましたが、御答弁は臨調答申と比べてかなりニュアンスの違うところもあるなという感じを受けまして、私も少し突っ込んで速記録読みながらもう少し自後に備えたいと思いますが、郵政大臣、今後どのように郵貯改革といいますかな、改革をお進めになるのか、その辺の心構えをちょっと……。
  157. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 私は、臨調の答申は郵政事業の組織、運営、大変広範な答申になっておるわけでございまして、大筋においては臨調答申を最大限尊重しながら、調整を行った上で逐次これを実施に移すものとするという閣議決定に私も異論はないわけでございます。  ただ、郵貯の問題につきましては、率直に申しまして郵貯制度が先ほども申し上げましたように郵貯法に基づいて簡易かつ少額の国民の貯蓄に対して奨励的な、また預金者保護的な制度としてあるものでございますから、答申の中で預金者の保護に関する点についての言及が余りなかったという立場からの御答申をいただいたことについて、私自身としては素直に納得できるという心境にはないということを申し上げざるを得ないと思うわけでございます。  郵貯の今後の運営につきましては、各方面の御意見、また郵政審議会にもこれは意見を間かなきゃいけない課題でございますので、それらの御意見を体しながら慎重に対処をしていきたいというふうに思っております。
  158. 和田静夫

    和田静夫君 日本放送協会に関して若干の質問をいたしますが、五十八年度のNHK予算が大幅な赤字予算として組まれているわけですが、これは郵政大臣としてはどこに赤字の原因があるとお考えになっていましょう。
  159. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) NHKの財政は収入の大宗は受信料でございます。それが頭打ちしておる実態にございまして、ここ数年収入は一%台の伸びしか望めない次第でございます。これに引きかえまして、物価あるいは人件費の増大等によりまして支出は約五%の伸びと、こういう次第になっております。そのような状況のもとで、 NHKとしては効率化の推進、経費の節減等の努力を重ねたと思っておりますけれども、五十八年度事業収支では百六億円、債務償還の借りかえ等で六十四億円、合わせて約百七十億円の赤字を生ぜざるを得なかったと、このように見ておる次第でございます。
  160. 和田静夫

    和田静夫君 この放送衛星BS2の打ち上げ費用が、NHK予算の硬直化を招いているのではないかという感じがしますが、BS2のNHK負担分というのは、これは郵政省、幾らになるんでしょうね。
  161. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) トータルのBS2の費用は六百十億円でございますが、その中には追跡管制の五十億円も含めておりまして、NHKといたしましての負担額は三百六十億円と記憶いたしております。
  162. 和田静夫

    和田静夫君 BS2の目的は、主として難視の解消にある。それはそういうことでしょうか。
  163. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) ただいまの全国難視といたしまして、五十六年度でNHK四十四万世帯の難視、それから五十九年時点で四十二万世帯というふうに算定しておりますが、総合、教育を含めましたこの全国難視の放送衛星によります一挙の解決というのが主たる目的でございます。
  164. 和田静夫

    和田静夫君 BS2の寿命というのは何年ですか。
  165. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) BS2の寿命は五年を目標として製作されております。
  166. 和田静夫

    和田静夫君 その後はどうなりますか。
  167. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) BS2の目的もただいま申し上げましたように難視聴解消と、五年後でございますから六十三年度になるかと思いますが、実用衛星の後継機として六十三年ごろには当然後継機、BS3というふうに仮称しておりますけれども、それを打ち上げる必要があるかと思っております。
  168. 和田静夫

    和田静夫君 BS2の主な目的は難視の解消であると、主としてと、いま言われました。難視世帯の全受信世帯に対する割合ですね、これはおよそ何%ぐらいなんですか。
  169. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) 全国の全世帯数を約三千六百二万というふうに、これは五十五年度十月の国勢調査によるものでございますが、それに対しまして先ほども申しましたように、五十六年度末のNHKの難視世帯数は四十四万世帯ということで、比率といたしましては約一・二%になるかと思っております。
  170. 和田静夫

    和田静夫君 わずかではあるといっても、難視世帯がある以上NHKとしては難視解消に取り組まねばならないという事情は理解しているつもりです。私のところも難視で困っているんだけれども。しかし、これはコストベネフィットからしてどうも著しくバランスを欠くというふうには考えませんか。
  171. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) 先ほど申しました四十四万世帯なり、四十二万世帯の難視でございますけれども、これはほとんど点在いたします。山間に点在している、あるいは辺地、あるいは離島というようなところに実在しているのが実情でございます。そうした場合に今後、現在まで進めてまいりました地上施設による比較ということが当然問題になろうかと思いますが、非常に難視解消の地上局による解消効果というものが下回っておりまして、先ほど計算いたしました四十二万世帯を今後従来方式でやるならば、約千三百億円かかるという試算をしております。それと同時に、またそれを一挙に解決するわけにはまいらないと、地上方式では非常な長年月を要するというふうに考えております。
  172. 和田静夫

    和田静夫君 いや、バランスは欠くとは思っていないということですか。お考えはわかりましたよ。
  173. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) いままでの置局効果に比べまして、今後地上施設によるものは先ほども申しましたように、非常に効率が悪くなるわけでございまして、私どもといたしましては、この際放送衛星の技術を使いまして一挙に解決いたしたいと、その試算として千三百億というふうな数字、あるいはBS2、これはNHKの分も含めましてですけれども、六百十億と、当然それには五年の寿命ということも入るわけでございますけれども、そういう数字といたしまして、より経済的、効率的であるというふうに考えております。
  174. 和田静夫

    和田静夫君 どうもポイントが合いませんけれども、BS2の打ち上げはなぜそれじゃアメリカで打ち上げないんだろうか。いわゆる難視解消を名目としてなぜ一番安い、アメリカの場合三分の一ぐらいになると、こう言われるが、その辺はどうなんですか。
  175. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) いまBS2についての国際価格との比較は数字持っておりませんけれども、BS3につきましての試算はございます。それですと、記憶で少し数字が違うかと思いますけれども、その場合には訂正さしていただきたいと思いますが、国際価格によりますと三百四十億程度ではないかと思っておりますが、これに対しましてトータルで六百億に対します六、四の比率ということで、NHKの負担分ということになりますと三百六十億、もう少しかかるかと思いますけれども、その程度におきまして、NHKの負担分としては事ほどさようにバランスは欠いていないんではないかと。  それに一方、国の施策として宇宙開発大綱によりまして、放送衛星なりあるいは通信衛星に対する技術の波及効果というようなことからしまして、この宇宙技術というものを育成したいという考え方のもとにおきまして推進されておると、そして五年間をかけまして、来年の二月に放送衛星が上がると、ことしの二月には通信衛星を上げたと、そういうふうに理解いたしております。
  176. 和田静夫

    和田静夫君 質問にまともに答えられないから困るんだが、それはまた元へ戻っているんですがね。私はさっき言ったたとえばもっと端的に言えば、四十二万のために三千万受信者が膨大な負担を強いられる、これがまたバランスを欠いてないという答弁になっているんだが、この辺もよくわかりませんし、いま、アメリカに委託して打ち上げた方がもっと安くつくんじゃないかと。三分の一までいかなくても、三分の一程度だと言われているが、なぜその方法をとらずに自分でやるのかという質問に対しては、一向にお答えにならぬし……。
  177. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) わかりましたか、質問に対して答えてくださいということなんですが、答えられるんですか、答えられないんですか。
  178. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) 繰り返しの御答弁になるかと思いますけれども、この放送衛星を打ち上げるにつきましては宇宙開発大綱、国の大綱方針といたしまして推進をしてまいったわけでございます。つまり、宇宙技術といいますか、放送衛星技術を国の施策としてやるんだというもとにおきまして、NHKの負担分が六割と国の負担分が四割という価格で現在、来年二月に打ち上げられる放送衛星に準備を進めておるということでございまして、国際価格に対しましては多少値段の差はございますけれども、NHKの出し分が四百億ちょっとで、それに対する国際価格は三百六十億というふうに記憶しておるわけで、国の宇宙技術、放送技術に対する波及効果というものも考えました場合、特別の差はないものというふうに考えております。
  179. 和田静夫

    和田静夫君 まあ、結局、言われることは、国に方針があるからNHKはそれに従って六割なり七割を負担しても仕方ない、そして国産ロケット開発という別の目的のために協力するんだ、一言で言えばそういうことかな。
  180. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) そのとおりでございます。
  181. 和田静夫

    和田静夫君 郵政省、この問題で答えられる方来ていらっしゃいませんか、決算委員会だから当然来ているだろうな。  アメリカに依頼すると経費どのぐらいかかりますか、安くなりますか。
  182. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) CS3ですか、CS3の場合に国際価格との表を、データを持っております。それにつきまして、先ほど記憶で申し上げたわけでございますけれども、正確な価格につきましては、ただいま持ち合わせませんので、後刻届けさしていただきたいというふうに思っております。  それで、四百億円と三百億円台であるというふうに記憶しております。
  183. 和田静夫

    和田静夫君 百億違うんだな、四百億円と三百億円じゃ。三百六十億としても四十億違う。  まあ、いい、わかりました。後で数字ください。
  184. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) 百億までの差はなかったと記憶いたしております。台で申し上げました。
  185. 和田静夫

    和田静夫君 郵政大臣ちょっと、これ郵政大臣に質問してもいいんだろうと思うんだ。  行革の時代、行革の時代と言われるわけですから——いま正確な数字が出ませんでしたけれども、私の資料とはちょっと違うんですが、出てきてからの話ですが、安い方を選ぶのがあたりまえじゃないんですかな、これは。
  186. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 御指摘のように、アメリカに委託をした方が安く上がるということは事実のようでございます。  ただ、今後の日本の科学技術の開発という観点からいたしますと、単に経済的な選択だけで決めるというわけにはいかない。やはり、政府といたしましては、日本の将来の科学技術の開発ということのためには国産のロケット、国産の衛星を打ち上げるという技術を開発するという必要性があるということで、宇宙開発大綱の中でこのことを決めておるわけでございますから、私は経済選択の問題だけでは片づかない問題であるというふうに心得ておるのでございます。
  187. 和田静夫

    和田静夫君 五十八年度、約百七十億円の赤字予算を組んでおいて、受信料をそのまま据え置くことができるのだろうか、五十九年度には値上げか、値上げということになるとどれだけだ、こうなると思うんですが、どうですか。
  188. 田中武志

    参考人田中武志君) NHKの方は、先生御存じのように、このところテレビの普及率が非常に落ちまして、現在、毎年の受信料の伸び率というものが大体一%台ということでございます。これ以上ふえていくという期待が非常にできにくい状況でございまして、こういった収支状況というものは年々拡大していくんじゃないだろうかというふうに予測しております。  そのほかに、一方では、NHKといたしましては、いま先生が話題にされましたニューメディアへの取り組み、あるいは現在やっておりますようないろんな視聴者に対するサービス、そういったようなこと等も含めまして、やはりいろいろ出費も、支出の方は重なるわけでございます。したがいまして、この辺のところにつきましては、やはり現在のNHKの経営の中身を根本的に改めまして、仕事のやり方あるいは業務について抜本的に見直しをいたしまして、ひとつ効率的に経営をやっていきたいというふうに思っております。  したがいまして、こういったことで、この秋ぐらいまでには五十九年度以降の経営の計画、新しい経営計画というものをひとつ策定していきたいというふうに思っております。この中には、いま話題になりました衛星放送の問題あるいはこれからの新しいニューメディアの問題等につきましても、どういう取り組みをしていけばいいのかというようなことも入れまして考えていきたい。そして、その中にさらに、いま御指摘の料金改定等の問題につきましても、今後どうしてもお願いをせざるを得ないような状況になるのか、そういったことにつきましてもこの経営計画の策定の中で考えていきたいというふうに思っておりますけれども、先ほども触れましたように、決して安易にこういった問題については考えませんで、今後とも経営の効率化、施策を十分推し進めながら、その上に立って視聴者の皆さん方に番組の内容等の評価も含めまして、ひとつ何とか御理解を得たいというようなことも考えておるわけでございます。
  189. 和田静夫

    和田静夫君 その何とか御理解を得たいという部分には、五十九年度にはやっぱり値上げというのは構想せざるを得ないということを含んでいるわけですか。
  190. 田中武志

    参考人田中武志君) そういうことでございます。
  191. 和田静夫

    和田静夫君 ここ数年、NHKのロッキード事件に関する報道に微妙なかげりがといいますか、出たのではないだろうか。  五十六年二月のロッキード報道カット事件、三木元総理に対するインタビューカット事件、ちょっと説明していただけますか。
  192. 田中武志

    参考人田中武志君) この問題につきましては、五十六年二月四日の夜九時からのNC9の中に、ちょうどその日がロッキード事件が明るみに出ましてから五年目というような時点でございましたので、企画ニュースといたしまして、いろいろ編集の中で論議をしていったわけでございまして、この中では、一応最終的な判断といたしまして、当日の裁判の内容、それからこの五年間の経緯あるいは今後の展望といったようなことを、ひとつこの中に盛り込もうということで企画を立て、いろいろの素材を集めたわけでございます。その中にはいま御指摘の三木元総理のインタビュー等も含んでおったわけでございます。  それで、当日いよいよ企画ニュースを編集する段階になりまして、今晩の企画ニュースにつきましては、本日の裁判、それからいま触れましたようなことも含めまして、裁判そのものにひとつ焦点をしぼって、政治的な側面といったようなもの につきましては、ひとつまたこの後長い経緯がありますので、そのふさわしい時点でひとつ取り扱おうということになりまして、私どもの編集責任においてこの録画テープを外したわけでございます。その際に外からの圧力があったとか、あるいは自己規制があったとかというような性質のものでは決してございません。  なお、先生よく御存じだと思いますけれども、こういった編集上の問題につきましては、放送法にのっとりまして、番組の自由な、編集の自由ということでわれわれ考えておりまして、今後ともこういった姿勢のもとで、いろいろこういった問題については対処していきたいというふうに考えておるわけでございます。
  193. 和田静夫

