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1983-03-05 第98回国会 衆議院 予算委員会第七分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年三月五日(土曜日)     午前九時三十分開議  出席分科員    主 査 越智 伊平君       鴨田利太郎君    堀内 光雄君       沢田  広君    三浦  久君    兼務 井上 普方君 兼務 伊賀 定盛君    兼務 上田  哲君 兼務 川俣健二郎君    兼務 鈴木  強君 兼務 田口 一男君    兼務 鳥居 一雄君 兼務 吉浦 忠治君    兼務 岡田 正勝君 兼務 寺前  巖君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 長谷川 峻君  出席政府委員         運輸大臣官房長 犬井 圭介君         運輸大臣官房総         務審議官    西村 康雄君         運輸大臣官房会         計課長     大塚 秀夫君         運輸省鉄道監督         局長      永光 洋一君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部長 棚橋  泰君         運輸省自動車局         長       角田 達郎君         運輸省自動車局         整備部長    丹羽 一夫君         運輸省航空局長 松井 和治君  分科員外出席者         人事院事務総局         職員局審議官  網谷 重男君         国土庁大都市圏         整備局整備課長 井上 良蔵君         法務省民事局参         事官      濱崎 恭生君         大蔵省主計局主         計官      藤井  威君         労働省労政局労         働法規課長   斎藤 邦彦君         労働省労働基準         局安全衛生部労         働衛生課長   福渡  靖君         建設省都市局都         市計画課長   城野 好樹君         日本国有鉄道総         裁       高木 文雄君         日本国有鉄道常         務理事     半谷 哲夫君         日本国有鉄道常         務理事     橋元 雅司君         日本国有鉄道常         務理事     三坂 健康君         日本国有鉄道常         務理事     坪内 享嗣君         日本国有鉄道常         務理事     竹内 哲夫君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団理事)   濱  建介君         参  考  人         (新東京国際空         港公団総裁)  中村 大造君     ───────────── 分科員の異動 三月五日  辞任         補欠選任   中路 雅弘君     栗田  翠君 同日  辞任         補欠選任   栗田  翠君     三浦  久君 同日  辞任         補欠選任   三浦  久君     中路 雅弘君 同日  第一分科員鳥居一雄君、第三分科員上田哲君、  寺前巖君、第五分科員田口一男君、第六分科員  井上普方君、伊賀定盛君、鈴木強君、吉浦忠治  君、岡田正勝君及び第八分科員川俣健二郎君が  本分料兼務となった。     ───────────── 本日の会議に付した案件  昭和五十八年度一般会計予算  昭和五十八年度特別会計予算  昭和五十八年度政府関係機関予算  (運輸省所管)      ────◇─────
  2. 越智伊平

    越智主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。  昭和五十八年度一般会計予算昭和五十八年度特別会計予算及び昭和五十八年度政府関係機関予算運輸省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。  この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られております。三十分でございます。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口一男君。
  3. 田口一男

    田口分科員 おはようございます。  私は、特定地方交通線、いわゆる赤字ローカル線の問題についてお尋ねをしたいと思います。  まず第一点は、いわゆる第一次分ですが、運輸大臣申請をいたしました四十線、七百二十九・一営業キロについて、すでに関係自治体ではいろいろと協議を進めておると思うのですけれども、第一次の選定を発表して以来きょうまで、法に基づく対策協議会開催状況協議進捗状況について、全線についてといいますと時間がありませんから、ひとつ概括的にお答えをいただきたいと思います。
  4. 竹内哲夫

    竹内説明員 お答え申し上げます。  特定地方線のうち、第一次の選定分につきましては四十線区ございますが、そのうち三十八線区についてすでに協議会が持たれまして、多いところでは四回、二回というところが多いわけでございますけれども、内容的にはかなり突っ込んだ議論が行われているというところがかなりございます。その際に、転換の具体的な方向づけまですでになされておるというところもございますが、その他の線区につきましても逐次論議が深度化されつつあるのではないかというふうに思っております。四十線区中二線につきましては、四月一日に協議開始希望日が到来いたしますので、それに合わせて協議会を動かしていただきたいというふうに、いま鋭意地元で折衝いたしておるところでございます。  それから、続きまして第二次選定の三十三線区につきましては、去る十一月の二十二日に、国鉄から法令に基づく条件によりまして選定をいたしましたものを運輸大臣あて申請をいたしておりまして、現在、運輸省から関係道府県知事あて意見の照会をいたしておるところでございます。
  5. 田口一男

    田口分科員 この対策協議会でいろいろと協議をしていただくのに、一応運輸省としては、いまお話しのように大体いつごろに終わってもらいたいという腹づもりがあるはずですね。そうしますと、私どもが聞く限りにおいては、まあ役所の側の言い分とすれば、遅々として進まぬところの方が多い。いま言ったように、第二次も去年やった。第一次がこういう状況ではということで、例の特別措置法審議の際にも議論がありましたが、いわゆる見切り発車ということも考えておるのか。これは大臣の腹でしょうけれども、その辺、どうでしょう。第一次の選定線進捗状況がどうも遅々として進まぬ。第二次の承認が来ておる。したがって、第一次もばっさりやろうじゃないか。その時期、タイミング、こういったような問題でしょうけれども、いずれやらなければならぬと思っておるのか。この辺、どうでしょうか。
  6. 永光洋一

    永光政府委員 現在、いま説明がありましたように、協議会地元と鋭意進めて御理解を得、あるいは具体的な転換対策を進めておる段階でございまして、現段階においてそういうようなことはまだ考えておりません。
  7. 田口一男

    田口分科員 次に、いまも話がありました第二次の問題についてお尋ねをしたいのですけれども、昨年の十一月二十二日に、第二次分として十七道県、三十三線を運輸大臣に対し承認申請をいたしました。これに関して、やはり特別措置法審議の際にも議論になったのですけれども関係省庁協議をすることになっておると思うのですが、その関係各省との協議の経過、結果、こういったものはどうでしょうか。
  8. 永光洋一

    永光政府委員 申請が十一月に出まして、現在、関係都道府県知事意見を照会しておる段階でありまして、内部的に、現段階でわれわれとしてもいろいろ基準に照らして慎重に審査をしております。知事意見が出ましたら、それとあわせまして、さらに基準に照らして厳正な当てはめをやりたいと思っておるわけでありますが、その段階におきまして、われわれとしてこういうふうに考えるということで、正式と申しますか、関係省庁とお話し合いをしたいと思っております。恐らく現在の段階では、非公式に関係省庁がどういう線がどういう対象になっておるということでいろいろ御検討はあっておると思いますけれども、そういう段階でございます。
  9. 田口一男

    田口分科員 これはたしか局長の方も御存じだろうと思うのですが、第二次線を発表する前に、いわゆる地方団体全国知事会であるとか都道府県議長会であるとか、そういった関係地方団体が、第一次の分についてもすっきりしていないのに、決着がついていないのにこの第二次線を選定申請をするということはいかがなものか、もっと強い口調で抗議があったと思うのですね。いまのお話ですと、そういった関係地方団体の意向というものも、まああえて言うなら無視をしながら、関係省庁意見というものについても、まだいまのお答えではすかっとした協議が調っておるようにも見えない、こう思うのです。どうもあるタイムテーブルがあって、第一次が来たよ、もうしようがないから見切り発車しましょう。第二次が来た、いろいろな雑音も入ってくるけれどもとんとんと進みましょう。どうも事務的といいますか、そういう感じがするのですが、どうでしょうか。
  10. 永光洋一

    永光政府委員 非常にかたいことを申しますと、都道府県知事意見と申しますのは、このローカル線対策のいわゆる基準に合っているかどうかということをわれわれが調べ、あるいは国鉄が調査した後の結果に照らして、なお都道府県知事としてその基準適合性について御意見があればということが基本でございます。まあしかし、一般的に知事さんの方はローカル線廃止は困るというような、あるいは地域開発関係があるというような全般的なお話が多いわけでございますが、そういう御意見も一応は拝聴はいたしますけれども、われわれとしては、実際には、その知事の御意見基準適合性についての具体的な御意見を承りたい、こういうことでございます。  それで、一次が終わって、終わってと申しますか、一次がやっと協議会の軌道に乗ったときに二次の選定に入るのはという御意見知事さんの方にございますけれども、われわれとしましては、一次、二次含めて、二千人未満につきましては六十年までにバス転換等措置を図りたいということでそもそもお話し合いをし始めまして、しかし一挙にということはどうかということで、その中の範囲内において激変を緩和する意味で一次と二次に分けるというような形でスタートしたということでございますので、去年の秋ごろから二次の選定につきまして始動するということは御理解を願いたい、こういうふうに関係知事さんの方には申し上げておるわけでございます。
  11. 田口一男

    田口分科員 汽車を走らす国鉄のことですから、時間どおりにやりたいという気持ちはわかりますけれども、どうもその方が先に立っているのじゃないかという気がします。  そうしますと、いま第一次、第二次もひっくるめて昭和六十年云々、しかし一次と二次に分ける、そうなりますと、やや事務的なことなんですが、この第二次分について一体協議会協議はいつごろまでに終わってもらいたい、それから廃止予定線はいつだ、こういう一応の時間表というのですか、それはどんなものでしょうか。
  12. 永光洋一

    永光政府委員 これはやはり地元の足を確保するということを前提に、地元協力なり御理解を得て進めたいというのが基本でございますので、最後の、終着の予定というのは、地元の御理解の上でやっていきたい、こう思いますので、現段階でそう明確なものではございませんけれども、第二次選定につきましても、地元理解を得て協議会が発足できれば、その協議会の中でなるべく早くバス転換等措置が講じられるように御協力を求めたい、こういうふうに考えております。
  13. 田口一男

    田口分科員 私は、そういう姿勢は確かに必要であり、重要である。沿線住民関係者理解が得られなければ、いかに予定表をつくっても進まぬわけですから、ひとつそのつもりでずっとやっていただきたいと思うのです。  そこで、具体的なことを申し上げますが、三重県に松阪市から美杉奥津まで走っておる名松線という列車がありますね。これを一つの例として挙げたいのですけれども、これは御存じのように昨年の台風十号によって大変な被害を受けました。そこで、これは国鉄当局御存じだと思うのですけれども、私ども県選出国会議員一同運輸大臣国鉄総裁にいろいろとお願いをいたしました。まず、災害復旧早期にやってもらいたい、それから、去年の八月時点ですから学校が始まりますから、それまでに学校へ行く学童生徒の足を確保してもらいたいなど要望いたしましたが、そういう点について前向きの御回答をいただきまして、代行バスを走らすとか災害工事に着工する、こういうことについて一定の成果を上げておることは私も認めます。  そこで、いまの沿線関係各位理解を得て進めなければならぬということに関して言うのですけれども、平たく言えば廃止予定線、その廃止予定線災害に遭った、これ天の幸いとばかり見て、こういう気持ちがあるんじゃないかということを住民としては揣摩憶測するわけです。これは理解いただけると思うのです。伊勢湾台風のときにはわずか一カ月で災害復旧汽車が走った。ところが今日、去年の八月からもう半年です。依然として汽車が走っていない。名松線という名前は松阪の松、名張の名を取って言うのですが、いま汽車が走っているのは途中の美杉字竹原という駅までです。そうすると、このままほっておくと松阪市の松と竹原の竹を取って松竹線になってしまう。松竹線というのは珍しいが、逆さに読んだらどうなる。「チクショウ」線ですね。そういう笑い話まで出ておる。  したがって、私は細かい金の問題はあえてここで言おうとは思いませんけれども基本的な考えとして、災害復旧災害復旧、二次の問題は二次の問題だというふうにはっきりすべきじゃないか。もっと言うなら、一遍先に汽車を走らせろ、汽車を走らせた上で二次の問題についてどうだこうだというふうに沿線住民関係者理解を得るべく努力をする、これが私は行政の筋ではないのかなという気がするわけです。といって、私は、災害復旧をやれば廃止線について沿線住民がどうだこうだということは言いませんよ。それは私は口が腐っても言いませんけれども、筋としては、復旧復旧汽車を通らすことは通らすこと、これとは別なんだ、こういうことで進めていかなければならぬし、総裁もお見えですが、そういうつもりでいままでも何度か言ったつもりです。あえてここでもう一遍言うのですけれども、そういう基本的な考えに立っておるのか、それとも先ほど申し上げたように、これ天なり命なりということで、災害をもっけの幸いにしてそのままずるずると廃線に持っていこう。どうなのか、ここのところをお聞きしたいのです。
  14. 半谷哲夫

    半谷説明員 昨年八月二日に台風十号で災害を受けたわけでございます。この名松線はほとんど全線にわたって災害を受けまして、一時全線をストップさせざるを得ない状況であったわけでございますが、その後、手前の方から復旧に入りまして、八月九日には松阪ー家城間二十五・八キロを開通させました。九月一日に家城から伊勢竹原まで入りまして開通させたという経緯をとったわけでございます。  実は、正直に申し上げまして、この段階でも内部では内々に第二次選定作業が進められておりまして、この名松線も多分それに入るであろうということであったわけであります。しかし、災害復旧というのは国鉄として当然やらなければいけないことでありますし、まだ第二次申請として一般に発表したものでもありませんし、第二次申請もなされてないということでありますから、その災害復旧に力を注いできたわけでございます。  しかし、昨年の十一月になりまして第二次申請をし、今日に至っているわけでございます。現在、竹原から奥津までの間の土砂取り除きの工事を続けてきておりますけれども、第二次申請がなされた段階におきましては、災害復旧を続けて開通するまでにはまだ相当のお金がかかる、また、特定地方交通線として第二次申請をいたしております段階でありますけれども、いずれこれは地元の方々とも御協議申し上げてどうするかということになるわけでございまして、いまのこの財政事情の中で工事費を使うということについてはいろいろ考えなければいけないこともございますし、一方ではやはり災害復旧をしなければいけない、また、地元の御要望も強いということも考えながら、また一方では第二次特定地方交通線問題ありということで、いろいろこの情勢を踏まえて地元の県あるいは村とも御協議申し上げまして、今後の対処方を決めていきたいというふうに考えている次第であります。ただ、現在、土砂取り除きの工事は続けている状況でございます。
  15. 田口一男

    田口分科員 重ねて申し上げたいのですけれども、去年の災害直後に、伊勢湾台風以来の大災害でしたから、例によって激甚災指定が受けられるようにいろいろな働きかけもされまして、そういう指定にもなったのです。  そこで問題は、従来の考えですと、災害線路が全部埋まってしまった、埋まったどころじゃなくて、もう大変な状態ですね。それを復旧するのに、ついでと言っては変な言い方になるのですけれども山沿いですからこういった治山治水なんかの関係工事もやってもらう。それを国鉄に望むなんということは、いまの国鉄財政状態からいって無理な話である。したがって、行政上いろいろな区分があるのでしょうが、県でやるべきところは県でやる、町村でやるべきところは町村でやる、そういうふうに相協力して災害復旧をやりながら金も出すということは、結局国鉄の負担をできるだけ軽くしながら本来の汽車を走らしてもらいたい、こういう沿線知事町村長気持ちが強く働いた、そういうふうになっておると思うのですね。額そのものについてはいろいろな問題があるでしょうけれども、そういった気持ちをおもんぱかると、さっきから私は何回か言っておりますように、災害復旧災害復旧だ、そして、汽車を通すことは汽車を通すことだ、通した上で、いま言った第二次というふうないろいろな現実の問題がありますから、これはこれで話を進めていく、こうすれば、沿線住民だつて、父祖伝来云々という言い方はありますけれども、その辺で話がほぐれてくるのではないかという気が私はするのです。災害直後に天王寺の管理局長が現地に見えられて、営業線でありますからその辺はぴしっとやりますということをいち早く町村長に言明をして、一応安堵を得ておるのですけれども、その精神をずっと持ってもらう必要がある。  先ほど言いましたように、いまから二十年前の伊勢湾台風といまとは国鉄をめぐる環境が違いますけれども、といって、前はわずか一カ月で汽車が走ったのに、いまは半年たってもまだ奥津の駅に機関車が残っておるのですね。松竹線になってしまったらあの機関車をどういうふうにして持っていくのだ、こんな冗談話も出ておりますけれども、終点の奥津にある機関車をまた走らせる、そういうふうに努力をしてもらうことが、自余のいろいろな問題について関係者協力理解を得られる道ではないのか。これは私はくどくど申し上げなくとも十分知ってもらえると思うのです。  ですから、私はここで、後の日程もありますから言いにくいということもあるのでしょうが、その辺の人情の機微とまで言う気はないのですが、そこのところを知ってほしい、それに対応した方針を出してほしい、明らかにしてほしい、こう思います。
  16. 半谷哲夫

    半谷説明員 ただいまお話しのございましたように、地元の大変な御熱意でありまして、災害復旧に対しましても、土砂取り除きの土砂の捨て場をなるべく近い場所に選ぶとか工事用搬入路に非常な御協力をいただくとか、あるいは県の方で河川の復旧をやられるときに、国鉄の路盤を支える部分まで一部施行していただくとかいうことがありまして、この災害復旧費も当初に比べると大幅に減ってきたということもございます。また、現時点になりますと、これから仮に開通させるといたしますまでの工事費の額も相当はっきり見きわめることができる状況になってまいりまして、その額についても、当初見込んだよりも少なくて済むということがわかってまいりました。また、奥に取り残されております気動車二両、これも線路を開通させませんと取り出せないという点もあるわけでございます。  したがいまして、先ほど申し上げましたように第二次特定地方交通線という中に入ったわけでありますけれども、この段階で一度地元皆さん方とよくお話をさしていただきたいというつもりでおりますが、その段階においても、やはりこれから安全を維持して開通できる最小限の工事費、あるいは気動車を回収するということも含めまして、なるべく早く、第二次特定地方交通線ではありますけれども、そのような条件の中でどうするかということを決めたいというふうに考えておるわけでございます。
  17. 田口一男

    田口分科員 これで終わりますが、これは要望にとどめておきますけれども大臣、これは素人が考えても、もう目前に廃止が決まっておるのだ、そこに運悪く災害に遭った、そこで多額の金をかけて汽車を走らしたけれども、走らした翌日からまた線路を引っぱがさなければならぬ、こんなことがわかっておったら、それ以上金をつぎ込むのはむだじゃないか、そういう気持ちが先に立ってこの問題をやってもらうと、これは協議会開催状況にも見られますように、よけいこじれるのじゃないか。したがって、これはこれ、災害復旧災害復旧汽車を通すことは汽車を通すことというふうにはっきり区別して、そこでさらに作業を進めていただくのが筋ではないのか、これを、くどいようですが重ねて申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  18. 越智伊平

    越智主査 これにて田口一男君の質疑は終了いたしました。  次に、鳥居一雄君。
  19. 鳥居一雄

    鳥居分科員 私、三大都市圏、特に東京圏通勤の足、具体的に東京DIDの中で非常に人口急増の著しい千葉、ここに焦点をしぼりまして少々伺ってまいりたいと思います。  それで、現在建設中の国鉄京葉線、並びに民鉄でありますけれども第三セクター方式によりまして計画されております東葉高速鉄道、これは地下鉄東西線の勝田台までの延伸計画であります。この問題について伺ってまいりたいと思うのであります。  このところ、運輸省あるいは国鉄がつかんでいらっしゃる数字、これを見てみますと、非常は著しい伸びでありまして、国鉄総武線複々線化、これではもうとても対応のできないような朝晩の通勤時のラッシュ、県境におきます流量、これがもう三十万を超えております。当初の見込みをはるかに上回る流量、こういう状況から考えてみまして、国鉄京葉線早期竣工、これが目下のところの最大の課題になっていると思うのです。  それで、運輸省における国鉄京葉線の位置づけ、これはどういうことになっておりますでしょうか。
  20. 永光洋一

    永光政府委員 京葉線につきましては、先生が申されましたとおりのような話でございまして、千葉県の湾岸地域におきます通勤通学輸送対策輸送手段というものを確保する必要があるということ、あるいは限界に近づいております総武線の混雑の緩和を図るという観点から、やはり必要な路線であるとわれわれも考えております。採算的にも成り立つものでございますので、CD線鉄建公団予算の中で重点的に京葉線に配分をして、建設の促進を進めたい、かように考えております。
  21. 鳥居一雄

    鳥居分科員 当初国鉄京葉線につきましては、五十三年九月、貨物としての認可を旅客化で認可しております。  この昭和五十三年の時点で、蘇我—西船間の竣工並びに開業が五十七年三月である、こういう予定で進んできたはずであります。五十七年三月であるとすれば、もうすでに開通していなければならないが、これが五十八年に延びまして、さらに六十一年以降ということになったわけです。まあ一寸刻みで延びていくわけです。  これはどういう状況によって、こういう緊急性の非常に高い、開業が急がれる路線においてこういうことになっているのか。私の方の調べによりますと、在来線の伸び方、これが非常に伸びているために、西船から在来線への流量の増加が見込めなくなった。そうであるならば、東京乗り入れというのを早急にやらなければならない。東京乗り入れのためには、第一次の暫定開業というのが千葉県の蘇我から西船橋。さらに以東の問題があります。新砂町へ乗り入れる。新砂町で営団八号線に乗りかえをして、新富町経由で東京都心は入る。これが第二の暫定開業。本来的な姿というのは東京乗り入れ、新砂から東京へ入る、これが完成することが最終的な目的でありますけれども、こういう展望の上に立って考えてみますと、第一次の開業というのが、暫定開業、これがずれ込んできているということ、これを何とか暫定開業その一、これができないものか、こう思うのです。  それで、さらに的をしぼってみますと、その一の暫定開業をやる条件考えてみますと、純粋工期が二年かかるといま言っているわけです。つまり、蘇我における立体交差、これを完成させるのに純粋工期が二年。ところが、二年二年とは言うものの、さらに三年かかるか四年かかるかわからないという状況がだんだん見えてきているのです。  それは、工事国鉄に依頼をするわけでありますが、鉄建公団国鉄との間の話し合いがなかなかまとまらない。この点については、どうなんでしょうか。見通し、現状、ひとつ御説明いただきたい。
  22. 永光洋一

    永光政府委員 いま先生がおっしゃいました、暫定第一次と申しますか、その部分について早く開業をしてほしいという地元要望が強いことは十分承知しておりますが、御案内のように、蘇我駅の立体交差の工事の問題だとかあるいは西船橋駅の乗りかえ設備工事等の問題がございますし、さらに、この間における軌道、架線等の工事等、開業設備の工事の方が残っておりまして、その問題を、いまおっしゃいますように工事的にもまた国鉄の関連で協議を進めておる段階でございまして、予定がおくれておることは確かでございます。  それともう一つは、これも先生お話ございましたけれども、西船橋までの開業ということになりますと、そこでお客さんが非常に乗降が多くなりまして、混雑が非常に懸念されるわけでございます。やはり全体的に千葉から東京にどういうふうにお客を持ってくるかということの展望の中の一環として考えなければならぬというような考え方もございまして、その工事の面だとかあるいは全体の旅客の流れというようなものを総合的に勘案しながら、暫定開業の時期というものも検討しなければならぬのではないか、かように考えておりますが、現在のところ、そういう工程等の絡みから見まして、やはり六十年度ぐらいを一応めどかな、こういうふうに暫定開業について考えておるところでございますが、なおもう少し検討させていただきたいと思います。
  23. 鳥居一雄

    鳥居分科員 そうすると、暫定開業の前提として工事実施計画の変更というのを手続上しなければならない。その工事実施計画の変更手続のために、蘇我立体あるいはいまおっしゃった西船、こういうものについて、早く詰まらなければならないわけです。六十年暫定開業という線で本当に取り組んでいるのでしょうか。
  24. 永光洋一

    永光政府委員 国鉄、公団から、双方の協議状況等の話を聞いていただきたいと思います。
  25. 半谷哲夫

    半谷説明員 いま先生のおっしゃるように、蘇我—西船間の協議が、現在国鉄に公団から参っております。それについて国鉄内部で検討いたしているわけでございますが、実は、先ほど鉄監局長が申し上げましたように、京葉線というのは、そもそも貨物専用線といいますか貨物の輸送をねらいとして計画され、つくられてきておりまして、旅客輸送を実施するとなりますと、どうしても、大きなラッシュの流れの大部分はやはり都心に向かうわけでございます。西船から蘇我の間の設備は相当でき上がってきているわけでありますけれども、その旅客輸送を始めるということになりますと、大部分はやはり都心に向かうわけでありますから、西船での相当の乗りかえが出てくる。西船は現在でも東西線と総武線との乗り継ぎ、乗りかえ等がございまして、大変混雑している駅でございます。したがいまして、もしそれをやるとすれば、相当大幅な手当てをしなければいけない。しかし、将来、京葉線が都心に入るということになりますと、大部分のお客さんは今度は西船に入らずにそのままストレートに都心に向かうということになるわけでございます。したがいまして、この設備的な計画を考えるにいたしましても、やはり都心乗り入れのあり方あるいはその時期、そういうものがある程度はっきりいたしませんと、私どもの方としても判断に苦しむところが多々あるわけでございます。  したがいまして、この京葉線が貨物の輸送を主として計画されたものでありますが、旅客輸送をやるとなれば、やはり都心に結ぶルートというもののあり方、あるいはそれが完成する時期というものをにらんだ上で、この西船—蘇我間の開業についての対応を考えたいということで、公団あるいは運輸省の方にいろいろ御相談申し上げてきたわけでございます。諸般の事情が進んできておりますので、私どもの方も、それらを踏まえて、なるべく早く結論を出したいと考えておる次第でございます。
  26. 濱建介

    ○濱参考人 私の方の作業としましては、いま先生がおっしゃいましたように、大半の路盤工事を終わっております。いま半谷常務から言われたように、私どもの方から開業に関する実施計画の下協議、まず地方機関での下協議、現在は国鉄の首都圏本部と私どもの東京支社長の間で下協議を進めております。それが済み次第、本社に上げて、運輸省に認可を申請するということに相なるわけでございます。  いま半谷常務から言われたように、西船の対応策をどうするかということで、階段を千葉方に設けるとか、あるいはフロアを広げるとかいうようなこともいろいろ検討して詰めておるところでございます。私どもとしても、残工事は、路盤工事はもうほとんどございません。あとは開業関係ですから、実施計画の認可が出ないとその辺の工事は手がつけられないということであります。  蘇我の工事につきましては、おおよそ二年ということで、切りかえその他もいろいろ詰めておるところでございます。
  27. 鳥居一雄

    鳥居分科員 通勤線として重要な路線であるという、そういう決定が五十三年の段階でできているわけですよ。これは団地のど真ん中を走る路線です。貨物線オンリーという位置づけは、もう全く建設ぬ当初からないのです。ですから、これは非常に対応が遅いと言わざるを得ない。その点について厳重に申し上げておきたいと思うのです。  それで、暫定開業その一、つまり蘇我—西船間の開業というのは、暫定開業その二を前提にしているわけですよ。ですから、運輸省として暫定開業その二、つまり西船からさらに延びて新砂までの間の工事をある程度のめどをつけなければ、蘇我—西船間のその一の暫定開業ができない、こういう状況にあると思うのですよ。それはおわかりですか。  それで、これは営団八号線と接続するわけですから、現在の新富町からさらに新砂まで延びてこなければならないわけです。この点については、私の調査によりますと、営団の方は非常に計画がはっきりいたしております。六十二年三月完成、四月開通、それで年次計画をきちんと持っておりまして、建設費総額千四百七十三億円、四割程度財投原資を使いまして、残りは営団債で建設をする。六十二年の三月完成。  そうなってまいりますと、国鉄京葉線の暫定開業その二、これが六十二年三月の時点で接続ができなければならないだろうと思うのです。この点については、どうなんでしょう。
  28. 永光洋一

    永光政府委員 蘇我—西船橋間の暫定という問題の次に、第二次の暫定というお話でございますが、現時点において、まあ西船橋までの暫定ということはいろいろ御議論がされておりますけれども、その後の取り扱いにつきまして、第二次云々というようなことは、われわれ考えておりません。  今五十八年度予算で、一応お認め願いたいということで計上しております都心乗り入れによります千葉からの旅客輸送ということを、われわれ考えておるわけでございますが、先生おっしゃいますように、営団は六十二年の三月までにはほぼ確実にあそこに出てくるということでございますので、その点は遺漏がないようにやりたい、こういうふうに思っております。
  29. 鳥居一雄

