○河野
委員 局長、これは私も勉強したいと思いますから、ひとつ資料などをいずれの機会かに御説明願いたいと思います。
もう時間でございますからこれで終わりますが、実は私は、
青少年対策というのにかねてから非常に関心を持っておりました。毎度毎度この文教
委員会で
質問をいたしますときに、
大臣、
青少年対策については少しいろいろなことを申し上げておるわけでございます。非常に抽象的な、
社会の環境をどうしろとか懇談会つくれとか審議会つくれとかということも大事なことですけれども、非常に細かいことですが、一つ一つ具体的に何かをやらなければだめだと思って、酒とたばこ、どうしてもこの酒とたばこが
青少年の非行化に突入する原因になっている。
大臣、これは昨年のこの
委員会ででしたか前回の
委員会で警察庁の方に伺ったら、飲酒、喫煙が非行化への引き金になっているケースが非常に多いという御
答弁。そこで、何とかして子供たち、子供というか
青少年の喫煙、飲酒、そういうものを指導しなければいかぬ。細かいことだとおっしゃるかもわかりませんけれども、最近はたばこは自動販売機、酒も自動販売機。これは子供たちがもう何のはばかるところなくたばこも買える、酒も買える、こういう
状況ですね。
青少年に与える影響の中では、たとえばいわゆるポルノ
雑誌とかそういうものも非常に大きな影響がある、映像も影響がある。しかし、これらは表現の自由などいろいろむずかしい問題があって、これらを法律で規制するのにはまだまだ相当な議論が必要だと思うのですが、たばこ、酒という、これはもう明らかに監督官庁が判断をすればできる問題がなおざりにされているのじゃないか。
これは前回も申し上げましたが、具体的にもう一度
大臣にお聞き取りいただきたいから重ねて申し上げますが、滋賀県に多賀町という町があるのです。その多賀町の町長さんは町民にアンケートをやった。何が一番子供たちの非行化につながっていると思うか、大人が悪いとか何が悪いとかといういろいろなアンケートの
調査結果の中で、たばこが悪い、酒とたばこが
青少年の非行化に一番影響している、そこで、この多賀町という小さな町の町長さんは町民
会議というのを開いて、たばこの自動販売機をみんなやめちゃおうということを決めたのです。それはたばこ屋さんの商売も非常に困るし、それからたばこを吸う大人にとっても不便でしようがない、自動販売機があれば二十四時間いつでも買えるのにやめちゃうと言われたのじゃ困るというので大分問題になった。大分問題になった結果いろいろ話し合って、深夜、つまり大人がだれも子供が買うのを監督ができない、注意することができないような時間にずっとたばこ売りっ放しというのはいかがなものかというようなことが町民の合意で決まって、たばこ屋さんもそれじゃいいわということになって、これは非常にいい形だと思いますね。町民みんなの意向です、じゃこういうことを規制しましょう。だけど、これは一多賀町だけじゃ余り効果がないわけで、全国的に、これはたとえばの話ですよ、
青少年の非行化に飲酒、喫煙なんというものが一つの引き金になって、どうも大人のまねをしたい、崩れた大人のまねをすることがばかに
自分が偉くなったような気がする、かっこうがいいなんという発想から、飲酒、喫煙というものが非行化の引き金だ、そこで、たばこの販売店に対してもう少し指導してもらいたいということをここで申し上げた。総理府の
青少年対策本部の方に、これはひとつ専売公社とも相談してほしいとお願いをしたところが、専売公社と相談してくださった。専売公社から、なるべくもう少し厳重に未成年にはたばこを売らないようにしようとか、いろいろ言ってくださった。これがどこまで実行されるかというのは非常に問題ですけれども、しかしそこまで専売公社は、
最初はどうも非常に消極的だった専売公社がそこまで踏み込んでくださった。これは専売公社、私は半歩くらい前進したというふうに思っているのです。
大臣、これは御参考までに
大臣に申し上げますけれども、
アメリカ、西ドイツ、フランス、この欧米三国ではたばこはラジオ、テレビによる広告は禁止されているのですよ。禁止ですよ、酒もたばこも。
アメリカでも禁止、西ドイツでもラジオ、テレビによるたばこの広告は禁止ですよ。フランスも禁止です。それは彼らは健康上の問題も相当ある。それからやはりその他いろいろなことを
考えているからここまでやっているのですよ。私たちは
青少年の非行化とか中学生の非行化とか言うけれども、大部分は大人に責任がある。私は大人に責任があるなどといって子供を甘やかすつもりはありません。甘やかすつもりはありませんけれども、大人が
青少年の非行化の環境をつくっているというところに思いをいたさなければいけないと思うのです。
二、三週間前に元文部
大臣だった永井道雄さんがNHKの放送討論会に出席をされて、
政治がこの非行化問題で何かやることがあるのじゃないかというようなやりとりの中で、永井さんは、それは
政治が非常にやるべき仕事がある、第一は、
政治家とか政党とか
政治が、悪いものは悪い、いいものはいい、悪いことをしたら悪いことをしたやつを排除する、そういうけじめを
政治が見せなければ、そういうことをそのままにしておいて、子供たちに、おまえが悪い、何が悪いと言ったって効果なんかない。
文教行政がいろいろなことを言ってみたって、中
学校がどうなってます、町がどうなってます。それも大事ですよ。私はそれは
意味がないと言っているのじゃないですよ。そういうことは大事だけれども、大もとは、毎日毎日、新聞の一面にでっかく出る
政治の記事の中で、悪いものは悪い、いいものはいい、悪いものに対するけじめ、こういうものがなければ
教育は成り立たない、
青少年に対する指導は成り立たないと永井さんはおっしゃったのです。元文部
大臣はおっしゃったのです。私はそのときテレビの前で、これだと思いましたよ。
元文部
大臣はそうおっしゃったけれども、いまの文部
大臣はどうおっしゃいますか。