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1983-02-09 第98回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年二月九日(水曜日)     午前九時四十分開議  出席委員    委員長 北側 義一君    理事 阿部 文男君 理事 浜野  剛君    理事 水平 豊彦君 理事 安田 貴六君    理事 竹内  猛君 理事 永井 孝信君    理事 草野  威君 理事 玉置 一弥君       浦野 烋興君    太田 誠一君       瓦   力君    北川 石松君       佐藤 守良君    志賀  節君       中西 啓介君    中村  靖君       野中 英二君    井上 一成君       小川 国彦君    新盛 辰雄君       三浦  隆君    辻  第一君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 長谷川 峻君         建 設 大 臣 内海 英男君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      丹羽 兵助君         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長)   山本 幸雄君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      滝田 一成君         警察庁交通局長 久本 禮一君         運輸大臣官房総         務審議官    西村 康雄君         建設省道路局長 沓掛 哲男君  委員外出席者         特別委員会第一         調査室長    長崎  寛君     ───────────── 委員の異動 一月二十七日  辞任         補欠選任   松本 幸男君     小川 国彦君     ───────────── 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ────◇─────
  2. 北側義一

    北側委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、交通安全対策基本施策について、関係大臣からそれぞれ所信を聴取いたします。丹羽総理府総務長官
  3. 丹羽兵助

    丹羽国務大臣 昨年の十一月に総理府総務長官を命ぜられました、皆様方に長いことこの席でお世話になりました丹羽兵助でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  今国会における交通安全対策に関する審議が開始されるに当たり、交通安全対策に関し、一言所信を申し述べます。  今日、わが国における自動車保有台数は二輪車を含めて五千六百万台に上り、運転免許保有者数も四千七百万人を超え、なお、年間それぞれ三百万台、二百万人の規模で増加しているところでありまして、まさに、本格的な車社会国民免許時代を迎えていると申しても過言ではありません。  一方、交通事故による死者数は、ここ数年、ほぼ横ばいで推移いたしておりましたが、昨年は年初から急激な増加傾向を示しました。このため、政府といたしましては、六月に「交通事故防止に関する当面の緊急対策について」を決定し、交通事故実態に応じた各般の施策を強力に推進したところでございます。その結果、夏以降は、大幅な増加傾向に一応の歯どめをかけることができたのでありまするが、その後も増加傾向は続き、年末には、遺憾ながら九千人を突破するに至りました。これは、昭和五十一、二年の状況に逆戻りしたことになり、まことに厳しい情勢にあると言わなければなりません。このような情勢の中にあって、国民交通事故の脅威から守り、交通の安全を確保することは大きな政治課題であると考えております。  私は、交通安全は国民福祉の根幹であるとの認識のもとに、国民各位の御理解と御協力をいただき、関係省庁との緊密な連携を確保しつつ、総合的な交通安全対策を強力かつ着実に推進してまいる所存であります。  なお、総理府昭和五十八年度における交通安全対策事業といたしましては、交通安全思想普及活動推進及び交通事故被害者救済等のほか、最近の交通事故実態を踏まえて、原動機付自転車に関する調査研究シートベルト着用推進に関する調査研究等事業実施することとしており、これら事業を強力に推進することにより交通事故防止を図ってまいりたいと考えております。  以上、交通安全に関し所信一端を申し述べましたが、委員先生方の深い御理解と格段の御協力を心からお願い申し上げる次第でございます。ごあいさつといたします。(拍手
  4. 北側義一

  5. 山本幸雄

    山本国務大臣 交通警察行政に関し、一言所信を申し述べます。  わが国における道路交通国民生活の中で果たす役割りは、ますます重要になってきており、車両保有台数運転免許保有者数増加傾向は、今後とも続くものと考えられます。  このように道路交通が一段と大量複雑化することに伴い、交通事故交通渋滞交通公害等の諸問題が山積しております。  特に、交通事故による死者数は、増加傾向を強めており、昨年は、六年ぶりに九千人を超えるなど深刻な事態を迎えております。  このため、警察といたしましては、これまで実施してきた交通事故防止対策を見直すとともに、交通安全施設整備事業重点とする道路交通環境整備運転者教育充実強化、適正かつ合理的な指導取り締まり実施等の諸対策を総合的、効果的に推進し、交通死亡事故抑止の実効を期してまいる所存であります。  また、行政改革の一環として、運転免許証更新手続合理化方策推進にもさらに努力を重ねる所存であります。  以上、交通警察行政に関し、所信一端を申し述べましたが、委員各位の一層の御指導と御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(拍手
  6. 北側義一

