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1983-03-22 第98回国会 衆議院 建設委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十八年三月二十二日(火曜日)     午前十時十四分開議  出席委員    委員長 松永  光君    理事 鴨田利太郎君 理事 住  栄作君    理事 竹中 修一君 理事 村岡 兼造君    理事 小野 信一君 理事 木間  章君    理事 薮仲 義彦君 理事 小沢 貞孝君       池田 行彦君    唐沢俊二郎君       川崎 二郎君    瓦   力君       木村 守男君    桜井  新君       東家 嘉幸君    野上  徹君       羽田野忠文君    松本 十郎君       井上 普方君    久保  等君       関  晴正君    中村  茂君       山花 貞夫君    伏木 和雄君       青山  丘君    瀬崎 博義君       中島 武敏君    甘利  正君  出席国務大臣         建 設 大 臣 内海 英男君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 加藤 六月君  出席政府委員         環境庁大気保全         局長      吉崎 正義君         国土庁長官官房         長       宮繁  護君         国土庁長官官房         審議官     荒井 紀雄君         国土庁地方振興         局長      川俣 芳郎君         建設大臣官房長 豊蔵  一君         建設省計画局長 永田 良雄君         建設省都市局長 加瀬 正蔵君         建設省河川局長 川本 正知君         建設省道路局長 沓掛 哲男君  委員外出席者         警察庁交通局交         通企画課長   広谷 干城君         警察庁交通局交         通規制課長   矢部 昭治君         厚生省環境衛生         局水道環境部水         道整備課長   森下 忠幸君         通商産業省立地         公害局工業用水         課長      糟谷  晃君         通商産業省基礎         産業局化学製品         課長      蕨岡 達慈君         通商産業省機械         情報産業局自動         車課長     高瀬 和夫君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部地         方交通線対策室         長       岩田 貞男君         運輸省自動車局         整備部公害防止         課長      藤野 團治君         郵政省電波監理         局無線通信部陸         上課長     大瀧 泰郎君         建設省道路局次         長       梶原  拓君         参  考  人         (日本道路公団         総裁)     高橋国一郎君         建設委員会調査         室長      升本 達夫君     ───────────── 委員の異動 三月七日  辞任         補欠選任   井上 普方君     小林  進君   関  晴正君     野坂 浩賢君 同日  辞任         補欠選任   小林  進君     井上 普方君   野坂 浩賢君     関  晴正君 同月二十二日  辞任         補欠選任   久保  等君     山花 貞夫君   近藤  豊君     青山  丘君 同日  辞任         補欠選任   山花 貞夫君     久保  等君   青山  丘君     近藤  豊君     ───────────── 三月十一日  建築士法及び建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出第四一号) 同月十日  公共賃貸住宅大量建設等に関する請願村山喜一紹介)(第一三三四号)  同(山田耻目君紹介)(第一三七三号)  同(大原亨紹介)(第一四一五号)  同(山花貞夫紹介)(第一四一六号)  都市計画法に基づく線引き等改廃に関する請願亀岡高夫君紹介)(第一四五〇号) 同月十六日  都市計画法に基づく線引き等改廃に関する請願野中英二紹介)(第一五五三号)  公共賃貸住宅大量建設等に関する請願上田卓三紹介)(第一五八二号) は本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出第一六号)      ────◇─────
  2. 松永光

    松永委員長 これより会議を開きます。  内閣提出道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本道路公団総裁高橋国一郎君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松永光

    松永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────
  4. 松永光

    松永委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。
  5. 木間章

    木間委員 新道路五カ年計画発足に当たりまして、若干ただしておきたいと思いますので、これから大臣以下関係者お尋ねをいたしたいと思います。  まず第一には、今度の新五カ年計画は、国民道路整備への要請にこたえつつ発足させたい、このように提案理由説明されておるところであります。それで第八次五カ年計画が終わってどのように総括をされたのか、そしてその中で克服すべき点、つまり反省すべき点はいかなるところにあったのか、まずそういった点からただしていきたいと思いますが、道路局長お願いいたします。
  6. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 第八次道路整備五カ年計画事業費は、地方単独事業を含めて二十八兆五千億円でありましたが、その達成状況は全体で一〇一%となる見込みであります。しかし、計画期間内における物価上昇等によりまして、事業量について見ますと、全体的には計画の八〇%程度になる見込みでございます。  わが国道路整備の歴史は四半世紀にすぎず、道路整備の水準はいまだ低く、交通安全対策防災対策震災対策沿道環境保全対策など速やかに実施すべき事業がまだ多く残されております。したがって、今後大都市における交通渋滞の解消、災害に対する安全性向上地方における定住促進産業振興などの課題に対処し、国土の均衡ある発展を図る観点から、今後予想される経済的、社会的諸条件の変化を踏まえて、高速自動車国道から市町村道に至るまでの道路体系的整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  7. 木間章

    木間委員 それで新五カ年計画は三十八兆二千億円を投じてやろうとしております。新五カ年計画は総延長どの程度整備をされようとしておるのか。特にそのうち国道、県道、市町村道別にその事業量計画を示していただきたいと思います。  また、この新五計が達成をされます昭和六十二年度末には、最終の整備率はどのように推移をするのか、その整備率についても示していただきたいと思うのです。
  8. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 建設省といたしましては、現在第九次道路整備五カ年計画における事業量につきまして検討しているところでありますが、一応の見通しとして、改良延長につきましては、一般国道で三千五百キロメートル、都道府県道で一万百キロメートル、市町村道で三万九千五百キロメートル程度を見込んでおります。  この結果、改良率で見ますと、一般国道では八九%から九二%に、都道府県道では六三%から七一%に、市町村道では二九%から三三%になる見通しであります。
  9. 木間章

    木間委員 次に、昭和五十八年度予算では、一般道路について前年度と比較いたしまして〇・九九倍、有料道路については一・二二倍を見込んでおるのであります。これは高速道路を伸ばし、地方道路を圧縮する傾向があらわれておるのではなかろうか、このように私は分析をしております。巨額の予算を使用するわりに、住民生活に最も近い地方道路を縮小する。あるいは今日景気の立ち直りをみんなが望んでおるのでありますが、そういった点では、地域経済にもたらす影響が、波及が少ないんじゃなかろうか、このように懸念をされますが、その点どのように考えておいでるか、お示しをいただきたいと思います。
  10. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 昭和五十八年度道路予算国費は一兆九千二十二億円で、対前年比の伸び率は一でございますが、その内訳は、一般道路事業国費が一兆七千七百六十九億円と対前年比伸び率が〇・九九であり、この一兆七千七百六十九億円は全体の国費の九三%を占めております。有料道路事業国費は千二百五十三億円で、対前年比伸び率一・二二であり、道路予算全体の国費のわずか七%を占めておるところであります。  有料道路事業は、国土発展基盤となる高速自動車国道を初め、地域間交通円滑化及び生活環境の改善に資するバイパスなど、地方発展のために重要な事業であり、一般道路事業と一体となって道路網を形成するのに役立っております。五十八年度予算におきましては、財投資金民間資金を活用し、採算性確保するために必要な国費として千二百五十三億円を計上させていただいておるものであります。  一般道路事業につきましては、地域住民日常生活基盤となる市町村道事業につきましては対前年度比一・〇一を、交通安全事業につきましては対前年度比一・〇三を、また積雪寒冷地域における冬季交通確保を図る雪寒事業につきましても対前年比一・〇三倍などとして、国民生活向上に直結した事業について、特に配慮をしているところでございます。一般道路事業国費の対前年度比〇・九九に対しまして、地方道国費は対前年度比一・〇〇を確保するなど、地方的幹線道路整備に十分配慮しておるというふうに考えております。
  11. 木間章

    木間委員 ぜひ生活道路に今後とも重点を置くように配慮お願いを申し上げたいと思います。  次に、新五カ年計画国費率についてお尋ねをいたしたいと思います。  さきの私の一般質問の中で、道路局長国費率を三三%と説明をいただいたと思っておりますが、この三三%を確約いただけるかどうか、再度お尋ねをいたしたいと思います。
  12. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 道路整備五カ年計画国費率は、一般道路事業有料道路事業及び地方単独事業事業規模及びその内容に基づいて決められるものであり、新五カ年計画事業内容につきましては、現在積み上げ作業中であります。新五カ年計画は第八次五カ年計画実績を踏まえて策定しておりますことから、新五カ年計画国費率は、第八次五カ年計画実績であります国費率の三三%とほぼ近い値になるものと考えておりますが、今後これらの積み上げ作業の結果を待って関係機関との調整を行い、最終的な国費率が見込まれることになるものであります。
  13. 木間章

    木間委員 五カ年の経過の中で三三%かどうかということは最終的には決まっていくだろうと思うのでありますが、先ほど局長からお話がありましたように、その初年度であります五十八年度国費は一兆九千二十二億円で発足を見たわけであります。それで今後この約三分の一の十二兆円を消化するにはかなりの年間の伸び率がなければなりません。一兆九千億円で立ち上がった場合に、私の試算では、年々一〇%を超える伸び率を張りつけていかなければ、この三十八兆二千億円の三分の一、約十二兆円に達しないのじゃなかろうか、こう思うのでありますが、この一兆九千億円、この立ち上がりに対する次年度以降の伸び率はどの程度を私どもは想定すればいいのか、いま道路局試算をされておるものがあったらお聞かせいただきたいと思います。
  14. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 三十八兆二千億を達成するためには、五十七年度事業費を初頃にいたしますと、対前年比七・数%、いまの試算で約七・六%と考えておりますが、七・数%の伸びで満額達成する予定でございましたが、五十八年度予算はゼロシーリングでございましたので、五十八年度ベースにいたしますと、対前年比の伸びは一〇%強にないと満額達成できないというふうに考えております。
  15. 木間章

    木間委員 大体私どもの計算と似通っておるのでありますが、ぜひそのようにやっていただきたい、こう思っております。  なぜかと申しますと、前期の第八次計画の中では国費率を三六%に当初試算をされたのでありますが、五カ年間経過をした今日の段階では三三%に下がったわけであります。その理由といたしまして、地方単独がふえたとかあるいは一般道路事業が減少したとか、このように説明もなさっておるところでありますが、今度の新五カ年計画でも、いま三三%見込んでおるけれども、先々あるいは三〇%前後になるんだということでは、私どもはなかなか納得しがたいわけであります。特に今日、後ほどまた申し上げてみたいと思いますが、市町村道整備率あるいは舗装率等々においてかなりのおくれが目立っておりますから、ぜひそういったことのないように、ひとつ建設省におかれても鋭意取り組んでいただきたいものと思います。  次に移らしていただきます。  この新五カ年計画かなり大幅な事業費を見込んでおるところであります。特に市町村道整備の一日も早い達成が待たれておるところでありますが、何といいましても、市町村の今日の財政事情逼迫をしております。そこで、この新五カ年計画達成するためには、やはり自治体財政の強化がなければならないところでありますが、地方自治体の財政事情からいって、この計画が進むかどうか、かなり懸念をされるところでありますが、道路局のいまの見通しについて、まずお尋ねをしたいと思います。
  16. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 第九次道路整備五カ年計画事業費一般道路事業有料道路事業及び地方単独事業への配分につきましては、第八次道路整備五カ年計画実績のシェアを勘案して定めたものでありまして、第八次五計期間と同様な財源措置が講じられれば円滑な事業の執行が図られるものと考えております。  このため、引き続き道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法などに基づき、地方道等に対する補助率かさ上げ等を行い、地方道路整備促進に努めることとしているところであります。  また、地方道路整備特定財源である軽油引取税などについても、引き続き特別暫定税率延長することを今国会にお願いしているなど、その確保を図り、地方道路財源の充実に努めているところであります。
  17. 木間章

    木間委員 いま局長の方から前向きに聞こえるような答弁があったのでありまして、ぜひお願いをしたいと思いますが、この機会大臣の御決意もひとつお聞かせいただければ幸いかと思いますので、お願いいたします。
  18. 内海英男

    内海国務大臣 御承知のとおり、わが国の立ちおくれた道路現状を改善して、経済発展国民生活向上に寄与することは、国、地方公共団体を通じまして基本的な課題であると考えております。  このため、第九次道路整備五カ年計画を策定いたしまして、道路整備を強力に推進する必要があると考えておりますが、その円滑な実施のため、御指摘のような地方道路財源確保を図り、地方公共団体財政負担を軽減するように十分配慮して、計画を推進してまいりたいと考えております。
  19. 木間章

    木間委員 私どももぜひこれからそういった地方道整備に力点を置くような議論も積み重ねていきたいと思いますが、建設省におかれましても取り組んでいただきたいことを強くお願い申し上げておきたいと思います。  次に、この新五カ年計画事業量においても大変ふえておるわけでありまして、そういった点では、実際の道路新築あるいは改築、補修等業務に携わる要員等確保もなされなければなりません。そこで、この技能労働者等確保について、まあ直営もありましょうしあるいは公団担当されておる分野もありましょうし、また県や市町村業務担当もあるわけでありますが、まずそういった技能労働者確保について、計画局長見通しを持っておいでると思いますが、その御決意お尋ねしておきたいと思います。
  20. 永田良雄

    永田政府委員 道路新五カ年計画達成するための技能労働者確保対策はどうなっているかという御質問でございます。  現在の状況を申し上げますと、建設技能労働者需給状況は、最近大変緩和いたしております。将来どうなるかということでございますが、私どもの考えでは、それほど大きな逼迫があるとは思わないわけでございますが、万一技能労働者需給状況逼迫してまいりました場合は、地方建設局で各関係発注機関を一堂に網羅いたしました公共事業施行対策地方協議会というものを持っておりまして、その中でいろいろ各発注機関発注の時期を調整したり労働力調整をするということで対応できるというふうに考えております。過去にもそういうことをやっている事例がございますので、万々心配のようなことはなかろうか、かように考えております。
  21. 木間章

    木間委員 後ほどこの問題とちょっと関連をしてさらに深く答弁お願いしたいと思いますが、公団の方もお見えになっておると思いますので、同じことを公団の立場から一言お聞かせをいただきたいと思います。
  22. 高橋国一郎

    高橋参考人 新しい五カ年計画につきましては、まだ確定しておりませんので、現在建設省において詰めておるように聞いておりますが、私ども現在の第八次道路整備五カ年計画から勘案いたしまして、第九次道路整備五カ年計画資材面あるいは労務技能者面につきましても、支障なく実行できるものというふうに考えております。  と申しますのは、第九次五カ年計画では、私どもにただいま建設省の方から内々示されておりますのは、高速道路につきまして建設費が四兆一千億と聞いております。これは現在の第八次道路整備五カ年計画は三兆二千億でございまして、計画ではそうでございましたが、実績はそれを若干上回りまして三兆三千三百二十五億になっておりまして、それからいたしますと、第九次の五カ年計画は、五十八年度建設省ベースにいたしまするとせいぜい三%程度伸びになっておりますので、この程度でございましたら現状とほとんど変わりございませんので、建設資材あるいは労務その他の面につきましてもほとんど支障がないのじゃないかというふうに私どもは考えております。
  23. 木間章

    木間委員 要員確保については見通しは明るいというそれぞれの答弁をいただいたわけでありますが、私はここに労働省からいただいた一つの資料を持っております。それは労災事故産業別の数値であります。これを見ておりますと、全産業の中で特に建設業に関する労災事故が抜きんじておる大変残念な結果があらわれておるのであります。まあ建設業全体でありますから、それぞれの道路事業あるいは建築業等々によっては多少の差異はあろうと思いますが、いわゆる建設省所管事業死亡事故を含めて大変傷害事故が多いということであります。特に五十六年度の場合でも、死亡事故を見たときに全体の四〇・三%にも及んでおります。また景気浮揚策で過去に公共事業が大幅にふえた時期がありました。昭和五十三年度でございますが、このときには全体の五〇%を超える事故が発生をしておるのであります。  そういったことから、ただ単に、要員確保できた、しかしその安全対策はどうなっておるのだろうか。平年度でも四〇%を超えておりますから、何としてもこれらの事故を未然に防ぐ手だてを考えていかなければならないのであります。そういった点で、特に建設業関係労働者安全対策をひとつきちっとやっていただきたい、こう思うのです。これは道路局だけの所管ではないと思いますから、ひとつ計画局長のいまの考え方、対応についてお聞かせをいただきたいと思います。
  24. 永田良雄

    永田政府委員 御指摘のように、建設業における労働災害事故は大変多うございます。まあ建設業というのは屋外でかなり劣悪な労働環境のもとにやらざるを得ないということで多くなっているわけでございますが、これではいかぬというふうに私どもも考えております。ただ、労働安全行政と申しますのは、基本的には労働省所管でございます。したがいまして、労働省労働安全行政に私どもはできるだけ協力を申し上げるということで対策を立てていきたいと思っております。  具体的に何をやるかということになりますと、たとえば請負業者の選定に当たっては、余り労働災害事故を起こすような者は外していくとか、あるいは工期、工程を余り無理のない適正なものに指導していくとか、あるいは下請を選ぶときに安全管理十分意を用いている下請を選びなさい、こういったような指導をやっておるわけでございます。今後ともそういう指導を大いにやっていきたいと思っております。
  25. 木間章

    木間委員 労働者安全衛生担当労働省なんだ、こうおっしゃられるのですが、そういう縦割り行政よりも、建設省自体直営でおやりになっておる、あるいは公団もやっておいでる、市町村もやっておるわけでありますから、そういった他の官庁任せではいけないと私は思うのです。そういった点で、やはり人命にかかわる問題でありますから、公共事業を遂行するに当たっての質をもっと高める手だてがなされなければなりません。もちろん技能者育成等もまた大事だろうと思いますし、そういった意味での訓練等も当然ついて回る業務じゃないだろうか、こう考えるわけであります。  そこで、少なくとも人命にかかわる問題でありますので、きちっとやっていただく、そのためにはやはり大臣の御決意をひとつお尋ねしておかなければならないと思いますので、大臣の御決意をひとつお尋ねしたいと思います。
  26. 内海英男

    内海国務大臣 建設現場におきます労務者の安全確保につきましては、工事量に伴いまして近年相当増加をいたしておる現状にかんがみまして、安全を確保するということは、御指摘のように重要な課題であると考えておるわけでございます。したがいまして、建設省の直轄の現場はもとよりでございますが、建設業者、元請、下請ともども安全確保については万全を期すように今後とも厳しく強力な指導をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
  27. 木間章

    木間委員 ぜひお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、この機会有料道路営業内容等について若干お尋ねをしておきたいと思います。  今日、公団あるいは地方もどんどん有料道路化の時代を迎えておると私は思うのです。そこで、まずその営業内容についてどのように掌握をしておいでるのか、公団等からお伺いをしておきたいと思います。
  28. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 有料道路全般についてお答えさしていただきたいと思います。  道路整備特別措置法に基づく有料道路事業といたしましては、日本道路公団の行う高速自動車国道及び一般有料道路事業首都高速道路公団事業阪神高速道路公団事業本州四国連絡橋公団事業並びに地方道路公社及び地方公共団体の行う有料道路事業があります。  日本道路公団昭和五十六年度決算によれば、高速自動車国道事業につきましては、全国プール制に基づき効率的、安定的な事業運営が行われており、収入が四千七百六十七億円、費用が三千三百六十二億円、収支差が千四百五億円であり、採算性確保が図られております。  また、一般有料道路につきましては、全体としては、収入七百九十億円、費用七百五十七億円、収支差三十三億円であり、収支が均衡しているものの、一部の道路につきましては、石油ショック以降の建設費維持管理費等費用の高騰、交通量伸びの鈍化による料金収支伸び悩み等により採算性の悪化したものもあります。  首都高速道路公団事業及び阪神高速道路公団事業につきましては、それぞれのプール制に基づき安定的な運営を行っているところであり、昭和五十六年度決算によれば、首都高速道路公団事業収入九百五十六億円、費用六百五十一億円、収支差三百五億円であり、阪神高速道路公団事業収入七百三億円、費用五百四十億円、収支差百六十三億円であり、採算性確保が図られているところであります。  本州四国連絡橋公団事業につきましては、現在のところ、大三島橋のみの供用であり、今後、一ルート四橋の整備促進し、採算性確保を図っていくことといたしております。  地方道路公社及び地方公共団体の行う有料道路事業につきましては、その事業主体が数多く、採算良好なものがある一方、石油ショック以降の経済社会の変動に対応できず採算性の悪化したものもございます。  今後、高速自動車国道、首都高速道路、阪神高速道路につきましては、料金プール制を活用して採算性確保を図っていくことを基本とし、日本道路公団一般有料道路につきましては、経費の節減などの合理化を図るとともに、料金の改定、関連道路プール制の活用などの適切な採算改善策を講ずるよう公団指導してまいりたいと考えております。  また、地方道路公社等の有料道路事業につきましては、その事業の円滑な執行を図るため、石油ショック後の昭和四十九年度から無利子貸付金の貸付率の引き上げを行うなど、助成措置の拡充をすでに図ってきたところであります。今後とも、地方道路公社などの行う有料道路整備について適切な国の助成措置を講ずるとともに、採算性向上をはかるため、事業の合理化、適切な利用者負担について各事業主体を指導してまいりたいと考えております。
  29. 木間章

    木間委員 いまお話がありました中で、特に心配をされるのは地方有料道路であります。いま局長からお示しいただいたように、時と場合によっては、地方の住民のニーズによって建設をされていくものもあるだろうと思いますから、そういった点では、やはり経営が大変心配をされるところです。すでに資料もいただきましたが、そういった中で計画よりも下回っておる部分もかなり見受けられますので、そういったところについては、局長からお話がありましたように、助成措置等を大幅に組んでいただくように、今後とも前向きで御検討をお願いしておきたいと思うのであります。  次に、この新五カ年計画と私の地方の自動車道について若干お尋ねをしておきたいと思うのです。またこの新五計の完成までに北陸道が貫通するのかどうかということであります。  今日、すでに日本列島、縦の道路については、全体的にはほぼ完成の時期に入ってまいりまして、いよいよ横断道の時代を迎えたわけでありますが、この北陸自動車道は、あと——難所と言えば難所でありますが、新潟県境と富山県境との間で工事が停滞をしておると私どもは見るわけでありますが、まず、この新五計の中で完成される見通しを持っておいでるのかどうかお尋ねしたいと思います。
  30. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 北陸自動車道につきましては、現在、新潟黒埼—米山間及び滑川—米原間が供用を開始いたしております。未供用となっている米山—滑川間のうち、米山—上越間及び朝日—滑川間は、昭和五十八年度に供用を開始すべく舗装工事等を進めております。  また、上越—朝日間は、用地買収及び一部工事等を進めており、北陸自動車道の重要性にかんがみ、今後とも鋭意事業促進を図ってまいりたいというふうに考えております。  この上趣—朝日間は、地形急峻な山地部を通過しているため難工事が予想される区間でございます。ちなみに、上趣—朝日間の延長は七十四キロでございますが、うちトンネル延長は三十八キロと五〇%を超えておる区間でございまして、他にもちょっとこういう険しい地形のところはないのではないかというふうに思っております。したがって、昭和六十二年度までに全通させることは、工事工程から見てむずかしいというふうに考えておりますが、当区間のうち青海—朝日間につきましては、用地買収、工事等が今後順調に進捗すれば、第九次五計期間内に供用開始できる可能性もあると考えておりますので、積極的に事業の推進を図ってまいりたいと考えております。
  31. 木間章

    木間委員 有数の天下の難所だということも、私どもは地域におって存じ上げております。しかし、翻って考えてみますと、例の五六豪雪のときに、北陸道の果たした役割りは地方の住民も大変評価いたしました。同時に、建設省も、自動車国道、特に北陸道の雪に強いということを大々的に見本的に宣伝をされたことを私は知っておるのでありますが、そういった点で、宣伝材料に使っていただいたわけでありますから、一日も早くこれを完成していただかないと、仏つくって魂入れずといいましょうか、今日のわが国の土木工学から言っても、これらは必ず克服できますし、やる気だけの問題だろうと思いますので、ぜひそういった決意でこれから臨んでいただきたいと思うのであります。  それから、東海北陸自動車道については、先般内々のお話もありましたし、近く一部発表もされるわけでありますから、この問題はさておきまして、能越自動車道について若干お尋ねしておきたいと思います。  この能越自動車道というのは、横断道をつくろうという国の施策に従いまして、日本海と太平洋を中部山岳地帯で結ぶ東海北陸自動車道の延長線上にあるわけです。地元では早くからこの延長線上に据えようということで能越自動車道構想を持ちまして、すでに期成同盟会もつくりながら中央官庁にも働きかけがあったところであります。この能越自動車道と新五カ年計画とのかかわりをどのように見ればいいのか、建設省のお考えをただしておきたいと思います。
  32. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 能越自動車道は、富山県砺波市付近から能登半島を北上し、能登半島縦貫有料道路に至る幹線道路の構想であり、能登半島地域の将来の発展基盤として大きな役割りを果たすものであると考えております。現在、第三次全国総合開発計画において提唱された高規格幹線道路網に関する調査を実施しているところでありますが、本構想につきましては、この調査の中で今後十分検討してまいりたいと考えております。第九次道路整備五カ年計画期間内に高規格幹線道路網整備手法あるいは路線の決定を図っていきたいというふうに考えておりますので、この期間中に調査を促進して結論を出していきたいというふうに考えております。
  33. 木間章

    木間委員 次に、九次五計と豪雪関係について若干お尋ねをしておきたいと思うのであります。  国土の二分の一を超える地域が豪雪地帯でありまして、五六豪雪を初め毎年積雪に悩んでおるのが現状であります。建設省においても、年を追ってその対応を強めてはきておいでになる、私もそう評価をするところでありますが、いま、今度の新五計にそろえまして雪寒道路の新八次計画がなされておるところであります。この積雪地帯の道路のうち、国道、県道については除雪事業にも取り組んでおられるところでありますが、住民生活に最もかかわりを持っております市町村道について除雪事業が対象になっていません。そこで私は、これらについてぜひ対象にしていただくように、範囲の拡大と申しましょうか、そういった点についてのお考えをただしておきたいと思うのでございます。
  34. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 市町村道につきましても、冬期間における交通の確保は非常に重要な課題であるというふうに考えておりまして、除雪機械等に対する補助を実施しておるところでございます。  また、過去におきましても、異常な降雪のために通常の場合を著しく上回って除雪費用が必要となった場合においては、国から補助をするなど、時に応じた適切な対応を講じてきたところでございますが、今後とも市町村道の冬期間交通確保の重要性にかんがみ十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
  35. 木間章

    木間委員 平年時の市町村道については防雪事業でやっておるんだ、機械補助等でやっておるんだ、こういうことであります。確かに一部なされております。たとえば一級、二級の市町村道についてはなされておりますが、残念ながら、結果的には割り当て式になっておると言わざるを得ないのであります。市町村道は綱の目のように延長路線も大変長うございますから、一気にやれないから機械でやっておるんだ、こういう御説明であるわけでありますが、いま市町村民の実態からいって、やはりこの市町村道全体について一日も早く消雪なりあるいは除雪の事業をやっていただかないと、今日の市民生活が間断されてしまう、こういう実態でありますから、いま市町村現場では、年々消雪事業なりあるいは機械の対応を強めておるところであります。  そこで、割り当て式のやり方では、結局国の助成措置がなされておるとはいうものの、地方単独の部分がかなり大きいわけであります。そういった点で、もっと市町村の実態に見合ったような機械除雪あるいは消雪パイプの事業等を進展していただかなければ住民ニーズがかなえられない、私はこういうように考えるわけでございますから、新五カ年計画発足機会に、ぜひ前向きで取り組む姿勢をお示しいただきたいと思いますが、道路局長、いかがなものでしょうか。
  36. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 都道府具道等の除雪費の補助につきましては、都道府県の路線を指定いたしまして、それに対してかかった費用を補助するという仕組みをとっておりますが、市町村道の除雪につきましては、降雪の状況、また市町村道だけでは十分自己完結的な交通機能が発揮できませんので、どうしても幹線道路とのつながりが必要でございます。そういう幹線道路の交通確保状況などによって臨機応変に対応すべき場合が多いため、あらかじめ除雪路線を特定する補助制度によるよりは、市町村の自主的判断にゆだねて弾力的運用を図る方が効率的と考えられることから、その除雪費には交付税で措置するように従来していただいておるところでございます。  また、先ほど申し上げましたように、五十六年豪雪のように、特に異常な豪雪により市町村財政負担が著しい場合には、平年度を上回る市町村道の除雪について臨時に特別の助成措置を考えてきておるところであります。  今後ともこういうように降雪、地方財政等を勘案しながら冬期間の交通確保について十分配慮してまいりたいと考えております。
  37. 木間章