    鳥居分科員 ちょっと実情と違うと思うのですよ。つまり、東京乗り入れまでにはかなりの建設費がかかります。これは直ちに東京乗り入れというわけにいかないので、新砂町において乗りかえをして東京乗り入れをしなければならない期間がある程度見込まれているわけです。これが現実的な議論だと思うのです。それを前提にしなければ、西船乗り入れというのができない。蘇我—西船間の暫定開業というのは、無条件で暫定開業ができるというのじゃなくて、新砂町経由の東京乗り入れが後々、ある一定期間の経過後それが実現できるという前提がなければ、西船乗り入れの第一次の暫定開業ができない、こういう状況だと思うのですよ。  そうなってまいりますと、新砂町においてのいわゆる乗りかえができるタイミング、六十二年三月、この段階国鉄京葉線の方の西船—新砂町間ができ上がる目標を持たなければならないと思うのです。この点、どうなんですか。
  30. 半谷哲夫

    半谷説明員 いまの京葉線の都心乗り入れの問題でございますけれども、実はある時期、いま先生のおっしゃったように、営団八号線が新砂町に出てまいります。したがいまして、京葉線の都心乗り入れといたしましては、八号線につなげば都心に入れるではないかという議論があったわけでございますが、私ども内部的にいろいろ詰めてまいりまして、いろいろ都市交通を私どもやってまいりました経験等から言いまして、これは将来に禍根を残す、非常に問題になるということでありまして、やはり、あの大量に一時間何万というような流れを都心に運ぶためには、京葉線自体が都心に乗り入れる必要がどうしてもあるということが私どもの結論でございます。したがいまして、そのことを鉄建公団にも申し上げ、運輸省にも申し上げまして、いま京葉線そのものが都心に乗り入れることをいろいろ御検討いただいているわけでございます。  また、工事の期間といたしましても、恐らく八号線が新砂町に入る六十二年ごろには、京葉線の都心乗り入れについても、ほぼそのぐらいの期間で都心乗り入れ工事もできるのではないかという見込みもございます。したがいまして、できれば、いわゆる第二次と申し上げますか、西船橋までの開業は先になると思いますけれども、その次の開業というのは、やはり都心に乗り入れた姿での開業を私どもとしてはぜひお願いしたいということで、お願いしているわけでございます。
  31. 鳥居一雄

    鳥居分科員 そうすると、暫定開業、西船までをやっておいて、次の段階は新砂町から東京駅乗り入れができ上がる、こういうことになるわけですね。つまり、新砂町において東京駅乗り入れが実現しない段階においては西船—新砂町間の開業というのはあり得ないということですね。ということは、これは大変なことですよ。暫定開業その一であと資金を投入しなければならないのが約七百億、西船から新砂町、これはこれまでに六百億投じましてあと八百五十億、丸い数字です。それから、新砂—東京間についてはことしやっと三十億つきましたけれども、これは従来ゼロです。それで新たに千八百億と見込まれているわけです。これじゃ、CD線全体の予算が五百億程度ですかち、全部京葉線につぎ込んだとしても、単純計算で七年かかりますよ。昭和六十五年以降ですよ。  要するに、京葉線についてははっきりした思想を持たないのですよ、運輸当局は。京葉線をどういうふうにするのか。暫定開業その一をやり、やるに当たってはその二ができることを前提にしてその一をやり、そして急場をしのぐ。それで暫定開業その二は、東京駅乗り入れ本開業を前提にして、そしてたとえば二年半あるいは三年の期間、新砂町経由で東京駅までの間の完成を待つ間は営団八号に乗りかえをやる、こういう明確な思想を持たない限りにおいては、この路線は後ろへ後ろへと下がっていくばかりです。十年たったって恐らく完成できないと思われます。その辺の思想はどうなんでしょうか。これは明確に詰まっていないのです。いたずらに年月が過ぎるばかりです。当初五十七年の三月開業、これが五十八年に延び、その次にどう延びたかといいますと、六十一年以降の開業なんて、こういう言い方です。これじゃ首都圏交通というのは確保できません。どうなんですか、この点。
  32. 永光洋一

    永光政府委員 この件につきまして、将来の旅客化の問題としていろいろ議論をしておるところでありますが、第二次とおっしゃいますいわゆる新砂町の暫定的な話を申しますと、現時点におきましては、都心に乗り入れて国鉄の線として旅客営業を本格的にやりたいということを一応前提といたしまして西船橋までの暫定の開業をにらんでおるわけでございますが、先生おっしゃいますような考え方もあると思いますので、その点われわれとして検討させていただきたいと思います。
  33. 鳥居一雄

    鳥居分科員 さらに、東西線の延伸であります東葉高速鉄道について伺っておきたいと思うのですが、これは当初の予定から大幅にずれ込んだために総工費が二倍以上にふくれている話です。もちろん地下鉄部分がかなりの部分を占めることやら、具体的な段階にいま入ろうとしておりますけれども、公団が工事をやるという前提があるにもかかわらずこれがなかなか進まない。目下進まない障害になっているのが、地元負担をどのくらいかぶせるかということで話が詰まらない。都道府県あるいは市町村にとりましては、関係のところは千葉県と二市になりますが、地方財政法のたてまえから、のべつ幕なしな支援策というのはとれない。具体的に数項目、総額にして十三億円程度の条件が提示されているはずでありますが、どこら辺を折り合い点と見ていらっしゃるのか。どんな条件が出てくれば運輸省としてはこの話を進めようとするのか、この点について伺っておきたいと思います。
  34. 永光洋一

    永光政府委員 東葉高速鉄道につきましては、御案内のように約二千億の建設費が見込まれまして、この非常に巨額な資金調達なり、あるいは将来の償還等を考えますと、なかなか大変なことではないかということで、いま御案内のように地元に対しましては、開発利益を還元するというような考え方、そういうものをもとにしまして何らかの形で御負担が願えないだろうかという、いわゆる地元の支援体制につきましていろいろ御協議を願っておる段階でございまして、これはまだそれぞれその地方なり業界、事業所の方といろいろ話し合いをしておる段階でございます。考え方といたしましては、この巨額な建設資金なり、あるいは今後の償還の問題につきましてどういうようなかっこうで地元が支援していただけるかということを御相談中でございます。
  35. 鳥居一雄

    鳥居分科員 めどとしてはどうなんでしょうか。もう環境アセスメントもほぼ固まりつつありますし、資金の確保をどういうふうにするか、あるいは支援策の中身を固める、こういう形の課題が解決されますと次に話が一段前進するわけですから、積極的な取り組みを要求したいと思うのです。なくてはならないものでありますし、そこら辺の条件をどんなふうに考えて公団の施行認可をいたしますか。
  36. 永光洋一

    永光政府委員 確かに千葉通勤通学輸送を早急に整備しなければならぬとわれわれかねがね思っておるわけでございまして、本件につきましてもできるだけ早く処理をいたしたいと考えておりまして、なお、地元の方に現在いろいろお願いしておるところを、話を少し詰めまして、五十八年度になりましてできるだけ早い時期に所要の手続を終えたい、かように現段階においては考えております。
  37. 鳥居一雄

    鳥居分科員 そうすると、年度内に工事施行認可並びに鉄建公団への指示、これはできるというふうに受けとめてよろしいですか。
  38. 永光洋一

    永光政府委員 そのようにいたしたいと考えております。
  39. 鳥居一雄

    鳥居分科員 以上で終わります。
  40. 越智伊平

    越智主査 これにて鳥居一雄君の質疑は終了いたしました。  次に、井上普方君。
  41. 井上普方

    井上(普)分科員 私は、徳島県内の小松島線の廃止についていまどのような作業が進んでおるのか、その点ひとつお伺いしたいと思います。
  42. 越智伊平

  43. 井上普方

    井上(普)分科員 ちょっと待ってください。  これは聞けば、地元協議会なるものは陸運局長が中心になってやられておるはずなんです。国鉄とは何ら関係なしにやられておるはずなんで、国鉄の常務理事が答弁するというのは不届き至極なんです。だからそれは……(長谷川国務大臣運輸省関係です」と呼ぶ)ちょっと待ってくださいよ。運輸省だけれども、鉄監局長というのは鉄道監督局だ。四国の陸運局長地元の折衝をやられておるはずだ。とすると、所管はこれは陸運局でなければならぬ、こう思うのだが、鉄監局が答弁するというのは筋違いもはなはだしいと思うのですが、どうです。それを総括する大臣、どういうふうに思います。
  44. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 井上さん、地方の陸運局長を日本じゅうで統括するのが鉄道監督局長。上司です。機構としてそうなんです。運輸省の機構とすれば、運輸大臣、政務次官、事務次官、そして幾つか局がありまして、そのうちに鉄道監督局、それが地方……(井上(普)分科員「陸運局というのはないのですか」と呼ぶ)陸運局というのは地方にだけあるのです。
  45. 永光洋一

    永光政府委員 陸運局長の所管は自動車、鉄道その他でございますが、その鉄道部分につきましては私の方が統括いたしておりますので、地方ローカル線対策につきましても、個別的ないろいろな協議会につきましてのお話の進めぐあいというのは各陸運局長でやっておると思いますが、全体的な企画といいますか方針といいますか、そういうものは私の方で行っておりますので、私からお答えさしていただきます。  御案内の徳島—小松島線につきましては、現在協議会を二回ほどやっておりまして、今後第三回以降を行う予定にいたしております。第一回が五十七年九月、第二回が五十七年十二月に行われておりまして、引き続き地元の皆様方と協議会を開催しながら、この問題につきまして具体的なお話し合いをしたい、こういうふうに考えております。いろいろな議論がこの協議会の中であることはわれわれも聞いておりますが、これは後でまたいろいろ御答弁いたしたいと思います。
  46. 井上普方

    井上(普)分科員 いろいろな議論が行われておるって、いろいろってどんなことですか。
  47. 永光洋一

    永光政府委員 車両基地があそこの小松島にございまして、その車両基地の撤去問題と鉄道の転換問題というものが関連をしておるように聞いております。
  48. 井上普方

    井上(普)分科員 それが大切なんです。そこらあたりが、どんな協議が進んでおるし、どういうような方針を持っておるのですか。
  49. 永光洋一

    永光政府委員 もちろん、当然地元としては当該線につきましての転換についてはいろいろ御意見があるということを承っておりますが、特に、当該車両基地が存続する。存続しますと、車両基地に出入りするためにその線を、一般には公開しないものの線を使用するというような状況があり得るとすると、それは地元としては問題であるということで、そういう意味から、小松島線の転換問題と、その基地をどうするかという取り扱いの問題とは関連しておる、こういうふうに聞いております。
  50. 井上普方

    井上(普)分科員 それだけしかお聞きになっていませんか。実は、あなたはいま徳島—小松島線とおっしゃいましたが、いまこれは小松島線なんですよ。徳島—小松島線じゃないのです。徳島—小松島線であったのですよ、実質は。実質は、小松島線というのは、徳島から小松島までを小松島線と昭和三十八年までは言っておった。地図を見られたらわかる。ところが、途中の中田から小松島までを小松島線といつの間にか、昭和三十七、八年ぐらいに変えてしまったのですよ。そして、この小松島というところが始点になりまして、徳島を経、池田まで行っておったのが実態なんであります。ところが、いつの間にか小松島線というのは、途中の牟岐線との駅、中田との間を小松島線と言いまして、わずかの区間だけにしてしまった。何でやったのか、私らわからない。  そして、今度は採算を比べますと、この小松島と中田だけの経営指数をお出しになってきた。だから極端な赤字になってきた。こういうことなんですな。しかも、一体経営指数というのはどうして出てくるんだ、運賃は一体どこなんだと言ったら、小松島から売った切符の売上金は計算に入れてない。中田と小松島との間だけの運賃で経営指数を出している。だから大赤字になるのはあたりまえな話なんです。  こういういきさつがあるんですよ、大臣。地図をちょっと示しますと、ここに徳島がある。これは牟岐線という。小松島はここにあるんです。小松島線というのはこう行っていたのを、昭和三十八年にここからここまでを小松島線に変えたんです。昔小松島線というのは、こう通って、これから池田へずっと行くんですな、大体七十キロぐらい。だから、この線であれば採算とれるんですよ。そう大赤字じゃない。勝手にここからここまでを小松島線に変えたんです。だから大赤字になる。しかも、この経営指数、売上金は一体どういう計算をしているんだと言ったら、この駅、始発ですが、ここから全国各地に売りつけた運賃じゃない。ここだけの運賃で計算している。だから大赤字になるのはあたりまえな話なんです。しかも作業基地がここにある。だから、この作業基地から行くとするならばここを通る、あるいはここを通る、全部これはここを基点にしなければならない。空っぽで走らすというんですよ。地元の諸君にすれば、空の汽車を通してわしらは乗せてくれぬのか、何だ、この基地をのけるのはあたりまえだということで、もし小松島線を廃止するのであればこの基地を一体どうするんだという問題があるわけなんです。ここを廃止するなら基地をやめますという約束をしているんじゃないですか。
  51. 永光洋一

    永光政府委員 われわれとしましては、その線が廃止されたときにその車両基地を存置してその線を使用するというようなことは適切でない、こういうふうに考えております。
  52. 井上普方

    井上(普)分科員 適切でないというのなら、適切なのはどんな方向なんですか。
  53. 永光洋一

    永光政府委員 その線が仮に第三セクター等で残ればお借りするということもあるかもしれませんが、その線が仮に使用できないという状況であれば、しかるべく車両基地を移すということになると思います。
  54. 井上普方

    井上(普)分科員 これは実は、鉄道の方で車両基地を新しく設けようとしまして、土地を物色したのです。ところが幾らしてもその基地の土地が買えないのが現状なんです。そういう試みをかつてやったことがあるでしょう。ないとは言えない。ところがその土地というものは買えなくなった。もう恐れ入っているわけなんです。それは住民感情として、ここに基地があってここまでを空の車両を走らすというんだから、ここまでじゃない、ここまで走らすというんですから、何で乗せないんだということになるのは当然の話です。どうです、このことで運輸省は恐れ入っているんじゃないですか。困っているんじゃないですか。こういうように三十八年になぜ変えたんだ。ここにともかく役所の画一主義というのがあると私は思うんですよ。経営指数で大赤字が出ているからといって、ここからここまでの間なんですよ。ここで売った運賃じゃないんですよ。その運賃の中の二キロか三キロの分、これだけを割り出して、それで大赤字だ、経営指数が悪いというのでともかくやっているのです。これは、こんな「管内概況」なんといって書いてあるのを、これはわれわれはなかなか手に入れられなかったのだけれども、手に入れて調べてみるとそうなっているのです。  ですから、これは無理がある。この協議会を発足させるにつきまして、車両基地を廃止するについては、知事もあるいはまた市長さんも大反対なんです。住民も大反対なんだけれども、まあお上ですね、こういうことをやったら、後、条件闘争はうちの方で勝手にやりますよというような恫喝、ブラフを加えて、渋々出ていった。出ていったけれども、それじゃ空の列車を走らすことについては、住民感情としても県民感情としても許すことができない。それなら車両基地は一体どうするんだ、廃止するのかと言いましたら、いまも局長は、廃止したらこれを廃止せざるを得ぬでしょうと。それじゃどこに求めるんだと言ったら、求めるところがない。これが実態なんですよ。そうでしょう、局長、どうですか。
  55. 永光洋一

    永光政府委員 国鉄の車両基地の問題につきましては、これは私も、現地の、特に国鉄の問題でございますので、ちょっとつまびらかにできないわけでございますが、その協議会話し合いをしながら、その基地の取り扱いについて地元話し合いをしていただきたい、かように考えております。
  56. 井上普方

    井上(普)分科員 話し合いをしたらいいと言ったって、現地の方は、いまもお話しのとおり、車両基地は廃止しなければならぬということをおっしゃっているのじゃないですか。この基地をそのまま置いておくことはできませんということをいまもおっしゃっているのじゃないですか。
  57. 竹内哲夫

    竹内説明員 国鉄としましては、この車両基地については、移転あるいは縮小移転という方向を考えておるわけでございます。  なお、従来ですと、確かに、先生おっしゃいましたように、土地をよそに求めてということを考えるような時期もあったことも事実でございます。しかし、いまの国鉄全体の輸送量の状況から見ますと、必ずしも現状の姿での移転という必要性はないのではないか、むしろ客貨車区あるいは車両基地全般につきましての相当大規模な見直しを行う必要があるということで考えております。したがって、その計画の中でこの基地問題というのを処理してまいりたいということで考えておりますので、規模としてはかなり縮小されるのではなかろうか。その際にそれらの車両をどういうふうに配置するのかというような点についても、現在検討を進めておるところでございまして、この小松島線の転換につきましては、支障のないように考えたいということで進めておりますので、先生の御心配いただくようなことはないのではなかろうかと考えております。  それからもう一つだけ、ちょっと誤解がございますので……。この小松島線のバス転換等につきましての理由といたしましては、収支係数が悪いからということではございませんで、これは輸送密度に基づくということで、法律並びに政令に基づいて選定をさせていただいておるわけでございます。決していまの営業係数が悪いからということではなく、やはり二千人未満ということで選定をさせていただいておるわけでございます。
  58. 井上普方

    井上(普)分科員 何を言っているんだ。あなた方は、経営指数が悪いからということを言っているのじゃないですか。あの法律だってそうでしょう。大臣、どういうふうに御理解になっていますか。あの法律は経営指数が悪いところからいっているじゃないですか。どうですか。
  59. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 二千人以下ということになると、経営指数が悪い、当然そういう結果になるわけです。
  60. 井上普方

    井上(普)分科員 当然なると言いますけれども、これは経営指数が二千人以下ですけれども、乗客は多いのですよ。ここは始発のところなんです。中田駅と小松島との間は二キロしかないのです。昔は徳島と小松島の間ですから長かったのです。これを計算するならば、乗車人員も多くなるし、かつまた経営指数もよくなるのですよ。ところが三十八年に、何の都合か、ダイヤをつくるためだろうか何だろうかと思うのですが、にわかに、小松島線という古い五十年間続いてきた線をぱっと変えたのですよ。これは何のために変えたのですか。
  61. 竹内哲夫

    竹内説明員 私もその直後に四国に勤務しておりまして、その当時の事情を知っておるわけでございますが、四国は当時、全国に先駆けまして昭和三十六年ごろSLを一掃いたしまして、オール無煙化ということでディーゼルカー化をしたわけでございます。その際に、全国的には多少アンバランスな程度になるほど四国に新しい車を投入いたしまして、全線区に渡って等時隔ダイヤを作成して、輸送体系をお客様に大変利用しやすい設定にいたしたわけでございます。  その際に、当然牟岐線あるいは小松島線、徳島本線、高徳本線、これらの線につきまして、全く新しいダイヤ構成といたしたわけでございますが、旅客の流動からいたしますと、旅客の流れがどうしても牟岐線主体に流れる、大体八〇%が徳島から牟岐線、二〇%が徳島から小松島という流れになっておるわけでございまして、そういう観点からいたしますと、旅客にいたしましても、徳島からむしろ牟岐方面へ向かうお客様が多いということで、線名も旅客の流動に合わせたものにした方がいいということから、線名の変更を行っております。  なお、この際には、小松島線だけではございませんで、その他の若干の線区につきましても、同時にこの線名改称が行われたという経緯がございます。
  62. 井上普方

    井上(普)分科員 その旅客流動あるいはまたダイヤの都合の関係でこれを独立させたのですね。そうしたところが、経営だけは、この小松島線だけで経営を見ているわけです。実態はむしろ、いまの小松島が牟岐線の基地でもあるし、高徳線の基地でもあるし、また在来ずっとあった徳島線の基地でもある。それにもかかわらず、日本人というのは法匪と昔から言われるけれども、法律ができていると、ともかくそれに乗せようというので——実態は前のままなんです。そうすると、経営指数も旅客人員も違ってくるのだけれども、ともかく頭のかたいといいますか石頭といいますか、そういう国鉄が経営指数が悪いのでと言う。分けたら出てくるのはあたりまえの話です。実態は同じなんですよ。実態は旅客流動の関係あるいはダイヤをつくるために、ともかくダイヤを便利にするために、いまもおっしゃったが、この小松島線というのを二・五キロに短くしてしまった。そうなんです、大臣、無理があるのですよ。そしてまた、ここに新しく車両基地を縮小移転するんだといって、実際できますかというのです。私はあの付近のことをよく知っていますから、できやしない、因っているのですよ。法律ができたので何とかしてこれをやらなければいかぬと。一番困っているのは恐らくここと高砂線でしょう。兵庫の高砂とこの小松島というのが、運輸省当局として、理由がつかないので頭が痛いはずなんです。片っ方は工場がある、基地がある、住民感情としてはこれは許せない。困っているのじゃないですか。過ちは改むるにはばかることなかれ、残したらどうです。そうすれば楽に、ともかく基地もできるし、あるいはまた将来もおたくの方で、運輸省並びに鉄道は新幹線じゃいうようなことも将来としては考えておるのだから、この貧乏な国鉄が新しい高い土地を買うのも困るんだから、車両基地も将来また要ってくる、在来線の問題は全部基地で処理できるのだから、やるようなこと考えたらどうなんですか。  大臣、どうです。大所高所に立って物事考えましょうや。もう役人どもは法匪なんだから。大臣もかつては中野正剛さんのお弟子さんだというので、こういうふうな古い言葉を申してもなんですけれども、実際そうなんですよ。私は去年このことを分科会で質問しましたら、後で恐れ入ったと申しているのです。ひそかに私のところへ運輸省からやってきまして、それは恐れ入りましたなということで、困っておるのは兵庫の高砂とこの小松島です、頭の痛い話です、こう申しているのだけれども、一たん出した法律なんだ、政令なんだ。だから、こいつはちょっとぐあいが悪いのです。ともかく法律だのそんなのがひとり歩きするということになってくる。大臣どうです。
  63. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 井上君は四国、僕は運輸委員をしていて四国をうらやましく思ったことがある。それは、いま竹内務理事からSLをやめてディーゼルにしたという話があったが、そのころ、四国出身の十河さんが国鉄総裁で、日本全国に先駆けて四国だけは全部ディーゼルを走らせた。そして、支社も局も一緒にしてほかにないことをやった。ですから、私は非常に四国というところはいい総裁を出してディーゼルが一番先に走って恵まれたところだ、こう思っているわけです。そこに今度はまた時移り星変わりまして、このとおり赤字赤字であって、お互いはとうに国鉄に運輸委員会として折衝はしておったが、日本の鉄道を守ろうという意味で接触しておるお互いとすれば、こんなに赤字を抱えてもう危機的な状況で、断崖絶壁、どうにもこうにもならぬということからして、みんなで御審議いただいて国鉄再建法案でも通過願って、そして何とかここですばらしい国鉄にしてもらいたい。そういう中に第一次特定交通線とか第二次特定交通線という問題があって、いま地方の方々、いままであるものをいじることですから、これは新しいものに移る場合どこでも議論があり問題があることは承知します。私の方だってあるわけです。そういうところにいまのような実情等々ここでお聞かせいただいたのだが、そうしたことは、結局するところ、いま協議会知事さんも変化はなかなか好みませんから、なくなるなんということだれも好きな人はおりません。そういう中にも御協議を願って、それぞれまた御協議の中から新しい知恵をいまお出しいただいておる。こういう時期に、いまおたくの方の問題もある。そしてまた、私たちは細かいそういうことまでは存じ上げませんでしたから、あなたから委細にわたって地方の問題を改めてここでお教えいただいた。そんなことなどを私もきょうわかりましたし、また、地方においてはそういう問題を具体的に知事さんどんな態度をおとりになっているか知らぬけれども、御協議の中心になってごあっせんいただけるものだ、こう思って、ずっとそれを見守ってまいりたい、こう思っております。私も幾らほめられてもこれは……。
  64. 井上普方

    井上(普)分科員 十河さんのおられたときには、それはいかにもディーゼルカーを走らしたかもしらぬ。しかし、いまではディーゼルカーの世の中じゃなくなっているのですよ。電化になっている。電化が一番おくれているのは四国なんです。いいですか。一番おくれているのです。それはいまになれば何も四国がなにのところではない。大臣、認識が違う。ディーゼルというのは一昔も二昔も前の話だ。いまじゃ電化なんです。それができてない。  それはそれといたしまして、こういうようにともかく非常に不合理、ここには合理性がない、この小松島廃止につきまして。ひとつ十分に大臣大臣としての大所高所からの考え方で——役人どもというのは法匪なんです。だから、ひとつお考え合わせ願いたいと思います。御検討願いたいと思います。恐らく鉄監局長なんというのも、あれを言われたら困るのだという頭になっているのですよ。運輸省の連中は去年後で私のところへ言ってきたのだから。  まあそういうことでありますが、もう一つの問題としては牟岐線の延長がある。レールは敷いたけれども、もうできておるのだけれども、これが運転を開始しない。何かといったら、赤字が出るだろうから。レールまでつくりトンネルまで掘りやっているのにともかく走らせない。何でだと言ったら、いや赤字が出るからだといってとめておる。そして第三セクターなんということを考える。あほなこともうやめなさい。走らすところは走らせなさい。そうすれば、これは赤字やというても、国鉄ですからね、国有鉄道なんですから、公共性というのをお忘れになっておるのじゃないかいなという感じがするのです。これは江藤新平さんがつかまった高知県の甲浦まで大体工事はできているのです。あとレールを敷くだけが残っておる部分と、それと宍喰というところまではもうレールは敷いてしまっているのです。電化じゃないですからね、ディーゼルですから、走ろうと思ったらいつでも走れる。それをやめておるというのが現状なんです。ここらあたりもひとつ御検討願いたいと思います。  以上、終わります。
  65. 越智伊平

    越智主査 これにて井上普方君の質疑は終了いたしました。  次に、三浦久君。
  66. 三浦久

    三浦(久)分科員 国鉄お尋ねをいたしますが、いらっしゃいますね。  まず、入浴規制の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  昨年の暮れから国鉄当局は入浴の規制を始めました。いままでは、一日の仕事が作業ダイヤに従って終わる、終わった後その仕事によって付着した油であるとか粉じんであるとか、ふん尿であるとか、そういうものを洗浄するために退勤前に入浴をするということは認めておったわけであります。ところが、昨年の暮れから、突如として、一方的に、仕事が終わった後退勤前の入浴を禁止する、そしてふろ場には職制を配置して現認態勢をとっている、そして賃金カットまでするというような、そういうことが行われています。  これは私の選挙区の門司鉄道管理局管内でもたくさん、これは一番多いでしょう。そのほかにも、新潟でも起きておりますね。東京でも、ふろ場を今度閉鎖するなんて問題まで起きておりますけれども。その労使紛争がいまだに続いているわけですね。  私はどういう利益があってこういう紛争をしているのだろうかと思って非常に不思議に思っているわけですが、その経過の概要についてまず最初にお尋ねをいたしたいというふうに思います。
  67. 三坂健康

    ○三坂説明員 先生御存じのとおり、昨年大変国鉄におきます職場規律の問題が新聞その他で取り上げられまして、私ども三月四日に運輸大臣から職場の勤務状況、規律について総点検を実施するような指示を受けまして、その後職場におけるそのような問題につきまして一斉の点検をいたしたわけでございます。  その際、お話の出ました勤務時間内に入浴するという問題も判明をいたしまして、その当時約千七百カ所程度あったものでございますが、その後これが是正に努めまして、九月時点で同様な調査をいたしましたところ約六百件くらいまで減っております。しかし依然としてそういうものが残っておりますので、さらに厳しくその勤務時間内の入浴を是正するように地方に指示をいたしました。  門司鉄道管理局におきましても、この問題をいろいろ苦労をいたしておりましたのですが、なかなか実効が上がらないものでありますから、ついにお話のように、昨年暮れに至りまして、点呼において厳正な取り扱いをするということを職員に伝え、かつまたそれぞれの職場において掲示をいたしまして、その上でこれの是正を図ろうといたしたわけでありますが、なかなか実効が上がりませんので、やむを得ず、勤務時間内にそのような入浴をする者は賃金カットせざるを得ないということで、この一月二十日あるいは二月十九日にそれぞれ対応する月の入浴時間について賃金カットをいたしたわけでございます。
  68. 三浦久