  7. 長谷川峻

    長谷川国務大臣 運輸省における交通安全対策に関し、所信を申し述べます。  人命の安全の確保は、交通運輸に関する施策基本であります。  運輸省におきましても、交通安全対策を最も重要な施策の一つとして全省の組織を挙げて取り組んでまいりました。  最近の交通運輸活動ふくそう化高速化の度を強め、輸送機器も大型化しておりますので、事故発生可能性も高まっており、一たび事故発生いたしますと多数の死傷者を出すおそれも強まっております。したがって、交通運輸活動が展開される場における安全性確保のための条件を整えることが必要であり、このため鉄道道路港湾航路空港などの基盤施設整備推進し、車両船舶航空機などの輸送機器自体安全性確保のための諸施策充実に努めるとともに、交通管制強化等秩序ある交通運輸活動確保のための施策の一層の徹底を図る必要があります。  最近発生した主な事故の原因を見ますと人的な要因によるものが多く、それらの中には基本的な事項を守らなかったために引き起こされたものも見られます。このような事故防止するためには、安全な連行を確保するための管理体制を一層充実させるとともに、運行関係者一人一人が安全運行確保の責務の重大性を自覚し、事故の絶滅に努めることが何にも増して重要であり、そのため関係者教育訓練安全意識の高揚に努める必要があります。  このほか、交通運輸における安全性向上のためには、最近における技術の進歩も重要な役割りを果たしておりますので、このための技術開発努力を傾注することが必要であります。  私は以上のような視点から、今後の交通運輸における安全確保のための諸対策に取り組んでまいりたいと思います。  次に、当面重点的に実施する施策につきまして、陸、海、空に分けてその概要を御説明申し上げます。  第一に、陸上交通安全対策であります。  日本国有鉄道につきましては、その経営は未曾有の危機的状況にあり、いまや事業の再建は一刻の猶予も許されない事態に直面しており、設備投資も極力抑制せざるを得ない事態にありますが、その中におきましても、安全のための投資を最優先に確保し、国民に安心して利用してもらえる体制を確立してまいりたいと考えております。また、職員に対しても国民の信頼を得るようその教育訓練に努めるとともに、厳正な職場規律と強い責任感とによって安全輸送に徹するよう指導してまいる所存であります。民間、公営の鉄道、軌道につきましても、同様に事故防止体制徹底してまいりたいと考えております。  次に、自動車交通についてでありますが、さきの通常国会におきまして、自家用乗用車の新車の車検期間延長等内容とする道路運送車両法の一部を改正する法律が成立したところでありますので、同法の円滑な施行に努力してまいる所存であります。また、自動車整備事業指導監督強化、過積載及び過労運転防止のための指導徹底等を図る等、自動車交通の安全を図るため所要措置を講じてまいる考えであります。  被害者救済対策といたしましては、自動車損害賠償保障制度の適切な運用を図るほか、重度後遺障害者のための療護施設整備交通遺児に対する貸付額の改定など自動車事故対策センター業務充実を図ることとしております。  第二に、海上交通安全対策であります。  施設面対策といたしましては、第六次港湾整備五カ年計画に基づき船舶安全航行と緊急時の輸送路確保のため、港湾及び航路整備を着実に推進するほか、航路標識整備充実に努めてまいります。  船員資格等に関する国際条約及び船舶技術革新の進展に対応した新しい船員制度の円滑な実施を図るとともに、これに即応し得る船員確保するための船員教育訓練体制整備推進するほか、船員災害防止対策充実に努める所存であります。  また、船舶安全性向上させるため、海上における危険物輸送及び貯蔵の増加傾向に対処して所要安全基準及び安全審査体制強化を図ってまいります。  海上保安庁におきましては、海上捜索救難に関して各国が適切に役割りの分担を行うという国際的な動きに対応して、広大な海域における船舶航行安全体制を確立するため、広域哨戒体制及び海洋情報システム整備するとともに、海上機動力強化するため、老朽巡視船艇代替建造航空機増強等推進することとしております。また、油排出事故海上火災等に対処するため、海上防災体制充実を図っていく所存であります。  船舶運航の安全の確保につきましては、船舶運航に従事する者に対し、海上交通法規の遵守、運航管理徹底安全運航等指導強化するとともに、海上交通に関する情報提供充実及び強制水先制度整備推進することとしております。  なお、海上交通国際的ルールを定めた海上における衝突予防のための国際規則が一部改正され、本年六月一日から発効することとなっており、このため、本国会海上衝突予防法改正案を提出し御審議をお願いすることにしております。  第三に、航空交通安全対策であります。  昨年は羽田沖日航機事故を初めとして航空機事故が相次いで発生したことはきわめて遺憾なことであり、こうした事故再発防止に全力を挙げるよう定期航空各社に対し十分指導監督を行っているところであります。特に、乗員の健康管理のあり方については、昨年十一月航空審議会に対し諮問を行っており、答申が得られ次第、所要改善措置を講ずる等航空機安全運航確保に万全を期す所存であります。  施設の面では、第四次空港整備五カ年計画に基づき、引き続き空港整備を行うほか、レーダー網整備を初めとする航空保安施設等整備推進することとしております。  第四に、気象関係についてでありますが、交通機関の安全を初め国民生活にとってきわめて重要な問題である台風、集中豪雨豪雪等の異常な自然現象の早期、的確な把握とその予警報を行うため、静止気象衛星業務整備気象資料伝達網整備等により、気象業務体制の一層の充実強化を図ってまいりたいと考えております。  以上、運輸省においてとろうとする交通安全対策概要について申し述べてまいりましたが、これらの施策は、申すまでもなく、委員長を初め委員各位の深い御理解と御協力を必要とする問題ばかりでございます。  終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手
  8. 北側義一