    木間委員 次に、奥産道路に入らせていただきたいと思いますが、時間も制約を受けておりますので、要点だけお尋ねしておきたいと思います。  奥産道路法の五条は国の補助率を決めておるのでありますが、一項では、「国の財政の許す範囲内」でという表現を用い、二項では、補助率は「以内」という枠はめをしておるのであります。そこで、こういう国の財政事情によって変化をするような表現になってまいりますと、さきの行革法での例でありますが、たとえば六分の一をカットするとか、こういう現象面があらわれてくるわけでありまして、このような変動するような文言では、これらの奥地の道路整備はなかなか思うようにまいらない、私はこう懸念をする一人であります。したがいまして、この「以内」という文言を外したらどうだろうか、こう考える一人でありますが、局長、いかがなものでしょうか。
  38. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 現在御審議を願っております奥地等産業開発道路整備臨時措置法第五条におきましては、「補助率については、道路法の規定にかかわらず、四分の三の範囲内で、政令で特別の定めをすることができる。」となっておりますが、建設省といたしましては、第六次計画における奥地等産業開発道路整備に当たっても、第五次計画と同様四分の三の補助率で進めてまいりたいというふうに考えております。
  39. 木間章

    木間委員 考えておるだけでは、私はなかなか地方国民の皆さんは納得できないだろうと思うのです。いまほども言いましたように、行革法が出てまいりますと、すぐやり玉に上がってしまうこれらの法体系ではないだろうか。地方は窮屈な限られた予算の中で運用しておりますから、それらが国のお家の事情で伸び縮みするということになりますと、地方にとっては大変不安な状況を醸し出すわけであります。そこで、やっていくんだという御決意をきっぱりとまず言っていただきたいと思うのです。外されなければ、きちっと四分の三をこれからも確保していく、このようにきっぱりとひとつお示しをいただければ、地方の皆さんも安心するんじゃなかろうか、こう思いますし、私自身もやはりそのように考えますから、大臣の御決意をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  40. 内海英男

    内海国務大臣 ただいま御指摘のように、奥産道路につきましては、先ほど局長からも御答弁申し上げましたように、従来どおり四分の三の補助率を堅持してまいる所存でございます。
  41. 木間章

    木間委員 そこで、最後にお尋ねをいたしますが、行革法との関係でございますが、行革法の十四条で六分の一が減額されたのは御案内のとおりであります。この奥産道路を進めるに当たって地方財政への影響が大変懸念をされます。それで、このカットに伴うこれからの財政上の措置については、すでに行革国会の中でも明らかになっておるのでありますが、これによりますと、対象になった都道府県及び指定市に対し減少相当額については地方債による措置を講ずる、こうなっております。そしてその地方債はどういうことでやっていくのかということでありますが、昭和五十八年度以降の各年度において地方交付税の算定を通じて適切な財政措置を講ずる、このようにもなっておるのでありますが、五十八年度以降の各年度において、具体的にはいつ手当てをするのか全く明らかになっておりません。特に、五十九年度以降赤字発行はやらないのだ、こういうことで始まったと思いますが、昨今の台所の事情からなかなかそのようにまいらぬという政府関係者の発言もあるわけでありますが、そうなってまいりますと、いよいよこのカットされた地方については大変な負担を受けるわけでありまして、そういった見通しについてどのようにお考えになっておるのか、お尋ねしておきたいと思います。
  42. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 ただいま先生御指摘になりましたように、行財政改革の一環として、公共事業については、特定地域にかかわる補助負担率のかさ上げ額の六分の一を減額することとされましたが、この対象となる都道府県または指定市に対し、事業の執行及び財政運営支障を生ずることのないよう、たとえば六分の一の減少額について起債を認めるとともに、地方債の元利償還に要する経費については、地方交付税の算定を通じて適切な財政措置を講ずるなどの方策がとられていると聞いております。地方財政への特段の影響はないというふうに考えておりますが、先生御指摘地方債の元利償還に要する経費について、地方交付税の基準財政需要額に算入するとか、また地方交付税の総額を幾分国費でふやすとか、そういう措置については、自治省と大蔵省間でいろいろ話し合いがついておるというふうに聞いておりますので、いま申し上げましたように、それらの実施によって地方財政への特段の影響はないというふうに考えております。
  43. 木間章

    木間委員 これで私の質疑を終えさせていただきますが、新しく発足いたします道路五カ年計画でありますから、特に立ちおくれております地方道あるいは奥産道、そして積雪寒冷地域の対応について、今後とも鋭意取り組んでいただくことを特に要望申し上げまして、終えさせていただきたいと思います。どうも御苦労さまでした。
  44. 松永光

    松永委員長 関晴正君。
  45. 関晴正

    ○関委員 今度の提案されました第九次道路整備五カ年計画にかかわる部面について先に質問したい、こう思います。  特に、私は、この五カ年計画において高速自動車道路整備方針、これについてまず伺っておきたいと思います。
  46. 内海英男

    内海国務大臣 高速自動車国道につきましては、国土の均衡ある発展を図り、わが国産業経済及び国民生活向上させるために不可欠な社会資本であると考えております。  昭和五十七年度末には供用延長は三千二百三十二キロメートルに達し、いわゆる縦貫五道が概成する見込みでございます。第九次道路整備五カ年計画では、二十一世紀初頭までに法定予定路線七千六百キロメートルを完成させるという長期的な目標に沿って、国土の背骨となる縦貫道の未供用区間、関越、常磐、近畿、山陽など縦貫道に準ずる各道、国土の肋骨となり地方の生活と産業を支えるための基盤となる横断道等の整備計画的、効率的に推進してまいりたいと考えております。
  47. 関晴正

    ○関委員 私は、高速自動車道路整備というものは、とにかくわが国における本州、北から南まで、そしてまた九州を加えまして、きわめて順調に進んでいる、こう思っておるのです。あと残っておるところは、北はわが青森県、南は鹿児島県というところでありましょう。それで何としても、この国土の中における背骨の部分のうちの頭に位するところの青森の方がおくれてしまっている。足の方は大方伸びておるけれども、これもまた末端までは行っていない、こういう状況ですね。  それで、五カ年計画でやりますといっても、私はゆっくり五カ年もかけるその整備までをわかりましたと言うわけにはいかぬ。特に新幹線が盛岡まで来て、その以北青森までというのはいつの日になるか、まだ見通しはついておりません。仮に政府の努力によってやることになるとしても、すぐできるものでもありません。見せかけのやり方ぐらいでやってでも十五年や二十年はかかります。それでもいい方になるでありましょう。  そういうことを考えますと、どう言ったって国の一つの重要な交通政策の中に、この北海道を結ぶ青森までの路線というものは、何よりも先に優先されてしかるべきじゃないか。それもまたあちらを見、こちらを見てゆっくり五カ年のうちにやればいいなんて考えておられるとするならば、私はこれはやはり方針として考え直してもらわなければならない。しかし内海大臣においては、いやいやそんなものじゃない、何よりもここはひとつ急を要する個所でもあり、しかも土地の買収においても、地権者等に対する折衝においても、問題もそんなにあるわけでもないし、ここは金さえ投じればすぐにでもできる地点です。しかもまた三十八兆円もかける国の大五カ年計画の中に算定されている経路でもありましょうから、この際、五カ年計画でこの道路計画は進められるとしても、この場所についてはせいぜい二、三年の計画で完工できるようにすべきじゃないだろうか、私はこう思っておるのですが、その点についてのお考えはどのようにありますか。
  48. 内海英男

    内海国務大臣 高速自動車道の整備に当たりましては、先生御指摘のように、南北に細長いわが国の地理的な条件を勘案いたしまして、国土の背骨となる青森から鹿児島に至るいわゆる縦貫道の整備を最優先いたしまして進めてきたところでございます。したがいまして、今月の二十四日には中国縦貫自動車道が全通する予定でございます。これにより東北縦貫自動車道、先生の方の御郷里の安代——碇ケ関間など一部の区間を除きまして、縦貫道は概成することになりました。今後は縦貫道の未供用区間の整備を強力に推進いたしまして、その早期完成を図るとともに、縦貫道と一体となって全国ネットワークを形成するその他の路線の整備計画的に推進してまいりたいと思います。  ちなみに申し上げますと、安代から青森県の碇ケ関までの六十七キロにつきましては、この九次道路整備五カ年計画の中で完成をさせるということで鋭意推進を図っていく考えてございます。
  49. 関晴正

    ○関委員 これは大臣から言われなくても、この計画の中で完成することはわかっている。問題は、先ほど申し上げておいたのは、大臣、五カ年計画だからといって五カ年でやればいいなんていう考え方で取り組むのじゃおもしろくないと言っているのです。おくれた分だけいかに早くして、そうして国の方針の基本でしょう。肋骨の方は後なんでしょう。背骨が先なんでしょう。その考えに立つならば、背骨と肋骨と同じようにしようなんていう五カ年計画で仕事を片づけられるのじゃうまくない。これは私の願いだけじゃなくて、国の方針として聞いているわけです。国の方針として、五カ年の中に入った、だがこれは肋骨と違って背骨ですから、背骨は先でございます。先だということであれば、五カ年のうちのせめて二、三年のうちにこれは片づけたい。わずか六十七キロかそこらのことなんですから、片づけようと思えば片づけられるのです。どっちが急ぐべき道かということを選択するのが大臣の頭なんですから、よその人のがやがやする声に動いていく必要はないのです。  そういう意味で、特にこの安代と碇ケ関間というものがとまっているのです。これがためにどんなに不便であるかわからない。盛岡までは行ってくるけれども、青森までは行くわけにはいかないと言ってみんな戻ってしまう。スキーに乗りたいと言ったって、青森の方が雪が多く降っていいスキー場がたくさんあるのだけれども、そこまでは行けないと言うのです。スキーだけじゃありません。夏、秋、春十和田へ行きたいと言ったって、やはり同じような意見がたくさんある。これは国民的な要求であるわけです。何も私が青森県から出ているからよけいに声を大にしてという意味じゃない。ですから大臣、五カ年の中でやりますということはわかりましたから、五カ年のうちの少なくとも二、三年のうちにこれを片づけたい、こういう御方針を持って当たるべきじゃないか、私はこう申し上げているわけなんで、その点ひとつ大臣からしかとした返事をいただきたいと思うのです。
  50. 内海英男

    内海国務大臣 最優先をいたしまして、最善の努力をいたします。
  51. 関晴正

    ○関委員 それではただいまの答弁は、五カ年計画であるけれども、六十二年度に完成なんていうことじゃなくて、六十年ぐらいまでに完成できる意気込みで取り組みたい、こう理解してよろしいか。
  52. 内海英男

    内海国務大臣 そのためには、地元の皆さん方にも全面的な御協力をお願いを申し上げたいと思っております。
  53. 関晴正

    ○関委員 幸いなことに、これは地方負担というものはないわけですよ。あなた、国鉄の新幹線と違うのですよ。だから地元は協力するにいいだけ協力している。邪魔が一つもないところまで至っているわけです。特に私の方のそこにおられる竹中さんも踏ん張ってやってきてもらっているわけですね。そういう意味で、とにかくここの点については地元の協力、幸い秋田さんも大分御協力いただいてきておるだけに、問題はほとんどないと思うのです。そういう意味では、大臣は全力を挙げて早急に、早期に、五カ年というけれども、それ以内にこれについて協力をいただいて進めるものなり、こういう決意であると理解してよろしゅうございますか。
  54. 内海英男

    内海国務大臣 結構でございます。
  55. 関晴正

    ○関委員 わかりました。ありがとうございます。ひとつぜひさようにして取り組んでいただきたいと思います。  二番目は、やはり何せこの新幹線というものが盛岡でとまってしまって、盛岡以北の青森、北海道というものについても不便というものは大変なものなんです。しかも、青森県というものは他県と違いまして、太平洋側と日本海側と二つを持っているのです。それぞれの県は太平洋側か日本海側しかないけれども、私どもの青森県はそれを合わせた分を持っているだけに、特に八戸部面への自動車道路、これもまたすごく待っているわけなんです。そういう意味でひとつぜひこの機会に安代—碇ケ関間の背骨については二、三年以内に片づけるという御方針はよくわかりましたから、八戸線もあわせて着工の率も高めていただきたい。幸いに南郷インターチェンジの部面についても御理解のある方針をとっていただきましたから、非常に喜んでいるわけでして、そういう部面についてもひとつ大臣からのお答えをいただきたい。
  56. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 東北縦貫自動車道八戸線は、岩手県安代町で同自動車道青森線と分岐し、八戸市に至る延長六十八キロメートルの路線であります。現在、安代—一戸間二十六キロメートルについては用地買収のための協議を、また一戸—八戸間四十二キロメートルについては用地買収及び工事をそれぞれ進めているところであります。今後とも鋭意整備促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
  57. 関晴正

    ○関委員 次に、東北縦貫青森インターから津軽方面につながる国道七号のバイパス、いわゆる青森環状道路のことなんですが、せっかく青森まで来ましても、青森から次へつながる面の道がまたよくない。通称七号線バイパスと言っておるところです。これについての整備もやはり早期に片づけてもらわなければならないのですが、この計画はどのようになっていますか。
  58. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 青森環状道路は、青森市内の交通混雑の緩和と東北縦貫自動車道の交通を円滑に青森市内及び津軽方面などへ導入、分散させるために計画された環状道路であります。  そのうち、青森市新城から同市浜田に至る十・二キロメートルにつきましては、昭和四十九年度から直轄事業として事業に着手し、県道安方浪館線から主要地方道青森十和田線の間四・五キロメートルについては、昭和五十二年八月に開催されましたあすなろ国体の開催に先立ち、暫定二車線で供用いたしました。また昭和五十四年九月には、東北縦貫青森インターチェンジから県道安方浪館線間二・二キロメートルについては、東北縦貫道の供用にあわせ、暫定二車線で供用いたしております。  引き続き、青森インターチェンジから現国道七号に接続する区間の工事を実施し、青森インターチェンジから市道中学校通り線間〇・七キロメートルを五十七年十一月に供用したところであります。今後も引き続き事業促進し、現国道に接続する区間を早期に供用すべく努めてまいりたいと考えております。
  59. 関晴正

    ○関委員 その早期にの早期はいつの時点までで片づけたいと思っていますか。
  60. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 これは暫定二車線で供用したいと考えておりますが、五十八年度以降残事業費が約二十四億六千万でございます。五十七年度事業費が約十四億でございますので、そんなに遠くない近い将来供用できるのではなかろうかというふうに考えております。
  61. 関晴正

    ○関委員 あわせまして、これと相対して東の方へ行く国道四号線のバイパスの部面が、実は全然進められておらないわけなんです。それでこの七号線の方は緊急にいま五十八年度予算において解決しそうだ、こうおっしゃっておりますが、この青森東環状道路整備の方針については全然取り組む意思がないのか、それとも取り組みながらも、何とかしたい、何とかしたいと思いながらも、この五カ年計画の中には何ともならないものなのか、その点についてひとつお答えいただきます。
  62. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 青森市新城から同市八幡林に至る青森環状道路、全延長十八キロメートルにつきましては、昭和四十九年十月に都市計画決定されておりますが、このうち西側区間十・二キロメートルについては、昭和五十二年のあすなろ国体の開催、昭和五十四年の東北縦貫自動車道の開通等の関連から鋭意事業を進めてきたところであり、相当の進捗が図られている現状にあります。  いま御指摘の東側区間七・八キロメートルについては、現在沿道の環境保全対策などに関する調査を実施しているところでありますが、当該区間の重要性にかんがみ、さらに調査を促進し、西側区間に引き続き事業化を図ってまいりたいと考えております。
  63. 関晴正

    ○関委員 調査を実施し、事業化を図りたいとおっしゃっておりますが、その事業化を図る時期は、この五カ年計画の中に含められますか。
  64. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 この環状道路の西側の部分を完成し、それに引き続いて東側部分にも事業化を図ってまいりたいと考えておりますので、その西側の部分の事業の進捗状況等を見ながら、東側部分の事業着工の時期を検討してまいりたいと考えております。
  65. 関晴正

    ○関委員 実は、私の尋ねているのは、いずれかの日にやるとかというお答えを求めているのじゃないのです。五カ年計画なんですね、いま出されている法案というのは。この法案にかんがみて、その東側の方についても四号線のバイパスをこの五カ年計画で完成をする、あるいは半ば完成する、半ば取り組む、どの辺にあるんです、これは。全然取り組まない、投げておく。お考えをいただきたいと思うのです。
  66. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 五計期間中に事業化するよう西側の事業の推進を図って、東側の環状道路についても五計期間中に事業化するよう最大の努力をしてまいりたいと考えております。
  67. 関晴正

    ○関委員 わかりました。これはほとんど話ばかりやって、選挙のたびごとに政治家が言うのだけれども、何度やってもうんともすんともならないものだから、非常な不信もあるわけです。ですから、やるやると言ったって、いずれの日にやるのかわからぬ、いつかはやるだろうという話じゃ計画というものにはならない。そういう意味で、ただいまの局長答弁は、この計画の中で事業化に入るよう全力を挙げる、こう言っているのですから、余り努力するとかというのにそうまた期待がかけられるのかしらという疑念もないわけじゃありません。しかし、少なくともこれは七号線のバイパスのとき、そうしてあわせて四号線のバイパスということでは国においてもぜひやってもらえるものとして大きく期待しているわけなんで、ただいまの御答弁で、実施までに向かってひとつ緩めないで、そういう計画の中にも含めて取り組む、こうおっしゃっているわけですから、ぜひ取り組んでいただきたい、こう思います。  その次は、第九次道路整備五カ年計画における有料道路整備方針について伺っておきたいと思います。
  68. 内海英男

    内海国務大臣 財政投融資資金その他民間資金を活用して、緊急に整備を行うことができる有料道路事業を今後一層活用していく必要があると考えております。したがいまして、現在高速自動車国道を除ぐわが国有料道路の供用延長は、昭和五十七年度末には二千六百六十六キロメートルに達する見込みでありまして、第九次五カ年計画におきましても、全国的あるいは地方的な幹線道路等の緊急に整備を必要とする道路につきましては、有料道路事業によりその整備を積極的に推進してまいる考えでございます。
  69. 関晴正

    ○関委員 私どもの青森市の柳町の立体交差も有料道路で進める、また取り組んでおる現況にありますが、この立体交差の整備状況、完了の時点をどのように見ておられますか。
  70. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 地方における幹線道路のうち主として長大橋梁、長大トンネルなど多額の費用を要する区間や都市及びその周辺で交通の隘路となっている区間など緊急に整備を必要とする道路については、地方道路公社等が行う一般有料道路事業として民間資金等を活用し、積極的に整備を進めているところであります。  御指摘の青森市柳町の立体交差道路につきましても、このような観点から、国鉄東北本線の跨線橋部分については、昭和五十七年度から青森県道路公社の一般有料道路として新規に事業に着手したものであり、現在用地買収を進めているところであります。また取りつけ道路部分については、青森県において昭和五十六年度から補助事業としてその整備を進めているところであります。本路線の重要性にかんがみ、柳町の立体交差とその取りつけ道の早急な整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
  71. 関晴正

    ○関委員 取り組んでいることはもうわかっているし、補助金をちょうだいしていることも承知しております。それで、この柳町の立体交差の跨線橋が完成するのはいつの時点と見ているかと聞いている。それをひとつお答えしていただきたいと思います。
  72. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 有料道路事業につきましては、許可申請がなされてそれを許可することになっておりまして、その中でこの跨線橋の工期というものが決められております。  それによりますと、この跨線橋は昭和六十年度に完成する予定になっております。しかし、この事業を推進するに当たりましては、用地買収等地元の協力も必要でございますので、そういう点からこの期間が幾分延びることもありますが、そういうことのないよう地元の協力を得ながら最大の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  73. 関晴正

    ○関委員 奥産道路についてお尋ねいたします。  奥産道路の指定の状況が今日の時点において約七十カ町村ばかり減る、こういうことになっておるようですが、これは各町とも奥産から外れることについてそれぞれ了解あるいは何らの異議等もないものであるかどうか伺っておきたいと思います。
  74. 梶原拓

    ○梶原説明員 奥産道路の指定の見直しの件でございますが、市町村から異議がないかどうかということでございます。  昭和五十三年度に制定されました第五次の奥産計画の策定の際に、指定路線の見直しを行ったわけでございますが、その際、既指定路線の主要地方道への昇格、それから既指定市町村が交通条件の改善等により奥地等地域の基準に該当しなくなった、主にこういう二つの理由によりまして、奥産道路として指定されなくなりました路線がございました。そこで、この中で事業中の路線につきましては、いずれのケースにつきましても、引き続き一般道路の国庫補助事業として整備が継続されてございまして、関係市町村から特段の異議はなかったという事実がございます。  今回の第六次の整備計画におきましての路線指定の見直しに際しまして、仮に既指定路線で除外されるというようなものにつきましても、前回同様に一般道路として整備促進を図るということで、地元との調整を十分図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  75. 関晴正

    ○関委員 全国的には約七十町村が指定から外される。私どもの青森県におきましても外される町村が三カ町村あります。佐井村、脇野沢村、碇ケ関村、実はこれはいずれも青森県で見ますというと一番遠いところです。一番離れているところです。これが奥産道路から外されるということになることについていろいろと心配があるのですが、幸いなことに国道が通ってくれるようになったんだからいいんだ、こうおっしゃっている。その通すことになった国道国道として昇格された地点の整備等が、それぞれ奥産から外れてよけいに貢献があるような期待をかけておると思うんだけれども、その期待にこたえるように整備を進めることについて間違いありませんか。
  76. 梶原拓

    ○梶原説明員 奥産道路の指定見直しにつきましては、一般的な指定条件等もございまして、関係省庁とも調整して今後決定してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、実態といたしまして、従来あるいはそれ以上に整備促進されるように十二分の配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
  77. 関晴正

    ○関委員 いまのお話のようであればいいのですが、奥さんから外れた、今度は父さんからも外れたなんということになると困るからね。国道昇格を父さんと言えば、父さんが来てくれるんだろうと思っているわけです。奥さんはいなくなった、父さんも来てくれなかった、これじゃ困ってしまうわけなんで、せっかく国道昇格という父さんが来てくれるならば、奥さんがいなくなっても父さんが来てくれるから安心してくれ、こういう説明説明だけじゃなくて実態が伴うように、ただいまの御答弁はひとつその期待にこたえて国がしっかりやってあげるように、この際強く求めておきたい、こう思います。  その次は、実は道路関係じゃなくて、建設省関係にもなるのですが、同時にまた国土庁長官にもかかわることになるので、お尋ねをしておきたいことがあります。  それは先般の委員会のときに河川局長が答えられた中に、小川原湖における漁業の調査は完了した、こう言うております。その完了したということの内容と、完了したならば、この次にはどう進めて事を運ぶのか、その二点について先に伺っておきたいと思います。
  78. 川本正知

    ○川本政府委員 小川原湖の総合開発事業に関係いたします漁業協同組合でございますが、小川原湖の関連で小川原湖漁業協同組合というのがございまして、高瀬川の関連で六ケ所村漁業協同組合がございます。この二つですと、実は先日の委員会で申し上げたのでございますが、そのほかに高瀬川の関連で三沢市の漁業協同組合もございました。以上三組合ということに訂正をさせていただきますが、この各漁協に対しましては、建設事業に着手して以来、事業計画内容説明いたしますとともに、五十四年の八月から小川原湖関係の漁業の実態調査を行いました。その内容といたしましては、組合員とその家族構成、あるいは魚種、漁獲量、魚価、また労務費等、そういったような調査を行いまして、五十五年に終了しておるところでございます。また、六ケ所村の漁協とか三沢市の漁協につきましても、五十七年十月から実態調査に入っているところでございます。  そういう意味で、実態調査を小川原湖漁協に対しまして終了しておるということを前回申し上げたわけでございますが、漁業補償に関しましては、以上の実態調査のほかに、湖の淡水化あるいは湖水位の変動といったものなどに伴いますいわゆる魚介類への影響を把握する必要がございまして、現在鋭意これらの影響把握を行っておるところでございます。  今後のお話でございますが、具体の補償問題につきましては、さきの実態調査と現在行っております影響把握の結果を踏まえて、今後対処していきたいと考えておるところでございます。
  79. 関晴正

    ○関委員 調査を完了した、その調査に基づいて漁業補償の折衝に入らなければならないだろうと思うのですが、おおむね漁業の補償金額をどの辺までと踏んでいますか。
  80. 川本正知

    ○川本政府委員 調査が終わりましたといいますのは、いま御説明申し上げましたように、実態調査について終わったということでございまして、今後いろいろと総合開発事業に伴います魚介類への影響を把握する必要があるということで、現在その作業を行っておるところでございまして、そういったものの結果が出てまいりまして、それから具体的な補償問題に入るという順序になるわけでございますので、そういったことで、現在まだいろいろと漁業補償関係の問題を詰めておるという段階でございます。
  81. 関晴正

    ○関委員 この湖水の淡水化事業には、どれだけの事業費がかかると見ておりますか。
  82. 川本正知

    ○川本政府委員 現在の基本計画では、全体といたしまして約五百九十億円程度という総事業費を考えております。
  83. 関晴正

    ○関委員 これは工事費であって、補償額はこの中に含まれていないのでしょうね。
  84. 川本正知

    ○川本政府委員 いま申し上げたのは総事業費でございまして、いわゆる補償費、工事費あるいはその他一般の関係諸費的なもののすべてを含んだ事業費でございます。
  85. 関晴正

    ○関委員 私は工事費を聞いているわけなんで、工事費はどのくらいになりますか。
  86. 川本正知

    ○川本政府委員 現在、約五百九十億円の中で、先生おっしゃいました工事費というようなものを考えておるのは、一応は三百数十億円だろうというふうな見当をつけておるところでございます。
  87. 関晴正

    ○関委員 まず、この金額がどのくらいかかるか、また補償額がどのくらいかかるか。私どもは、いまの五百九十億という算定の基礎、これは具体的にはきょうは求めませんけれども、少なくとも工事費が三百億だと仮定いたしますと、補償費はとても三百億程度のものでは上がらないであろう。どういったって五百億は下るまい、こう見ておるわけです。むつ小川原における補償のこれまでの経緯等を見ますときに、あの場所における補償額も大変なものだなとわれわれは見ておるわけです。そういうことで、とにかくこれは財政上の問題でもまた一つの隘路が生じてくるであろう、こう思います。でも、いまここで深くその話をしょうとは思いません。  ただ、問題は、淡水化する、淡水化をして工業用水に向ける、あるいはまた淡水化をして飲料用水に向ける、こう言うておりますが、もともと工業計画におけるところの水を豊富に使う事業、企業というものが全く見通しがないわけです。この間、私が国土庁長官に、閣議口頭了解というものはもう御破算でしょう、こう言うたら、加藤六月長官答えていわく、長期的展望に立って、まだこの閣議口頭了解というものを生かしているのだ、これを御破算にするというわけにはいかない、こう言うておりました。こんな莫大な金をかけて仮に淡水化がうまくいったとしても、その水を使おうにも、受け入れるところの企業の見通しというものがまずまずない。また、来て、その水を使うという段になった場合に、水量も、とてもこれは計画どおりの水量になるものだとは私は思っていません。そういう水量の問題にしても、使用の問題にしても、いろいろとここには問題があると思っておりますから、このむつ小川原開発計画というものは——この小川原湖というのは、昔小川原沼と言ったのです。われわれが小さいころは小川原沼。泥沼ですよね。沼というのは泥々した感じを与えますよ。湖だというときれいな感じを与える。そういう意味で、このかっての小川原沼、沼の中をきれいにするということは容易じゃないだろうと思います。してみたところで、その使用計画というものがなかなか暗いものだということを考えるときに、この事業はどうしたらいいんだろう。恐らく六月長官も、長官になって、えらいところに来たなと思っておられるんじゃないだろうかと思います。そこで、淡水化したこの水の問題、この水質の問題。実は、きょうは水質の問題だけ長官にぜひ聞いていただきたいと思うのです。  私は、青森県が国に出した原水水質試験結果書というものを見まして、これがいかにでたらめなものであるかということを聞いていただきたいのです。加藤長官だって、そんなにでたらめなものだとは知らないでしょう。  まず第一に、この原水水質試験結果書の中に、様式第五号に基づいて書きますというと、当然に採水者の名前がなければなりません。ところが、採水者の名前は何にもない。それからどこの機関が分析したのかとかという分析機関の名前もない。それで私のところに届けられた資料を見ますときに、私は驚いちゃった。責任者の名前もなければ、とった人の名前もない、分析機関の名前もない。その上、飲料水に供する場合には、年間の水質の調査をしておくべきだと思うのです。それがわずか三カ月間です。五十五年の十月十三日から五十五年の十二月十一日までそれぞれ一カ月一回ずつ採水した水で、結果よろしゅうございますと出ておる。ところが、この採水水質試験結果書の第三百十三号、第三百十九号、第三百二十五号、第三百三十一号、第三百十四号、第三百二十号、第三百二十六号、第三百三十二号、この地点は、舟ヶ沢前面湖水約百メートル、ウォーターレベル、マイナス〇・五メートル、マイナス十メートル、そうして水深十メートル地点、同じく水深十メートル地点ということで採水地点を示しておりますが、この舟ヶ沢の前面湖水から百メートルというところは、水深が十メートルなんというところじゃありません。水深わずかに五十センチです。水深五十センチもあるかないかというところの地点から、水深十メートルの地点と書き、そうして上の水五十センチのところと下の水十センチのところをとってきての調査でございますと、こう言うて示しておる。これほどのインチキはない。こうした文書偽造をそのまま受けて、そうして担当者の方において水道事業を許可する、よろしいとするなんということは、まことにこの癒着の姿、正常な判断の持ち主、行政マンであればこんなことはできない。これはでたらめの言い分書です。  そういう意味で、きょうは特別長官に出ていただいて、長官の耳には何でも達していると思っているけれども、ここまではきっと達していないだろう。あなた、こういうでたらめなお話があって、長官として、水道事業だとか淡水化事業だとかを進めていってみても、基本的に、出している文書に誤りがある場合には、取り消さなければならぬ、やり直しを命じなければならないと私は思うのです。しかも、水道事業が認可になったのは五十七年の六月二十九日。五十六年に起債も認め、補助金も出しているじゃありませんか。水道事業の認可がされないうちに水道事業の起債を出したりあるいは補助金を出したりということは、前例を見ざるものでしょう。めんどう見てくれると言えばありがたいことでもあるけれども、こうした行政の措置なんということは常識で考えられません。  この際、私の指摘した点について、私の言うているのがうそだというならば、おまえが間違っていると言うてください。そうでないならば、あなた方としてしかるべきとる道を示してください。
  88. 森下忠幸