    和田静夫君 いま一つロッキード事件絡みですが、週刊誌などの報ずるところによりますと、五十七年三月に行われた「くらしと政治」をテーマにする世論調査の際ですが、ロッキード事件関係の質問項目五問が発案段階ではあったと。1から5まで文章書いてありますからあったんでしょう、想像の記事じゃないでしょう。ところが途中で消えてしまった。ここの事実関係はどうですか。
  194. 田中武志

    参考人田中武志君) この問題につきましては、私どもの方の世論調査所の方で、毎年それにふさわしい時点をとらまえましていろいろ調査をやっておるわけでございますが、その際、世論調査所の方とそれからいろいろ調査をする依頼をした方の側、この場合では報道局になりますが、そこの担当者の間でどういう設問をすればいいのかということにつきましてたびたび打ち合わせをいたしまして、その中で、これはいつものやり方の中にも含まれておりますけれども、最初に設問を出したようなものも、その後の議論の中であるいはなくす、その次の機会に譲るとか、いろいろございますが、そういった中で、いま先生御指摘のようなロッキード、その時点ではロッキードの設問というものはふさわしくないんだろうというようなことで、いろいろ議論がありまして、最終的に世論調査所の所長が、この問題についてはその時点では外そうということになりましたので、自主的に外したわけでございまして、決してその際に外からのいろんな問題があったというふうには聞いておりません。
  195. 和田静夫

    和田静夫君 五十七年二月十日に原案ができて、二月の十二日に長野社会部長が問いの4、いわゆる「被告である田中角栄元首相の政治活動についてあなたのお考えに一番近いのはどれでしょうか」という問いだけは消しなさいと言った。そしたら、二月十五日になって島報道局長は五問全部消してしまえと言ったと、こういう経過をたどってきたわけです。  いまの答弁二つとも聞いていると、そうすると時宜を得た時期には復活をするということがあり得るということになりますかな。
  196. 田中武志

    参考人田中武志君) 最初の、ロッキード事件を取り扱うニュース番組等につきましては、先生ごらんになりましたように、ここ二年の間にいろんな時点で裁判そのものの問題、あるいは場合によっては政治的側面といったようなものを含めまして取り扱っております。特に、先日の求刑のときにおきましては、ごらんいただいたかと思いますけれども、朝のニュース等定時ニュースはもちろんでありますけれども、朝の午前十時前後のところでは約十五分間、きょういよいよ裁判が始まったというような特設の番組も設けましたし、それから夕方の四時ごろにおきましても、約一時間にわたりまして現場からの中継をやり、その後夜のNC9の中でも時間を延長して、きっちりといろんな角度からの問題を把握して放送したということでございます。
  197. 和田静夫

    和田静夫君 その辺のことは余りあれよりも、私はどうも月刊現代五十七年十一月号でおたくの島理事が、三木発言カット事件をなぜ行ったかという質問に対して「政治的陰謀に引っかかったンだ。これまで、弁解じみるので沈黙をつづけてきたが、いまだから言わせてもらおう。カットしろ、とおれに命じたのは、NHKの最高幹部だ。」こう言明してますよね。この証言はまあ事実なんでしょう。そうすると、ロッキード報道カット事件はNHKぐるみのものということになるんじゃないですか、どんなに抗弁されても。
  198. 田中武志

    参考人田中武志君) この問題につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、報道局の中でいろいろ編集の会議等を通じましていろいろ議論をした上で、編集の責任におきましてみずから判断して落としたということでございまして、決していまおっしゃったようなことではございません。
  199. 和田静夫

    和田静夫君 郵政大臣、NHKの経営委員理事というのは不偏不党、政治的には中立でなければならないはずですが、それはそうでしょうね。
  200. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) NHKの経営委員につきましては、国会の同意を得て内閣総理大臣が任命するということでございまして、NHKの重要事項というものについて調査する機関としての役割り。それで、その人選に当たりましては不偏不党、またNHKの経営に関しまして重要な審議ができる能力を持っているというような観点、そういったものについての幅広い知識とか経験を有する者を任命をいたしておるわけでございます。  NHKの理事につきましては、これはNHK内部での任命ということになるわけでございまして、それなりの能力のある者を任命しているものと、こういうふうに考えております。
  201. 和田静夫

    和田静夫君 能力はわかってます。私もまあ郵政大臣と同じ時期じゃありませんがその前に議運の理事やってましたから、任免に関して——まあいろいろ意見を言ったことを一向に取り上げないから後からそこのところは言いますけれども——その辺は知ってますが、政治的中立でなければならぬのでしょう、不偏不党なんでしょう。
  202. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) 経営委員につきましては、おっしゃられるとおり不偏不党というようなことで任命をするということ、たとえば五人以上が同一の政党に属することとなってはいけないとか、政党の役員であってはならないというようなこと等が経営委員基準としてございます。そういったことを踏まえましても、不偏不党ということで職務が遂行されるということを期待されてると考えております。
  203. 和田静夫

    和田静夫君 時間がなくなってきましたからあれですがね。島さん、かなり大胆なことを言ってましてね、「今回の会長人事は、政府与党は、経営手腕に重点を置いた。NHK内部の者は、何よりも放送のわかる人、ということだった。おれも、放送のわかる内部の人がいいと思ったので、吉武さんに進言した」。——NHKの会長人事は経営委員会の任命事項でありましてね、NHK内部の人間が口を出すこともできなければ、あるいはまあ与党その他の政党も口を出すことができないんだろうと思うんですが、そういう性格のものであろうと思いますが、これは郵政大臣、そうでしょう。
  204. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) 会長は経営委員長が任命をするということになっておりますので、外部の者が、あるいはNHK内部の者がそれをどうこうするということにはなっていないはずでございます。
  205. 和田静夫

    和田静夫君 島さんという理事は、おれは鈴木善幸さんとは非常にいいと、「少くとも、今回は経営委員会の自主性を最大限認める、と言ってましたね。宮沢、箕輪からの働きかけも、まったくなかったというと嘘になるな。田中さんは、外部から人を送り込んで再建しようという腹」だったけれども、と。  総理大臣官房長官郵政大臣などが会長人事に口を出す権限というのは、これは大臣、ありましょうかねえ。
  206. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) ございません。
  207. 和田静夫

    和田静夫君 私は、NHKのジャーナリズムの政治へのかかわりというのは、主として権力からの独立、公的権力から自由でなければならない。言論の自由という概念は、言ってみれば公権力からの自由であるというふうに考えているわけです。これは大臣、そうでしょうね。
  208. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) NHKについては、まあ予算の承認というような点ではこれは国会との関係があるわけでございますが、NHKの人的構成問題でありますとか、あるいは報道番組の編集等につきましては、これは公的権力から独立をしておる、自由であるということが法律の上でも保障されておるというふうに私は思っております。
  209. 和田静夫

    和田静夫君 島さんという理事は自分自身についても「あなたは、自民党の領袖たちとの繋がりが深い。そのために、彼らから、いろいろと干渉があるのでは、といわれているが。」ということに対して、「たしかに、政治家とのつき合いは、深いよ。角栄でも、おれの前で涙を流したことだってある。個人的には、好きな政治家もいるし、どうも気の合わない政治家もいる。鈴木と三木と、どっちが好きか、と訊かれれば、それは鈴木だよ。」。まあNHKの理事が、どこか一杯飲み屋でやっている話じゃないので、これ活字になるインタビューに際して、政治家を指してあれは嫌いだ、これは好きだ、これもどうも常軌を逸している。  さらに、島理事は次の会長人事にも言及してますね。「おれは三年後、外部から会長が入ってくることをできるだけ防ぎたい、という気持で一生懸命やっているだけだ。」。これはもう大変越権的な発言でありまして、これは事実とすれば非常に問題である。十分NHK側も郵政大臣もお考えになっておいてしかるべきであろう。  まあ島理事宏池会と大変親しい関係にあるようなんですが、まあいろいろなことが言われています。私は、いままで指摘した事実関係というのはやっぱり事実なんだろうと。これはもう事実でない、そんなことなかったと言われても、ちょっと了承することができません。したがって、先ほど数字の問題で残された問題がありますが、この事実関係について調査をされて、私に報告をしていただきたい。いかがですか、NHK。
  210. 田中武志

    参考人田中武志君) いま先生御指摘の問題につきましては、私どもの中でも詳細にいろいろ点検いたしまして、当該の出版社に対しまして現在厳重に抗議を申し込んでおります。まあいろいろの段階のところで言葉の、筆の走り過ぎのところ、あるいは事実でないところ、特に経営委員の選出の問題等々含めまして、何項目かに分けまして現在文書によりまして厳重に抗議を申し込んでいるところでございます。
  211. 田中眞三郎

    政府委員田中眞三郎君) 衛星の国際価格との値段の比較でございますが、私、少し混乱いたしまして、たしか国際価格との比較はCS3、第三次の通信放送衛星でございますが、これについての価格比較は記憶しておりますが、BS2及びまたいま現在進めておりますBS3、五年後のものですが、これについての国際価格との検討はできるかと思いますけれども、まだやってないんではないか。さしあたりましてCS3、通信放送衛星の第三号につきましての国際価格は数字が出ておりましたので、それをお届けいたしたいと、このように思っております。
  212. 和田静夫

    和田静夫君 もう時間がありませんから、最後ですが、幸いにして議運の委員長経験者でいらっしゃる現大臣が生まれたので、ぜひ聞いて、善処していただきたいんですが、NHKの経営委員の選考基準なんですよ。これは私は御下問があったときにいろいろ意見をずっと述べながら、ある経営委員の任命については議運でずっと延ばしてきた経緯等もあって、その辺のところは改めるということが前提になってきて、ずっと延ばした経緯があるにもかかわらず、一向に改まらないんです。  それは、たとえば十二名の経営委員のうち一体何人があれかということを一つずつ実は尋ねていくつもりでしたが、時間がありませんから私が一方的に言いますが、私の教えたところでは財界人がやっぱり六人で半数を占めているということは変わらないんですね、ここ。私はここのところはちょっとおかしいということは、もう前々から非公式にはずっと言ってきたことなんですよ。これで各分野から公平に代表されているんだろうかということをしきりに考えます。たとえば、経営委員会の議決は出席委員の過半数で決められるわけですね。可否同数の場合は委員長の採決にゆだねられる。すると、財界の代表が半数を占めるということになると、対立案件があった場合に、これはもう産業界に決定的に優利になるように構成をされていると思わざるを得ないんですよ。ここのところは、やっぱり視聴者各層にわたってその意見を代表しているという状態というのを、経営委員会構成からもやっぱりつくっていくべきだ、そういうふうに考えています。  まあ作家の小堺昭三さん、彼に言わせると、いつの間にこの老人たちがわれわれ国民の代表になっちまったんだろう、というようなことを嘆いていらっしゃる記事も最近出ているわけでありまして、やはり経営委員会そのものの政治的独立性あるいは代表性に対する疑問というのは釈明をされるべきだろう、そういうふうに思うのでありまして、私は、いろいろの言い方をされたところでいまの経営委員会構成というのはベストではない、それはやっぱりベストに改められるような形を大臣ぜひお考え願いたいと思いますが、最後に御意見を承ります。
  213. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 放送協会の経営委員の任命の基準というのは、先ほど官房長から御説明をいたしましたように、経営委員会としての職務を担当していただくにふさわしい学識経験のある人、また法律の上ではそれぞれの地域を代表する方ということで選考しておるわけでございますが、いまの御意向、御意見は私どもも受けとめてまいりたいと思いますが、現在の委員会構成は両院の同意を得て任命がされたものでございますので、郵政大臣としてこれに批判にわたるようなことの発言は慎みたいと思いますので、お許しをいただきたいと思います。
  214. 和田静夫

    和田静夫君 念のために申しますが、私はそれを否定していませんし、私もちゃんと賛成をしているのですから、経営委員を選ぶときには。しかしながら、議運でいろいろ論議をする過程では、いま私が申し上げたようなことはずっと注文つきになっているわけですね。その辺の経過というのはやっぱり葬り去ってしまうというのじゃ困るのでありまして、幸い議運委員長経験者の大臣が生まれましたから、経緯はずっと御存じのことでありますので、いまここで批判的な言辞を弄しなさいとは言いませんが、新しい経営委員の任命に当たっては十分にその辺のことは考えて申し継がれていかれるべきだろう、そういうことです。
  215. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十九分休憩      ─────・─────    午後一時三十四分開会
  216. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和五十四年度決算外二件及び五十五年度決算外二件を議題とし、郵政省及び日本電信電話公社決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  217. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は、きょうは初めに電電公社にお伺いをしたいと思います。  もうすでに御存じだと思いますが、昭和三十二年度から勧奨退職者に対しまして特別嘱託制度というのが実施されているように聞いております。私もいろいろと新聞も読ませていただきましたし、またその制度がどうして必要であるのかどうかということもいろいろと調べてまいりました。いろいろと話はありますが、新聞にもいろんなことが報道されております。そこで、きょうはこの問題について、どこら辺に問題があるのか、詳細お伺いしてまいりたいと思っております。  そこで初めに、特別嘱託制度というのが現実にあるのかどうかということ、そしてその制度はどういうふうな制度であるのか、初めに御説明を願いたいと思います。
  218. 児島仁

