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1983-02-10 第98回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年二月十日(木曜日)     午前十一時十分開議  出席委員    委員長 武藤 山治君    理事 愛野興一郎君 理事 野田  毅君    理事 岡田 利春君 理事 中西 績介君    理事 小渕 正義君       北村 義和君    古賀  誠君       三枝 三郎君    山下 徳夫君       塚田 庄平君    細谷 治嘉君       小沢 和秋君    石原健太郎君  出席国務大臣         通商産業大臣  山中 貞則君         労 働 大 臣 大野  明君  出席政府委員         通商産業政務次         官       渡辺 秀央君         通商産業省立地         公害局長    福原 元一君         資源エネルギー         庁長官     豊島  格君         資源エネルギー         庁石炭部長   弓削田英一君         労働大臣官房長 加藤  孝君         労働省職業安定         局高齢者対策部         長       増田 雅一君  委員外出席者         商工委員会調査         室長      中西 申一君     ───────────── 委員の異動 二月二日  辞任         補欠選任   太田 誠一君     三枝 三郎君     ───────────── 本日の会議に付した案件  石炭対策に関する件      ────◇─────
  2. 武藤山治

    武藤委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  石炭対策基本施策について、山中通商産業大臣及び大野労働大臣から、それぞれ発言の申し出がありますので、順次これを許します。山中通商産業大臣
  3. 山中貞則

    山中国務大臣 第九十八回国会における衆議院石炭対策特別委員会の御審議に先立ち、石炭政策に対する私の所信一端を申し述べます。  最近のエネルギー情勢を見ると、世界的に景気が低迷しているほか、省エネルギー努力及び石油代替エネルギー開発導入努力が成果を上げつつあり、石油需給緩和基調で推移しております。しかしながら、中東情勢は依然流動的であり、また、中長期的にもエネルギー問題解決への努力を怠れば、エネルギー需給不安定化逼迫化の方向に向かうことは避けがたいものと考えられます。特に、エネルギー供給における石油依存度及び海外依存度がともに主要先進国中最も高いわが国にとって、中長期的展望のもとに、石炭を初め石油代替エネルギー開発導入促進等エネルギー安定供給のための基盤づくりを着実に推進していくことが、依然きわめて重要な課題となっております。  政府としては、このような観点から、総合エネルギー政策の柱の一つとして、石炭の安定的な供給確保とその利用拡大を推進するため、引き続き所要施策を推進してまいりたいと考えております。  まず、貴重な国産エネルギーである国内炭については、一昨年八月の石炭鉱業審議会の第七次答申の趣旨を尊重し、また、昨年、五年間延長措置が講ぜられた石炭鉱業合理化臨時措置法等関連法律に基づいて、わが国石炭鉱業の自立を目指して石炭政策を推進してまいる所存であります。  このため、石炭需要確保に努めるとともに、各般にわたる助成措置実施により、石炭鉱業経営の安定を図りつつ生産体制の一層の改善を図ってまいることとしております。  その際、強調しておかなければならないのは、石炭鉱業にとって保安確保は何物にもかえがたい不可欠の前提条件であるということであります。一昨年の北炭夕張炭鉱及び最近の真谷地、空知炭鉱での事故の教訓を十二分に生かして、対策の一層の充実を図ることにより保安確保に万全を期してまいる決意であります。  ところで、北炭夕張社の再建問題については、昨年十月、労使間の合意が見られ、同社は会社更生法に基づき裁判所の許可を得て事業の縮小を行ったところでありますが、現在、法の定めるところに従い更生手続中にあり、裁判所の判断にゆだねられております。政府としては、管財人関係者理解協力を得て将来への展望をも含めた更生計画案をできる限り早く作成されることとなるよう期待しているところであります。  今後の石炭需要の増大に対応するために重要な地位を占めるに至った海外炭については、その低廉で長期安定的な供給を図るため、産炭国における探鉱開発から輸送手段コールセンター等国内受け入れ施設整備に至るまでの一連の海外炭安定供給システムの確立を引き続き図っていく必要があります。このため、政府としては、新エネルギー総合開発機構による融資等所要措置を講じてまいる所存であります。また、石炭利用技術研究開発についても、引き続き積極的に推進してまいる考えであります。  鉱害対策及び産炭地域振興対策についても、引き続き国土保全及び民生の安定並びに産炭地域における鉱工業の計画的発展等を図る見地から各般にわたる施策を推進してまいる所存であります。  鉱害対策については、昨年、十年間延長措置が講ぜられた臨時石炭鉱害復旧法等関係法律に基づいて、今後、期間内に事業の円滑な終結を図るよう努め、累積鉱害最終的解消を図るため最大限の努力を払ってまいる考えであります。  また、産炭地域振興対策についても、一昨年、十年間延長措置が講ぜられた産炭地域振興臨時措置法に基づいて、産炭地域の計画的な発展を図るため、総合的、効率的な対策実施に努めてまいる方針であります。  以上申し述べました諸施策実施については、昭和五十八年度の石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計電源開発促進対策特別会計予算案において、所要財源措置を講じております。  衆議院石炭対策特別委員会委員各位におかれましては、以上述べました政府方針を御理解の上、今後とも石炭対策に対し、御支援、御協力をいただきますようお願い申し上げます。(拍手
  4. 武藤山治