    ○森下説明員 お答え申し上げます。  まず、原水水質試験結果書に採水者の名前が落ちておる、あるいは分析機関名がないというふうな御指摘を受けました。これは、先生のお手元にお持ちの資料は、事業認可申請書の中の水質の総括表をお持ちだと思います。その総括表には確かに採水者名、分析機関名が出ておりませんが、その基本になりました申請書に添付してございます原票には、水質試験の結果につきまして採水者名、分析機関名が記載してございます。分析機関名を申し上げますと、社団法人青森県薬剤師会の青森県医薬品衛生試験センターでございまして、これは水道法二十条の規定に基づきまして、厚生大臣が指定いたします水質検査機関でございます。それから採水者の方といたしまして二名のお名前が明記してございます。そういうことで、総括表には確かに省略してございますけれども、申請書に添付してございます原票には、厚生省の通達に基づく様式どおりそういう事項が記入してございます。  それから、三カ月のデータしかないではないかとおっしゃっておるわけでございますが、認可申請書に記載いたします水質試験の結果書、これはどういう目的でつけさせるかということをちょっと御説明させていただきたいと思いますけれども、これは水質が悪くなったときでも、申請されました用水方法できちんと水が処理されて水質基準に適合する水を供給できるかどうか、こういうことを判断するために必要なものでございます。いろいろな水道の事業がございまして、突然私どもの方に認可申請が上がってくるケースもございますけれども、むつ小川原開発事業に関連いたしました用水供給事業、これは大変昔から構想がございましたし、厚生省の方で直接、塩分濃度とか底質からの物質の溶出の問題あるいは富栄養化等の水質問題あるいは最も適切な浄水処理方法、これこれにつきまして独自の調査を実はかねてからやっておるわけでございます。それからまた四十七年以降、他の省庁でも各種の調査もされております。それから青森県からもまた別途説明も受けております。こういうことで、私ども、この水質が将来淡水化された暁に、水道水源として十分できるということにつきましては、判断できる資料を持っておったわけでございます。そこで、御指摘のように、認可申請書に記載されております水質試験の結果は確かに三カ月でございます。でございますけれども、いままで申しましたように、私どもの独自のデータあるいは県が県の環境サイドで行いました調査、他の省庁で行いました調査、これこれを総合的に判断いたしまして、これは将来十分利用にたえるというふうに判断したわけでございます。  それから、これは大変重要な問題だと思いますけれども、御指摘の採水地点として、先生のお持ちの総括表に記載されております場所でございます舟ヶ沢前面湖水約百メートルという地点でございます。これにつきまして、百メートル地点では十メートルという水深はないという御指摘でございます。私どもも、この認可の時点では、現地に参ったわけではございませんが、重要なのは、水深が十メートルのところなら十メートルのところで採水するということでございます。十メートルのところでなるべく表層に近いところから取水するということが基本計画になっておりまして、したがいまして、採水に当たりましては、水深が十メートルあるところをまず選んで、舟ヶ沢の前面の十メートルのところまで出向いて、そこで採水した結果を報告することは当然だと思っております。ところが、その百メートルの沖ではそういう深い地点がないという御指摘でございました。  そういうことを事前に先生からもお話を伺いましたので、県の方に調査させました。県がその分析センターの方に問い合わせましたところ、これは事実は恐らくこういうことだと思います。現地点に参りまして、水深十メートルのところで確かに採水はいたしたそうでございます。その十メートルのところは、実際に瓶を船からおろしましてはかるわけでございますが、深さが十メートルあるということは、これは確認されておるわけでございますが、そのときに沖の方から岸の方を見ましたときに、目測で大体百メートルじゃないかというふうなことで、これは記入したのではないかということで、こういう間違いは私どもまことに遺憾だと思っております。大体二百メートルないし二百五十メートル参りますと、十メートルの水深のところがあるわけでございまして、そういう地点をこれから具体の工事の設計の中で取水地点として選んでいくということを考えてまいりたいと思っております。  それからもう一つ、事業認可の前に補助金を出したのは例がないのではないかというふうな御指摘がございました。小川原湖の広域水道企業団に対します国庫補助金は、五十六年度で二千三百六十三万二千円、これは主として測量試験費でございますけれども、これを交付しております。水源開発は、通常大変長期の期間を要するものでございます。そういうわけで、あるいはまた将来にわたって水道の安定供給を確保する上で、通常は水道事業の認可を前提として補助をしておるわけでございますけれども、特に先行期間が長いものにつきましては、将来水道事業が認可されるということを前提といたしまして、その認可の前に水源手当て、すなわち補助を行うということが必要でございますし、そういう場合には補助を出しておるわけでございます。今回の場合は、御指摘のように、五十六年に補助金を出しておるわけでございますが、小川原湖広域水道企業団が青森県知事の許可を得まして五十六年の四月一日付ですでに設立されていたこと、それから事業の実施が確実であるということを判断いたしまして、できるだけ事業体の経費の御負担を少なくするという目的で、認可以前ではございましたけれども、水源地補助の交付をいたしたわけでございます。  なお、こういった補助は、たとえば補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、通常適正化法と言っておりますけれども、この法律とか、あるいは厚生省所管補助金等交付規則及び水道水源開発等施設整備国庫補助金交付要綱、こういったものの規定の中でも、特に認可済みでなければ補助金は出せないということは定めてございません。  以上、御説明させていただきました。
  89. 関晴正

    ○関委員 長官、御意見ありませんか。
  90. 加藤六月

    ○加藤国務大臣 先ほど関委員の御質問、それに対する厚生省側の答弁をじっと承っておったわけでございます。むつ小川原開発計画の具体化に当たりましては、関係各機関にそれぞれの所掌事務を分担してもらいまして、それぞれおのおのの責任において事業を実施するという方式をとっておるわけでございます。上水道事業等につきましても、厚生省を初め関係省庁が専門的、技術的な調査検討を行った結果、用水として適当であると判断したものでありまして、これを受けて関係機関がおのおのの責任において計画を策定し事業を実施しておるところでございます。先ほど専門の官庁から、調査の結果、用水として利用に問題はないとの答弁があったところでございます。  この点等から考えましても、国土庁としては、上水等の利用計画には問題はなく、したがって、そのためにむつ小川原開発計画を根本的に見直す必要はない、このように考えておるところでございます。
  91. 関晴正

    ○関委員 私の聞いていることに大臣がどのぐらい耳を傾けておったのか知らぬけれども、採水の地点が百メートルの地点というのには水深十メートルというのはない。だから、水深十メートルということになると、地下水をとってきたのじゃないかと疑われるわけですよ。百メートルの先というのが五十センチの深さしかないのです。そこからどうして十メートル下の水をとってきたということになるのです。書類がそうできているのです。われわれは書類以外に見るものはありませんよ。また政府は書類を見てそれぞれ審査するのでしょう。百メートルの地先というものは五十センチの深さしかないところだとすれば、これは全部うそなんだ。うその結果書を受けて、よろしいということになっていいのですかと私は聞いているのです。大臣、そこですよ。聞いているのは。これは大臣か前の長官か知らぬけれども、少なくとも大臣としては、そういうような傷のある調査だとすれば即刻やり直し、これは原則でしょう。あっちに聞き、こっちに聞く必要もないものです。なぜこんなことが起こったか。これを偶然と見るならばさほどのことはない。しかし、これを見るときに、気温にしても水温にしても、深いところも浅いところも同じなんだ。寒い日も暖かい日もこれまた同じなんだ。一べつしてこの結果書というものに疑点がなければならぬ。厚生省の役人というのは恐らく能力のある役人でしょう。目はちゃんとあいているのでしょう。私のような素人でも、十二月の水の温度とその他の水の温度と、あるいはまた五十センチの水の温度と十メートル下の水の温度と、それぞれにまた違いがあるはずだと思う。違うのもある、同じなのもある。問題は、この百メートルの地点というのはうそだ。うそだということをまず認めてくださいよ。  その次に、なぜ私の方の書類には採水者の名前も分析機関の名前も外してよこしたのです。様式五号というものは外すようにできていませんよ。これは様式五号だと思って私は見ているのです。様式五号に忠実ですか。あなたの方に出したものには名前もある、機関もあるという。一般的に調査をして出せと言ったものには、なぜそれを除いて持ってくるのです。責任がないからでしょう。そいつが調べられれば困るからじゃないですか。単純なミスだというのか、意図的な結果だというのか、調査委員会でも設けて調べなければわからない部面です。だがしかし、少なくとも県から国に出したものをチェックする国の役人がこんなことでいいのですか。これで黙って通るのですか。インチキがあったり、誤りがあったらどういう措置をとるのです。あなた方、ほおかぶりをして田中角榮のように逃げるのですか。そんなことないでしょう。ところが、国土庁長官はさっき何と言ったか。何でもかんでもやります。こんな姿勢じゃ困るのです。もっと謙虚に、事実に反することがあったならば、それに即して対処する。これが方針としてとられなければならないのじゃないですか。長官もまたそこをよく聞いて、どうしてこんなことが起こったのか、それならば原点に返れ、厳正な調査において原点に返れと言ったらいいでしょう。お答えいただきます。
  92. 森下忠幸

    ○森下説明員 御説明いたします。  先ほど申しましたとおり、採水者側が水深十メーターのところを探水するという目的で現地に行ったというふうに聞いております。舟をこぎ出しまして岸から出ていったわけでございますが、水深は直接綱等を使ってはかるわけですから、それは間違いなく十メーターのところまで行ったものと私は思っております。ただ、そこまでの距離が実は目視、目で見たものですから、測量とかそういうことをいたしませんで、舟の方から見て岸まで大体百メーターはあったろうということを実はここに記入してしまったのであろうと私は思っております。もとより、現地に行かないでデータをつくったとか、そういうことは全くないと信じております。しかし、先生から本日こういう御指摘があったわけでございますから、私どもも直接県を通じましてこの点については調べたいと思っております。それで、もしこの距離などが間違っているということが明らかになりました場合には、この部分について訂正を求めるということにしたいと思っております。
  93. 関晴正

    ○関委員 明らかになった場合はと言うが、あなた方の方でちゃんと等深線があるでしょう。等深線に従って百メートルといったらどうです。十メートルのところの等深線というのは何メートルあります。近くて三百メートル、遠くて九百メートル、何にも当たってみなくたって、図面というものを見たらわかるでしょう。図面に照らして調べることもしないで、あなた方はオーケーしたのでしょう。この誤り、この責任はどうするのです。  これは前任者のことだから、いまの方のところにないと言えばないでしょう。いまの方はりっぱだから、そんな間違いはしないだろうと思う。特に環境アセスメントにおいてのベテランであった方なんだから、私はこの方は信頼しておるのです。ところが、その先の方まで信頼するわけにいかない。こういうのにめくら判を押して、そしてオーケーといって通ってしまった。このでたらめはやっぱり直してもらわなければならない。そういう意味で、長官、なおあなたはどうでもいいと思っておられるのか。こんな間違いを聞かせられて、これはやっぱりやり直しさせなければならない、この部面についてはきちんとやれ、こうお思いになりませんか。
  94. 加藤六月

    ○加藤国務大臣 採取した水そのものが飲料水に適する、工業用水に適するということであれば、一つの大きな見識でございまして、その地点、場所が岸から何メートルの距離にあったか。先ほどの御質問その他を見ますと、百メートル沖というのと二百七、八十メートル沖というのとの違いはあるようでございますが、要は水そのものが飲料水として適当であるかないかという点ではないか、このように判断をいたしております。  それからもう一つ、先生の御質問について言いますと、地下水をとったのではないだろうかというような御質問がございましたが、もし地下水なんかをとってそういうことをしたとするならば、これは大変なことでありますが、間違いなく瓶で十メートル前後のところの水をとって、それを分析し、それを調査してあるとするならば、そこの点は心配要らないのではないか。地点の間違いということと飲料水に適するか適しないかという問題とは区別して考えるべきである、私はこのように判断いたしております。
  95. 関晴正

    ○関委員 百メートルの地点の水でないといったら、あなた、百メートルの地点でない水だというのだったら、何メートルなのかと直したらいいでしょう。水そのものに誤りがなければ何でもいいのだなんて、どこの水持ってきてもいいような話をすることは不見識ですよ、長官。私の言っているのは、あなた方が示された結果書についての分析をしてのお話をしておるのですよ。  それから、この水そのものがいいなどと考えて、飲料水にしたらいいだろうなどという論にはなかなかいかない。工業用水としてもまたこれは問われている水です。水質そのものになると、いろいろとこれからなお議論をしなければなりません。きょうはそこまでいっていないのです。玄関の戸をあけた程度の話をしているのですよ。全然座敷に上がっていない。入り口においてあなた方が誤っているから、そこの姿勢を直しなさい、こう申し上げておるのです。そういうことで私の質問は終わりますから……。
  96. 松永光

    松永委員長 小野信一君。
  97. 小野信一

    ○小野委員 最初に大臣の所見を伺っておきます。  第八次道路整備五カ年計画までの道路づくりを取り巻く環境と、第九次五計を取り巻く環境ではずいぶん大きな違いが出てきておると私は考えます。第一は、やはり国家財政、地方財政を含めて非常に悪化しておる。第二は、経済環境の悪化。昭和三十年代、四十年代でありますと、一〇%前後の経済成長率がありましたけれども、五%に下降し三%に下降してしまった。それらを背景にして、大蔵省もまた非常に厳しい条件をつけてきておる。大蔵省の「歳出百科」、五十五年八月に出したものを見ましても、今後道路投資をどのように進めていくべきかが重要な検討課題となっている。あるいは道路特定財源の問題につきましても、財政資金の使い方として適当かどうか早晩検討を要する。あるいは財政制度審議会、昭和五十六年十二月十八日にやはり同じような答申を出している。臨調もまた「行政改革に関する第一次答申」で「道路その他の特定財源(自動車重量税を含む。)の在り方について幅広く検討する。」あるいは学者の方からも、道路の提供するサービスの限界効用が低下している、あるいはプライオリティーが低下しておるのじゃないか等いろいろな道路づくりの環境に対する批判が大きくなっておりますけれども、これらの第九次五計を取り巻く条件について大臣はどのように認識しておられ、それに対して、どのような見識を持ち、そして第九次五計を遂行するに当たって、それらを背景にして、いままでとはどう違った政策を推進しなければならないと考えておるのか、最初に所見を伺います。     〔委員長退席、竹中委員長代理着席〕
  98. 内海英男

    内海国務大臣 先生の御指摘のように、第八次道路整備五カ年計画と今回の第九次道路整備計画を策定するに当たりましての社会情勢、財政事情、御指摘のとおり、非常な変化があると私どもも認識いたしております。したがいまして、建設省といたしましては、道路に対する考え方といたしまして、日常生活及び経済活動に欠かすことのできない最も普遍的かつ基礎的な交通施設であり、土地の有効利用に寄与するとともに、防災空間、供給処理施設、収容空間、良好な居住環境を形成するための公共空間としても重要な役割りを道路は担っておると考えておるわけでございます。  わが国の近代的な道路整備は、御承知のとおり、昭和二十九年度に第一次道路整備五カ年計画発足いたしまして以来、四半世紀を過ぎたにすぎないわけでございます。道路整備の水準は、御案内のとおりいまだに大変低いわけでございまして、交通安全対策防災対策震災対策沿道環境保全対策等当面推進を迫られております課題はまだ多く残されておるわけでございます。また今後予想されます産業構造の高度化、地方定住と都市化の進展等経済的、社会的諸条件の変化に伴う新たな要請に的確にこたえる道路を先行的、計画的に整備する必要があると考えております。  このため、道路整備の長期計画に基づきまして昭和五十八年度を初年度とする第九次道路整備五カ年計画を策定いたしまして、国土構造の骨格を形成する高速自動車国道から地域社会の日常生活基盤としての市町村道に至るまで道路網を体系的に整備することが必要であると考えまして、第九次道路整備五カ年計画を策定して、これを推進してまいりたいと考えておるわけでございます。
  99. 小野信一

    ○小野委員 現状に対する考え方はそのとおりだと思います。  時間もありませんからどんどん前に進みますけれども国土開発幹線自動車道建設法第一条「目的」を見ますと、「国土の普遍的開発をはかり、画期的な産業の立地振興及び国民生活領域の拡大を期するとともに、」云々、「及びこれと関連して新都市及び新農村の建設等を促進すること」、こういうふうに五計はその精神を活用しなければならないことになっております。しかし、戦後東京が急激に発展した、人口がふえていった。これはなぜかという問いに対して、学者の多くは、道路と交通通信網の改善、発展があったからだと分析いたしております。ところが、高速度道路にいたしましても、あるいは新幹線も含んでいいと思いますが、これらの建設は、一方で地域開発を促進する、こういうことで高速度道路も建設しておる。そうしますと、実際の日本の都市化あるいは東京集中と、実際の日本の人口のあり方と法の精神とでは逆な方向にその結果が出ているんじゃないだろうか。現在の時点では、少なくとも高速度道路は首都集中を進める機能、効果があって、地方分散の効果がなかったのではないだろうか、私はそういう気がいたします。だからといって、高速度道路建設あるいは一般国道整備拡充を、それは間違いだ、そういうことを言っているんじゃなくて、もし法の精神を忠実に実行しようとするならば、第八次までの果たした役割りといいますか、これを法の精神に戻すことがいま必要なんじゃないだろうか。そうなった場合に、第九次五計というのは、第八次までの五計に加えて何物かを足していかなければ、大都市集中あるいは太平洋沿岸ベルト地帯にだけ集中して、国土の均衡ある発展に寄与しないんじゃないだろうか、こういう結論にならざるを得ない。第九次五計で均衡ある国土発展を期すためには、現在の高速度道路あるいは一般国道、重要国道をどのような方向に方針として直していかなければならないのか、あるいはある方針を加えていかなければならないのではないかという感じを私は持つのですけれども局長、いかがですか。
  100. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 道路整備が集中分散にどういうような役割りを果たすかということでございますが、私は道路そのものは集中にも分散に対しても中立であるというふうに考えております。ただ、道路が悪いとそれが非常に大きなボトルネックとなりまして、本来移動すべきものがなかなか移動しにくかった、メリットのある地域へ非メリットの地域の人や物、そういうものが非常に動きにくかったということではなかろうかというふうに思います。  したがって、大都市、特に東京におきましては、道路整備される前に、地方に比べて有利な幾つかの点があったと思います。たとえば政府があるとか、あるいは金融機関の本社機能があるとか、あるいは世界じゅうの情報が集まっている。そういうメリットがありまして、そういうものが地方よりもメリットであった時代において道路整備を進めた場合、ある程度東京周辺に人や物が集まったのではなかろうかというふうに思います。しかし、現在においては、すでに規模の利益を越えて過密の弊害があらわれておることは明らかでありまして、大都市における交通渋滞問題、また災害に対する脆弱な構造であるとか、これらに対して的確な対応を図っていくことはぜひ必要だというふうに思っております。  また、地方について見ますと、最近の企業立地数等を見ましても、地方が大都市に比べて非常に大きな率を占めるようになっております。たとえば東北六県を見ましても、ここ数年間企業立地数は全国の一〇%から一五%程度の数字になっております。東北における鉱工業生産指数が全国の比率の三、四%であることを見れば非常に大きな率ではなかろうかと思っております。こういう人たちになぜ東北に来たのかという話を聞きますと、大抵のところが挙げる要因は、一つは用地費が安いこと、労働力確保が容易であること、地方公共団体の協力姿勢がいいこと、それから希少資源である水とか電力とか、そういうようなものの確保が容易であるというような点が挙げられておりまして、地方のメリットがこれからどんどん出始めていくというふうに考えております。  したがって、これから高速交通ネットワークを全国的に整備すれば、バランスのいい人や物の動きが果たされ、地方の定住の促進、さらに地方へいい職場が移ることによって個人所得等の増大というようなことが図られていくのではなかろうかというふうに思っております。
  101. 小野信一

    ○小野委員 私は、第八次五計までの方針をそのまま踏襲していった場合に、地域格差の是正、太平洋ベルト地帯の過密化の防止、全国的な土地利用の合理性、これらが楽観的な見通しが立つとは考えておりません。したがって、現在の高速度道路網がどこに問題があってこれらの所期の目的が達しられなかったのか、ここがやはり第九次五計の中に生かされる必要があるのじゃないだろうか、私はそう考えております。何といっても幹線交通網が網状にネットワークになることが必要なんじゃないだろうか。これに対する促進がなければ、特に肋骨道路は行ってまた戻ってくる。これでは人口が過疎地帯に都会から行くとか企業が進出するということは、部分的には、あるいは少数としてはあっても、大勢としては促進しないのではないだろうか。したがって、早急に高速度道路、幹線道路の網状ネットワークの完成が必要なのじゃないか。第九次五計はこのネットワーク、網状に道路をつくるという方針が当然付加されなければならないと私は思います。  したがって、法の精神からいきますと、私は理想的な日本の交通というものが頭の中にあるいは机の上で描かれるんじゃないだろうか。そういう理想的な日本の交通網を大臣なり建設省道路局ではどう考えておるのか。理想的な交通網があって、それに対して着々と進行していくというような計画性があるんだろうか、こういう気がいたしますけれども局長、日本の理想的交通網というのはどんな形態を考えているのか。小さいことは必要ありませんから、こういうものじゃないだろうか、もしそういう構想がおありになったらお聞かせいただきたいと思います。
  102. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 東北の例で恐縮ですが、先生も岩手県でございますので、東北の例で申させていただきますと、東北で戦後、工場団地千平米以上のものでございますが、形成された面積が約三千ヘクタールでございますが、このうち、現時点ですでに売られ、そして操業しておるものが約六〇%でございます。こういうよく売れている地域はどういうところかと申しますと、高速道路、新幹線の沿線、さらに飛行場の周辺、さらに相当規模の港湾機能を有する近くでございます。  さらに、私、昨年東北地建におりまして、戦後企業立地した人たちにいろいろアンケート調査をしまして、今後東北発展のために、また優良企業が東北に立地するために一番必要なことは何かという最後の質問に対して多くの人が答えたのは、高速交通ネットワークを整備することである、それから都市の整備をすることであるというふうに挙げております。  そういう観点から、わが国の均衡ある発展を果たしていくためには、高速交通ネットワークの整備が非常に重要である。その際、そのネットというものが地域発展に非常に大きな関係があるということを身にしみて感じておるものでございます。現在におきます高速ネットワークは、法定予定路線として定められております七千六百キロでございますが、これだけではかなり目の粗さがございますので、三全総でうたわれております一万キロ構想の高規格道路を、第九次道路整備五カ年計画期間内に、その整備手法とそれから計画路線を定めることによって、七千六百キロの高速ネットワークを補完して、わが国全体の隅々までが発展していけるようなそういう基盤づくりをやっていきたいと考えております。
  103. 小野信一

    ○小野委員 岩手県の話が出ましたが、誘致企業に働いておる労働者の数は二万人、東京だけで岩手県から来ておる人が三十万人おります。したがって、確かにいま局長が言うように、地方進出した工場もありますけれども、出かせぎの方が圧倒的に多い。そういう大局的な立場で見た場合に、高速度道路の果たした役割り、これは少なくとも都市集中に大きな役割りを果たした。それではいかぬから、これから三十万の東京に出かせぎに来ている人たちが岩手県に帰れるような計画をつくって実施する、長期計画としてもやっていただけるようにするためにはどうしたらいいのかということを聞いているわけですから、その辺を十分検討していっていただきたいと思います。  次に、これだけ財政事情逼迫してまいりますと、高速度道路にいたしましても新幹線にいたしましても、一つの選択をしなければならない時期に入っているんじゃないか。一つは、いままでのように経済効率、輸送効率を優先させる道路をつくること、それとも国土の利用、合理化、これを図るために、輸送効率をある程度犠牲にしても、一つの均衡ある国土発展をするという立場からの道路建設、こういう選択の時期に入っているんじゃないか、私はこういう気がいたします。ただ、非常にむずかしい問題ではありますけれども、まだ太平洋ベルト地帯あるいは三大都市圏は、人口増加なり交通の混雑に適応できない段階だから、まだ輸送効率の方が優先される時期だ、こういう考え方も当然あると私は思いますけれども、私たちの立場からすると、均衡ある発展のための道路建設に第九次五計が方向転換する時期じゃないだろうか、こういう考え方を持つのですけれども局長は、そういう判断は当然だろうと答弁します、しかし、第九次五計の中に具体的にそういう方針が予算で幾らかでも配慮されるようになっておりますか。
  104. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 国土の利用、開発のためと、それから大都市において非常に交通渋滞を来しておる、そういうものの効率性を図っていくための施策は、両方やはりバランスよく実施していくことが必要ではなかろうかと思っております。
  105. 小野信一

    ○小野委員 その辺十分納得できるような答弁なり予算化あるいは計画をわれわれの前に順次示していただきたい、こう希望しておきます。  私は、一つ日本の道路計画の中で問題になるのは、やはりナショナルセキュリティーの観点からの道路建設が欠けているのじゃないだろうか。去年、雑誌「道路」の中で堺屋太一さんが言っておりました。私も昭和五十年だったと思いますけれども地方議員団の欧州道路視察の一員として西ドイツにアウトバーンを見に行きました。そのときに、アウトバーンの鉄橋ですか、あるいはトンネルがありますと必ずバイパスがつくってある。トンネル内で事故があっても高速度道路がそこでストップするというようなことは絶対に避ける。橋が何かの事故で落ちた場合に、必ずバイパスが通してあって高速度道路は交通が渋滞しないようにつくられてある。こういう観点が日本の高速度道路の場合には欠けているのじゃないだろうかと私は思う。たとえばアウトバーンの十車線を一つつくりさえすれば済むものを、六車線と四車線に分けて、しかも同じルートじゃなくて別なルートで道路がつくってある。東海地震が万一あった場合、国道一号線も高速度道路も新幹線も全部ストップした場合に、東京の食糧、水、それらに対する不安は非常に大きなものがある。一号線も東名高速度道路も、今度つくる第二高速度道路計画もあるだろうと思うのですが、これらが一つとまっても他の道路で十分輸送ができる、東京都民は心配がないというような、輸送第一主義じゃなくて、国民生活第一主義のナショナルセキュリティーの観点からの道路がこれからは要求されるのじゃないだろうか。第九次五計の中に、先ほど言いました国土の均衡ある発展のための道路とそのための具体的政策、ナショナルセキュリティーの観点からの道路政策というものが、第八次までになかった部分として追加されるべきものだと私は考えます。それらに対する考え方をお聞きしたい。
  106. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 ナショナルセキュリティーは非常に重要な問題でございまして、いま先生のおっしゃいましたように、このナショナルセキュリティーを確保するためには大別して、私たちよくダブルネットワークと言っているのですが、A、Bの二地点を結ぶ道路について二つの路線をつくって、それぞれの補完を図っていくという観点。それからもう一つは、そう言ってもそれぞれの道路が弱くては災害等に耐えられませんので、それぞれの道路災害に対して強い道路にしていくという観点から事業を進めておるわけでございますが、なかなかダブルネットワークを形成させていくには費用、時間等もかかりますので、第八次まではそれぞれの道路の持つ災害に対する強さを増していくという対策を重点的に実施してきておりますし、第九次でもまだ相当危険個所等もございますので、そういうものの重点化を図っていきたいと思っております。  それから、何といってもナショナルセキュリティーのためにはダブルネットワークを形成することがぜひ必要でございますので、そういう観点からもこれからの道路計画整備を進めたいと思っております。たとえば高速道路でございますと、東名に対して中央道が相当の代替性機能を持っておりますし、さらにたとえば東北道の横断道でも郡山から新潟まで、さらに新潟、郡山、いわきというようなものを結びますと、常磐道等を経由して常磐道、東北道、関越自動車道というような道路がそれぞれ補完し合えるとか、そういう広域的なネットワークをまずつくり上げる。それから個々の区間等についてもできるだけダブルネットワークを形成していくように、これから道路計画についても十分配意していきたいというふうに考えております。
  107. 小野信一