    三浦(久)分科員 いま門司の鉄道管理局管内では、門司機関区の百三十九名を含めまして五百三十七名が賃金カッットされていますね。新潟はまだ若干少ないですけれども。これはあなたたちいま、その後調査したら勤務時間内に入浴していることが判明したなんて言っているけれども、そんなことは明治以来ずっとやっていることじゃないですか。何がいま調べて初めて職場規律の問題でわかったなんて、そんな問題じゃない。いま日勤者だけ対象にしているんだよね。日勤者だけですよ、ほかは全然何ともない、勤務時間内に入っても。勤務時間内に入るというけれども、いい湯だなで入っているわけじゃないんだ。  大臣、よく聞いてくださいよ。保線の仕事をすれば、いわゆる黄害というやつですね、黄色の害、それをかぶる場合だってあるんですよ、しょっちゅう。汗だって夏はべっしょり。もうそれは夏あの照り返しのひどいところで作業するわけですから、それは大変な汗をかくわけですよ。それからまた、機関区だとか客貨車区だとか、いま対象になっているけれども、そういうところだって車両の検査、修繕をやっているわけでしょう。私はしょっちゅう職場へ行くけれども、顔だって衣服だって油だらけになるじゃないですか。そういう職場で、仕事によってそういう泥がつくわけ、汚物がつくわけ。入浴は一日のダイヤが終わった後でしょう。終わった後に入っているのですよ。仕事中に入るというけれども、そんな問題じゃないんです。当局が指示した作業ダイヤに基づいて一日の仕事が全部終わって。  たとえば日勤者の場合ですと、門司の客貨車区の例をとりますと、これは出るのは八時半で、十七時ゼロ五分に終わるのです。大体その日のダイヤはもう勤務時間内に終わってしまう。なぜ終わるかというと、私ここに作業ダイヤを持ってきているけれども、それは汽車を動かさなきゃいかぬからね。検査、修繕だって五時五分までぎりぎりやっておったら次に回せなくなっちゃうでしょう。だから何ぼか早く終わっているのですよ、作業ダイヤが全部。そうして、大体入浴はいつからやっているかというと、十六時四十五分からです。ですから、退勤時間の二十分前ですよ。そのとき入っている。  これは、入って何か仕事に差し支えるのですか。作業上何か支障があるのですか。明治以来ずうっとこういうことが行われてきて、合理性のある慣行ですよ。そうでしょう。汚れたまま、またくそをかぶったまま何で退勤時、仕事が全部終わっているのに、汚いかっこうして待合室でごろごろしていなきゃいかぬのですか。あたりまえのことなんですよ。作業上何の支障もないことを、明治以来行われてきている慣行を、こういうものを何で一方的に変更しようとしているのか。作業上何か支障があるのかどうか、まず聞きましょう。
  69. 三坂健康

    ○三坂説明員 おっしゃるように、その日の作業ダイヤによりまして勤務時間内に作業が終了することはあると思いますが、しかし、お話のありましたように、拘束時間内はいつどのようなことがあるかもしれないというのが国鉄の業務の常でございまして、事故が起こるかもしれませんし、どのような事態が発生するかもしれませんので、その間はやはり労務指揮下に置いておくというのが私どものやり方でございます。したがいまして、直接その作業に支障を来すか来さないかは別といたしまして、勤務時間内はいつでも就労できる態勢に置いておくというのが国鉄の仕組みでございます。
  70. 三浦久

    三浦(久)分科員 あなたたちはそんな形式的なことを言うけれど、それじゃいままで門鉄の客貨車区とか機関区、そういうところで明治以来ずうっとやってきていることで何か支障がありましたか。事故があって対応できなかったことがありますか。いままでそんなことないじゃないですか。そんなへ理屈を言ったってだめなんだよ。  では、いままで作業上支障がある、事故なんかのいろんな突発的な問題に対応できないと困るというのなら、何で去年から急にそんなことを言い出したの。それならもっと早くからやっておかなきゃいかぬことでしょう。そんな作業上の支障はないし、突発的な事故にも十分に対応できる、そういう態勢があるから何十年も百年近くもこういう問題が続いてきているのじゃないか。あなたそんなへ理屈言ったってだめだよ。  そうすると、仕事が終わってから入っているということは認める……。
  71. 三坂健康

    ○三坂説明員 大体の場合は作業ダイヤの、まあ作業が終わりまして、そのような慣行がある場所も以前にはあったのでありますが、私どもは、昨今の国鉄の置かれております厳しい情勢の中で、その与えられた有給の勤務時間内にそのようなことをやるのはやめてほしいということで是正をいたしておりまして、先ほど申し上げましたように、昨年三月から鋭意この問題に取り組みまして、多くの職場でそのように実施されておるわけであります。  門司機関区におきましても、千人程度職員がおりますが、依然としてそのようなことを強行しておる者は数少ないのでありまして、やはりこれは決められたとおりのことをするというのが、国民の財産を預かっておる国鉄職員の務めであるというふうに考えておりまして、実質上の作業に支障を来すおそれのあることはこの際是正いたしたいというふうに思っております。
  72. 三浦久

    三浦(久)分科員 実質的なおそれないじゃないですか。いままであなたたちが何十年もやってきていて何の支障もなかったことじゃないですか。作業上の支障もないよ。そんなことは常識でわかることですよ。実質的に勤務に支障がある、何が勤務に支障がありますか。何もないじゃないですか。  それで、なぜあなたたちふろを設置しているわけですか。勤務時間内か勤務時間外かは別として、ふろに入って汚れを落としてもらって皆勤してもらった方がいいと考えているからじゃないの。どうなんですか。
  73. 三坂健康

    ○三坂説明員 国鉄におきます作業は非常に屋外作業等が多くございますし、私どもかねてから、安全衛生上の見地から洗面あるいは入浴等の設備をそれぞれの業務区間に設置いたしておりますが、これは勤務時間が終了した後、職員が体をきれいにして帰れるような厚生上の見地から設置しておるわけでございます。
  74. 三浦久

    三浦(久)分科員 その勤務時間内というのは去年からあなたたちが急に言い出したことであって、仕事が終わったらすぐ入るというのがずっと行われてきていたんですよ。あなたそんなこと言ったってだめですよ。  それに、労働安全衛生規則の六百二十五条にこういうのがありますね。「事業者は、身体又は被服を汚染するおそれのある業務に労働者を従事させるときは、洗眼、洗身若しくはうがいの設備、更衣設備又は洗たくのための設備を設けなければならない。」汚染職場のことを言っているんだと思うのです。すると、いわゆる検査、修繕とか保線とかは汚染職場だというふうにあなたたち認めているのですか。
  75. 三坂健康

    ○三坂説明員 私ども、労働安全衛生規則に言う汚染職場かどうかということは、それぞれの職場について別に区別いたしておりません。しかし、先ほど言いましたように、国鉄の職場というのはきわめて屋外作業が多うございますので、ほとんどの職場でそのような設備をしてきておりますので、安全衛生規則上の問題はないかというふうに思っております。
  76. 三浦久

    三浦(久)分科員 それは問題はないけれども、しかし汚染職場かと聞いているのです。  屋外作業が多いというけれども、保線の場合そうですね。しかし、汗をちょっとかく程度ではふろなんか設置しない場合もあるわけだ。しかし、余りひどい汗だとかふん尿を浴びるとか、それからまた屋内だって、車両の検査、修繕なんというのは屋内でやっているでしょう、みんな油だらけになっていますよ。だから、あなたたち作業着まで支給してやっておるでしょう。そういう検査、修繕の職場とか保線とかいうのは汚染職場だというふうに認めているのかと聞いているのです。
  77. 三坂健康

    ○三坂説明員 私ども、労働安全規則で言う汚染職場に当たるかどうかということは個々に検討をいたしておりません。ただ、先生おっしゃいますように、保線従事員が黄害を浴びたとかあるいは屋外作業中に非常に雨にぬれて、業務に支障がないというときは、現場長が適宜判断して、本人の健康保持の必要上入浴を勤務時間中に認めるというふうな緊急措置的なことは十分果たしております。
  78. 三浦久

    三浦(久)分科員 労働省にちょっとお尋ねしますけれども、この労働安全衛生規則の六百二十五条の汚染職場というのはどういう職場を言うんですか。
  79. 福渡靖

    ○福渡説明員 おっしゃるこの六百二十五条の汚染職場、一般的には汚染職場と呼んでおりますが、作業、労働をすることによって健康に著しい影響があるあるいは健康にある程度の影響を与えるというような職場というふうに考えていいかと思います。一般的に汚染が仮に起こったとしても、体がいろいろ汚れるということが起こったとしても、それだけで健康にはほとんど影響が認められない、こういうようなときにはそういう職場とは認めない。結局、作業の中身といろいろと関連があるということになろうかと思います。
  80. 三浦久

    三浦(久)分科員 あなたとここで論争しておってもちょっと時間のなにがあるから……。健康に被害があるという場合には、たとえば鉛中毒だとか、特定化学物質だとか、有機溶剤だとか、また別にちゃんと規定があるのですよ。わかっているでしょう。ですから、何か健康にというようなことで、ちょっと油がついたぐらいとか、くそかぶったぐらいは健康に影響がないみたいな、そういう考えであなたは言われているのかもしれませんけれども、そうじゃない。この汚染職場かどうかというのはやはりちゃんと社会常識的に判断すべきですよ。ですから、油が顔じゅうつくとか被服につくとか、そういうところは汚染職場だし、保線のようにくそをかぶるというような職場も、それは汚染職場に決まっているのじゃないですか。いつもかぶるのではなくて、そういうおそれのある職場ということだから。  それはまた、労働省とやりとりするのがきょうは目的じゃないからしませんけれども、私は、いまお話ししましたように、保線とか検査、修繕の職場というのは、これは明瞭に汚染職場だと思うのですよ。田町の電車区の事件ありましたね。昭和四十一年ですか、判決が。あのときでも、あなたたち染汚職場ではないと言い張ったけれども、しかし判決はちゃんと汚染職場だと。そんな汚れたまま満員電車に乗って帰るなんということはできない。作業によって付着した粉じんとか機械油だとか屎尿だとか、そういうものがやはり体につくわけだから、それは汚染職場だとはっきり認定しておるでしょう。あなたたちはそうじゃないと言うけれども、客観的にはそういう判断が出ているわけです。ですから、私は、そういう職場で仕事が終わってからそういうものを落とすために入るというのはあたりまえなことだと思うのです。何も片意地張って、職場規律だから何だかんだ、世間体があるからとか、そんなことを考えるのはおかしい。  大体、国鉄総裁、あなたたちの平衡感覚が全くない。たとえば、どこでもこういう汚染職場というのは入浴しているのだ。私ちょっと地方公務員の現業関係を調べてみました。そうしたら、たとえば清掃関係、ごみを収集して歩きますね、それから屎尿、こういう人たちも時間いっぱいは仕事してないのです。なぜかというと、一月に何回というふうに決めて全部に平等に当たるように作業ダイヤを組むわけですからね。ですから、ぎりぎり勤務時間内いっぱいに仕事はしてないのです。必ず早く終わって帰っている。帰ったらすぐ体の汚れを落とすためにふろに入っていますよ。それはごみの収集とか屎尿のくみ取りだけではありません。防疫所もそう、食肉センターもそう、斎場、これは焼き場ですね、火葬場、斎場もそう、学校給食調理員、ここでもちゃんと仕事が終わったら、これはシャワーですけれども、裸になってシャワーを浴びていますよ。ですから、これは何もそんな世間体をはばかるような問題ではないのですよ。だから、私は国鉄当局の社会常識、平衡感覚を疑うのです。何でこんな、何にも作業に支障のないようなことに目くじら立てて、そして賃金カットしている。これは当然裁判になりますよ。そうするとまた裁判に労力を使う。そんな暇があるのですか、国鉄は。社会的な常識からいってみんな入っている。  人事院きょうお見えですか。人事院にちょっとお尋ねしますが、これは私が電話で小坂井さんという方にいろいろ御意見をお聞きしました。それで要約しました。要約して人事院の小坂井さんに読み上げまして、それで結構です、そのとおりですというふうに了承を得た文書です。私がまとめた文書ですが、ちょっと読み上げてみますね。  「人事院規則一〇—四に労働安全衛生規則第六百二十五条と同様の定めがある。しかし六百二十五条の引きうつしなので、時間内入浴が可か否か特に定めてない。指導上は勤務の態様、汚染の程度によって対応している。便宜供与的施設であるならば時間外入浴とすべきであるのは当然だが、設置の義務づけがされている施設については、個々のケースについて、社会的常識から具体的対応をすべきであると考えている。」ですから、時間内に入浴させるか時間外に入浴させるかということは、社会的常識から具体的に対応すべきだ、こういうことですね。「一律全て時間内入浴を禁止しているものではない。医者・看護婦が手術や解剖後入浴するとか、粉じん等の多く出る職場で働いた後に時間内入浴するのは当然だ。」こういうふうに言われているのですが、これはどうですか。
  81. 網谷重男

    ○網谷説明員 いま先生のおっしゃいました大筋は大体そうでございますが、人事院規則におきましては、勤務環境等について講ずべき措置として、先生御指摘のとおり、労働安全衛生規則の例により、身体または被服を汚染するおそれのある職務に職員を従事させるときは、洗身等の設備を設けなければならないとしておりますけれども、その設備が設置されてあるからといって、直ちに職員が勤務時間内に入浴してもよいというわけではございませんで、汚染の程度、勤務の態様等によっては勤務時間内の洗身が許容される場合もあると考えております。その例として先ほど先生御指摘のような例があるわけでございます。
  82. 三浦久

    三浦(久)分科員 ですから、国鉄総裁、やはり職場の状況によっては時間内に入浴をさせるということは必要なんです。特におたくの場合は、仕事が全部終わってしまって退勤時間のわずか二十分前に入るという、それだけのことなんですよ。それも長年の慣行としてずっと行われてきたことですね。そんなことも許せないというのはおかしい。特にいま言ったように、ほかの汚染職場ではもうほとんど全部と言っていいくらい入っているのです。  私は国家公務員関係の具体的な職場についても調べてみました。たくさんある。しかし、それをここで具体的な職場を挙げますと、今度それを禁止しようなどという逆の動きがまた出てくると困るから、私は具体的な職場の名前は申し上げません。しかし実際調べてみたらわかります。  ちょっと国鉄総裁、あなたたちは、ほかの汚染職場ではこういう時間内入浴がもう常識として行われるということは調べたことがあるのですか。
  83. 三坂健康

    ○三坂説明員 特にほかの公共部門の職場がどういうふうになっておるかということを調べたことはございません。
  84. 三浦久

    三浦(久)分科員 だからいけないというのですよ。あなたたちが職場規律と言うのであれば、また世論というものをおもんぱかってと言うのなら、そういう問題も調べてみなければだめじゃないですか。あなたたちの考え方というのは本当に非常識的。  それで、あなたたちは団体交渉もしてないのですね。団体交渉をするということについても拒否している。しかし、これは私は労働条件ではないかと思うのです。  それで、労働省いらっしゃいますね。この作業中に付着した汚物をいつ洗浄するかということに関する取り決めというのは、労働条件に関する取り決めとは言えないのですか。
  85. 斎藤邦彦

    ○斎藤説明員 いま御質問がございましたけれども、具体的にどういう事項が団体交渉の対象事項となる労働条件かということは、それぞれ具体的にその場その場の状況等を総合的に判断して決めなければならないということだろうと思います。  しかし、ごくごく一般論、大ざっぱな一般論として申し上げるとすれば、就業時間中にどういうことを職員にやらせるかとか、あるいは就業時間をどのように定めるかという観点からの御議論であるとすれば、それは労働条件としての性格を持つだろうと思いますし、また、それが安全衛生の面から議論されるということであれば、またこれも労働条件としての性格を有するということになるだろうというふうに思います。いずれにいたしましても、具体的な時間につきましては、もろもろの要素を総合して判断していただくということになるだろうというふうに思います。
  86. 三浦久

    三浦(久)分科員 お聞きになったでしょう。一定の決められた労働時間をどういうように使用するか、労働者にあなたたちが使用させるかという問題なんだから、いつ入浴させるかということは。だから、これは完全に労働条件なんです。  それから、公労法の八条に団体交渉事項が書かれていますね。それに衛生に関する事項というのがあるでしょう。その次に、その他の労働条件に関する事項。これは衛生に関する事項に入らないと思いますか。国鉄、どうですか。
  87. 三坂健康

    ○三坂説明員 衛生に関することということが具体的にどのようなことを指すか、一般的に衛生問題をどういうふうに解するかというのはなかなかむずかしい問題だと思いますが、私どもが門司局で本件につきまして団体交渉事項でないと言っておりますのは、私どもが勤務時間中の入浴を禁止した措置を撤回しろということについて団体交渉をしろ、あるいはそういう措置は不当であるということについてその団交をしろ、あるいは賃金カットしたことが不当であるという事後処理について団体交渉しろというふうに言っておりますので、そのようなことは団体交渉事項に当たらぬということを言っておるわけでございます。
  88. 三浦久

    三浦(久)分科員 そんなことないですよ。賃金を幾らにするか一方的にあなたたちが決めたら、それはけしからぬ、だめだと言って団体交渉するというのは当然交渉事項でしょう。あなたたちが勝手に決めるということ自体が間違っておることなんです。労働条件の一方的不利益変更というのはできないことになっているのですよ。そんなことは、あなた、労働法上の常識じゃないですか。  労働省に聞きますけれども、公労法第八条の衛生に関する事項というのはどういうことを言うのですか。
  89. 斎藤邦彦

    ○斎藤説明員 いま御指摘ございましたように、公労法八条では団体交渉の範囲を決めております。その中に「労働に関する安全、衛生及び災害補償に関する事項」という規定がございます。これもまた、どういうことがここで言う衛生に関する事項かということは、具体的に個々のケース・バイ・ケースによって判断するということになるのだろうと思いますし、それが一番正確だろうと思います。  これはまた、ごくごく一般論、大ざっぱな一般論というようなことで申し上げるとすれば、たとえば汚染の非常に激しいような業務に従事している場合に、しかもそれが汚染ということによって職員の健康に非常に影響を与えるというような場合に、その汚染を除去する手段をどのようにするかという意味での交渉であるということが考えられるとすれば、それは労働に関する衛生の事項ではないか。これもまた、一般基準としてどういうシステムを設けるとか、あるいはどういう制度をつくるとか、そういう意味でのことが団体交渉事項になるというふうに考えられるのではないかと思っております。
  90. 三浦久

    三浦(久)分科員 いま言われたことを現在の入浴規制の問題に当てはめれば、一般的に言ってもこれは労働条件ですよ。そしてまた衛生に関する事項というのに該当しますよ。そうすると、これは公労法八条によって団体交渉の対象にせざるを得ない問題です。そして、時間がありませんから具体的な経過を追いませんけれども、いままでずっと長年にわたってただ慣行として行われてきたというだけではないのです。現場協議でそれが決められ、それが地本段階でもって確認をされるというようなことでずっとやってきている。そしてその協約自身が期限切れでもってなくなった後も、ずっといままで、昨年の十二月までは退勤時間の二十分前に入浴するということが行われてきているわけでしょう。これは労働条件なんだから、それを変更しようという場合にはあなたたちが団体交渉の申し入れ等をすべきじゃありませんか。それを一方的に変更し、そして強権を発動して賃金カットまでする。そして、団体交渉の申し入れを労働組合がやっても、全然これを拒否する。団体交渉事項について団体交渉を拒否したら不当労働行為でしょう。公労法三条で、労組法七条の適用があるのですよ。そういうことまでやっている。それからまた、非番の助役、勤務明けの助役まで労基法に違反して駆り出して、そして現認態勢をとっている。こんなこともあるわけです。ですから、私、本当に非常識な争いだなと思っておるのです。何の益もない。そして、さっきからるる説明しているように、社会常識的にもちゃんと認められることなんです。私は、こういう無益な紛争というのはやめるべきだと思うのですよ。ですから、運輸省にも私は常識的な方向で解決をするように御指導いただきたいというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
  91. 永光洋一

    永光政府委員 職場規律を正すという問題につきましては、国鉄の労使の問題であると思います。われわれとしましては、現在の厳しい国鉄状況の中では社会的に見ても厳しい態度が必要ではないか、こういうふうに考えております。
  92. 三浦久

    三浦(久)分科員 終わります。
  93. 越智伊平

    越智主査 これにて三浦久君の質疑は終了いたしました。  次に、伊賀定盛君。     〔主査退席、鴨田主査代理着席〕
  94. 伊賀定盛

    伊賀分科員 関西新国際空港の現状はどうなっていますか。
  95. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 泉州沖の関西国際空港につきましては、御承知のように昭和四十九年に航空審議会の答申が出まして、昭和五十一年度以降泉州沖候補地を対象といたしまして、五十七年までに約百四十億円の調査費をこの調査に充てまして、環境アセスメントを初め各種の調査を進めてきたところでございます。これらの調査も順調に進みまして、五十六年にその調査結果を取りまとめ、地元意見をお聞きするということをいたしたわけでございます。また、地元の情勢、特に大阪府の沿岸諸都市の反対決議も逐次撤回されまして、昨年をもってすべての反対決議が撤回をされたという状況を迎えたわけでございます。  このような状況の中で、五十八年度予算の原案におきまして、関西国際空港着工準備調査費三十二億円と、継続して行います一般調査費八億円、合計四十億円が計上されまして、五十八年度には着工のための準備を進めていきたいというふうに考えております。
  96. 伊賀定盛

    伊賀分科員 いま着工準備調査費ということですが、この意味は、これはもう正式に出発したと見ていいのか、いやそうじゃない、まだ本当に準備です、こう解釈をしたらいいのですか。
  97. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 着工準備調査費というのは、今回初めて予算上設けられた科目でございまして、その中身は、従来俗に実施設計調査費と呼ばれておりました着工の準備のための諸調査、設計、測量、そういうような経費と、それから従来の一般調査費の範疇に属します調査、これをあわせ行うための予算科目ということで新たに設けられたものでございまして、泉州沖空港の着工を前提とした調査を行う、このような費目であるというふうに了解しております。
  98. 伊賀定盛

    伊賀分科員 そうしますと、御承知の三点セットというのがありますね、一つは空港計画案、一つは環境影響評価案、それから地域整備の考え方。そこで前提となります地元三府県の同意という問題があります、御承知のとおり。いま沿岸各町村は、反対決議を撤回してというお話がございましたが、兵庫県は依然として同意しておりませんですね。それから、現在の伊丹空港を中心とした兵庫県の十一市協というのがございますが、これもそれぞれ、私はその写しをきょう持ってきておりますが、どちらかといいますと賛成じゃないわけでして、これらをどう評価しておられますか。
  99. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、五十六年の五月に私どもの調査結果を取りまとめ、いわゆる三点セットと称されておりますが、環境アセスメントを中心といたしました調査結果を地元にお示しいたしまして、その御意見を伺ったわけでございます。大阪府からは昨年の七月、和歌山からは昨年の八月にそれぞれ回答をいただいたところでございます。兵庫県につきましては、御指摘のようにまだ正式の回答はいただいておりません。  実は、兵庫県とは十数回に及ぶ話し合いを行いまして意見の調整に努めてきたところでございます。残念ながら、まだ正式の文書による回答というものはいただいていない現状でございます。昨年の暮れ、十二月に兵庫県の知事さんが上京されまして運輸大臣と会見をされました。知事さんは、関西地区に国際空港を早期に設置することについては自分も大賛成であります。しかし、兵庫県としては、地元の神戸の沖合いに地方空港をつくりたいという計画を持っております。これについての運輸省の態度を明らかにしていただかないと私どもとしての回答はお出ししにくい。また、伊丹空港の存廃についてできるだけ早く結論を出してほしい、こういうようなお話がございました。基本的に国際空港の設置について反対ではないということを明言されたわけでございます。  そのようなことでございますので、ことしに入りまして、なおさらに兵庫県とお話し合いをいたしております。できるだけ早い機会に基本的な合意がいただけるんではないかということを期待し、かつ、今後も努力していきたいというふうに考えております。
  100. 伊賀定盛

    伊賀分科員 いまお話しの、兵庫県から運輸省に「関西国際空港の基本問題について」ということで、これについての運輸省の回答は読ましてもらいました。大体いま局長がお述べになったようなことがあると思います。  もう一つ、いま申し上げました伊丹から出ていますね。五十七年の十二月二十日に、伊丹市長から「関西国際空港建設について」、「運輸大臣長谷川峻殿」、その中に「昭和五十五年六月、当市公害調停申請団との間に取り交された「教育文化、産業経済及び空港周辺諸都市の機能との関係を調査研究し、地元の意思を聴取し、開港時までにこれを決定する」との調停」云々、こう書いていますが、これらについて運輸省は回答しない、そのまま、それとも回答されるのですか。
  101. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 伊丹市ほか関係町村から出されました文書につきましては、兵庫県と私どもの間で、三点セットをめぐりまして三回にわたりまして文書の往復、質疑応答というような形で意見交換を行ったわけでございます。すでに私どもはその中でこの問題に関する回答は詳細に申市上げてあるわけでございます。その旨は、伊丹中その他への文書による回答は行っておりませんけれども、口頭ですでにその兵庫県に対する回答の内容につきましてはお話し出し上げているところでございまして、現伊丹空港の存廃問題につきましては、関西新空港の建設決定後可及的速やかに広範にわたる調査を行って、しかも地元意見を十分に聴取の上、その存廃を開港時までに決定する、こういう調停条項を国といたしましても受諾をいたしております。私どもその方向で地元意見を十分聴取の上、今後態度を決めてまいりたいと考えております。昨今できるだけ早く調査を始めるという声が強くなっております。この問題はかなりむずかしい問題でございますので、私どもも調査の着手はなるべく早く行いたいというふうに考えておるところでございます。
  102. 伊賀定盛

    伊賀分科員 この伊丹を中心とした十一市協というのは、空港撤去ということが前提になっているのですね。それから、兵庫県側は、現在の伊丹空港は泉州沖空港が着工までに伊丹空港の存廃をどうするかということが航空審の答申である。ところが、運輸省の方はそうじゃない、泉州沖が開港する時点までに決めればいいのだということで、運輸省と兵庫県側の意見の食い違いがあるわけです。これはどっちが本当なんですか。
  103. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたとおり、この問題につきましては、公害等調整委員会における調停条項がございまして、開港時までに決定をするという調停がございまして、国側も受諾し、地元調停申請団側もこれを受諾されたわけでございます。もちろんこれは十一市協との間の調停条項ではございませんが、私どもといたしましては、一貫して開港時までにその存廃を決定するということを申しております。  そういうことではございますけれども、先ほども御答弁申し上げましたとおり、この存廃問題をめぐる論議、あるいはその前提となる調査というのは大変問題の大きなことでもございますし、また、調停条項の中には、先ほど先生御引用をいただきましたが、教育文化、産業経済等に及ぼす影響等を十分調査しなさい、こういう条項も入っております。そのようなことになりますと、かなりこの調査というものはむずかしい調査になろうかと思います。したがって、先ほど御答弁いたしましたとおり、その調査の着手はできるだけ早くやってまいりたいというふうに考えております。
  104. 伊賀定盛

    伊賀分科員 いま時間がございませんから詳しいことは申し上げませんが、四十三年から調査をしているわけですね。もう十六年目を迎えたわけで、それらについても十分お互いの話し合いなり調査等も進んでおる、時間をかけておると思うのですが、それにもかかわらず、いまなお泉州沖に決定したのか決定しないのか、私はよくまだ理解できないわけでして、泉州沖に決定したのですか。
  105. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 五十八年度予算で着工準備調査費という新しい科目が設置されたわけでございまして、この場合の着工というものは、泉州沖候補地に関西国際空港を着工するための準備調査費であるということははっきりいたしております。
  106. 伊賀定盛

    伊賀分科員 これも結局幾ら論議しても始まらぬでしょうけれども、もし着工と解釈するなら、これは三点セット、言いかえますと見切り発車ということに解釈してもいいわけですね、もしそれが着工というところにウエートがあるならば。あくまでもそれは準備だと言うなら、これは話がわかります。どっちに重点があるのですか。
  107. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 先ほど御答弁申し上げたつもりでございますが、着工を前提とした諸準備のための調査でございます。したがって、これを着工に重点を置く、準備に重点を置くという御質問、なかなかむずかしいわけでございますが、私どもといたしましては毎々三府県にお約束申し上げておりますのは、空港の計画を最終的に決定するときまでに三府県の合意を得るというお約束をしてございます。したがって、私どもといたしましてはこの予算の執行とはかかわりなく、今後兵庫県の御同意を得て、最終的に計画を決定するという運びに持っていきたいというふうに考えております。
  108. 伊賀定盛