  5. 大野明

    大野国務大臣 第九十八回通常国会における衆議院石炭対策特別委員会の御審議に先立ちまして、石炭鉱業における当面の労働問題について、一言所信を申し述べ、委員長初め委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。  現在、わが国石炭鉱業においては、石炭鉱業審議会の第七次答申に基づき、国内資源としての石炭有効活用を図るため、関係者が一丸となって御努力をいただいているところでございますが、採掘条件の悪化、需要低迷等石炭鉱業を取り巻く環境は厳しさを増しつつあります。もとより、国民経済の円滑な運営のためにエネルギー安定供給が要請されることは多言を要しないところであり、今後、この要請にこたえるべく、関係機関が一層連携を密にして石炭政策を推進していくことが必要であります。同時に、石炭産業におかれましても、労使協調のもとに一層の自己努力を重ね経営基盤の安定を図るとともに、保安確保労働環境生活環境整備を行い、労働者の就業の安全と雇用の安定、福祉の向上をはかることが肝要であると考えているところでございます。  労働省といたしましては、このような観点から、引き続き、必要労働力確保じん肺等に関する健康診断徹底等による労働者の保護に努めるとともに、昨年有効期限延長されました炭鉱離職者臨時措置法等に基づき、広域職業紹介活動による離職者就職あっせん等につきまして、積極的に取り組んでまいる所存でございます。  なお、焦眉の急となっております北炭夕張炭鉱関係離職者の再就職対策につきましては、昨年十月以降関係機関の御協力を得て、全国の職業安定機関一体となって努力を続けているところでございます。雇用失業情勢が低迷していること、高年齢者が多くなっていることに加え、炭鉱の再開発問題等が絡み困難な状況にありますが、一日も早く、一人でも多くの再就職を実現すべく、一層の努力をいたしてまいる所存でございます。  以上、石炭鉱業における当面の労働問題につきまして、所信一端を申し上げました。  今後とも、委員長初め委員各位の御意見を十分拝聴いたしまして、行政の推進に努めてまいる所存でございますので、格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(拍手
  6. 武藤山治

    武藤委員長 次に、昭和五十八年度通商産業省所管及び労働省所管中、石炭関係予算概要について、政府からそれぞれ説明を聴取いたします。資源エネルギー庁弓削田石炭部長
  7. 弓削田英一