    説明員(児島仁君) 私どもの電々公社には、現在、定年制というものがございませんので、職員の退職ということに対してある一定期限を限るということはございません。一方、昭和二十八年から第一次五カ年計画を始めまして自動化が急激に進みましたわけでございますが、その間、交換手さんを中心として職種別に非常に余剰人員が出る、あるいは地域別に配置転換に不可能なぐらいの余剰人員が出るということ等ございまして、一定年限で希望によってぜひやめてもらう制度が必要であろうということで、不文律的に五十八歳ということを想定したわけであります。したがいまして、その五十八歳に、原則として、五十五歳から五十八歳になった方々には、退職を勧奨してやめていただく、やめていただいたときに再就職の道がないままおやめになる方については、現在、先生おっしゃいました特別嘱託制度というものをつくりまして、一年間業務の請負的な仕事をやってもらうと、こういうことにしてございます。  したがいまして、結論から申しますと、現在特別嘱託制度はございますし、成立の趣旨はそういうことでございまして、一番最初にこれを始めましたのは昭和三十二年、自動改式が急激に始まるという時期でございます。
  219. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 定年制がないと言いましても、先般、国家公務員を初め、地方公務員の皆さんも、それに準じていらっしゃるわけですから、六十歳定年という制度が最近になってできたわけであります。何も電電公社だけが定年制がないのではありませんでして、技術革新にしましても何にしましても、一般の会社でもやはりそういう面では非常に苦労をしているわけであります。しかも、私は非常にいろいろな問題があると思っております。いまの局長答弁の中にもありましたように、配置転換が不可能なぐらい余剰人員が出ている、これは本当に大変なことだろうと私は思います。そういうふうな意味で、きょうはこの問題について種々お伺いしてまいりたいと思っております。  私の手元にも昭和三十二年の三月の二十八日付の特別嘱託規程というのがあります。それによりますと「公社の業務に関し多年の経験を必要とする調査、研究その他の業務については、公社を退職した者のうち次条の委嘱権者が適当と認める者に委嘱し、その者を特別嘱託とすることができる。」。そしてその特別嘱託の対象者ですが、これも私の手元にありますこの昭和四十四年八月二十一日の資料によりますと「特別嘱託は「高令退職者に対する取扱について」の定めるところにより退職した者であって、三月三十一日現在で在職期間十年以上の者で、かつ、勤務成績が良好な者のうち必要と認められる者に対して委嘱する。」と、こういうふうになっておりますが、ここら辺のところはこのとおりなんでしょうか。
  220. 児島仁

    説明員(児島仁君) ただいま先生おっしゃったとおりでございます。
  221. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は、いつもこういうふうに質問をするときに前提として確認をするわけですけれども、実際はそのとおりでないから確認をしているわけです、本当はですね。これは後で証明することにしまして、非常に私はいまこの規定のとおり運用されておって、それなりのそれであればそれなりの問題は起きてこないと、そういう意味があるわけです。  そこで、この特別嘱託制度の性格についてお伺いをしてまいりたいと思います。  この制度ですが、先ほどから局長答弁ございましたように、毎年三月三十一日現在で満五十六歳以上の者とおっしゃっておりました。したがいまして、満五十五歳になれば、本人がやめるとかやめないとかいう意思とは無関係に、上司の方からもうそろそろどうだというふうに肩をたたかれる。これは一般の役所でも勧奨退職制度というのが実際あるわけですね。それで、その中でやめるのがいやだと言う人もおりましょうし、また勧奨を受けて退職する者もいると私は思います。  それできょうは、この勧奨を受けて拒否する人というのはまあ別にしまして、きょうは勧奨を受けて退職する者、これを対象にしてこれから質問を続けていくわけでありますが、こういう方々は大体毎年どの程度いらっしゃるのか、これちょっとお伺いしておきたいと思います。
  222. 児島仁

    説明員(児島仁君) 年ごとに違いますが、昨年度の例で申しますと、ほぼその対象となります人員は五千数百ということになろうかと思います。
  223. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 五千数百、これは昭和五十七年度ですか。過去四、五年、一遍おっしゃってみていただけますか。
  224. 児島仁

    説明員(児島仁君) 五十二年から昨年度の五十六年まで五年間申し上げますと、高齢退職者としてその対象になる者の数はそれぞれ、三千百人、三千三百人、四千七百人、五千五百人、五千六百人と、こういうことになってございます。
  225. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いま局長がおっしゃったのは退職対象者数ですか、いまの。
  226. 児島仁

    説明員(児島仁君) さようでございます。
  227. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そして、現実に退職した退職数ですね、これはどのくらいになりますか、もうちょっと正確に。
  228. 児島仁

    説明員(児島仁君) 大変失礼いたしました。ただいま申し上げました数字は、その高齢退職の年齢に該当して、かつ退職をした者の数でございます。
  229. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、私の手元にありますこの数字と大分食い違っておりますね。私はこれ、公社からいただいた資料を見て言うておるわけですが、これは「採用数」というのと「退職数」というのがありまして、これは昭和五十八年の三月二十二日付で出した資料が私の手元にありますが、この資料によりますと、昭和五十二年度五千人、それから五十三年度五千百人、五十四年度六千四百人、五十五年度が七千二百人、五十六年度が七千三百人となっておりますが、先ほど局長おっしゃったのとちょっと違いますね。
  230. 児島仁

    説明員(児島仁君) ただいま先生申し上げられた数字は、五十五歳末満でも、たとえば三十代でやめる、四十五になってやめるという者をすべて含めた数字が先生ただいまおっしゃった数字でございます。私が申し上げましたのは、いわゆる高齢者としてその対象になる数でございまして、大変失礼をいたしました。
  231. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それではもう一回、いまの局長がおっしゃったいわゆる高齢者で退職する皆さんの数を五十二年からちょっとおっしゃっていただけますか。
  232. 児島仁

    説明員(児島仁君) では五十二年から順次申し上げます。三千百人、五十三年が三千三百人、五十四年が四千七百人、五十五年が五千五百人、五十六年が五千六百人でございます。
  233. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは私、電電公社というところはどういうような組織になっているのかちょっとわかりませんが、これはいわゆる勧奨退職の年齢に達しなくても退職する人が非常に多いですね、毎年、これ。たとえば五十二年は五千人退職していると。それで、いま局長がおっしゃったのは三千百人ですから、千九百人というのはいわゆる肩たたきをしなくても退職する人ですね。それがこれ毎年そういうレベルで、五十六年度も同じように、七千三百人、五千六百人ですからもう千五、六百人、毎年二千人近くの人が、一定の年齢に達しなくても退職している人が多いわけですが、なぜこういうふうな状況にあるんですか。
  234. 児島仁

    説明員(児島仁君) 私どもの部門別には電話交換職群というのはございますが、そこはほとんどが女性でございまして、ここにほぼ五万弱の人間がございます。それからあと庶務でありますとか、あるいは営業でありますとか、共通業務系にさらに一万数千の女子職員がおりまして、この女子職員の退職が非常にこの数を押し上げておるということでございます。もちろん男子の職員でありましても三十代あるいは四十代でやめる職員も、比率は少のうございますがかなりございます。
  235. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 よくわかりました。女子職員皆さんの退職が五十八歳までに、結婚とかいろんな事情でやめられる方が多いんでしょうね。その実情よくわかりました。  そこで、勧奨退職者の中にもいろんな方がいらっしゃるわけですね、実際問題として。いわゆる五十八歳に達した方です。民間企業に再就職する方もいらっしゃるでしょうし、あるいは自分で自宅で自営をなさる方もいらっしゃるでしょうし、いろいろとあると思うんですが、公社では再就職という問題ですね、こういう問題については、これはどういうふうにお世話をしていらっしゃるのか、その点について一遍ちょっとお伺いしておきたいと思います。
  236. 児島仁

    説明員(児島仁君) ほぼ私どもでは、これは地方機関にそれぞれ任してございますが、五十五歳程度になりますとほぼ希望調書というものをとることにしております。将来の進路についてそれぞれ、おのおのがどういうふうに考えておるか、再就職を希望するのか、自営でやるのか、あるいは全く職業につかずに余生を送るのか、そういったことの調査をそれぞれの機関でやらせるようにしております。その中で、再就職先があればやめたいんだというケースとかいろんなケースがございますが、いずれにしても再就職をしたいという者をまず把握をいたしまして、これのあっせんの措置はできるだけやっていくことにしております。かつてはかなりこの再就職のあっせんも効率がよかったんでございますが、最近なかなか受け入れていただけるところも少のうございまして、最近ではほぼ千あるいは千数百というものぐらいしか再就職を公社の手ではなかなかあっせんできないというふうな実態になってございます。
  237. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、いわゆるこの特別嘱託に採用する人ですね、この人は、先ほどの規定からいきますと、勤務中のいわゆる成績が非常に優秀で、しかも技術があって、今後どうしてもおってもらいたい人を残したいというふうな、規定から言えばそうですがね。ところが実際の現実の面としては、どうなんですか。これ勧奨退職者の中でいわゆる再就職したいという人は、これはもうみんな再就職していくでありましょうし、また自宅で営業やりたいという人は自宅で営業すると。そうしますと、自宅で営業もできない、再就職もできないという人をこの特別嘱託に採用しているということになりますな、これ、違うのですか。
  238. 児島仁

    説明員(児島仁君) ほぼ先生おっしゃったとおりだと申し上げてよろしいかと思いますが、具体的にちょっと申し上げますと、そろそろ年齢も高くなってくるし新技術になかなかついていきにくいというふうに見受けられるので、やめる意思はないかということを聞きましたときに、再就職先はないのだけれども、一遍ここでやめることはやめるけれども、一年間公社の関係する仕事をさしてくれないかと、特別嘱託というかっこうでさしてくれないかと、それならばただいま退職の約束をしますという方々が非常に多いわけでございます。それがそのままその特別嘱託という形になっておるというのが実態でございます。
  239. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、この通達の趣旨とは多少違ってきておるということは言えますね。  そこで、これは高齢の退職者に対する取り扱いという通達を読んでもよくわかりますけれども、いわゆる勧奨で退職した人たちというのは、退職手当というのはそれぞれいわゆる一般に退職する人よりも有利な条件で退職ができるような規定になっているわけです。それは国家公務員もそのとおりになっておりますからそのとおりだろうと思います。  そこで、今度は勧奨退職で退職した人たちが民間に就職した人とそれから自宅で自営やっている人、そういう人たちといわゆるこの特別嘱託になった人たちとのいわゆる格差というのがあります。ここら辺の問題については公社としてはどういうようにお考えなのですか。
  240. 児島仁

    説明員(児島仁君) 大変失礼でございますが、平たい言い方をさしていただきますと、再就職ができた人は一応生計が立つしまあ生きがいもあるということで、これについては公社として、平たい言葉で言いますと、もうめんどうを見ないと、そこで一応縁が切れたというかっこうになるわけでございます。しかし、再就職の先がないけれども後進に道を譲る、あるいは公社の仕事になかなかついていきにくくなったという人方については特別嘱託ということで、最大一年でございますが、限って、特別嘱託というものを委嘱するということになっておりますので、考え方もございましょうが、私どもとしては必ずしも権衡を失しておるというふうには現在は考えておりません。
  241. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、これは権衡を失するとか失しないとかいうよりは、失しないと言う方がおかしいのであって、現実の面で失しておるわけです。たとえば就職がどんどんできる時代はよかったわけです。だんだんできなくなってくると、今度は特別嘱託というそちらの方の特嘱の方に行く人が多くなってくるし、また、特嘱にしてくれないとやめないという人がふえてくるわけです。  しかも、これから私が申し上げますが、手当の問題です。これも相当大きな問題になってくるわけです。ですから、勧奨退職で退職しているわけですからそれは退職手当、やめるということでたくさんもらっておるわけです、言うたら。そういう人たちがさらにその上にやっぱり特別嘱託手当ということで一年間もらう。しかも、これは私の手元にございます資料に基づいて私は申し上げておりますが、局長さんにお伺いした方がよろしいですかね。手当は、これは現在どういうふうになっておりますか。
  242. 児島仁

    説明員(児島仁君) 特別嘱託に委嘱をしました段階で、基本給相当部分だけを払っております。  それは二つに分けてございまして、一般職員でやめた場合には、現在の与えられておる給与額、そのうちの基本給額だけを一年間、最大一年でございますが、与えるということにしております。それから、管理職でやめる者たちでございますが、これはいい悪いはありましょうが、五十八歳ですべてやめていただいておりますが、この者たちに対しましては現在二十一万円というものを月額支給をしてございます。
  243. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 月額二十一万。一般の方でそれでそのほか今度は平均二十七万円ということになるわけですね。大変な優遇措置なわけです、実際問題として。お年寄りになって再就職するというふうな場合の給与から考えますと。それが差別待遇ではないかと言われても、これはやっぱりそうじゃないか、そうであるというように考えるのが、私普通だと思うんです。  そこで、この問題はやっぱりこれからはっきりしなくちゃいけない問題でありますので、これから質問を続けていくわけですけれども、いわゆる勧奨退職は片方にあってそこで一つのけじめをつける。その上にもう一つ、今度は特別嘱託制度というのがあってさらに上積みをする。これはどう考えたって非常に問題があると、私は思います。そこで、これをやめるとかやるとかいうよりも、一般的に考えればやっぱり優遇措置を二回受けている、こういうふうに言われるわけですね。それはやっぱりこれからいろんな面できちっとしなければいけない、そういうふうに考えております。  しかも、これは先ほどの局長の御答弁でもわかりますけれども、結局再就職できなかった人たちに対してやるわけですね。また、しかも自営も何にもできない、言うたら。ですから、そういう方方に対する考え方ですと非常に問題が出てくるんじゃないか。そういうような意味では、在職中の職種とか勤務成績という問題に余り関係なくそういうことをするということになってくるわけです。これは結局、電電公社自体がやっぱり全体として非常に裕福であって、黒字を続けている、いわゆる残ったお金は上納させられてしまう、だから中で使っちゃえと、そういうような考えがあったんじゃないか。そういうふうに私たちは考えざるを得ないわけです。  そこで、今度は違う角度からちょっと質問をしてみたいと思います。  そこで、今度は先ほどの局長から御説明がございました、いわゆる勧奨退職者の中で特別嘱託者が五十二年からずっとあれまして、どの程度採用していらっしゃるのかお伺いしておきたいと思います。
  244. 児島仁