    伊賀分科員 兵庫県の同意が前提であるとするならば、いまも局長からお話がありましたが、神戸沖合いというお話が出ましたけれども、兵庫県が「新地域航空輸送システム調査中間研究報告」というのを出した。これは御承知ですか。
  109. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 私は詳細に中身を読んだわけでございませんが、そのような調査をなされたという報告は受けております。
  110. 伊賀定盛

    伊賀分科員 私もまだ兵庫県知事と具体的に話したわけではありませんが、兵庫県の場合は神戸沖案というものが頭の中にいっぱいになっておりまして、これをどうするか、もちろんこれは伊丹との関連もありますけれども、これが決定しないと、方向が出てこないと、兵庫県側は同意せぬのと違いますか。
  111. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 兵庫県が神戸沖に空港をおつくりになりたいという熱意を持っておられるということは承知しておりますが、関西に国際空港をつくるということと神戸に地方空港をつくるということは、いわば次元の違う問題でございまして、兵庫県側といたしましても、その点ははっきりとお認めになっておられるわけでございますので、神戸沖の地方空港についてどうなるかということが決まらなければ国際空港の建設に同意できないということは、必ずしも論理的に結びつかないのではないだろうかというふうに考えております。
  112. 伊賀定盛

    伊賀分科員 それは運輸省考え方で、兵庫県はすでに調査費を五千万か使っていますね。それから神戸市側がたしか一億三千万でしたかの調査費をつけておりまして、ここら辺の事情は御承知ですか。
  113. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 私は新聞で拝見いたしましたが、たしか兵庫県は来年度予算に三千万円を計上された、神戸市はたしか一億を超える予算を計上され、それぞれ議会で審議中だというふうに承知いたしております。
  114. 伊賀定盛

    伊賀分科員 そうしますと、運輸省の方は地方空港と国際空港とは別次元の問題だとおっしゃいましても、兵庫県なり神戸市なり現在の伊丹空港関係十一市町村側から言いますと、これはやはり泉州沖にできるものがどういうもので、その場合に伊丹がどうなって、そして神戸沖がどうなってということは、当然地元としては重大な関心があるわけでして、これに一定の方向を与えずに泉州沖を出発いたします、着工準備ということですから、着工に重点があるやら準備に重点があるやらわかりませんけれども運輸省の方は準備に重点を置いて御説明になる。兵庫県側の関係町村から言いますと、むしろ着工に重点を置いて解釈する、これは当然な話でありまして、この際兵庫県なり神戸市が考えております新地域地方空港、これについてどういうお考えでしょうか。
  115. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 兵庫県のお考えは、私どもの承知しております限りにおきましては、兵庫県内の県北あるいは県の西部あるいは神戸付近、さらには淡路島というようなところに小型機用の空港をつくり、県内交通のための小型機輸送網をつくりたいという御計画のように承知いたしております。このような空港は、当然現在の法制度の上から申しますと、第三種空港という県の管理する空港になるわけでございまして、県が独自に御調査を進められることにつきましては、私どもとしてはそれを妨げる意思は毛頭ございません。  また、先ほどお尋ねの伊丹の件でございますが、私ども先ほど来申し上げておりますように、開港の時点と申しますのは、関西国際空港はとりあえず滑走路一本をもちまして開港をする予定でございます。その段階地元住民と、あるいは地元公共団体と十分お話し合いをいたしまして、もしも廃止という方向が出るならば、現在の伊丹空港の受け持っております機能を一本の滑走路の関西新空港がかわって受け持つということになり、もしその段階で存続という方向が出るならば、現在大阪地区の航空輸送需要が伊丹空港の制約によりまして受け切れずにおります。その需要の増大に対処できるようになるということでございまして、いずれにいたしましても開港時までに決定をすれば、伊丹の問題は十分そこで決着がつくのではないだろうかというふうに考えている次第でございます。
  116. 伊賀定盛

    伊賀分科員 地方空港と国際空港とは別次元の問題だというお話が先ほどありましたが、兵庫県が考えております地方空港には、伊丹か神戸沖かということははっきりとは明言しておりませんけれども、これは県内航空という想定で、播磨、但馬というものを考えておりまして、その中で、兵庫県としては但馬空港から着工したい、こういう意向があるわけです。したがいまして、県がそういう方向を出しておりますから、但馬の豊岡市を中心として一市十八町は重大な関心を持っておりまして、すでにその候補地、場所をどこにするかということで関係町村との話し合いが始まっておるわけです。その場合、地元にしましても県にいたしましても素人ばかりですから、県から正式に航空局、運輸省の方に専門官を派遣してくれとか、あるいは協力してくれとかいうような要請があった場合に運輸省はどうされますか。
  117. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 先ほども申し上げましたように、第三種空港の場合、都道府県が設置、管理をする空港になるわけでございまして、その設置のための諸調査というのは通例設置者である県がおやりになるわけでこざいます。これはどの府県においても共通でございますが、御指摘のように県には空港の専門家あるいは航空輸送、航空保安施設の専門家がおいでにならないのが通例でございますので、これは通常のケースとして申し上げるわけでございますが、都道府県の方は、空港の建設にかかわるコンサルタントがございますが、そういうコンサルタントなどを利用されまして調査をなさる、あるいは気象条件等はそういうコンサルタントの手を経なくても調査ができるかもしれませんが、一般的にはコンサルタント等の助けをかりて御調査をなさるのが通例でございます。ただ、その場合、運輸省に対して何か技術的な援助をしてほしいというようなこととか、あるいは御質問をいただくというようなときには、私ども技術的な面について御相談に応ずるということは、従来の三種空港設置の際に行っておるところでございまして、したがって、もし兵庫県の但馬空港について県が独自に御調査をお進めになり、あるいは民間に委託して御調査を行われて、その結果なお技術的にこういう点はどうでしょうかという御相談があれば、私どもとしてその段階でできるだけ御相談に応じたいというふうに考えております。
  118. 伊賀定盛

    伊賀分科員 もう一度泉州沖空港に返りますが、どうしても兵庫県なり伊丹の問題が未解決のまま、いま局長さんは準備にウエートがあるというお話ですが、われわれから言いますとやはりこれは正式にもう着工したんだ、こういう解釈をとらざるを得ぬわけです。しかも伊丹の存廃もそのまま。そうすると、ちょうど東京における成田空港と羽田空港と同じような姿にいまなりつつある感じがするんですね。成田の場合は大臣が十八人目だそうですね。関西新空港の場合は大臣が十六代目か七代目ぐらいになるのですよ、長谷川大臣。ちょうど成田と同じ姿になっておりますね。成田の場合もそうでしたね。閣議決定が先で地元の了解は後からということになって、今度の関西の場合にも、いま言いました大きな三点セットと言われながら、兵庫県の同意を得られないまま事実上出発しておるわけですから、これも成田と同じようなかっこうで、しかも成田も御承知のとおり当初の計画どおりにはいまのところはいかない。そこで、いま羽田沖を東京都が埋め立てしていますね。そういうことで、もう一度羽田の機能というものを見直そうとなっているわけです。  私も関西ですから、友人も京都や大阪やあそこらにもたくさんおりまして、泉州沖と伊丹なり神戸とどっちがおまえら便利がいいんだと聞いてみますと、私の友人にはわりあい京都や大阪の財界人というほどでもありませんけれども、おるものですから、それはもうそんな泉州沖なんというよりも神戸でも伊丹でも、その方がよっぽど便利がいいよ、それなら何でもっとはっきり物を言わへんのやと言ったら、財界のおえら方が言っておるんだから任しておいたらいいのや、こういうことなんですね。東京でもそうでして、羽田と成田と考えましたら、交通機関にいたしましても東京から成田へ行くより羽田の方がよっぽど便利がいいわけですよ。やはり大阪の中心から考えましても、泉州沖に行くよりも伊丹もしくは神戸の方がよっぽど便利がいいというのが一般住民考え方ですね。そうしますと、これは泉州沖で出発したとしても大変なお金がかかります。費用がかかります。恐らく成田と同じようなかっこうで、当初計画した泉州沖の計画は無理だ、そこでもう一遍伊丹かないしは神戸沖を考えざるを得ないようなことに、ちょうど羽田と成田と同じようなかっこうになるのではなかろうかという感じが私はします。そうしますと、運輸省のいまのお考えの、伊丹空港は泉州沖が開港までにすればよろしいんだ、兵庫県の方はいやそれまでにはっきりしろ、こういう論争も、長い目で見ましたら、あるいは運輸省みたいにどっちでもとれるようなかっこうの方が十年、二十年先を考えたらかえっていいかもわかりませんね。  もう時間が参りましたのでこれ以上は申しませんが、最後にもう一度、伊丹空港をどうするか、あるいは兵庫県側の三点セットの一つの同意が得られないまま泉州沖がいま出発しようとしておるわけでして、ここら辺についての大臣考え方をお聞きしまして質問を終わりたいと思います。
  119. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 伊賀さんからお話のあったように、今度の泉州沖の国際空港は成田空港の二の舞を演じたくない、こういうことから入念にいままで調査費をかけて地元の方々の説得、御賛成を得たわけでありまして、それが三点セット。その際に兵庫県の知事さんからは、年末お会いしましたときに、関西に国際空港をつくることは賛成いたしますと言いつつも、いまの伊丹空港の存廃の問題についてなかなか同意が得られなかった、こういうことでございます。局長がおっしゃるように、伊丹空港の存廃の問題は地元住民の方々の御意見もお伺いしなければならぬ。その中には兵庫県の方々もいらっしゃる。また、あれだけ延びた空港の経済効果も考えられることもあろうと思います。その際に、兵庫県の知事さんから、自分の地方はどうも但馬の方なんかなかなか国鉄の線が延びないということもありますから、地方空港をあちらの方にもつくりたいというお話もありました。さらにまた、神戸沖の方に何か島をつくりたい、その効用価値はいまから考えます、私にははっきり空港ということはおっしゃいませんでしたが、そういうお話もありました。私は、運輸省も一つの行政機関、また兵庫県も一つの行政機関、そして有力なる兵庫県の知事でございますから、やはり話はずっとどんなところでも通じておかなければならぬと思いまして、どんなことでも御相談に来た場合には相談に乗ります。空港の問題、地方でおつくりになる場合でも、何か御相談あることがありましたらいつでも御協力申し上げます。そして、この泉州沖の関西国際空港は関西全体の問題、日本全体の問題として、二十四時間空港ということで何とか早期に完成してみたいと思いますから御協力をお願い申し上げます。こういう姿勢をとっておりまして、要らざる摩擦を起こさないようにしながらこれの実現に邁進したいと思いますので、どうぞひとつ伊賀さんの方からもそれぞれの御協力を私の方からもお願い申し上げまして、私の答弁といたします。
  120. 伊賀定盛

    伊賀分科員 終わります。
  121. 鴨田利太郎

    ○鴨田主査代理 これにて伊賀定盛君の質疑は終了いたしました。  次に、寺前巖君。
  122. 寺前巖

    寺前分科員 先ほどニュースが流れました。昨年二月九日の東京羽田沖の日航機墜落事故を捜査している警視庁特捜本部が、本日の朝、直属の上司だった須田前DC8運航乗員部長ら運航幹部四人と、日航嘱託医師二人の計六人に出頭を求めて業務上過失致死傷容疑の取り調べを始めた。この事態について、大臣どういうふうにお考えになりますか。運輸省の指示どおりの診察をさせておったら、あるいは機長の精神異常に気づいていたらこんなことにならなかっただろう。だから、そういう点では知らなかったで済ましてきたのか。私は、いまやこの日航機の問題について、首脳陣の退陣を含めて管理責任を明らかにしなければならない段階が来ているのではないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
  123. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 昨年の日航機の羽田油の事故は、日本航空は国際的に安全ということで定評があっただけに非常に残念であります。そして、その事故の原因等々は事故調査委員会でいまいろいろ調べているところでありますが、ただいまお話のあった、日航の職員とか医者が任意の事情聴取を受けているということを初めて知ったわけでありますが、日本航空を監督する運輸省としてはまさに遺憾なことであります。今後捜査の推移を見守って慎重に考えたい、こう思っています。
  124. 寺前巖

    寺前分科員 被害者の皆さん方は、機長の異常を知らなかったということを参考人事情聴取で主張しておられることに対して、非常に怒りを持っておられます。そうなってくると、管理責任という問題については特別に重大な責任があるように思いますから、首脳陣の退陣を含めて、その点について運輸省としての指導方法があってしかるべきじゃないか。その点についてはいかがでしょう。
  125. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 その操縦士の問題でございますけれども、これは大ぜいの諸君が同じように仕事をしあるいは上司として監督などもしておったのですが、一方私などが直接模様を聞いたわけではありませんけれども、何さまお医者さんに調べられているかっこうでもございますし、その病状等々についてもわれわれが直接判断できる問題でもございません。いずれにいたしましても大量の事故者を出したということ、それから来る社会的責任、これは日航の諸君も考えておることであり、また、どう信用を挽回するかというところで国際航空をあずかる日本航空の者としてみんなが緊張してやっていることだ、こう期待しておるものです。
  126. 寺前巖

    寺前分科員 私の、社会的責任を首脳陣は考えるべき段階に来ているのだということについてのお答えがないですけれども、これは被害者にとって深刻な問題だと私は思いますので、ぜひ検討をしていただきたいということを申し上げて、次に移りたいと思います。  BG財団なるものが地域海洋センターを各地におつくりになっておられます。私の京都の方にも宮津市というところにあります。それから園部町というところにもあります。譲渡方法に関するところの基準というのをBG財団の方でおつくりになって、運輸省承認を得て発効しているようです。この「無償譲渡に関する基準」というのを見ると、譲渡条件がありまして、名称を継承せいというのがまず出てくるのです。「B&G財団海洋センターの名称を使用すること。」こういうことが出てくるわけです。  そこでちょっとまずは法務省にお伺いをしたいのですが、御足労願っているでしょうか。——民法三十四条の二では「公益法人の名称」ということで、そういうことはできぬことになるのじゃないかと思うのですが、民法三十四条ノ二ではどういうことになるのでしょう。
  127. 濱崎恭生

    ○濱崎説明員 お答え申し上げます。  民法三十四条ノ二と申します規定の趣旨は、民法上の公益法人でないものが社団法人あるいは財団法人と誤認させるような名称を使用するということを許容いたしますと、そのものがあたかも主務官庁の許可を得て、その監督のもとに公益活動を行っているというような誤解を一般公衆に与える。そのために種々の弊害を生ずるおそれがあるということから、そのような名称を使用することを禁じたという趣旨でございます。  御指摘の事例は、私ども法務省といたしましては必ずしも事実関係の全容をつまびらかにいたしているわけではございませんけれども、聞き及んでいる範囲内におきましては、結局のところ地方自治体が所有することになる施設の固有名詞といたしまして、その施設の由来を示すという目的からB&G財団という名称を施設の名前の上に冠するという事案であろうかと理解いたしております。したがいまして、その結果、その当該海洋センター自体が一つの財団法人として活動するものであるかのような誤認を生ぜしめるという場合には該当しないのではなかろうかというふうに考えられます。したがいまして、この事例が直接に民法三十四条ノ二の禁止に触れるというふうには言えないのではなかろうか、かように考えている次第でございます。
  128. 寺前巖

    寺前分科員 私は法務省の解釈がどうも解せないのですけれども、せっかく譲渡をして市町村のものにしてやるというのだったら、その財団のセンターなどというものは書く必要がないのじゃないだろうか。やはり財団のものだという印象を与えることになるのではないだろうか。市町村が自主的にこれはここからもらったものですよと言ったら、大臣御存じのように厚生年金からもらったお金でできましたとかいってよく書いてあるのがありますが、あれ式でいいことじゃないだろうか。看板にまでB&G財団海洋センターという従来どおりの名前をそのまま使っているということになったら、やはり誤解を与えることになってしまうのではないだろうか、けじめがつかぬのじゃないだろうか、私は後々いろいろ申し上げたいことがありますが、この点だけをまずもって、所有が変わった段階に同じ名称をそのまま残すということは、やはりけじめをつけるべきじゃないかと思うのですが、むずかしい話は別にして、私は大臣の御見解を聞きたいと思うのであります。
  129. 西村康雄

    ○西村(康)政府委員 地域海洋センターを市町村に譲渡いたしました後もB&G財団海洋センターという名称をその名称の一部に使用しております。正しくは〇〇町B&G財団海洋センターというふうに使用することが譲渡の条件になっていることは御指摘のとおりですが、この趣旨は、BG財団の海洋センターが海洋レクリエーションを中心としましたBG財団の活動の一環として建てられ、そしてその事実上の運営を市町村が行っているという実態から、今後その運営が非常に良好であれば、むしろ市町村の施設としてこれを運営していただきたいという趣旨で譲渡の制度を設けたわけでございますが、譲渡後もやはりBG財団がこの地域海洋センターを設立しました趣旨にのっとって、同様の活動をしていただくということがこの譲渡の前提でございます。したがいまして、そういうBG財団の考えておりますような海洋レクリーション活動というものをここがやっていくのだという趣旨を名称の中に残していただきたいということで、このような形になっているわけでございます。ただ、いま御指摘のありましたような、市町村が運営をしているこの海洋センターが、譲渡後もBG財団が管理運営しているというような印象をその名称からもし受けるというような御非難があり、また、それが民法三十四条ノ二の規定の趣旨にそぐわないというような問題があるならば、それは御指摘のようにその名称の変更ということも考えていくべきことかもしれません。そういう点は今後法務省とも、先ほど御答弁いただきましたが、なお誤解を生まないような考え方がとれるかどうか、三十四条ノ二の規定の趣旨にも基づきまして検討させていただきたいと思います。
  130. 寺前巖

    寺前分科員 いろいろな面にわたって十分、自治体の管理に入ったらやはり自主性を尊重するように、できるだけいろいろ御検討いただきたいということを私はあわせて申し上げて、この問題はさておきたいと思います。  次に、時間の都合がありますので、先に国鉄の問題についてお聞きをしたいと思います。どうもありがとうございました。  まず私は、国鉄が財政上いろいろ困難に直面しておられるところから、諸種の合理化がいまいろいろ進んでいると思うのです。私は住民の皆さんから持ち込まれた問題として、京都の二条駅での問題についてちょっとお聞きをしたいと思うのです。  どういうことかと言いますと、二条駅は六八年から七〇年にかけて構内の整備拡張工事というのが行われました。それは何かというと、トヨタとか日産とか、そういう自動車を輸送する基地として整備されたわけです。七一年にもまた舗装が二千六百平方メートルにわたってされて、拡張されたわけです。ことにたくさんの特殊な、車を運搬する二段式の車が配置されている。聞くところによると八百三十二両があるというふうに聞いているのですが、それはさておきまして、この二条駅に今日でも十数両、二十両弱、ずっと放置したままなんです。ですから、もう十何年前に拡張したことなんですけれども、いまだに使わぬでそのまま車が放置されている。あれはどないなりますのやろか、もったいないことと違いますかと。それで、基地整備の工事費だけで一億三千万円かかったと言われているのです。この車代を入れたら二億数千万円になるのじゃないだろうか。使われたのは二年余りだというのですね。たった二年余りのためにこんなむだなままで放置されているけれども、どうするのだろうか。そこへ持ってきて、最近今度は東海道本線や山陽本線を走っていたのでしょう、五八三系の交直特急車両がまたそこへずっと置かれ始めている。こんな問題をこのまま放置しておくのかいな、むだな使い方にも限界があるのと違うかということで、私のところに訴えてきておられるのです。一体こういうむだな使い方をどう思っておられるのか、どうされようとしておられるのか、明らかにしてほしいと思います。
  131. 橋元雅司

    ○橋元説明員 まず私から、自動車輸送専用のための車運車と申しておりますが、ク五〇〇〇と私ども部内で申しておりますが、この問題についてお答え申し上げたいと思います。  先生御承知のように、自動車の陸上輸送につきましては、四十年代の前半非常に御要請が強うございまして、四十七年には二百三十万トンぐらいの自動車、これは新製車でございますが、その輸送が行われておりました。しかし、四十八年オイルショック以降大変な落ち込みを見せまして、大変激減をいたしました。したがって、先生御指摘のとおり、八百両ばかりの貨車の半分ぐらいがそのころから余剰となっておるわけでございます。そこで、駅の構内側線に一部留置をいたしておるということでございまして、二条駅にはたしか十五両ばかり現在も留置を続けておるというのが実態でございます。  そこで、かねてから国会でも御調論がございましたので、私どもとしてもこれはどこかへ転活用いたしたいということでいろいろ検討を重ねてまいったわけでございますが、まず北海道地区に、石炭車が大変古くなっておりますので、最近におきましてこれを百五十五両ばかり石炭車に改造いたしまして、いま運用をいたしております。さらに、最近いろいろなお話がございまして、これを、小型のトラックでございますけれども、私どもピギーバックシステムと申しておりますが、ピギーバックシステムにこのク五〇〇〇という車運車を活用できないかということでいま勉強をいたしておりまして、そういった石炭車への改造、ピギーバック方式への転活用といったことを検討いたしておりますので、いずれにしましても余剰を生じたことは事実でございますが、これは今後活用の道をいろいろ探してまいるということで鋭意勉強を進めておるところでございます。
  132. 坪内享嗣

    ○坪内説明員 五八三の件についてお答えを申し上げます。  先生御指摘のように、現在大阪管内の各駅に五八三の電車が七十九両留置をいたしてございます。これはせんだっての、五十七年十一月のダイヤ改正におきまして、山陽線の夜行列車などの輸送力調整といいますか、輸送力の適正化ということで余剰になった車でございます。五八三系は先生御存じのとおり、昭和四十二年から昼間は座席車として、夜は寝台として使ってきました比較的特殊な形式の車でございます。そういうことで、大分時間がたっておりますので、アコモデーション等も比較的陳腐化はしておるというのが現状でございますが、御指摘のように七十九両をどうするのかという点につきましては、私どもも鋭意勉強中でございます。  具体的に申しますと、まだ決定はいたしておりませんが、ローカル線の電車にこれを改造して、この七十九両の半数以上を使う具体的な計画をいま勉強しております。何とか次のダイヤ改正に実行したいというふうにいま考えておるところでありまして、そのほかの余剰車両につきましても、いま鋭意勉強中というのが現状でございます。
  133. 寺前巖

    寺前分科員 いろいろ言われるけれども、要するに長期にわたって放置されていることは事実なんです。めどがないのです。部分的に石炭云々と言われたけれども、全体としてはもう方向なしのままです。片一方で、また新しい貨車の方もそういう事態になっておる。私は、こういうめどのないままに放置しておくということは、これはもう国民の目から見て一体何をしているんだろうかということになると思うのです。ところが、一方では、これは最近私の方でも気づいておる問題なんですが、東京都及び大阪に向かって長崎や佐賀、福岡、あっちの方からとびうお号とかぎんりん号という貨物列車が走っているのですよ。これは来年の二月に東京や大阪の市場駅、要するに中央市場と直結しているところの駅はとめてしまって、コンテナ化するんだという問題が出てきて、それじゃほかの駅でコンテナをおろしてからそこまで運ぶ運賃が、これは生産者の方の負担になるのかいな、あるいはコンテナを築地の市場の中に持ってこられたらどこに置くのやということで、いろいろ話題になっているわけです。鮮魚というものは、時間を争うところの競りにかけなければならない問題ですから、必要な分野では嫌なことをやってくる、片一方ではまだ耐用年数が来てないものが放置されたままになっている。こんなことじゃたまったものじゃない。こんな運営の仕方でいいのかな、こういう話になってくるわけです。  そこでお聞きしたいのですが、来年の二月でもって鮮魚特急列車ですか、とびうお号とかぎんりん号が中央市場に直結しているいまのやり方を何が何でもやめさせてしまおうというのか。やはり私は納得のいくようなやり方でないと、納得のいくやり方ができればそれはそれに越したことはないのですよ。必要になって存在しているものをつぶしてしまうというようなことはやるべきではない。その点に対する対応を一体どういうふうに考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
  134. 橋元雅司

    ○橋元説明員 ただいまお話のございましたとびうお号、ぎんりん号と申します鮮魚特急列車の運行を始めたのは昭和四十一生でございます。当時大体二百五十万トンから三百万トン近い鮮魚輸送があったわけでございますが、現在では二十万トンに激減をいたしております。そこで、このとびうお号、ぎんりん号の利用効率と申しますか、輸送力に対する実際の連結両数でございますが、二十両分の連結能力があるところを、大体平均して十車程度という御利用の程度になっている。加えまして、使用いたしております車両、これはレサ一〇〇〇〇形式と申しております冷蔵庫でございますが、これが耐用年数に達しておる。しかも貨物の性質上、塩害が非常に激しいということでございまして、安全上にも問題を生じつつあるということでございまして、これを新設すれば多額の費用がかかる。一方、これをもし仮に、サービスをやめるということではございませんで、これを冷蔵庫でなく、コンテナによって輸送するということになりますと、私どもとしての一般の貨物との共載ができるという効率化のメリットもございますので、コンテナ化の計画を先般皆様方にお諮りを申し上げたところでございます。すでに昨年の秋ごろからいろいろお話を進めておりまして、いろいろ御指導をいただいております。確かに先生がおっしゃいますように、問題は、発荷主さんの問題あるいはコンテナの保有方とかその運用をいかがするか、それからさらにはその受け地である大阪、東京の市場側の作業体制といった問題がございます。さらには運賃負担がどの程度になるのか、その負担方はどうなるのかというようないろいろな問題がございまして、目下関係の荷主さん、通運業者あるいはその他関係の向き、たくさんございますけれども、そういった方々とお話を進めておるところでございます。  そこで、私ども来年の二月に予定いたしております貨物ダイヤの大改正の際に、このコンテナ化をぜひ進めさせていただきたいということを申し上げておるわけでございますが、過般、運輸省あるいは農水省、水産庁でございますが、そういった方々ともお話をいたしておりまして、十分関係者の御納得と御理解を得た上でそういった計画の実施に踏み切りたいということでございます。実は先週も現地に飛びまして、担当者がいろいろお話を進めておりますので、いま先生御指摘の問題について十分検討の時間を置きまして、一方的な無理な実施ということではない、御理解のいく実施をぜひさせていただきたい、また、そのために努力をいたしたい、こう思っております。
  135. 寺前巖

    寺前分科員 私は、国鉄はいろいろ大変な事態だということでいろいろな努力をされる、合理化をされていく、そうするとそこにはいろいろな新しい矛盾が生まれる、だから慎重にやらなければならないということは、非常に大事な態度だと思いますので、ぜひそうしていただきたい。  最近京都駅におきまして二百五十人にわたるところの人員削減を伴う業務体制の再編或という問題が、またここでも生まれてきているわけです。私はこの問題について、関係するところの労働組合などとともに交渉をやって、解決をされるようにぜひやっていただきたい。これは時間がありませんからこの場で論じませんが、せっかく合理的な運営をするというのだったら、私は、この際に要望をしておきたいと思うのです。  というのは、障害者対策をせっかくの機会だから考えてほしい。車いすで入れるトイレは、あの大観光文化都市京都の入り口にたった一つしかない。東の方にたった一つあるだけなんです。新幹線側にもないし、西の乗降客の多いところにもない。その西の乗降客の多いところは中央口と統一するということが合理化計画の中にあるようですけれども、そういうことを考えてみるときに、せっかくの機会だから障害者対策をこの際計算の中に入れてほしい。特にいま言いましたトイレの問題。それから案内の人々が合理化されるという計画があるようです。とすると、案内所の統合の際に手話通訳がやれる人とか、盲人に対して介護をする人を配置するとかいういろいろな配置の問題や、あるいは視力障害者に対するところの案内板をつくるとかパンフレットをつくるとか、そういうふうに総合的な障害者の分野に対しての案内所としての機能を新しく発展させるんだぞというふうにしていただきたい。あるいは券売機にしても車いすの人では届かない、カウンターでも高過ぎるという問題についても、全部そうせいとは言わないのだから、そういう人たちもお使いできるように配慮するというふうにこの際検討してもらう必要があるのではないだろうか。私はあえて提起したいと思いますが、いかがなものでしょうか。
  136. 橋元雅司

