○角田(達)
政府委員 先ほど来お話に出ておりましたように、今回、三月二十六日に
決定を見ました自動車
関係の
改善措置は、大きく分けますと二種類になります。
一つは、いま先生がおっしゃいましたような
型式指定の要件の簡素化、それからもう
一つは安全
基準の
緩和、この二つに区分されるわけでございますが、この
型式指定の簡素化につきましては、米国側は、自己
認証制度を
日本がまだ採用してくれない、こういうことについての不満は表明しております。
自己
認証制度といいますのは、メーカーが国の定める安全
基準あるいは公害
基準に適合しているというふうにみずから検査をして決めまして、後、
政府はトラブルがありましたときに事務的にチェックする、こういう仕組みでございますが、
わが国の
型式指定制度というのは事前にチェックする制度でございまして、米側と全く国情の異なる
わが国としてはそういう仕組みはとれないわけでございまして、これは従来から
アメリカから
要求がございましたが、自己
認証制度はとれないということは従来から
アメリカ側に申し入れているわけでございます。そういうことで自己
認証制度が今回の
措置で入っていないということについて、不満は確かに表明しております。しかし、今回の簡素化の
努力につきましては、
基本的に米側は歓迎しているということでございます。
それからもう
一つは、
先ほど申し上げましたように、安全
基準の問題についての米欧並みの調和を十一
項目ばかり図ったわけでございますが、それは直ちに
基準の改造
関係の経費の削減になりますので、これは向こうとしては評価している、こういうことでございます。
それから、今後の
措置でございますけれ
ども、
型式指定の要件、
手続の簡素化というのは、われわれとしては相当思い切った簡素化
措置を打ち出したわけでございまして、これ以上の簡素化はないというふうに思っておりますけれ
ども、米国は、まだこの
型式指定というものを活用したことがございません。したがいまして、
型式指定の活用方策について専門的に、
技術的に、まだ彼らとしては
理解ができない部分があります。そういうことで、私
どもとしては担当課長を米国にも差し向けまして、
政府の
関係者あるいは米議会の議員のスタッフ、それから
アメリカのメーカー、こういった各方面に
理解を求めるべくPRをしてまいってきておるわけでございます。
向こうの最終的な
型式指定の簡素化についての反応はまだございませんが、私
どもの方にいろいろな専門的な
質問をしておりますので、この簡素化の中身が米国側でよく
理解されれば、この制度も活用できるのではないかというふうに
考えておりまして、私
どもとしては米国側と、それからわれわれとの間での、実務者レベルでの具体的な意見交換を今後とも熱心に行うということで、米国側の十分な
理解が得られるようにこれから
努力してまいりたい、かように
考えておる次第であります。