    説明員(児島仁君) 五十二年度から年を追って申し上げますと、特別嘱託にいたしました者の数は、それぞれ五十二年が千五百人、五十三年が千九百人、五十四年が二千五百人、五十五年が三千百人、五十六年が三千三百人でございます。
  245. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ただいまの数字を見ておりましても、毎年非常に数字がふえてますね、やっぱりね。不景気になって再就職ができない状況という問題もあるんだろうと思います。  そこで、それでは私の資料によりますと、いまの数字は指定の方と、指定職というんですかね、これ一般職でしょうね、それぞれ分けて書いてございますが、その合計を局長の方からいまおっしゃっていただきましたが、手当の額ですね、これは五十二年度、五十三、五十四、五十五、五十六と一般とそれから指定、それぞれどのくらいが平均であって、トータルでそれぞれの年どのぐらいになるかを一遍教えていただけませんか。
  246. 児島仁

    説明員(児島仁君) ちょっと直接のお答えになるかどうか、手元の資料もあれなんでございますが、全体像をちょっと申し上げますと、手当の額を申しますと、いわゆる管理職でやめた者、これは三回にわたって改定しておりますが、最初昭和四十年では指定職には七万円の手当、それから一般職員でやめたのは四万二千円ということでございましたが、現在それが逆転現象を起こしております。それぞれ、それらの金額というものが当時の平均基本給に対してどれぐらいであったかという数字は、ちょっと過去のものが手元にないのでございますが、現在の私ども一般職員の平均給与が、今年度ベースアップをさしていただきまして十九万何がしということになっていると思います。これがまあ全体の職員の平均でございます。ただ、五十五歳以上、五十八になってやめる者につきましては、それぞれ高い給与を取っておりますので、年収で申しますと、手当、本給全部突っ込みで年間給与を見ますと五百万円というのがほぼ平均値ではないか。高い方の、五十八歳の平均値と思われます。それに対しまして、特別嘱託として払う額は年間ほぼ三百万円というふうに見ております。
  247. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 どうも大分わかりにくい答弁ですけれども、それじゃ、年度を制限しまして、五十六年度の平均は大体どういうふうになりますか。
  248. 児島仁

    説明員(児島仁君) 給与額の前に支払い額を申しますと、五十六年では指定管理職二十一万円の嘱託料でございます。これは月額でございます。それから一般組合員といいますか、一般職員でやめましたのは二十四万二千という数字に、現在の平均賃金になっております。今度は逆に一般の組合員から申しますと、これの平均賃金は十九万何がしということになると思います。指定職員は、ちょっといま調査をいたしまして後刻申し上げたいと思います。
  249. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私の手元にある資料によりますと大体二十一万、それから二十七万というふうな数字が出ておりますが、これは要するに、先ほどから基準については基準内賃金というふうなことを基本におっしゃっておりますが、先ほどの私が申し上げました嘱託の運用についてという、これは検査院から指摘された後の私はあれだろうと思うんですが、これからいきますと、この嘱託の選定は個人の能力等を十分に考慮することと、こういうふうになっておるわけですね。しかも、その特別嘱託等の中には専門知識、技能を有する者、あるいはそうでない者、いろんな人がいるでしょうから、これらの人に委嘱する業務内容も、内容的には実際は違ってくるわけですね。そういうふうにして手当の決定の中身も当然いろいろ変わってくるわけでありますが、そういう点はどういうふうになっているのか、これちょっと一遍お伺いしておきたいと思います。
  250. 児島仁

    説明員(児島仁君) 現在は委嘱する業務の内容の質、量にかかわらず、支給の基準一定でございます。したがいまして、どんな仕事をしようとも、一般職員で申しますと、在来もらっておりました基本給相当額をもらうということになってます。ただ、私ども各方面から指摘をいただいておりますので、仕事の中身を濃くすることと、それからその濃くした後の職務に対して給与の額が適当であるかどうか、これはさらに検討をし、改善をしなくちゃいかぬというふうに認識をしております。それを詰めてまいりますと、ただいま先生御指摘のとおり、最終的には個々人についての職務内容、個々人についての給与額というところまで細分化して決めていくというのが確かに御指摘のとおり至当ではないかというふうには考えております。
  251. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 結局全部一律だということですね。私は、実際そういう人たちが現実に仕事ができる、定年制もいま六十歳になっているわけですから仕事はできるわけですね、十分。ですから、そういう人たちは無理やりにやめていただかなくて、そういう人たちが本気でやっぱり仕事に取り組んでいただいた方が実際はいいわけです。ですから、仕事を一生懸命やる人にお金を払うのはけしからぬと言っているのと違うんです、私は。  ですから、実際問題として、仕事を一生懸命やっている人にはそれに伴う給与を払ってもらいたいと、こう思っているわけです。しかしながら実際は、実際運用の中身というのは、この取り扱いの要領とか通達とか、そういうものとはもう実際中身は大分かけ離れてきているというのもこれは現実ですな、実際問題としてね。  したがって、しかも先ほどからお金の問題も、金額の問題も、トータルでは金額出しておりませんが、たとえばいまの五十六年現在でも二十一万、二十七万という、一人当たり一カ月です。それを三千三百人ですね、これ。もう大変な金額になるのもこれは事実であります。  しかも、これは私たち、私実は内閣委員会に所属をいたしておりまして、公務員の給与の問題をずいぶんやっておりますけれども、二十七万円という給料は、これは国家公務員の中で言いましてもこれは行政職の給料表の、これは行(一)の給料表の二等級の五号俸に当たりますね。これはいろいろな手当の問題がありますから多少変わってはきますが、額面だけで言いますと二等級の五号俸というのは二十六万九千二百円ですから。ですから、それからしますと相当な担当の人の給料ですね。行政官庁でいえば、二等級といえばこれは課長あるいは部長という管理職の給料ですわ、これね、安いとはいえ。ですから、相当これ電電公社というのは給料がいいんですな、とにかく。基本給でもこれだけですからね。  ですから、私は、そういう点考えてみますと、しかも仕事の中身がはっきりしない、一律ということですね。これは、こういうことをしておりましたら大変なことになるんじゃないかなと思うんですが、ここで総裁、先ほどからいろいろと話をして、私はわざと総裁にはお伺いしていなかったわけでありますが、総裁はこの問題についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。  民間の企業の場合は、私も長い間民間の企業におりまして、いわゆる技術革新の中で相当出血をしているのも事実であります。私も化学関係の会社におりましたから、二千人ぐらいいた会社が、ナフサが入ってきて、それで合理化されまして、やはり千人以上の人たちが合理化されてやめていった。一般の会社で言えば完全な首切りであり出血です。それで大変な思いをしてきているわけでありますが、そういうような民間的な感覚からいきますと、いまの電電公社のやり方をやっておりますと、これはもう大変なことだろうと思いますし、私は、民間の企業がもしこんなことをしておったら、もうとっくに倒産しておる、そう言っても過言ではないと私は思うんですけれども、この問題について、ここら辺のところについて総裁、どういうふうにお考えなのか、一遍お伺いしておきたいと思います。
  252. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) この問題は二つの面で私いま考えております。  定年制が現実にいままで公社にございませんでしたし、したがってこの制度をつくった当時の世間一般の定年というのは五十五歳という時代にこの制度をつくっておるわけでございます。それを三年延ばして、しかもこういう制度をつくるというのは、これやむを得なかったんじゃないかというふうに、定年制のない制度のもとではやむを得なかったんじゃないかというふうに私は考えております。  また、そうすることによって、やめていかれる方々も、何とはなしに温かい気持ちでやめていけたんじゃないかというふうに思っております。  しかし、その後だんだん世の中が変わってまいりまして、いま先生からお話がございましたように、公務員一般も六十歳定年ということになりつつありますので、私どももその新しい情勢に合わせてこの問題は考え直さなきゃ、見直さなきゃいかぬ時期が来ているんじゃないかというふうに考えております。  それともう一つは、長い間こういうことをやってまいりましたものですから、いま先生から御指摘がございましたように、業務委託しておる形にはなっておりながら、それが多分に緩ふんになってきておったということも事実でございますので、この問題だけはこの間から、私、初めてこういう制度があることを問題が起こって気がついたんですが、業務の委託ということについてそれ相当のやはり効果ある委託をし、また、効果あるように委託に対して対応してもらうというふうにその辺のところはすでに手をつけておりますが、いずれにいたしましてもずっと昔の社会環境で決めたものでございますので、新しい現実の社会環境にあわせて問題を見直すという時期が来ているというふうに考えております。
  253. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 総裁、私も総裁のおっしゃっていることはよくわかりますが、多少問題がやっぱり違うんじゃないかという点を感じておるわけです。それは私も担当の皆さんからも何回も説明も聞きましたし、また、いろいろお話もお伺いしました。  どういう点が違うかといいますと、要するに五十八歳で勧奨してやめていただくというわけですね。それで、ある何人かの方に一年間残っていただくというわけです。現在では、その残っていただく方々は仕事の中身を一々検討するというところまではもう大変だと。しかも、やめていただくのを前提にして一年間おっていただくと。したがって、仕事の中身がどうのこうのということじゃないと、現実はそうなんですね、総裁。  そこで、総裁がおっしゃるように、委託契約をする、委嘱契約ですね、特別嘱託になるわけですから特嘱の契約をするわけですが、その一人一人によって仕事の中身を変える、検討する。それは大変なんですね、今度は逆に。一年でやめてもらう人の仕事をわざわざ今度は一生懸命この人はどんな仕事、この人はどんな仕事。やめてもらうんですよ、一年で。仕事を探してその調整をするのが非常にむずかしい、大変だということになりますね。ですから、それは業務委託する業務委託の中身をどうのこうのと言うよりも、現実にもうやめていただくわけですから、やめていただくための具体的な方法、方策であって、したがって費用も、これから私、もう一回もうちょっとお話詰めたいと思っておりますが、お金を支出する中身ももう少し考えたらいいんじゃないかと、実際はそう思うわけです。  そこで、今度は局長の方にもうちょっと詰めてお伺いしておきたいと思うんですが、私は非常に、決算委員会で審議をいたしておりまして、これはもう気になることでありますから、これだけは新聞を引用さしていただきますが、これは児島職員局長さんのお話として新聞に載っておるわけです。私はこういうふうに言ってないと言ってるらしいんですけれども、しかし、「公社には定年制がないので勧奨退職してもらうため三十二年の通達でとった制度だ。特嘱手当は物件費から出してよいと国会でも認められており、予算に含めてあるので法的にはヤミ手当ではない。」と、こういうふうにおっしゃっているわけですが、これはこのとおりですか。
  254. 児島仁

    説明員(児島仁君) 前段は私、申し述べたとおりだと思いますが、国会で認められておるというふうなくだりは全く私、申し上げておりません。私、その新聞、当日の朝見まして、これは大変な国会に対する侮辱の言葉になり得ることであるということを感じまして、インタビューを受けました記者に私の方から申し入れをしまして会見をしております。その記者の方も、いやこれはちょっと書き過ぎだったと。つまり、予算として積算をしておるという意味のことを書き過ぎたと。これは済まなかったということをはっきり私に対して言ってもらっておりますので、私は申し上げておらないというふうにお考え願いたいと思います。
  255. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、何も私は申し上げていないとかなんとか言うよりも、がんばっていただいたらいいんですよ。国会で承認を受けているわけですな、確かにこれは。  そこで、どういうふうに受けているのかというわけで、私も実は一生懸命探しましてね、五十五年度から皆さん方の特嘱の手当ですね。どこに入っておるんですか、一遍ちょっと説明してくれませんか。  たとえば五十六年度決算でも結構です、五十五年度決算でも。ちょっと帳面持ってきましたから、どこに載っておるんですか、積算した中身は。
  256. 岩下健

    説明員(岩下健君) 特別嘱託に対します経費につきましては、予算決算ともに管理共通部門の請負費という形で計上し、また決算をしておるわけでございます。  この場合の管理共通費というのは、いわゆる物件費の一部を出すものでございまして、人件費ではございません。
  257. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 管理共通費の請負費とおっしゃいましたね。それは項、目でもうちょっと詳しく言ってください。そんなのありませんよ。管理共通費の項、目の数字言ってみてください。管理共通費というのは04ですね、その中のどれですか。
  258. 岩下健

    説明員(岩下健君) たとえば、これは五十六年度の決算表でございますが、管理共通費04の項目の中の科目では三項の庁費でございます。
  259. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 庁費と言わなかったじゃないですか。
  260. 岩下健

    説明員(岩下健君) 失礼いたしました。  庁費という中がさらにまた細分されまして、物品費あるいは諸経費等というのと並びまして請負費がございます。
  261. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 何であなたは管理共通費というのを言って、その次の目は庁費じゃないですか。庁費は飛ばして、何で真ん中だけぽんと抜いて言うんです。要するにわれわれに説明するとき、どうしてそういうようなごまかして説明するのですか。あなたが言う請負費なんというのは載っておりませんよ、そうでしょう。要するに職員局長さんが、この中に積算しておるとは言いましても、庁費の中に含まれているわけでしょう。それならすんなりそう言えばいいのに、庁費のまた細目の中に出ているわけでしょう。  それじゃ、もう一つ聞きましょう。五十五年度決算はどうなんです。
  262. 岩下健

    説明員(岩下健君) 五十五年度につきましては、同じく管理共通費の中のやはり三項の庁費、支出の実績で申しますと一千四百十億円何がしの中の一部でございます。
  263. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いまの間違いですな。
  264. 岩下健