  9. 内海英男

    内海国務大臣 交通安全対策に関する諸施策について御審議をお願いするに当たり、一言所信を申し述べたいと存じます。  御承知のとおり、わが国の経済、社会の発展に伴い、道路交通需要は、ますます増大かつ多様化しており、これに対処するため、政府としては、新たに昭和五十八年度を初年度とする第九次道路整備五カ年計画を策定し、道路事業の積極的な推進を図ることとしております。  申すまでもなく、道路交通需要増大に対処し、安全かつ円滑な道路交通確保することはきわめて重要な課題であります。  最近の交通事故発生状況を見ますと、昭和四十五年を境に減少を続けてまいりました交通事故は、昭和五十三年以降、関係者の懸命の努力にもかかわらず再び事故件数及び負傷者数について増加傾向を示し、特に、昨年は死者数が九千人を上回るなど、交通安全をめぐる情勢は依然として憂慮すべき状況にあります。  かかる事態に対処するため、昭和五十八年度は、厳しい財政事情ではありますが、より一層強力に交通安全対策推進を図ってまいる所存であります。  まず、道路を新たに建設する場合におきましては、交通安全対策基本法の精神にのっとり、交通安全施設等に十分配慮した道路整備することとしております。  次に、既存の道路につきましては、昭和四十一年度以降交通安全施設等整備事業に関する計画により、総合的かつ計画的に交通安全施設等整備拡充を図ってまいりましたが、昭和五十八年度においては、第三次交通安全施設等整備事業五カ年計画の第三年度として、交通安全施設等整備を進めてまいりたいと考えております。この場合、特に弱い立場にある歩行者自転車利用者交通事故から守るための施設整備重点を置くこととしております。  さらに、道路改築事業におきましても、交通の安全を確保するため、歩道等設置バイパス建設自転車専用道路及び歩行者専用道路整備等事業を行い、また、落石のり面崩落なだれ等の危険を防止するため、道路防災対策についても万全を期してまいることとしております。  また、踏切道における交通事故防止交通円滑化を図るため、引き続き立体交差等事業推進することとしております。この場合、多数の踏切が連続する中心市街地等においては、これらを同時に除却する連続立体交差事業推進してまいることとしております。  次に、既成市街地居住地区あるいは歴史的に価値のある地域における交通事故防止し、居住環境改善を図るための事業中心商業業務地区等における道路交通の安全と円滑化を図るための事業通勤通学等のための自転車駐車場対策推進することとしております。  なお、児童交通事故防止及び児童、青少年の心身の健全な発達に資するため、第三次都市公園等整備五カ年計画の第三年度として、都市における国民日常生活に密着した児童公園等の住区基幹公園都市基幹公園及び緑道計画的な整備推進を図ることとしております。  最後に、道路管理体制強化して、道路交通の安全の確保交通円滑化を図ることとしておりますが、特に、道路法及び車両制限令に違反する車両の通行に対する指導及び取り締まり強化するとともに、道路交通に関する情報の収集及び提供について、体制強化拡充推進することとしております。  以上、交通安全に関する諸施策について所信一端を申し述べましたが、交通事故防止のため、今後一層徹底した総合的な交通安全施策を強力に推進していく決意でありますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手
  10. 北側義一

