運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1983-04-28 第98回国会 衆議院 本会議 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年四月二十八日(木曜日)     ─────────────  議事日程 第十四号   昭和五十八年四月二十八日     正午開議  第 一 昭和五十八年度財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律案内閣提出)  第 二 国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案内閣提出)  第 三 電源開発促進税法の一部を改正する法律案内閣提出)  第 四 貸金業規制等に関する法律案(第九十六回国会、本院提出)(参議院送付)  第 五 出資受入れ預り金及び金利等取締りに関する法律の一部を改正する法律案(第九十六回国会、本院提出)(参議院送付)  第 六 簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第 七 船員雇用促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第 八 海洋汚染及び海上災害防止に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第 九 建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出)  第 十 地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  第十一 宇宙飛行士救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体返還に関する協定締結について承認を求めるの件  第十二 宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約締結について承認を求めるの件  第十三 宇宙空間に打ち上げられた物体登録に関する条約締結について承認を求めるの件     ───────────── ○本日の会議に付した案件  科学技術会議議員任命につき同意を求めるの件  社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの件  運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件  日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件  労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件  日程第一 昭和五十八年度財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律案内閣提出)  日程第二 国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案内閣提出)  日程第三 電源開発促進税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第四 貸金業規制等に関する法律案(第九十六回国会、本院提出)(参議院送付)  日程第五 出資受入れ預り金及び金利等取締りに関する法律の一部を改正する法律案(第九十六回国会、本院提出)(参議院送付)  日程第六 簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  公衆電気通信法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第七 船員雇用促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第八 海洋汚染及び海上災害防止に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第九 建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十 地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十一 宇宙飛行士救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体返還に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第十二 宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約締結について承認を求めるの件  日程第十三 宇宙空間に打ち上げられた物体登録に関する条約締結について承認を求めるの件  社会福祉事業法の一部を改正する法律案社会労働委員長提出)     午後零時十四分開議
  2. 福田一

    議長福田一君)これより会議を開きます。      ────◇─────  科学技術会議議員任命につき同意を求めるの件  社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの件  運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件  日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件  労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
  3. 福田一

    議長福田一君) お諮りいたします。  内閣から、  科学技術会議議員岡本道雄君及び山下勇君を、  社会保険審査会委員河野共之君を、  運輸審議会委員渡辺芳男君を、  日本放送協会経営委員会委員阿部英一君、磯田一郎君、佐方信博君、白井修一郎君及び田村祐造君を、  労働保険審査会委員田中清定君を 任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。  まず、科学技術会議議員及び日本放送協会経営委員会委員任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  4. 福田一

    議長福田一君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。  次に、社会保険審査会委員運輸審議会委員及び労働保険審査会委員任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えるに決しました。      ────◇─────  日程第一 昭和五十八年度財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律案内閣提出)  日程第二 国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案内閣提出)  日程第三 電源開発促進税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第四 貸金業規制等に関する法律案(第九十六回国会、本院提出)(参議院送付)  日程第五 出資受入れ預り金及び金利等取締りに関する法律の一部を改正する法律案(第九十六回国会、本院提出)(参議院送付
  6. 福田一

    議長福田一君) 日程第一、昭和五十八年度財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律案日程第二、国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案日程第三、電源開発促進税法の一部を改正する法律案日程第四、貸金業規制等に関する法律案日程第五、出資受入れ預り金及び金利等取締りに関する法律の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。大蔵委員長森美秀君。     ─────────────  昭和五十八年度財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律案及び同報告書  国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案及び同報告書  電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び同報告書  貸金業規制等に関する法律案及び同報告書出資受入れ預り金及び金利等取締りに関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔森美秀登壇
  7. 森美秀