    説明員(岩下健君) 失礼しました。  五十六年度から実は予算決算の掲記の方法を改めまして、と申しますのは五十四年度における会計検査院からの御指摘も踏まえまして、種々あり方について検討しました際に、予決算の掲記についても見直しをいたしまして、その結果、五十六年度から、先ほど申し上げましたように、広い意味の物件費の中の管理共通費の中の庁費に、予決算のところに計上いたしましたけれども、五十五年度までは人件費、つまり決算表で申し上げますとコード番号01、給与其他諸費の中にございます諸手当でございます。諸手当として予決算に計上したわけでございます。どうも大変失礼いたし ました。
  265. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ですから、そういうふうな問題の中に積算していて、入っているとは言いましてもわれわれのところでは全然わからぬわけですな。特嘱手当がどこにどうなっているのか。しかもわれわれの決算書の中には、五十五年度はいわゆる人件費の中へ入ってて、五十六年度は庁費の中へ入っている。局長答弁かて、これはいま、われわれはほんま言うたら五十三、いまなんぼでっか。五十四、五十五、四、五やな、五十四五十五の決算やってるわけですから、そのときは人件費やったわけやな、これ。それで、五十六年度からこれは物件費に入ったわけですな。そういうふうにしまして、ここはやっぱりいろいろと問題があるわけですね。また物件費というこれも、私は非常にこれもまた納得できない。これはあなたの、私はこれ全部調べて言うとるわけです。これは物件費の中の、参考資料の中を見ましても、これは物件費の中身を書いてございますね。それで、これもちょっとわからないことがありますが、きょうの質問と多少違いますから省きますが、庁費の中身を本当は詳しく教えていただいて、われわれ決算資料、たとえば審査をする場合には庁費なりそれなりそれぞれ問題があったときには、その問題のあった項目等の詳細の資料を委員会に出していただいて、そしてやっぱり審査をしなければならないと、そういうふうに思うわけです。そこら辺のところについては、経理局長さんどういうふうにお考えですか。
  266. 岩下健

    説明員(岩下健君) 先生ただいま御指摘の点は、私どもとしましても会計検査院からの御指摘を受けた時点で、会計処理の扱いも含めていろいろ検討した中でいろいろと考究をしたわけでございます。結論的に現在決算の姿としましても、御説明しましたように、五十六年度からは管理共通費の中の庁費、そのまた実は内訳科目は表示はしてございませんけれども、請負費として決算をしておるわけでございます。  これの掲記の方法につきましては、特別嘱託制度の実施の状況、あるいは支給状況等についてはもちろん詳細把握をいたしまして、何らかの方法で必要な向きに明らかにしていくということで考えておりますけれども、これの掲記の項目としての掲記の方法につきましては、ほかの経費との均衡もございますので、現在のような、ただいま五十六年度について御説明申し上げましたけれども、こういった形のものでやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  267. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これね、会計検査院いますか。検査院、ちょっと私は非常にけしからぬと思っておるわけです。要するに退職者の、特別嘱託の皆さんに対する手当ですね。これは要するに、私はその契約の実態といろんな実情、現実のいろんな姿を私は聞きました、ずっと。これはやっぱり人件費でっせ、これは。物件費じゃありませんで、やっぱりどう考えたって。現場の人もそう言ってまっせ、実際。あなた方があなた方の指導によって、これは五十六年から物件費になったと言うんだ、これな。物件費なんていうたら、普通ちょっと違うんと違うの。そういうような意味では、やっぱりこれは問題の本質をきちっと掘り下げて、要するにお金を出すんだから、やっぱりきちっと契約をしてきちっとしなくちゃいけない——そりゃそうですね、そりゃそうですが、問題の本質というものをやっぱり見きわめて、やっぱりきちっと対応していかなければいけない、そう思うんです。そういうふうな意味で、この問題はもう一回きちっとやっぱり電電公社皆さんとも相談をして対応する必要がある、こう私は思いますが、まず検査院どうお考えですか。
  268. 中村清

    説明員(中村清君) 本件につきましては、実は公式の文書をもって質問を発したということもございませんし、それからまた検査報告指摘事項として掲記したというふうなこともございませんけれども、ただ五十四年度の検査の際に、これは実際に検査に行った場合最終的に検査の打ち合わせをやるわけでございますが、その際に出張の主任官が口頭でこの問題について改善方を要望したものでございます。そういう経緯がございますので、私どもとしましてもその後の制度の運用あるいは経理的側面、この点につきましてはもちろん大きな関心を持ってやってきたところでございますけれども、いま先生が御指摘の点もございましたので、この点を踏まえましてなおもう一度再検討してみたいと、こういうふうに考えております。
  269. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは、総裁、私も最後にこれ申し上げますが、いずれにしてもこういうふうな問題は、要するに問題を糊塗するんではなくて、きちっと抜本的に解決すると、そういう方向で私は問題を対処した方がいいと、そう思います。したがって、ただ私たち国会に資料がわかりにくいとかどうのこうのという問題ではなくて、問題の本質をきちっと掘り下げて、それで問題解決の方向に、たとえばこの業務委託の中身をどうのこうのするとか、そこら辺をちゃんとするいうたって、そのことが本筋じゃなくて、その人をやめてもらうというのが本筋なんですから、やっぱりそこら辺のところはきちっとして対応した方がいいんじゃないか、私はそういうように思うんですけども、この問題について最後に総裁の御所信をお伺いしておきたいと思います。
  270. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) さっき申し上げましたように、確かに見直すべき時期が来ております。御趣旨を踏まえまして対処していくことにいたします。
  271. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは、次に郵政省関係、ちょっとお伺いしておきたいと思います。幾つかお伺いしたいことがありますんですけれども、時間の関係等もありますので、簡単にお伺いをしたいと思います。  まず、行政管理庁にお伺いをいたします。お見えになってますか——行政管理庁、先般特殊法人のいわゆる公務員の宿舎の実態調査をやるというふうに私たちは聞いておりますんですが、現在どういうふうに進捗をしておりますか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
  272. 塚原喜朗

    説明員(塚原喜朗君) 御説明申し上げます。  特殊法人の宿舎問題につきましては、昨年の九月十六日にこの決算委員会黒柳先生から御質問がございました。それを受けまして、行政管理庁では調査を実施するということにいたしまして、当時百一法人がございましたが、このうち宿舎を有しております八十七法人から資料を徴収いたしました。そして、本年の一月に私どもの出先機関を使いまして現地調査をいたしました。現在、これらの結果を踏まえまして、本社調査を実施している最中でございます。
  273. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 きょうは郵政省審査なんですが、郵政省関係はどうですか。どこの法人とどこの法人とどこの法人を調査していらっしゃいますか。
  274. 塚原喜朗

    説明員(塚原喜朗君) 郵政省関係につきましては、電電公社、それから国際電電、それから筒保事業団、三つでございます。
  275. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは電電公社わかりますか。まあ行政管理庁でも調査中だそうでございますが、調査中でしょうから、電電公社はもうすでに調査終わっておると思いますが、電電公社のいわゆる宿舎というのは全部で六万戸ほどあるそうですが、その実態わかりますか。
  276. 中原道朗

    説明員(中原道朗君) お答えいたします。  ただいま手元に数字の持ち合わせがございませんので、詳細はちょっとわかりかねますが、先生御指摘の数値にほぼ近い数値であると、これは間違いございません。
  277. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そのうち利用されているその数とか、そこら辺のところわかりますか。
  278. 中原道朗

    説明員(中原道朗君) 恐れ入ります。ちょっと手元に用意がございませんので、すぐに取り寄せます。
  279. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 一遍それは実際に利用されている戸数とか、あるいは現在空き家がどのくらいあるかというのは調査して、後ほど資料で出してください。  それで、実はこれは内々でお伺いしたんですが、行政管理庁の調査によりますと、やっぱり一つ問題なのは郵政大臣、これ簡易保険郵便年金福祉事業団というのがあるんだそうですが、そこの事業団のいわゆる宿舎というのが郵政省調査三法人の中ではやっぱり一番問題があるということだそうであります、まだ結果は出てないんですけれどもね。  そこで、簡易保険事業団の宿舎の実態、どういうふうになっているかわかりますか。
  280. 魚津茂晴

    政府委員(魚津茂晴君) 現在、簡保年金福祉事業団の宿舎数は全国で千二百七十八戸ございます。この千二百七十八戸のうちに私ども郵政職員が九名入っているというのが現状でございます。
  281. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 空き家はどのくらいあるかわかりますか。
  282. 魚津茂晴

    政府委員(魚津茂晴君) 昨年の九月三十日現在、これは先ほど来出ておりますように、行管からの調査に基づいて私ども資料を整えたその月日なんでございますが、それによりますと二百八十二戸空き家になっている、こういう実態でございます。
  283. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは、きょうは事業団の方からお見えになってないわけですね。——それで、お見えになっているんですか。
  284. 魚津茂晴

    政府委員(魚津茂晴君) 来ておりません。
  285. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それで、御答弁はどなたがしていらっしゃるわけですか。
  286. 魚津茂晴

    政府委員(魚津茂晴君) 私、簡易保険局長でございます。
  287. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これですね、いま局長から御答弁ございましたが、二百八十二戸空き家があるんだそうです。先ほど局長郵政省から九名入っている、こういうふうにおっしゃっておりましたが、これは九名というのは、大臣これね、私聞いてないのに言うておるわけですが、要するに違法に入っておるということを言うとるわけです、ほんま言うたらね。行政管理庁が初め調査したときには、いわゆる簡易保険年金福祉事業団の職員宿舎入居規程というのがありまして、どういう人は入っていい、どういう人は入ったらいかぬという規則があるわけですね。しかし、これは過去のいろんないきさつから郵政省のお役人の皆さんが十一人入っていたんだそうです。それで、最近この問題が起きましてから二人出まして、いま局長おっしゃったように九人になったんだそうです。それは僕はそれぞれ郵政省というのは関係のある、言うたら事業団ですし、ところですから、そう問題があるとは思わないんですけれども、しかしそれ以外のいわゆる第三者に貸し付けをやっておると。それが調査によりましても、これは九名も含めて五十四世帯、これは要するになっているわけです。五十四の中には十一名が入っているわけですね。ですから、四十三は郵政省以外の、いわゆる全く第三者に貸し付けておる。そこら辺のところがずいぶん問題になったわけでありまして、しかもそれ以外に二百八十二戸もあいておるというわけです。これはやっぱり何らかの措置をとった方がいいんじゃないか、あるいはもっと有効な利用という面もこれは考える必要がある、こういうふうに考えているわけですが、これは局長さん、この辺のところはどういうふうにお考えですか。
  288. 魚津茂晴

    政府委員(魚津茂晴君) 先生仰せの第三者の使用ということでございますが、この第三者の宿舎の使用という実態を簡単に申し上げますと、郵政省職員が先ほど申し上げたように九人でございますが、残りは受託業者といいまして、簡易保険年金の事業団の施設の食堂部門等が効率化ということで委託をしているわけでございます。その委託をしている人たちが、勤務の都合で朝早くて夜が遅いというようなときに、あいているような場合に、一時的に——一時的にと申しますのは、事業団が本来の利用をするという場合に条件をつけまして、その際には宿舎から出るというようなかっこうで利用している実態が全国的に四十二人と、こういうことになっているわけでございます。
  289. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや僕は局長の言うとおりなら何も問題だと思ってないんです。そのとおりでないから問題やと言うておるわけです。要するに局長が十分調査された上でそういうふうに御答弁になっていらっしゃるんならそれで結構です。当然私は、必要に応じて受託業者の皆さんがそれぞれ了解を得て貸してもらっている、それがそのとおりなら問題ないわけです。しかしながら、実際問題になってきているのは、いわゆる空き家をまた貸ししたり、初めのあれ以外にいろんな使用のされ方がしておると、そういうふうなのが新聞報道等でずいぶん出ているから問題にしているわけであります。局長が、新聞報道後いろいろ調査して、そういうのはなかった、やっぱり善意のいま局長のおっしゃるような方法だけであったというんなら私は問題はないわけであります。ただし、あいているところが多いからそこら辺のところは十分注意してやってくださいと、こういうことです。  そこで、大臣に一言もおっしゃっていただかないのはまことに申しわけないですから、ここで一言。  まず、行政改革の問題についてお伺いをしたいと思います。  これはもう私実は行政改革の問題の中で、午前中に和田さんの方から相当質問があって、それで大臣の方からもずいぶん答弁があったそうでありますので、もうこの問題については質問はしません。郵便貯金の問題であります。これはもうやめておきます。  しかし、それ以外の問題としていままで何回か出てきている問題の中で、これは行政管理庁の行政監察局が、郵政省の地方電波監理局のうち北陸、信越の両電波監理局、これをいわゆる業務量が非常に少ないし、廃止してはどうかという勧告が、これは昭和四十五年の十一月の二十四日の、これは行政機構の簡素合理化の推進についてという閣議決定がありました。それから、昭和四十五年の十一月の二十五日に、これも行政監理委員会の意見としてこれに類するような意見が出ておりますし、それから、五十七年の今度の七月三十日の基本答申の第三次答申の中にも、これはブロック制のいわゆる局の統合の問題について答申されておりますが、この問題、これは何回かこの委員会等でも取り上げている問題で、具体的な問題でありますのでなかなかこれ具体的には言いにくい問題であるかもしれませんが、ここら辺のところについてはどういうふうにお考えかちょっとお伺いしておきたいと思います。
  290. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 行政改革の一つの課題として行政機構の簡素合理化の問題があるわけでございます。その観点から、臨調あるいは行管からも、現在一般のブロック機関は八ブロック機関というものが通常になっておるわけでありますが、地方電波監理局は実は十監理局があるわけでございます。そのうち比較的所管地域の狭い信越、北陸の両電波監理局について、これを近隣の電波監理席に統合したらどうかという御提言があるわけでございます。これはもう御理解をいただけると思うわけでありますが、電波の利用者というのは大変数が多く急激にふえているわけでございます。その電波行政の地域の窓口が地方電波監理局でございますから、決して仕事が少ないということではないと私どもは思っておりますし、ますますこの窓口事務というものが住民にとりまして重要な役割りを果たしておるというふうに思っておるわけでございますが、行革の推進ということは内閣の、政府の重要課題でございますので、私も答申につきましては十分御意思を尊重しながら対処をいたしたい。ただ、地域の住民の方には御迷惑をかけることができるだけないように努めてまいりたいという考えでおるわけでございます。
  291. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 あと二点お伺いしたいと思います。  一つは、電電公社の今回の第五次答申の中に出てまいります、いわゆる改革の法案の問題であります。これはまあ初め、去年の七月三十日、第三次答申が出た時点からずいぶん議論がされているわけでありますけれども、次期通常国会に提出すべく準備を進めると、そういうような方向で来たわけですけれども、ことしになりましてから、もう新聞でも、二月の二十二日の新聞では、中曽根総理の郵政省当局に対して、今国会に間に合うように指示をされたというような新聞が出ておりましたが、すぐその後の三月十七日の新聞では、商工会議所のあいさつですかね、どこかでは、今国会提出は見送った、こういうふうに出ておったんですが、これは電電公社の改革案につきまして、いま大臣どういうふうにお考えになっていらっしゃるのかというのが一つ。  それで、どういうふうな議論が実際に行われているのかということですね。これは私たちの党でも、その方向については野党の中でもいろんな考え方がありまして、それぞれあると私は思うんですけれども、いま実際問題として郵政省の中でどういうような議論が行われているかということも含めて御答弁いただければと思います。
  292. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 電電公社の経営形態の改革の問題は、臨調答申の中でも重要な答申に当たるものと受けとっておるわけでございます。政府といたしましては、昨年の九月の十四日でございましたか、行革大綱の中で、これに対応する姿勢を決定をいたしておるわけでございます。その決定では、いま御指摘ございましたように、政府・与党の中で意見の調整を図って、次期国会、つまり今国会に法案を提出すべく準備を進めるものとすると。そのために政府・自由民主党行政改革推進本部常任幹事会において意見の調整を図る、ということに決められておるわけでございます。その調整を待ってとは書いてないんでありますが、論理的には待ってということで、政府においても立案、検討のための体制を整えて調整に当たるものとすると、こう書いてあるわけでございます。私どもはこの改革推進本部の常任幹事会の調整を待っておるわけでございますが、郵政省としてはその大綱が決まってまいりましたならば、機構の改革にとどまらないわけでございまして、公衆電気通信法あるいは電波法等、大変多くの実体法に関係するわけでございますから、大変国民の生活に密着しております電話を中心とする電気通信行政の今後のあり方というものをどう考えていくかという観点に立って議論をし、検討を進めておるということでございます。  行政改革推進本部の方では、各方面の意見を聴取しながら調整に当たっておるわけでございますが、この問題についてはいろいろな意見がございまして、はっきりいたしておりますのは、臨調が示しました、まあ表現が適当かどうか知りませんが、民営分割論、大づかみに言いまして民営分割論というのが具体的の提案としてあるだけでございます。その他の御意見の中には、現状のままでいいではないかという御議論もあるわけでございまして、その両議論の間に多くの議論が行われている。この調整ということが現在の問題であり、また将来にわたっての問題であるわけでございます。  総理がどう発言したかということ、新聞では見たのでありますが、総理からも、あるいは行政管理庁その他の関係政府内部におきまして、今国会の提案をあきらめた、あるいはあきらめるというようなお話は郵政大臣としては全く聞いておりません。
  293. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 もう一点、簡単にお伺いしておきます。  これも同じ問題でありますが、年金の問題ですね。これは昨日ですか一昨日ですか、公務員共済組合審議会、あれの答申が出ておりまして、何か並列の答申になっていたようでありますが、年金の問題についてはこれも非常に重要な問題でありますし、国鉄等は急ぎますし、電電はもうゆっくりということになりましょうし、いろいろ問題があると思いますが、この問題についてはどういうふうにお考えでしょうか。
  294. 桧垣徳太郎