    北側委員長 以上をもちまして、関係大臣所信表明は終わりました。  次に、昭和五十八年度における陸上交通安全対策関係予算について説明を求めます。滝田総理府交通安全対策室長
  11. 滝田一成

    滝田政府委員 昭和五十八年度の陸上交通安全対策関係予算につきまして、関係省庁の分を一括して御説明申し上げます。  昭和五十八年度の予算総額は九千三百十八億七百万円で、前年度予算額に比べ二百三十三億一千八百万円、二・四%の減少となっております。  各項目ごとに主なものを御説明いたしますと、第一番目の道路交通環境整備につきましては八千百九十八億八千八百万円、対前年度比三・四%減でございます。  (1)の交通安全施設等整備は、第三次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の第三年度分といたしまして千二百八十六億四千七百万円、対前年度比一・五%増を計上しております。  アは警察庁分、イは建設省分でございまして、警察庁分は、交通管制センター設置信号機及び道路標識等整備のための費用、また建設省分は、歩道自転車道立体横断施設等整備のための費用でございます。  (2)は、交通安全に寄与する現道拡幅小規模バイパス建設等事業に係るものでございます。  (3)は、落石等防止するための施設整備路肩整備交通危険個所局部的改良等事業に係るものでございます。  (4)は、踏切事故防止対策推進するための踏切保安設備整備並びに踏切道立体交差化及び道路改良に伴う鉄道との立体交差新設等事業に係るものでございます。  二ページに参りまして、(5)は、道路交通法に基づいて、道路交通安全施設設置管理に要する費用に充てさせるため、地方公共団体に対して交付されるものでございます。交通安全対策特別交付金は、従来道路交通安全施設設置に限り交付されていたものでありますが、昭和五十八年度からは、施設管理に要する費用のうち政令で定めるものについても充当できるよう改正することとしております。  (6)及び(7)は、第三次都市公園等整備五カ年計画に基づき、児童遊び場確保のために行われる基幹公園整備事業及び緑道整備事業に係るものでございます。  (8)は、居住環境改善等を図るため、地区内街路を体系的に整備する事業等に係るものでございます。  (9)及び(10)は、三大都市圏駅周辺などで行われる自転車駐車場整備及び都市商業業務地区等で行われる都市交通施設整備に要する費用補助金でございますが、今後実施計画によって配分が定まるものでございまして、まだ金額は未定でございます。  三ページに参りまして、(11)は、市町村が子供の遊び場確保等を行うために要する費用を補助するものでございます。  大きな二番目の項目交通安全思想普及につきましては二億四千九百万円を計上しておりまして、これは前年度と同額でございます。  (1)は、ダンプカー協会の行います交通安全指導事業等経費に関する補助金でございます。  (2)は、交通安全母親活動推進事業及び交通安全フェア開催等の委託、その他講習会等に係る経費がその主な内容でございます。昭和五十八年度におきましては、交通安全対策に関し専門家による研究討議の場を設け、有効適切な提言を得るため、新たに交通安全シンポジウム開催を予定しております。  続きまして、(3)(4)(5)は、警察の行う交通安全に関する広報活動、学校における交通安全教育指導家庭教育に関する母親クラブ活動促進等に係るものでございます。  三番目の項目安全運転確保につきましては四百三十一億九千九百万円を計上しておりまして、前年度に比べ四・六%増となっております。  (1)は、優良な運転者の育成を図るための教育環境充実指導者の資質の向上等に要する費用に関するものでございます。  四ページに移りまして、(4)は、暴走族事犯ひき逃げ事犯等捜査活動強化及び違法駐車取り締まり強化等を進めるものでございます。  そのほか主なものといたしまして、(8)は、自動車検査登録業務円滑化を図るための経費でございまして、検査登録要員増員等を予定をしております。  四番目の項目被害者救済につきましては六百七十六億七千三百万円を計上しておりまして、前年度に比べますと六%の増となっております。  (1)は、救急指令装置救急自動車等整備に係るものでございます。  五ページに参りまして、(2)は、救急医療体系的整備推進救急医療担当医師に対する研修など、交通事故による傷病者のための医療充実を図るものでございます。  少し飛ばしまして、(5)は、通勤災害について被災労働者及びその遺族の保護を図るための経費を計上しており、若干の単価アップなどを見込んでおります。  (6)は、都道府県及び一部の市の交通事故相談所運営に必要な経費でございます。  また、(8)は、被害者保護交通遺児修学援助等事業に資するため、自動車事故対策センター等補助等を行うものでございます。  最後の六ページへ参りまして、第五番目のその他、これは調査研究費でございますが、総額七億九千八百万円で、対前年度比にいたしますと四・一%の減となっております。総理府では、シートベルト着用推進に関する調査研究原動機付自転車に関する調査研究等を行うこととしております。  以上で、簡単でございますが、昭和五十八年度陸上交通安全対策関係予算の御説明を終わらせていただきます。
  12. 北側義一

