○堀
委員 そこで、時間がもうありません。きょうは、本当は二時間ぐらいいただいて、世界経済からアメリカ経済、石油の問題、ずっとやって、そうして五十八
年度経済の
議論をしたいと思ったのですが、時間が一時間じゃどうにもなりません。
そこで、昨日何か
議長の御見解が出て、
減税を
政府はやりなさいということのようでありますね。昨年の
経過を
会議録に少しとどめておきたいと思うのです。
昨年のたしかいまごろに、やはり同じように
減税問題で
予算委員会がストップをしましたね。そのときに、当時の
竹下幹事長代行が、
竹下さんというのはなかなか頭が働く人でして、昭和四十六年だったかな、主税
局長、あれはいつですかね、あのガソリン税の処理の問題は。ちょっと私も正確に覚えてないのですがね。要するに、ガソリン税を引き上げるときに農業関係の
皆さんが、われわれの耕運機というのは道路
特定財源で道路を走るんじゃないぞ、ともかく道路を通りはするけれ
ども、もっぱら走っておるのはたんぼの中を走っておるのに、なぜ道路
特定財源を全部われわれが負担しなければいかぬのかという話が出まして——やはり四十六年でしたね。そこで、これは
予算委員会ではちょっともてあますということで、大蔵
委員会に回ってきて、そして私
ども大蔵
委員会で、切符を出したりするのはどうも大変だからということで、農道その他の
予算をつけるということで処理をしたという例が過去にあったのを、どうも
竹下さん思い出したと見えて、大蔵
委員会に小
委員会でもつくって、ひとつ税金の問題はやってくれというお話が出てきたようであります。
私は、そういう話を聞いて、税の問題というのは
政府とわれわれとだけが対立してやっておって物が解決するものではないと思って、すでに一昨年の大蔵
委員会で、税の問題については
与野党で一遍十分忌憚のない
意見が交換できるような場をつくったらどうかという提案をしたら、山中さんが、よし受けて立つという不規則
発言をしましたので、それが私は頭にありましたので、ひとつそれならそういう小
委員会というので一遍みんなで勉強してみることは
意味がある、こう思ったもので、ただし、山中貞則さんが小
委員長を引き受けて
責任を持ってやるというのならともかく、この人がやらないならこっちもやるまい、こういうつもりでおりました。私は、長い間山中貞則さんとはこの
委員会で御一緒に仕事をしてきて、その識見、能力を十分に評価しておるものですから、この人が小
委員長をやってくれるのなら何とかなる、こう思って、そこで結果的にはそういうことになって小
委員会はできたわけであります。言うなれば、この小
委員会というのは
竹下さんが仕掛け人で、そしてできたというのが経緯なんですね。
そこで、いろいろ
議論をしてきて、十一月十九日に、この小
委員会は
減税をやるということは
与野党一致をした、
財源その他は追ってさらに詰めるという
中間報告を、
議長に実は出しておるわけなんですね。
議長に
中間報告を出すということは、きわめて重大な
意味を持っておると思いますので、私は、これで一山越したという認識だったわけであります。内容その他がどうなるかは
皆さんの
合意の上でいいけれ
ども、やるということはこれで決まった、こう考えたのでありますけれ
ども、結果的に、中曽根内閣ができて山中さんは通産
大臣になられた。
私のところに電話があって、「堀君済まぬ。おれのところの中曽根が総理になって、通産
大臣をやれと言うので、引き受けぬわけにもいかぬから、後はひとつ頼むよ」という話でありました。私は、「とんでもない、あなたが小
委員長を引き受けたから、私はこの小
委員会に賛成をした。一番大事な肝心なところでその小
委員長が逃げ出したのじゃ、これはもうこの小
委員会は成果を期することは困難だ」「後は村山君によく頼んだから頼むよ」という山中さんのお話でありましたが、村山さんとお話をした限りでは全然見込みがない。私
どもが、
自民党の方に案を出してくださいと言って九月にボールを投げて、その投げた
経過の中で
減税をやりましょうという話になって、そうして、なおかつボールは
自民党が持ったままで、何もしないで
政府案、
自民党税制調査会案を決めてきたという、まことにこれは、この小
委員会に参加したメンバーに対しては、背信行為の最たるものを実は
皆さんがやってきたわけです。
だから私は、そういう
意味で、今度二階堂幹事長から
減税をやるというお話が出てきたときに、一体
自民党は公党として恥ずかしくないのかという気がしてならなかったわけです。あれだけの手続をとり、そして
議長にまでやりますと答申しながらできなかった。それも、小
委員会に図ることなく
自民党税調、
政府税調で一方的に五十八
年度の税の処置を決めておいて、そうして小
委員会を開いてくれ。まあ、いま
自民党が多数だから何でもできると思っておられるかもしれないが、私は、そうはいかないと思っているのです。やはり
政治家は
政治家として、少なくとも
お互いに信頼感を持って仕事をした以上は、その相互の信頼にこたえなければ、私
どもも、今後そういう対応をすることはできないわけです。
だから私は、私
どもの党の関係者の
皆さんに、あくまで今度は
政府がやるということにしてもらわなければ、われわれは大蔵
委員会でやるなんということは一切引き受けない。
減税をやっていただくなら、
政府の
責任でやってもらうならよろしい、
政府がみずから
財源を決めて、そして税法を
政府案として
国会に
提出してくるということでなければ、この
委員会でやれなどということは、過去のこの
経過から見て断じて認められないということを私はここで公式に
発言をして、記録にとどめておきたいと思っておるのです。
そうして、それに関して
竹下さんは仕掛け人であったわけであります。ですから、そういう一連の
経過を踏まえて、今日の時点で
竹下大蔵
大臣は、この問題の処置をどういう方向で、金額や時期の話を聞いているのじゃないですよ、
政府の
責任においてやりますということならよろしい、それはどうぞやっていただきたい、私
どもも大いに賛成だ。しかし、当小
委員会で何かをするということについては、私は、まだ各党、ほかの党の
皆さんと御相談をしておりませんけれ
ども、断じてそういうことは受けないという決意でありますので、ひとつ大蔵
大臣の御見解を承りたい。