    ○国務大臣桧垣徳太郎君) 国家公務員共済と公社共済年金との統合の問題につきましても、昨年の行革大綱の中で政府の方針が決まっておるわけでございますが、私は公的年金というものは最終的にはすべての国民が助け合う組織という形に統合されていくことが時代の趨勢であろうというふうに思っておるわけでございます。ただ、それぞれの年金は、成立の経緯あるいは財政事情、共済関係の成熟度の相違等があるわけでございますから、この統合についてはそれらの問題を調和さして調整していかなければならぬということであろうと思うわけであります。  今回の、いま問題になっております共済の関係におきましても全く同様のことが言えると思うわけでありまして、一つは、各共済の保険者あるいは受給者というものが、公的年金というものの持っております性格から言いまして、お互いに助け合う立場に立たざるを得ないという高い次元からの理解を求めていく必要がありましょうし、また、申し上げましたような各種の事情の相違というものを極力理解できるような形は調整をする努力が必要であろうというふうに心得えております。
  295. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は、電電公社の電話交換手の頸肩腕障害の問題についてお伺いをいたします。  公社の電話交換業務は、大変厳しい労働と労務管理のもとで、頸肩腕障害の罹病者が累計で七千人も発生しているということを聞いております。  最初に、公社における現在の頸肩腕障害罹病者の実態、そして対策、並びに罹病者を多数発生させてこられたということについて公社はどのように責任を感じていらっしゃるのか、どのように認識してなさるのか、お伺いをいたします。
  296. 中原道朗

    説明員(中原道朗君) お答えいたします。  頸肩腕症候群の罹患者の発生状況についてでございますけれども、いろいろ計算方法がありまして、幾つか申し上げなければならないと思いますけれども、きわめてわかりいいところで、昭和五十六年度末というポイントに定めて断面をとりまして計算をしてみますと、昭和五十六年度末における罹患者、これは千四百六十一人おりました。このうち業務上だという形で認定された方々が三百二十三名となっております。もっともこれは総数でございまして、キーパンチャーその他もおられますので、この千四百六十一人のうち電話交換職という分類の方々は千二百四名でございます。そして、このうち業務上関係ありという形で認定された方々は二百五十三名という数字になっております。  これら頸肩腕症候群に対します予防対策並びに罹患者対策等につきまして若干触れさせていただきますと、電電公社は頸肩腕症候群対策といたしまして、これまでもたとえばヘッドホンを改良して軽量化するとか、あるいは電話番号案内用の薄冊というものを軽量化いたしますとか、あるいは職場環境の整備等を行うなど、その他多くの予防対策というものを講じてきております。  さらに、この業務外という形で認定されました罹患者につきましても、たとえばその後医療費の一部を公社が負担するような特別措置を講じるとか、あるいは交換作業から一般的な事務作業等へ担務がえをするというような形であるとか、あるいは逓信病院などはおける罹患者受け入れの体制を充実強化するというような対策を講じるなど、いわゆる罹患者対策につきましても、その他講じてまいりました。そして、たまたま交換業務がだんだん様変わりしてきたというようなこと等も含めまして、その結果頸肩腕症候群の罹患者という方々は、言うなれば順調に減少してまいったというふうに考えております。  ただ、最近では罹患者の罹患期間というものが非常に長期化してきておるというふうに考えられます。たとえば五十六年度末で、罹患者の罹患期間三年以上の方が全体に占める割合が約九〇%という数字になってまいりました。こういうことから、長期罹患者対策と早期健康回復ということを図る必要がございますので、公社の逓信病院などを使いまして総合精密検診の実施及び日常健康管理の充実ということについて進めてきておるところでございます。  なお、多数頸肩腕患者が発生いたしましたことにつきましては、実は大変私ども深刻に受けとめておるということでございまして、問題の重要性というものを強く認識しております。そして、先ほど申し上げましたこと、一例でございますけれども、積極的な諸対策を講じているところであります。公社といたしまして、むずかしいことではございますが、いち早く原因の究明に取り組みまして、人間尊重の立場に立って一日も早く疾病を根絶したいと。なお、罹患者の早期回復を図るということについて決意をさらに固めておるところであります。
  297. 安武洋子

    ○安武洋子君 数字にあらわれている人たち、それ以外にも手とか、一肩とか、腕とか、こういうしびれを訴える人が多数いる。そういう人たちが私病扱いで、はりとか、きゅうとかの治療を余儀なくされているというふうな職場の実態も聞いているわけです。私は罹患者を多数発生させてきた責任をどう感じてなさるかということをお伺いしたので、これは総裁お答えになるのが筋ではございませんか。
  298. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) こういう大きな国営事業でありながら、この問題が大きく発生したということに対しては、十分責任を感じておる次第でございます。
  299. 安武洋子

    ○安武洋子君 では、解決にひとつ誠意を示していただきたいということで、具体的な問題でお伺いをさせていただきます。  神戸の市外電話局の交換手の頸肩腕障害者、この方たちが労基法の八十六条に基づく労災認定審査を請求して、現在審査が進められております。この件は神戸市外電話局のベテラン交換手十二名の方たちが頸肩腕障害になって、交換業務に起因した疾病として五十年から五十二年にかけまして、公社の災害補償規程に基づく業務上災害の認定を申請されたわけです。全員がところが業務外だとされてしまいました。全員がこれを不服としまして、公社の地方審査委員会に不服申請を行う。これは五十四年八月でございますけれども、行いました。そして、労基法八十五条に基づく労災認定申請を労働基準監督署にも行っているわけです。しかし、五十五年七月から九月にかけて、このうち三名は業務上と認定されましたけれど、他の九名は仕事との因果関係がない、こういうことで業務外の認定がなされております。    〔委員長退席、理事降矢敬雄君着席〕 そこで、この九名中、他の病気治療中の一名を除く八名が五十六年の三月に労基法八十六条に基づく再審査請求を行い、現在に至っております。したがって、八十五条申請による審査の決定内容につきましては、現在労働保険審査官によって独自にチェックされているところでございます。これがいろいろと問題がございます。まず、労基署が十二人の八十五条の申し立てに対しまして、昭和五十五年七月三十日に一名の業務上認定と二名の業務外の認定、同じく五十五年の九月十一日に二名の業務上の認定と七名の業務外の認定を行っている。こういうことに対しまして、並行して審議が進められております公社の地方審査委員会審査結果、これも労基署と全く同じ七月三十日に、労基署が出した結論と全く同じ同人物に同内容の結論を出しております。そして、九月の場合は、同時に同じ日と言ってもいいぐらいの一日前の九月十日、これまた労基署と全く同じ人物に対し全く同じ内容の結果が出されております。  で、伺いますが、これは双方が協議をした結果このようなことになったとしか思えないわけです。これは公社と労働省にお伺いをいたします。
  300. 中原道朗

    説明員(中原道朗君) ただいま先生御指摘の神戸の十二名の方々の業務災害申請とそれからその後の経過につきましては、私どもにかかわる部分については御指摘のとおりであろうと思います。なお、業務災害の認定を行いました事実並びにその判断をいたしました月日というものにつきましては少し違っておりまして、七月二十九日、九月五日という日にちでございます。ただ、おっしゃるように、ほとんど全く同時期であるというふうに考えてもいい時期ではございます。    〔理事降矢敬雄君退席、委員長着席〕 ただ、私の方に関して申し上げますと、独自の判断に従って行っておるわけでございまして、特に労働省の方から御指示をいただくとか、あるいは具体的な何らかのアドバイスを本件に関していただくとかという形で結論を出しておるものではございません。
  301. 林茂喜

    説明員(林茂喜君) 労働省の方からお答えをいたします。  ただいま公社の方からいろいろの問題が出ておりますが、監督署長の審理の申し立てにかかわる審理と電電公社の業務災害補償審査委員会の処理とは、申し立ての時期等の関連からほとんど並行的に検討が進められたことは事実でございますが、この間、公社の方と資料の提出等について連絡は行われましたけれども、具体的内容の検討、さらにそれについての協議ということは行われた事実はございません。  また、結論が同一でないかということでございますが、監督署長は私どもの認定基準の通達、これは昭和五十年二月五日付のものでございますが、それに基づいて判断をしたものでございまして、公社の方も頸肩腕症候群の認定要件を私どもの通達を基本として定めており、それによって判断をしたものと思われます。したがいまして、判断の資料もほとんど同一のものが多いと思いますので、結果として同じ結論になったのではないかと考えております。ただ、結論に至る審査のプロセスはおのおの自主的なものであって同じものではないというふうに考えております。
  302. 安武洋子

    ○安武洋子君 それぞれ御答弁ございました。しかし、それにしても日にちもほとんど一緒、そして内容も全く一緒ということで大変疑念を持つわけです。労基法の八十五条、八十六条、これは公共企業体に働く労働者が業務に起因する災害をこうむった場合、公社以外の第三者機関である行政官庁に審査を求めることを保障いたしております。その第三者である行政官庁と審査した結論とそっくり同じ内容のものが、しかも同日——同日と言ってもいい一日違い、こういう日に別個に審査している公社も入った委員会が発表するというのは、これはきわめて不自然過ぎます。双方で協議したのか、あるいは一方の要請をうのみにして決定したのか、あるいは審査内容と動きがことごとく公社側に漏れていたのではないかという疑惑をぬぐい切れません。こういう疑惑が生じるのは、私は当然であろうというふうに思います。法に基づく第三者としての役割りそのものに疑義を感ぜざるを得ないわけです。労働省はこういうことは本当になかったと断言できるのでしょうか。
  303. 林茂喜

    説明員(林茂喜君) いまの点は断言できます。  それから、なお監督署長の審査につきましては、補償主体である事業主の判断の当否について判定するもので、したがいまして補償主体である電電公社の最終的な判断である業務災害補償審査委員会の結論が出る前に、私の方で結論を出すのは妥当ではないんじゃないかというふうに考えております。
  304. 安武洋子