    森美秀君 ただいま議題となりました五法律案につきまして、大蔵委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、昭和五十八年度財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律案について申し上げます。  この法律案は、昭和五十八年度における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることにかんがみ、同年度財政運営に必要な財源確保するため、所要の特別措置を定めようとするもので、その主な内容を申し上げますと、  第一に、特例公債発行についてであります。  政府は、昭和五十八年度一般会計歳出財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で特例公債発行できることとし、同公債については、償還のための起債は行わないことなどを定めております。  第二に、国債費定率繰り入れ等停止についてであります。  昭和五十八年度における国債の元金の償還に充てるべき資金一般会計から国債整理基金特別会計への繰り入れについて、国債総額の百分の一・六に相当する金額繰り入れ等は行わないこととしております。  第三に、特別会計及び特殊法人からの一般会計への納付についてであります。  まず、特別会計については、昭和五十八年度において、自動車損害賠償責任保険特別会計保険勘定及び保障勘定から、後日、繰り戻すことを前提に二千五百六十億円を限り、一般会計繰り入れることができることとするとともに、あへん特別会計から十三億円、造幣局特別会計から四億円を限り、それぞれ一般会計繰り入れることができることとしております。  次に、特殊法人からの納付について、日本電信電話公社は、昭和五十八事業年度において、既定臨時国庫納付金のうち、同事業年度分のほか、昭和五十九事業年度分についても繰り上げ納付をすることとしております。  また、日本中央競馬会は、昭和五十八事業年度については、既定国庫納付金のほか、特別国庫納付金納付することとし、その金額は、剰余金基準とする国庫納付金と合わせて五百億円となるように定めております。  以上がこの法律案概要であります。  本案につきましては、去る四月十二日竹下大蔵大臣から提案理由説明を聴取した後、質疑に入り、参考人から意見を聴取する等、慎重に審査を行い、一昨二十六日質疑を終了いたしましたところ、中村正三郎君外三名から、自由民主党提案に係る施行期日公布の日に改めることとする修正案が提出されました。  次いで、原案及び修正案を一括して討論を行い、討論終局後、採決いたしました結果、修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも多数をもって可決され、よって、本案修正議決すべきものと決しました。  なお、本案に対しましては、附帯決議が付されました。  次に、国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案について申し上げます。  この法律案は、国民年金特別会計への一般会計からする国庫負担金繰り入れ平準化を図るため、必要な措置を定めようとするもので、その主な内容を申し上げますと、  第一に、昭和五十八年度から昭和七十二年度までの各年度における拠出制国民年金及び福祉年金に係る国庫負担金について、昭和五十八年度から昭和六十三年度までの各年度にあっては、当該各年度に係る国庫負担金の額から所定金額を控除した額を、昭和六十四年度から昭和七十二年度までの各年度にあっては、所定金額を加算した額を、一般会計から国民年金特別会計繰り入れることといたしております。  第二に、昭和五十八年度から昭和六十三年度までの間において国民年金給付額改定措置が講ぜられた場合には、これに応じ、昭和五十八年度から昭和七十二年度までの所定控除額及び加算額を、政令で改定することといたしております。  第三に、この特例措置がとられたことにより国民年金特別会計において減少する運用収入に相当する金額を、昭和七十二年度以降において、一般会計から同特別会計繰り入れることといたしております。  本案につきましては、一昨二十六日竹下大蔵大臣から提案理由説明を聴取し、昨二十七日質疑を行い、質疑終了後、中西啓介君外三名から、自由民主党提案に係る施行期日公布の日に改めることとする修正案が提出されました。  次いで、採決いたしました結果、修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも多数をもって可決され、よって、本案修正議決すべきものと決しました。  次に、電源開発促進税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案内容は、電源立地対策及び電源多様化対策に要する費用に充てる財源確保するため、電源開発促進税現行の千キロワット時につき三百円の税率を四百四十五円に引き上げようとするものであります。  本案につきましては、一昨二十六日竹下大蔵大臣から提案理由説明を聴取し、昨二十七日質疑を行い、質疑終了後、採決いたしました結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、貸金業規制関係の両法律案について申し上げます。  両法律案は、自由民主党及び新自由クラブ・民主連合共同提案により、第九十六回国会大原一三君外五名から提出され、本院において可決の後、参議院に送付いたしましたが、同院において継続審査に付され、今国会に至り、両法律案の附則の規定中に引用されている法律番号等の年の表示を改める修正が行われた上、四月二十日本院に送付されたものであります。  両法律案は、貸金業者登録制度を実施し、その業務に必要な規制監督等を加えて資金需要者等利益の保護を図るとともに、処罰される金利の限度を引き下げて高金利による弊害を取り除くことを主要な目的とするものでありまして、以下、その主な内容を申し上げますと、  まず、貸金業規制等に関する法律案につきましては、  その第一は、登録制度の実施であります。  現行法上は、届け出だけで貸金業を営業できることとなっておりますのを、営業所等設置区域に応じ大蔵大臣または都道府県知事登録を受けなければならないものとし、三年ごとの登録の更新、不適格業者等に対する登録拒否を定め、名義貸し等を禁止することとしております。  第二は、業務規制についてであります。  借り主等の資力、信用等を調査し、返済能力を超える過剰貸し付けをしてはならないものとし、その他、貸付条件掲示契約書及び受取証書交付債権証書返還、標識の掲示等を義務づけるとともに、誇大広告白紙委任状の取得を禁止しております。  また、取り立てに当たっては、人を威迫し、またはその私生活等の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならないものとし、債権譲渡等についても規制を加えることとしております。  第三に、貸金業者の団体として、貸金業協会及び全国貸金業協会連合会を設立することができることとしております。  第四は、貸金業に対する監督についてであります。  大蔵大臣または都道府県知事は、この法律等に違反した登録業者に対し、一年以内の業務停止を命ずることができるものとし、その他、登録の取り消し、報告の徴収、立入検査等について規定を設けております。  第五は、利息制限法との関係についてであります。  債務者契約に基づき利息として任意に支払った金銭の額が、利息制限法に定める利息制限額を超えるときは、その超過部分支払いは、同法の規定にかかわらず、有効な利息債務弁済とみなすこととしております。ただし、このみなし弁済規定は、契約書受取証書交付しない場合、金利等取締法高金利処罰規定に違反して契約締結された場合等における支払いについては、適用しないものとしております。  第六に、無登録営業書面交付義務違反等について必要な罰則規定を設けております。  次に、出資受入れ預り金及び金利等取締りに関する法律の一部を改正する法律案につきましては、  その第一は、現在、刑罰の対象となる制限利率は、年一〇九・五%となっておりますが、本法においては、業として金銭貸し付けを行う者については、その制限利率を年四〇・〇〇四%とすることとしております。  第二に、急激な条件変更を緩和するため、経過規定を設け、法施行後三年間は、制限利率を年七三%とすることとし、三年経過後、別に法律で定める日までの間は、制限利率を年五四・七五%とすることとしております。  なお、別に法律で定める日については、法施行の日から起算して五年を経過した日以降において、資金需給状況その他の経済金融情勢貸金業者業務実態等を勘案して検討を加え、速やかに定めるものとすることとしております。  その他、罰金の額を引き上げることとしております。  以上が両法律案概要であります。  両案につきましては、昨二十七日質疑に入り、同日質疑を終了いたしましたところ、両案に対し、伊藤茂君外一名から、日本社会党及び公明党・国民会議共同提案に係る修正案が、また、蓑輪幸代君外一名から、日本共産党提案に係る修正案が提出されました。  次いで、順次各案について採決いたしました結果、各修正案は、いずれも少数をもって否決され、両法律案は、いずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、両案に対しましては、附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  8. 福田一