    ○橋元説明員 よく承りました。厳しい財政事情でございますけれども、せっかく努力させていただきたいと思います。
  137. 寺前巖

    寺前分科員 せっかく総裁もお見えでございますので、業務体制の変更をいろいろ考えておられるようですけれども住民のサービスをないがしろにしないように、ぜひそういう立場でやっていただきたいということを要望したいと思うのですが、いかがでしょうか。
  138. 高木文雄

    ○高木説明員 障害者対策には、全国的にいろいろ問題がございまして苦慮いたしております。しかし、いわゆる弱者の味方になるということは、少しでもいい印象を持っていただくという意味で、私どもにとりましても非常に重要であると考えております。個別の問題は私詳しく承知いたしませんけれども基本的な考え方としてはいま申したようなことで対処してまいりたいというふうに考えております。
  139. 寺前巖

    寺前分科員 どうもありがとうございました。
  140. 鴨田利太郎

    ○鴨田主査代理 これにて寺前巌君の質疑は終了いたしました。     午後一時より再開することとし、この際、休憩をいたします。     午後零時三十三分休憩      ────◇─────     午後一時開議
  141. 越智伊平

    越智主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  運輸省所管について質疑を続行いたします。岡田正勝君。
  142. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 私は広島県出身でございますので、大変ローカルなことをお尋ねして恐縮に存じますが、現在の広島空港は、大変お世話になりましていい空港になっておるんでありますけれども、現在の広島空港の施設の現況とその利用状況について、まず御説明をいただきたいと思います。
  143. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 広島空港は、運輸大臣が設置、管理をいたします第二種空港でございます。  昭和三十六年に開港いたしまして、当時は千二百メートルという滑走路でございました。その後、航空時代と言われます三十年代後半からの航空需要の増加に対応いたしまして、滑走路の延長事業が行われたわけでございまして、昭和四十七年九月に千八百メートルという滑走路の延長が完成をいたしました。これがほぼ現在の姿につながっておるわけでございます。敷地の面積が六十二ヘクタールでございまして、滑走路あるいはエプロンというのは小型のジェット機用につくられております。したがいまして、滑走路千八百という長さを有してはおりますけれども、小型ジェット機のみが就航できるという状況でございます。  一方で、広島空港の乗降客数でございますけれども、一時約六十万人まで伸びました。これが昭和四十八年度でございますが、五十年の御承知の山陽新幹線の開通がございまして、広島—大阪線、広島—福岡線は、新幹線と競争ができないということで取りやめになりました。そのようなことで、広島空港の利用乗客数は一ころ十万人台まで落ち込みました。しかしながら、やはり航空の需要というものは徐々に回復をいたしまして、特に広島—東京路線を中心にいたしまして昭和五十四年八月からジェット機が就航することになり、ここ数年は大変増加の一途をたどりまして、昭和五十六年には五十一万三千人ということで、ほぼかつての最高の水準に近づいておるわけでございます。  現在、定期路線は東京線と鹿児島線ということで二路線が運航いたしておりますが、東京路線は、御承知のボーイング737型という小型ジェット機が一日五便、YSが一便、計六便が就航いたしております。なぜYSが一便残っておるかと申しますと、御承知のように広島空港はやはり騒音問題がございまして、騒音の基準を満たすという観点から、現在の状況ではジェット機五便が限度ということになっておりまして、ジェット機が本来飛び得る空港でありながらYSが一便残っておるという変則的な形になっております。広島—鹿児島線は、これは需要の関係もございまして現在はYSが飛んでおるわけでございます。  ところで、この広島—東京線と申しますのは、新幹線で約五時間かかるわけでございまして、非常に航空の利用がふえてまいりました。現在では利用率が九〇%を超える実績を示しておりまして、この座席利用率九〇%というのは平均の数字でございますので、場合によっては切符がなかなか買えないという状況を招いているのは御承知のとおりでございます。全国で三番目に利用率の高い路線でございます。  そういうことで、これからそういう航空輸送の需要の増大にいかにして対処していくかということが、この広島空港の問題になっておるというふうに認識いたしております。
  144. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 ただいま説明がありましたように、おかげさまをもって大変利用者が多い。ところが、空港の関係もありまして、切符を手に入れるのに大変みんなが苦労しているというような状態でございます。  こういう現況に対しまして当局としてはどのような対策を講じていただこうとしておるかということにつきまして、お答えをいただきたいと思います。
  145. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、広島—東京線は恒常的満席状態と申しますか、大変込み合う状態が続いておるわけでございます。  千八百メートルという滑走路で、需要の増加に対応していくために滑走路を延ばすというのが一つの解決策ではございますが、広島の場合には海に面しておりまして、これを海側に延ばすというのはなかなかむずかしい問題があり、かつ、お金もかかる問題でございます。そこで、当面の解決策といたしましては、機材をより大型なものに取りかえる、しかも、先ほど申しました広島地区の騒音問題に支障がないようにするという二つの要素を兼ね備えた機材がないとこれはぐあい悪いわけでございますが、幸いにして、全日空が本年から導入を開始いたしますボーイング767という、いわゆる第四世代のジェット機と言われております航空機は、騒音値が大変低いわけでございまして、しかも、この滑走路の長さも、かなりぎりぎりではございますが使用が可能であるということでございます。ただ、滑走路の厚さあるいはエプロンの広さ、こういうものは直さないと、現状のままでは導入が不可能でございます。そういうことで、県とも十分御相談をいたしておりますけれども、滑走路の補強をする、あるいはエプロンの拡張をする、こういうことで767の導入を図り、この767の導入によりまして当面の需要増に対応していきたいという計画を立てておるところでございます。  ボーイング737は、御承知のように座席数は百二十六席でございます。767は二百二十六席ということで、百席、倍増に近い輸送力がございます。しかも騒音値が低い航空機でございますので、これはまだ地元とお話し合いをし、地元住民の方とも話さなければいけませんが、場合によっては、先ほど申しましたジェット五便、YS一便というものから、将来はジェット六便にまで持っていけるんじゃないかという期待を持っておるわけでございますが、もちろん全日空の方の航空機の導入状況が、一遍にたくさん航空機が入るわけじゃございませんから、徐々にということではございますが、そのようにして機材の大型化を図れば当面の需要増には一応対応できるんではなかろうかというふうに考えております。
  146. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 当面の対策ということにつきましては非常によくわかりましたが、しかし、将来の需要増ということは十分に予想されますので、それだけではそれに十分対応していくということは不可能ではないかというふうに私どもも思うのであります。また、現在の空港を拡張することはなかなか困難ということも、いまお答えの中にありましたような次第で、どうしても新空港が必要なんではないかというふうに県民の皆さんも思っておるのでありますが、その点につきましてどのように思っていらっしゃいますか。
  147. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 確かに御指摘のように、将来、航空輸送需要は現在の五十万人台という数字から見ますとかなり大幅に伸びるんではなかろうかと私どもも想定をいたしております。  実は、これはある方の研究でございますが、国鉄の所要時間と、それからその区間を利用されるお客様の国鉄、航空のシェアというものを一つの表にまとめてみますと、横軸に国鉄の所要時間をとり縦軸に航空のシェアをとりますと、ある一定の放物線が描かれるわけでございまして、その線をたどってまいりますと、国鉄の所要時間が五時間を超しますと航空のシェアが五〇%になるという数字が出ております。これはもちろん二つの地点の間に海があるかないかとか、鉄道に急行が走っているかいないかとか、いろいろな条件があって一律ではございませんが、そのような数字が出ておりまして、国鉄の所要時間が八時間になりますと航空のシェアは七五%、つまり四分の三になるという一つの報告がなされております。  ところで、東京—広島について見ますと、先ほど申しましたように新幹線の所要時間は約五時間ということでございますが、現在の航空のシェアはまだ一〇%台でございます。したがって、もしもそのある方の研究が正しいとするならば、東京—広島間を行ったり来たりされる旅客の五〇%近くが航空に移ってもおかしくはないということになるわけでございまして、もちろんそのとおりになるということではございませんが、そのようなことで、供給力をつければなお需要はついてくる路線ではないかと私ども考えておるわけでございます。  そういうことで、現空港のままでは今回の767の就航が限度でございまして、それ以上の航空機の就航は不可能でございますので、私どもといたしましても、今後一体どうしたらいいだろうか、ある程度中長期的な問題かもしれませんが、広島の空港のあり方ということを実は五十五年から二カ年で県と協力をして検討したわけでございます。  その検討の中身でございますけれども、一つは、現在の広島空港を、多少お金はかかるかもしらぬけれどもさらに沖に出すという案が考えられます。それと、さらに別の場所に新空港を設置するという、この二つの考え方で調査をしたわけでございます。  そのうち、現空港を沖の方に延長するという案につきまして建設の可能性をいろいろ探ったわけでございますが、非常に金がかかるということが一つ。もう一つは、現在の広島空港は誘導路がございません。滑走路が一本で、滑走路におりた航空機は滑走路端で旋回をして、また滑走路上を戻ってエプロンに入るということになっています。沖出しということだけではなくて、空港の効率性を考えますと、もう少し空港にいわば幅を持たせなければいけません。ところが、その土地がなかなかこれはむずかしいということでございまして、新空港の沖出しによる建設というのは大変むずかしいという結論になったわけでございます。  しからば、新しい場所についてはどうかということでございますが、これにつきまして、県の方でも数十カ所の場所を選定されまして次第にふるいにかけていかれましたが、最終的には数カ所にしぼられ、それがさらに最終的なふるいで二カ所にしぼられたわけでございます。一カ所は広島市の東方約三十キロの位置にあります洞山地区と言われるところであります。それから残り一カ所が同じく広島市の東方約四十キロにございます本郷地区、この二カ所が一応適地ではなかろうかという選定がなされたわけでございます。  こういう調査結果を踏まえまして広島県、広島市は、地域社会と空港とのいわば調和ある発展と申しますか、地元に受け入れられる空港をつくりたいという意味合いから、県民各層の代表者をお集めになりまして、学識経験者を加えて協議会をおつくりになって、適地の選定について諮問をされたわけでございます。その結果、昨年の七月になりまして、現空港の有効活用によって当面の需要には対処する、しかしながら中長期的な需要の増大に対処するためには新空港の建設が必要だ、ただ、候補地二カ所については今後さらに現地調査を重ねて、行政サイドにおいて決定をすべきである、こういうような答申が出されたわけでございます。  私どもといたしましても、今後、これは第二種空港でございますので国の設置、管理する空港でもございますので、県あるいは市と十分連絡をとりながらさらに調査を進めていきたいと考えておる次第でございます。
  148. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 いま御説明になりました新空港の構想ですが、今後どう具体化していくのか。それで、その場合に、現在ある広島空港を一体どう取り扱われるのかということについて御説明願いたいと思います。
  149. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 まず、空港をつくる場合に一番問題になるのが気象の条件でございます。通常、気象条件については、その空港候補地についてできれば五カ年ぐらい継続した調査が必要だといわれておりますが、先ほど申しました二つの候補地については、五十七年、昨年の五月から県が気象観測施設を設置されまして、風向きとか風速、あるいは雲の高さ、視程といったようなものについての継続観測を始められたわけでございます。もちろん気象だけではいけないわけでございまして、今後は土質の調査等も順次実施をしていかなければいけないわけでございます。  そういう気象条件、土質条件その他を調査をされ、そして環境に及ぼす影響というものが非常に重要でございますので、その辺の調査をした上で、さらに今度は、需要の発生源である広島市あるいは広島県の諸都市とのアクセスの関係等々についても十分な調査が必要になるわけでございます。  そのようなことで、なおこれから候補地二カ所についての技術を含むかなりの調査が必要になるのではないかと思っております。いずれにいたしましても、私どもも県、市と十分協力をいたしまして、そのような調査の進捗に力を入れてまいりたいと考えておるわけでございます。  そこで、もし仮にいずれかの候補地が適地であるという判定が下されましたときに、それから私どもとしては空港整備の長期計画にそれをのせるわけでございます。この空港整備の長期計画というのは航空審議会に諮って決定することになっております。当然そのような手続が必要になるわけでございます。そのような手続を経て、そして財政状況も勘案しながら予算をつけて建設にかかっていくという段階を踏むわけでございます。そこまでいきますのにある程度の時間がかかることは、これはやむを得ないわけでございます。  私どもといたしましては、先ほど申しました767の対策をとれば当面の需要増加には対処できると考えておりますし、その間にただいま申し上げましたような調査を進め、あるいは長期計画にのせることについて航空審議会の審議に付するというような段取りで今後考えてまいりたいと思っております。  そういうことで、新空港建設が決定され、そして完成するまでには相当の時間がかかるわけでございます。いまの時点で、新空港がもしできたならば現空港をどうするかという問題を論議するのはやや早計ではないかと思っておりますが、通常の場合、新空港を、しかもある程度大型のジェット機に対応できる空港をつくるならば、現在の小型ジェット機しか使えない空港をそのまま併存させるということはなかなか問題があるのではないか。したがって、通常のケースで申し上げますならば、現空港はその時点廃止されるということになろうかと思います。しかし、これはいまの時点でそう断定するわけにもちょっとまいりません。今後の航空需要なり経済一般の勅向を見ながら、建設が具体化するような段階で最終的に決断を下すべきではないかと考えております。
  150. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 そこで、私の聞きもらしかわかりませんが、新しい航空の需要に対して、現在の状態で機材を改良することによって幾らかでも対応できるのじゃないかというので、B767を導入したらどうだ、こういうことで当面間に合うだろうということですが、その時点はいつごろとにらんでいらっしゃいますか。
  151. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 先ほど申しましたように、広島空港の場合には、滑走路の長さはともかくといたしまして、滑走路を厚くして強度を上げなければいけない。滑走路のかさ上げと称しております。  それから、航空機を駐機させますいわゆるエプロンと称する部分、これが現在のエプロンでは狭過ぎますので、エプロンの拡張が必要でございます。ところが現在の広島空港は、もう御案内のとおりで、大変ターミナル地域も狭いわけでございまして、エプロンを拡張するためには一部の会社の格納庫なりあるいは施設を別の場所に移転をしなければならないという問題がございます。この辺についてはすでに県当局とは話し合いがついておりまして、空港に隣接した県有の土地にそのような施設を移転してもらいまして、その跡地をエプロンとして拡充をする。そして、そうなりますと当然一機当たりのお客様がふえるわけでございますので、現在のターミナルでは手狭になるということから、ターミナルの拡張もあわせて行うというようなことで、そのような準備が整いませんと、767が仮に機材として全日空に入りましても、東京—広島線に直ちに就航はできないということでございまして、私どもの感じでは、767は大体ことしの六月ごろから全日空が購入し使用いたしますけれども、広島空港に就航するのは五十九年の春ごろからというふうに考えております。したがって、五十八年度予算でただいま申し上げました滑走路なりエプロンの改修工事を急いで、できるだけ早く現在の満席状態に近い状況の改善を図りたいというふうに考えております。
  152. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 よくわかりました。  そこで新空港の件でございますが、これはいま県、市並びに御当局が協力をされまして気象条件その他を調査中であることは存じております。いまの広島の方に近い洞山というのですか、あれが本郷の用倉に比べると建設費が大体一対二ぐらいで高くつくというような関係がございますが、この地方空港の建設程度であれば、建設費の一対二ぐらいの違いなんというのはおよそ問題には入らないと考えてよろしいのでしょうか。
  153. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 両候補地の工費につきましてまだ明確な数字を出したわけではございませんけれども、御案内のように、いずれの地域も山にかかった場所でございまして、ある程度山を削り谷を埋めるというようなことが必要になります。御指摘の洞山地区の方がそういうことで動かすべき土量も多くなりますし、お金がかかるわけでございますけれども、空港をつくります場合には、その空港本体の建設費だけでなくて、たとえば、もし周辺の民家があるならば移転をしていただくための補償費みたいなものも必要になるかもしれません。したがって、空港の本体の建設費だけで論ずるわけにも必ずしもいかないと思いますけれども、本体だけの比較でいけば、御指摘のように洞山地区の方が、二倍まではいかないにしてもかなり高いものであることは間違いがないと思います。  その程度ならば差し支えないかというお尋ねでございますが、私どもの空港整備を進めております空港整備特別会計も実は現在大変厳しい状況にございます。わずかではございますけれども借入金までして経理をいたしておるような次第でございまして、空港の建設につきましてはできるだけ安上がりに上がった方が私どもとしては歓迎するわけでございます。しかしながら、この両候補地の選定に当たりましては、もちろんその工費も一つの比較材料ではございますけれども、それよりもむしろ航空の安全とか、あるいは広島市その他との関係においていずれが適地か、あるいは気象条件等の面においていずれが適地かということが、本来場所を選定する大きな理由になるのじゃないかというふうに考えております。
  154. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 いまのこの両候補地の選定関係でありますが、いまいろいろお尋ねをいたしてみますと、調査が終わって判定が下る、その判定が下った段階で空港整備長期計画に盛り込んで航空審に図っていく、それから予算をつけていくというようなことになっていくわけでして、この場合、いま聞いておる段階では、これらのもろもろの調査というのは大体五十八年度中には完了するのではないかというふうに聞いておりますが、それは誤りですか。
  155. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 広島県が大変新空港に御熱心なことは先生も御承知のとおりでございまして、広島県としては、できるだけ早くその適地選定の調査を終了させたいというお気持ちをお持ちになっていることは否定できないわけでございます。  私どももできる限りの協力をして、一体となって調査を進めるつもりでございますが、本年度中に必ず調査が終わるかということについては、ちょっといまの段階で私申し上げる自信もございません。県と協力しながらなるべく早く結論を出すということで、この両地区のそれぞれの推進をされておる方もおられますし、余りに長引かせるということは決していいことではないと思っておりますが、しかし、空港の場所の選定というのはやはり相当慎重にやる必要があると考えておりますので、終了時期についていま明確なことを申し上げるのはお許し願いたいと思います。
  156. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 時間がなくなりましたので質問はこれで終わらせていただきますが、実は、大臣は御承知おきだろうと思いますが、広間は一九九〇、昭和六十五年にはアジア・オリンピックを招致したいということで、大体昭和六十五年の五月になりますか、十月になりますか、期間としては大体十五日間くらいの盛大なオリンピックを行いたいというので、特に建設省の関係には御迷惑をおかけしておるわけでございますけれども、その中でもやはり空港のことは、私どもといたしましては非常に気になる問題でございまして、本来ならば、気象条件の調査でも、ただいまの御説明によれば五、六年やるのが一番ベターだというようなお話もございますが、そういう点からいうと非常に急いだ形になるかもしれませんけれども、県民ひとしく願っておることは、現在の広島空港で沖出しはちょっと無理だ、宮島の弥山へぶつかってしまうおそれがある、それから工費も高くつく、先ほどおっしゃいましたように誘導路もないというようなことで、やはり早く新空港に手をつけてもらうべきではないかということで、地元出身の議員も皆一生懸命になっておりますので、大変御迷惑をかけますが、そういう事情も御勘案いただきまして格段の御尽力をいただきますようにお願いをしたいのでありますが、大臣のお考えをお聞かせをいただきまして、質問を終わりたいと思います。
  157. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 広島には大先輩がたくさんおります。せんだっても灘尾先生とお話ししている間にこのお話も出ました。ただ、広島というところは土地がないんでなということを非常に心配しておりました。  そういう中から二つの候補地も出て、私のところに陳情があるかっこうでございますし、ノーモア・ヒロシマもいいけれども、アジア・オリンピックも大変なことだと思いますので、いま航空局長が御説明いたしましたように、出てきた問題に対しては、あのとおり慎重に私の方で研究して、時折県当局の方にもアドバイスしておきます。これをさらに進めてまいりますし、二つの候補地を一カ所にまとめる御努力というのが一番先のことじゃなかろうかと思いますから、ひとつよろしく御推進を願います。
  158. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 ありがとうございました。終わります。
  159. 越智伊平

    越智主査 これにて岡田正勝君の質疑は終了いたしました。  次に、上田哲君。
  160. 上田哲

    上田(哲)分科員 羽田空港についていろいろ伺いたいと思いますが、けさ捜査当局があの羽田空港事故についての関係者六名の取り調べを開始したと伝えられております。非常に国民に大きな衝撃を与えた事件でもありますので、大臣のその点についての御見解を承りたいと思います。
  161. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 あなたも外国へよくお出かけですが、私は日本で自慢するものは日航とNHKと新幹線です。ところが、あの羽田沖の航空事故というのは大変な事件でして、日航の信用がた落ち、これがすぐお客さんに響くというかっこうでございます。  そんなことで、補償の問題もここで御審議などいただいておりましたが、先ほど上司の諸君が任意で取り調べられたということをいまニュースで拝見しまして、いままでさえも社会的責任があるのに、本当にこれは社会的責任を大きく感じなければならぬわけです。  いずれにいたしましても、取り調べの推移を見つつ、そしてまた、私は失った信用を本当に安全問題で回復してもらうことが非常に大事なことじゃなかろうかと考えております。
  162. 上田哲

    上田(哲)分科員 きょうの取り調べは、日航の管理責任というところに一つ焦点が当てられたという意味を持っているはずであります。したがいまして、日航に管理責任があるとするならば、その管理責任の問題は当然監督官庁としての運輸省自身にもやはり問題がなしとはしないはずでありまして、注意深く見守るとか、今後再発を防止するために努力するとかいうような、そのような見解が出されたようでありますけれども、それのみをもって足りないのではないか。管理責任の領域の問題としても、運輸省当局としてはいま一歩踏み込んだ御見解があるべきではないかと思いますが、いかがですか。
  163. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 まさに運輸省が監督していることでございますから、日航はもちろん日本全体の航空界の名誉にも関係することですから、運輸省は、特に航空局は、一層各社の運航体制、そういった体側についてはいままで以上に綿密に追跡し、またアドバイスもし、事故を起こさないように、そしてまたその衝に当たる上役の諸君といいますか、そういう諸君も、安全こそが航空機の最大の使命である、そこにお客さんが来るんである、そこに仕事の発展がある、こういうことで、一層私たちも努力してまいりたい、こう思っております。
  164. 上田哲

    上田(哲)分科員 管理責任という範囲では、再発を防止するために一層注意を払うということでは足りないと私は思うのですね。刑事罰の対象としての問題には及ばないかとも思いますけれども行政的な責任論として、やはりきょうの事態というのはもう一歩深刻にあるいは真剣に受けとめるべき理由があるのではないかと思いますが……。
  165. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 このたびの取り調べの進展をよく注目してまいりたい、こう思っております。
  166. 上田哲

    上田(哲)分科員 大臣としては、それを航空局等々に何らかの新しい指示を出されるということになりませんか。
  167. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 まあそういう問題なども含みながらよく慎重に考えてまいりたい、こう思っております。
  168. 上田哲

    上田(哲)分科員 一つの新しい事態であるという認識をお持ちになっているというふうに理解をいたします。  担当局長もお見えですから、けさから伝えられているような意味での十分な指導監督をするという点でとどまっていていいのかどうか、その辺についてもう一歩突っ込んだ御見解を承りたいと思います。
  169. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 私も、国会の委員会に出席しておりまして、実はつい先ほど報告を受けたような次第でございます。  いずれにいたしましても、任意ではございましょうが、六名の上司あるいは医師の方が事情聴取を受けるという事態はまことに遺憾であると、私どももそのように受けとめております。  日本航空が今後いかにあるべきか、あるいは私どももそれに対しどのような姿勢で臨むべきか、いま私どもとしても深刻な反省をしつつ、今後の対応を、ただいま大臣の御答弁にもございましたように、これから慎重な検討をしつつ対応してまいりたいというふうに考えております。
  170. 上田哲

    上田(哲)分科員 管理費任が問われるという意味においては、その管理責任の一端は運輸省側の立場としてもあるという理解でいいですか。
  171. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 私ども常々日航を指導監督する立場にございます。したがいまして、日航の今回の事故の最終的な原因というのはまだわかりませんし、捜査当局の御捜査も確かに一つの新しい段階かもしれませんが、結果がわからないうちに現状で云々するのはちょっと早計ではないかと思います。いずれにしろ、新しい段階に入ったということを私どもとしては深刻に受けとめておるということでございます。
  172. 上田哲

    上田(哲)分科員 深刻に新しい事態を受けとめるということでありますから、何か日航だけが責めを負うという形で、あとはしっかりしろよということにならないような、国民の信頼というのはそこまで多分目を配っているはずでございますから、ひとつ御配慮をいただくべきだと思います。  その羽田空港でありますが、二月二十三日に運輸省として基本計画を決定されました。このねらいは、「国内航空交通の拠点としての機能を将来にわたって確保する」ということと、「懸案であった航空機騒音問題の抜本的解決」ということでありました。今日、年間二千二百万人の利用者、この満杯のものを年二十四万回の処理能力に高める等とうたわれているわけでありますし、大いにそれを期待するのでありますが、この開業の目標の日月と、いろいろあるのですけれども、たとえば「B滑走路の北側への離陸を原則として取りやめる」というあたりに不安も残りますので、結論として、その開業時に抜本的な機能の確保ということが十分可能になるというふうにお考えかどうか、伺いたい。
  173. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 私どもの今回の計画で、滑走路が現在のC滑走路の沖合いに一本、さらにターミナル地区を挟んでその沖合いにもう一本、そしてB滑走路を現在の位置より約三百メートル海側の方に移転する、こういうことになりますと、現在の二本の滑走路を使っての航空機の処理に比べますと大変処理がしやすくなります。  その計画にも載せてございますように、風向きによりその飛行の方式を定めまして、そのとおりに飛ばせまするならば現在人間の居住するような区域には騒音値の高いところはかからないという形になるわけでございまして、そういう意味で騒音対策の抜本的解決になるというふうに考えておりますが、あくまでも飛行方式のことでございますので、絶対的にというようなことはなかなか言いにくい面がございます。「原則として」というのは文字どおり原則としてということでありまして、まずよほどの例外がなければ使わないという意味でございます。騒音問題には、現空港の現状に比べますと、はるかにと申しますか、まさしく抜本的に解決が図られるというふうに確信いたしております。
  174. 上田哲

    上田(哲)分科員 十分な自信をお持ちだから……。  問題は、これで大丈夫だろうということではなくて、抜本的な解決ができる、つまり音で悩まぬでいい、それから十分に人を運べるということができるかできないかが尺度ですから、それに合わせて、さまざまな問題点があればなお計画を補充、修正していくということですね。
  175. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 いまのお尋ね、ちょっと私、聞き漏らしがあったかもしれませんが、少なくとも騒音の問題につきましては、私どもは飛行方式を新しい方式に変えることにより、地元に御迷惑をかけることは絶対にないというふうに確信をいたしておりますし、また、輸送能力の点につきましても、二十四万回というのは、これはまたいずれの日にか限界に達するかもしれませんが、ここ当分、これだけの能力を持たせれば首都東京にふさわしい空港として機能するというふうに考えております。
  176. 上田哲

    上田(哲)分科員 せっかく努力をいただきますが、その二十四万回で、たとえば伊豆諸島がありますが、飛行機以外にほとんど方法がないという島がたくさんあるわけです。たとえば神津島で、飛行場の敷地はもう買収されているのだけれども、いつまでたっても飛行場ができない。飛行場がようやくできそうだ。できたはいいが、今度は飛んだ飛行機が羽田へおりられないのです。伊豆諸島から羽田へおりられないような飛行場というのは、全くこれでは近くになるのか遠くになるのかわからぬわけですね。十分に抜本的に解消するのだということであれば、たとえばそういう余地もできるというふうに考えていいですか。
  177. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 羽田空港は日本の首都東京の空港でございまして、日本全国のネットワークの中心であるという意味を持つのは当然でございますが、それと同時に、御指摘のように、東京都は島嶼がたくさんございます。その島との連絡をとる空港となっておかしくないではないかという御指摘だろうと思います。  現在、御承知のように、東京都の島嶼の飛行場は、八丈島を除きますといずれもYSもしくはそれ以下の航空機しか使えない飛行場でございます。これは本来東京都がおつくりになる空港になろうかと思いますけれども、今後そういう島嶼の空港というものも逐次整備していかなければいかぬ時代が来るというふうに考えております。  ところで、現在の羽田は、そういうような小型機が飛んでまいりますと、大型機だけで現在管制能力の限界に突き当たっておるという事情もございまして、これに小型機を割り込ませる余地がないということから、小型機の就航を……(上田(哲)分科員「二十四万回のところで言ってください」と呼ぶ)はい。現状では小型機を入れないということになっております。  二十四万回になりましたときに小型機をどうするかという問題は、実はまだ最終的に結論は出ておりません。ただ、東京都から最近私どもの方に、そういう島嶼との連絡を図るための小型機が羽田に着けるような将来の計画を立ててほしいという御要望が出されております。私どもはその辺につきまして、管制上の問題も含め、また大きい航空機と小型航空機を同じ滑走路に入れたらいいのか、そのときにどういう問題が起こるかということは当然研究しなければいかぬわけでございます。まだその点につきましては明確な結論を出すというところまで至っておりませんが、将来小型機問題が出てくるということは、われわれ念頭に置いてこれから考えていきたいと思います。
  178. 上田哲