    ○安武洋子君 八十五条に基づく労基署の決定と言いますのは、その審査内容にも私は重大な問題があると思います。九名が業務外とされた理由、これが申請者に説明されておりますけれども、それは端的に申しますと、労働省が頸肩腕障害の労災認定の基準としていわゆる五十八号通達を出しておられますが、これに基づいて申請者の発症前の六カ月の業務量を申請者らの出勤日数、それと職場の同僚の平均出勤日数などと比較して判断したところ、業務の過重が認められない、こういうのが最大の理由になっております。本来労基法施行規則の三十五条別紙に列挙されている本件のような疾病の場合、これは、当然、医学的にも業務との因果関係の確立が考えられるとされているものだけに、法定補償制度のこの目的から見ましても、関係業務に従事していて、そうして疾病の発症の事実が証明されさえすれば、使用者などが逆にこれは業務と関係がないことを証明しない限り、私は労災認定するのが当然だと思います。ところが労働省が認定基準としております五十九条の通達、これは運用上業務に起因した疾病であっても、通達にいう業務量などの基準数値を満たしているかどうか、こういうことで業務上と業務外のふるい分けをして、これが基準になっております。私は法の精神をゆがめるきわめて問題の多いものと言わざるを得ないと思います。  きょうは大変残念ながら時間がないので、この問題は全体を論議するわけにはまいりませんけれども、本件に照らして申しますと、九名が業務の過重性が認められなかったと言いますけれども、他の人と比較しなくても、これは公社が交換業務で過去に多数の頸肩腕罹病者を出してきた、こういう業務の過重な職場であったということは厳然たる事実でございます。この中で、当人たちが公社の指定病院においても頸肩腕症候群という診断をされている。そうして要健康管理者として現在も治療している、これもまた歴然たる事実でございます。こういう全体的な視野が私は不十分である。各人の業務の過重性をどういうふうなことでとらえたのかという点について申しますと、通達では、発症直前の三カ月程度の業務量を見て、他の労働者に比べおおむね一〇%以上多い場合、または一カ月のうち十日程度非常に業務量の多い日があった場合、これを業務過重と判断をしております。では、公社で労働者の個人の業務量をあらわす数値があるのかどうか。出勤日数とか、労働時間とか、取り扱いの通話数ぐらい、これは出ると思います。でもその作業の内容とか、通話の繁雑さとか、そういうことの違いというのまでは私は数値にあらわし切れないのではないか。たとえば、数値が出たとしても、労働者全体がぎりぎりの過密な作業を要求されるというふうな職場だからこそ、頸肩腕障害者が発生してきたという職場です。また、他の人に比べて一〇%も業務量が突出するというふうなことが、こういうぎりぎりの職場で考えられるか、私は考えられないと思います。まして労働基準監督署が重要な判断資料としたと述べている出勤日数、これはとりわけ労働者が同僚たちと比べて一〇%もふえるということはあり得ないと言っても差し支えないと思います。こういうふうに大変現実との間に乖離を感じるわけですね。こういうふうにして見てみままと、通達の問題点は別にしましても、通達の数値を絶対視して、それを機械的に当てはめて審査に当たる、こういうことではなくて、やはり個々の患者の具体的な罹病の経過、それから該当する職場の実態、こういうものをよく調査してやるべきだ、私はこういうことを十分に調査する必要性があるというふうに思います。本件の調査も含めましてぜひこのような観点に立っていただきとうございます。そうして結論が業務上と業務外、この二つしかないわけです。あいまいなものはないわけですから、一定の業務との因果関係、これが認められれば救済をするという方向で審査をして決定をするべきではなかろうか。いかがでございましょうか。こういう立場にお立ち願い、こういう方向で審査をし、決定をしていただけますでしょうか、お伺いいたします。
  305. 林茂喜

    説明員(林茂喜君) 私どもの認定基準は、先ほど先生が内容をいろいろ言われましたが、そればかりでなくて、具体的な業務量の大きな波とか質的なものを踏まえて調査をした上で、専門医等の意見を十分参酌して結論を出しております。  なお、職業病の認定につきましては、使用者の賠償責任ということは基本的なものとしてございますので、そういうものを踏まえて、こういう病気が使用者責任を問えるものであるということが必要なので、私どもとして先ほど言いました認定基準に基づいて、しかもその認定基準については、先ほど先生言われましたような、単に形式的なものではなくて、具体的な内容をよく把握して、さらに問題によっては専門の医師の意見も聞いて決定をしているのが実情でございます。
  306. 安武洋子

    ○安武洋子君 よく私が先ほど言ったことを聞いておいていただきたいんです。労働基準監督署が重要な判断資料としたと述べている出勤日数一つをとってみても、ある労働者が他の同僚と比べて一〇%も突出することがあり得るのかと、そういうことになってきますし、私は先ほどから全体的な視野に立つべきであろうと。そして、やはりこういう罹病者をたくさん出してきたのであるから、一定の業務との因果関係というのが認められれば、これは救済するんだという立場に立つべきではなかろうかと。業務の上でこういう労働者を苦しめているわけですから、そういう立場に立つべきではなかろうかということを私は質問をいたしております。もう一度御答弁いただきます。
  307. 林茂喜

    説明員(林茂喜君) その一定の業務との関係というものの判断でございますが、その判断の基準として、私ども認定基準をつくっておりますわけで、その認定基準を基本にして、いま申し上げましたように、業務を具体的に調査いたしまして、その内容を検討した上で、専門の医者の意見も聞いて決定をしたいというふうに考えています。
  308. 安武洋子

    ○安武洋子君 労働者の置かれている立場というのをよく認識して、そういう立場に立つべきではなかろうかと、いろんな状態からね。あなた先ほどから同じことばかり繰り返していらっしゃいますが、それは通達見ればわかるわけですから、もう少ししっかり答弁していただきたい。  私は、一番最初に、公社と労働省が本当に癒着しているのではなかろうかというふうなことを申し上げましたけれども、労働保険の審査官の独立性の保障についてもお伺いしていきます。  審査官というのは、八十五条の決定内容を独自の立場でチェックする任です。被災者保護の立場から、さきの決定理由に対する申し立て人らの意見と、それから審査内容への希望、これを踏まえた慎重な審査を私はするべきではなかろうかと。訴訟することになりますと、これは被災者の負担が非常に大きくなります。だから、独立官としての立場を保障するためにも、先ほど私が述べたように、公社との癒着とかあるいは圧力を懸念させるような、こういう事態、それから、その意を酌んで、本省などから政治的な圧力が加えられたのではなかろうかと疑いを持たざるを得ないような、そういう事態を惹起しないように、厳正な審査をしていただきたい。ただ厳正なだけではありませんよ。私の前段言ったことをよく踏まえて答弁をしてください。
  309. 林茂喜

    説明員(林茂喜君) 審査官は、御存じのように、個々の審査事案に対しまして、独立に判断を下すものでありまして、公正かつ慎重に審理の処理に当たらなければならないことは御指摘のとおりでございます。
  310. 安武洋子

    ○安武洋子君 私の前段申し上げたことへの御答弁ございませんよ。
  311. 林茂喜

    説明員(林茂喜君) これは審査官の任務、審査官の本来的な考え方を申し上げたわけでございます。
  312. 安武洋子

    ○安武洋子君 何度も私に繰り返させるんですか。あのね、私は、これは独立性ということは、よく知っております。ですけれども、被災者保護の立場から、決定の理由に対する申し立て人の意見と、それから審査内容への希望と、これをよく踏まえて慎重な審査をするべきではなかろうかということを言っております。それに対してどうですか。
  313. 林茂喜

    説明員(林茂喜君) それは御指摘のとおりでございます。
  314. 安武洋子

    ○安武洋子君 では、時間がまいりましたので、最後に公社に御要望申し上げとうございます。  業務上と認定された人につきましては、神戸市外の場合、現在交換業務を離れて軽作業をいたしております。完全に病気が直りましてから現職に復帰するというのが、再発のおそれもあるので、望ましいと思っていらっしゃると思います。  ところが、やはり本人が希望する、そして医師もそれを認めている、こういう場合はこの本人の意思も踏まえ、そして医者の診断も踏まえていただきまして、現職復帰へのリハビリとして段階的に交換業務ができる、そして現職に復帰ができる道、これを検討していただきたい、いかがでございましょうか、これを御要望申し上げます。
  315. 中原道朗

    説明員(中原道朗君) 頸肩腕対策、それから後のリハビリ、アフターケアというものにつきましては、先ほども御説明申し上げましたように、交換作業等から軽作業その他への担務がえをやってきておる。あるいはその症状いかんによりまして は現、たとえば交換職のまま仕事を続けてもらっておるという事例もございます。たまたま担務がえ等をいたしますにつきましては、そうした方がその後がよりよくなるであろうという判断で行っておることでございますので、その後の措置といたしましても、たとえば交換業務につく方がよりよいことになるという判断ができますものであればそういう道をつくる、あるいはそういうふうにしていただくということも当然考えることでありますし、また、たとえばその交換業務によって頸肩腕になられたという事実が過去にあるわけですので、その道をまた歩むということについての心配というものがあるわけですので、これは慎重な上にも慎重を期して行うという道をたどるのが普通であろうかと思います。ただ、いろんな条件をすべて勘案いたしまして、どういう方法をとるのが一番その方のためになるかということを判断のポイントにして、それから後の仕事の割り振りというものは決めていきたいと思います。
  316. 安武洋子

    ○安武洋子君 では、本人の意思を十分に踏まえていまのように御検討いただきたい、そのことを申し上げまして私の質問を終わります。
  317. 中山千夏

    ○中山千夏君 昭和五十二年の十一月に、第三次全国総合開発計画というものが策定されまして、人口定住構想というものが打ち出されました。これは、一口で言うのはむずかしいですけれども、十年後を目標として、人口の大都市集中を抑制して、そして地方振興を図るというような計画だと伺っております。これに国土庁を中心にたくさんの省庁がこの定住構想に参加していて、その中にも郵政省も加わっていらっしゃいますですね。これどういう計画、テーマで参加していらっしゃるんでしょうか。
  318. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) 郵政省におきましては、第三次全国総合開発計画を受けまして定住圏構想に関する調査研究といたしまして、五十四年度から、国土庁から予算の移しかえを受けまして調査を行っているところでございますが、五十四年度におきましては、モデル定住圏における地域情報環境整備計画調査ということで、定住の条件を規定をいたします基礎的要素の一つとしての情報通信環境の整備というものを取り上げておりまして、圏域内における情報通信サービスの現状、それからニーズ、また地域情報環境整備の方向と施策のあり方というようなものを調査、分析をいたしました。  なお、昭和五十五年度におきましては、有線テレビジョン自主放送の普及、発達に関する調査というものを行いまして、地方の定住条件を整備する上で大きな役割りを果たすと思われます有線テレビジョン自主放送の問題点を解明、検討するための番組内容の充実とか、あるいは制作費、必要とする自主放送用機器、機材等についての基礎調査を行いまして、自主放送の発達、普及を図るための具体的方策というものを解明をしたところでございます。  さらに、昭和五十六年度におきましては、定住構想推進のための情報流通量の地域格差に関する調査をいたしまして、地域間の情報流通の実態を定量的、総合的に把握をいたしまして、地域に応じた情報メディアの育成、あるいは情報流通の地域格差の是正、こういったもの、あるいは定住構想の推進を図る上で今後必要な施策を検討するための基礎資料の調査というものを行ったところでございます。  さらに五十七年度におきましては、地方の中枢都市における情報流通機能の体系的整備に関する調査をいたしまして、地方圏における情報ニーズと情報流通メカニズムを明らかにいたしまして、その差異というものを分析をいたしまして、必要な対応策を検討するため都市階層に応じた情報流通の実態把握、あるいは都市階層別情報ニーズの実態分析というようなものを行ったわけでございます。
  319. 中山千夏

    ○中山千夏君 なかなか一遍聞いただけではすぐわからないような調査をいろいろやっていらっしゃるということがよくわかりましたけれども、五十六年度に関してその調査費が国土庁の方からさっきおっしゃった移しかえという形で郵政省に来ているわけなんですけれども、五十六年度に関するとこれが約九百十六万円となっていますね。その九百十六万円のうち実際に支出した決算額、これが約九百四万円です。この決算額九百四万円のうち八百八十八万円というものが定住構想関係調査委託費というものに使われているんですが、これどういう課題をどういう機関に委託なさいました。
  320. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) テーマは先ほど申し上げましたように定住構想推進のための情報流通量の地域格差に関する調査ということでございまして、地域間の情報流通の実態、これを定量的、総合的に把握しようというものでございまして、委託先は三井情報開発株式会社でございます。
  321. 中山千夏

    ○中山千夏君 これ一つの機関にまとめて委託しちゃうわけですか。
  322. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) このテーマにつきましては三井情報開発に、一機関に委託をいたしております。
  323. 中山千夏

    ○中山千夏君 そうすると、いろいろテーマによってはまた別の機関に委託をするということもあるわけですか。
  324. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) 毎年私ども行っておりますのは、この関連では一テーマだけでございます。他の五十五年度につきましては財団法人でございますが、電気通信総合研究所に委託をしたということもございます。
  325. 中山千夏

    ○中山千夏君 先ほどずっと長いこと説明してくだすった調査内容ですね、それとこの八百八十八万円ですか、という費用を考えますと、どういうやり方をするのか具体的にはわからないけれども、私たちがいろいろなことをするときにお金を使う、何か事業をするときに、運動したりするときに使うというようなものから考えても、ずいぶん少額だという気がするんですよね。これで果たたしてさっきおっしゃったような十分な調査ができたのであろうかという気がするんですが、その辺はどうなんでしょう。
  326. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) いろいろテーマによりまして基礎的な資料を調査をするというものから、あるいは今後の方策といいましょうか提言というようなものをいただくというような場合もあるわけでございますが、たとえば、あるいはこういったものはわりあい御理解をいただきやすいかなというようなことで一例を申してみますと、たとえば五十四年に行いましたモデル定住圏における地域情報環境整備計画調査でございますが、これをもとにいたしまして筑波研究学園都市をモデル地域にいたしまして、CATV施設、有線放送施設というものを活用した高度情報通信システムの開発研究というようなもの、あるいは地域における簡便な個別情報メディアとしてのキャプテンシステムの、これは五十九年十一月の実用化のために取り組んで現在おるわけでございます。こういったようなものにまた役立ってきておるわけでございますが、さらには五十五年度に行いました有線テレビジョンの自主放送の普及発達に関する調査、これはこの結果をもとにいたしまして、地方都市においても具体的に自主放送を行う場合の手引きとして、いろいろな地域において活用されているというようなことでございまして、額としてはわずかな額かもしれませんが、それなりの成果というものを上げているというふうに私ども理解をしているところでございます。
  327. 中山千夏