    議長福田一君) 五案中、日程第一につき討論の通告があります。これを許します。野口幸一君。     〔野口幸一登壇
  9. 野口幸一

    野口幸一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十八年度財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置に関する法律案及び同修正案につきまして、反対討論を行います。  この法案は、現下の財政事情のもとで昭和五十八年度財政運営に必要な財源を獲得するため、特例公債発行特別会計特殊法人からの一般会計への納付等を図り、税外収入の増収を求めようとするものであります。  鈴木内閣は、昭和五十九年度には特例公債依存体制脱却を宣言し、六十年度よりの償還を公約いたしました。昨昭和五十七年度予算提案に当たり、GNP五・二%という当初から常識では考えられない数値を基盤として税収の予測を立てて粉飾予算をつくり上げました。しかし、税収は全くふるわず、大量の収入欠陥を出すに至り、大幅な補正予算を組まざるを得ない状況となり、結果的には赤字国債を増発して穴埋めをいたしました。このことは鈴木内閣の重大な公約違反であり、ついに政権を維持することができなくなり、退陣する一因となったのであります。  そのことは今日まだ記憶に新しいところでありますが、かわりました中曽根内閣は、この財政破綻事態に対し大胆かつ強力にメスを入れ、改めて財政再建の道筋を明確に国民に示し、その方針を樹立すべきであります。また、税収不振の原因についても、租税特別措置の大幅な見直しを初め、税制全体についても抜本的に改正し、その解明を急ぐとともに、税収増加の道に真剣に取り組むべきであります。  ところが、政府は、さきに本院で可決された国民所得の捕捉に著しい効果のあるグリーンカード制を一方的に放てきし、税収増加の手段をみずからの手で閉ざしてしまったのであります。まさに天に向かってつばを吐くとはこのことを言うのであります。  さらに、昭和五十八年度予算提案するに当たり、政府は徹底した歳出削減を図ったと言っておりますが、防衛費に至っては、この言葉とは逆に聖域化して突出した増加を認め、乏しきは分かち合おうという言葉は全く見られず、うらはらに言行不一致の見本を示しているのであります。  しかも、歳入不足を補うに当たり、その場しのぎの手当たり次第に財源をかき集め、特例公債発行から国債費定率繰り入れ停止を初め、特別会計からの繰り入れのほか、電電公社日本競馬会からの国庫納付を求めるなど、所属する省庁も担当する委員会も異なるものを一括した法案となし、国民に理解しがたい方法で提案されました。まさに火事場騒ぎのどさくさ紛れに焼け残ったものをかき集めるといった感じを与えているのであります。(拍手)  そこで、まず特例公債発行について申し上げます。  特例公債は、本年度も引き続いて発行を計画されております。五十九年赤字国債依存体質脱却については実現が不可能となった今日、改めてその脱却目標年度を明示すべきであります。しかるに、本年度にあってはその指標も示されず、経済計画空中分解のままであります。まさに暗中模索のままに特例公債発行を行って切り抜けようというその姿は、とても賛成できるしろものではありません。(拍手)  本年度発行予定特例公債は六兆九千八百億円でありますが、公債発行総額は十三兆三千四百五十億円となります。国債依存度は二六・五%と飛躍し、本年度公債発行残高は百九兆七千億円、特例公債分だけでも四十七兆六千億円となり、国民一人当たり百万円に近い大きな借財となるのであります。また、本年度国債償還のための国債費は八兆円を突破し、差し引き実効額は五兆円程度でありまして、まさに借金を返すために借金をするといういわゆるサラ金地獄に落ち込んでいるのであります。(拍手)  政府は、この深刻な事態に対し、将来の見通しも十分に立てないままに、その日暮らしのような提案をなさることは、全く無責任だと指摘せざるを得ないのであります。(拍手)  建設公債の場合は、まだ社会資本充実という命題もあり、その耐用年数から考えましても一部の借りかえはやむを得ないというものもありましょうけれども、その場合にありましても、その政策選択国民生活に密着した庶民の要望を十分酌み取ることが大切であることは言うまでもありません。また一面、建設公債の多発は民間活力充実活用の後退にもつながるものでありまして、その借りかえの時期にある今日は慎重な対応が必要であります。  いずれにいたしましても、今日の公債依存体質脱却は必須の国策であることは間違いのないものであります。その慢性化惰性化状況を速やかに脱却し得る方策を早急に示すことを強く要求するものであります。  次に、特別会計からの繰り入れ措置について申し上げます。  各特別会計は、それぞれの分野において本来の目的に照らし活用すべき剰余資金を、政府の一方的な申し入れによってその犠牲を強制されているのであります。自動車損害賠償責任保険特別会計運用益は、本来保険契約者のために使用すべきものでありまして、その転用は本質的に避けるべきものであります。  さらに、日本電信電話公社臨時国庫納付金にしましても、その利益剰余金建設資金繰り入れ国民に還元すべきものを削減してつくり出したものでありまして、このような用途外支出は、公社法に違反するものであります。電気通信事業は、高度情報化時代を迎え、いよいよ一層の効率化を求められているときでありまして、これらの停滞を来すような措置はとるべきではありません。しかも、五十九年度分の前倒し後の再納付についても、明確な方針も示されていないのであります。また、本来国民に還元されるべきものを政府が取り上げるということは、ある意味では増税に値するものと言えるのであります。  以上、私は、きわめて重要な点のみ申し上げましたが、今日、国民の求めている政治は、あくまでも平和国家としての立場を堅持することでありまして、中でもその政策選択はまことに重要でありますが、同時に、その財源対策につきましても、その前提たるべき財政再建大綱を早期に国民に示し、将来展望を明らかにすることを重ねて提言し、その反省を求めるとともに、本法律案に対する反対討論といたします。(拍手
  10. 福田一

    議長福田一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  11. 福田一

    議長福田一君) これより採決に入ります。  まず、日程第一及び第二の両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  12. 福田一

    議長福田一君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。  次に、日程第三につき採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  13. 福田一

    議長福田一君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。  次に、日程第四及び第五の両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  14. 福田一

    議長福田一君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────
  15. 保利耕輔

    保利耕輔君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、日程第六とともに、内閣提出公衆電気通信法の一部を改正する法律案を追加して、両案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  16. 福田一

    議長福田一君) 保利耕輔君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。     ─────────────  日程第六 簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  公衆電気通信法の一部を改正する法律案内閣提出
  18. 福田一

    議長福田一君) 日程第六、簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案公衆電気通信法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。逓信委員長左藤恵君。     ─────────────  簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書  公衆電気通信法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔左藤恵君登壇
  19. 左藤恵

