○坂本政府
委員 昭和五十八年度
厚生省所管
予算の概要につきまして、お手元の資料に従いまして簡単に御説明を申し上げます。
昭和五十八年度
厚生省関係の
予算額は、総額で九兆六百十四億六
千八百万円でございます。前年度に対しまして、額で四百四十六億三千三百万円の増、率で〇・五%の伸びとなっております。
次のページは、
厚生省予算を経費別に掲げたものでございますが、一番下の欄をごらんいただきますと、
厚生省予算額の一般会計総
予算額に対する割合は一八・〇%となっております。
以下、主な内容につきまして御説明を申し上げます。
目次のページを二枚飛ばしていただきまして、一ページ目をごらんいただきたいと存じます。
最初は、
福祉対策関係でございます。
まず、在宅
老人福祉対策は総額百三億九千五百万円でございますが、特に要援護
老人対策に
重点を置きまして、
家庭奉仕員を一万六千六百十八人から一万八千二百七十八人と大幅な増員を図るとともに、日常
生活用具につきまして新規種目を取り入れまして、さらに
デイ・サービス事業等の
施設活用サービスの
拡充を図っております。
二ページにまいりまして、二ページの中ほどから三ページにかけましては在宅
身体障害者対策でございます。総額で六百七十八億六千九百万円でございますが、
社会参加促進
対策に
重点を置きまして、備考の2にございますように、
身体障害者相談員の増員、一県当たり
事業費の増額、メニュー
事業の追加、
デイ・サービス事業実施個所の増加等を図っております。
なお、三ページの備考の5に
福祉手当がございますが、
福祉手当の額は、各種
年金と同様の取り扱いといたしまして、その金額は据え置くことといたしております。
四ページは在宅心身障害児(者)
対策でございます。総額で一千百一億七百万円でございます。内容的には精神薄弱者通所援護
事業、精神薄弱者相談員、精神薄弱者通勤寮運営、心身障害児通園
事業につきまして、それぞれ個所数の増、人員の増を行うことといたしております。
なお、備考の一番下にございます特別児童扶養手当につきましては、
年金と同様、その金額は据え置くことといたしております。
五ページは
母子保健対策でございます。心身障害発生
予防対策を初めといたしまして各種
対策を進めるために、総額百三十七億三千七百万円を計上してございますが、新規
事項として、神経芽細胞腫検査技術者研修を行うとともに、小児慢性特定疾患治療
研究費の対象に内分泌疾患の通院治療を加えることといたしております。
六ページは保育
対策でございます。総額二
千八百三十二億三千百万円を計上してございます。
保育所措置費につきまして、特に乳児保育の対象拡大、嘱託歯科医手当の増を行うことにしております。さらに、特別保育
事業費につきましても
充実を図ることといたしております。
七ページは児童健全育成
対策でございます。総額七百五十七億九千万円を計上いたしております。
児童館六十カ所、児童センター八十カ所の新設を予定いたしております。
次に、このページの下から八ページにかけましては、
母子・寡婦等の
福祉対策でございます。総額二千二百九十三億八
千八百万円でございますが、
母子寡婦
福祉貸付金につきましては、最近の需要の増等を考慮いたしまして、
貸付原資の追加を行うこととし、貸付総額も増額を図っております。
八ページにまいりまして、
母子家庭等介護人の派遣
事業につきましては、対象数をふやすことといたしております。
なお、児童扶養手当につきましては、
年金と同様、手当額は据え置きといたしております。
次に、八ページの真ん中から下の低所得者援護
対策でございます。
生活保護制度につきましては、
生活扶助基準の三・七%引き上げを行うとともに、
生活扶助基準の男女差縮小を図り、また、
生活保護適正化対策を
推進することといたしております。また、世帯更生貸付
制度につきましても、世帯更生貸付補助金の
貸付原資の追加を行うことといたしております。
九ページにまいりまして、中ほどから少し上に
社会福祉施設の
整備と運営がございます。総額八千五百十四億五千九百万円でございます。
まず、
施設の
整備につきましては、積雪寒冷
地域の面積加算、養護
老人ホームの全室個室化
整備を図る場合の特例措置及び僻地
保育所に対する新規補助を行うほか、補助基準面積の拡大、補助基準単価の引き上げを行うことにいたしております。
また、
施設の運営費につきましては、十ページにございますように、まず、四十四時間勤務体制の計画的
改善のため四十分相当短縮の措置を講じることとしているほか、救護
施設における精神科医雇上費、
身体障害者療護
施設における非常勤
指導員雇上経費を新たに計上をいたしております。
次に、十一ページからは
保健医療対策の
関係でございます。
まず
老人保健対策でございますが、
老人保健法に基づく新しい
老人保健制度は本年二月一日から実施になりまして、五十八年度は満年度実施となるわけでございます。
医療につきましては、
老人医療給付費補助金といたしまして、
医療に要する費用の二割を計上しております。
次に
保健事業でございますが、備考欄の中ほどから十二ページに掲げてございますような各種の
保健事業を実施するとともに、十二ページにございますように、
保健事業実施のため、
保健所機能の強化を初めとする
基盤整備を行うことといたしております。
十三ページは
健康づくり対策でございます。総額三百四十一億七千四百万円でございますが、特に備考欄の下の方にございますように、
家庭婦人の健康診査費、栄養
改善地区組織活動費の対象地区の拡大を図っております。
十四ページを飛ばしていただきまして、十五ページをごらんいただきたいと存じます。
十五ページは救急・僻地
医療対策でございます。救急
医療対策につきましては、総額百四十七億八千五百万円を計上いたしまして、救急
医療体制の
整備を進めることといたしております。また、僻地
医療対策につきましては、総額四十六億九千万円を計上いたしまして、各種
対策の計画的
整備を進めることといたしております。
