○大坪
政府委員 ただいま
先生御
指摘ございましたように、ここ三年風水害、低温等によりまして、
農業にとりましては連年
災害という非常に残念な事態になっておるわけでございます。特に昨年の場合は三年連続ということでございまして、東北地方等におきましては連続して被災するという農家も出てまいったわけでございます。
そこで、私どもといたしましては、農地
農業施設の
災害復旧あるいは共同利用施設の
災害復旧等々の事業を実施したわけでございますが、被災農家に対しますには、いま
先生の御
指摘ございました負債
対策を含めた資金面の
対策については特に力を入れたつもりでおるわけでございます。
昨年について若干申し述べさせてい
ただきますと、先ほど申しましたように東北地方を
中心に三年連続の
災害発生という事態がございましたので、特に
関係の深い、問題の多い県の担当の
課長の参集を求めまして、現在の
対策の仕組みなり概要等につきましても十分
説明をし、その趣旨の徹底を図ったわけでございまして、極力、
地域なり農家の実情に応じた適切な
対応をしようということで
検討もし、そういった方向で
対策を実施したつもりでございます。
ただ、
先生おっしゃいましたように、確かに現在の農家の負債が多いという
実態があるわけでございますが、また統計的に見ますと別途貯蓄額も多いという点もございまして、一概には申し上げかねるわけでございますが、あくまでもそういった連年
災害を受けた農家に着目いたしまして、きめの細かい
対応をしていきたいと考えておるわけでございます。
昨年の例で申しますと、まず
一つは
農業共済金の場合でございますと、これは
借金でございませんで現金の収入でございます。したがいまして、極力早く支払うということで損害評価等一連の事務処理を迅速に行うということで指導してまいったわけでございまして、水稲に関しては十二月までには支払いを終わったということでございます。
その他の
対応といたしましては、現在の厳しい財政状況あるいは
農業施策に対する厳しい御批判の中では農家個々に対する補助ということはなかなかむずかしいわけでございまして、やはり基本的には融資面での
対応ということにならざるを得ぬわけでございますが、農家がまずどうしても資金が必要だという場合は、何と申しましてもまずすでに借り入れている資金をどうするかという問題が起こるわけでございます。これにつきましては、従来からも借り入れた資金の償還猶予等の条件緩和につきまして指導してまいったわけでございますが、
実態をやや調べてみますと、必ずしも十分に趣旨が徹底していない点もございましたので、昨年は特に県等に対しまして、先ほども申し上げましたが、
対策の概要等につきまして詳しく
説明し、かつ県を含めまして農協等
関係方面に対しましても、そういった借入資金の条件緩和につきましては指導を徹底したつもりでございます。
また、新たにどうしても資金が欲しいという農家についてでございますが、
先生も
ただいま御
指摘がございました天災資金でございますが、これは趣旨的には来期の再生産に必要な生産資材等の購入、つまり経営資金の融通でございますが、こういった資金の必要な農家については天災資金を貸す。
また天災資金は償還期間がやや短いという問題がございますが、農家の経営の
実態からいきましてより長期の償還期間の資金が欲しいという農家につきましては、自創資金の
災害資金を貸す。
さらにまた、
先生ただいま御
指摘ございました
借金、負債が過多となっている農家につきましては、経営の合理化を図りながら既存の債務を整理していきたいという農家につきましては、実は自作農維持資金の中に再建
整備資金というのがございます。これは年利が五%、償還期限が二十年以内、限度額が五百万ということでございますが、これにつきまして、農家の実情に応じまして同種の資金の貸し付けを行う等々の
対応を行ったわけでございます。
以上が
行政面での
対応でございますが、また農家の借入金につきましては、農協等からの借り入れもかなりあるわけでございますので、別途全国農協中央会等とも御相談いたしまして、系統農協金融機関なりに
対応してい
ただきたいということでの御
検討も依頼したわけでございます。
以上が大体昨年に行いました基本的な
対応の概要でございますが、今後の
対応につきましては、現在の状況のもとでは、農家に対する
対策といたしましては、やはり融資が基本にならざるを得ないと思うわけでございますので、そういったことを基本にしながらも、
被害の実情あるいは農家の
実態等に即応したきめの細かい
対応をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。