    ○小野委員 第九次五計、第十次、第十一次と続いていくんだろうと思いますけれども、私は経済効率第一主義じゃなくて、国土開発、均衡ある発展道路網の形成、それからナショナルセキュリティーの観点を持った道路建設、これがこれからの重点課題になると思いますので、それらを十分道路計画の中心に置いて進めていっていただきたい、こう思います。  次に、運輸省と国鉄、おいでになっておりますか。——日本国有鉄道経営再建促進特別措置法施行令第三条第二号に該当する予土線と岩泉線の代替道路は、国道三百八十一号線と三百四十号線であることは間違いありませんか。
  108. 岩田貞男

    ○岩田説明員 お答えいたします。  そのとおりでございます。
  109. 小野信一

    ○小野委員 予土線、これは岩井—北宇和島ですか、七十六・三キロは、代替道路三百八十一号線が未整備理由で残存し、三百四十号線は乗り合い自動車の走行が可能ということで、岩泉線は特定地方交通線に指定され廃止と、昭和五十七年十一月二十二日付の文書で日本国有鉄道総裁から岩手県知事に通知があったと聞いておりますけれども、これは事実ですか。
  110. 岩田貞男

    ○岩田説明員 そのとおりでございます。
  111. 小野信一

    ○小野委員 建設省にお伺いいたします。  国鉄の存続あるいは廃止は、その沿線住民にとってまことに大きな課題でありまして、非常に関心の深いものです。これが廃止されるかあるいは残るかという分岐点が、国道整備いかんによって決まるということになってしまいました。三百八十一号線と三百四十号線の整備状況について、国鉄からあるいは運輸省から建設省に対して資料の提供なりあるいはその整備状況の判断について相談なりを求められたことがありますか。
  112. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 国道三百八十一号、国道三百四十号は、国道ではございますが、知事管理の国道でございまして、いま先生おっしゃいましたように、この国道整備状況等について、私の方で直接国鉄から資料をいただいておりませんが、国鉄がこの国道の調査に参りましたとき、管理しております県の方で、国道整備状況等の台帳をお示しして、調査に協力いたしておるというふうに聞いております。
  113. 小野信一

    ○小野委員 運輸省にお尋ねいたします。  国鉄総裁名で特定地方交通線に関する基準に該当する営業線として選定したことを当該県知事に通知したが、第八条第四項の規定に基づき、その不適合性を運輸大臣に意見具申した場合、運輸大臣はその意見書の取り扱いについて、これからどのような作業をいたす予定ですか。
  114. 岩田貞男

    ○岩田説明員 実は先生のおっしゃられたとおり、昨年の十一月二十二日国鉄から御指摘の岩泉線について選定承認申請があったわけですけれども、今後はまず、いままでもほぼ内容は聞いておりますけれども、国鉄の方から、道路につきましてその調査状況あるいはその調査結果について詳しく事情を聞くとともに、県から出されました意見につきまして十分照らし合わせながら厳正に審査していきたいと考えております。
  115. 小野信一

    ○小野委員 いまの答弁によりますと、国鉄の方から廃止と決まった路線であっても、運輸省がその代替道路である三百四十号線を調査した結果、道路が悪いといって代替道路とはなり得ないので残した国鉄線と比較して、国鉄の方針を変えさせられる、理論的にはそういう可能性はありますか。
  116. 岩田貞男

    ○岩田説明員 まさに先生おっしゃったように、これからそういうことも理論的にはあり得るわけでございますけれども、国鉄の調査状況、あるいは必要によりまして、われわれの検証等を行いまして厳正に審査をする、こういう考えでございます。
  117. 小野信一

    ○小野委員 厳正にということは、少なくともAとBという国道があった場合に、AよりもBの方が整備状況が悪いにもかかわらず、Bに対応する国鉄の方が廃止になるというような不公平な行政は絶対に行わない、こう理解してよろしゅうございますね。     〔竹中委員長代理退席、委員長着席〕
  118. 岩田貞男

    ○岩田説明員 国鉄が昨年の十一月に申請する前に、御指摘の岩泉線のほかに予土線その他の輸送密度が二千人未満の営業線について調査をして、申請がなされたものでございます。  それで、岩泉線については、先ほど申し上げたように、今後、県の意見、国鉄の調査状況を十分に念頭に置きまして審査していく所存でございますけれども、予土線につきましては、国鉄の方の申請に当たっての事前調査によれば、一部区間、輸送需要等を考慮すれば非常に不十分な部分があるので申請はなされなかった、このように承知をしております。
  119. 小野信一

    ○小野委員 建設省お尋ねいたします。  国道三百八十一号線と国道三百四十号線の整備状況、具体的には幅員、舗装率、トンネルの高さ、大きさ、カーブ等の状況を加えて、具体的に資料が整備してありましたら答弁を願います。
  120. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 一般国道三百八十一号の現況についてでございますが、昭和五十六年四月一日現在でございます。一般国道三百八十一号は、高知県須崎市から愛媛県宇和島市までの国道でありますが、このうち、国鉄予土線に並行する区間は、高知県窪川町から愛媛県広見町までの八十七・二キロメートルと思われます。本区間の車道部の幅員、これは路肩を含めてでございますが、三・六メートルから七・三メートルであり、大型車のすれ違いが可能な車道幅員五・五メートル以上に改良されている区間の延長は二十七・八キロメートルで、区間全延長に対し三一・九%となっております。さらに舗装済み延長は約七十五キロメートルでございまして、その率は八六%、最小半径は十五メートル、最急勾配は七%、待避所の最大間隔はおおむね一・三キロメートル程度、重量制限を行っておる橋が六橋ございます。  それに対して、一般国道三百四十号の現況でございますが、一般国道三百四十号は、岩手県陸前高田市から青森県八戸市までの国道でありますが、このうち、国鉄岩泉線に並行する区間は、岩手県新里村茂市から同県岩泉町落合までの三十五・七キロメートルと思われます。本区間の車道部、これは路肩を含めてでございますが、その幅員は三・二メートルから八・五メートルであり、大型車のすれ違いが可能な車道幅員五・五メートル以上に改良されている区間の延長は三・四キロメートルで、区間全延長に対し九・五%となっております。また舗装済み延長は三十五・七キロと、一〇〇%の率になっております。最小半径は十三メートル、最急勾配は七・九%、待避所最大間隔は一・四キロメートル程度でございまして、交通規制の内容としては、岩泉町の浅内トンネルの制限高は二・七メートルとなっております。
  121. 小野信一

    ○小野委員 岩泉線の代替輸送道路国道三百四十号線、茂市—落合間三十五・七キロを調査した結果を申し上げますので、これは事実かどうか、建設省として認めるかどうか伺いたいと思います。  一、二車線改良区間三・四キロメートル、改良率九・五%。二、最小車道幅員二・五メートル。三、待避所は、三百メートル以内に確保されていない区間が二十七区間あり、最大間隔は千四百メートル。四、浅内トンネルは、現に高さ二・七メートルを超える車両の通行が禁止されている。この四つをお認めになりますか。
  122. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 第一点の、二車線の幅員の延長は三・四キロでございまして、それの全区間延長に対しての改良率九・五%は、調査いたした結果、私たちと合っておりますので、そのとおりだと思います。  それから、車道幅員の一番狭いところが二・五メートルということでございますが、私たちの方では、路肩を含めて最小幅員が大体三・二からというふうになっておりますので、先生おっしゃいました車道幅員二・五メートルという場合に、路肩が入っているのかどうか、この辺、もし路肩が入っていないとすれば、仮に車道幅員が二・五メートルで路肩がその左右にあれば、私たちの方の調査しておる車道部について、路肩を含んだ幅員が三・二メートルから八・五メートルとなっておりますので、路肩を含めるか含めないかのある程度考え方の相違であって、含めないと言えば、そういうことではなかろうかというふうに思います。  それから、三百メートル以内に待避所がない区間が二十七カ所ということでございますが、県に聞いたところによりますと、そのような実情であるというふうに聞いております。それから待避所の最大間隔が一・四キロということでございますが、県から聴取したところ、そのとおりだということでございます。  それから、浅内トンネルの制限高さ二・七メートルは、先生のただいま言われたとおりだというふうに聞いております。
  123. 小野信一

    ○小野委員 地方交通線の代替道路という観点を抜きにして、三百八十一号線と三百四十号線を比較した場合に、運輸省とは関係なく、建設省の観点から比較して、どちらが整備されておると判断いたしますか。
  124. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 一般国道三百八十一号及び三百四十号の改良状況につきましては、いま申し上げたとおりでありますが、このほかに、詳細な道路状況について関係県から聞いたところによりますと、いま先生がおっしゃられましたように、三百八十一号においては、橋梁で十トンから十六トンの重量制限がなされているものが六橋あるとか、また三百四十号では、浅内トンネルにおいて通行高さが二・七メートルに制限されているとかいうことがあるわけでございます。両路線とも、安全かつ円滑な交通の確保のために、今後整備を進めていく必要がある区間が多く残されておるところでございまして、いま言われましたいろいろな数値からだけ見まして、どちらがすぐれてよいか、どちらが悪いかということを比較するのは非常にむずかしいことだというふうに考えております。
  125. 小野信一

    ○小野委員 いま局長から両国道の資料で具体的に発表になったものを比較してみますと、それは絶対に三百四十号線の方が悪い、未整備であることはだれが見ても事実であります。私は、三百八十一号線が三百四十号線よりもいいから、予土線は廃止されるべきだということを言っておるのじゃないのです。三百八十一号線は非常に未整備です。したがって、予土線が残されるのは私は当然だと思います。三百八十一号線よりも悪い三百四十号線が、それも岩泉線が廃止されるということは、行政の公平性からいって私は許されない判断だと考えておるわけです。そういうことを言いたいのですから、予土線をかたきにしているわけでもありませんし、三百八十一号線をかたきにしているわけでもありませんから、その点を御理解の上で答弁を願いたいと思います。  そこで、国鉄からお伺いしますけれども、これは時間がありませんので、私の方から言いますから、事実かどうかで答弁願いたい。  国鉄が三百四十号線が岩泉線の代替道路と認めた根拠。バスを持っていって走ってみました。そのバスはBU15KP型バス、幅二メートル四十五センチ、長さ十メートル七十三センチ、高さ三メートル十八センチ。このバスで間違いございませんか。
  126. 岩田貞男

    ○岩田説明員 国鉄の調査のときに使用したバスはそのとおりだと聞いております。
  127. 小野信一

    ○小野委員 バスの高さ三メートル十八センチの国鉄の試走バスは、道路法第四十七条第三項の規定に基づいて、三百四十号線の浅内トンネル、高さ二メートル七十センチを超える車両のために通行できないということをお認めになりますか。
  128. 岩田貞男

    ○岩田説明員 道路法その他の関係については、私ども担当でございませんけれども、いままで建設省さんあるいは県とのお話し合いの中で、法令上なかなか困難であるという旨の指摘はなされております。
  129. 小野信一

    ○小野委員 車の幅二メートル四十五センチの国鉄の試走バスは、この道路がおおむね三百メートル以内の区間ごとに待避所が整備されていない道路であるため、車両制限令第六条第二項の規定に基づいてこの道路は通れない、こうなりますけれども、これもお認めになりますか。
  130. 岩田貞男

    ○岩田説明員 国鉄が実際に調査をした場合において、法令に適合していたのかどうかということまで私どもまだ詳しく聴取しておりませんけれども、このバスは、実は災害時において代替バスとして運行した実績を持つという観点から、彼らは同一の型のバスを使って調査をした、このように聞いております。
  131. 小野信一

    ○小野委員 この規定に基づく限り、最小車道幅員二・五メートルのこの道路は、小型バスの通行が許されない、営業バスとして小型バスも許されないということをお認めになりますか。
  132. 岩田貞男

    ○岩田説明員 いま御指摘の点につきましては、実を申しますと、予土線についても同じなんですけれども、輸送需要に見合ったバス輸送、いろいろな輸送需要がありまして、それに適応したバスの形が出てくると思いますけれども、そういった輸送需要に見合ったバスが運行できるのかどうかということが今後の調査課題でございまして、当初申し上げましたように、今後国鉄の調査状況ですとか、その結果とかを詳しく聞くとともに、また県からの意見も十分参考にしつつ、関係省庁の法令の解釈についても御相談を申し上げて、今後処理していきたい、こう考えております。
  133. 小野信一

    ○小野委員 大臣、いまお聞きのとおり、私の見る限り、国道三百八十一号線と三百四十号線の判断は非常に公平を欠いておる。この理由を考えてみますと、特定地方交通線の基準は、輸送密度何人以下あるいは平均乗車距離何キロ以下と具体的に書いてあります。おしなべて客観的な数字をもって決定するように規定されております。ところが、代替輸送を行うための国道の基準につきましては、国鉄の判断に任されております。したがって、現在、私が申し上げましたような不公平が出てくるわけです。国鉄の地方線の廃止は、沿線住民あるいはその県の県民の大きな課題でありますから、第三者の比較によって、あるいは第三者の基準によって、判定によって行われるべきものではないだろうか、こう私は思います。したがって、私は、大臣なり局長がおりませんから、責任ある答弁はできないだろうと思うのですけれども、この判断は、運輸省が建設省に具体的な数字、具体的な事実をもってその基準の提示を求めて、その判断に従って地方交通線の改廃は行われるべきものだ、こう考えます。  仮定ですけれども、もし運輸省から、建設大臣、その基準あるいは比較を求められた場合に、その相談に乗って資料を提示する御用意がありますか。
  134. 内海英男

    内海国務大臣 御指摘のような事情から、運輸大臣の方から御相談があれば、十分御相談の上で資料等もお出しして協議をいたしたいと考えております。
  135. 小野信一

    ○小野委員 運輸省の課長お願いしておきますけれども、いままで質問したり答弁いただきましたように、私どもは、三百八十一号線と三百四十号線を地方交通線の代替輸送道路として具体的に比較してみた場合に、整備状況において三百四十号線の方が非常に劣っておると判断いたしております。こういう判断の上に予土線と岩泉線を考えた場合に、行政上の不公平な結果が生まれることに非常に大きな不満を抱いております。したがって、国鉄の基準ではなくて、運輸省が、いま運輸省から国鉄に、建設省に対して相談があれば、具体的に判断の基準となる資料を提供すると言っておるのですから、そのような国民だれもが納得できるような数字を基礎にして、地方交通線対策地方線の改廃の基準としていただくことを局長なり大臣に強く要請しておくことをお願いして、私の質問を終わります。
  136. 松永光

    松永委員長 午後三時四十分より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五十九分休憩      ────◇─────     午後三時四十分開議
  137. 松永光

    松永委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。薮仲義彦君。
  138. 薮仲義彦

    薮仲委員 冒頭に大臣にお伺いいたします。  第九次道路整備五カ年計画、五十八年度から六十二年度までの計画をお立てになったわけでございますけれども、御承知のように総投資額が三十八兆二千億、今年度予算が六兆三千六百三十五億で全体の中の一六・七%ということでございます。ゼロシーリングという財政の非常に厳しい中で、この投資規模でこの事業を完全に実現する。これは非常に重要な課題だと思うのでございますけれども、本年度予算から考えてまいりますと、五年間で財源といいますか投資額を確保するのには、五十九年度以降毎年一〇%以上予算規模が拡大していかなければならないわけでございます。いま、臨調の答申にもございましたように、非常な厳しい財政事情の中での予算編成ということを強いられた場合に、果たして明年度から公共事業というものを一〇%ずつふやして、この五カ年計画というものを完全に実現することができるのかどうか、担当大臣といたしまして、これに対する御決意を冒頭に伺っておきたい。
  139. 内海英男

    内海国務大臣 道路整備五カ年計画、第九次でございますが、総額で三十八兆二千億という事業費を認めていただいたわけでございますが、先生おっしゃるとおり、毎年一〇%から伸ばしていくということは大変厳しい財政事情のもとで苦しいことだと私どもも直感をいたしております。しかしながら、先進諸国に比べまして、わが国道路整備がいまだに大変立ちおくれているという事情からいきまして、これはぜひとも遂行いたしたいという決意で強力に折衝を続けて所期の目的を達成するように努力いたしたい、こう考えているわけでございます。
  140. 薮仲義彦

    薮仲委員 私も当該委員の一人として大臣に対する協力を惜しむものではございません。大臣の御決意がぜひとも五年後にはそうあってほしいと願いつつも何点か不安な点があるわけでございます。  第八次の達成実績といいますか、それを振り返りますと、そこの中で非常に進捗したといいますか、整備が進んだという部分は、地方の単独事業が非常に顕著な勢いで計画を上回っているわけでございます。第八次では、計画が七兆五千億、実績では九兆一千五百六十三億と一二二・一%という伸びになっているわけでございます。国も地方もということで、地方財政というものが非常にまた苦しい事情にございますけれども、九次でも相当な地方単独事業伸びというものを見込んでいらっしゃるわけでございますが、この辺の見通しについて、大臣はいかがお考えになりますか。
  141. 内海英男

    内海国務大臣 従来とも高速自動車国道というものを縦貫道という形で強力に推進をしてまいりまして、大体本年度で縦の線が概成するというような状況を迎えております。したがいまして、先生御指摘のように、従来から地方道につきましては、単独事業といった形で、地方の時代あるいは定住圏構想といったものとの絡みで相当整備を進めてきたわけでございます。この第九次整備計画におきましても、概成を見ます縦貫道に関連をして、国土の均衡ある発展を図るという意味から、地方道、特に単独事業、こういったものにも引き続き努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
  142. 薮仲義彦

    薮仲委員 いま、計画がこれから進もうというところでございますので、どうだこうだということを具体的に言うこともいかがかと思いますので、この問題は大臣決意を期待するということにとどめておきます。  そこで、第九次の道路整備計画の重点事項として出てまいりますのは、道路交通の安全確保、落石、のり面崩壊等の危険個所をなくしましょうというような問題を含め、生活基盤整備あるいは生活環境の改善、国土発展というようなことを含めての展望をわれわれ御説明をいただいているわけでございますけれども、これは具体的な事例で大臣に知っておいていただきながら、実務上の問題でございますので、御答弁局長で結構でございますが、大臣、私の手元に一つの小冊子があるわけでございます。これは道路広報センターでつくった小冊子でございますが、活字で書いたこのような計画案というものもわれわれにとって非常に重要な資料であることはよくわかるのでございますが、この中に道路についてのそのままの実態がわれわれがよく歌っている歌にうたわれて出てくるわけでございます。これは大臣もどこかで聞いたような歌だと思うのであります。私はこの歌云々ではなくて、この言々句々の中に建設省初め全国の道路を愛する人の思いがこもっていると思うのですね。歌が上手だ下手だという問題ではなくて、本当に国民のために道路が必要であって、道路をよくしていこう、こういう思いがここに込められておりますので、私はこの歌を通じて具体的な数字を挙げながら、これが第九次の五カ年計画の中でどこまでよくなっていくのかということをちょっと聞いておきたいと思うのです。こういう方がむずかしいことを言うよりもよくわかるのじゃないかと思うのですね。  これは「日本の道」というのです。全部やるとちょっと品位を疑われますので、ただ数の上で言いたいのですが、これは「四季の歌」の替え歌になっているようです。「岩がころげる道は本当に恐い道ストンがストトンと落ちてくる七万と七千カ所」こう歌われております。この歌の文句がどうではなくて、危険個所が七万七千カ所もありますよ。こういう実態が今度の九次の道路整備の中で大体どの程度改善されるのか。いかがでしょう。
  143. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 防災対策につきましては、昭和五十五年防災点検による落石、のり面崩壊等の危険個所が七万七千カ所ございます。このうち、昭和五十五年から昭和五十七年度の三年間で約二万一千カ所の整備を行ってまいりました。したがって、第九次道路整備五カ年計画におきましては、残りの五万六千個所をおおむね解消してまいりたいと考えております。
  144. 薮仲義彦

    薮仲委員 それでは私が手元にいただいている資料では、橋のことも出ているわけでございますけれども、早急にかけかえたり、解消を図らなければならない木橋あるいはもぐり橋あるいは老朽した橋、こういうのが三万九千個所以上ありますよということを聞いております。こういう橋を、私が言うとぎこちなく聞こえるのですが、歌で言うともっとやわらかくなるので歌で言いますと、「木橋、老朽、もぐり橋保険で渡る道泳げぬ人は命がけ三万と九千橋」と出ています。これはどこまで改善されますか。
  145. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 これは二つに分けて申し上げたいのですが、一つは、木橋、もぐり橋、渡船のかけかえ、もう一つは老朽橋でございます。  木橋、もぐり橋、渡船個所は、現在九千四百個所ありますが、これにつきましては、昭和六十五年度までに解消することを目途に、第九次五カ年計画におきましておおむね四千五百個所の整備を図る予定でございます。  それから、老朽橋につきましては、今後老朽化するものも含め、長期計画では二万九千七百個所の整備を行うことといたしておりますが、五カ年計画におきましては、耐荷力の著しく低下しているものから順次にかけかえを行い、この五カ年計画期間中におおむね二千七百個所の整備を進めたいというふうに考えております。
  146. 薮仲義彦

    薮仲委員 私の地元もそうなのですけれども、幹線の市町村道、これは財務当局がいれば言ってあげたいくらいでございますけれども、いろいろ道路財源云々という話もありますけれども、われわれの地元ですら幹線市町村道以上でも通れない道がたくさんあるわけです。こういう道は、われわれとすれば、建設省はなぜ早く通さないのだ、こう言いたくなるわけでございますけれども、これも私がとんがって言うと角が立ちますけれども、やわらかく歌で言うと、「車が行けない道は大きく回り道道なき道は迷惑千万一万と三千キロ」こうなっています。これはどこまで解消していただけますか。
  147. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 一万三千キロの交通不能区間の内訳でございますが、一般国道が二百六十九キロ、都道府県道が三千七百五十九キロ、幹線市町村道が九千三百二十一キロございます。この五計中に一般国道については全線開通する見込みでございます。都道府県道については、ちょっとこの数字については手元に資料を持ってきておりませんので、後ほど早急に調べて先生に御報告をさせていただきます。
  148. 薮仲義彦

    薮仲委員 この問題はもしもわかればお答えいただきたいのですが、特にわれわれ田舎の者にとっては、すれ違いが不可能な道というのは困るわけです。幅員を五・五メートル以上にしていただけないかという要請は絶えず聞くわけです。こういう個所が全国で五万二千三百五十三キロあると私の手元の資料にあるわけでございます。こういうものをどこまで改善できるのか。  もう一つ、お伺いいたします。道路交通センサスによりますと、非常に狭くて追い越しができない、黄色い線で区切られている、こういうところが非常にまだ多い。十七万一千六百六十二キロという数字が上がっております。このようなすれ違えない道、あるいは追い越しも不可能な非常に狭い道、こういうものの整備についてはどの辺までできるか、この点はいかがですか。
  149. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 すれ違いできない道路が五万二千三百五十三キロございますが、これを第九次五カ年計画において三万五千九百四十キロ解消する見込みでございます。  ただ、追い越しできない区間については、ちょっと手元に資料を持っておりませんので、これについても早急に調査して御報告いたします。
  150. 薮仲義彦

    薮仲委員 いま大臣にちょっと申し上げたのは、いろいろ言われますけれども道路整備というのは、まだまだこれは社会資本の整備ということが立ちおくれておる。大臣がおっしゃったとおりです。道路については、いま申し上げたような具体的な生活の中の実感でございますので、われわれとしては、この九次の計画を完全に遂行していただけば、はるかに快適な道路ができるのだがということを期待しておりますので、御努力を重ねてお願いするものでございます。  そこで、いまのような実態を踏まえて、今度は少し具体的な問題でちょっと大臣に御認識をいただいて、最後に御決意を伺いたいと思うのでございますが、これは道路構造令でございますけれども、第三種の一級国道は一日の通過交通の台数は何台ぐらいと計画していらっしゃいますか。
  151. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 第三種の一級は、四車線以上の道路の一車線当たりは一万一千台、それから往復二車線の道路の二車線合計については、三種の一級はちょっと該当がないのですが、三種の二級の場合で九千台というふうに設計基準交通量ではなっております。
  152. 薮仲義彦

    薮仲委員 ちょっと私の方で事前にその辺は指摘の仕方が悪かったのかもしれませんけれども、私の道路六法でいきますと、第三種の道路として一般国道平地部一級は一日計画交通量が二万台以上、こうなっておりますけれども、これでよろしゅうございますか。
  153. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 そのとおりでございます。
  154. 薮仲義彦

    薮仲委員 いわゆる計画交通台数で二万台という計画をお立てになって一級国道をおつくりになるわけでございますけれども、車社会といいますかモータリゼーション、年間七百万台からの車がどんどんつくられておるわけでございまして、こうなってまいりますと、やはりそれに対応して交通量が年々増加するのは当然でございます。そうなった場合に、この一級国道、いわゆる日本の生活基盤の主要幹線でございますけれども、一日二万台をオーバーするのではないか。オーバーした場合、この限界はどのくらいを考えていらっしゃるのか。いま二車線で二万台というお話でございますけれども、二車線で二万台が一・何倍とかあるいは倍とか、こうなったら大変だということが出てくると思うのですが、限界をお考えになっているのか、あるいはどの時点でバイパスをつくらなければいけないという計画建設省ではお立てになるのですか。
  155. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 バイパスとして採択する基準は、混雑度一・五以上のものから選ぶことにいたしております。
  156. 薮仲義彦

    薮仲委員 混雑度というお言葉をお使いになりましたけれども、これはいわゆる交通容量といいますか、計画交通量に対しての現在の実績の台数だと思うわけでございます。  それでは建設省からいただいた資料でちょっと確認をさせていただきますけれども、私が建設省からいただいた資料で国道一号、特に静岡—清水間の交通量で一カ所だけ申し上げます。  ここは四車線ですから、先ほどの計画量とはちょっと違うわけでございますけれども、静岡市の国吉田という地先ですと、一日の平均交通量、四十九年、五十二年、五十五年といただいておりますが、この台数をちょっと言っていただけますか。——あれでしたら私の方でいただいた資料をちょっと確認の意味で申し上げます。  四十九年が四万六千三百四十五台、五十二年が五万三千五十四台、五十五年が五万二千八百九台。これが一日の交通量という数字をいただいておりますけれども、これでよろしゅうございますか。
  157. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 そのとおりでございます。
  158. 薮仲義彦

    薮仲委員 これは四車線ですから、先ほど局長がおっしゃった二車線の場合の二万台ですね、四車線ですから単純に計画量はその倍の四万台と認織してよろしいですか。
  159. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 四車線になりますと、計画交通量は四万四千台という数字になっております。
  160. 薮仲義彦

    薮仲委員 いま申し上げましたように、四万四千台に対して実質は五万二千八百九台という、これはある地先の一地点の台数でございますけれども、単純にこれは、いま計算機ございませんけれども、一・何倍という倍率にはなっておるわけでございます。こういうところがこの静岡と清水の間では年々非常にふえてきている。後ほど警察庁にお伺いしますけれども、静岡の南安倍町、これは一日の台数が四万六千三百九台でございます。これは混雑度幾つでしょうか。
  161. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 混雑度は三・一倍になります。
  162. 薮仲義彦

    薮仲委員 いまちょっと申し上げましたように、これは同じ道路です。静岡—清水というところを通っている一号線で、混雑度が三・一。計画に対してすでにそれを一万台以上オーバーしておる。いま申し上げたのは一日の平均でございますが、これを二十四時間で見てまいりますと、もっと深刻な事態になっておるわけでございます。これも建設省からいただいた資料でございますので、確認の意味で申し上げましょう。  「昭和五十五年度道路交通センサス二十四時間調査表」です。これも五十六年三月時点のいま申し上げた静岡市国吉田を二十四時間でならしてみますと、朝の七時から八時が三千六百四十五台、夕方の五時から六時が三千六百三十七台、こういう数字が出ておるわけです。これはどういうことかといいますと、朝のラッシュと夕方のラッシュに車が集中しておるわけです。それで一日平均台数にしますと、いま言ったように三・一というような非常な混雑度を示しておりますけれども、その時間帯にいきますと、もっともっと混雑度がふえるわけです。一番車のすいているときはお昼の時間の十二時から一時です。二千五百六十五台という数字がここに出ていますね。これでいっても、一番込んでいるときは、わずか一時間に千百台、さっき申し上げたのは三千六百台ですから、千百台以上の車がそこへどっとふえるわけです。これは一日にならせば確かに一・数倍、あるいは混雑度三・一。これは大変な状態ですけれども、もっと詳細に時間を見ますと、大変な短時間に車が千台もどっとふえる。これが静岡—清水の道路の実態であるということを局長も先刻御承知でありましょうけれども、私は大臣に御理解いただきたいと思って、先ほどから数字を並べました。  もう一つ、警察庁にいただいた資料でちょっとお伺いしたいのですけれども国道一号の静岡県内における交通渋滞発生状況。数字だけ簡単に、たくさん言われると困りますから、静岡—清水間だけいただいた資料がありますけれども、それをちょっと確認の意味で言ってください。
  163. 矢部昭治