    ○左藤恵君 ただいま議題となりました二法案について、逓信委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、簡易生命保険及び郵便年金特別会計保険勘定積立金運用範囲を拡大することを内容とするものでありまして、現在、外国政府等の発行する債券、信託業務を営む銀行または信託会社への金銭信託で元本補てんの契約があるもの及び金融機関への預金に運用する積立金は、簡易生命保険郵便年金特別会計の年金勘定の積立金に限るものとされておりますが、簡易生命保険の加入者の利益の増進を図るため、保険勘定積立金についてもこれらに運用することができるよう、その運用範囲を拡大しようとするものであります。  なお、この法律施行期日は、公布の日となっております。  本委員会におきましては、去る一月二十八日本案の付託を受け、昨二十七日桧垣郵政大臣から提案理由説明を聴取した後、質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  次に、公衆電気通信法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、電話の近距離の通話料と遠距離の通話料との格差の是正を図るため、遠距離の通話料を引き下げようとするもので、その内容は、現在三百二十キロメートルを超え五百キロメートルまでは四秒ごとに十円、五百キロメートルを超え七百五十キロメートルまでは三・五秒ごとに十円、七百五十キロメートルを超えるものは三秒ごとに十円となっております料金について、これを三百二十キロメートルを超えるものは一律四・五秒ごとに十円に改めようとするものであります。  なお、この法律施行期日は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日となっております。  本委員会におきましては、去る二月四日本案の付託を受け、昨二十七日桧垣郵政大臣から提案理由説明を聴取した後、質疑に入り、本日質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  20. 福田一

    議長福田一君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────  日程第七 船員雇用促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第八 海洋汚染及び海上災害防止に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出
  22. 福田一

    議長福田一君) 日程第七、船員雇用促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案日程第八、海洋汚染及び海上災害防止に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。運輸委員長原田憲君。     ─────────────  船員雇用促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書  海洋汚染及び海上災害防止に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔原田憲君登壇
  23. 原田憲

    ○原田憲君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、運輸委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、船員雇用促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その主な内容を申し上げます。  本案は、本法の附則第二項に基づく就職促進給付金の支給に関する特別の措置の対象業種である近海海運業等において、今後も引き続き事業規模の縮小等がなされ、これに伴い、離職船員が相当数発生すると予想される状況にかんがみ、この特別の措置の対象となる船員の離職の日に関する期限を、他の不況対策立法の期限に合わせて、昭和六十三年六月三十日まで延長しようとするものであります。  次に、海洋汚染及び海上災害防止に関する法律の一部を改正する法律案について、その主な内容を申し上げます。  本案は、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書への加入に伴い、新たに必要となる国内法制の整備を図ることとしようとするものでありまして、  第一に、新たに、軽質油の排出についても重質油と同様の規制を行うとともに、一定のタンカーについて構造規制を行う等、船舶からの油の排出に関する規制を強化すること、  第二に、新たに、船舶からの有害液体物質等の排出について、油と同様に規制を行うこと、  第三に、船舶からのその活動に伴う廃棄物の排出について、一定の船舶に排出防止設備の設置を義務づける等規制を強化すること、  第四に、新たに、一定の船舶またはタンカーの海洋汚染防止設備等について検査を義務づけるとともに、合格した船舶には、国際海洋汚染防止証書等を交付すること、  第五に、本法の施行については、それぞれの規制内容に応じて、原則として同議定書の各附属書が日本国について効力を生ずる日に合わせて順次施行していくこと といたしております。  本委員会におきましては、四月十三日関谷運輸政務次官からそれぞれ提案理由説明を聴取し、二十七日両案を一括議題とし、質疑を行った後、採決の結果、両案は、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  24. 福田一

    議長福田一君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────  日程第九 建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出
  26. 福田一

    議長福田一君) 日程第九、建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。建設委員長松永光君。     ─────────────  建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔松永光君登壇
  27. 松永光

    ○松永光君 ただいま議題となりました建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、建築物の設計及び工事監理の適正化を図るため、小規模木造建築士資格の創設、建築士の懲戒事由の拡充その他建築士制度の改善整備を行うとともに、建築行政に関する事務の簡素合理化を図るため、建築士試験に係る指定試験機関制度の創設、建築確認制度及び建築検査制度の改善等を行うこととしております。  本案は、去る三月十一日本委員会に付託され、同月二十五日提案理由説明を聴取し、四月二十七日質疑を終了いたしました。同日、本案に対し、委員長より、小規模木造建築士の名称を木造建築士にする等の修正案を提出し、採決の結果、全会一致をもって本案修正案のとおり修正議決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対しては、住宅の性能保証の拡充等、八項目の附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  28. 福田一

    議長福田一君) 採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ────◇─────  日程第十 地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出
  30. 福田一

    議長福田一君) 日程第十、地方交付税法等の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。地方行政委員長田村良平君。     ─────────────  地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔田村良平君登壇
  31. 田村良平

