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藤田(高)
委員 事財政問題に関する限り、そういう大方の目標というものさえ出ないということになれば、中曽根
内閣は仕事をする
内閣だといいますが、これは仕事ができないのじゃないですか。やはり具体的な財政なくして社会保障もなければ、中曽根さんが言うような方向に軍備を拡大するにしても、
財源がなかったら、目標なき、羅針盤なき船と一緒じゃないですか。全く仕事仕事と言って勇ましいことを言うのだけれ
ども、それを裏づける財政的条件というものはいまだに不透明なんです。全く中曽根
内閣の財政
計画というものは不透明。その意味では、いまの
大蔵大臣のなにじゃないけれ
ども、大蔵当局は、この段階ではこの試算に基づいて、他の民間
団体や第一勧業銀行の示されるようなあの試算は現行制度を
前提にしてこうだと批判すべき
立場ではないのですね。そういうものを参考にして、いま理論的にどうだこうだという、この間私があの
赤字国債の現金償還の問題でやったときに三つの条件が出た、理論的だと。私は、あのときは議事進行のために
協力したのです。
いまここでやっておるのは、学術
会議的な理論問題や学問的な議論をやっておるのじゃない。
国民生活に直接結びつく問題として、現実的な政策議論をやっておるのですよ。その答えが、これだけ時間をかけてお互いにやってきておりますけれ
ども、いまだに出ないということは、私はきわめて残念だと思うのですよ。少なくとも、経済
審議会かどこか知らぬけれ
ども、そういうものの答申が出ないというよりも、この国会
審議に間に合わさないところにあなたらの
責任があるのじゃないですか、これは
経済企画庁長官を含め、
総理を含めて。みんなそこへ逃げ込んでおるじゃありませんか。そんな
審議会だとか諮問機関か何か、そこへみんな
責任転嫁で逃げ込んで、それができなければ具体的な
責任ある財政再建の目標も示されないなんて、そんな
内閣は信頼することできないじゃありませんか、これは本当に。私は、全く無
責任内閣と言わざるを得ないと思いますよ。
ここで私は、時間がかれこれ来ましたので私のなにを申し上げておきますが、少なくともいま私が
指摘したような形の財政再建
計画というものを具体的に示してもらいたい。これはいつごろまでに出すのか、時期を含めて明示してもらいたいということが
一つ。
今後の取り組みについては、財政改革の中身にまで触れることがこれまたできなかったわけでありますが、私はやはり、財政再建の大
前提は、景気をいかにして浮揚さすか、そうして税収をどうしてふやしていくかというこの基本的
立場がなければいかぬと思うのですよ。これはこの前の臨時国会のときにも私は言ったと思うのですが、これをまず第一に据えていく。
二つ目は、何といっても既存税制の社会的にどう見ても不公平な税制、これを根本的に改革する、これが二つ目の条件。
三つ目が、私はいわゆる
歳出カットだと思うのですよ。それは、最近の世論
調査じゃありませんけれ
ども、防衛費なんかはもっと節約をしろ、削減をしろという声が強くなってきておる、そういう
立場かち
歳出カットの合理化問題を上げていく。
それでなおかつどうにもならないときに、負担増というものが出てくるのじゃないだろうか。
その次に出てくるものは、そういう操作をやってもどうにもならないときに、負担増との兼ね合いにおいて国債発行をつなぎ的な措置としてどうすべきかということが、財政再建の手だてとして上がってくるべき順序であり、
課題であろうと私は思うのです。
そういう順序まで間違った形の財政再建の対処の仕方というものは、根本的に変えてもらいたいと思いますね。そういう意味合いにおいて、私は、二番目に挙げました不公平税制の根本的改革について、項目だけ挙げておきます。
その
一つは、グリーンカード制の実施の問題、二つ目の問題は、先ほ
ども言いましたが割引債の償還差益に対する課税の
引き上げの問題。これは、繰り返しませんけれ
ども、グリーンカード制のときに出されておった案からいけば、一千億や一千五百億の金は、
財源はすぐ出るわけですから、そういうものの手だてをきちっとやる。そして、五十八年度の税制改正に向けて大蔵当局が
政府税調に諮問をした項目ですね、交際費の課税、それから退職給与引当金の見直し、価格変動準備金の見直し、これは今度八十億程度なにしておりますが、こういったものの根本的な見直し、貸し倒れ引当金のこれまた
現状に合った税制の改革、あるいは俗称言われてきております医師優遇税制の根本的な改正、あるいは減価償却期間の延長、さらには法人税の累進課税制度の採用ですね。
こういうものをやっていけば、私
ども素人が計算しても三兆五千億から、計算の仕方によっては無理のない形で五兆円の
財源が出るんですよ。これはわれわれ素人がやってもこの程度のことができるのだから、これだけ有能な人材をそろえた大蔵当局を含めてテクノクラートの集団を控えておる
財政当局が、積極的にやろうと思えば財政再建は現実的に可能になる、いわんや所得税の一兆円
減税のごときは、
政府にそれだけの腹と意思ができればいつでもできる、こういうことを率直に申し上げておきます。
そういう私のいま矢継ぎ早に申し上げた物の
考え方に対して
大蔵大臣の最後の御
答弁をお願いして、私の
質問を終わります。