    ○矢部説明員 お答えいたします。  交通渋滞につきまして国道一号線の、これは静岡県内全区間についての資料でございますが……
  164. 薮仲義彦

    薮仲委員 全区間は要らないですよ。静岡—清水だけだと申し上げたでしょう。
  165. 矢部昭治

    ○矢部説明員 ここでは一応静岡県内できていますので……
  166. 薮仲義彦

    薮仲委員 では私の方から申し上げます。あなたの方からいただいた資料がここにあるのです。  静岡—清水間、五十六年度発生回数七百九回、五十七年度が千二十九回。延べ時間一千九百八十七時間、五十七年度さらにふえて二千三百十五時間。延べ距離、五十六年度千二百四十五キロ、五十七年度はさらにふえて一千三百七十二キロ。あなたの方でこれは用意したのでしょう。この数字は間違いございませんか。
  167. 矢部昭治

    ○矢部説明員 大変失礼いたしました。  静岡県内全線ございますが、先生の御質問は静岡—清水間でございますので、お答えいたします。
  168. 薮仲義彦

    薮仲委員 いまので間違いあるかないかでいいです、時間がないから。
  169. 矢部昭治

    ○矢部説明員 間違いありません。そのとおりでございます。
  170. 薮仲義彦

    薮仲委員 もう少し質問をよく聞いておいて。これから何がわかりますか。
  171. 矢部昭治

    ○矢部説明員 この区間につきましては、恒常的に渋滞が発生しておる、かように考えております。
  172. 薮仲義彦

    薮仲委員 いま申し上げたのは五十六年、五十七年の警察庁が調べた交通渋滞状況ですけれども、これは年々増加しているわけです。渋滞の状況も、発生回数も、延長距離もふえておる。慢性的に一号線は渋滞なんです。特に静岡—清水がひどいのです。今度はもっと具体的にやりたいのですけれども、もっと細かい資料があるのです。これをやりますと、いろいろと御迷惑がかかってはいかぬですからね。  ちょっと道路状況をお伺いしたいのですが、いま静岡—清水にしっかりと通っておりますのが一号線です。一号線は一級国道でございますので、最も大事な幹線がいま申し上げたように慢性渋滞の状況です。ならば、これを解消するために国は静清バイパスをつくろうと計画なさったわけです。この静清バイパスは一体あと何年後に静岡—清水で役に立つのか。もう時間が限られておりますから、これを簡単に、あと何年でできるとおっしゃってください。細かいことは私はわかっています。
  173. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 静清バイパスは、一般国道一号の清水市及び静岡市における交通混雑緩和と交通安全の確保を図るため計画された、清水市興津東町から静岡市丸子二軒屋に至る延長二十四・二キロメートルのバイパスであります。  このバイパスは、昭和四十三年度から事業に着手いたしましたが、静岡市大岩、安東地区において環境問題に対し住民運動が起こり、以来鋭意話し合いを続けてまいりましたが、昭和五十七年三月に至り、環境保全及び沿道の土地利用を配慮した道路構造で都市計画変更を行い、鋭意事業の展開に努力しているところであります。  その他の地域について、本バイパスの重要性にかんがみ事業促進を図っているところであり、清水市興津東町から同市八坂町の延長六・五キロメートルについては、五十年四月に四車線で、静岡市の安倍川大橋及び取りつけ道路延長一・四キロメートルについては、五十四年十一月に暫定二車線でそれぞれ供用を行っております。  引き続き、静岡市昭府町、千代田地区及び清水市天王地区の用地買収を進めるとともに、五十七年度末には国道三百六十二号から県道大川静岡線までの既供用区間の延伸部延長一・六キロメートルについて暫定二車線で供用することといたしております。  これまでに事業費で約二八%の進捗であり、用地については約四五%が取得済みとなっております。  今後とも静清バイパスの重要性にかんがみ、引き続き事業促進してまいりたいと考えておりますが、特に静清バイパスの西側の起点丸子二軒屋から主要地方道井川湖御幸線までの区間が供用されますと、西側の交通混雑の緩和に相当寄与できるものと考えておりますので、この区間の早期供用に努めてまいりたいと考えております。  いつまでにできるかということでございますが、私、最後に申しました西側の起点丸子二軒屋から主要地方道井川湖御幸線につきましては、五十八年度以降残事業が百十五億で、五十七年度事業費が二十四億から見て、この五計期間中に供用を図るよう最大の努力をしてまいりたいと思っております。  東側の方につきましては、現在用地買収等を進めておる最中でございまして、いつまでにできるというのは、そういう用地買収等の期間等にも密接に影響してまいりますので、いまの時点で申し上げることができませんことを大変申しわけなく思っております。
  174. 薮仲義彦

    薮仲委員 簡単にわかりやすく質問いたしますから、数字だけお答えいただければと思います。  静清バイパスの着工したのは何年でございますか。
  175. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 昭和四十三年であります。
  176. 薮仲義彦

    薮仲委員 現在までの進捗は何%でございますか。
  177. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 事業費で約二八%の進捗であり、用地については約四五%が取得済みとなっております。
  178. 薮仲義彦

    薮仲委員 大臣、簡単に言いますと、十五年かかって三分の一もできてないということなんです。単純に言うと、あと三十年かかってようやくできるのかという話になるのです。そういうことではないというのは、もう大臣局長が、これだけ言えば、この静清バイパスは相当急がないとという御理解は当然いただいていることと思います。いま一号線のほかに静清バイパスがそういう状態で、道路局が非常に御苦労なさっていらっしゃるけれども、はかばかしく進んでおらない。私は地元におりますので、関係の皆さんの御苦労や御努力はわかっております。現実は非常に進んでおらないという実態を大臣によく知っていただいて何とか進めていただきたい。  と同時に、それに並行して一号線に走っている道路で通称カネボウ通りというのがあるのです。正確に言うと都市計画道路南幹線、これは細かいことは私大体わかっておりますので、細かい御説明でなくて、現在皆さんがよく御承知のように、あそこに草薙球場というのがあるのです。そこから先清水まで通らないのです。これはあと何年たったら通る見込みか、お答えいただきたいのです。
  179. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 いまの南幹線道路でございますが、全線十四・八九キロメートルのうち、いまお話しの草薙の二キロ分がまだ通っていないわけです。東と西は街路事業で五十二年度に完成しておりますが、この部分は土地区画整理事業でやっておりますので、現在御審議いただいております予算がそのとおり成立した暁には、五十八年度末で五〇%が終わるかと思っております。全体が終わるのにはまだ六十二年度までかかるのではないかという見通しでございます。
  180. 薮仲義彦

    薮仲委員 六十二年度、本当でございますか。大臣、これも着工してから十二年かかっているわけです。そうすると、単純に言うと、あと倍かかるのですかという不安があるのです。いま都市局長は六十二年度までと、六十二年度までというとあと五年ですね。われわれは非常な期待を持っておりますが、いずれにせよ五年間は通らない。これでできれば私は本当に感謝するわけでございます。  静岡—清水にもう一本道路があるのです。北街道、通称旧東海道です。北街道も都市計画でやっておるわけでございますけれども、北街道の細かいことは私わかっておりますので、いつごろ完成するか、簡単にお答えください。
  181. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 これは全体事業費が約三十四億二千万円でございまして、五十七年度末、金目で一七%の進捗でございますので、ちょっと五カ年の中で完成というわけにはいかないのではないかと思っております。
  182. 薮仲義彦

    薮仲委員 大臣、いま申し上げましたように、一号線が非常に混雑、慢性渋滞の様相を呈しておる。特に朝晩のラッシュは非常に困っておるのです。いま私が朝、静岡—清水を行こうとすると、一時間は見なきゃいけない。普通二十分かそこいらで行けるところが倍以上かかっておる。いまお話しさせていただきましたように、南幹線もあるいは北街道も静清バイパスも、これから先五年間はとても通る見通しがない。そうしますと、これから年々車の台数がふえていきますと、静岡—清水の幹線は慢性渋滞どころか車が大変な状態になってしまう。これは大臣に今後の問題として御検討いただきたいということを提案しておきます。  では、いまたとえば通過交通として整備されている道はどこなんだといいますと、一号線と東名高速しかないわけです。しかし東名高速は年々料金が上がってくるわけです。通勤であるとかちょっとした県内の交通としては非常に使いにくい道路です。しかも大臣御承知のように、私がたとえば静岡のインターに乗って沼津まで行きますと、同じ県内です、細切れでインターを抜けて入って、抜けて入ってとやるのです。インターチャージ一回百円取るのです。道路公団はそうなっているから仕方がない。真っすぐ静岡から沼津まで行くよりインターを抜けていきますと、その抜けた回数だけ百円ずつ料金が上がっていく。これは県内のわれわれにとっては非常に不便です。きょう国鉄の再建法案が審議されかかりました。あの赤字を抱えておる国鉄ですら、「こだま」の料金を一駅のときには安くしましょうと努力しているのです。いろいろお客さんを乗せようとする。建設省は逆に短距離を乗ると高くしている。道路をつくるについては、あるいは騒音等で、被害とは言いませんけれども、いろいろな問題を県民は抱えているわけです。ならば、道路ができない間だけでも県民に高速道路を使いやすくしましょう。朝の通勤時間帯、七時から九時なら九時、これは交通センサスを一度大臣もごらんいただきたいと思うのです。この限られた時間でもいい。午前あるいは午後、朝の通勤ラッシュ、夕方の通勤ラッシュの時間だけでも県内交通量を東名高速へ安く乗せてあげましょう。通勤あるいは経済活動のための車を乗せてあげましょうというふうにやってもらいたい。道路ができているのにそれをやれというのは不法だと思うが、いま私が幾つか指摘したように、予算の関係、いろいろな問題でどうにもできない状態であって、通れるのは東名高速だけなんです。県民にがまんを強いる。がまんの限界を越えておるのだ、三・一を越えていきますから。  私はここで大臣に、少なくとも東名高速は、局地的にそういうことはできない、公団はそういう硬直した考え方を持ってますけれども大臣は政治家として判断していただきたい。こういう県内交通をとりあえず五年間なら五年間限定的に高速道路を使えば、県民の経済活動を活発にし、通勤のためのよりよい快適な道路を提供できるのですから、そういう意味で、このような慢性渋滞の状態になっているときに、高速道路を限られた期間、限られた時間何らかの形で県民にサービスするという方向は全国各地で出てくると私は思う。後で私は県内のバイパスの問題も取り上げますけれども、こういうことをもっと柔軟な対応を考えていただくことは、これから道路をつくれといってもきょうあしたにはできないわけでございます。たとえば事業所を清水に持っている焼津から通っている方に対しては、何らかの便宜を考えましょう、そういう方向での道路事情の緩和ということを研究課題として検討していただきたいのですが、いかがでございますか。
  183. 内海英男

    内海国務大臣 お話を承っておりますと、大変ごもっともと私どもも受けとめておるわけでございますけれども道路公団自体の運営上の問題もございますので、道路公団総裁も見えておりますから、総裁から御答弁をいただいて、その上で慎重に検討してみたいと思っております。
  184. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 高速自動車国道の料金体系は、全国画一料率制となっておりまして、個別の区間の料金を、それぞれの事情により運用し、変更することはむずかしい問題と考えております。  御指摘の静岡市周辺の朝夕の国道の著しい渋滞の状況にかんがみ、その解消のため静清バイパスなどの整備促進に鋭意努めてまいる所存でありますが、これらの整備にはなお相当の期間を要すると考えられますので、応急対策として、東名高速道路の利用促進に資する何らかの方法について、非常にむずかしい問題ではありますが、検討してみたいと考えております。
  185. 薮仲義彦

    薮仲委員 大臣にいま私が指摘したことは、局地的、限定的な課題として国民の理解が得られると私は思うのです。こうなったら、たとえば一つの条件をつけておいて、局地的限定的に高速道路を使うことがさしあたって緊急避難であるということはやむを得ないと私は考えます。大臣も恐らくそういう点で御理解いただけると思いますので、大臣の今後の重要な課題として心にとどめておいていただきたい。重ねてお願いいたしておきます。  それから、これは大臣に検討いただければと思うのですが、道路をつくるのに、国費でつくろうというような道路、直轄事業でやろうという道路と、公団方式でやろうという道路があるわけであります。しかし、実際はそのつくったバイパスが使えないという実態があるわけです。これは私前から指摘しておるわけでございますが、実態が変わりませんので、大臣に、きょうは時間がありませんから、この問題深くやりたいのですが、資料こんなにあるのですが、これだけやると、それだけで終わってしまいますから、数字だけ簡単に申し上げます。  いま国道一号につながっているバイパスは、県内には藤枝バイパス、掛川バイパス、磐田バイパス、浜名バイパスとあるわけですが、その中の三つだけちょっと例を申し上げます。  藤枝バイパスは五十六年四月四日から供用が開始され、もう二年たっております。計画量が一日幾らかといいますと、道路公団計画したのは一日の通過交通量が一万五千三百台。ところが、一番卑近な数字で申し上げますと、五十七年四月から五十八年一月の一日平均が四千九百九十七台、これは三〇%ぐらいしか使われないということですね。掛川バイパスの計画が一万七百台ですが、実際は三千二百台、三〇%。磐田のバイパスも一万一千八百台に対して四千台の数字です。これも三十数%。全部三〇%しか使われない。  なぜかといいますと、藤枝バイパスは非常に短い距離が五百円、あとは二百円、二百円でございますけれども、こういうように料金が高い。使いにくいバイパスというのは、本来ならば、もっと細かく言いますと営業用トラックに乗ってもらいたいと思っているのですが、その営業用トラックはさらにそれよりも少ない。国道一号に比べると一割ぐらいしか乗っていないのです。ですから、実際は使われないということですね。道路を急いでつくってくれという地域の要望でつくったのだということはわかるのですが、実際につくってこのように乗りません。三十年で償還することが果たしてできるのかという問題も、これは当然考えられますし、こういうバイパスの料金のあり方を全国的に調査していただいて、これくらいの区間は一体幾らの料金ならばみんなが使えるのかということのもっと詳細なデータをつくられて、バイパスの償還についてどうあらねばならないか。つくったけれども、乗らないのでは何にもなりませんので、国費を何とか投入して、料金を安くする方法であるとか、使えるバイパスを考えるために、一度実態はどうなっているのかという調査をしていただいて御検討をいただきたい。このように、つくって二年たって三〇%ということは好ましいことではございませんので、どうあるべきかということは重大な課題だと思いますので、御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  186. 内海英男

    内海国務大臣 検討いたしてみたいと思います。
  187. 薮仲義彦

    薮仲委員 それでは次に、大気保全局長来ましたか。——それではその問題をお伺いしますけれども、その前に一つだけ道路走行上の問題で大臣にこれも検討していただきたいのは、国土庁もお見えでございますか。——大臣、モータリゼーション、車社会という時代を迎えました。高速道路も三千キロからやがて七千キロという時代を迎えると思います。道路がどんどん整備されてまいりますけれども、ここで一番懸念される問題は、高速道路を走行する車をだれが管理するか。その安全走行、いわゆる防災等を含めて、人命を尊重する立場からも、いかにして車を安全な形で目的地まで送るかということは、道路延長が長くなればなるほど非常に重要な課題だと思うのです。当然所管大臣は建設大臣であり、道路交通法上は警察庁がその所管の省庁になると思うのでございますけれども大臣も免許を持っていらっしゃればわかるとおり、東名に世田谷のインターで乗って、東名から名神にずっとつながっていきますと、一つの密閉された社会の中でずっと運転しているわけです。何ら情報が入ってこないわけです。自分がいまどういう状況に置かれているかというコミュニケーションは、管理されている立場でございますけれども、管理されているという表現はよくないのですが、道路を走行していると、建設省道路公団のつくってくれた道路をきちっと走っているわけですが、何らそこに情報がないということは、非常に不安といいますか問題が多いのじゃないか。特に静岡県内では、日本坂で大変痛ましい事故がございました。もしあのとき正確な情報がドライバーに入っていれば、トンネルの中に突っ込んでいって悲しい事故に遭わなくて済んだかもしれません。こうなってまいりますと、日本全体の道路を管理とまでいかないまでも、少なくとも交通管制あるいは混雑状況事故状況災害の発生等を緊急な場合を含めてドライバーに知らせるということは、どうしても車社会の中でこれから検討していただかなければなりません。  たとえば静岡県の場合も地震が発生したことがございます。伊豆大島近海で地震が発生したときに、一部の住民にパニックが起きました。なぜ起きたかというと、住民は、いま自分の置かれた事情を正確に、しかもリアルな時間での情報が入ってこないと不安に思うのですね。自分はいまどういう状態に置かれ、どうすればいいのかという判断がつかないと非常に不安にかられる。やはり高速道路で何か災害が発生したあるいは何かあったというときに的確な情報がドライバーに伝わるということが非常に重要であり、運転している人と道路の安全走行を守ってくださる建設省道路公団あるいは警察庁の間に何らかの形でコミュニケーションがとれていなければいかぬのじゃないか。いま道路情報というのは、民放等が自分の放送の番組の中で好きなように入れてくるわけです。しかし、大臣、必要な情報を必要なときに欲しいのが情報化社会。国民は要らない情報は排除するのですね。これだけ情報量が多いのですから、自分の必要な情報を短時間で正確に受けとめる、こういうことが非常に大事なわけです。そうしますと、たとえば地震が発生したとき、あるいはトンネルで火災が起きたとき、あるいは路面が凍結して走れないとき、玉突き衝突が起きたとき、それを事前にドライバーに周知徹底させるということは、道路管理者として私はどうしても安全確保の上から考えていただきたいと思うのです。  いま道路公団は、路側の通信だとか、いろいろと各省庁はやっていらっしゃる。それもいいでしょう。でも、そうではなくて、一番大事なのは、建設省あるいは警察庁が中波帯なら中波帯の電波を一つ持つあるいはFMでもいい、短波でもいい、何か電波を持って、そこで走っている方に正確な道路情報を提供すれば安心して走行できるわけです。千何百キロヘルツのところに合わせれば、あなたの走行区間の道路情報はわかりますよ。また災害のときも、ぼんとそこに入ってくればドライバーは全部わかるわけです。そういう意味で、中波であれあるいはFMであれ、短波でも結構です。一つの放送を、いわゆる道路情報というものを正確に流せる局を持ってドライバーの方に正確な情報を——私は、高速道路と幹線で結構です、全部やれとは言いません。それだけでもおやりになることが、東海大地震あるいはいろいろな事故に対応する上で、これからの車社会では、どうしても大臣決意を持って、一つの放送を通じて車の安全を図るという方向をぜひともやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  188. 内海英男

    内海国務大臣 大変貴重な御意見を承りまして、私も心から同感でございます。したがいまして、ドライバーの安全と事故防止、災害から守る、こういった意味からいきましても、ぜひ前向きに検討してまいりたい、こう考えております。
  189. 薮仲義彦

    薮仲委員 きょうは時間があれば、いろいろと資料を集めて細かい点を——郵政省の方にも来ていただいているのですが、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、一番肝心なことを聞きたいものですから、大臣の御決意だけにさせていただきますけれども、関係の省庁の方お呼びして、通産省の方、それから郵政省の方にもおいでいただいているのです。  大臣、これはひとつ私は国土庁にもお願いしたのですが、いま道路公団が、地震発生のときにはスイッチを入れてくれ、こういうビラを出すのです。それじゃだめですよ。スイッチをオフにしていても、強制的に、たとえば発信音、ピ、ピ、ピといったらスイッチを入れるとか、あるいはいま通産省の方に聞いたら、特定の電波で特定のヘルツのところへ、その周波帯のところにバンドを合わせてスイッチオンにできる装置もできます、こういうふうにできるわけでございますから、スイッチを切った状態でも、当然入っておっても、いま大臣がおっしゃったように、そこに一つの放送周波帯を持っていればばしっと入ってきて、地震発生もスィッチを切っていようと切ってなかろうとドライバーに徹底させることが可能なわけですね。一般の家庭やなんかに特定の電波でやるというのは、これはいま国土庁あるいは郵政省等で研究してやっておりますけれども、一番管理の大事なのは車をどうするかということがいま問題でありますので、この車を安全走行させるための方向については不可能ではない。いま五百ちょっとキロヘルツのところから千六百六キロヘルツのところまで中波帯は国際的に日本の国は認められております。いま道路公団がやっているのは千六百二十七ぐらいで試験の路測放送をやっておるわけでございますが、通産省に聞いてみると、その二十七というバンド、これがいま車に入るわけでございます。八割ぐらいの車にはその周波帯が入るということもあります。私はそういうバンドはまだ専門的に研究しておりませんけれども、そういう周波帯あるいはさっき申し上げたいろいろな周波の中で、どうか防災の上からも大臣にぜひとも実現方をお願いしてこの問題を終わりたいと思います。よろしくお願いします。  それから、環境庁お見えでございますれば、私スパイクタイヤでお伺いしたい。大気保全局長、心してお答えいただきたい。  スパイクタイヤの粉じん問題がいま非常に大きくなっているわけでございますが、環境庁は二十八日に連絡協議会か何かやるとおっしゃっているけれども、そんななまやさしい問題じゃない。ここにこう出ているわけでございます。いろいろな資料がございますが、北里大学の山科正平先生ですか、その方が仙台と同じような状態でラットの試験をしたところが、ラットの肺を解剖して調べた結果、「一カ月目では肺細胞の中に黒い点がわずかに認められる程度だったが、二カ月目には黒いハン点状になり、鉄分が検出された。肺の血管の付け根の細胞は焦げ茶色の固まりとなり、ジン肺症の前期症状である肉芽腫ができつつあった。」これは新聞報道ですけれども、こういうことが指摘されておるわけです。実験結果として、こういういわゆるスパイクタイヤの粉じんによってこのような危険がありますよという実は指摘ですけれども、これに対してどうお考えですか。
  190. 吉崎正義

    ○吉崎政府委員 御指摘のございましたように、積雪寒冷地におきますところのスパイクタイヤは、私どもとしても非常に重大な問題だと考えておるわけでございます。ただいま御指摘のございました件につきましては、私どもも新聞を読みましてびっくりいたしまして、庁としても内容等について調査に取りかかっておるところでございますが、当該実験はまだ実験途中であるというふうに承知をいたしております。しかしながら、いずれにいたしましても、その結果は重大でございますので、今後よく追跡いたしますとともに、関係省庁とよく協議をいたしまして、適切なる対策をとるように努めてまいりたいと思っておるわけでございます。
  191. 薮仲義彦

    薮仲委員 調査、調査とおっしゃいますけれども、ではもっと聞きましょう。仙台市の調査では、市の中心部で昨年二月の一カ月間に一平方キロ五十四トンの粉じんが舞う、これは大気保全局長としてどう考えますか。快適な環境だと思いますか、あるいは環境基準上これは非常に健康を害するおそれがあるとお考えですか。
  192. 吉崎正義

    ○吉崎政府委員 ただいま仰せになった数字は降下ばいじんであろうかと思います。五十四トンというのは非常に大きな数字でございますが、かつてわが国におきましてもそれぐらい出したのでありますが、最近は大いに改善をされてまいりまして、平均的には数トンでございますが、それの約十倍ということで大変大きな数字であると考えております。環境庁といたしましても、本年度から対策・調査検討会を設置をいたしまして、実態の調査に取りかかっておるところでございます。
  193. 薮仲義彦

    薮仲委員 もう一つ札幌鉄道病院の平賀先生の調査結果、札幌、仙台、名古屋の犬の肺の調査をしました。札幌、仙台の犬にはいわゆる車の粉じん、そういう異物が沈着している。アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、鉛、マグネシウムなどスパイクやアスファルトの構成物質が札幌の犬は名古屋の三倍、仙台は五倍と多かった。このように健康被害が出ております。しかも、いま言われたように、五十数トンという粉じんが降るなどという数字が出てきた。こうなってまいりますと、私は健康被害が心配されるわけです。いつも行政の立ちおくれが言われるのですけれども、環境庁はいま持っておる法律の中で、あるいはこの環境基準に対して調査、調査と言っておられるような状態なのか。このままで放置するのか。環境庁はいわゆる連絡会議をつくったとかなんとかそういう逃げ道ではなく、環境庁自身として仙台の大気汚染の状態をどうお考えなんですか。大気汚染というものは規制しなければならぬとお考えなのか、このままでいいのか、どちらですか。
  194. 吉崎正義

    ○吉崎政府委員 先ほども申し上げましたように、積雪寒冷地におきますところのスパイクタイヤによると思われる粉じんの問題は非常に重要であると考えております。特に、私どもにおきましては、環境の保全とともに健康の保護が使命でございますので、本年度から取りかかりました調査におきましては、降下ばいじんのほか浮遊粒子状物質の濃度、さらに重金属等の分析に取りかかっておるところでございます。
  195. 薮仲義彦

    薮仲委員 公害対策基本法第一条、私が読むまでもないと思います。局長、これは環境六法の中で一番最初に出てくる。「この法律は、国民の健康で文化的な生活を確保するうえにおいて」云々、国民の健康を守る責任が政府にあるわけです。もしもこれでかっての水俣病のような問題あるいはイタイイタイ病など発症したとき、原因者負担という言葉をよく使われる。ある意味では、これは原因者というのは加害者であるかもしれない。御自分がオーナードライバーである場合が多いのです。でも、そこで言われる責任を持たなければならないのは——きょう私はここで環境庁に責任を追及しているのですよ。もしもこれが発症、じん肺であるとかいろいろな肺の病気が起きてきた、呼吸器系統の病気になってきた、その責任はどうなのかといったときに、きょう私が指摘した以上、行政の責任というのは免れませんよ。もしも発病したときには、だれが責任を負わなければならないのですか。
  196. 吉崎正義

    ○吉崎政府委員 健康の保護は、私どもにとりまして非常に大きな課題でございますので、粉じん中の重金属その他の調査に本格的に取りかかっているところでございます。ただいまもお話にございましたように、このスパイクタイヤの問題は、交通安全その他関係するところが非常に多うございますので、できるだけ早く対策を講ずることができますように、関係省庁の連絡会議を呼びかけましたところ、関係省庁におかれましても快く賛同されまして、二十八日に第一回を開くことにしたわけでございますけれども、関係省庁ともよく連絡をとりまして、一刻も早く対策を講じられますように検討してまいる所存でございます。
  197. 薮仲義彦

    薮仲委員 関係省庁と連絡会議を開いて何をおやりになるのか決まっているのですか。そこで話し合いましょうという話でしょう。私はあなたにそういう連絡会議でやることを聞いたのじゃないのだ。公害対策基本法第一条の精神からいって、環境庁としてこれが国民の健康を保持する上に有害と判断するのかしないのか。他の省庁の意見じゃないのです。あなたはあなたの省庁として、たとえ警察庁が何と言おうと、通産省が何と言おうと、環境庁としてどうですかと聞いているのです。これがこのままでいいのか、やめさせるのか、どっちなんです。簡単に……。
  198. 吉崎正義

    ○吉崎政府委員 重大な問題であると考えましたからこそ、昨年の七月に北海道大学の菅原教授を座長といたしまして検討会を設置したところでございます。できるだけ早く御検討いただきまして、適切なる対策を講じたいと考えているところでございます。
  199. 薮仲義彦

    薮仲委員 では、ことしのスパイクタイヤが一番害を及ぼす時期までに何らかの結論を出せるのですか。
  200. 吉崎正義

    ○吉崎政府委員 かなり複雑な問題でございますので、検討会は五年の計画でもって各方面の対策をすることとなっておりますけれども、私どもといたしましては、当面緊急を要する施策につきましては、できるだけ早く、二年程度でひとつ答えをいただきたい、このようにお願いしておるところでございます。
  201. 薮仲義彦

    薮仲委員 環境庁の持っておる法律の中で、現在の粉じんを規制するのは何法と何法ですか。
  202. 吉崎正義

    ○吉崎政府委員 大気汚染防止法でございます。
  203. 薮仲義彦

    薮仲委員 その次に通産省に聞きます。  通産省は、このスパイクタイヤについて、直接ではないかもしれません。しかし、タイヤをつくる部分においてかかわり合っていると思うのですが、通産省はタイヤをつくる部分でどういうかかわり合いを持っていますか。
  204. 蕨岡達慈

    ○蕨岡説明員 通産省といたしましては、この問題は非常に重要な問題であると考えておりますので、ただいま環境庁からも御答弁ございましたように、関係各省庁との連絡会議において十分な対策をとりたいと考えております。
  205. 薮仲義彦

    薮仲委員 時間がないから、私指摘しますけれども、タイヤの規格、基準についておたくは監督官庁なのです。そうでしょう。簡単に言えば、あなたのところでもしもいますぐスパイクタイヤをつくらないとすれば、この問題は解決するのです。スパイクの穴のあいているタイヤをつくりませんと言えば、この問題は解決するのです。でも、どうせここで結論を言ってもあなたには気の毒だから……。  警察庁、警察庁はこれについては道交法でいわゆる安全走行という問題をやられている。道交法の七十一条だと思うのですけれども、どういう規制が行われておりますか。簡単にやってください。
  206. 広谷干城

    ○広谷説明員 法制面で申し上げますと、この道路交通法七十一条に基づいて、各都道府県におきまして公安委員会規則を定めておりまして、たとえば北海道の例でございますけれども、北海道の道路交通施行細則によりますと、「積雪又は凍結している道路において、自動車及び原動機付自転車を運転するときは、スノータイヤを全車輪に装着し、又はタイヤ・チエンを取り付ける等すべり止めの処置を講ずること。」こういうことになっておりまして、チェーンを巻くのはなかなかめんどうだ、あるいはスノータイヤでは効きが悪いというふうなこともございまして、地域によっても差はございますけれども、現在のところ相当多くのユーザーがスパイクタイヤを使用して滑りどめ装置としておるという実情にあると考えております。
  207. 薮仲義彦