    北側委員長 次に、昭和五十八年度における海上交通及び航空交通安全対策関係予算について説明を求めます。西村運輸大臣官房総務審議官
  13. 西村康雄

    西村(康)政府委員 お手元に「昭和五十八年度交通安全対策関係予算 運輸省」という資料がお配りしてあると思いますが、これに基づきまして御説明させていただきます。  まず最初に、海上交通安全対策関係予算でございますが、五十八年度の予算の案といたしましては千五十六億九千五百万円を計上しております。これは対前年比で六億二千七百万円、〇・六%増となっております。  その内訳でございますが、まず、1の交通環境整備として五百三十八億五千二百万を計上してございます。これは東京湾口等十三航路整備、それから輪島港等避難港十一港についての整備、各港湾の防波堤、泊地等整備を行うほか、さらに灯台等光波標識ロラン・デッカ等電波標識等各種航路標識新設改良、改修、さらに航路標識業務運営のための費用でございます。  次に、2の船舶安全性確保といたしまして、IMO、国際海事機関勧告等に基づく国内基準整備等船舶の構造、設備に関する安全基準の作成とか、船舶検査型式承認検査等実施とか、その他の費用といたしまして一億二千二百万円を計上しております。  それから、3の安全な運航確保でございますが、百七十五億四千百万円を計上しております。これは海難防止指導等海上交通安全対策充実強化警備救難業務運営水路業務及び海洋気象業務充実を図るための経費でございます。  さらに、次のページに参りまして、旅客航路事業者の監査、それから練習帆船日本丸の代船建造あるいは航海訓練所等におきます教育訓練充実船舶職員資格試験水先人試験実施等費用でございます。  それから、4の海難救助体制整備等でございますが、これはヘリコプター搭載型巡視船一隻を含む巡視船艇七隻、ヘリコプター一機の整備、それから通信施設及び海洋情報システム整備海上防災体制整備等のための費用として三百四十一億八千万円を計上しております。  以上が海上交通安全対策関係経費でございます。  次に、航空交通安全対策関係予算について申し上げます。  合計で二千五億一千九百万円計上しております。これは対前年比八十二億三千八百万円、三・九%の減となっております。  その内訳でございますが、1の交通環境整備といたしましては、空港及び空港用航空保安施設整備空港維持運営航空交通管制施設及び航空保安無線施設整備航空路施設維持運営等費用といたしまして千九百三十五億三千三百万円を計上しております。  2の航空安全対策推進といたしまして六十九億一千九百万円を計上してありますが、これは航空機の耐空証明、機長路線資格審査、航空従事者の技能証明、あるいは航空大学校、航空保安大学校における教育等の充実、航空保安施設の運用状況について航空機による飛行検査、さらに、航空気象施設整備等費用でございます。  3の航空交通の安全に関する研究開発の推進といたしまして六千七百万円を計上しておりますが、これは航行援助実験衛星等の研究開発のための費用でございます。  以上、簡単でございますが、海上交通及び航空交通安全対策関係予算の御説明を終わらせていただきます。
  14. 北側義一

