○野坂
委員 このプロジェクトは、上下水道とか道路とか多目的ダム云々ありますね、十一。これについての具体的な積み上げはこの
国会に報告をしてもらえますか。というのは、釜山の地下鉄建設事業というのがありますね。この前の六十億ドルのときにはソウルの地下鉄事業も中に入っておるわけです。その中に入っておりますが、特にソウルの地下鉄については、日韓癒着問題でたくさん疑惑が生じておるというのが実情であります。したがって、高い金でありますから、いまから
日本の上下水道事業の業者等は、これが出るのではないのかということでいろいろな動きがあるということも聞いております。そういう
意味で、それらについては一応の御報告がいただけますか。
さらに、先ほど言いましたように、韓国の副首相は、今度の協力に対してこういうふうに述べておりますね。金竣成という副首相ですが、経済企画院の
長官でもあります。「韓日経済協力の活路」という座談会の中で、経済の協力問題が妥結をした点について、韓国の国際的地位が高まったことと北東アジア安保に対する
日本の新しい認識によるものである、こういうことを明快に言っております。中曽根
総理は、いや安保絡みではないとおっしゃっておりますけれども、新聞社は一斉にして、
日米韓の三角安保、安保絡みの経済協力、こういう見出しでキャンペーンが張られております。そして、その実態は、いまお話があったように、全体の予算の四〇%に近いものが軍事費である、その穴埋めをするのだ、こういう認識に立っておるし、韓国側は安保であるということを明確に言っております。そういう
意味で、この経済協力というのは
日米韓の三角体制における一如の姿であるということが明らかではないだろうか、こういうふうに思うわけであります。
時間がありませんから、最後に
総理にお尋ねをしたいのでありますが、きょうの新聞等を見てまいりますと、この韓国、朝鮮の統一問題が書かれております。
議論がありましたようにクロス承認のこともあります。国連の同時加盟、朝鮮
民主主義人民共和国が入らない場合は韓国だけでも国連へというような政府
見解も出されております。
もしクロス承認ということになりますと、これは朝鮮
民主主義人民共和国としては、いままで言ってきたのは、朝鮮の統一ではなしに朝鮮の分断が永久に固定化するであろう、朝鮮の人民の声は、北も南も同一民族であり同一言語を使用しておる、その願いは統一である、しかも自主的に平和統一を実現をしていかなければならぬ、こう述べております。日韓共同声明にも、いわゆる朝鮮の和合統一ということが書かれてありますね。クロス承認ではない。クロス承認というのは統一の
一つの過程であるというふうに
総理は認識をされておるだろうと思いますが、共和国の方は、いわゆるそれは永久分断固定化である、この認識は一致しておるわけですね。
中国もそうですね。そういう
意味で、これから十八日には二階堂さんが中国にお行きになるそうでありますが、この朝鮮の問題について話をしてくるというふうに書いてあります。どういうふうに
総理はお話をさせられるおつもりなのか。
そして、もう一点は、いわゆる韓国とはそういうツーカーの仲になったとお話しになったわけでありますから、十分あなたは信頼をしてもらって、それでは朝鮮の統一のために、私は朝鮮
民主主義人民共和国との
政治的な往来、また、どう
考えておるということを生で、あるいは各
大臣なりこちらの方の方を通じて話をしたい——いまのお座りになっておる予算
委員長は、いわゆる朝鮮
民主主義人民共和国には非常に信頼が厚い。そういう
意味で、それらを詰めながら
政治家の往来も頻繁にし、中国との国交回復があった前提として、常駐記者の交流、そして、それができ上がれば通商代表部の設置、こういうかっこうで具体的に外務
大臣は環境の整備をすることが必要である、
総理大臣も環境の整備を必要とする、それで話し合いをする。当事者同士話することが一番いい、当事者同士話をせい、当事者同士が話したらいいじゃないか。それだけじゃなしに、
日本がどういう役割りをするか、どういうふうに朝鮮
民主主義人民共和国と接触を保つかということも
考えていくべきではないのか。これが、朝鮮の平和はアジアの平和、世界の平和と安定につながるとおっしゃる中曽根さんとしての具体的な一歩ではないか、こういうふうに私は思いますが、いかがでしょう。