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高木説明員 残念ながら、私
どもの
職場におきまして全体として
経営の
危機ということが
職員の一人一人に徹底してないということを認めざるを得ないわけでございます。どうしても運転あるいは営業、保線、工場といったふうにいろいろ
職場が分かれておりまして、それが全体としては残念ながら
赤字経営になっておるということでございますけれ
ども、それぞれの
職場におります者が、必ずしも
経営の全体の姿というものをわが会社という概念でとらえるような風潮が十分浮かび上がってきてないということが基本的にありますために、今日このような形でいろいろ御心配をいただいておりますにかかわりませず、まだもって
職員の一人一人には事の
重要性というものの
認識が十分徹底してないということが
一つございますのと、もう
一つは、戦後三十年にわたりますわが国の
労働運動の中におきまして、私
どもの
職場の
労働組合というものが置かれました地位というものが、
日本全体の
労働運動の
一つのかなめというような
役割りがあったというようなことから、その
職場の問題と
労働の
問題等についての
考え方に、いささか現在の
日本の
労働集団の物の
考え方と
乖離がある状態にあるわけでございます。このことにつきましては、何とか少なくとも
日本の現在の
労働界の平均的な
考え方というものにせめて近づくようにしていかなければならぬと思って、いろいろやってまいったつもりでございますが、まだどうもそこが
乖離があるということでございます。
しかし、昨年の春以来、余りにもいろいろな問題があるということをいろいろな形で御
指摘をいただきまして、昨年来それの
正常化に努めておるわけでございます。
臨時行政調査会から御
指摘を受け、また、
政府の
閣議で示されましたいわゆる緊急十
項目について、それらのことはいずれも私
どもがかねがね問題であると考えておったことでございますので、
一つ一つの
項目について鋭意取り組みをいたしておるわけでございます。まだ決してかくのごとく成果が上がりましたというところまでは参っておりませんが、
政府でお
示しになりましたもの、あるいは
臨時行政調査会でお
示しになりましたもののほぼ七、八割まで目標を達成した
事項もございますし、また、検討が始まっている
事項もあるわけでございます。
本年に入りましてから新聞でいろいろ報道されますように、
労使間の問題がまだ
大変対立をいたしておるような現象が出てきておるわけでございますが、何分これだけ大ぜいの
職員がおりますし、たくさんの
組合がありますし、そしてまた、
職場もいろいろ分かれておりますので、新しい
職場規律の
確立方について、
趣旨が十分のみ込めている人というのがまだ全部に及んでないということからいろいろ紛争が起こってくるわけでございまして、私
どもは決して
対立抗争をよしとしているわけではないわけでありまして、さらにさらによく説得を重ね、
説明をいたして、平穏のうちに
規律について正したい、目的を達したいと思っておりますが、いろいろなことでなお多少耳ざわり、目ざわりのことが起こることがありましてもその点はお許しいただきたい。毅然として
規律の
確立、
職場の
正常化ということに努めてまいりたいと考えております。
地方交通線の問題につきましては、いわゆる第一次
地方交通線についてはすべてについて
協議が始まっております。こういうふうにいきましょうということに決まりましたのはまだわずか一カ所だけ、北海道の白糠線でほぼ
協議がまとまってまいりました。ここの場合には
大変乗客の数も少ないという
関係もありまして、バスへの転換ということでほぼ合意ができてきております。そのほか第三セクターへの移行ということで、それを
前提として
協議の進んでいるところもございますが、まだまだ各
地域ともわかったというところまではいっておらぬわけでございまして、しかし、各
地域の
皆様方もこの一年余りの
協議期間を通じまして、かなり
国鉄問題についての御
認識は高まっておるようでございます。最初は
協議会を開くこと
自体に大変強い
反対があるというようなことでございました。最近では、どのようにして、どういうことを
中心にして議論しようかというところまでは入ってきたわけでございます。
第二次
指定分につきましては、
御存じのようにちょうど
地方選挙といったような雰囲気で、こうした問題を議論するのにふさわしくない条件もあるのでございましょうか、まだ現在までのところ、
協議会開催に具体的に至る
前提としての
関係知事の御
意見が
運輸大臣のところに出されるという段階まで至っておりません。ただ、岩手県の一線区につきまして、つい最近
知事の
意見をいただけるという
状況になってきたというふうに
理解をいたしております。
この問題は、何としても国民の足を奪うことになってはならないという
見地から、そしてまた、決して
国鉄だけの都合で物事を進めることがあってはならないという
見地から、
制度は
制度としていろいろ期限が定められておりますけれ
ども、私
どもといたしましても御
理解、御納得を得た上で
協議会の
開催に向かって徐々に進めてまいりたいと考えておるわけでございます。いま
運輸大臣のお手元でいろいろ御
努力をいただいておりますが、しばらくの時間の余裕を得た上で
協議会の
開催が可能になろうかと思っておるわけでございます。そして、
協議会が
開催されました暁におきましては、私
どもも誠意を持ってその後の
対策について
関係の方々のお話を十分と承って、それぞれの
地域にふさわしい
事後対策について十分御相談、御
協議申し上げたいと考えているわけでございます。