    ○中山千夏君 このほかに、定住圏構想のほかに、建設省の地方自治圏構想ですとか、それから自治省の広域市町村圏構想ですか、そういうものがありますね、こういうものとちょっと重なるところもあると思うんですね。このほかのこういう構想には郵政省は関連していらっしゃるんですか。
  328. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) ほかの構想に関しまして、私ども予算的措置を講じて調査をしているということはございません。
  329. 中山千夏

    ○中山千夏君 私は、素人考えですけれども、どうも定住圏構想というのは実現が不可能なんじゃないかという感じがすごくするんですよね。しかも国民から見ても、これ発表されたときに少し騒がれたというかある程度みんなの間、新聞なんかで書かれたということはありますけれども、その後の報道なんか見ていましても、どうも実情にそぐわなくって、調査はいろいろやっていらっしゃるようだけれども、五十二年から勘定しますと五年たっているわけですよね。その中で余り成果は上がっていないという感じが私はするんですね。そういう評価を出しているマスコミなんかも目にします。そうすると、これやっぱり歳入欠陥だとかそれからゼロシーリング、マイナスシーリングなんという厳しい財政状況の中で、これ三全総というものが予定どおりに実現できると考えること自体少々無理があるんじゃないか、十年が目標らしいですが、そう思うんですけれども郵政省は実現できるというふうに信じていらっしゃるんでしょうか。
  330. 八木国雄

    説明員(八木国雄君) 先生御指摘のように、昭和五十二年に三全総計画ができたわけでございますけれども、それの柱ということでは定住構想ということを打ち出しております……
  331. 中山千夏

    ○中山千夏君 郵政省が信じていらっしゃるかどうかを伺っております。
  332. 八木国雄

    説明員(八木国雄君) じゃ失礼しました。
  333. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) 定住圏構想ということでいろいろ関係省庁取り組んでいるところでございまして、私ども全体の定住圏構想というものの判断というものをし得る立場にございませんので、その点は御容赦いただきたいと思うわけでございますが、私どもが行っております調査研究につきましては、先ほど来申し上げておりますようにそれなりの役割りというものを果たしてきておる。特に通信技術の進歩というものは今後さらに著しい発展が予想されているわけでございまして、社会における情報通信の役割りというものがますます大きくなっていくという今日におきまして、いままで行いました、数少ない調査ではございますけれども、それなりの価値というものを持っておるというふうに考えておるところでございます。
  334. 中山千夏

    ○中山千夏君 では国土庁にお伺いいたします。お待たせしました。  いま私話したような意見を持っているんですが、それはちょっとそれとしまして、ある年度から最初加わっていた警察庁と文部省が計画に加わらなくなっていますね。これはどういう理由から落ちたんでしょうか。
  335. 新村淳一

    説明員(新村淳一君) いまの先生御指摘のございました警察庁と文部省の問題でございますけれども、先生の御指摘になっている調査経費は、先ほど郵政省の方から答弁がございましたように、まず定住構想推進調査費の話であるというふうに理解をさせていただきたいと思います。  これは三全総のスタートは五十二年でございますけれども、その後いろいろどういうふうにやっていくかという経緯がございまして、調査費自体は実は五十四年度からやりております。したがいまして、先生がおっしゃいました警察庁、文部省の問題は、当初五十四年度にあったけれども最近はなくなっているということだと思います。  私ども各省庁に、各省庁の定住構想に関連する諸課題につきまして、いろいろなそれぞれ御検討いただいた上で調査テーマというものを出していただくと。その上でいろいろ御相談をしながら調査費の配分をやっていくと。その結果が事前にちょっとお話ししましたような各省庁への配分額ということになっているわけでございます。  さて、警察庁と文部省はどうなったかということでございますけれども、実は私どものところには、たとえば五十八年度でございますと金額全体は三億二千四百万でございます。それに対しまして、非常にたくさんの省庁からたくさんの課題が参るわけでございます。そうしますと、やはりその中で緊急性なりそういうことを判断しながら、それから各省庁のお立場ということも考えながらやっていくということになるかと思います。  途中過程といたしまして、たとえば五十六年度、五十七年度あたりに警察庁と文部省が実際上最終結果として配分が行われていないということはあろうかと思います。さりながら、その場合にも要望は出ていることもございますし、現に五十八年度でいまいろいろお話をしているわけでございますけれども、警察庁なり文部省なり、それぞれのお立場でこういうテーマをやりたいというようなお話は来ているわけでございます。ですから、その計画からおりたというふうには私どもは理解をしておりません。御理解をいただきたいと思います。
  336. 中山千夏

    ○中山千夏君 いや、それはそれで構わないんですけれども、そちらの御理解は御理解で。ただ、五十四年度から文部省はこの調査委託費というのを受けていないわけですね。それから警察庁は五十六年度から受けていないわけです、移しかえを。その理由は何ですかって伺っているわけなんです。
  337. 新村淳一

    説明員(新村淳一君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、警察庁につきましては私どもお話し合いの上、最終的には五十四、五十五と配分いたしました。そして、五十六年度、五十七年度におきましては配分しておりません。
  338. 中山千夏

    ○中山千夏君 それは私がもう説明しましたから理由を言ってください。
  339. 新村淳一

    説明員(新村淳一君) はい。  それで、結局要望としては警察庁の方からも出てきたわけでございます。ただ、緊急性の問題で、各省の横並びを見た結果として、採択に至っていないということでございます。それから、文部省につきましては、私ちょっと要望、つまり要望が出ていたかどうかという、その最終査定の前の段階の問題でございますので、ちょっといま直ちには整理しておりませんけれども、たとえば五十六年度には要望は出ていたんであるけれども採択されなかった。それから、五十七年度は最初から実は要望が出てこなかった。さりながら五十八年度にはまた要望が出てくると。そういうような形の要望スタイルになっております。
  340. 中山千夏

    ○中山千夏君 質問をする前にも、この件についてなぜですかということを質問通告のときに、一応ここから欠けてますねということを申し上げましたら、そういうことはありませんというようなお話だったんですね。それで、いまお話を伺ってても、たとえば要望があったのなら、こういう要望があったけれども、それは国土庁から見てこうこういう理由で調査費を出す必要がないと思ったのでそれは切ったとか、そういう具体的な御説明がいただけるととてもわかりやすいんですけれども、そのおりたわけではありませんということばっかり余り強調なさると、やっぱりおりたのかなという気がするんですよね。だから、そういうところを見ていても、それから世の中の状況みたいなものを見ていても、何となく本当に政府自体がこの定住圏構想というものを本気でやっていく気があるんだろうかという疑問が出てきちゃうわけなんです。  いま土地も非常は値上がりしてますし、こういう最初の予定どおりの計画で実際にはできないんじゃないかと、で、する気もまたちょっと薄れてきているんじゃないかと、政府の方にも、と思うんですが、短かくその辺をお答えいただけますか。
  341. 八木国雄

    説明員(八木国雄君) 三全総の定住構想につきましては、できるだけ大都市への人口とか産業の集中を抑えて、地方の振興を図りたいということでございます。それともう一つ大きい点は、新全総のときが余りにも国主導型でやり過ぎたと。できるだけ地方の自主性、自発性を尊重しながら、国はそれに対するお手伝いをしていくというふうな基本的姿勢に変わっておりますので、別途国の方の姿勢が弱いんじゃないかという批判があることは事実でございます。ただ、最近の実勢を見ますと、まず東京、大阪あるいは名古屋という大都市圏に少なくとも地方から新たな人が集まらなくなってきた。あるいは公共事業において地方の振興にかなり重点的な配分が行われてきている。場合によってはむしろ地方の方の生活の方が東京なんかの生活よりいいじゃないかという、あるいは地方に職場があれば地方へ行きたい人が非常にふえてきている。それはある意味において東京、大阪、名古屋という大都市圏における集中抑制に非常に役に立ってきているということであろうかと思います。それからまた、地方の方といたしましては国ばかりに頼るんじゃなくて、自己の自主的な計画のもとに非常にいろんな各種各様の施策をやってきておられるという点において、かなりいわゆる定住構想といいますか、の進展というのはだんだん進んできているんじゃないかと思います。  それから、先生御指摘の定住圏のことでございますけれども、定住圏といいますのは、いわゆる定住構想といったものの具体的な進め方の一環として、全国を都道府県あるいは市町村という圏域に限らないで、ある程度自然的あるいは経済的なつながりのある圏域ということの単位で整備をしていこうということでございますので、それについては、たとえば市町村の連合といいますか、広域市町村圏というふうなもので、たとえば廃棄物であるとかあるいは文化関係であるとかというような形での一つのまとまりを持った行政がだんだんと進んできている。あるいは今国会にこれから提出されるでありましょう、たとえば医療法の改正で、たとえば医療圏といったものを設定をしてその中で地域医療を考えていく。そういう圏域的な物の考え方というのは、ある意味においては行政にどんどん浸透していっている。国の行政にも浸透していっておりますし、あるいは地域におけるいろんな経済面あるいは文化面における振興政策としても定着をしてきているんじゃないかと、こういうふうに判断をしております。
  342. 中山千夏

    ○中山千夏君 まだちょっとわからないところありますけれども、時間がないので今度また国土庁の——何か機会があったらまたこのことについてお話を伺いたいと思いますのでよろしくお願いしますが、郵政省の方、先ほどこれ実現するかどうか信用していらっしゃいますかというふうに伺ったら、そういうこと判断する立場にないというような、全体のことを判断する立場にないというようなことをおっしゃって、まあそれはそれで確かにそうかもしれないなと、お役所ではそうなんだろうなとは思うんですが、でも、たとえばその構想が郵政省の判断で、郵政省から見ていてとうてい実現が不可能であるとか、その構想自体が効果がちょっと上がらないのではないかというようなことがあったら、やっぱり国民の税金を使ってやることですから、これはやめた方がいいんじゃないかというような意見をたとえば国土庁におっしゃるとか、そういう立場が当然あってもいいと思うんですよね。そういう検討、何かの構想に加わるときには、それは確かに一つの省庁ではあるんだろうけれども、全体を見ながら意見を言っていく。それで、ただ予算が来るからそれはしようがないからやっていくみたいなことじゃなくて、もう少し積極的に、否定も含めて積極的に、もちろん前進も含めてやっていってもいいのではないかと思うんですけれども、その辺いかがですか。
  343. 澤田茂生

    政府委員澤田茂生君) 三全総における定住構想でございますが、ここにおいて、この構想自体というものはやはりその時代時代に応じた私は一つの提言であろうというふうに思っておりますし、また地域間の適正な情報流通を促進するための通信ネットワークの整備というものが、地域社会経済の発展のための基礎的な条件として必要であるということについては、私どもも同意見でございますし、それぞれの省庁の立場で最大のいろいろな形でできるだけの協力をして、目的の実現に努めていくべきであろうと、こういうふうに考えております。
  344. 中山千夏

    ○中山千夏君 もう一つの問題に移ります。  広告つきはがきというのがありますね。これは四十円のものを広告がついているというのをがまんすると三十五円で買えるというので、大変斬新なアイデアだと思うんですが、たしか五十六年から売り出されたと思うんです。これの普及状況というのはつかんでいらっしゃいますか。
  345. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 広告つきはがきにつきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、昭和五十六年の郵便料金の値上げを契機として、その後五十六年七月から発売を始めているものでございます。  普及状況ということでございますが、五十六年七月から五十八年三月まで、今日まで合計で五百六十三種類、一億六千六百五十一万枚発行いたしております。
  346. 中山千夏

    ○中山千夏君 その発行した先がどこかということが、実はつかんでいらっしゃるかどうか聞きたかったんですが、もう時間がないので意見だけ申し上げますけれども、普通の人が買えないんですよね、この広告つきはがきというのを。それで、どうしてかというと、広告をつけた当の企業やなんかが買っちゃって、そうしてダイレクトメールに使ったり、あるいはお得意さんへの差し上げ物にしたりしちゃうらしいんです。それで普通の人は本当に買えないんですね。そうするともともと普通の人へのサービスのつもりでつくったものが、この説明によるとたとえば広告主にとってはいささか高いかもしれないけれども、普通の人にとってはメリットがありますと、一般利用者にとってはということになるけれども利用者と広告主とが同じになっちゃうと、つまり広告主ばっかり楽になっちゃう。ダイレクトメールをつくるのを手伝っているというような結果になって、そうして五円でも安いはがきはありがたいからって一生懸命駆けつける人の手には入らないという状況ができているんですよね。それを何とかしないとせっかくのいいアイデアも少しも国民にとってありがたいことにならないと思うんです。これに対するお答えだけいただいて終わります。
  347. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 制度を発足をしましたときは、まだPRが行き届いてないということもございまして、必ずしも売れ行きはよくなかったわけでございます。そういったときに広告主である事業者に若干お買い求めいただいたという事実はございますが、最近かなりPRも浸透してきまして、また郵趣の一形態としてお買い求めいただく方もかなりふえてまいりまして、かなり品不足でございまして発売後二、三日から一週間で売り切れるというような状況になっております。したがいまして、私どもとしましてはできるだけ多くの人に五円でも安いおはがきをお買い求めいただくために、一人当たりの発売枚数を制限したり、さらに今後はできるだけ広告主等を多く募集して、できるだけ枚数を多く発行して、御要望にこたえたいと思っておりますが、原則としてこの発売は郵便局の窓口で発売するものでございまして、別のルートでまとめて広告主に売るといったことはいたさない仕組みになっております。
  348. 中山千夏

    ○中山千夏君 終わります。
  349. 竹田四郎

    委員長竹田四郎君) 他に御発言もないようですから、郵政省及び日本電信電話公社決算についての審査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十四分散会