    ○田村良平君 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、最近における地方財政の現状にかんがみ、  第一に、昭和五十八年度分の地方交付税の総額については、現行の法定額に特例加算することとした千百三十五億円、臨時地方特例交付金二十億円及び借入金一兆八千九百五十七億五千万円の合算額を加算した額から、昭和五十八年度分の利子として国債整理基金特別会計繰り入れられる金額のうち三千四百四十六億円を減額した額八兆八千六百八十五億円とすることといたしております。  また、昭和五十八年度の普通交付税の算定については、老人保健制度の実施等各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源措置するため、単位費用の改定を行う等の措置を講ずることといたしております。  第二に、交通安全対策特別交付金については、これを基準財政収入額に算入するとともに、同交付金の交付に関する経理を交付税及び譲与税配付金特別会計において行うこととし、これに伴い同交付金の額及び使途等についての所要の規定の整備を図ることといたしております。  本案は、二月二十二日当委員会に付託され、三月十八日山本自治大臣から提案理由説明を聴取した後、五日間にわたって質疑を行い、特に四月十三日には参考人の意見を聴取するなど、本案を中心として地方行財政全般にわたって慎重に審査を行いました。  昨二十七日本案に対する質疑を終了しましたところ、自由民主党から、昭和五十八年四月一日の施行期日公布の日に改める等の修正案が、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合から、地方交付税率の引き上げ等を内容とする五党共同提出の修正案が提出され、それぞれ趣旨の説明を聴取いたしました。  次いで、原案及び両修正案について討論を行い、採決の結果、五党共同提出の修正案賛成少数をもって否決され、自由民主党提出の修正案及び修正部分を除く原案賛成多数をもって可決され、よって、本案修正議決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  32. 福田一