    薮仲委員 警察庁がスパイクタイヤはだめよと言えば、これはおさまるのですけれども、それもまだおやりにならない。  このほかに、運輸省もお見えだと思うのでございますけれども、運輸省、時間がありませんから結論を申し上げますと、運輸省は、たとえば車検のときにスパイクタイヤはだめですよと言ってしまえばスパイクタイヤを規制することは可能です。  大臣に最後にお伺いしますけれども、いま申し上げたように、この問題は非常に健康被害が起きるのです。非常に重大な課題でございまして、これは路面をこちこちにしたいという話をしたって無理なんです。問題は、いま関係省庁申し上げましたように、たとえば大気保全の立場から、いわゆる粉じんという問題をどこでおやりになるのか。私ももう一回勉強しますけれども、いずれにせよ、各省庁の持っている法律の中で規制できるわけです。警察庁も、いまお伺いしませんけれども、ドライバーの安全のためにスパイクタイヤをつけなさい、こう言うわけです。これが公安委員会の規則といいますか、指定になっているわけですね。  ここで大臣、考えていただきたいのは、ドライバーの安全だからスパイクをつけなさいと警察庁が言う。ドライバーはチェーンはおっくうだからスパイクをつけるわけです。ところが、それによって発生する粉じんは健康被害を起こしているのです。ドライバーの安全のために、住民の健康は阻害されてもいいですよ、こういう論理は行政の中に絶対あってはならぬと私は思います。きょう関係の省庁の皆さんに私が言いたいのは、こちらの安全のためにはこちらの生命なんかどうでもいいという考え方がまだあるから、関係省庁で連絡会議を開いて云々という言葉がいまだに環境庁の中から出てくるのです。これがもしも裁判の課題になったら、これはなかなか重要な問題を抱えていると私は思う。そうしたくない。ですから、そうならない前にこの粉じんの問題を、やはり通産省あるいは建設省というのはその当事者でございますので、大臣、できるならば関係省庁をさらに督励していただいて、粉じん公害をなくす努力を、ことしからは少なくとも二十八日に——この間いろいろな方に、具体的なことはどうなんですかと言ったら、これからのスケジュールを決めたり、どういうことをやるかということで、まだ具体化はしておらないようでございます。それはそうでしょう。  でも大臣、私が申し上げたいのは、スパイクタイヤを使うことがこちらの生命の危険になるならば、これはやめた方がいいのじゃないか。やめられないのだったらば、たとえば一年なり二年を目指して、一年目でここまで改良します、二年をめどにここまでやります、これでできなければスパイクタイヤを外させます、あるいはそこまで改良できなければやめさせる、そういうはっきりしためどを立てていただきたい。もっとふえてくると私は思う。ですから、一年目のときにこれだけ、二年目でこう、三年目からは新しい方向でやめさせるとか、何らかのタイムスケジュールを立てて生命の安全を図っていただきたい。人命にかかわる大きな事故の起きないうちに、こちらの安全のためにこちらがということのないように、ぜひとも大臣のお力で解決をお願いしたいと思いますので、最後に大臣の御決意を伺って質問を終わりたいと思います。
  208. 内海英男

    内海国務大臣 ただいまスパイクタイヤの問題についての御高見を拝聴いたしたわけでございますが、先ほどもお話に出てまいりました仙台、いま大変この問題が市民の間で問題になっております。ただ、先生もおっしゃっておられましたけれども、急速にこれを全部やめてしまうというようなことは、多少無理な点もあるかと思います。それと申しますのは、宮城県の場合は、仙台市の方に入りますとほとんど雪がございません。来る自動車はみんな山形あるいは岩手、秋田、こういった雪の多い地方から参りますので、いずれにしても、スパイクタイヤをはいたままで市内に入ってくるというような状況でございますし、また仙台の方から向こうへ行く車も、途中からはきかえるわけにいかないから、仙台からはいていってしまうというようなことで、ちょうどスパイクタイヤが要るか要らないかの接点にあるような場所なものですから、特に問題が多いかと思います。したがいまして、これを全面的に段階を追って改善していく、あるいはチェーンに切りかえるというような形にすべきだというような意見が地元におきまして大変強いわけでございます。したがいまして、いろいろ関係省庁の御意見もいままで聞きましたけれども、できるだけ早く関係省庁が集まりまして、この問題を、ことしはもう雪の時期が終わりに近づいておりますから、ことしの冬の時期までに何らかの対策がとれるように前向きに検討していきたい、こう考えておるわけでございます。
  209. 薮仲義彦

    薮仲委員 終わります。
  210. 松永光

    松永委員長 小沢貞孝君。
  211. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 世界一の難工事だ、こう言われている安房トンネルのことだけを最初ちょっとお尋ねします。  難工事の実態や、いまどういうことをやっておられるか、それが一つ。それから来年度昭和五十八年度予算がどういうぐあいについて、何をやろうとしているか。最初二つだけお尋ねをしておきます。
  212. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 では最初に、安房トンネルに取り組んでおります現況等について御説明さしていただきます。  まず、一般国道百五十八号は福井市から松本市を結ぶ延長約二百三十一キロメートルの国道であります。国道百五十八号のうち、岐阜、長野県境の岐阜県上宝村平湯から長野県安曇村中ノ湯の間、延長六・三キロメートルについて建設省の直轄事業として五十三年度から事業に着手いたしております。  安房トンネルは、北アルプスを横断する日本有数の長大トンネルで延長が四千三百メートルでありまして、積雪寒冷地で標高千三百六十メートルの位置に計画され、さらに活火山の焼岳付近を通り、地質的、技術的にむずかしいトンネルであります。このため、五十五年度から中ノ湯側において高熱地帯の温度、ガスの調査、地質の確認及び施工方法の検討のため調査トンネルを掘削し、これまでに九百メートルの進捗を見ております。  今後は、長野県側の調査トンネルを引き続き掘削するとともに、岐阜県側についても、地質が脆弱な地帯を通過するため、地質、出水量等の調査及び施工方法の検討のため調査トンネルを掘削する予定であります。
  213. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 いまお聞きすれば大変むずかしいところのようですが、これは局長としては、大体いつごろこのトンネルは完成をするでしょうか。いまの段階においては大変むずかしいお答えになろうと思いますが、その辺の見通しも聞かせていただきたい。
  214. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 先ほど先生もおっしゃいましたように、この安房トンネルは世界的に見ても非常な難工事でございます。現在、調査導坑を長野県側から掘りまして、約九百メートル掘ったわけでございますが、摂氏で約八十度ぐらいの温度になっておりますので、この中で労働する時間も非常に短時間に限られておるというむずかしい問題がございます。さらに、いま申し上げましたように、岐阜県側においても火山質のためにいろいろな問題のある地層がございますので、五十八年度から岐阜県側からも調査導坑を掘ることといたしております。  この調査導坑が貫通いたしましてから、本トンネルを掘るためのいろいろな研究を行いまして、それから本トンネルに着手することになるのでございまして、いまの時点で、いつから本トンネルが掘れるか、また全体としていつ完成するかというのは、調査導坑が全部貫通した上で、学識経験者等の研究等を待って決めてまいりたいというふうに考えております。
  215. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 局長、私のところへ来たときはざっくばらんに、見当としては十年ぐらいはかかるでしょうかねと、こう言っているのだけれども、きょうは年数を全然言わないのだが、これはどういうわけだね。
  216. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 先生のところへ参りましたときは、個人的な立場で説明をいろいろさせていただいたのですが、きょうの発言は公的な場でございますので、正式に説明させていただいたわけでございます。
  217. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 前に私は予算委員会だか分科会だかで申し上げましたが、松本は長野県のど真ん中でして、それで中央線の塩尻の塩嶺トンネル、これは国鉄のことなんですが、十年がかりで五百億かけて、ことしの七月五日から開通する。これは一時間も短縮するかなと思ったら、なに十九分です。五百億かけて十九分ということは、一分短縮するのに二十七、八億、三十億もかけているじゃないか、こういうわけで、これはあの付近にしてみれば、いまいろいろ御厄介になっている中央道長野線が南と北に通って、あとずっと長野の方まで二十四日に予定路線を発表すると聞いておりますが、それは大変結構なことで、早くやってもらいたい。これは要望でございますが、そういうことができてきて、今度は福井、岐阜から安房トンネル、松本、東京、こういうようにクロスして高速道ができることを待望しているわけです。ついては第九次五カ年計画で、何か調査費というのでしょうか、構想を練ることが考慮されておるでしょうか。
  218. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 北陸と関東を連絡する幹線道路につきましては、従来より地元から強い要望があるわけでございます。これにつきましては、当面主として一般国道百五十八号の改良を進めており、現在、福井、岐阜県境の油坂峠、岐阜、長野県境の安房峠等について鋭意事業の推進を図っているところであります。  なお、御指摘の岐阜—松本—東京の大幹線道路の構想につきましては、今後の課題として、九次五計の中で検討させていただきたいと考えております。
  219. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 ひとつよろしくお願いします。  地方のことばかりで大変恐縮ですが、続いて道路局長お尋ねします。  国道百四十八号は、いまの中央道とはまた違いますが、並行して、これは長野県の中央から新潟県の方へ通ずる道路であり、それが新潟県側へ行けば、やっぱり田中角榮がいるもんだで道路はいいわな、長野県側はだめだ、これはみんなそう言っているわけで、これは具体的な数字で去年だか私は提示をしていただいたこともあったわけです。これはやはり進んでいるには進んでいるらしい理由があるだろうと思うのですが、そういうことだと、これは公共事業が私物化されている、こういうようにさえ理解できるわけですが、何はさておいても、その整備を緊急に進めていただきたい。その現状と、あれが完成するまでにどれくらいかかるでしょうか。
  220. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 最初に、長野県側と新潟県側との百四十八号の整備状況でございますが、長野県側は実延長四十七・六キロで、改良済み延長が三十キロでございます。したがって、改良済み率が六三%。新潟県側は実延長が二十五・三キロメートルで、改良済み延長が二十三・二キロ、改良済み率が九一・七%となっております。長野県に比べて新潟県の延長が短いこと、平野部に近いことなどが改良率が進んでおる理由ではなかろうかというふうに考えておりますが、この百四十八号の整備について御説明させていただきます。  長野県側は大町市から、新潟県側は糸魚川市からそれぞれ一次改築事業として整備の実施を進めております。長野県側は、現在大町市、白馬村、小谷村においてその整備促進を図っているところでございます。なお、大町市簗場工区については今年度改良完となる予定でございます。  長野、新潟県境付近は姫川沿いの急峻な地形で、地質も悪く、また豪雪地帯であることから、改築に当たっては非常に困難が予測される区間であるため、直轄で調査を実施しているところであります。  今後も未改良区間の解消を図るための改築事業促進を図るとともに、冬季の交通確保等のため緊急に対策を必要とする部分については、防雪事業等を実施したいというふうに考えております。  一般国道百四十八号で一番難所は、小谷村外沢からちょうど糸魚川市の平岩間約十キロメートルの小谷道路という区間でございまして、この区間につきましては、現在直轄で調査を実施しているところでございます。  その他の区間については、ほぼ全面的に改築事業を現在行っているところでございますので、一番最後に未改良で残るのは、この小谷道路ではないかというふうに考えております。  現在の直轄調査の進捗状況を申し上げますと、直轄調査は、まず幹線道路整備計画調査を実施いたしまして、交通需要あるいは投資効果など直轄事業として実施するのに適切であるかどうかということなども含めて検討いたします。それが終わりますと、次に計画線調査を実施します。これでは概略ルート等を決めていくわけでございます。それが終わりますと、地質概査、実施設計といった実測線調査をいたしますが、この小谷道路区間は、現在幹線道路整備計画調査を五十六年度から実施しておりますので、こういう調査が順調に進めば、数年後にこの直轄事業化を図れるのではなかろうかというふうに考えております。通常ですと、十キロメートル程度ですと工事期間を約十年ぐらい要するのが通常でございます。  以上で説明を終わらせていただきます。
  221. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 暇のかかるのは十年と言うし、なるべく早くよろしくお願いしたいと思います。  それではいまお手元に資料を差し上げましたが、道路公団の余裕金について、総裁、最近の資料で余裕金というのはどのくらいあるのでしょうか。
  222. 高橋国一郎

    高橋参考人 当公団におきます余裕金は、通常、有料道路の料金所で収受します料金収入公団本社へ振りかえるため現地の料金所で当座保有するもの、それからもう一つは、建設費、用地費等の事業資金支払いまでの間、全国の建設局あるいは管理局で当座保有するもの等がございます。  余裕金はおおむね月二百億円ないし三百億円程度でありますが、昭和五十八年二月末日現在で見ますと、約二百十八億円になっております。
  223. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 時間の関係で私の方で申し上げますが、これで合っておるかどうか。法第三十一条の公団の余裕金の運用でございます。「公団は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。一国債その他建設大臣の指定する有価証券の取得二銀行への預金又は郵便貯金」、法はそうなっております。私、調査室から調査をしていただいたわけですが、大臣指定の有価証券、地方債、国鉄債、電電債、金融債はゼロ、銀行預金がいま申された大部分、八十一行、通知預金百四十四億、譲渡性預金二行、十億。この数字はそれでいいわけですか。
  224. 高橋国一郎

    高橋参考人 そのとおりでございます。
  225. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それでは同じ建設省で阪神高速道路公団の余裕金はどうなっておりますか。
  226. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 阪神高速道路公団の余裕金の運用につきましては、公団法第四十二条の規定に基づきまして、「国債その他建設大臣の指定する有価証券の取得」、それから「銀行への預金又は郵便貯金」に限られておりまして、その運用に当たりましては、事業資金の支払い見込み等質金計画を勘案しまして、事業の執行に支障のない範囲で、有価証券の購入あるいは銀行預金の方法によって効率的に運用しておると承知しております。     〔委員長退席、鴨田委員長代理着席〕
  227. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 阪神高速道路公団では、地方債が十億千六百万、鉄道債が二十七億九千七百万、電信電話債券が一億九千四百万、銀行が四十六億二千万。これで数字はいいわけですか。最近のです。
  228. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 ただいまの数字は、五十八年二月末の運用状況かと思いますが、地方債十億千七百万円、それから電電債一億九千五百万。ちょっと数字が百万ずつ違っておりますが、大体の数字としてはそのとおりでございます。
  229. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それでは首都高速道路公団は、法四十二条の規定でどういうふうになっていますか。国債と銀行はどういう関係ですか。
  230. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 首都高速道路公団の余裕金の運用につきましては、阪神高速道路公団と同じような趣旨で運用されておるわけでございます。  ちなみに、昭和五十八年二月末の運用状況について申し上げますと、有価証券が金融債一億九千万円、それから銀行預金が二十八行で六十一億九千百万円、合計六十三億八千百万円、こういう数字になっております。
  231. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 道路公団だけが建設大臣指定の有価証券を全然使っていない。同じ建設省公団でも、ほかはそれを買っておる。これは何か特別な理由があるのですか。
  232. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 建設省道路公団業務上の余裕金の運用は、いずれも「国債その他建設大臣の指定する有価証券の取得銀行への預金又は郵便貯金」と各公団法で同じように定められており、その範囲内で各公団が運用を図っているところであります。  これの運用実態は、余裕金が発生したときには、その運用期間に応じ、運用期間が比較的長期にわたるものについては、国債等の有価証券の購入を行い、また短期間のものについては、通知預金または普通預金で預け入れすることとしていると聞いております。  さらに、道路公団とも余裕金が発生した場合においては、その後の事業資金の支払い見込み等資金計画を勘案し、運用可能期間と金利を考慮し、有利な運用を図っていると聞いております。
  233. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 これは監督は建設省大臣だと思うのです。道路公団とほかの公団とはいま運用の仕方が違っているわけです。しかし、違っているには違っているらしい基礎があってやっているのか。本当の恣意によって道路公団は勝手にそうやっているのか。私の言いたいのは、これは合理化の一つなんで、金利の少しでも高いところへ預けるというような合理化努力がなければならぬと思う。たとえばよく批判の対象になっている郵便局の十年定期の何とかというのは、地方銀行から目のかたきにされて、臨調でも大変問題になっているが、そういうところへやった方が百億、二百億の金ですから相当な経済効果を公団へもたらすと私は思うのです。お尋ねしたいのは、そういうことを計算をしてやっているか。それが一つ。  いま一つは、これはきょうは、急では大変申しわけないから、委員長、資料を要求したいわけですが、建設省関係の各種公団の余裕金はどこへどういうようにやっているか、これを資料で提出していただきたい。前者はきょう答弁できたらお答えいただきたい。
  234. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 四公団ともいま申し上げましたように、国債その他建設大臣の指定する有価証券の取得、銀行への預金または郵便貯金という範囲内でそれぞれ運用しておるわけでございます。  先ほど都市局長から、また道路公団総裁から御説明がありました際に、日本道路公団では、余裕金の運用については、国債とそれから銀行預金、特に地方銀行への預金が多い数字になっております。これにつきましては、道路公団は、料金を全国的なところから徴収して、それを送付する、また料金徴収所からその機関まで輸送し、そしてそれをまた中央へ輸送してくれる機関であることが必要でございますし、公団の料金を扱うわけですから、非常に信頼の高いということで、地方銀行でも主として県の指定している金融機関を用いておるという実態がございます。  それに対しまして、阪神公団、首都公団の場合には、たとえば首都公団でございますと、建設大臣の指定した有価証券として、首都公団の中に金融債がございますので、こういう金融債を購入したり、あるいは銀行預金があるわけでございますが、こういう場合も恐らく料金を徴収する便宜さ等も考慮した上で決めたものではなかろうかというふうに思っております。阪神公団では、地方債、鉄道債券、電信電話債、そのほか銀行預金も多いわけでございます。  道路公団の場合は国債と地方銀行が多いわけですが、それは道路公団が全国的に高速道路等を供用して、それぞれの各料金所から料金を集め、またそれを中央に送るというような関係から、地方銀行等への依存率が高くなっておるのであり、道路公団のそういう全国ネットワークとしての特殊性によるものではないかというふうに思っております。
  235. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 これは公団総裁お尋ねしますが、相互銀行、信用金庫、こういうところにはどうして公団は余裕金を全然預金しないのか。あるいはまた私も金利のことはよくわかりませんが、郵便貯金は十年定期で、これは地方銀行が目のかたきにしているほど金利がいいというのだから、経済効果といいますか、幾らかでも合理化をするためには高いところへ預金した方が得だ、そんなことは当然計算されているのでしょうが、なぜ公団だけはやってないか、その理由。もう一つは、こっちがメリットがある、そういう金利計算をちゃんとしてやってますか。
  236. 高橋国一郎

    高橋参考人 ただいま御指摘の相互銀行につきましては、資金量の比較的大きな十数行とは、私ども公団の発行します縁故債の引き受け等の取引を行っております。なお、料金徴収業務等につきましては、現在三行にお願いしている面がございます。  また、信用金庫につきましては、日本道路公団法第三十一条の制約がございますので、現在は利用しておりません。     〔鴨田委員長代理退席、委員長着席〕
  237. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 大事なことは、どこへ預けた方がどういうように金利がいいかということを計算してやっているか、こういうことを言っているのですよ。
  238. 高橋国一郎

    高橋参考人 もちろん私どもとしましては、計算いたしましてやるわけでございますが、先ほど道路局長から御答弁がありましたように、全国的に事業を展開しておりますので、その地区の料金徴収その他の業務につきましては、地方銀行、特に、県の指定している銀行にお願いするのがいろいろな関係から最もよろしいのじゃないかということでございまして、現実にはそういう県の指定銀行を中心に料金徴収等の業務をやらせております。
  239. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 県が指定している銀行ということは、要するに県金庫ですね。そういうところを利用している、端的に言えば。だから私の言うように、金利計算をしてどこが有利だからどこの債券を買ったり、どうやったらいいかということは計算をしていないということですね。
  240. 高橋国一郎

    高橋参考人 結論を申しますと、そういうことになると思います。
  241. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 今後の運営についてはそういうことも考慮していただきたい。これは希望を申し上げておきます。  細かいことですが、収納事務というのは、一体公団の職員がやっておるのですか。取り扱う銀行の職員が請け負ってやっておるのですか。その辺の事務的なことをちょっと……。
  242. 高橋国一郎

    高橋参考人 有料道路の利用者から料金を徴収する事務につきましては、当公団の職員が担当している料金所と、また当公団が民間会社に委託して行わせておる料金所とがございます。銀行に当該業務をやらせておることは実際にはございません。
  243. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 わかりました。  それで、きょう有料道路の料金所から収納された金は、今夜のうちに銀行かどこかへ持っていくわけですか。あるいは民間会社が請け負ってやっていれば持っていくのか。取りに来るのか。きょうのはきょうやるわけですか。
  244. 高橋国一郎

    高橋参考人 収納しました料金の銀行への預け入れ手続につきましては、原則といたしまして、毎日当公団と契約しております銀行の職員が料金所に参りまして、前日収納した分を確認の上、銀行に持ち帰って当該銀行の普通預金に預け入れることになっております。
  245. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それは多分夕方か夜間に持っていく。その日から金利はつくかつかないか。それは幾日後に金利がつくようになっているか。
  246. 高橋国一郎

    高橋参考人 毎日銀行に預け入れました普通預金につきましては、原則として月三回、大体五の日、五日、十五日、二十五日でございますが、月三回定期的に公団本社に集中させまして、その後直ちに公団の出先機関の事業資金に充当するため送金しております。
  247. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 そうすると、手持ちは無利子で銀行に預けていない日が平均十日間あるということですね。民間会社に委託をしているところにおいても、十日間は民間会社が公団の金を無利子で預かっているわけですか。
  248. 高橋国一郎

    高橋参考人 民間会社は通行者から料金を収納するだけでございまして、それは翌日銀行が取りに来るわけでございますので、民間会社には何ら関係ございません。
  249. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 民間会社が請け負ってやっているところの様子はちょっとわかりませんが、いずれにしても収納はするわけですね。収納するのは毎日ですね。それで、公団の金として銀行で金利のつくのは、月に三回といまおっしゃるから、十日間というのは無利子でその銀行は扱っているわけですね。そこはいいですか。
  250. 高橋国一郎

    高橋参考人 先ほど申し上げましたように、本日収納した料金は、翌日銀行がチェックして持ってまいりまして、銀行に普通預金で入れますので、利子がつくわけでございます。
  251. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 そこのところ、総裁、間違ってはいないでしょうね。私の方が研究してあるのだけれども、明くる日からすぐ普通預金の金利がついていますか。
  252. 高橋国一郎

    高橋参考人 普通預金の金利がついております。
  253. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 そうすると、十日間の月に三回というのはどういうことを意味するわけですか。
  254. 高橋国一郎

    高橋参考人 本社に全部集中するのが月に三回、五の日に入れるということになっておりますので、その間は銀行にそのまま十日間利子がついて普通預金として預け入れされているわけでございます。
  255. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 そうすると、銀行に入った途端に普通預金の金利はついているわけですね。それでは十日後に公団の指定する何とかにするのか、定期預金にするのか、送金するのか、こういうことですね。わかりました。  余裕金の運用について、今度はこれは大臣かだれか責任者に聞くわけですが、いまお手元に差し上げたように、各省庁の余裕金の運用はどうなっているか。みんな法律事項になっておりますが、たとえばいま差し上げた上から六番目の水資源開発公団は、「(余裕金の運用)第四十四条公団は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。」いまのこの法律のとおりです。日本道路公団と同じです。「一 国債その他内閣総理大臣の指定する有価証券の保有 二 銀行その他内閣総理大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金」。水資源開発公団は、銀行、郵便貯金、主務大臣の指定する国債、そういうもの以外に「内閣総理大臣の指定する金融機関への預金」、こういうようにほかの金融機関にも扱える道が開かれているわけです。  雇用促進事業団、これは全部読みませんが、前文の方は道路公団や何かと同じです。二十八条の二項、「銀行その他労働大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金」。「労働大臣の指定する金融機関」という項目が入っているわけです。  簡易保険郵便年金福祉事業団法二十七条、全部読みませんが、「郵便貯金又は銀行」。さすがに郵政省だから郵便貯金が先に出ているな。「郵便貯金又は銀行その他郵政大臣の指定する金融機関への預金」、こういうのが入っている。  国際協力事業団なんというのは金があるのかないのか私もよくわかりませんが、「銀行その他外務大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金」。外務大臣がどういうところを指定してくるか知らないが、こういうように入っているわけですよ。  それから公害防止事業団。さっきもいろいろ質問があったようですが、公害防止事業団も、「銀行その他環境庁長官の指定する金融機関への預金又は郵便貯金」、こういうふうに入っているわけです。  今度は公社はどうなっているかと思って日本電信電話公社を調べたところが、日本電信電話公社法六十七条には、前文を読みませんが、「郵便局又は銀行その他大蔵大臣が指定する金融機関に預け入れることができる。」こうあるのですよ。  その表でもおわかりのように、建設省関係は首都高速道路公団。それから阪神高速道路公団。その四つばかり下の本州四国連絡橋公団もそうですね。それから住宅・都市整備公団。それからずっと下へ行って日本下水道事業団。建設省だけは不親切にそういうものは入っていないのですね。建設省だけは何でおれたちをボイコットしたのか、こういうように金融機関の方からは見えると思います。  実は、どうしてそういう問題ができてきたかというと、道路公団の会計課長ですか資金課長というのか、あそこらのところは、おれたちの農協がこれだけ土地は提供し、インターチェンジはつくり、みんなさんざかかって高速道路を通れるようにしたけれども、トンビに油揚げみたいなもので、県の指定する金融機関と言うから、われわれの県で言えば八十二銀行、そこにしか預けられない、こう言うものだから、高速道ができるときに補償や何かみんなまとめて農協や何かが協力してやっているけれども、おもしろくないということで、道路公団には大分押しかけていったことがあるわけです。  ちょっと冗漫なようですが、そういうことでわれわれのところに手紙が来ていますから、急いでちょっと読み上げてみます。   長野県における中央道西宮線に供用された用地は七百二ヘクタール。中央道長野線に供用される用地(未定)はおよそ四百七十ヘクタールに及び、関越道長野線の県内九十五キロメートルの用地面積(未定)は四百五十ヘクタール程度が見込まれ、合計千六百余ヘクタールに上る。   併せて、これら高速道に関連する道路の拡幅、インターチェンジ周辺における工業、流通等に供用される用地の潰廃も大きく、特にこれら用地の大部分は、水田、畑等の農用地である。   長野県はご存知の如く農地が狭少であり、小面積から集約的な労作により収益を高めるための努力が続けられ、祖先伝来の優良農地として格付けられ、高速道に供用された農用地もそのらち外ではない。   また、狭隘な地域に集団的に住まいする農村は、高速道の通過によって集落が分断されるところも多く、それによって農業経営の合理化をめざす共同作業、大型機械化農業が不可能となる地域も数多く発生し、農地の潰廃とともに農業の生産性と収益向上を著しく阻害している現状にあり、一部ではインターチェンジの用地買収により、農家の大半が経営困難となる地区も見られる。   併せて、環境条件の変化も大きく、山紫水明の地として永年にわたりこよなく愛し続けてきた”わが故郷”に騒音等の公害がもたらされ、その対策が常に論議される今日この頃である。   このように高速道の建設は、地域農業や社会生活に幾多の問題を投げかけながら進められているが、その中で長野県農協は、昭和四十年中央道の基本計画が発表されて以来、高速道がもたらす長野県全体の長期的展望に立った発展のあり方と地域格差の是正という大局的な見地から総合的な検討を進めるとともに、高速道と地域住民の一体的な発展を図るため積極的な努力を重ねてきた。   まず、高速道の整備計画段階から、沿線関係農協は、前述のような趣旨を踏まえ、地域住民、関係団体代表による対策委員会を作り、中央道西宮線の時代にあっては、伊那谷の開発、地域産業の興隆と中央道の建設にいかに対処すべきかを検討、中央道長野線の沿線等においても、それぞれの地域の発展的な可能性を期待する中で対策活動がすすめられている。   対策委員会活動は、まず調査研究から始められ、地域住民の意向調査とその分析、先進地の高速道の現状やインターチェンジ周辺の経済的インパクトの現況視察など行うほか、高速道が地域振興に与える影響などについて研修を重ねている。   また、各沿線農協の対策委員会を構成メンバーとする中信地区(六農協)、北信地区(六農協)等の広域対策委員会を構成し、それぞれ農協中央会・各連合会のスタッフが事務局を担当し、各地域における総合一体的な事業推進にあたっている。   さらに、県段階においては、県農協中央会に担当部署を設け、地域間の連携調整、情報伝達をはじめ、県的な連絡提携と事業推進をはかっている。   高速道の路線発表段階からは、直接高速道の建設によって、優良農地やその他の資産を収用される地権者によって沿線農業協同組合ごとに被買収者組合又は地権者組合を組織し、関係者の要望と苦情、不安などの相談に応じるとともに、その要求実現のための対応を、農協に専任事務局を置き、常に農協の常勤役員が陣頭に立って推進し、無用なあつれきを避け、円滑な交渉によって、大方の関係者が納得のできるよう最善の努力を行ってきた。また、各地権者の実情について詳細にわたってアンケートし、 ちょっと長過ぎるからこのくらいでやめておきますが、要するに、その地域の農村地帯を通るわけですから、農業の将来計画から始まって、補償交渉から何からみんなが一体的に扱ってきた、こういうわけなんです。それを、料金収納事務はどこかでやる。それから余裕金は、ほかの省庁はみんな「その他大臣の指定する金融機関」、こうあるのに、建設省だけは本当に役人がいばっているようにしか見えないわけですよ。それだから、高速道の農民を代表して高速道に積極的に対応してきたのだから、余裕金の運用等やあるいは収納事務等の請負等について、これは農協も協力、あるいは余裕金を扱わせるように、少なくとも道だけは開いておいてくれないか、端的に言えばそういうことなんですよ。  局長さんが答えてくれるなら、先に答えてください。
  256. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 先生は、建設省関係以外の公団ではほとんど「指定する金融機関」の規定があるということでございますが、私たちの方で調べたところによりますと、主要三十公団等のうち、この「指定する金融機関」の規定があるものが十三、建設省関係のようにないものが十七でございます。  そこで、農協に対するいまのお話でございますが、農協が高速道路建設のために、用地買収等大変お力添えをいただいたことについては厚く感謝しておるところでございまして、一日も早く高速道路を供用し、安全かつ円滑な交通の確保に全力を挙げてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、余裕金のことにつきましては、日本道路公団の料金収納業務を金融機関に行わせる場合、これを円滑に実施するためには、通常若干の期間収納金を当該金融機関に預託することが必要となっております。それで、日本道路公団の余裕金の運用は、現行法上、「国債その他建設大臣の指定する有価証券の取得」、「銀行への預金又は郵便貯金」に限られており、銀行でない農業協同組合に預金することはできないこととされております。  法改正により余裕金の運用範囲を拡大して、農業協同組合に収納業務を行わせることについてでありますが、料金、収納金を含めた現行の余裕金の運用制度は、日本道路公団において円滑に機能していると聞いておりまして、現時点では法改正の必要性は乏しいのではないかというふうに考えております。
  257. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 いや、局長が改正の要はないと言うならば、われわれはその道を開け、日本の国民の金融機関であるものが、なぜ建設省だけは「建設大臣の指定する金融機関」という言葉を入れていないか。大部分は建設省建設省には一つもない。水資源開発公団、あれは国土庁か、建設省じゃないんだから、そういうのは一つもない。だから、さっき言ったように、それだけ農民が努力をしているわけです。われわれ委員長にも前から話して、われわれは役人がどうしてもやりたくなければ、これはやはりわれわれが議員立法ででもその道を開くぐらいなことをしなければ、これだけ協力をしておる農民に対してこたえることができない。そういうようにこの間からも話しているのですが、大臣どうですかね。これはやはり研究をして、ほかの省庁と同じように、これは国民のための道路公団ですから、道を開くことは当然ではないかと私は思います。
  258. 内海英男