    上田(哲)分科員 もうちょっと結論的に答えてください。  二十四万回ができれば十分機能するのだと言っているのに、目と鼻の先の飛行機も受け入れられないというのは、大型、小型の問題じゃない。当然この中に入れるという方向で努力するのだと、一言でいいから……。
  179. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 現在も大島、八丈島……(上田(哲)分科員「結論的に。もうほかのことはいい」と呼ぶ)ごく小型の航空機、現在定期として使われていないような小型の航空機を受け入れるかどうか、これは非常に問題でございまして、先ほど申し上げましたように、まだ結論は出すに至っておりません。
  180. 上田哲

    上田(哲)分科員 だから、当然それが機能できなければ意味がないではないか。大臣、それはその方向で努力するということでいいでしょう。時間がそんなことでたっては困るから……。
  181. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 私は、将来定期便として就航するような航空機は受け入れるような方向で考えたいと思っております。
  182. 上田哲

    上田(哲)分科員 だから、定期便という解釈の問題になってくるのだよ。それはあんなところからは毎日毎日飛べないでしょう。それでも定期便という理解でいいですね。そんなのでぐずぐず回られたのじゃ飛行機が着陸できないよ。急いで結論をびしっと言ってもらわなければ困る。
  183. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 毎日ということではなくて、要するにスケジュールを定めて飛ぶものを定期と考えておるわけでございますから、不定期でやっておるものはちょっと……。
  184. 上田哲

    上田(哲)分科員 だから、よけいな話はいいのだ。受け入れてくれるということがなければ二十四万回の意味がない。いいですな、大臣
  185. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 でき上がるのは大分後ですから、よく考えましょう。
  186. 上田哲

    上田(哲)分科員 前向きに受け取っておきます。  そこで、これも結論的にいきますけれども、ここで運輸省は埋め立てを五千億円も使ってやるわけですけれども、東京都はいまやっているわけですね。そこで、全部で千二百六十ヘクタールもあるような大きい場所なわけであります。これがこの後、跡地の問題が出てくるということですが、東京都と運輸省との土地の整合、これは売買ということになるのか、交換ということになるのか、どういう形でどういう姿になり、結論的にはどれくらい跡地として処理可能な部分になるか、これも結論的に言ってください。
  187. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 東京都との間では、いかなるやり方によるかはこれから協議して決めるということになっておりますので、売買になるか交換になるかはまだ決まっておりません。  それから、不用となって東京都に渡せると見込まれる土地でございますが、これは明確には決まっておりませんが、およそ二百ヘクタールぐらいではなかろうかと思います。
  188. 上田哲

    上田(哲)分科員 大臣、これは非常に重要な問題だ。私がお伺いしたいのは、運輸省は飛行場をつくればいい、そこで、あとは東京都に行くだろう。御存じ運輸省と東京都と地元、区の三者協議会というのがずっと続いているわけですけれども、これがどこまで跡地の問題を責任を持っていくのかというのが、いま大変あいまいなわけです。これまで長いこと議論を続けてきて、その合意の上にこの基本計画の決定になっているわけですから、これは当然飛行場ができたから政府は知らぬよということにはならぬ。管轄として運輸省になるのか、あるいは建設省になるのか、その他になるのか、これはいろいろと問題があると思いますが、はい、さよならということにはならぬだろう。これは昨年十二月二十三日の合意書によっても、推進に伴い解決を要する事項はやるのだということなので、この三者協議会というものが国の責任というものを中に包含しながら、今後ともそうした跡地の利用問題については継続をしていくというふうに理解してよろしいですか。
  189. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 仰せのとおりでございます。
  190. 上田哲

    上田(哲)分科員 ああ、そうですか。それは大変結構です。  それは運輸省が三者協議の中心ですか、それとも途中で空港ができたら変わりますか。
  191. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 従来から中心ということではなくて、まさしく運輸省と東京都と地元特別区……
  192. 上田哲

    上田(哲)分科員 いやいや、政府の中での所管というのは運輸省であるのか。
  193. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 これは当然関係の省庁がございますので、関係省庁に御相談いたしますが、これは運輸省が中心になって考えたいと思います。
  194. 上田哲

    上田(哲)分科員 窓口としてもそういうことになりますね。
  195. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 はい。
  196. 上田哲

    上田(哲)分科員 そこで、これは私はより取り見取りの食い荒らしにされては困るだろうと思う。ダイヤモンドを敷き詰めたような大変な空地になるわけですから、ぜひひとつ住民、公共のために役立つように御努力をいただきたい。  たとえばこれを緑地にしろというような声も強いわけですね。また、ここにひとつ小児予防医療のメッカをつくったらどうだ。国立小児病院も小児センターになりますし、そして青山にこどもの城というのも国際児童年の記念事業としておつくりになる、大変結構ですけれども、みんな手狭であります。ぜひこういうところにそういう施設をつくる。厚生大臣も大変結構だからという意思表明があったわけですが、運輸大臣、ひとつ有力閣僚として、そういう方向にも大いに理解を示したいという決意を承りたいと思います。
  197. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 すばらしい羽田空港ができるわけですから、やはりそれにふさわしい施設、ある場合には一点集中主義とか、いろいろなことを考えて、それこそ三者の中にいろいろな案を持ち寄って理解を得ながらりっぱなものをつくりたい、こういう気持ちでございます。
  198. 上田哲

    上田(哲)分科員 地元で、その緑地に豚がブーブー鳴いている、牛が鳴いている、そういうのが東京の中にあってもいいじゃないかという発想もある。そこへ、不幸な子供をつくらないという小児医療、こどもの城的発想を実現していく、こういうものに希望が非常に強いわけです。これはひとつ御理解いただけますか。
  199. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 承知しました。
  200. 上田哲

    上田(哲)分科員 結構です。では、ぜひひとつ厚生大臣等々とも御協力の上、そうした夢をかなえていただきたいと思います。  次に、ちょっと問題は変わりますけれども、車検の問題が先般の車両法の改正以後問題になっておりますが、このごろ話題になっているのにユーザー車検というのがありますね。ユーザー車検というのは運輸省としてはどんな位置づけ、あるいは未来図、予想をされておられるのか。特に、これがいま年間二万件くらいになるのではないかという推定だと私は承っているのですが、このまま推移するのか、推移しないとすればどうなるのか。
  201. 角田達郎

    ○角田(達)政府委員 いわゆるユーザー車検の問題でございますけれども、数は昨年の八月ころからふえてまいりまして、ことしの二月には全国で千七百七十六件というような数になっております。ただこれも、ことしに入りましてからの状況を見ますと、一月には千二百七十四と減っております。それが二月に千七百七十六ということで、これがあるいは増加の傾向で推移するのか、もうこの辺で打ちどめになるのか、ちょっと予測はつきかねますけれども、通常の全体の車検の数が月平均七十万件程度でございますので、その中に占める千七百件程度でございますので、割合としては非常に微々たるものではないか、こういうふうに考えております。  それからもう一つのお尋ねの、ユーザー車検についての私ども考え方なり方針でございますけれども、昨年に出ました運輸技術審議会の御答申、それからそのほか臨調等での車検問題についての議論の経緯の中で、やはり車の保守管理の責任というのは第一義的には自動車の購入者が持つべきものであるいうことでございますので、ユーザー参加という点から、ユーザー車検というものを私どもは拒否するわけにはまいらぬ。ユーザーの方々が検査場に持ってこられればそれなりの対応はしなければならぬ、かように考えております。
  202. 上田哲

    上田(哲)分科員 いまのところ、一年間で計算すると二万件くらいになるだろう。これがその程度ならば現状の体制なんでしょうけれども、もしふえるということになったら、やはり検査員というのですか、その拡充などに手を打たなければならぬだろうと思いますね。たとえば五万になったらどうだろうかとか、十万になったらどうだろうとか、当然スペキュレーションがあると思うのですけれども、その辺のところを含めて、非常にこれがふえるというのであれば何らかの増員等々の手を打たなければならぬだろうというふうに考えますか。
  203. 角田達郎

    ○角田(達)政府委員 ただいまのところは、先ほど申し上げましたように、ユーザー車検の推移の傾向がまだもう少し時間がたってみないとはっきりわかりませんので、具体的な対応措置というのは正直申し上げまして考えてないというところでございます。
  204. 上田哲

    上田(哲)分科員 いまのところ、まだ余りふえないだろうという見方ですね。
  205. 角田達郎

    ○角田(達)政府委員 やはりこの車検整備というのはある程度専門的な知識、技術がないといけませんので、六カ月点検程度は今度の新しい措置によって技術的な知識を持っておれば自分でできるようになりますが、そのほかの十二カ月点検、二十四カ月点検、これはそれなりの設備、知識がなければできませんので、私は、正常な姿であればこれが急激にふえるというようなことはないであろうというふうに考えております。
  206. 上田哲

    上田(哲)分科員 そこで、その十二カ月点検ですが、最近石油業界からの陳情があるようですね。つまり、ガソリンスタンドで十二カ月点検をやらしてくれ、これについてはどうお考えですか。
  207. 角田達郎

    ○角田(達)政府委員 ガソリンスタンドの中で、いわゆる特定給油所というガソリンスタンドがございますが、これが現在六カ月点検をやっております。  それで、今回の道路運送車両法の改正によりまして六カ月点検の項目を大幅に簡素化するということになったわけでございまして、六カ月点検をやっておるガソリンスタンドが仕事が減るということから、十二カ月点検にも参入したい、こういう御希望は私ども承っております。  しかし、その十二カ月点検になりますと、自動車分解整備事業として認証を受けている工場だけができます分解整備に該当する項目が一部含まれてくるわけでございますので、その認証工場としての資格を持っていない特定給油所に十二カ月点検を実施させるということは、現在のところではいろいろ制度上の仕組みから問題がある、こういうふうに考えております。
  208. 上田哲

    上田(哲)分科員 当面のところ十二カ月点検をさせる気持ちはないということですね。これは、いまおっしゃるような分解整備についての法律上の問題。それと先ほどのユーザー車検を含めて、これまで行政指導をしてきた整備業界、経営形態とか統合などもいろいろ指導してきたわけですから、そういうものとの兼ね合いということのバランスの上に方向づけが出る。当面はそれらもろもろ考えて、十二カ月点検は六十項目ぐらいになるはずですから、これは実施しないであろうということですね。
  209. 角田達郎

    ○角田(達)政府委員 私が申し上げましたのは、いわゆる特Sに十二カ月点検をやらせるということにつきましては、現在の制度上の仕組みからこれはできない。ただ問題は、特Sの仕事量の減をどういうふうにこれからカバーしていくか、こういう問題が一つ大きな問題として残っております。  それで、これは一応昨年の道路運送車両法を国会に提出する過程の中で、自民党の交通部会におきまして、整備業界と特S業界との関係については時間をかけて共存共栄の道を探るということになっておりますので、いわゆる特Sの事業量が減るということについての対策は、別途の方向でいろいろ知恵をしぼって考えていく必要がある、こういうことでございます。
  210. 上田哲

    上田(哲)分科員 それでは、ユーザー車検の推移を見守って、これがどの程度の数字になるか、これが非常に増高するようなことであれば、検査士ですか、検査士等の配置の問題も検討しなければならぬでありましょうから、その辺のところをどういう見通しを立てるか、当然そういう作業があろうと思いますから、その辺の試算ができましたらひとつ出していただきたい。  それから十二カ月点検をさせよという陳情、申し入れですか、その書類をまた後で出してください。  それに伴って、いまおっしゃったような、各種のバランスをとってあなたの言われる共存共栄というのをどういう形でやっていくのかという問題についても、ひとつ見解をまとめて後ほどお示しをいただきたい。一言で、オーケーでいいです。
  211. 角田達郎

    ○角田(達)政府委員 最後の点につきましては、その方策というのは相当時間がかかると思いますので、めどが立ちました時点で御説明申し上げます。
  212. 上田哲

    上田(哲)分科員 わかりました。  先ほどの問題にもう一遍戻りますが、大臣、いまや日本の顔となる羽田新空港の防音工事の受注等とも地元にも非常に大きな関心もありますし、大きなプロジェクト、五千億円でありますから、なるべくこれは地元に具体的なメリットがあるようにもお考えをいただく、これは大変即物的な感覚もいたしますけれども、そういうところからも発し、そこに夢を、ロマンを、海と空のあの羽田、日本の玄関口にぜひつくる。その意味では、緑地に豚の鳴き声が聞こえる、牛の鳴き声が聞こえる、乳をしぼる子供もいる。そして小児医療のメッカになって、飛行場にはそうした若いカップルが訪れるというふうな未来図を描くように、せっかく御努力をいただきたい。その御決意をひとつ伺うことと、それから建設省は当然そういう関連をお持ちでしょうから、都市計画上の問題も含めて御努力をいただく。国土庁も多分何らかの関係があると思うので、それぞれひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  213. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 すばらしい羽田空港をつくる場合には、そういう夢を持ちながら、東京に着いた瞬間にさすがだなという感じを持ってもらいたい、こう思います。
  214. 城野好樹

    ○城野説明員 羽田空港の移転跡地につきましては、東京区部におきます貴重な、まとまった大規模な土地でございますし、大空港に隣接するという特性を持った土地でございますので、その利用については広域的な都市計画の観点から十分検討されることが必要であろうと思っております。東京都の方の長期計画におきまして、この跡地を大規模な緑の広場、レクリエーションの場とするとともに、周辺の住工混在地域を含めた町づくりの核として利用するという方向を明らかにしていることは御存じのとおりでございます。今後、東京都の計画が具体的にまとまる段階でいろいろ御相談があると思いますが、その過程におきまして必要に応じて協力をしてまいりたいと思っております。
  215. 上田哲

    上田(哲)分科員 東京都だけではなくて地元も。三者だから……。
  216. 井上良蔵

    井上説明員 国土庁といたしましても、これは非常に貴重な大規模な用地と考えておりまして、今後首都圏整備の立場から、広域的な面から、また地元の役にも立つというような面からも考えまして、地元が土地の利用計画を策定されます場合に、運輸省等と連絡を十分とりながら協力し合うなど、適切に対応していきたいというふうに考えております。
  217. 上田哲

    上田(哲)分科員 終わります。
  218. 越智伊平

    越智主査 これにて上田哲君の質疑は終了いたしました。  次に、吉浦忠治君。
  219. 吉浦忠治

    吉浦分科員 空港公団、お見えになっていますね。参考人の方がお見えでありますから、そちらを先にお尋ねしたいと思いますが、まず新東京国際空港、成田空港の二期対策についてお尋ねをいたしたいと思います。  五十三年五月二十日開港でございますので、今年の五月を迎えますとまる五年になるわけでございます。当面の重要課題は燃料パイプラインの問題でございましたが、これも今年末ですか新規輸送ができるということでございますから、大きな飛躍を迎えようとしておる現在、日本の三社を含めて、この空港を使っているのが世界で三十カ国の三十五社となっているわけでございます。日本全体の航空輸送に占める割合は、国際線旅客数で約六〇%、貨物で約八〇%にも達しているわけでございまして、日本の表玄関としての役割りは大変大きいものがあると思うわけでございます。それで外国の方がお見えになる増加率等も大変ふえておりまして、そういう面から見ますと成田は東洋の窓口でもあると言われますし、重要な位置を占めているわけでありますが、ヨーロッパ等の空港から見まして、一期だけで終わるのじゃないか、また二期対策ができないのではないかという不安がございます。中曽根総理の一連の、あらゆる施策に対してタブー視しないということで、私は今年、この五年を期した今日に、二期対策に対しまして当局はどのようにお考えを持っておられるのか、どういう整備計画なり手順というものをお考えになるか、その点をまず最初にお尋ねをいたしたいと思います。
  220. 中村大造

    ○中村参考人 ただいま先生御指摘のように、成田空港はこの五月で、開港いたしましてちょうど五年を迎えることになります。すでに四千万人近い乗降客をこなしているわけでございまして、機能的には、わが国の空の表玄関としての機能を果たしつつあると思いますし、また、いわゆる地元との共存共栄と申しますか、そういうことも徐々に実りつつあるのではないか、こういうふうに思っております。ただ、燃料輸送につきまして大変な隘路があるわけでございますけれども、パイプラインの工事も完成いたしまして、この九月ごろには供用を開始できる、こういう状況でございます。  私どもといたしましては、現在の施設でもって、現在の発着機数あるいは乗降客をこなすには現在の時点では数量的には十分でございます。しかしながら、世界の有数な空港を見ましても、滑走路が一本という空港はございません。運用の万全を期するためには、どうしてもいますぐにでも、もう一本滑走路が要るという状況でございますし、また将来の需要の増加を考えますと、できるだけ早く、かねてからの計画でございます、あと滑走路を二本つくりまして完全な空港に仕上げることがわれわれの使命だというふうに考えまして、かねてから監督官庁の御指導を得ながら努力をいたしておるつもりでございますけれども、いわゆる二期工事につきましては、この工事に反対はもちろんのこと、成田空港の存在そのものに反対される方がまだおられるわけでございまして、私どもはそういう反対の方々と誠心誠意、できる限り話し合い努力をいたしまして、何とかその話し合い解決の路線を見出していきたいというふうに考えており、努力いたしておるわけでございます。  そのようなかねてからの努力は私はある程度実りつつあるのではないかと思いますけれども、しかし、まだまだ越えなければならない山がたくさんあるというふうに承知いたしております。しかしながら開港いたしまして五年というこの実績、それで五年間空港が運用されまして、どのようなプラス面があったか、どのようなマイナス面があったか。そのマイナス面に対してはどのような措置がとられたかということについて、われわれも十分地元に対して御説明し、また地元の方々もそれを十分御理解いただきまして、できる限り早く二期工事について地元住民の方々並びに地方公共団体の方々の御理解、御賛同を得て計画を進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
  221. 吉浦忠治

    吉浦分科員 なるべく簡潔にお答えをいただきたいと思うのです。私の尋ねることについて回答を明快にしていただきたいのですがね。私はこの空港に反対をしている立場でいま質問を申し上げているわけじゃないんです。二期工事を早くやりなさいということで申し上げているわけです。  と申しますのは、いろいろ欠陥のある空港であることは総裁もよく御存じだろうと思うのです。けれども、この話し合いをどこまで続けていけば話し合いが可能になるかという見通しすら立っていない。これは人間が行うことでありますから、不可能を可能にしていただきたいわけですけれども、このままの状態で続けますと、先ほど前の委員の方からも質問があったようでございますが、羽田が今度整備に入る。そうしますと地元では、羽田に持っていかれて、あそこは単なる貨物空港だけになるんじゃないかという不安感があるんです。現在そういう状態を続けていていいものかどうか。  こんなことを言うと大変失礼でございますけれども総裁は何年かおやりになれば、もうおやめになって私には関係ありませんということになるかもしれない。大臣だって、だってと言うと失礼ですが、一年なり二年、長くて二年でしょうか、そういうことで次々かわっていく、こういうわけでございます。そうなると地元は、提供した転業農民の方々なり、そういう心情を思いますときに、何で国にこういう犠牲を払って提供したんだということになるわけだ。先行き大変不安を感じているわけでありまして、このままでいいのかどうかという点と、話し合いというのはなかなかむずかしゅうございますが、どういう見通し、めどを持っていらっしゃるかという点と、まさか貨物空港専用にはならないでしょうね、明確にお答えいただきたい。
  222. 中村大造

    ○中村参考人 大変御激励をいただいたというふうに感謝いたしております。  確かに、二期工事を一日も早くやれという強い声が地元において出ておることも確かでございます。それはわれわれにとって大変な励ましであるというふうに考えております。しかしながら、私どもはやはり、現在依然として反対をしておる人々に最後まで話し合いの望みを捨てないで努力をしてまいりたいというのが基本的な姿勢でございます。  それから重要なことは、そういうふうな二期工事促進の声が、具体的な地方公共団体住民の声として、あるいは、そういうものを集約した地方公共団体としての明確な意思として、そういうものが出てきていただくことが、やはり非常に必要なんではないか。そのためには、そういう地方公共団体の方々に、二期工事の必要性、あるいはそれをやろうじゃないか、こういう機運を起こしていただくように、われわれがなすべきことがまだあるとすれば、それを現在一生懸命に努力しておる、こういうことでございまして、話し合いをある時点で打ち切るとかなんとかということは、少なくとも現在の時点におきましては毛頭考えないで、最後まで努力をしてまいりたいというふうに考えております。  しかしながら、一方で羽田空港があのように整備されてくるということは、私にとりましても大変おめでたいことでございますけれども、また同時に、成田空港の管理者といたしましても大変な関心を持たざるを得ない事実である、こういうふうに感じております。
  223. 吉浦忠治

    吉浦分科員 貨物空港専用にはならないですね。
  224. 中村大造

    ○中村参考人 そういう貨物空港にしてはいけないというふうに思っております。
  225. 吉浦忠治

    吉浦分科員 時間ばかり気にして質問をしていたのでは、どうも落ちついてできませんが……。  次の点に移りますが、この利用状況から見て、二万六千人の方々が毎日ここを利用するわけですね。交通アクセスの問題については、まだ解決しないたくさんの問題があるわけですが、あそこの地下にりっぱな駅をこさえておられますのに、そのまま放置のままで、これは改修だって大変なお金がかかるだろうと思う。陸上輸送だけによる、いわゆるリムジンバスが大半使われているようでございますけれども、一たん事故が起こった場合を考えればやはり当初計画なさった成田新幹線構想というものが必要であろう。東北新幹線もできる、上越新幹線もできるという、まあ赤字でも何でもおつくりになるというときに、最も日本の表玄関として必要なアクセスの問題は未解決のまま、これも放置されようとしているわけです。どういうふうにこれを進めようとお考えなのか。簡単で結構でございます。それと手順というものをお答えいただきたい。
  226. 永光洋一

    永光政府委員 成田新幹線は空港のアクセスとして計画されたわけでありますが、地元との関係等いろんな諸般の情勢で現在工事が停滞いたしております。  われわれとしましては、新東京国際空港のアクセス及び千葉県北西部のニュータウン等の通勤、通学輸送という問題に対応するために、現在いわゆる成田高速鉄道構想というものを持っておりまして、昨年も関係者との委員会を設けて一応の結論をいただいておりますが、この高速鉄道、現在まだ案が複数ございまして、このあたりの調整を関係者等といたしまして、両面の機能を持つこの高速鉄道によって、空港アクセスの問題も解決していきたい、かように考えております。
  227. 吉浦忠治

    吉浦分科員 次は、着陸態勢に入ると必ずといっていいぐらい落下物が落ちてくる。いままで五十五年から九回にわたって、氷のかたまりみたいなもの、タイヤあたりは言語道断ですが、そういうものが横芝あるいは芝山、そういう洋上から着陸態勢に入ったところで落下物が落ちてくるという問題が起こっているわけでございます。何か保険対策等をお考えのようでございますけれども、これについて原因が明確でない。  どうもおかしいんじゃないか。洋上でもって車輪を出すならば出すというように、あるいは燃料の関係等で、着陸態勢のもう直前まで車輪は出せないとかというふうな取り決めがあるのかどうか、その付近の対策を講ずれば、こういう問題は解決するんじゃないかというふうに考えますけれども、どういうふうにこの問題に処していかれようとなさっているのか、簡潔で結構でございます。お答えいただきたい。
  228. 松井和治

    ○松井(和)政府委員 成田空港の特に南側地域におきまして、航空機からのものと見られる氷塊が相次いで落下するという事態が起こりました。御承知のように、専門の委員会を設けましてその原因を探求しておりますが、はなはだ抽象的ながら、航空機には水を使う幾つかの系統がございますけれども、そういう系統から機体の外に漏れた水が、外の気温が低いために氷結をいたしまして、それが高度を下げてきて低空になり、暖められて解けて落下するのではないかという、きわめて漠然としたところまでしか実はよくわかっておりません。  いずれにしろ、水が原因であるということから、現在各航空会社に対しまして、これは外国の航空会社も含めまして、水を使う系統について整備点検で十分注意を払うようにということで指導をしておるわけでございます。しかし、ごく最近も小さいものながら氷の落下があったということでございますので、私ども今後とも各航空会社に整備の万全を期すると同時に、万一のことを考えまして、ただいま御指摘をいただきました保険制度の創設ということを行ったわけでございまして、すでに二十四社がこれに加盟をするということに相なった次第でございます。
  229. 吉浦忠治

    吉浦分科員 大体、成田問題はそれくらいにさせていただきまして、私の地元の房総の問題について少しお尋ねをいたしたいと思います。  国鉄総裁もお見えのようでございますから、大変小さな問題で申しわけございませんが、五十七年の十一月十五日に全国的にダイヤ改正をなさったわけでございます。私、毎日地元から国会に、電車を利用して、いわゆる国鉄を利用して通っているものでございますけれども、大変苦情をいただいているわけでございます。そのダイヤ改正のねらい、旅客の場合のねらいはどこに置いて改正なさったのか。全くお客が乗らないように、不便なように、しかも乗り継ぎができないように、乗客が減るような形のダイヤ改正でございます。私も時刻表を持ってまいりましたので、頭をひねられるならば、めんどうでも見ていただきたい。     〔主査退席、沢田主査代理着席〕  時間がないから一つ一つは具体的に申し上げませんけれども、十一月十五日以降のいわゆる改正案と、その前の改正案を見てみますと、快速なり鈍行なりというものに全然乗り継ぎができないようなダイヤ編成をなさっている。これはねらいはどこにあって、こういうことをなさったのか、おわかりならお答えいただきたい。
  230. 橋元雅司

    ○橋元説明員 昨年十一月は、東北新幹線の本格的な開業それから上越新幹線の開業ということで全国的なダイヤ改正を行ったわけでございますが、ダイヤ改正に際しましては、前提としてお客様の需要、お客様の御利用の実態を踏まえることがまず一番大切でございます。  その際三つばかりポイントがございまして、まず一つは列車の使命、目的といったものを考えて運転区間なり運転時刻なりその時間帯なりを考えるわけでございます。通勤通学でございますとか、ビジネス客であるとか、あるいはレジャーであるとか、あるいはお買い物の時間の方々の御利用といったことで列車を考えるわけでございます。  それから二番日のポイントは、他の線区あるいは他の列車系統との接続関係が非常に問題でございまして、間々こちらを立てればあちらが立たないというようなことがございまして、その辺は大変苦心をするところでございます。  それから最後に、ハード面で単線か複線か、単線の場合には当然行き違いということが起こるわけでございます。そういった問題をどうするか。それから、おおむね終着駅でございますが、そういった終着駅でのホームの容量、キャパシティーの問題等がございまして、そういったものを何回も会議を重ねまして、関係者寄り集まりまして最大限にそういう問題を調整いたしました結果ダイヤを最終的に決定する、こういう手続にいたしております。  千葉の場合でございますと、申し上げるまでもないことでございますが、千葉市、千葉駅を中心に各線区流動がございますので、それを中心にまず列車の設定を行うわけでございますが、同時に、それぞれの線区の主要な駅、たとえば内房線で申しますとやはり木更津、君津、館山といったところの接続関係を十分配慮してダイヤを作成するわけでございます。  十一月十五日には、そういうことで考えたわけでございますが、その際に、かねてから地元から御要望の強かった、都心への直通電車をつくってほしい、こういうお話もございまして、その点についていろいろ考えたわけであります。また、他のそういった接続関係の御要望もいろいろございましたので、それもこなしたということでございますけれども、結果、逆に一部、ある地域の方々には不便になるということでございまして、先生も御指摘ございましたように、そういった面が生じておるものでございます。  そこで具体的には、先生のお話も多少私ども伺っておりますけれども、そういった問題それぞれよく承知をいたしておりますので、引き続き検討を加えまして、次の機会にはまた、それをさらに改善するように手だてをよく勉強したい、こういうふうに思っておるところでございます。
  231. 吉浦忠治

