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伊藤(茂)
委員 大臣すぐ戻るそうですから、始めておきます。
いまの
上田委員の御質問にもございましたが、私はこの
法案を見て、一言言わなければ、これは
審議に入らぬという気持ちを深くしているわけであります。先ほど
大臣お答えになりましたから、私は関係の
局長さんにぜひ一言申し上げてから質問事項に入らせていただきたいと思います。
去年の当
委員会の記録にあるわけでありますが、塚田
委員の質問に対して当時理財
局長、吉本さんですね。
補助貨幣の
回収準備資金はどういう
意味があるのかということについて、「この
制度は、
補助貨幣の
発行額面総額に見合う
準備資金を保有することによりまして、
貨幣の
信認を
維持するということでございまして、一つの
制度として確立しておるものでございますし、私
どもとしては、現在の
制度が適切なものであるというふうに考えております。」という答弁をいたしております。さすがにその後渡辺
大蔵大臣はいろいろと
考え方の問題がありますから、勉強していきたい、まあ政治家ですね、そういう答弁をしているわけであります。
これだけではなくて、私は幾つか思うところがあるわけでありまして、昨年も、もうすでに本省にはいらっしゃいませんけれ
ども、前主税
局長に、私
どもは膨大な
財政収入赤字が起きるのではないかということを昨年の
予算委員会の
法案審議の前の冒頭からいろいろと提起をしたという経過がございます。そのときの答弁も、ぜひ必ず——必ずとは言わなかったかもしれませんが、
予算どおりになることを確信しているというようなお話でございましたが、しばらくたちますと神に祈るような気持ちでというお話でありまして、さらにしばらくたちますと、どうにもなりませんというお話になっているわけでありまして、やはり
責任を持つ大蔵省の
局長の皆さん方とそれから私
ども大蔵
委員の関係でありますから、うそを言ったのでは困るので、うそと言っては恐縮かもしれませんけれ
ども、昨年この
議論のときにも、そのうちこういうものは隠し金だから崩すことになるだろう、しかし
減税じゃなくて、大蔵省としてはもっと別の方に使いたい、まあ腹の中ではそう思っていたと思うのですね。
そこで、きれいごとの答弁を聞いてもしようがないので、私は、これだけではないのです。とにかく税収欠陥の問題その他いろいろあるわけでありまして、昨年の吉本さんの答弁、今度はナポレオンにかわりましたから正直にいくのだろうと思いますけれ
ども、きれいごとの話を伺っているよりも、何か皆さん正直でなければいけませんなんという話をしたら、小学校の子供さんにお話をするような恐縮な話になりますから、そこでやめておきますけれ
ども、この点については今後きちんとした対応をして、そして駆け
引きや腹に思ったことと別のことを言うのではなくて、フェアな
議論をしていく、ぜひお願いをいたしておきたいと思います。答弁は大体想定されますから答弁は要りません。気持ちだけまず申し上げておきます。
昨年もこの関連の
議論が
予算委員会や当
委員会でございましたときに、私は、特別会計のさまざまな状態、一体どういう現実になっているのかということを非常に関心も持ち、疑問に思ったわけであります。いろいろと私
どもの方でも勉強をしてみました。各特別会計、
政府関係機関の運用
状況、利益の一覧表、あるいはそれがどう使われているのか、あるいはそれを取り崩す場合には一体それぞれについてどういう問題があるのかというようなことも調べてみたわけであります。私は、それを見ますと、そのあり方、会計
内容にもっとメスを入れる必要があるのではないだろうかという気がしてならないわけであります。
その後、ことしに入りまして臨調の第二部会の報告が出まして、この中に「特別会計
制度の合理化」ということが幾つかの柱について述べられております。私は、臨調報告全体についてはいろいろと
意見があるのですが、この部分については、まあごもっともな
内容じゃないかというふうに実は思ったわけであります。
いずれにいたしましても、三十八の特別会計があって、勘定別の数でいきますと約七十、それぞれの特別会計法で設置をされている。そうして、私
どもの調査では、その経営
内容を見ますと、五十七
年度の当期利益見積もりが合計約八千億円、積立金が合計九兆円ということに実はなっているわけであります。また、その当期利益金についても電電公社とか中央競馬会のように一部を国庫納付しているあるいはさせられている、電電なんかで言えばそういう感じでありますが、そういうところもありますが、多くのところはいろいろな扱いになって、ある部面では貸倒準備金などといいますか、そういうふうな中に含められているというふうにも思うわけであります。
臨調の第二部会報告を見てみますと、全体の
予算規模が五十七
年度歳出予算で総計百七兆円、
一般会計予算五十兆円の二倍強、そして特別会計と
一般会計などの重複を除いた
予算純計は約九十兆円、
一般会計から特別会計への繰り入れは約二十七兆円、
一般会計の半分以上が特別会計に繰り入れられている。しかし
国会でも
一般会計中心に
議論が行われて、特別会計について
国会審議が少ないので云々というような言葉まで書いてあります。
私
どもも、この特別会計全体あるいはこれからの関係法の
議論になりますが、財投とかあるいは運用部
資金のさまざまな運用
状況とか、もっと勉強しなければいけないのじゃないだろうかと実は思うわけであります。臨調も
指摘をしておりますように、こういう複雑な仕組みではなくて、わかりやすいことにしなくてはいけないのじゃないだろうか。この部会報告でも「
予算全体の仕組みを複雑にし、
財政の一覧性が阻害されやすいという面がある。」ということを
指摘をしているわけであります。
そういう立場から、四点ほど伺いたいわけでありますが、第一は、
資金保有
状況あるいは
資金の保有をどう理解をできるのかという問題であります。
私もいろいろ調べてみて思いましたが、この臨調部会報告にも
指摘をされておりますけれ
ども、たとえば保有額の妥当性に疑問のあるもの、たとえば
補助貨幣回収準備資金、ただいま
議論になっているわけでありますが。それから、
多額の
資金を保有しているにもかかわらず、その基準が必ずしも明確でないもの、たとえば外為
資金特別会計積立金。それから長期的に
多額の剰余金が繰越処理されているもの、これも今
国会で話題となるわけでありますが、自動車損害賠償
責任再保険特別会計、これなんかはお金が余っているのですから、その掛金を安くするか利用者還元するのがあたりまえのお金であって、たくさんたまったから赤字の穴埋めに吸い上げようというのはおかしいと思いますが、いずれにしても、何かはっきりしない経過で蓄積をされて、それが便利に使われるというふうなことではないだろうか。
臨調部会報告もその点を
指摘をしているというふうに思わざるを得ないわけでありますが、現在のこの
補助貨幣準備積立金、それから自賠責の方はまた
法案で
議論をされますが、たとえば外為会計積立金、これも一千億崩そうとか二千億崩そうとか、いろいろ出ているわけですね。それらが一体どういう基準で、あるいはここで
指摘をされているように、どういう基準が一体明確なあるいはフェアルールとしてあるべきお金なのか、その辺について
考え方をまず伺いたい。