    内海国務大臣 余裕金の運用先の拡大につきましては、単に道路公団のみならず、他の公団とも関連することでございますので、慎重に検討してまいりたいと考えております。
  259. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 まあきょうのところはそのくらいでやめておこうか、こう思うんだが、実は、私は衆議院法制局に聞いて、農村とそういうように関係があるという道があるならば、これは議員立法でやってもらってもちっとも差し支えありません、法制局西澤参事あるいは折田参事、矢澤第四副部長等来て、差し支えない、こう言う。ただ役所の方がどうも頭がかたいものだから、やはり国民の要望にこたえる高速道であり、国民の要望にこたえる道路公団道路公団のための道路じゃないわけなんです。それをどうしても勘違いしている。だから、大臣がせっかく検討してくれる、こう言うから、暫時余裕を持とうと私は思うが、これはそのうちに理事会へ提案をして、超党派の議員立法ででも何ででも私はやりたい、こういうことで委員長に前々から話してもあるわけで、これは時期が来たら委員長にまた相談をさせていただきます。こういうことで先に進ませていただきます。  ちょっとその前に簡単なことで、入札制度について最近臨調の答申があり、それから中建審の建議も出されました。朝日の社説にも載っております。建設省はこれから具体的にこれにどのように対処しようとしているか。どうしようということはいいですから、どういう機関で、どこのセクションで検討をして結論を出すようにしようとしているか、そのことを……。
  260. 永田良雄

    永田政府委員 御指摘のように、臨時行政調査会でも入札制度改善に関する答申がございました。それから一方、先般中央建設業審議会が入札制度の改善に関する建議をいたしました。これを一体どうするのか、こういうことでございますが、私どもこれを受けまして、建設大臣が建議を受けたわけでございますので、建設省としてとるべき事柄については、至急この答申あるいは建議の線に沿って措置をとりたい、かように考えております。とりあえず、中建審の答申の中にあります二十社指名の見直しの問題と、それから積算基準の公表、この問題は五十八年度から措置すべくいま鋭意作業を進めております。
  261. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 これは私は余り突っ込んで聞こうとしません。しかし、臨調の答申と中建審の答申と明らかに矛盾しているようなことを言っているわけですよ。矛盾しているわけです。それを、どこをとろうか、そのことについてもどうです。
  262. 永田良雄

    永田政府委員 臨調の答申は、公共工事の契約方式としては、一般競争契約、指名競争契約、それから随意契約の三つの方式があるが、これは工事の性質、目的に応じて適切に選択することを基本とすると述べておりますが、一方で公共工事の大部分が指名競争契約で行われている現状を踏まえまして、各種の弊害を生じている指名競争契約の改善を図ることがいま最も重要である、このように言っておるわけでございます。これが臨調の答申でございます。それから中央建設業審議会の建議では、公共工事の契約においては、疎漏工事を防止し、良質な社会資本を整備するとともに、建設業の健全な発展に資する必要から、現状においては指名競争契約を公共工事に関する契約方式の運用上の基本としなさい、ただ、指名に当たっては、合理的な指名基準の整備、指名審査会など合議制の指名審査等の措置を講ずべきである、指名制度の改善を心がけていきなさいよ、こう言っておるわけでございます。  もう一つは、臨調答申では、一般競争契約、これはいろいろな欠点があるわけでございます。だから余り一般競争契約というのが採用されないわけでございます。臨調は、それらの欠点を検討して克服するようにしなさい、可能な範囲内でその採用の拡大に努めるようにしなさいよ、こう言っております。一方、中建審では、契約に一般競争契約を採用することは大変むずかしい、困難である、しかし、一般競争契約の採用については、今後幅広い検討をする必要があるとしておるわけでございまして、いずれの場合も、表現は多少違いますが、基本とするところは何ら変わっておらないというふうに私どもは受けとめております。
  263. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 これはまたいずれの機会にか質問なり何なりをしたいと思います。  私のところへいろいろの意見が、投書、手紙等で参っておりますが、出先の人事管理が乱れてはいないか、各地方建設局工事事務所で私のところに来たような事例がたくさんあるのではないか、こういうように思います。その一部をちょっと読み上げてみます。  三月二日  一、人勧完全実施、労使関係の改善、格差是正等の問題で約百五十名の組合員が各事務所から局の中庭に集結し、十二時すぎから集会が開催された。  二、十三時以降、これらの組合員のうち約三十数名が交渉を要求し、翌朝まで人勧の文書上申問題、四月期の昇任等の問題で交渉、折衝等が行われた。  三月八日  十五時すぎから組合員が三々五々庁舎内に集結して来たため、当局側が総務課の前で、組合員が部長室等に乱入しないようチェックをしていたが、数がだんだん増えて来たため、十六時すぎ玄関前に立入禁止の貼り紙をしたが、組合員がさわぎ、このさわぎに対し、地域住民からの苦情もあり、その貼り紙をはがした。  この日も相当の組合員が二十三時頃まで庁舎内にたむろしていた。 これは私、一例しか読み上げませんでしたが、こういう状態は各建設局工事事務所等にあるか、そういう問題について掌握をしているかどうか。
  264. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 私ども建設省におきましては、従来から公共事業の適確な実施を進めてまいりますため、職員の方々にもいろいろな仕事の上での御協力をお願いすることが格段に多いわけでございますが、その中にありましても、服務規律あるいは職場の秩序の維持につきましては、格段の配慮をしてきておるつもりでございます。ただ、いま御指摘ありましたように、昨年の秋以来、人事院勧告の完全実施等を求めまして、一部の職員団体が団体交渉を要求いたしまして、その際、多数の組合員に動員をかけるというようなことで、庁舎の内外に集まるといったようなことが間々ございました。しかしながら、それはごく限られた一部の地区においてあったと聞いておりまして、私ども実情は各地方建設局からいろいろ聴取いたしておりまして、正常な労使関係のもとで職場秩序の維持が行われるように、今後とも努力していきたいというふうに考えております。
  265. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 人勧凍結とかそういうような問題は、末端管理者対組合員の交渉事項ではないわけでしょう。交渉事項でないものに対して交渉に応じているということは、だんだん組合支配の管理者になっていくんじゃないか。そういう問題はないですか。
  266. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 御指摘のように、職員団体との間で団体交渉を行います場合には、当然のことながら交渉事項と交渉事項でないものと分けなければいけないわけであります。特に管理運営事項あるいはまた権限以外の事項にかかわります事柄につきましては、議題といたしておりません。またそのような指導を行っております。  ただ、昨年の秋以来と申し上げましたが、そのようないろいろの政治情勢の中で組合の運動としてそういった行動をすることがあるわけでございますが、それが管理者側の方の交渉事項の議題の整理となかなか合わないこともありまして、一部いろいろな話し合いの中で意見を聞くというようなことはあったように思います。そういったプロセスの中で若干トラブルがあったように聞いております。
  267. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 きょう国鉄再建監理委員会法案が出たわけですが、私は国鉄の最初の事態でそういうことはたくさんあったと思うのです。そこで、ある組合員からは私のところへ、とにかく人事問題まで労働組合が口を出して、管理者はやかましいものだから、まあまあ言うことを聞いているみたいな例があるらしい。国鉄は現にそういうことをやって組合支配をやってきたことが今日の事態になってきたわけで、この例があるかないか。これはひとつ改めて中央から調査をしていただきたい。調査をすることだけでも、私は末端の管理者の姿勢を正すゆえんではないかと思います。いまここでそういう例があるかないかと言っても答弁に困るでしょうから、これは調査を、さっきの団体交渉ができないような議題で団体交渉に応じていなかったかどうか、それが一件。それから人事のことにまでくちばしを入れている、こうわれわれのところへ言ってきているわけですよ。これでは組合支配の省になってしまう。その二件について明確に各局なり何なりが調査をして、具体的な事例を報告をしていただきたい。これは委員長からもひとつ……。
  268. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 先ほど申し上げましたように、交渉事項につきましては、きちんと整理いたしまして、これに応ずるように指導しておりますし、また万々このようなことはないと思いますが、ただいまのお話もありましたので、私どもも後日調査をさせていただきたいと思っております。
  269. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 組合活動の場合にはきちっと賃金カットするわけでしょう。それも明確に行われているかどうかもチェックをしていますか。三々五々寄ってくるというのは、寄ってきた組合員がどこの工事事務所のどういう者で、これは休暇をとっているのか、当局側から給料もらってきて団体交渉に来ているのか、そういうこともチェックしていないのじゃないですか。
  270. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 当然のことでございますが、勤務時間内におきますところの組合活動につきましては、国家公務員法なりあるいはそれに基づきます人事院規則等にも定められておりまして、必要な専従の許可を得た者等は別でございますが、その他の者につきましては、一般的には休暇をとるというようなことになっておるわけでございますので、私どもも、その点につきましては、勤務管理体制というものはきっちりチェックするように指導をいたしております。
  271. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 これは国鉄のときもそうだったのだが、何とか反対という横断幕を組合が国鉄の建物にやっているわけですよ。そういうものを管理者は見て見ないふりをしている。こういうことでだんだん組合支配の国鉄になってしまった。それがこの赤字の大きな原因だ。きょう総理も答弁していらっしゃった。私は建設省にもそういう徴候がだんだん出てきていると思う。庁舎に立て看板やビラを張らせて平気でいるところがあるのじゃないですか。
  272. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 庁舎におきまして、組合が自分たちの要求を内容といたしますビラ等を張るというようなことは、私どもの方の庁舎管理に基づきますところの規定に違反するわけでございまして、この点につきましても、かねてからそういったような違法な行為が行われないように指導をしております。  ただ、遺憾ながら、いま御指摘のように、昨年、五十七年以来間々若干の地方建設局の出先におきまして、そのような違法なビラ張りが行われたということはございます。その都度必要な措置をとりながら、その後の指導を続けておりますが、若干の部署におきまして、そういったことがなお残っておることは遺憾でございます。
  273. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 勤務中にワッペンをつけてはいけないというのは、どこかの裁判所の判決に、これも違反だということが出たわけでしょう。そういうことを現にやっているわけですよ。それは注意をするけれども、言うことをきかないのでしようがないじゃないか、こういう管理職の口ぶりですよ。民間のえらいところは、民間は入社した職員を徹底的に教育する。いま学校の教育がいいのだか悪いのだか、それは私は論議しないけれども、教育する。しかし、少なくとも建設省の選ばれた職員だ。法律に違反をしちゃいかぬぞということは組合教育じゃない。これは管理者の職制としての教育ですよ。そのくらいなことが徹底できないでどうなるか。それをきちっとやっておけば、国鉄でもそれをやってさえあったならば、今日の国鉄にならなかったと私は思うが、建設省も末端においてはそういう徴候が現に出ているわけであります。管理者で管理者らしい管理をやらない者は、これをチェックして、させるなり何なりしなければ、国民の負託にこたえて建設行政を進めていくことはできないと私は思う。大臣からこの点は徹底していただきたい、こういうように考えますが、どうですか。
  274. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 ただいま御指摘がありましたが、管理者につきましても、私どもかねてから管理者教育については力をいたしておるところでございますが、このようなルールを守って秩序正しく仕事をしていくということは、管理者の問題だけでなくて、職員全体の問題でもあるわけでございますので、職員全体につきましても、今後とも一層教育をしてまいりたいと思っております。
  275. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 私は、大臣答弁してもらいたいが、大臣もこれは答弁がようできないのは、人勧制度というのはちゃんと法律で——法律だか何か積み重ねられた制度です。労働基本権を制約する代償ですよ。一番上の大臣がそれを踏みにじって平気なようなことを言っていたのでは、部下に法規典例に照らしてまじめにちゃんとやれ、管理職しっかりやれと言えないと思う。当該建設大臣としては、この人勧問題についてどうですか。
  276. 内海英男

    内海国務大臣 大変私に対しましてむずかしい答えを要求されたわけでございますが、五十七年度の人事院勧告の取り扱いにつきましては、先生も御承知のとおり、政府といたしまして、財政事情その他いろいろの事情を勘案いたしまして、これを見送るということに決定をされたものでございまして、現在の段階で一閣僚である私がとやかく申し上げることは差し控えたい、こう考えておるものでございます。事情は御賢察のほどをお願い申し上げます。
  277. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 大臣は、もう少し管理をしっかりやれと言うからには、自分のやることもしっかりやる、心の中では困ったことだ、こういうことが答弁ににじみ出てこなければ、本当は部下に命令をしてきちっとやれ、こう言えないはずだと思うが、どうですか。
  278. 内海英男

    内海国務大臣 総理もいろいろな機会をとらえまして、まことにことしは事情やむを得ないものがあって、事情を御賢察を願いたいというような答弁をされております。私も右へならへで、そういうお答えを申し上げる次第でございます。
  279. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 終わります。
  280. 松永光

    松永委員長 瀬崎博義君。
  281. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 五十五年、五十六年、五十七年、五十八年と、四年連続で公共事業費の伸び率はゼロに抑えられているわけです。六兆六千五百五十四億円で四年間据え置かれているわけでありますが、では、この四年間で高速国道について見た場合、国費分で一体どのように推移をしているか。五十五年度は幾らで、五十八年度が幾らで、伸びはどうなっているか、お答えいただきたいと思います。
  282. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 ちょっといま手元にないので、至急調べて御報告いたします。
  283. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 時間がもったいないので、間違いがあるかないかだけ言ってください。五十五年が三百二十億円、五十八年度予算案では七百三十四億円、したがって四年間で二・三倍、いかがですか。
  284. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 五十五年が三百五十二億、五十六年が五百十七億、五十七年が五百七十五億となっております。
  285. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私は、五十五年と五十八年が幾らで、それで一体何倍になったか、こういうことを聞いているので、そんなややこしいことを答えてくれと言ってないですよ。国費分だけで言えば、五十五年が三百二十億で、五十八年度予算案では七百三十四億、二・三倍、間違いないですね。
  286. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 そのとおりでございます。
  287. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 同じくこの四年間で本四架橋はどうなったか。五十五年が四十五億、五十八年度予算案では百三十六億、したがって三倍、どうでしょう。
  288. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 そのとおりでございます。
  289. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 では、同じく公共事業費がゼロに抑えられているこの四年間で、一般道路事業について見た場合、国費分はどのように変わったか。つまり五十五年が幾ら、五十八年が幾ら、伸び率はどうなっていますか。
  290. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 五十八年度一般道路事業国費は一兆七千七百六十八億円、それから五十五年は手持ちがないのですが、ゼロシーリングの場合、ほぼ同額だというふうに思っております。
  291. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 五十五年は一兆八千二百九十一億円なんですよ。したがって、いまお答えになったように、五十八年度予算案は一兆七千七百六十八億円ですから、四年間でマイナス二・九%、約三%マイナスになっていますね。  同じく、この四年間で一般都道府県道に対する国庫による補助額がどう変わったか。これは建設省から聞いてある数字ですから、私の方で言いましょう。五十五年度は三千三百十七億円、これが五十八年度予算案では二千九百七十五億円でしょう。間違いないでしょう。したがって、これは四年間で一〇・三%マイナスになっているのですね。約一割減っているわけですよ。  一般の道路で唯一ふえているのが市町村道ですね。これは五十五年度千二百九十五億円だったのが、五十八年度は千四百五十億円、四年間で一二%ふえているわけであります。一・一二倍ですね。これはもともと市町村道に対する国費の補助が非常に低かった。ベースになる数字が小さいでしょう。だから、多少伸びがここに目立っているので、金額で言えば知れているわけです。  そこで、大臣に伺いたいのですね。四年間公共事業伸び率ゼロに抑えられました。六兆六千五百五十四億円でずっと抑制されているわけですが、その間、高速道路の方は、国費について言いますと、二・三倍にふえ、それから本四架橋についてはちょうど三倍にふえた。ところが、一般道路事業の方はこの間マイナス二・九%、一般都道府県道に対する国費の補助額はマイナス一〇%、こういう状態なんですね。これだから、われわれは、現在の政府の道路行政の方針は高速国道とかあるいは本四架橋など大型プロジェクト中心だ、こういうわけなんですね。まさに、政府が言うこういう安定成長下にあって、財政が困難な時期に、公共事業全体をふやせないときこそ大型プロジェクトを抑制して、そしてこういう地方道に力を入れるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
  292. 内海英男

    内海国務大臣 一般公共事業は、四年間伸び率ゼロの形で推移していることは、先生御指摘のとおりでございます。しかしながら、先生が御指摘になりましたように、だからといって、高速道路のみに重点を置いてやっておるという御批判だけでも当たらないかなと……(瀬崎委員「だって数字はそうなっているじゃないか」と呼ぶ)数字はそうなっておりますけれども、国の経済その他全般を考えまして、せめて産業開発あるいは国土の均衡ある発展に資するために縦貫道、こういったような高速国道の建設については一刻も早く進めた方がいいというような観点から、高速道路関係については予算が増加されたわけで、大企業優先のために高速道路予算がたくさんついておるという御指摘ばかりではないのじゃないかと私は判断をいたしておるわけでございます。
  293. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 もう少し長期で見てみましょうか。高速国道が供用開始されたのは、昭和三十八年度でしょう。この三十八年度に供用開始された高速国道の長さを基準にして、五十七年度末の供用延長は一体何倍になっていますか。
  294. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 五十七年度末の高速道路の供用延長は三千二百キロ、三十八年の供用延長は約百八十キロかと思います。したがって、その倍率は十八倍でございます。
  295. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 三十八年度は七十一キロではないのですか。
  296. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 失礼いたしました。三十八年当初は、栗東—尼崎間の七十一キロ……(瀬崎委員「七十一キロ、この供用から開始でしょう」と呼ぶ)はい。倍率にいたしまして四十五倍でございます。
  297. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 つまりこの二十年間で高速国道はざっと四十五倍に伸びているのですね。  同じように、昭和三十八年度当初の改良率を基準にして、この期間地方道改良率がどれだけ前進したか。こちらでもう数字を出しますが、市町村道の場合、九・七%が五十七年末二九・三%へ、つまり三倍に前進しているわけですね。それから一般都道府県道改良率を見ますと、これは二四%から五五・五%へ、二・三倍の前進にしかすぎないわけですね。それから今度舗装率の方で見ますと、昭和三十八年、市町村道は一・一%なんですよ。これが五十七年度末一二・四%ですから十一・三倍に一応前進している。一般都道府県道舗装率は、六・四%から三〇・四%へ、四・七五倍の増加にしかなっていないのですね。簡易舗装は含んでおりません。ですから、先ほど大臣は、あえて日本の経済全体から見て云々とおっしゃったけれども、四年間だけじゃなしに、この二十年間をとってみても抜群に高速道路伸びは高い。それに比べて、現在なお未改良区間とか未舗装区間を残しているこういう都道府県道市町村道の改良とか舗装の進捗状況は非常に遅々たるものだ。大臣、このことは認めざるを得ぬでしょう。
  298. 内海英男

    内海国務大臣 数字を示しての御指摘でございますから、その点は十分わかります。しかし、高速道路の性格といいますか、高速道路が財投関係の事業といたしまして有料道路、こういった関係もございますし、地方の、国土の均衡ある発展あるいは地域格差の是正、産業経済発展に効果があるといった観点から重点的に財投資金が活用されてきた、そういうことでこういう格差が出たと思います。したがいまして、今回の第九次の道路整備五カ年計画につきましては、その背骨となる幹線道路よりも、効果的に、有効に活用するためには、横断道であるとかあるいは都道府県道市町村道に至るまでのそういった生活関連の道路に今後重点を置いて進めていきたいといった施策を、この第九次道路整備五カ年計画ではできるだけそういう方面にも活用していきたい、こう考えておるわけでございます。
  299. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そうおっしゃったので、では、第九次に大臣のそういう趣旨が含まれているのかどうかが問題になるわけですね。われわれは別に高速道路は全然要らぬとか言っていないのですよ。道路全体のバランスがうまくとれているのかどうか、ここを問題にしているわけですよ。  第九次五カ年で高速国道の供用延長は幾らにしようとしているのですか。またそれは五十七年度末に比べて、率でいって一体どれだけ伸ばすことになるのですか。
  300. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 五十七年度末の高速道路の供用延長は三千二百三十二キロメートルを見込んでおります。五カ年計画最終年度の六十二年度末には、供用延長をプラス千百キロいたしまして四千三百三十キロを見込んでおりますので、伸び率は一・三四倍になろうかと思います。  ただ、高速道路については、諸外国と比べてみますと、アメリカは、先生御存じのように一九八〇年で八万……(瀬崎委員「よけいなことを言わなくてもいいんだよ、聞いてもおらぬのに」と呼ぶ)いろいろ西ドイツ等でも大変長い供用延長があるわけで、日本だけが先進国で非常におくれていることは、先生御理解を示していただきたいと思います。
  301. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 諸外国と比べるのなら、高速道路だけを諸外国と比べるのじゃなくて、足元の道路も諸外国と比べなさいよ。  それでは第九次で、現在二九・三%にすぎない改良率市町村道ですが、この改良率は一体幾らにしようというのですか。またその改良率伸び率はどうなりますか。——大体そういうことも計算してないというのは、いかにこの地方道を無視しておるかという……
  302. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 いや、正確にお答えしたいからと思ってでございまして……。五十七年度が二九・三%、六十二年度末は三三%でございます。大体市町村道は年間一%ずつ上がってきております。
  303. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 わずかに一%ずつなんですね。恥ずかしくて言いにくいだろうと思うのですよ。  それで、一般都道府県道、現在改良率五五・五%ですね。これは今度の五カ年でどこまで上げようというのですか。
  304. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 六四%を目標にしたいと思っております。
  305. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 だから、これも五カ年でふえるのが一割ちょっとなんですね。  バスのすれ違い可能区間は、現在一般都道府県道では三九・三%にすぎない、それから市町村道では一一・五%にすぎない、こうなっておりますね。これはそれぞれ今度の第九次五カ年でどこまで持っていこうというのですか。
  306. 沓掛哲男

    沓掛政府委員 一般都道府県道については三九・三%を四七%に、それから市町村道については一一・五%を一三%に整備していきたいと考えております。
  307. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 ですから、その伸び率は、一般都道府県道では一二〇%、つまり一・二倍、それから市町村道の方では一・一三倍。だから、これまでの二十年間をとっても、それから公共事業伸び率がゼロに抑えられた四年間をとってみても、先ほどの数字が示すように、こういう足元道路地方道に比べて高速道路伸びがはるかに高い。さらに第九次でも、大臣おっしゃったけれども高速道路の方は一・三四倍を目標にし、他の市町村道とか一般都道府県道の方はせいぜい一割前後の伸びにしかならない、こういう感じになっちゃうのですよ。これではいつまでたってもこの開きは縮まらないのですね。そこでわれわれは、これは生活密着型の道路計画になってない、こう批判するわけなんです。この辺を本当によく大臣も見直されて、現在の経済情勢に見合ったように、あるいはまた五年前にはこの法律の目的も改正をされて、生活とか環境を重視するようになっているわけなんですが、それを実現するようにしてもらいたいと思うのです。いかがでしょうか。
  308. 内海英男

    内海国務大臣 高速道路と一般都道府県道あるいは市町村道とのパーセントの比較ということで御指摘になりまして、その点はわれわれも認めるわけでございますけれども高速道路の場合は、ゼロから始まって道路ができていくわけでありますから……(瀬崎委員「現在も高い水準ですよ」と呼ぶ)最初ゼロからスタートした。ところが、市町村道というものは、全国の中に非常にくまなく、延長にいたしますと一番長いわけです。その次は都道府県道ということになると思います。したがいまして、延長の長さからいきますと、改良率で比較いたしますと、相当力を入れておるといって御評価をいただいてもいいんではないかなという感じもいたすわけであります。決して、地方道を軽視して、高速道路のみに全力を挙げておるというわけではないということも御理解いただきたいと思うわけでございます。
  309. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それはいかに弁解されても、高速道路の場合、一年当たりの供用延長伸び率で見ますと、今日まで大体二百数十キロペースで来ていますね。相当高いペースで来たのです。その高いのを基準にして、なお第九次で一・三四倍にふやそう。これは年間の供用延長で見ますと、大体二百キロずつぐらいは供用延長をふやしていこうというのですからね。高速道路は依然として高い伸び率ですよ。現在のこういう経済情勢その他を考えれば、市町村道の改良とか一般都道府県道の改良を高くした、高速道路よりも上げたということを少なくとも数字の上にはっきりしてもらわないと、だれも納得しないと思いますよ。  道路行政のもう一つの大きな問題は、道路工事の発注のあり方が非常にゆがんでいる点にあると思うのです。これはこの間、二月二十三日の予算委員会でも内海建設大臣を中心に質問させていただいたところです。いろいろ後で政府や公団が調査するといった問題もありますので、新たな問題も含めて以下質問をしていきたいと思うのです。  私は、道路工事の発注が非常にゆがんでおるという問題の典型として、新潟県下における建設省道路公団工事の発注問題を取り上げたわけです。たとえば長岡国道工事事務所、昭和五十六年度の工事発注一千万円以上についてであります。これはこの前資料を出しましたので、きょうは出しておりません。この工事は、県外大手とそれから新潟県内のいわゆる田中系企業、それから越山会系企業とで九一%を受注している。区分不明並びに無色透明、あるいは他の系統というのはわずかに九%しかなかったということを申し上げた。  それから、関越自動車道の新潟県内における工事、これが総額で今日まで約一千二百四十二億円行われておるのですが、その場合は、県外大手同士のジョイントで七五%、それから県外大手と県内の田中系企業のジョイントで二一%、それから田中系企業同士のジョイントが四%、こういう受注の割合。つまり一〇〇%大手と田中系企業で工事を持っておる、こういう事実をお示ししたのですね。  大臣は、政界癒着と言うけれども、評価の違いだ、地元の業者に発注するのはいいことじゃないか、こう言われた。地元の業者に発注するときに、そういう政治的な関係のない形で発注されておるなら、これは大変喜ばしいことなんです。ところが大臣、新潟に行かれてその工事の一覧表を見たら、これは田中系、これは越山会系とみんな言いますよ。そこまで有力政治家の傘の中に入っていないと工事がとれない事態をわれわれは憂えておるわけなんです。  大臣、いかがでしょう。そもそも国会議員がみずから出資をするとか、あるいは身内を役員に送り込んだそういう会社が、公共工事をとること自体どうお考えですか。むしろ政治家というものは、現在仕事がなくて困っている中小業者に仕事を確保してあげる責任があって、みずから仕事をとるようなことはやるべきではない、こう私は思っているのですが、いかがでしょう。
  310. 内海英男