    北側委員長 次に、昭和五十八年中における交通警察運営について説明を求めます。久本警察庁交通局長
  15. 久本禮一

    ○久本政府委員 昭和五十七年中の交通事故発生状況と暴走族の動向及び昭和五十八年中の交通警察重点施策につきまして御説明を申し上げます。  まず、交通事故発生状況でございますが、お手元に差し上げております資料昭和五十七年中の交通事故発生状況等について」の一ページをごらんいただきますと、事故発生件数、人身でございますが、五十万二千二百六十一件、前年に比べまして一万六千六百八十三件、三・四%ふえております。死者につきましては九千七十三人、前年に比べまして三百五十四人、四・一%の増でございます。負傷者の数につきましては六十二万六千百九十二人、前年に比べまして一万八千八百四十六人、三・一%の増となっております。  この状況は、同じページの2の年別推移にございますように、死者の数は六年ぶりに九千人を超えております。また、負傷者の数も昭和五十三年から連続して増加を続けておるということでございます。  昨年の交通死亡事故の特徴につきましては、この資料の二ページから四ページにかけまして簡単に取りまとめてございますが、自動車や二輪車に乗車中の者及び横断中の歩行者の死亡事故増加が目立っております。  二輪車の事故につきましては、昨年の特に前半非常に増加をしておるのでございますが、その中で原動機付自転車につきましては、後半は一昨年に比べてむしろ減少をいたしまして、結果としては年間七・二%の増ということになったということでございます。  なお、自転車の死亡事故につきましては、ごらんいただきますように減少しております。これは二年連続しての減少でございます。  年齢別で見てまいりますと、十六歳から二十九歳といういわゆる若年層と五十歳以上の年齢層で顕著に増加をしておると言えようかと思います。  事故の類型といたしましては、車両相互、車両単独の事故がふえております。また、場所ではカーブ、交差点等での増加が目立っておるのでございます。  なお、歩行者、自転車乗用中の死者につきましては、依然として死者全体の四〇%強を占めておりまして、これは諸外国と比較をしてもかなり高いと言えるのではないかと思います。  次に、暴走族の動向につきましては五ページ以下に要約をいたしてございます。  暴走族は、昭和五十七年におきましては規模の大きな蝟集走行は減少をいたしておりますので、表面的にはやや鎮静化の傾向が見られます。しかしながら、暴走族の人員は実は増加をしております。そうして、取り締まりのすき間をついたゲリラ的な走行であるとか公道を公然と使ったスピードレース型など、新しい形の暴走行為が敢行されるといったようなことで、傾向としては一段と悪質化に向かっているのではないかと危惧をいたしております。したがいまして、交通警察といたしましては、今後ともさらに強力な対策を進めていく必要があると考えております。  次に、同じくお手元に差し上げてございます資料に基づきまして、昭和五十八年中の交通警察運営につきまして簡単に御説明を申し上げます。  最近の交通事故増加傾向につきましては、何と申しましても道路交通が多量化をし、かついろいろの車両が混在をして走っておるとともに、国民各層の車両の利用形態がきわめて多様化、複雑化しているということの競合の結果ではないかと考えております。  また、最近は特に都市交通の過密化に伴いまして、大都市における交通事故が再び増加傾向にございますため、都市における安定をした秩序ある交通の流れをつくり上げていく必要があると考えております。  これらを基本認識といたしまして、交通警察といたしましては、第一に、交通安全施設等整備計画推進交通情勢に対応した合理的な交通規制の実施交通情報による誘導など、効果的な交通管制等の推進内容といたします良好な道路交通環境整備に努めることにあると考えております。  第二は、実効ある運転者教育推進を柱といたします運転者行政を積極的に展開していくことであると考えております。  第三は、交通秩序の維持と交通事故防止活動のために効果的な指導取り締まり活動を推し進める必要があると考えております。  第四は、最近の交通実態にかんがみまして、二輪車の運転者教育充実強化、二輪車が安全に通行できる交通環境整備などを内容といたします二輪車対策推進、そのほか、あわせまして高速道路における安全かつ円滑な交通確保、効果的な交通安全教育の推進、企業などにおきますところの組織を活用した安全運転管理強化などを中心に、全力を傾けまして必要な諸施策を進めてまいる所存でございます。  以上、昭和五十八年中における交通警察重点につきまして簡単に御説明申し上げましたが、よろしく御指導を賜りますようお願い申し上げます。
  16. 北側義一