十六ページにまいりまして、真ん中よりやや上から特定疾病
対策を掲げてございます。
最初に難病
対策でございますが、難病
対策につきましては、特定疾患治療
研究費の対象疾患を二十四疾患から二十五疾患に拡大することといたしております。
十七ページは循環器疾患
対策でございます。国立循環器病センターの
整備と、国立病院循環器病診療部門強化を中心としております。
十八ページにまいりまして、まずがん
対策でございますが、国立がんセンター、国立病院・国立療養所の
整備を中心といたしております。
次の腎不全等
対策につきましては、腎移植を
推進するために、国立佐倉病院を全国の腎移植センターといたしまして、地方腎移植
施設を
整備していくことといたしております。
次に、その下の脳卒中リハビリ
対策でございますが、これはリハビリテーション
施設、
老人慢性疾患専門
医療施設の
整備と、理学療法士等養成所の強化を図ることといたしております。
十九ページは精神衛生
対策でございます。精神障害回復者
社会復帰
対策等の
推進を
重点としておりますが、特に五十八年度は、精神衛生
対策に必要な基礎資料を
整備するために、全国的な精神衛生実態
調査を実施することといたしております。
さらに、
老人精神衛生相談
事業についても
推進をしてまいることにいたしております。
二十ページにまいりまして、
保健衛生、
医療施設等の
整備でございます。新規
事項といたしまして、食肉衛生検査
施設及び設備を対象に加えることといたしております。
二十ページの下から二十一ページにかけましては、看護婦等の養成
確保対策と処遇
改善でございます。総額四百九十三億五
千八百万円を計上いたしまして、養成所の
整備を進めるとともに、院内保育
事業についても
充実を図ることといたしております。
二十二ページにまいりまして、
年金制度でございます。
年金の額につきましては、
現下の厳しい財政事情と物価動向の安定を考慮いたしまして、据え置きといたしております。
次に、
福祉年金の所得制限につきましては、老齢
福祉年金、障害
福祉年金の本人所得による支給制限については、これを支給率維持とすることといたしております。
また、
国民年金の国庫負担につきましては、今後
福祉年金の給付額の減少が見込まれるために、
福祉年金及び拠出制
年金の国庫負担の繰り入れにつきまして、長期的な観点に立ってその平準化を図る財政特例措置をとることといたしております。
二十三ページは、
医療保険制度でございます。
国民健康保険につきましては、
老人保健制度の全面的実施を前提といたしまして、臨時財政調整交付金等において金額の調整を行っております。また、助産費につきましては、補助基準額の十万円への引き上げが全被
保険者について完了することとなるわけでございます。
一番下の
社会保険事務費の国庫負担金でございますが、これにつきましては、従来どおり
社会保険事務費の国庫負担の原則を維持しつつ、被
保険者等の
保健、
福祉の
向上に資する業務に要する費用に限りまして保険料負担といたしたのでございますが、保険料率への
影響はございません。
次に、二十四ページにまいりまして、まず戦傷病者戦没者遺族等の援護
対策でございます。総額千四百十九億九千七百万円を計上しておりますが、遺骨収集、慰霊巡拝、慰霊碑
建設を進めるほか、特に中国残留孤
児対策の
充実強化を図ることといたしまして、新規に中国孤児センター、これは仮称でございますが、これを設置いたしまして、帰国直後の日本語学習、
生活訓練等を実施することにいたしております。さらに、訪日孤児の人員につきましても、百二十人から百八十人に増員することといたしております。
二十五ページにまいりまして、真ん中からやや上にございますが、平病死の遺族
年金等につきまして、恩給見合いの遺族加算という
改善を行うことにいたしております。
また、戦没者等の遺族等に対する特別給付金につきましては、従来の交付国債の償還期限が
到来いたしますので、さらに継続支給を行うことといたしまして、戦没者等の妻に対しましては額面百二十万円で十年償還、父母に対しましては額面六十万円で五年償還の国債を交付することといたしております。
次に、
環境衛生関係営業の
振興でございます。総額七十六億一千六百万円でございますが、特に都道府県
環境衛生営業
指導センターを三十カ所から三十八カ所に
増設することといたしております。
二十六ページへまいりまして、原爆被爆者
対策でございます。総額九百六十九億六千四百万円でございますが、各種手当額につきましては、
年金と同様、据え置きという措置をとってございます。なお、被爆者相談
事業といたしまして、相談員を十一人から十三人に増員することといたしております。
その下の
地域改善対策でございますが、総額五百五十三億二千百万円を計上いたしまして、
施設整備及び各種
事業を
推進することといたしております。
二十七ページは医薬品、食品等の安全
対策でございます。それぞれ最近における実情を踏まえまして、所要の経費を計上し、
施策を進めることといたしております。
二十八ページにまいりまして、血液、麻薬・覚せい剤等の
対策でございます。これにつきましても、最近いろいろと多くの問題が出ておりますので、実情を十分勘案いたしまして、特別
対策実施県の増を図っております。
次に二十九ページにまいります。二十九ページから三十ページへかけまして、
生活環境施設の
整備でございます。公共
事業費の枠内で、総額千五百七十六億六千二百万円を計上いたしまして、簡易水道の普及促進、水道水源の
確保と水道の広域化の
推進、
廃棄物処理
対策の
推進並びに広域
廃棄物埋立処分場の
確保を図ることといたしております。
三十ページの中ほどに
研究開発の
推進がございます。総額百六十六億四百万円を計上してございますが、各種の
研究費の主なものをここにまとめて掲げてございます。
なお、次の三十一ページ以降に各特別会計の歳入歳出
予算等の一覧表をつけてございますが、この説明は省略させていただきたいと存じます。
以上でございます。