    内海国務大臣 瀬崎さんの御主張の前提に、最初から何系という色がついて、色めがねで見ておられるような節もあるので、私から申し上げますと、地元中小業者にできるだけ仕事の受注の機会を与えるというのは、建設省の基本的な方針でもあり、先生方からも強い御要請のある問題でございます。したがいまして、私どもは、同系とか、かに系とかいうことの論議は別にいたしまして、地元中小ができるだけ多くの工事を受注できるような機会を与えるように指導していかなければいかぬ、こういうことでやってきておるわけでございまして、その点からいけば、先ほどの関越道路の場合にいたしましても、地元系が二五%、その他大手が七五%というような状態を聞きますと、これは地元中小の方がずいぶん少ないじゃないかなという感じもいたします。  それから、長岡の場合にいたしましても、いろいろあるかと思います。前提は何系という色めがねで最初からごらんにならないで、地元中小業者がそれだけ受注しているのかなということに御判断をいただければ、わりあいによくやっているのじゃないかという御評価もまた出てくるかと思うわけであります。私は、だれがどこの会社の重役になっているとか、だれがこうだとかいうことはもともと知らないわけですから、先生が御指摘になって初めて感じておるわけでございますから、先生方の方から見ればいろいろそういうような御指摘もあるかと思いますけれども、地元中小業者という一般論からいきますと、仕事の受注の機会が適正に比較的公平に与えられているのではないかな、こういう判断をいたしておるものでございます。
  311. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私の問うていることに少し的確にまともに答えていただきたいのです、いかに田中派の建設大臣とはいいながらね。  少なくとも国会議員自身が筆頭株主であるそういう会社、あるいは直系の身内を役員に送り込んでいる会社、こういうのがどんどん公共工事をとる、こういう事態については、大臣、どうお考えですか。
  312. 内海英男

    内海国務大臣 私はそういう経験がありませんから、余り軽々に判断を下すことは、私にはむずかしいことでございます。
  313. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 あなた自身、先ほど廊下で雑談的に、私はそういうことはしないなとおっしゃいましたね。ここではっきり一遍聞いておきたいですね、そういう答弁されるんなら。
  314. 内海英男

    内海国務大臣 どなたがどの会社の何になっておるとか、どういうことになっておるとかということを一々建設大臣が気にしてやっていかなければならぬということもないのじゃないかと私は思います。それが不正な行為によって行われておるというなら断固糾明しなければなりませんけれども、そうでない限りは、どなたがどの株主であるとか、どなたが重役であるからこれには仕事をやらぬようにしろというような御指摘は、少し偏った御意見ではないかな、こう考えるわけでございます。
  315. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そういうところに仕事をやらぬようにせいとかどうこうとかいう以前の問題ですよ。政治家の道義の問題として、これだけ一般の中小企業が仕事がなくて困っているときに、みずから役員をしたり、みずから株主になっているような会社が進んで仕事をとるようなことは、本来慎むべきことではないかと私は思っているのですよ。  しかし、不正な手段があれば問題だとおっしゃいましたね。そこで、道路公団総裁に伺いたいと思うのです。  先般、予算委員会質問の中で、関趣自動車道路、これまで十億円以上の工事が四十九件あるということを申し上げましたね。この工事は、いろいろな組み合わせはありますけれども、ほとんどが、例外なくと言ってもいいのですが、資本金一億円以上の会社なんですけれども、二社だけ一億円未満の会社がある。一つは新潟市に本社を置く吉川組で、これは資本金が三千万円だ。一つは中越興業で、これは言わずと知れた田中直系企業ですね。田中議員の身内が役員をしている会社、これは資本金が四千万です。  そこで、この吉川組についてこの間いろいろお尋ねをした。この吉川組の所在地というのは、今度の参議院選挙の田中派の予定候補になっていらっしゃる現職県議吉川芳男氏の住所と一致しているわけですね。この吉川組の社長である吉川和雄氏の兄さんがその現職県議、今度田中派から参議院に立候補される方なんでしょう。これが知事許可業者で資本金は三千万円で、県内の業者ランクは大体五十位前後、こういう企業なんですね。これが四十九件のうち二件をとっている。一つが神谷工事で、奈良建設と吉川組のジョイント、十億四千五百万円。一つが湯沢インターチェンジ工事で、これは安藤建設と吉川組のジョイントで二十億三千二百万円だ。この吉川組のこれまでの工事経歴等から見て、この資本金三千万円の企業が、ジョイントとはいいながら十億以上の工事を二件もとるのは常識では考えられないではないか、こういうふうに私は質問を申し上げたわけであります。  ところが、これに対して総裁は、十億以下の工事ではB・Cジョイントも可能で当然入ってくる、こう答弁されたんですね。私は、こういう企業が十億以上の工事を二件もとっているのは異常ではないかとお尋ねしたのに、十億以下の工事はB・Cジョイントでも当然入ってくる、こうお答えになった。私の問いにはお答えになったことになっていないんですよ。あのときには残念ながら時間切れで質問ができなかった。改めて私の質問、つまりこういう企業が十億以上の工事を二件もとっていることはおかしいのではないか。お答えをいただきたい。
  316. 高橋国一郎

    高橋参考人 工事の受注を希望する者は、任意に共同企業体を結成しまして、公団の審査を受け、指名が受けられるということになっております。日本道路公団の共同請負発注基準によりますというと、道路土工工事につきましては、二十五億円以下の工事についてA・BまたはA・Cの組み合わせによるジョイントベンチャーで受注することは可能でございます。したがいまして、B等級またはC等級に格づけされた企業が、A等級の者とジョイントベンチャーを結成すれば、二十五億円以下の工事を受注することも可能でございます。また十二億円以下の道路土工工事につきましては、B・Cの組み合わせによるジョイントベンチャーでの受注も可能でございます。  先般の二十三日の予算委員会で、私は正確ではございませんが、十億円以下の工事についてB・Cジョイントは可能というふうに答えたようでございますけれども、これは記憶違いでございまして、ただいま申し上げたようなことが正しいわけでございます。
  317. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いまの総裁答弁でいきますと、湯沢インター工事、それからもう一つの神谷工事、これは何ランク、何ランクのジョイントになるわけですか。
  318. 高橋国一郎

    高橋参考人 湯沢インターチェンジ工事は、請負代金は二十億三千二百万円でございますので、これはA・Bジョイントができるわけでございますし、また神谷工事は十億四千五百万で受注しておりますが、これもA・BまたはA・Cで可能なわけでございます。ちなみに、湯沢インターチェンジの安藤建設はAでございまして、吉川組はBでございます。また神谷工事は、奈良建設がAで、吉川組がBになっております。
  319. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 もう一度確認しておきますが、湯沢の工事の場合は、A・Bの組み合わせということでなければいかぬということですね。
  320. 高橋国一郎

    高橋参考人 湯沢工事の場合は二十億を超えておりますが、二十五億円以下の工事につきましては、A・BまたはA・Cのジョイントが可能でございます。
  321. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 では、A・Cの場合、Cの方のいわゆるジョイント比率とよく言われますが、出資比率ですね、これには制限があるでしょう。
  322. 高橋国一郎

    高橋参考人 十二億円未満六億円以上の工事の場合には制限がございまして、B業者は八億円未満、C業者は四億円未満ということになっております。
  323. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 湯沢インターの場合の安藤建設と吉川組のJV比率はどうなっていますか。
  324. 高橋国一郎

    高橋参考人 湯沢工事の場合の安藤建設と吉川組の比率は七五対二五になっております。
  325. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 二五ですから五億ですね。したがって、これはA・Cではだめで、A・Bのジョイントでなければ七五%対二五%の比率にできませんね。
  326. 高橋国一郎

    高橋参考人 そのとおりでございます。
  327. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 つまり湯沢インターの工事を吉川組がとるためには、どうしてもBランクでなければならないという条件が存在しておったのですね。ここが一つ大事な点なんですよ。このランクは一体どういう基準で決めているのか、またランクづけはいつ改定をされるのか、お答えください。
  328. 高橋国一郎

    高橋参考人 当公団のランクづけにつきまして御説明申し上げますと、当公団のランクづけの際のデータは、それぞれの業者が申請してきた建設業法に基づき提出されます工事経歴書に記載された許可業種ごとに、たとえば道路土工につきましては、土木一式のうち道路工事のみの実績ということでございますが、許可業種ごとの資格審査時以前の二年間の年間平均の完成工事高、これは官公庁工事や民間工事を含んでおりますが、年間平均完成工事高及び建設業法に基づく経営事項審査申請書の写し、または財務諸表によることにしております。  ランクづけの要素といたしましては、年間平均完成高、自己資本額、技術職員数、技術職員以外の職員数、流動比率、自己資本固定比率、総資本純利益率、営業年数、公団工事の実績及び履行の成績、工事の安全成績、賃金の不払い状況等がございます。  なお、ランクづけは二年に一度行っております。
  329. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 この吉川組がBランクだったのは、いまお配りをいたしました資料をごらんいただいたらおわかりのように、五十二年七月から五十六年七月までの四年間だけなんです。それ以前もそれ以後も、従って現在吉川組はCランクですね。間違いありませんか。
  330. 高橋国一郎

    高橋参考人 五十六年、五十七年度はCランクになっております。
  331. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 つまり日本道路公団の神谷工事と湯沢インター工事受注の時期だけBランクになっているわけですよ。しかも五十六年三月に湯沢インターを受注して、その直後のいわゆるランク改定でCランクに下がっているわけでしょう。したがって、現在この湯沢インターの工事は続いているわけでありますが、現実にはCランクの業者が、本来なら四億円以上の出資をしてはならないというジョイント制限があるのですが、それを超えて出資をしておるわけでしょう。そういう状況のもとで、本来ならBランクの業者でなきゃできない仕事を、現在Cランクの業者がやっておるわけですね。こうなってきますと、何のためにランク制をとっているのかわからなくなる。契約の時点だけBランクで仕事をとった。その直後にCランクに格下げされて、工事はCランク業者がやっておるわけですね。Bランクの業者がやるべき工事をCランクの業者がやっておる、こういうことが実態としていま起こっておるのじゃないですか。
  332. 高橋国一郎

    高橋参考人 現実はそういうふうになっておるわけでございますけれども、私どもの規定に従いますと、過去二年の実績をもとにしてランクづけいたしまして、発注時点におきましてBであるならば、B工事ができることになっております。
  333. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そもそもランク制をとっておる目的は何なんですか、一言で言えば。
  334. 高橋国一郎

    高橋参考人 私ども日本道路公団の方では、職員が少ないために、工事規模を大きくいたしまして、かつかなり高度の技術を要求しておりますので、非常に慎重にやっております。したがいまして、地元の業者をなるべく使うようにという政府御当局からの御指示もございますので、ジョイント方式をとっておるわけでございます。したがいまして、大手業者と地元業者の組み合わせによって行っておるわけでございまして、技術力のあるもののみしか採用しないというのがわれわれの方針でございます。
  335. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 質問に答えなさいよ。ランク制をとった目的は何かと聞いているのです。
  336. 高橋国一郎

    高橋参考人 工事の適正な執行のためでございます。
  337. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大臣、工事の適正な執行のためにわざわざランク制をとっているわけですね。だから、この湯沢インター工事で言うならば、少なくともA・Bランクの組み合わせでやるべき工事なんです、五億円も出資するとすれば。契約時点はBだったけれども、その直後にCになっている。つまり適正な工事にふさわしくない業者が実際には工事をやっていくという事態になっていますね。これで不合理だとはお思いになりませんか。
  338. 内海英男

    内海国務大臣 御指摘の点ごもっともの点もあるかと思います。しかしまた、現実の問題といたしまして、もともとBの実力のある地元業者がそのBの資格で入ったといたします。その後Bに相当するような仕事がその地方にないというような状況から勘案いたしますと、やはりCクラスにあってこそ地元のいろいろな仕事に入れる。Bのままになってしまうと、もうそういう大きなまとまった仕事がないということになりますと、その人はBになったことによって地元の仕事がとれないというような実態もあるのではないか。これは想像でございますよ、想像ですからおしかりを受けるかもしれませんけれども、会社経営を運営する立場からいきますと、もともとBの資格があるけれども、常時Bでいては、これだけの大きなまとまった仕事が地元にないということで、逆に言えば地元の仕事に入れなくなる。だから、実力のある者がBの資格で入って、その後、あるいは仕事をダウンさしてCランクにして、地元の仕事の発注の指名を受けられるような状態に、会社の中でというか、経営上の形でそういうこともあり得るというような感じも、想像ですから、そうも考えられるのではないかな、こう思うわけです。
  339. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それはBランクのままであれば受注の機会は得られるのだけれども、Cランクに落ちれば、それだけ受注の機会は、吉川組について言えば小さくなるはずなんですね。大臣の言っている説明とは、BからCランクに格下げされれば全く逆の現象が起きるのですよ。この吉川組の工事実績は、ごらんのように、九億、十一億、十一億、十一億、十八億、三十億、二十九億、五十六年から五十七年にかけてちょっと減りますけれども、ずっと伸びているのですね。ところが、にもかかわらずBからCに格下げされるのですね。もともとCがBに上がったのも、非常にわれわれとしては納得し切れない問題があるのですよ。BからCに下がったのも、これまた納得し切れない問題があるのですね。そしてこの二つの工事を受注した時期だけがBランクにとどまっておるわけですね。先ほど言われました工事の完成高とか自己資本、いずれもこれは小さいでしょう。それから純利益率は低い、法人税の支払い額は低いです。では、この企業がまずCからBに上がったとき、一体どういう理由で上がったか、逆に今度BからCに下がったとき、これはどういう理由で下がったか、説明をいただきたいと思います。
  340. 高橋国一郎

    高橋参考人 先ほども申しましたように、細かいデータをもとにいたしまして格づけをするわけでございまして、私どもの方で厳正にやった結果でございますが、どういう理由かはわかりません。
  341. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 どういう理由かわからない、そんなことでこんな何十億というような工事を発注しているとしたら、これは大変ですよ。端的な理由は、それこそ有力な政治家の後押しがあるから、そういうことじゃないんですか。  もう一つ見てほしいのは、お渡しした資料の上の方です。これは五十六年三月の湯沢インターチェンジの入札を挟んで前と後の建設業法に基づく変更届並びに許可更新届を対比してみたのです。これは一部分を抜き出しただけなんですが、このように、北陸自動車道刈羽工事は、湯沢インターチェンジ工事の入札以前では三億七千三十万円になっているでしょう。それが入札が済んだ後の届けでは一億二千三百十四万に減ってしまうわけですね。北陸自動車道の頸城工事、これも前の方は七億五千三百六万円でしょう。これが後の方では六億八千七百三十八万円に減ってしまうわけです。長岡ニュータウン、前の方は五億六千五百十九万円でしょう。後の方は三億八千三百七十四万円に減ってしまうのです。女川原発工事、前の方は五億七千五百十三万円でしょう。後の方は五億九百九十八万円に減ってくるのです。つまりBランクを維持するために、湯沢インターチェンジの工事をとるために、水増しの工事実績が届けとして出されておる。入札をとってしまった後で大幅にこれを減額して訂正した、こういうふうにしか見られないのですね。こういうふうないわゆる虚偽の工事実績でも公団の仕事はとれるような、そういう仕掛けになっておるのですか。
  342. 高橋国一郎

    高橋参考人 ただいまの刈羽工事でございますが、これについて申し上げますと、新潟県に報告されました許可申請書の更新等に伴う変更届の金額でございますが、私ども公団でもって調査しました結果を申し上げますと、刈羽工事につきましては、ここに書いてございますように三億七千三十万。実際は三億一千四百五十万を変更した額でございますが、これは昭和五十四年六月から五十五年五月までの完成高でございます。それから次の一億二千三百十四万円は、昭和五十五年六月から五十六年五月までの完成高でございます。これはこの会社の決算期におきます完成高を計上したものでございますので、不正ではございません。  それから、同様の工事につきましても同様でございますので、省略いたします。
  343. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それはにわかに信じがたいのは、その次の長岡ニュータウンの工事なんですよ。もしいまの総裁説明でいくならば、この工事はいわゆる継続工事になっているから、五億六千五百十九万円と三億八千三百七十四万円を足したものが総工事高ということにならなければいけないでしょう。足しますと九億四千八百九十三万円になるのです。ところが、そもそも地域振興整備公団が元請の大成建設に発注した額が、追加工事も含めて六億二千三百八十六万円なんですよ。そうしますと、元請に発注した額よりも下請発注した額の方が多くなる、こういうおかしな結果になるのですね。ですから、総裁がいまそういうふうに説明されたのは、これが虚偽の報告でない、後日減額訂正されたものでないということの理由づけを、工事の期間が残っていることを一つの根拠にされたのだと思うのですが、この長岡ニュータウンの工事とか女川原発の工事は、女川原発の場合は完全に決算前に工期は終わっているのです。残っていないのです、工期は。だからこんなもの両期にまたがっているものでないことは非常に明瞭なんですね。こういうふうないま申し上げました長岡ニュータウンなどの場合、どう説明されます。
  344. 高橋国一郎

    高橋参考人 道路公団のことではございませんので、答弁を差し控えます。
  345. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 自分のところの工事については、いろいろしめし合わせて操作ということは可能でしょう。しかし、他の官庁の発注工事でこそ真実は出てくるわけですよ。だから、もし公団の方でこれが調べられないというのなら、建設省の方できちっと調べてほしいと思いますね。これは間違いありません。
  346. 永田良雄

    永田政府委員 これは恐らく県の許可業者だと思うわけでございます。したがいまして、県の方で調べてもらうしかしようがないと思いますが、ただ、実際直ちにわかるかどうか、県の方に連絡してみます。
  347. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 直ちにわかるかどうかと言うが、簡単なものですよ。建設省がいわゆる届けの工事経歴書の写しをとって、それから同じ政府機関である地域振興整備公団に聞いてごらんなさいよ。場合によったら大成建設、元請に聞かれたってわかりますよ。われわれだってそういう方法で調べているのですから。  その場合、県の許可業者だったら全部責任は県だ、発注機関には何の責任もない、それが建設省指導に当たっての態度なんですか。
  348. 永田良雄

    永田政府委員 私は計画局でございまして、建設業者指導監督をしておるわけでございますが、建設業法に関するたてまえからいいますと、知事許可業者のことについては、基本的には県知事が処置すべきもの、大臣業者については、私どもが直接責任を持ってやるというシステムになっておりますので、御理解いただきたいと思います。
  349. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私は何も計画局長に物を聞いているのではないのですよ。建設省に物を聞いているのです。建設省は、公共工事の発注に当たっても、ちゃんと指導する責任を負っているはずですよ。自分がランクを上げるために建設業法に基づく届けで工事の水増し実績をつくる。それをうのみにして何億、何十億という工事を公団発注する、こういう事態について大臣はこのまま放置しておいてよいとお考えなんですか。事実をちゃんと調べて、もしそういう虚偽の報告に基づいてランクを引き上げて、そこへ発注が行われたという事実を見れば、しかるべき処置をとると言うのですか、どっちですか。
  350. 内海英男

    内海国務大臣 きょう初めてこの資料を手渡されまして、私どもも実際のことはわからないわけでございますから、よく事情を調べてみたいと思います。
  351. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 さらに、吉川組は大石組とジョイントを組んで、今月の二日桑取川橋工事の入札で落札をいたしましたね。ところが、これは直ちに契約がされないで、五日間ほどあいて、三月七日に実際の契約が行われましたね。普通なら入札で落札者が決まれば即契約が行われるのに、この件に関してはなぜ五日間も契約を猶予したのですか。
  352. 高橋国一郎

    高橋参考人 桑取川橋ほか一橋下部工事につきまして投書があったようでございまして、新潟建設局に持参されたのは三月二日の午後二時三分過ぎでありました。入札は同日の二時でございまして、すでに第一回の入札行為は完了しておりましたので、そのまま開札を行ったところが、投書のとおり吉川組と大石組のジョイントベンチャーが一番札となり、かつ予定価格を下回っておったわけでございます。  通常の入札手続ですと、直ちに一番札の者と単価協議を行って、協議が整えば請負契約を締結することになるわけでございますが、本件では上記のような申し入れがありましたので、単価協議を中止しまして、本件の指名業者、これはジョイントが三つ、ほかに単独の会社が九で十五社になってございますが、全員につきまして、直ちに同局において事情聴取を行って、談合の事実があるかどうかを調べたわけでございますが、確認できなかったということでございます。  以上のような事情から契約が延びたわけでございます。
  353. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いま投書と言われたのですが、それは日本共産党の新潟県委員会にある人から、「三月二日、日本道路公団新潟建設局が発注する北陸自動車道の桑取川橋工事は、吉川組と大石組の共同企業体が落札することを中央の高官が決定し、明日(三月一日)は入札金額の調整に入る予定になっている」、こういう知らせが届いているのですね。あなたのところへいまおっしゃった三月二日に連絡されているわけです。そしてその内容どおりになったわけでしょう。いろいろ事情聴取したけれども、どうしちゃったのですか。談合のないことを何によって確認したのですか。
  354. 高橋国一郎

    高橋参考人 事情聴取を行った結果確認したわけでございます。
  355. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 事情聴取を行った行い方、それからどういう事実をもって談合なしと断定したのか、そこを言わなかったら何もわからぬじゃないですか。そんなふまじめな答弁はだめですよ。少なくとも事前にこういう連絡があった。そのとおりの結果が出ているわけでしょう。しかも、問題の吉川組と大石組は田中系企業でしょう。そんな主権者である国民をなめたような答弁はだめですよ。委員長、もっとはっきりとどういう事情聴取をやったのか、その内容について具体的に答弁するように言ってください。
  356. 高橋国一郎

    高橋参考人 私が直接やったわけでございませんので、具体的には現在はお答えできません。
  357. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それでは委員長、きょうは時間が来ておりますから、残念ながらこの場で答弁をもらうことはできないのですが、理事会において再度この問題に対しては、重大な問題ですから、疑惑が非常に濃いのですよ、現に五日間も契約をずらしているのですからね。ですから、そういう点では公団総裁から具体的に報告を求めたいと思うので、その点を理事会できちっと詰めてもらうように委員長に求めておきたいと思います。(「後で個人に出せばいいじゃないか」と呼ぶ者あり)これは個人的な問題じゃないですよ。すべての党にかかわる問題、建設委員会全体の問題ですよ。
  358. 松永光

    松永委員長 申し越しの件については、次の理事会が開かれた場合に協議をしたいと思います。
  359. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 終わります。
  360. 松永光

    松永委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     ─────────────
  361. 松永光

    松永委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。瀬崎博義君。
  362. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私は、日本共産党を代表して、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。  反対理由の第一は、高速国道等幹線道を根幹とした大資本本位、産業基盤優先の方針を何らの反省もなく引き継いでいるということであります。  本法案によって策定される第九次道路整備五カ年計画の総事業費三十八兆二千億円の事業別内訳を見ると、一般道路は第八次五カ年計画に比較すると一・一九倍であるのに対して、高速道路建設を中心とした有料道路事業は一・三四倍にもなっているのであります。  しかも、この第九次五カ年計画の中心課題となっているのが、東京外郭環状道路、中央環状道路、東京湾岸道路、東京湾横断道路、大阪湾岸道路などの巨大プロジェクトを中心とした産業基盤優先の道路計画なのであります。これらの計画が、結局のところ交通混雑と交通事故をますます激化させ、騒音、排気ガス等の道路公害を増加させ、さらには自然を破壊するものであることは明らかであります。  たとえば、東京外郭環状線は、東京都内の人口密集地域を中心に、延長八十五キロ、幅四十メートルに及ぶ道路をぶち抜こうとするものでありますが、完成時には東名高速道路の一日九万数千台をはるかに超える十六万から十八万台の交通量を予定しているのであります。この道路建設が立ち退きによる沿道住民の生活環境の破壊を大規模に進めることは明らかであります。  また、東京湾横断道路についても、東京湾の潮流を変え、自然を破壊し、公害を招くだけでなく、石油タンカーの接触事故によって一大災害が予想されるなど、関係各方面からその危険性が強く指摘されているのであります。  いまこそこのような大企業優先の道路計画を見直し、国民生活に密着した道路計画に転換すべきであります。  反対理由の第二は、市町村道都道府県道生活道路の性格を持っている国道が軽視されていることであります。  たとえば、五十七年度末の道路改良率は、一般都道府県道で五五%、市町村道に至ってはわずか二九%に過ぎず、市町村道の自動車交通不能区間の延長は三〇%弱に当たる約二十六万キロにも及んでいるのであります。  しかも、交通事故の大きな原因となっている歩道の未設置が市町村道の八割以上を占め、災害のたびに問題となる落石等による道路危険個所は、全国七万七千カ所に及ぶのであります。  交通安全、災害、緑化など生活環境改善の対策や、大都市駅前周辺で深刻な問題となっている自転車置き場対策などへの予算配分は、国民の要求の切実さから見ても余りにも少ないと言わざるを得ないのであります。  また、このような地方道整備交通安全対策などへの予算の配分が、不況であえぐ中小建設業者の仕事を確保する上でも重要であります。この点からも、圧倒的に大企業に発注され、不正談合と利権の温床ともなっている巨大プロジェクト中心の道路計画を見直すべきであります。  第三の反対理由は、道路特定財源制度が温存されていることであります。  道路特定財源制度は、自動車がふえ、ガソリンの消費量がふえなければ道路財源確保できない仕組みであるため、道路整備しても、それを上回ってさらに自動車交通量がふえるという悪循環を繰り返すこととならざるを得ません。必要な道路財源は軍事費の大幅削減、大企業優遇税制の是正、公共工事の入札にまつわる政官財癒着の談合の一掃など、むだ、浪費の排除によって確保すべきであります。  第四の反対理由は、道路計画が民主的に策定されていないことであります。  国が一方的に決めた計画が天下り的に強行できる仕掛けが残っており、国民の意見を反映することは全くと言っていいほど保障されていないのであります。  第五の反対理由は、モータリゼーションのますますの進行を前提として道路整備を行うという後追い的道路整備計画となっている点であります。  建設省はすでに自動車保有台数を九〇年には八〇年に比べて貨物車を二八%、乗用車を四三%も増加させる計画としているのであります。  自動車産業大手企業の生産、販売への民主的規制を強め、鉄道を含めた国民本位の総合交通政策を確立することこそ現下の急務であります。  大型プロジェクト中心の道路政策を改め、国民の生活を向上させ、安全を確保する道路政策への転換を重ねて強く要求し、私の反対討論を終わるものであります。
  363. 松永光

    松永委員長 これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  364. 松永光

    松永委員長 これより道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に替成の諸君の起立を求めます。     〔替成者起立〕
  365. 松永光

    松永委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ─────────────
  366. 松永光

    松永委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、村岡兼造君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。村岡兼造君。
  367. 村岡兼造

    ○村岡委員 ただいま議題となりました道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程において委員各位におかれては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。     道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について、適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。         記  一 第九次道路整備五箇年計画の策定に当たっては、地方公共団体の長の意見を十分に参酌すること。  二 国民日常生活に密接な関係のある地方道、特に市町村道整備促進するため、国の補助対象の範囲を拡大して、地方公共団体財政負担の軽減を図るよう配慮すること。  三 第九次道路整備五箇年計画においては、豪雪地帯の除排雪対策、がけ崩れ、雪崩対策など、災害防除対策を重視するとともに、交通事故防止のための安全対策、老人・障害者の通行を容易にするための道路改良、歩道・自転車道及び自転車駐車場の整備、沿道における良好な生活環境確保するための植樹帯、緩衝緑地、遮音壁等の整備促進に努めること。  四 大規模な地震等に備え、都市の街路をはじめ避難に要する道路、広場の確保整備に努めるとともに、老朽化等により道路の構造基準に適合しなくなった橋梁等の構造物については、緊急に補修、改良工事を施行し、防災及び交通の安全の確保を図ること。  五 第九次道路整備五箇年計画においては、都市環境の拡充と良質低廉な住宅・宅地の供給に資するよう、土地区画整理事業、市街地再開発事業等における街路及びその附帯施設に対する助成の強化措置をあわせて講ずること。  六 道路整備計画の策定と事業の実施に当たっては、自然環境の保全に特段の配慮をはらうとともに、関係住民の意見を十分に尊重し、事業の円滑な実施に努めること。  七 長期的展望のもと総合的な交通体系の確立を促進し、効率的かつ機能的な交通網の整備に努めること。  右決議する。 以上であります。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  368. 松永光

    松永委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  369. 松永光

    松永委員長 起立総員。よって、村岡兼造君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、内海建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。内海建設大臣
  370. 内海英男

    内海国務大臣 道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力してまいる所存でございます。  ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  371. 松永光

    松永委員長 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  372. 松永光

    松永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕      ────◇─────
  373. 松永光

    松永委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  住宅に関する件調査のため、来る二十五日、参考人出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  374. 松永光

    松永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  375. 松永光

    松永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来る二十五日金曜日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時七分散会