    北側委員長 次に、昭和五十八年度の運輸行政における交通安全施策概要について説明を求めます。西村運輸大臣官房総務審議官
  17. 西村康雄

    西村(康)政府委員 それでは、昭和五十八年度におきます運輸省交通安全施策概要につきまして御説明申し上げます。  その基本的な事項につきましては、先ほど運輸大臣から所信の中で御説明申し上げたとおりでございます。また、施策の全般につきましては、ただいまお手元にお配りしてある「交通安全施策概要」にやや詳細に述べられております。また、これら諸対策に関する予算につきましては先ほど御説明申し上げたとおりでありますが、重要な施策につきまして若干補足、敷衍させていただきたいと思います。  まず、自動車交通についてでございますが、自動車の検査整備体制充実によりまして安全性確保を図っていくことが基本的な方針でございますが、特に大型自動車事故防止徹底を期するため、自動車運送事業者に対し運行管理車両管理の適正化等につきまして指導徹底を図ってまいるという所存でございます。  また、日本国有鉄道につきましては、経営の再建という非常に重要かつ困難な問題を抱えておりますが、再建のための努力を傾注する一方で、安全の確保をゆるがせにしないで、国民の信頼にこたえていくことが最も重要な課題であると考えております。このために、特に乗務員、保安要員等運転関係従事者に対する教育訓練充実を図るとともに、厳正な規律と旺盛な士気の維持ということによりまして、運転事故の絶滅を期するよう強く指導してまいりたいと考えております。  それから海上交通でございますが、さきの第九十六回国会におきまして、千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約への加入が御承認いただきました。また、船舶技術革新に対応しました新しい船員制度のための船員法及び船舶職員法の一部を改正する法律が成立をいたしました。同法は本年四月三十日から施行されることになっておりますが、この新しい船舶職員制度への移行を円滑に実施いたしまして、そして各教育機関におきまして、これに即応した船員教育の充実強化を図るということを当面の主要課題としております。  また、海上保安体制につきましては、千九百七十九年の海上捜索救難に関する国際条約、いわゆるSAR条約でございますが、これによります国際的な海上捜索救難体制の確立に向けまして、広域哨戒体制海洋情報システム等の整備をすることを当面の施策基本といたしておりまして、これによりまして巡視船艇航空機等の施設整備を図ってまいりたいと考えている次第でございます。  航空交通につきましては、昨年の日航機事故にかんがみまして、航空機乗組員の精神、肉体両面の健康管理体制の確立が急務となっているわけでございますので、先般来、航空運送事業者に対しまして、業務改善勧告により、航空機乗組員の日常の健康管理指導に努めておりますが、さらに先般、その改善方策につきまして航空審議会に諮問したところでございます。答申が得られ次第、早急に抜本的な措置を講じていく考えでございます。  以上、運輸省におきます交通安全施策のうち当面特に重点を置くべき事項につきまして御説明させていただきました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
  18. 北側義一