    議長福田一君) 討論の通告があります。これを許します。佐藤敬治君。     〔佐藤敬治君登壇
  33. 佐藤敬治

    ○佐藤敬治君 私は、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して、日本社会党を代表して、反対討論をいたします。  昭和五十八年度の地方交付税総額は八兆八千六百八十五億円で、前年度に比べ四千六百十五億円、四・九%の減少であります。地方交付税総額が前年度に比べてマイナスという事態になったのは、地方交付税史上初めてのことでございます。これによって、地方交付税の歳入総額に占める割合も、五十七年度の一九・八%から一八・七%へと下落することになりました。  地方交付税の減少がこのように著しくなったのは、国税三税が二〇・八%も落ち込んだことに原因があります。もちろん、前年度の国税三税の収入見込みを過大に見積もったこと、あるいはまた、五十六年度の地方交付税の精算額が八兆五百二億円にも達していたことも大きな要因でありますけれども、しかし、最大の原因は、このように地方交付税額の法定分が急に減ったのに対し、多額の地方財源の不足が明らかになった段階で、法的に義務づけられている地方交付税率の引き上げの措置等、抜本的な解決を政府が回避したことにあります。  地方交付税は、地方税と並んで地方財政を支える最も重要な柱であります。この総額を確保することこそが地方財政の死命を制するものであると言うことができます。そのため、地方交付税法は六条三の二項に、明確に制度の改正または交付税率の引き上げを明示しているのであります。  しかるに、昭和五十年度以降、この六条三の二項が全く無視され、有名無実と化しております。国の財政窮迫を理由に、制度の改正の本来の意味を故意に歪曲し、毎年毎年借金による穴埋めを繰り返し、そしてあたかもそのことが地方交付税制度の本来的な当然の措置であるかのように政府は言い張ってまいりました。  問題は、昭和五十年度補正予算に始まります。政府経済政策の誤りによって、地方財政に二兆一千八百三十一億円という膨大な赤字が発生いたしました。その解決策として、不足財源の二分の一を赤字地方債で処理し、残りの二分の一を地方交付特別会計の借り入れとし、その返済については、元金の二分の一と利息の全額は国の負担、元金の二分の一は地方の負担とするという、いわゆる二分の一方式で埋め合わせました。そして、自治省は、これを制度の改正であると詭弁を弄してまいりました。  わが党は、これを制度の改正と言えないばかりではなく、将来地方財政の重大な負担になるとして、交付税率の引き上げを極力主張してまいりました。その後、自治省は、胸の痛みに耐えかねてか、五十三年にはこれを法制化して、今度こそ制度の改正だと主張してまいりました。しかし、五十一年度以降も膨大な財源不足が続いて、これを二分の一方式という借金によって穴埋めしてきたために、果たせるかな、いまや地方財政はまさしく破滅のふちに立たされております。  すなわち、五十八年度末の地方債の累積残高は三十八兆九百十三億円、交付特別会計における借入残高は十一兆五千二百十九億円に達し、この合計は実に五十兆円にも上っております。四十五年度における地方財政の借入残高は二兆九千七百四十五億であるから、十二倍以上、交付特別会計は八十億円であったから、実に千四百四十倍もふくれ上がっております。この間、地方財政計画の規模は約六倍程度の増にすぎませんから、いかに地方財政が急激に悪化したかがわかるのであります。  五十八年度の地方財政の不足額については、前述のいわゆる二分の一方式によって、地方交付特別会計において一兆八千九百五十八億円を借り入れておりますけれども、はなはだおもしろくないことは、従来国が負担してきました借入金の利息七千四億円の約半分、三千四百四十六億円を自治体に負担させるということであります。これでは交付税率の引き上げどころか、まさに切り下げであります。  この利子の全額国の負担については、大蔵、自治両大臣の間に数回にわたって覚書を取り交わし、委員会における幾多の議論によって疑いもなく確立しているところであります。  まことに噴飯物なのは、国がこの三千四百四十六億円の運用資金からの借り入れを認めて、返済に際しては、その元利の半分を新しいルールによって地方が負担せよということであります。これでは国は、実質的に利子の四分の一しか負担しないことになります。自分が負担すべき利息を他人に払わせて、その金を貸し付けて、それからまた半分利子を取る。いまどきの高利貸しだって、こんなあこぎなまねはしないことでしょう。ここまでくると、でたらめというか、行き当たりばったりというか、まことに無軌道と言うほかはありません。  この措置は五十八年度限りというけれども、大蔵省の態度を見る限りでは、来年度にもとに回復されるという保証ほどこにもありません。それどころか、大蔵省は、来年度はさらに進んで、交付特別会計の借入金返済の元利全額の負担を地方に迫っているのであります。