    吉浦分科員 これだけで余り時間をとれませんからやれませんが、このダイヤ改正をなるべく早くしないと、いろいろな思惑が起こってくるわけでございまして、不便であれば不便であるだけ利用度の高いように考慮してやっていただきたい。ということは、大きな主要の駅を目当てにおやりになりますと、お客は全然乗らなくても、そこだけ考えればいい、お客は全然要りませんよということになってしまう。  特に今度は夏になりますと、私のところは季節的にお客がふえるところでございますから、その方々が二度ともう房総には来ないという形になって、それじゃ陸上でやろうといっても車はほとんど飽和状態になって道路が満杯になります。そういうときにこそ国鉄は稼ぎどきじゃないかと思うのに、ダイヤは全然乗れるようなダイヤになっていない。これをごらんになってください。前のものを持ってきました。みんな捨ててしまったので、私も見つけてきたんだけれども、鈍行から快速、鈍行から特急というふうに前は全部連絡がついていた。今度は、ついているのが朝一本と夜一本ぐらいで、あとは全部ついておりません。ですから、はっきりと早く対策をとっていただかないと、来年の十月ごろまで改正しないということになれば、国鉄は赤字の上、まる損になってしまいます。早くやっていただきたい。  次に、内房線の複線化の構想という点でお尋ねをいたしたい。  現在は君津まで複線化されておりまして、快速もそこから東京なり横須賀線が出ているわけでありますが、君津以遠の複線化についてどのような構想をお持ちなのか。簡潔で結構でございます。
  232. 半谷哲夫

    半谷説明員 君津までの複線化は四十五年三月に完成したわけでありますが、これから先につきましては、実は最近の輸送量を見ましてもやや減っているというような傾向がございます。列車回数を見ましても、単線の容量から見まして、まだ十分容量的には余裕があるという状況でもありますし、財政事情厳しい折から投資についてもいま慎重を期しておりますが、内房線につきましては、ここしばらくは、この君津までの複線化で様子を見ていきたいというふうに考えております。
  233. 吉浦忠治

    吉浦分科員 この複線化の構想も国鉄としてまた運輸省としてなるべく考えておいていただきたい。要望いたすわけでございます。と申しますのは、東京湾横断道路の着工の見通しが立ってまいりました。そうなりますと、たくさんの方々が今度は移り住むことは間違いないし、大きく変貌することは間違いない。その先取りを国鉄考えていかないと、現在黒字のところだけを考慮するみたいな行き方じゃなくて、やはり構想を持った考えで臨んでいただきたい、こう思うわけでございます。  房総半島の地域はちょうど袋小路みたいになっておりますが、その先端に鴨川がございます。外房線、いわゆる昔は房総東線と言ったが最近は外房線。房総西線、内房線、こうなりますが、こういう分け方をしないで、環状線みたいに山手線みたいな感覚でひとつ頭の切りかえを運輸省は図ったらいかがでございますか。確実に分けて上りだ下りだ、起点だ終点だということでなくて、循環して回してお客さんにたくさん利用していただくような方法も一つの発想ではないか、こう思います。循環になってまいりますと、その真ん中から山手線に対する中央線みたいな形で、いま木原線が廃止だなんていうことで頭の痛い問題になっていますけれども、これを大原から上総中野、あそこでとめるんじゃなくて久留里線と、——いわゆる木更津から亀山へつながっておりますが、そこの間が切れているわけですね。房総のチベットと言われます養老渓谷等の大変景観のいいところに首都近郊の方々においでいただくということは、整備してこそ初めて可能でございますから、その構想というものを、廃止するんでなくて、逆につなげるという構想をお持ちなのかどうか、この点ちょっとお伺いいたしたい。
  234. 半谷哲夫

    半谷説明員 現在、木原線というのは、先生御承知のように第一次特定地方交通線ということで御協議いただいている状況でございますが、内房側から出ております久留里線も現在地方交通線ということでございます。現状の輸送事情から言いますと、これをつなげることによってどの程度輸送需要が出るだろうかということについてもやや疑問でございますし、またこの地域というのは、御承知のようにちょうど房総半島の中央部でございまして、この間をつなぐということになれば大変むずかしい工事になるかと思います。そういったような状況で、現状においては、私どもとしてこの両線をつなげるということの持つ意味については、まだちょっとはっきりしないという感じでございます。
  235. 吉浦忠治

    吉浦分科員 後ろ向きの答弁ばかりしないで、少し前向きの答弁を明るくやってくださいよ。  次に参りますが、ダイヤ改正において、急行等を廃止してオール特急になさった。国鉄の都合で、庶民の足として親しまれている急行、比較的利用客のあるものをなくして、特急に格上げなさったのはどういう理由なのか。特急料金を出せばもうかるじゃないか、というような都合かもしれませんけれども、まだ、そういう面で採算をとれるところまでいってないんじゃないか。したがって、こういう国鉄の都合だけでおやりになるようなダイヤ編成に、どうも私は庶民を無視するような行き方で納得できないわけでございます。時間がございませんから、考慮していただきたいと要望を申し上げます。  次に、東京湾フリー切符というのを出していらっしゃる。私も大変そういうものに関心を持つものでございます。東京湾時代と言われておりまして、利用客のためにあらゆるサービスをなさるという点で、よくわかりますが、ただPRが少し足りない。利用状況等も聞きたいわけですけれども、時間がございませんからお尋ねできませんが、国鉄は、こういうものをどんどんとおやりになって、新幹線なりそちらの方ばかりでなくて、比較的いま目が向けられていないような地域に対する対策をぜひとっていただきたい。  それと私が申し上げたいのは、いまの国鉄状態を見て、やはり乗務員の方々にも張り合いのあるような行き方というものを考慮なさらなければいけない。しょせんは人間が運行するものでございます。そういう点で私は朝晩、国鉄を利用させていただいておりまして、かなり申し上げたいことがあるわけでございます。公の席上でございますから控えますけれども、もっと親切に、もっと国鉄が愛されるような形のものがとれないのかということを申し上げたい。最後にそういうものに対する運輸大臣の決意のほどをお聞きして、終わらしていただきたいと思います。
  236. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 吉浦さんが国鉄を愛していただいて、いろいろアイデア等々をお出しいただく、ありがとうございます。  やはりいまの時代は、おっしゃるようにお客さんの相手をするのは国鉄の従業員でございますから親切、笑顔。金を取ることでございます、そして、ほかに交通機関があることですから、不親切なところへは人が行かなくなる、こういうことでございまして、今度の再建という問題も、そういう問題等々も含めて皆さん方に御審議いただき、そして、りっぱな国鉄にして、未来のあるものに、みんなに期待されるものにしてもらいたい、こう思っております。
  237. 吉浦忠治

    吉浦分科員 ありがとうございました。
  238. 沢田広

    ○沢田主査代理 これにて吉浦忠治君の質疑は終了いたしました。  次に、川俣健二郎君。
  239. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 大臣、あらかじめ質問テーマを申し上げておった青函トンネル、これを一緒に考えながら、お互いに悩みながら、北海道、東北の住民だけではなくて、日本全体の立場からこれを取り上げてみたいと思います。  今回の予算委員会、終わりにかかっているわけですが、不沈空母、運命共同体、海峡封鎖。おら方の津軽海峡、機雷を仕掛けて通せんぼ、封鎖されたら、どこにその破片なり弾が飛んでくるかといったら、おのずからわかるわけですが、そういった中で、一月二十六日に田中元総理の求刑、二十七日に先進導坑の開通。総理大臣が総理官邸からスイッチを入れて、これは高木総裁、どうして行かなかったのだろうか、偶然だったのだろうかなと私は思ったのだが、その辺、後で何かあったら答えてください。したがって、非常に恫喝されたというか、おどかされたというか、地域住民のびっくりしたというのが海峡封鎖論争でした。  ところが、だんだん農業の問題、がん対策の問題等々を出したら、総理が、がん対策などは結構なことですがと、一手販売のようにどこへ行ってもしゃべるようになり、国内問題に力を注ぐというように、軌道修正というか方向転換というかわかりませんが、あの調子だと「守るも攻めるも」の歌をカラオケでやるのじゃないかと思ったら、この間はどこかの、たしか自民党の主婦の会合で「こんにちは赤ちゃん」になった。一遍、総括締めくくりで「津軽海峡冬景色」というのを総理大臣に、歌わせるわけにはいかないが、カラオケを用意するわけにいかないのだろうが、少しは文句を知っておるか、上野駅から出ていくというあのせりふを知っておるか、こういったところで詰めてみたいのです。  これは、運輸大臣はそういうことは思っていないだろうが、ただ国鉄当局の人方が、副総裁の馬渡さんが、一人の国民としては、それは喜びたいが、国鉄としては悩みが多い貫通です、重荷また一つ。こういうように当局が言われるのじゃ、これはどういうものだろうかなと思っておるのです。十九年間もかかった、夢にまで見た先進導坑、これの喜びを喜びとするだけではなくて、これは財産なんだから何とか国を挙げてやるべきだと私は思っておったら、特に北海道の方から言わせれば、日本の国をいまだに内地と言うわけですが、真の民主政治は北海道から誕生するのかどうか、近くあるのだそうだが、大臣、まず最初にこの問題で、現段階の心境などを聞かしてくれませんか。
  240. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 川俣君にいいところを御質問いただきました。私は、日本人というのはやはり知恵があると思います。敗戦後まだそうたたない七、八年の間にあの青函トンネルを考えたということ。その上に、洞爺丸事件といって大ぜいが遭難され、その中にわれわれの先輩の代議士もあったという。私は東北ですから、北海道は内地と言う、沖縄は、日本を本土と言う。そういう中からとにかくあれを着工して、今日まで十九年。それに、私は二回中に入ってみたことがある。すばらしい技術だと思いました。そして、あれができ上がった暁に、働いていた諸君が涙を流しながら、テレビで本当に涙を流しながら喜んでおる。そこのところへ、こんなものは無用じゃないかというふうな感想をきく者もある。人間の世界、硬軟両様あるはずでございますけれども、これは余りにもむごい。すばらしい国家的財産じゃないでしょうか。それと同時に、いわゆる内地と北海道がつながった、ここからまた、すばらしい経済効果なり精神的な融合性というものが生まれてくるのじゃなかろうか、こう私は思いまして、そういう際に迷惑がらずに、これをいかに自分のものにして活用していくかというところに、お互い前向きの姿勢は持っていかなければいかぬのじゃないか、こういう感じで、実はこの開通の席に私も座りながらひとしお感じて、しかも運輸省におりますから、なおさらその責任を痛感しながら、この活用について、いかに皆さんに元気をつけ、国民全体に技術のよさというものと、われわれの財産がふえたということ、それから来るところの経済的な副次的な精神的な効果をどう盛り上げていくかというところに腐心をしているところであります。
  241. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 そうなんです。これは大臣も長年の理想としておった貫通でございますが、いま言ったように、われわれの先輩が洞爺丸事件ということで痛ましい事件もありました。うちのおやじも乗船名簿に入っておった。河上丈太郎一派で札幌から来るところでしたが、うちのおやじの生家は余市なものですから、幸い墓参のおかげで助かった。菊川先生、冨吉先生方が犠牲になった。当時から非常に叫ばれたことだけに、大臣もやはり東北のお一方として思ったと思います。  さらに、いろいろな新聞があるのですが、毎日の相川さんという記者さんですか、「私は、生っ粋の道産子である。」ということから書き始めたもので、全く大臣考えておられるようなことを訴えておるのです。そろばんだけで考えるのなら、まだ幾らでもあるのではないか。総括質問で言うが、隣の原子力船「むつ」というのは、これからまだ七、八百億かけるのだそうだが、もう要らないと言うのに持ってくるとか、あるいはまた四国に橋をかけるのに一本でいいのじゃないかと言うのに三本かける。こういったところを考えると、東北新幹線もようやく盛岡までだ、日本海の方は新潟までだ、こうなると、やはり悲願というかひがみというか、この問題だけがそろばんで勝負をして、国鉄の幹部の皆さん方の口から、これはまた重荷をしょったなということを言うのは、ちょっと軽々しいことではなかったのかと私は怒りを持っておるのですよ。  そこで大臣、それにしても公団は八百億を三十年間も払わなければならないという現実から踏まえまして、一体何に使ったらいいだろうかというお知恵拝借の会を近く開く、こういうことになっているようですが、これは学識経験者、広く文化人等も入っているようだが、全く白紙でまず相談してみる、こういうことですか。
  242. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 いままでの構想ですと、在来線をそのまま通すというのが第一でございましょう。しかし、いまあなたのおっしゃるように借料が八百億だ、九百億だ、そうしてたくさんの金をかけたから、その利子が大変だ、こういうことでございます。本当に何か要らないもののような感じをそのことだけで持つ。私はこの国会に国鉄再建法という委員会法をお願いしているのですが、こういうふうな大きなプロジェクトに対して国鉄再建委員会がどうお考えいただくか、こんなことも実は御協議を願いたい、私はこう思っておるのです。  個人でもそうですよ。うちが借金してきりきり舞いしておるけれども、うちの息子は頭がいい、学校へも行けそうだ、東大へも行ける。おやじは国鉄従業員で切符切りをしているかもしらぬけれども、息子は大学へ行ける。こういうときには、私は一食の食事を割いてでも、節約してでも出す。国鉄が最初、新橋と横浜の間に鉄道を敷いたときにどうであったか。われわれの大先生である大隈重信大蔵大臣が百万ポンドの金をイギリスから借りたのです。それはもう日本国大騒ぎですよ。外国から日本を取られるという心配をした。しかし、それが今日の国鉄なんです。そういうふうな長期的な見方の中に国民の元気が生まれるし、経済交流、副次的ないろんな経済効果が生まれてくる、社会開発もそこから生まれてくる、そういうふうな感じであります。  そこで、今度の私的諮問機関としまして、いかにして青函トンネルを活用するかということ、私はこれは全く白紙であります。日本人というのは知恵があります。そういう意味で大ぜいの方々にお願いして、私のような気持ちを訴えながら考えていただくならば幸いだ。一般の公募でもいいと思う。アメリカでは九歳の子供が原子関係の機械を発明して重役になった。そういう活用するというところに、いまから先、私たちが生きる道があるのじゃないか、こう思っています。
  243. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 これは非常に大事なことであり、私も賛成です。  ただ、大臣の臨む態度が、困ったものをしょったものだ、何とか、この宝の持ち腐れをみんな利用することを考えてくれないかというのじゃなくて、せっかくの国の財産、これだけの年月と費用がかかったんだから、最も有効な利用の仕方について、大衆の知恵を一つづつ拾って、知恵の輪を結集して、有効活用をやろうじゃないかという態度で、ぜひこれをやっていただくように要望しておきます。  そこで、事務当局にいま一々伺う時間がございませんが、それはそれとして、いろんなデータは大臣のところへ出すべきだと思います。たとえばさっき洞爺丸のあれも出ましたが、あそこの青函連絡線というのは、「津軽海峡冬景色」に歌われているように普通の波風ではない、一月、二月行ってみるとわかるが。あの船を地下にもぐらしてみたちどうかという発想、いわゆる青函トンネルの鉄道通過そういった場合に、船の方が安い、鉄道の方が高い、こういった計算も出るだろうから、こういったものが綿密に詳細にコンピューターにかかっているだろうかというのが一つ、数字は聞かなくたっていいから。  それからもう一つは、いま盛岡まででとまっておる新幹線を、さらにあそこをくぐらすことによる投資額と、いま通らないためにこれだけの利益しか上がらないが、通した場合はどの程度か。これは仮定利益になると思うが、それにしても、やはりそういうデータがあろうかと思うのですが、それをやっておるのかということ。  三つ目ですが、北海道は何といっても米以外の農産物には持ってこいのところです。米は合わない。だれが言おうと米は合わない。だから減反率は五〇%になるわけだ。しかし大豆なり芋なり、これは北海道ならではという土壌になっておる。小豆相場というのは北海道から来ておるように、こういうことを考えると、ホクレンという例の大きなマンモス組織を利用して、都民、消費者とのつなぎにあれを使うということになったら、どういうことになるだろうか。それはトラック輸送、トラックもくぐることになるであろう、鉄道も利用することになるであろう。こういったものを大臣のところに上げておるかどうかということをまず聞きたいと思います。
  244. 永光洋一

    永光政府委員 運輸省としましては、青函のトンネルを通したら、貨物、旅客すべてを輸送する場合、あるいは若干いろいろな危険物等によるものを、やむを得ずと申しますか船に残した場合、いろいろなケースにつきまして試算をいたしております。ただ、今後国鉄の改善計画等によりまして貨物の改善等をさらに一歩進めますので、そういう将来の方向も含めながら、さらにもう少し精密な検証をいたしたいと思っておりますけれども、一応そういうものがございます。  それから、第二番目に、青函のトンネルを含めて盛岡から新幹線をさらに進めた場合の効用といいますか、そういう問題につきましては、現実にまだ結論を得るに至っておりません。  それからさらに、北海道の農産物の輸送に、どういうような形でこの青函トンネルを利用していくかという問題につきましては、また、いまお話に出ております青函トンネルの有効利用で、在来線を通す場合、あるいはその他貨物輸送あるいはカートレインその他いろいろありますので、今後トンネルの有効利用との関連を含めつつ検討していきたい、こういうふうに考えております。
  245. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 それはやはり急ぐべきだし、大臣もこれは急がせるべきだと思う。やはり盛岡からだけではなくて、新潟方面からの新幹線も入れるという体制にしていくことも必要なんだと思います。  そこで、北というものをもう少し見る必要がある。これから地下資源というものも北、石油というのは太平洋じゃないんだ、日本海なんだ、渤海湾等を含めて。秋田の油田、新潟の油田、山形の白竜丸等全部北にある。地下資源というのは北に面しておるというのが学説である。さらに、せんだって総括で出たように、せっかくソ連が日本海を利用して魚の養殖等の技術提携等をやろうということもある。北方領土の返還ということになって、日本の国がほとんど関心を持っていないような日の当たらない場所にある北方領土を返すということではなくて、やはり東京から近いところに北方領土がある、首府から近いところにある、国会から、政治の場から近いところにあるという体制にしていかないと、日本の民族というのは北向きというのが非常に歴史的に関係があるということを考えますと、いま検討しておるというようなことを聞いて、私は実は非常にがっかりした。片や、運輸大臣が中心になって国民大衆にお知恵拝借という場を設けると同時に、これだけのものをつくってくれれば、これだけの先行投資はかかるが、将来はこうなるんだというデータを積極的に出すというような気持ちがなければいかぬのだと思います。  特に人口対策の問題、過疎対策の問題、企業分散の問題。さっき隣の部屋でテクノポリスという、企業分散というか、この問題を取り上げてやってまいりましたが、東京都は過密状態、これでもう飽和状態だ、こんなことを考えると、やはり北海道は北海道の特徴があるのだ。土壌ばかりじゃなくて、米こそとれないがいろいろな特徴があるので、その辺はぜひ積極的にやっていく、こういう姿勢があるかどうか。これは大臣に聞いたらいいかな。いまの御返事はがっかりした。
  246. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 三全総で、北海道、東北は日本の未来であると政府はうたったのです。私は、原則論からするとそのとおりだ、自分の郷里だから言うわけじゃありません。しかも、北門に傲骨あり、北海道の道庁に行って知事さんの部屋に入ると、明治二年、最初の開拓使の書いたすばらしい字があります。私はやはりああいうところを本当に開発していくことが、いまから先の——太平洋圏に七割の人口が密集している姿などというのは、どうしてもこれは分散しなければならぬ、こういうことだ。ことに北の場合は、北方領土もありますけれども、北極海のあの航路、これはソ連もやっております、ドイツもやっています。そういうところ、一番近いそんなところも運輸省で研究しておることなども、データを私はもらっておりますが、そういうことで挙げて東北、北海道のようなところに目を注いで、新しい分野をここで開拓していくというところに問題があると思いますから、ぜひひとつ川俣委員も御声援をしっかりお願い申し上げたいと思います。
  247. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 大臣は私以上に積極的であり、決意をのぞかせてもらいましたが、国鉄総裁も、私と二人の東北人同士の受け答えを聞いていて理解できますか、どうです。その辺と、それからもう一つ、もう一遍申し上げますと、高木総裁気持ちを伺うついでに、労働省も来ておりますので、これはここで働いた人方ばかりじゃなくて国鉄総裁もともに、たる酒をあげてもらいたかったというあれが非常に多い。  そこで、労働省に聞きたいのは、私は鉱山出身ですが、金属鉱山のなかった県は、東京都以外は全部あったというだけに、徳川幕府のドル箱が金属鉱山だったと思うのですが、明治維新以降は六財閥のもとになったわけですが、これが非常に東北、北海道に点在しておる。ところが、こういう低迷した鉱石の建て値と、鉱量が露頭鉱床から非常に底の方に点在しておるようになり、コストが高くなるということで廃山の憂き目を見ざるを得なくなった。この労働力を、これは持ってこいの労働力があるというので、このトンネルの工事現場に大挙雇用創出をしたわけです、これは総裁御存じのようですが。  そこで、労働省に問題を一つ投げかけておくのは、地下で働くとどうしてもよろけ、いまの言葉で言うとけい肺、法律で言うとじん肺法です。このけい肺病というのは、じわじわと将来何十年後にやってくる病気で、一期、二期、三期という肺病になるわけですから、これがこのトンネルの工事完了と同時に散在してしまうと、何年後にあのとき働いたけい肺病がひどくなったというのは、何十年後に来るものですから、私は鉱山で労働者を使ってみてわかるのだが、手帳というものもあるはずだから、よくその辺を管理していただくよう要望したいのだが、その辺をちょっと労働省に後で聞いて、私の質問を終わります。まず総裁からその辺を一言お願いしたいと思います。
  248. 高木文雄

    ○高木説明員 北海道と内地とがトンネルということでつながるということの意味は、非常に大きなものがあると思っております。それがどうして私どもの借金でつくられなければならぬのかということは私がわからないことでございます。  確かに鉄道は明治以来今日まで、あるいは国が、あるいは民間の資本がつくってまいりましたが、そのときの効用は、いままでの人力車とか車馬とかいうものとの間に非常に大きな効用差がございましたから、金利を払ってでも建設できるというものであったわけでございますが、最近は、他との競争を考えますとやはり相当御援助をいただかないと、とても自己資金というか借金ではつくれないという状態でございまして、どうかその辺について大所高所から御論議をいただきたい。大変赤字が多いということで御迷惑をかけておりますし、また、その赤字の理由の中にはわれわれの至らざるものがたくさんあります。したがって、それは何とかして解決をしていきたいと思いますが、どうにも持ち切れない部分だけはやはり出していただきたいと思っているわけでございます。  先ほど、わが方の副総裁の発言をおとらえになって、大変がっかりしたとおっしゃいましたけれども、私はやはり、しかし現在の国鉄のストラクチュアといいますか構造について、もう一段と現時代に合った組み立てをさせていただくようにお願いをいたしたいと思いますし、身近な問題としては早く再建監理委員会をつくっていただいて、そこでそうした問題も議論していただきたいということを熱望いたしておるわけでございます。  いずれにしましても、このトンネルの使い勝手については、大臣も非常に情熱を持っておられますので、まず結局運営いたしますのは私どもになりましょうから、私どももその点、いま検討を十分尽くしておりますが、いずれそれを明らかにいたしまして御論議の対象にさせていただきたいと存じております。
  249. 福渡靖

    ○福渡説明員 ただいま川俣先生の御指摘がございましたけれども、確かにじん肺というのは離職後相当期間がたってから発症する例もございますし、仮に離職時非常に軽度なじん肺でございましても、その後症状が進行するというケースもたくさんございます。  そういうようなことで、私どもの方では、離職時によくチェックをするということを行うと同時に、離職後も健康管理ができるように、いまお話がございました健康管理手帳制度というものをつくりまして、これをできるだけ有効に活用する方向で管理をしていきたい、このように考えております。  現在、粉じん作業場で仕事をしている労働者の方には年に一回か、あるいは症状がなければ三年に一回というような健康診断を行っておりますが、離職後健康管理手帳を持っておられる方には、必要に応じて健康診断をするという形をとっておるわけでございます。  それで、現在働いている方が健康診断を受けた、そういう中からじん肺の所見が見つかり、そして健康管理のための管理区分申請をし、所見があるというふうに決定される方と、それから、離職後随時行われる健康診断に基づきまして管理区分申請が行われ決定されたケース、この割合を見てみますと、むしろ現在でも後者の方がすでにうんと数が多くなってきている、こういうような状況でございますので、私どもの方も、今後、一たんこういう粉じん作業に従事をされた方たちの健康管理については、できるだけ長く、しかも徹底をして健康管理を進めていきたい、このように考えておるところでございます。
  250. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 ありがとうございました。
  251. 沢田広

    ○沢田主査代理 これにて川俣健二郎君の質疑は終了いたしました。  次に、鈴木強君。
  252. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 私は、一つは身延線と小海線の合理化計画、二つ目に地方バスの生活路線維持対策、三つ目に東海道新幹線の富士駅をつくってもらいたい、この三つの問題についてお伺いします。  第一の質問に入ります前に、大臣総裁に心からお礼を申し上げておきたいことがございます。  それは、もう長い間懸案でございました中央線甲府駅の近代化の問題につきましては大変な御配慮をいただきまして、三日の日に起工式を挙げることができました。八十万県民、六十一年国体を控えて、その玄関である甲府駅がりっぱに模様がえができるということは大変喜びにたえない次第でございまして、長年にわたるわれわれの要望を実現するために御協力いただきました皆さんに、厚くお礼を申し上げておきます。  さて、身延線と小海線の合理化計画でございますが、現在これはどのようになっておるのでございましょうか、ひとつ結論的に概略を説明してください。
  253. 橋元雅司

    ○橋元説明員 まず、身延線でございます。  その前に、この各線区の営業近代化というのは、かねてそれぞれの線区について鋭意、地元の御理解と御納得を得ながら進めてまいってきておるわけでございますが、身延線につきましては四十七年の九月、そして五十六年の十二月と近代化を進めてまいりました。昨年の五十七年の七月でございましたが、さらに営業近代化を進めたい、深度化したいということで、地元の市町村等に対しまして具体的な計画を御説明申し上げまして、現在、できるだけ早い機会にこれを実施いたしたいということで鋭意努力を重ねておるところでございます。実は、この計画は五十七年、昨年の二月に、先生御承知のように、CTCという大変新しい保安装置を導入いたしまして、その際にこの計画を実施したいといたしておったものでございますが、その際にはいろいろ問題がございまして、若干おくれてこの内容を具体的に成案を得ましたので、御提示を申し上げて、いまお話し合いを進めておるところでございます。具体的な内容については省略させていただきますが、ぜひ早い機会にこの実施に移させていただきたいということでございます。  それから、小海線につきましては、昨年の四月でございましたが、すでに実施させていただいておるところでございまして、その後特段のお話は聞いておりません。  そういったことでございますので、今後とも両線についても、他の線区同様効率化を図っていきたいということでございますが、その際には、先生かねて御指導いただいておりますように、地元関係者とは十分な話し合いを尽くしてやってまいりたい、こう思っておるところでございます。
  254. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 その内容がわからないとこれは話にならぬわけですが、最初にはっきりしておきたいのは、身延線と小海線については、線路をはがしていくとかあるいは第三セクターに委嘱するとか、そういうことはないわけですね。両線とも現行の維持は国鉄がやっていく、こういうことですね。
  255. 橋元雅司