    北側委員長 次に、昭和五十八年度の建設行政における交通安全施策について説明を求めます。沓掛建設省道路局長
  19. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 昭和五十八年度における建設省の交通安全に関する施策につきまして、お手元の資料交通安全施策について」により御説明申し上げます。  まず、一ページの交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づく事業等でございます。  交通事故は、昭和四十五年を境に減少を続けてまいりましたが、昭和五十三年以降、事故件数及び負傷者数については増加傾向が見られ、特に昨年は死者数についても九千人を上回るなど、依然大きな社会問題であります。このような事態を踏まえ、昭和五十六年度から発足した第三次五カ年計画に基づき、交通安全施設等の一層の整備拡充を図ることといたしております。  二ページにございますように、第三次五カ年計画においては、歩道、自転車歩行者道の整備を最重点交通安全施設整備推進することといたしております。五カ年計画内容は、三ページ記載のとおりでございます。  昭和五十八年度の特定交通安全施設等整備事業については、四ページにございますように、この計画の第三年度として約千六百四億円を計上いたしております。さらに、同じく四ページ下段にございます一般の道路改築事業による交通安全対策事業でありますが、小規模バイパス建設、現道拡幅などの交通安全事業として、昭和五十八年度は約五千六百九十一億円を予定いたしております。  次に、五ページにございます防災対策事業でありますが、昭和四十三年の飛騨川バス転落事故以来、重点的に危険個所の整備を図っているところであります。昭和五十八年度は防災対策事業費として約千二百三十八億円を計上いたしております。  次に、六ページから七ページの踏切道立体交差化事業であります。  踏切事故防止については、踏切道改良促進法に基づき、昭和五十六年度以降五カ年間において改良することが必要な踏切道を指定し、立体交差化事業等により改良を促進することとしております。  八ページにございますように、昭和五十八年度は、事業費約千三百十三億円をもちまして、連続立体交差化事業六十九カ所、単独立体交差化事業四百十一カ所及び構造改良事業九十二カ所を実施することといたしております。  次に、九ページの大規模自転車道整備事業であります。  道路整備事業の一環として昭和四十八年度から整備に努めているものでありまして、昭和五十八年度は、事業費約九十二億円をもって継続事業四十三路線、新規五路線の整備を進めていくこととしております。  次に、十一ページから十二ページの都市交通環境整備事業についてであります。  まず、居住環境整備事業でありますが、昭和五十八年度は、事業費約三十億円をもちまして、居住環境整備地区について二十二地区、歴史的環境整備地区について六地区で事業実施するほか、五地区について調査実施することといたしております。  次に、十三ページの総合都市交通施設整備事業でありますが、本事業は地域の環状道路歩行者専用道、広場等、都市交通施設を総合的に整備するもので、昭和五十二年度より街路事業実施することとしております。  次に、十四ページの自転車駐車場整備事業でありますが、都市における通勤、通学、買い物等のための自転車利用の増大に伴い、昭和五十三年度から、三大都市圏等で、地方公共団体都市計画事業により推進することといたしております。  また、十五ページの民間自転車駐車場整備については、昭和五十四年度に設立された財団法人自転車駐車場整備センターを中心として、民間自転車駐車場の一層の整備の促進を図ってまいることといたしております。  次に、同じく十五ページにございます駐車場整備事業でありますが、昭和五十八年度は、地方公共団体設置する都市計画駐車場について、地方債のほか無利子資金貸付金として事業費約七億円を予定いたしております。  次に、十六ページでございますが、都市公園整備事業についてであります。  昭和五十六年度から発足した第三次都市公園等整備五カ年計画に基づき、住区基幹公園都市基幹公園及び緑道整備推進することといたしております。  次に、十八ページにございます道路管理についてであります。  道路交通の安全を確保するため、不法占用物件の排除や地下埋設物に対する監査の強化及び共同溝の整備を促進することといたしております。  また、大型車、重量車に関する事故防止対策でありますが、関係機関と密接な連携をとりつつ、違反車両指導取り締まり強化してまいる方針であります。  さらに二十ページにありますように、道路交通情報を迅速的確に収集し提供するため、財団法人日本道路交通情報センターを中心として、道路交通情報の収集提供体制を一層充実してまいる所存であります。  次に、二十二ページにございます高速自動車国道における救急対策であります。昭和五十八年度は約二十二億円を見込み、その拡充を図ることといたしております。  次に、二十三ページにございます道路交通の安全に関する調査研究であります。  昭和五十八年度は、六億七千万円をもって交通安全施設等整備に関連する調査研究実施することといたしております。  最後に、二十四ページにございます建設業者に対する交通安全についての指導でありますが、今後とも交通事故防止徹底について強力に指導を進めてまいる所存であります。  以上で、昭和五十八年度の建設省の交通安全施策についての説明を終わらせていただきます。
  20. 北側義一

    北側委員長 次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時三十五分散会