    弓削田政府委員 お手元にお配りしております資料に基づきまして、昭和五十八年度石炭関係予算概要について御説明申し上げます。  まず、「昭和五十八年度石炭対策関係予算予定額」の資料に即しまして、石炭勘定中心に御説明申し上げます。  第一は、石炭鉱業合理化安定対策であります。  昨年、本委員会で御審議いただき、期限が五年延長されました石炭鉱業合理化臨時措置法等関連法律に基づきまして各般施策を引き続き推進していくこととし、約四百五十五億円の予算を計上しております。  今後とも深部化奥部化の進行が見込まれる現存炭鉱での円滑な坑道整備を図るため、坑内骨格構造整備拡充事業費補助金について補助限度額を引き上げる等により百二十七億円に増額いたしますとともに、新エネルギー総合開発機構近代化資金等融資事業規模も二百三十二億円に拡大し、合理化設備導入を促進することといたしております。  また、保安確保対策につきましては、一昨年十月の夕張炭鉱におきますガス突出災害教訓等を踏まえ、まず、鉱山保安技術調査委託費につきまして、ガス突出防止のための応力解放に関する総合的な実証研究ガス抜き効果向上に関する実証研究等予算を新規に計上し、大幅に増加いたしますとともに、鉱山保安確保事業費補助金につきましても、緊急坑内連絡装置等を新たに補助対象に追加するほか、コアボーリング等に対する補助限度額を引き上げ、ガス抜き工事中心とした増額により、全体として八十六億円を計上することといたしております。  第二は、鉱害対策でございます。  鉱害関係二法につきましても、昨年、本委員会で御審議いただき、その期限が十年延長されましたが、これら二法に基づき引き続き鉱害対策を推進していくこととし、五百八十八億円の予算を計上しております。  このうち、昭和五十八年度の鉱害復旧事業規模につきましては、これを六百九十九億円とし、鉱害復旧事業資金補助金を五百十二億円に増額することといたしております。  また、有資力鉱害復旧を促進するために、石炭鉱害事業団鉱害賠償資金等融資事業規模を六十六億円に拡大することといたしております。  第三は、産炭地域振興対策でございます。  産炭地域振興対策につきましても、産炭地域振興臨時措置法に基づきまして、各般施策を引き続き推進することとし、八十八億円の予算を計上しております。  このうち、産炭地域内の市町村が一体となって形成する経済生活圏ごとに、その地域特性に応じた広域的な地域発展を図るために一昨年創設されました産炭地域振興臨時交付金特定事業促進調整額につきましては十五億円に増額することといたしております。  また、産炭地域における工業団地造成及び企業の誘致を推進すべく地域振興整備公団による土地造成事業及び融資事業に必要な資金を引き続き確保することといたしております。  第四に、炭鉱離職者援護対策及び産炭地域開発雇用対策でございますが、これらにつきましては、後ほど労働省から御説明があると存じます。  以上が石炭勘定に計上されている予算概要でございます。  また、昭和五十七年度から石油及び石油代替エネルギー勘定国内炭対策予算として計上されております石炭資源開発基礎調査費補助金及び石炭生産技術振興費補助金につきましても合計二十二億円に増額することといたしております。  ただいま申し述べました石炭勘定に計上しております約千三百四十三億円と石油及び石油代替エネルギー勘定国内炭対策予算として計上しております約二十二億円とを合計いたしますと、昭和五十八年度の石炭対策関係予算は、約千三百六十五億円となっております。  次に、「昭和五十八年度海外炭石炭利用促進対策関係予算予定額」の資料に即しまして、その主要な項目について御説明申し上げます。  まず、海外炭探鉱開発を保進するための予算につきましては、探鉱資金融資及び開発資金債務保証に必要な資金確保を初めとして、全体として四十五億円の予算を計上しております。  また、石炭利用拡大を図るため、一般産業における石炭転換コールセンター建設等に必要な資金を日本開発銀行が低利で融資する設備転換等融資事業につきましても、事業規模を二百億円に拡大することといたしております。  さらに、技術開発につきましては、流動床COM等、短中期に開発が期待される石炭利用技術研究開発を促進するため三十八億円を計上いたしますとともに、石炭液化技術及びガス化技術開発を引き続き推進するため、所要資金確保することとしております。  以上で、通産省関係昭和五十八年度石炭関係予算案の御説明を終わらせていただきます。
  8. 武藤山治

  9. 増田雅一

    増田政府委員 お手元にお配りしております資料に基づきまして、「昭和五十八年度石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計石炭勘定予算葉」の労働省所管分について御説明申し上げます。  まず、予算総額は、最下欄にございますように百八十四億四千九百四十四万八千円で、前年度に比べまして一・四%のマイナスとなっております。  次に、内訳について御説明申し上げます。  まず、炭鉱離職者援護対策費の項の1の炭鉱離職者援護対策事務費でございますが、これは職員人件費等に充てる経費でございまして、職員を二十九人減じましたので、三億五千五百八十五万六千円を計上しております。  2の炭鉱離職者緊急就労対策事業費等補助金でございますが、炭鉱離職者緊急就労対策事業実施等に充てる経費といたしまして、吸収人員は百五十人を減少いたしましたが、事業費単価は二百七十円を増いたしまして五十五億七千四百三万三千円を計上いたしております。  3の炭鉱離職者援護事業費補助金でございますが、雇用促進事業団において実施する職業訓練等に充てる経費といたしまして、前年度とほぼ同額の三億七千八百三十三万六千円を計上いたしております。  4の炭鉱離職者職業訓練費補助金は、県において実施する職業訓練に充てる経費でございますが、北炭夕張関係に係る対象者の増がございまして六千七百九十六万五千円を計上いたしております。  5の炭鉱離職者就職促進手当は、就職促進手当支給に充てる経費でございますが、これも北炭夕張関係に係る対象者の増及び手当日額を引き上げまして十三億六千九百四十九万三千円を計上いたしております。  6の炭鉱離職者職業転換特別給付金でございますが、移転費等各種給付金支給に充てる経費といたしまして、北炭夕張関係に係る対象者の増と単価引き上げ等を見込みまして一億九百八十一万七千円を計上いたしております。  次に、産炭地域開発雇用対策費の項の2の産炭地域開発就労事業費補助金でございますが、これは産炭地域開発就労事業実施に充てる経費といたしまして、吸収人員は前年と同数、軽業費単価は三百十円を増いたしまして百五億九千三百十四万三千円を計上いたしております。  簡単でございますが、労働省所管分について御説明申し上げました。
  10. 武藤山治

    武藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十八分散会