    ○橋元説明員 そのとおりでこざいます。むしろ両線につきましては維持存続させたいために、より近代的な効率的な体系に移してまいりたい、こういうことでございます。
  256. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 それで、これは第三回目の合理化になるわけでありまして、先般二月十八日に甲府市で、静岡鉄道管理局の課長補佐が来ておりますが、その課長補佐と——あそこには御承知のように「身延線を守る会」というのが一つこざいますね。それからもう一つは、沿線町村長がつくっております「身延線改善促進期成同盟」というのがございます。これは河口市長が会長、身延線を守る会の方は県会議員の片田義光、これがなっておるわけでありますが、そこへ静岡鉄道管理局の中沢という営業課長補佐が見えて、あの線はほとんど無人化になるわけでありまして、現在十一ある無人駅をさらに二十駅に拡大する、それから甲斐岩間という駅がありますが、その駅など七駅の駅業務を外部委託する、こういうような内容になっております。  それで、長いことかかって、守る会も、国鉄の輸送力増強計画にも協力をし、できるだけの力を尽して、国鉄がうまくいけるようにというので努力をしてきておる団体ですし、改善期成同盟も同様でございます。ところが、その課長補佐は、こういうむちゃくちゃな無人駅なりあるいは業務委託というのを持ってきて、これでもって三月一日からどうしてもやるんだというように主張されておるわけです。  ここにもローカルの新聞がありますが、「身延線合理化 駅無人化見切り発車へ」こういうふうな見出しで、「国鉄側が”最後通告”」というふうに書いてあるわけでございます。  それで、私はここで国鉄から聞いておきたいのは、現状の国鉄経営の中で、むだを省き、できる合理化をしていくということについては、基本的には私は賛成ですけれども、それにはやはり労働組合の協力も得なければならないでしょうし、同時に、直接地域の住民の深い理解を得ることが前提条件にならなければならぬと思うのですね。そういう意味で言うならば、理想的な会がここには二つあるわけですから、この会と十分話し合いをして——まだ理解と納得ができないうちに見切り発車をしていくというような態度をとったことについては、これは非常に問題ですよ。あなた方は、口を開けば地元協力を得るようにすると言っておきながら、実際にはこういう、何か知らぬが、だめならおれたちは勝手にやるぞ、こういうような高飛車な態度に出ることは、これは許しがたいと私は思うのですね。特に、この無人駅になる中には波高島という駅がありますが、これは赤石山系の方へ登る玄関口ですね。富士川を挟んで向こうには約二百戸以上の部落がある、その右側には中富町という町がある、その奥には早川町というところがあるのですね。そういうわけで、この駅はそういう意味におきましては非常に重要な駅だと私たちは認識しておる。もう一つ常永という駅がありますが、これは山梨医科大学が設置されまして、十月からは附属病院も開院する。したがって、その常永駅というのはかなり重要な駅になってきておるわけですね。それを無人化にして委託もしないというのはどういうわけだ。そういう納得のできない問題を残してあなた方が強引にやろうとしているのですけれども、三月一日にこれはやったのですか。いま話し合いを続けて、何とかそういう理屈に合う問題については、たとえ一つでも二つでも地域の住民の意向を入れてやるというそういう親切心があるのですか。そこのところをはっきり聞いておきたい。
  257. 橋元雅司

    ○橋元説明員 私もかつて静岡管理局に勤務いたしておりまして、この地域はよく事情を承知いたしておりますが、実は三回の合理化、近代化にもかかわらず、身延線は率直に申し上げて、多少まだ全国的な水準から見ますと甘いところがございます。  今回の合理化に際しましては、これは一律の基準ではございませんけれども、おおむね一日の乗車のお客様が五百人以下のところは無人にいたしたい、それから千人以下のところは委託でお願いを申し上げたい、こう申し上げておるわけでございます。  先生ただいま御指摘いただきました波高島の駅は三百五十六人でございます。それから常永の駅は三百九十一人でございまして、そういった意味でこの両駅は、この基準に照らしますとやはり無人にさせていただくということで御提案を申し上げた次第でございます。しかし、この三月一日の実施ということで地元の方々とお話を重ねてまいったわけでございますが、御納得を得ることができなかったということで、次の機会にできるだけ早く御納得を得て実行に移したいということで、いま、さらに話し合いを続けておるというふうに現地管理局からは聞いておるところでございます。  私ども本社としましては、十分先生のおっしゃるような意を体しまして、これからも地元の御同意と申しますか、御納得を得るようによくお話し合いを深めてまいりたい、こう思っておるところでございます。
  258. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 これはやはり当該の静鉄管理局としては、本社から示された計画に基づいて忠実に実施しようとするでしょう。したがって、多少無理があっても押し切ろうという、そういう態度をとることもわかります。だがしかし、ここには、いま申し上げておりますような二つの期成同盟と守る会がありまして、非常に紳士的に話し合いをしておるわけです。そして、そのことから非常に国鉄を地域住民理解をし、国鉄の方もまた地域住民の意向を十分吸い上げるということで、友好的な中にこの会で運営されてきていると私は思うのですよ。ですから、それだけにこれを大事にして、今後輸送力増強のためにも市町村挙げて、バスで行くところを電車に乗っていくとか、そういうような工夫もこらしつつ国鉄の増収政策に協力していこう、こういう崇高な理念を持った純朴な方なんですよ、田舎の人たちはね。ですから、そういう気持ちを抑えつけてしまうようなことでは、これはいけないわけですから、ぜひひとつ国鉄本社の方から十分に指導をしていただいて、いま私が申し上げましたようなことも——確かにあなた方が五百人とか千人とかいうその基準を決められたことも——これは基準はよくわからぬですよ。またこの三百九十一人の常永の駅が、今度附属病院ができ、六百床の病床があそこに開設されるということになると、かなりの人が乗りおりしますよね。そうなりますと、やはり仮に千人になったら、そこはまた有人にしてくれるのか、そこらのこともよくわかりませんけれども、いずれにしても、その五百人とか千人とかいう基準そのものが、何を根拠にしてやったんだ。それは黒字でないことはよく知っているし、赤字であって大変だということもよく知っておるわけですから、そういう中で国鉄も非常に大変だと思います。ですけれども、やはり深い理解と納得を得ることが大事ですから、ぜひひとつ静鉄をよく指導していただいて、多少おくれても入れられるところは入れて、そして理解と納得の中に合理化を推進していくというふうなひとつ温かい気持ちでこれからやっていただきたい、こう思います。  そこで、これはひとつ高木総裁から答えてください。
  259. 高木文雄

    ○高木説明員 この駅を無人化するとか委託するとかという問題は、その地域その地域のいろいろ御事情がございますので、その御事情を十分考えながらやっていかなければならぬということが片一方にございます。しかし、片一方において、これは全国的にそういうことを通じて少しでも経費をセーブしてまいりたいと考えておりますので、ここだけではなくて、かなり多くの線区についてこういう作業に取りかかっております。そうしますと、東北のどこではこういう事情になっておる、鹿児島県ではこういう事情になっておるということを、やはり地域の方々もよく御研究でございますので、具体的な妥当性というものと、一種の規格、標準によりますところの基準というものとのバランスをどこにとるかということはなかなかむずかしいわけでございます。  私どもとしましては、職員諸君は相当一生懸命接触しているつもりでございましょうが、また地元の方から見れば、さっぱり前もって話に来ないとか、突然の話だとか、話を聞かないとかということ、いろいろございましょうと思います。ずいぶんとあっちこっちでそういう問題を起こしておる次第でございますが、そこを、お話のようになるべくこの話し合いの機会を多くして、お互いに理解を深めていきながら進めていくということが基本ではないかと思っておるわけでございます。  率直に申しまして身延線につきましては、また小海線もやや似た状況でございますけれども、もともと線路の形が非常に悪いものでございますから、と申しますのは地形が非常に悪いということで、宿命的なものがあるわけでございますけれども、かなり古くつくられました線区でありますために線路の形が非常に悪いということで、普通の平らなところと違って、たとえ保守一つにしましても人手をよけい食う、しかし住民の数はそう多くないということでございますので、いまも担当常務も申しますように、何とかこれ今後とも続けていくためには毎年の赤字を減らしていかなければならぬということで、苦労しておるわけでございます。  その辺について今後とも地元の方の御理解を深めつつ、物事を進めるように指導してまいりたいというふうに考えております。
  260. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 ぜひ、そういうふうにお願いしたいと思います。  それから、割り増し運賃を導入するということがございましたね。身延線もそれに該当するというように聞いておるのですが、割り増し運賃を導入するという計画はどうなっているのですか。
  261. 高木文雄

    ○高木説明員 これは五十六年にできましたいわゆる再建法の中で、地方交通線、つまり一日一キロ八千人以下の線区、これを地方交通線と考えておりますが、これは全国国鉄の総延長二万一千キロ中、約九千キロでございます。したがってずいぶん多いわけでございますが、この地区については、ほかの線区とはやや高目の運賃をいただくことによって赤字を少しでも減らす努力をすべしと、そのかわり一方において、国はそういう地方線区の経営については補助金を出しますよということになっておるわけでございます。したがいまして、非常に長い考え方といたしましては、そういう線区については特別な運賃をいただきたい、そういう制度にいたしたいというふうに考えております。  しかしながら、現在、一方において線路廃止するという問題が全国七十線区以上、距離にして三千キロメーター以上のものについてそういう議論がありました。そういうことで、大変日本じゅういろいろな地区をお騒がせしている最中でございます関係もありまして、法律ではそうなっておりますけれども、少しく見送っておるわけでございます。この問題は、財政当局その他からは大変しかられております。それから臨調でも、もっと強い姿勢でやれと言われております。しかし、そうは言っても、行政はそうはいきませんよということで、まだ発動はいたしてないということでございます。この問題は全国ベースの問題でございますが、今後とも運輸大臣とよく御相談してまいりたいと思っております。いまの時点で、いつからどの程度というようなことを申し上げるほどには具体案を持っておらないというのが今日の状況でございます。
  262. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 これは五割増しにして幾ら増収になるか知りませんけれども総裁、これが出てきたらまた大変ですよ。いま総裁がとっておる態度は賢明な策なんですよ。臨調が何と言おうと、やはり私は賢明な策と言いたい。だから、もう少し全体の国鉄合理化のめどがついた時期というか、それよりももっと基本的なことを考えていくのが先であって、こんな地方にこれをやったらそれは大変な大騒ぎになっちゃう、国鉄がぶっつぶれてしまう、そういうことはひとつ腹に置いてやっていただきたいと思います。     〔沢田主査代理退席、鴨田主査代理着席〕  時間がありませんから次に進みます。  実は、地方バスの中で生活路線維持バスとして特別な予算措置をしていただいているわけでありまして、これは運輸省に聞きたいのですが、これによって大変赤字路線に苦しんでいる地方バスは助かっているわけですね。五十八年度は五十七年度に比べて補助金の額はどうなっておりますか。
  263. 角田達郎

    ○角田(達)政府委員 五十八年度の地方バス関係予算でございますが、九十六億五千六百八十一万二千円でございます。そうしますと、五十七年度の予算九十四億一千二百五十九万六千円に対しまして二億四千四百二十一万六千円ということでございます。非常に厳しい財政状態の中で、私ども地方バスを維持するために一生懸命努力しているような状況でございます。
  264. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 本当に感謝しますが、これはさらに県なり市町村なり、全体として生活関連のバスについては赤字を一部負担してあげるということは大変大事なことでございます。  それは県々によって非常に違うのでございますが、私の県は山梨県でございまして、あそこには山梨交通というのと富士急というのがございますが、全国の会社と同じように大変四苦八苦をしておりまして、春闘で賃上げ要求しても、全国平均よりも二千円も三千円も低いところで抑えられてしまうというような情勢にございます。ですから、財政困難な折でありましても、何とか僻地で、一つのバスに十人か十五人かあるいは五人くらいしか乗っていないところを走っているわけですね、そのために非常に助かっているわけでございます。私もバスが通ると、何人乗っているかなと見るのですけれども、十人も乗っていれば、よかったなと思うくらい、ほとんど空で走るときもあるし、二人か三人のときもあります。だけれども、やはりバスを利用しなければならない人たちもおるわけですから、そのためには、経営を度外視して赤字覚悟で運行してくれているわけでありますから、そういう意味において国がそれに対して助成をしていく、補助をしていくということは非常に大事なことだと思います。一つの基準なんかもあるようですけれども、そういった基準もできるだけ有利にするようなことをお考えくださって、現下の交通事情の中では非常にむずかしい点もあると思いますけれども、今後ともひとつ格段の増額方の御配意をお願いしたい、こう私は強く願うわけでございます。  これは非常に政治的な問題になりますので、そういう事情もよく御了承の大臣でございますから、私の言わんとするところも御理解をいただけると思いますので、地方の僻地におってバスを唯一の頼りにして生活をしている諸君のためにも温かい御配慮をいただけるように、大臣の御所信を承っておきたいと思います。
  265. 長谷川峻

    ○長谷川国務大臣 いま自動車局長から申されましたように、去年に比べるとことしも二億くらいの補助金が国から出ます。これは運輸省全体が二・三%予算が減された中に、過疎地帯に対して非常に一生懸命である、それがよく大蔵省を説得できた、私はこう感じております。  一方、過疎バスで参りますけれども、バス会社それぞれの経営のやり方もありますから、観光バスと過疎バスを一緒にやって計算が合わないで、どっちがもうけているかさっぱりわからぬ、どんぶり勘定というふうなことなどもありますから、私は、そういうところは観光バスは観光バスとしてちゃんと整理して、どんぶり勘定にしないで成績をよく上げるようにというふうなことなども考えて、こうした問題に対しては前向きの姿勢でいまから先もがんばりたい、こう思います。
  266. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 わかりました。  それでは、時間がありませんので最後に。新東海道線に富士駅を設置していただきたい、こういうことから東海道新幹線富士駅設置促進期成同盟会というのがつくられて、当局に請願、陳情をいたしておるわけでございます。ここは東海道と中央線を結ぶ身延線、いま申し上げました一つの重要幹線でございまして、あそこに駅がないために、三島で降りていく人もあれば静岡まで行って帰ってくる人もあります。いずれにしても非常に身延線への乗り継ぎがうまくいかないわけであります。どうしてあそこに新幹線をつくりました当時駅を設置できなかったのか、そういう歴史的な経過は私よくわかりませんが、あそこは製紙の町でもございまして、東海道静岡、駿河の地の非常な要地でもありますので、何とかここへ設置してもらいたいという希望があるわけです。国鉄としては、財政その他の問題もありまして、なかなかそうはいかぬという態度をとられることもよくわかりますけれども、これは何とかひとつ創意工夫をして設置していただくようなことができないものでございましょうか、見通しをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  267. 半谷哲夫

    半谷説明員 かねて新幹線新駅の御要望の強いところでございます。実は東海道新幹線全体、東京—新大阪間で現在五駅の御要望があるわけでございます。そもそも建設当初は、いわゆる超高速で走る鉄道でありますから、駅間距離というものを相当とらなければいけないということから現在のような駅の配置で完成したわけであります。その後の御利用なさる状況等を見てまいりますと、「ひかり」「こだま」という定着した形でありますけれども、その実態からも、条件が合えば、あるいは新駅設置というものの考えなければいけないということでこの二、三年考えてきたわけでございますが、実は東海道新幹線は、現在一日片道百十本という回数が運行されているわけでございます。片道百十本でありますから、往復にいたしますとこの倍になります。  したがいまして、新駅をつくる場合にどういうことを考えなければいけないのかと申しますと、大体三つ条件があるわけでございます。一つは、技術的にその位置に駅ができるかという問題でございます。それからもう一つは、ダイヤ面上、つくることによってどういう影響があるであろうかということであります。それから三番目は、つくるには相当のお金がかかりますし、また要員を張りつける、保守費がふえる、運転時間が延びれば運転経費もふえるということでありますから、それによって国鉄の収支に及ぼす影響がどうなるのであろうかという、大ざっぱに申し上げまして、この三つの条件があるわけであります。  東海道線の場合に、いま私どもが一番頭を悩ましておりますのは、二番目に申し上げましたダイヤ設定上の問題でございます。というのは、いま申し上げた百十本という列車がすでに入っておりまして、ぎりぎりいっぱいと言っていいほどの運行状況でございます。したがいまして、一駅つくることによって停車時分が五分ないし十分ふえるということになるわけでありまして、その新駅を御要望なさる地域の方々にとっては大変便利でございますけれども、新幹線全体を御利用なさる方のデメリットというものもまた考慮しなければいけない、そういう条件があるわけでございまして、これについてはかねて検討いたしているところでありますが、今後新幹線のダイヤについていろいろ改善していく中で、この新駅設置について一つの回答を得られるように今後とも検討してまいりたいと思います。本日の段階では、まだ設置が可能であるかどうかという結論は得ていないというのが実情でございまして、この東海道線の五駅については、いずれも同じ条件にあるわけでございます。
  268. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 地方新幹線の建設計画につきましても、いま基礎的な地形その他の調査をしていただいておりまして、調査費もたしか五十七年度計上しておったと思います。したがって、その問題もお聞きしたかったのですが、もう時間がありませんので、いずれまた資料で結構ですから、調査費を使ってどこまでの調査ができたか、そういうことだけでも資料で出していただければありがたいと思います。  では時間が来ましたから終わります。ありがとうございます。
  269. 鴨田利太郎

    ○鴨田主査代理 これにて鈴木強君の質疑は終了いたしました。  次に、沢田広君。
  270. 沢田広

    ○沢田分科員 大臣、特に用事があれば、どうぞお引き取りいただいて結構です。  関係者の皆さんには大変御苦労さまでした。三十五人のしんがりで、ずっとおつき合いをしてまいりました。関係の主査にも厚くお礼を申し上げます。  きょうは、私は地元の問題だけを、政策論はまた折を改めまして……。しかし、私が言っていることがどうやらだんだんそういうふうになってきているので、いままでしかってばかりいましたけれども、若干えげつない面もなくはないですけれども、そのぐらいにやれということも私も言ったくらいですから、総裁もあるいはその他の官吏もそれなりに努力をしている跡は敬意を表する次第です。しかし、公平的に見たら、まだまだ不十分さは免れないというふうに思いますし、われわれは、国鉄再建法案というような、人手をかりないで自力で何とか立ち直りますという国鉄であってほしいと願うものでありまして、そういう意味においては強く要望をいたしておきたいと思います。  あとは地元の問題で、高崎線は唯一の黒字と申しますか、三つのうちの一つの黒字線なんであります。この高崎線でいままで言われてきているのは、私は大宮ですから、大宮でとまってもらっている方がありがたいのでありますが、全体的に見ますと、何とか北へもう少し乗り入れをすることはできないかということも地元の強い要望であることに間違いないのですね。ですから、いま七分間隔で動いているわけでありますけれども、一部乗り入れをするということも、東北線も同じでありますが、考慮していくことも必要になってきつつあるんじゃないかという気がいたしますが、この点どのようにお考えになっておられるか。主査代理も非常に心配している問題でもありましょうから、ともどもに御回答いただきたいと思います。
  271. 半谷哲夫

    半谷説明員 ただいま御質問の点は、大宮以北の輸送力についてどうするかというお尋ねかと存じます。  実は、大宮までは御承知のように京浜東北線という、通称げた電と言っておりますが、あれを北に延ばすというのは技術的に非常に無理がございます。ちょっと高崎線側にあのままの形で入るというのは不可能な状況でございます。したがいまして、高崎線の増強、これは東北線と同じでございますが、いわゆる中距離電車をふやさなければいけないのですが、現在の大宮以南、特に上野のターミナルの出入りから考えますと、現在ラッシュ一時間九本、九本たしか入っていると思いますが、これが限度だという状況でございます。したがいまして、いま北から参りまして、大宮始終着の中距離もラッシュ時間帯には一部はさみ込むというような状況でやっておるわけでございます。  それが現状でありますが、残るといいますか、今後の対策として考えられることはということになりますと、実は、いま東北新幹線大宮以南の建設に合わせて建設中の通勤別線があるわけでございます。これは赤羽からずっと新幹線に沿いまして、大宮を経て、その先の宮原で高崎線にくっつくような設計になっているわけでございます。これは当初のころ、この運行の形についていろいろ議論があり、また地元からも御要望があったところでありますが、現在まだ建設中で最終的に決めたわけでもございませんけれども通勤別線につきましては、どちらかというと大宮以南のあの沿線の利用のお客さん方に御利用いただくことを主体として考えざるを得ないというふうに考えている次第であります。  高崎、東北の中距離電車についての対策ということになりますと、在来線の方で見ますと、まだ貨物線が複線あるわけでございます。今後の貨物のありようによっては、その線を利用するということも当然考えていかなければいけないのではないか。ただ、使い方については、まだ確たる計画を決めておりませんけれども通勤別線の建設と貨物線の今後のあり方ということから、この東北、高崎中電に対する対策というものを見つけていかなければいけないというふうに考えておるわけでございます。
  272. 沢田広

    ○沢田分科員 大体われわれが駅頭なんかに立ちまして、私鉄の東上線と比較をいたしますが、こうやって電車の流れていく中で向こうが全然見えない状況というのは、これは二〇〇以上の乗車率の場合は、とにかく乗っていても全然向こうが見えないのです。幾らかでもすき間がある状態というのは、向こうの空が幾らか見えるというのは、わりあいにまだいい方なんで、もうほとんど真っ黒になってしまうといういまの状況なんです。ですから、それに乗るというのは大変な騒ぎであるわけです。ですから、やはり快速が通っていないのは、もうかっている線の方が快速がないので——いまリレー号がありますけれども、リレー号は普通新幹線の乗客以外は乗せてもらえないということですから、従来から言っていることですが、急行も大宮からは快速並みに、熊谷もそう言いたいのでしょうから、快速ができるまでの間は快速並みに扱ってほしいというのが地元要望なんですね。ほかは皆、中央線にもどこにも快速がある。ところが、つかまればそこで急行料金を取られて、まあこれは取ってはいけないとも言えないけれども、下りはどこに行ってしまうかわからないから、上りはある程度緩めてほしい、そういう要請もしてきたところです。これは法律的にはいいですとは御返事ができないでしょうけれども、そういう点は配慮してほしいという要望があったということをひとつ心して——でも答えられるのならひとつお答えください。
  273. 橋元雅司

    ○橋元説明員 先生御指摘のように、私どもいま一番苦心しておりますのは、やはり常磐線と高崎、東北線でございます。昨年の十一月のダイヤ改正の際にもない知恵をしぼったつもりでございますが、いまおっしゃるようないろいろな問題がなお残っております。ある面評価していただいているものも幾つかございますけれども、なお不十分な点が多々ございますので、運賃料金の問題も含めまして、今後よく勉強したいと思います。
  274. 沢田広

    ○沢田分科員 それから、新駅の設置の声が、これはずっと前から、私が県会にいた時分から出た話なんですが、鷲宮は前にできましたが、通称箕田駅といって、これは全部地元負担でやることになるのでしょうけれども、実際問題としてこれはいつごろの予定になっているのか。吹上の先ですね。もっと俗っぽく言うと、三井不動産が買い占めをし、その後住宅公団が半分譲り受けて、そしてあそこは調整区域であったのでありますが、そこにやったいわくつきの場所なんであります。それにしても、人が住めばこれはまた考えなければならぬ、こういうことになりますが、いかに考えておられるでしょう。
  275. 半谷哲夫

    半谷説明員 鴻巣—吹上間の御要望のある新駅かと思います。これも大分長い間の御要望でございましたけれども、最近になりまして、この新駅設置につきまして本社としても承認するということになりまして、現在地元でこの新駅設置についての具体的な取り決めを協議中でございます。したがいまして、工事期間としては約二年を要すると見ておりますが、恐らく五十八年度に入れば早々に工事ができるようになるのではないかというふうに考えております。
  276. 沢田広

    ○沢田分科員 続いて通勤新線、いまお話しになりましたが、川越ということでありまして、川越の方に私なりにもいろいろ話はしてきたのでありますが、いまなかなか進んでいないようなんでありますが、地元ではどうしても熊谷から始発にしてくれという要望も出ております。しかし、川越始発で出るにしても、とりあえず電化をすることが先決である。それが大宮を回って赤羽、池袋、新宿、渋谷と、将来の展望としてはそうなっていくんだろうと思うのでありますが、いまの見通しでは大体いつごろこれが使えるように——いま宮原と言いましたが、宮原で高崎線に両方から乗り入れするわけでありますか、その点もお伺いします。
  277. 半谷哲夫

    半谷説明員 宮原で一応高崎線につながる形になっております。ただ、いま通勤別線として建設中でございますが、これはとりあえずは大宮—赤羽間を完成させたいということで、そちらに精力を集中いたしております。大宮以北につきましては多少おくれるかと思いますが。  それからもう一つ問題は、川越方万についての問題であります。これはいまの計画でいきますと、川越線が通勤別線の中に乗り入れることができるような設計をいたしております。  もう一つ問題は、電車の基地、通勤別線に運用いたします車両の基地を、現在川越の一つ手前の南古谷の付近に用地買収をいろいろお願いしておるところでございます。したがいまして、電車の基地がそちらに参りますと、当然電化区間でなければ電車が走れないということから電化が出てまいりますし、相当の車両の出入りもありますし、また川越線自体いま沿線が相当発展しつつあるということも考えますと、都市通勤型の線区としての輸送の伸びも期待できるところでありますし、またかねて御要望も強いところでありますから、電化をすると同時に、線路容量によっては複線化をやっていかなければいけないということで、現在計画を立てているところでございます。  いずれにしましても、通勤別線というのは、東北新幹線上野乗り入れと同時に開業しようということでスタートしたものでありますから、現在鋭意努力中でございます。
  278. 沢田広

    ○沢田分科員 いつごろが大体目安になるか。車両基地がいま交渉中ですね。交渉ができればすぐ電化をして、あとは用地買収にかかるわけですが、いまの段階でいつごろがめどですか、はっきりは言えないでしょうが、いまの段階で。
  279. 半谷哲夫

    半谷説明員 先生お尋ねなのは、計画としてはっきり決まるのがいつかという……(沢田分科員「いやいや、とにかく使えるのは」と呼ぶ)これはいま申し上げましたように、東北新幹線上野乗り入れの時期に合わせて通勤別線も開業させたいということでやっておりますから、いま上野乗り入れの時期を五十九年度末と考えております、六十年春になりますが。その時期までに通勤別線につきましても使用開始できるようにしたいというのがいまわれわれの目標でございます。
  280. 沢田広

    ○沢田分科員 なるべく短くしようと思っていますが、上野どまりでもこれまた大宮どまりとそう変わりがないということで、みんなどうしても東京まで乗り入れてほしい、これが東北から来られる人の——大きな荷物を背負って、上野の階段を長々と上がったりおりたりして、ようやく京浜線の込んだ電車に乗って東京駅まで行く、まさに涙ぐましい情景が数多く見られるわけです。これは何も埼玉ばかりじゃなく、東北六県、北海道を含めての問題なんです。これはやはり上野の地盤からの要望が強いことは承知しています。しかし、まあ地下四十メートル以上ですか、五十メートル以下に、一メートル四十億ぐらいの金をかけてと言われるくらいに金をかけて上野へつくるわけですが、やはり東京乗り入れがないと画竜点睛を欠くというような印象もぬぐい切れないのでありますが、その点はいつごろの計画で考えておられるでしょう。
  281. 半谷哲夫

    半谷説明員 東北新幹線が大臣認可をいただきましたのは、東京駅から盛岡まででございます。したがいまして、上野暫定開業ということになるわけでありますが、引き続いて東京まで持っていくというつもりでいま工事を進めているわけでございます。東京—上野間につきましても、用地買収を約九〇%ぐらいすでに済ましております。ただ、技術的な問題もありますし、また工事予算上の問題もありまして、上野開業ということをいま五十九年度末を目標にいたしておりますけれども、それに引き続いて工事を進めまして東京乗り入れを実現させたい。上野開業後、いまの時点ではっきり申し上げられませんけれども、二年おくれぐらいで東京に持っていきたいというのがわれわれのいま考えているところであります。
  282. 沢田広

    ○沢田分科員 これは金があればの話をいままでやってきたわけでありまして、そのもとの金は、これから捻出になかなか苦労するのだろうと思うのでありますが、ともかく国鉄の皆さんも世間の批判に耐えながらも、これらの要望を、いま三十五人の人がいろいろな形で言われましたが、それらが実現できるようにひとつ御努力を心から願って、私の質問を終わりたいと思います。
  283. 鴨田利太郎

    ○鴨田主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、運輸省所管についての質疑は終了いたしました。  次回は、来る七日午前九時三十分より開会することとし、郵政省所管について審査を行います。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十一分散会