大蔵、自治両省の覚書の趣旨は、まさにあしたに一城、夕べに一城と次々に抜かれて、地方の時代はいまや中央の時代であります。こんな無軌道なことを要求する大蔵大臣大蔵大臣だけれども、これをあっさり受けてくる自治大臣も自治大臣であります。  国の財政が苦しいからといって、世界第二の経済大国を誇るわが国が、吹けば飛ぶような弱い自治体を金持ち呼ばわりして、九年も前にさかのぼって一方的に約束を破るなどということは、全く国のエゴとしか言いようがありません。お互いに苦しいんだから、約束したことは歯を食いしばっても守っていかなければ、信頼感を失われて、何の取り決めもできなくなってしまうことでしょう。  元来、地方交付税法六条の三の二項に言うところの制度の改正とは、地方税制の改正、国庫負担対象経費の範囲または負担率の変更、国と地方を通じての事務配分の変更あるいは事務の改廃等、要するに、それによって構造的に生じている地方財政の過不足を解消できる程度のものでなければならないのであります。そうでなければ、法律交付税率の変更と並列して取り扱っている趣旨に合致しないのであります。それにもかかわらず、安易に借金でつじつまを合わせて、制度の改正だと詭弁、強弁したところに、今日の地方財政危機め真の原因があるのであります。  いまや、政府の言う制度の改正という詭弁は完全に破綻いたしました。残るは交付税率の引き上げ以外に道はありません。先般行われた衆議院地方行政委員会における参考人の意見聴取におきましても、交付税率の引き上げの意見が圧倒的に多いのであります。国の財政窮迫のとき、交付税率の完全引き上げを主張するつもりはありませんけれども、せめて、わが党と全野党が一致して提案した修正案、すなわち五十八年度の不足額を補うに足る八%程度の引き上げを実施すべきであると思います。  重ねて申し上げます。このままずるずると地方財政が借金を重ね、しかも地方交付特別会計の借入金は地方自身の借入金として、地方が自己の責任において負担することが肝要であるという財政制度審議会の一方的な意見によって、現状の改革もしないで国の責任を地方に押しつけることになれば、早晩地方財政は文字どおり破綻いたします。財政の混乱しているいま、制度の改正をやるべきではないという意見がありますけれども、財政窮迫のいまだからこそ抜本的な改正ができると思います。  政府の勇断を期待して、私の反対討論を終わります。(拍手
  34. 福田一

    議長福田一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  35. 福田一

    議長福田一君) 採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  36. 福田一

    議長福田一君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ────◇─────  日程第十一 宇宙飛行士救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体返還に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第十二 宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約締結について承認を求めるの件  日程第十三 宇宙空間に打ち上げられた物体登録に関する条約締結について承認を求めるの件
  37. 福田一

    議長福田一君) 日程第十一、宇宙飛行士救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体返還に関する協定締結について承認を求めるの件、日程第十二、宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約締結について承認を求めるの件、日程第十三、宇宙空間に打ち上げられた物体登録に関する条約締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。外務委員長竹内黎一君。     ─────────────  宇宙飛行士救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体返還に関する協定締結について承認を求めるの件及び同報告書  宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約締結について承認を求めるの件及び同報告書  宇宙空間に打ち上げられた物体登録に関する条約締結について承認を求めるの件及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔竹内黎一君登壇
  38. 竹内黎一

    ○竹内黎一君 ただいま議題となりました三件につきまして、外務委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  この三条約は、いずれも昭和四十一年の第二十一回国連総会において採択された宇宙活動に関する基本的条約であるいわゆる宇宙条約内容を一層具体化し、宇宙空間の平和的な探査及び利用における国際協力を促進するために作成されたものであります。  まず、宇宙救助返還協定について申し上げます。  本協定は、昭和四十二年の第二十二回国連総会において採択されたものでありまして、宇宙飛行士救助及び送還宇宙物体返還についての協力を促進することを目的とするものであります。  その主な内容は、宇宙飛行士が事故等により自国以外の場所に着陸をした場合における宇宙飛行士救助宇宙飛行士の打ち上げ国への安全かつ迅速な送還、宇宙船等の打ち上げ国への返還等について定めております。  次に、宇宙損害についての国際的責任条約について申し上げます。  本条約は、昭和四十六年の第二十六回国連総会において採択されたものでありまして、宇宙物体により引き起こされる損害についての責任に関する規則及び手続を定めることを目的とするものであります。  その主な内容は、宇宙物体の落下等に伴い発生する損害に関し、賠償の責任を負うべき国、賠償の請求を行うことのできる国、賠償の責任に関する原則、賠償の請求手続及び請求期限、賠償額の算定基準、外交交渉による解決が得られなかった場合に設置する請求委員会の組織及び権限等について定めております。  次に、宇宙物体登録条約について申し上げます。  本条約は、昭和四十九年の第二十九回国連総会において採択されたものでありまして、宇宙物体の識別に関する国際協力の促進を図ることを目的とするものであります。  その主な内容は、宇宙物体に関する国内登録簿の設置、これらの物体に関する情報の国連への提供、国連における中央登録簿の設置及び保管、損害を与えた宇宙物体の識別に関する国際協力等について定めております。  以上三件は、去る三月二十九日外務委員会に付託され、四月十五日に安倍外務大臣から提案理由説明を聴取し、昨二十七日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、三件は、いずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  39. 福田一

    議長福田一君) 三件を一括して採決いたします。  三件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、三件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。      ────◇─────
  41. 保利耕輔

    保利耕輔君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  すなわち、社会労働委員長提出社会福祉事業法の一部を改正する法律案は、委員会審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  42. 福田一

    議長福田一君) 保利耕輔君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。     ─────────────  社会福祉事業法の一部を改正する法律案社会労働委員長提出
  44. 福田一

    議長福田一君) 社会福祉事業法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長の趣旨弁明を許します。社会労働委員長稲村利幸君。     ─────────────  社会福祉事業法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔稲村利幸君登壇
  45. 稲村利幸

    ○稲村利幸君 ただいま議題となりました社会福祉事業法の一部を改正する法律案について、趣旨弁明を申し上げます。  今日、人口の急速な高齢化、核家族化等の進行により、福祉ニーズの増大と多様化が顕著となり、これへの対応が喫緊の課題となっており、地域社会を基盤とする福祉サービスの中核的役割りを担う市町村社会福祉協議会の重要性がますます高まってきております。  このため、本案は、市町村社会福祉協議会の法的位置づけを明確にし、地域福祉の推進を図ろうとするものでありまして、本日の社会労働委員会において、これを成案とし、全会一致をもって社会労働委員会提出の法律案とすることに決したものであります。  その主な内容は、  第一に、都道府県社会福祉協議会は、現行の社会福祉事業等を経営する者の過半数参加に加えて、市町村社会福祉協議会の過半数が参加するものでなければならないものとし、その事業として、現行の調査、総合的企画、連絡、調整及び助成、普及及び宣伝の四事業のほかに、「市町村社会福祉協議会の相互の連絡及び事業の調整」を加えるものとすること。  第二に、市町村社会福祉協議会の規定を新たに設け、市町村社会福祉協議会は、当該市町村の区域内において社会福祉事業等を経営する者の過半数が参加するものでなければならないものとし、その事業として現行の都道府県社会福祉協議会の事業と同様の四事業を行うものとすること。  第三に、この法律は、昭和五十八年十月一日から施行すること。  以上が本案の趣旨及び内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)     ─────────────
  46. 福田一

    議長福田一君) 採決いたします。  本案可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 福田一

    議長福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案可決いたしました。      ────◇─────
  48. 福田一

    議長福田一君) 本日は、これにて散会いたします。     午後一時十六分散会