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三原委員 きょうは非常に短い時間の審議でございますので、与党はなるべく短目にやれということでございます。できるだけ野党さんの
発言を多くしてもらうために短縮いたしたいと思います。
そこで、
総理、昨年末
内閣を組閣されて約半歳が終わろうとするわけでございますが、その間における
総理初め各閣僚の寧日ない熱心な
執務ぶりには心から敬意を表しておるところでございます。
本日は、
安保委員会でございますので、
安保、
防衛について私はお伺いをいたしたいと思います。
今日まで
安保、
防衛につきましては、ともすればどうもその
施策、
方針等を不透明のまま流してきたというような感も深くいたしておったのでございます。しかし、
総理が就任されまして、
中曽根内閣総理大臣を初め、
谷川防衛庁長官あるいは
外務大臣等におかれましても、
総理の
方針に従っていろいろと積極的に大胆な御
発言も願ってまいりました。
そこでそういう点について、たとえば
憲法論議の問題でございますとか、あるいは
わが国の
防衛の
方針である
専守防衛の問題、あるいは
日米安保の運用の問題、あるいは
非核三原則、あるいは
防衛力の
整備、また訓練、
活動等の
問題等におきましても、いままで
国民に不十分な
説明に終わっておった、そういう受けとめ方をなされておったのが、
中曽根内閣になって明確にその
方針なりあるいは
枠組み等について
所信を明らかにしていただいたという点につきましては、私は、
安保、
防衛の問題についてこれを高く
評価をいたしておるものでございます。
内政においてそうでございますとともに、
外交におきましても、
総理は自由、平和の精神と申しますかそういうものに徹せられて、
さきに
韓国訪問をなさり、また引き続いて
アメリカを
訪問、また近くは
ASEAN諸国の
歴訪をしていただいたのでございます。
ただ、この点につきましても、私は率直に申し上げたいと思いますが、私は
韓国にお供をいたしましたが、
日本の
防衛の
立場なりあるいは
アジアの平和について率直な御
意見の
交換もなさったことと思いますし、また
アメリカにおきましても、
レーガン大統領との
会談も、報道するものは
防衛問題についていろいろな誤報もあると私は伺っておるのでございます。特に、随行いたした
方々のお話によりますれば、
総理自身、
日本の
防衛は自主的な
体制で
整備をしていくし、また
日本の
防衛体制なり、
アジアの平和、
世界の平和につきましても、十分
レーガン大統領と
意見の
交換をなさったということを側近の
方々から承ってまいっておるわけでございます。また、
ASEANにおきましても、
総理は、平和に徹したみずからの姿勢をもって、
日本は
軍事大国にはならない、そういう
専守防衛の
方針のもとに
日本の
防衛力の
整備をやっていくのだ、かつての
軍国日本というようなイメージは断じてないのだということを
各国において御
説明を願ったことを、
承知をいたしておるわけでございます。
しかし、先ほ
ども申しますように、大胆しかも率直に
総理が
所信を述べられた、そういうものが
国民の一部に誤伝されると申しますか十分な
理解を願っていない、
総理のせっかくそうした平和に徹する心境のもとに
防衛、
安保の
施策を進めておられる点について、国内の一部にもあるいは
周辺諸国においてもそういう
誤解のあったということは残念でございますけれ
ども、絶えざる
努力によってそれらが逐次明確になりつつあることは、その
成果に対して感謝をいたすものであります。また、それだけの
評価をいたしておるわけでございます。
したがって、私は、この
機会に
総理にそういう
立場からみずからの
安保、
防衛に対する
所信というものを、短時間でございますけれ
ども、ひとつお述べいただきたいというのが第一点でございます。
第二点は、今月の末から
アメリカにおいて
サミットが開会をされるわけでございます。
サミットにつきましては、一九七五年、あの第一次
石油危機が
世界経済に及ぼす
影響等が懸念されて、
世界の
西側先進国の
首脳レベルにおける
会議が行われて、そこで
世界情勢の問題について
お互いが
意見を
交換し、
政治的な
一つの
結論を出し、これを
世界に表明することによって
世界のこうした難局の打開に処する
会議であったと思うのでございます。
しかし、これも年々回を重ねるに従って、どうも
サミットがマンネリになったのではないか、あるいは何かセレモニー的に終わるのではないか、一部にはそういう
批判も出てまいっておるのでございます。
しかし、私は、この
サミットというものに対するそうした一部の
批判はありますけれ
ども、やはり大きな
期待と願望を持っておるわけでございます。特に今日の
世界情勢というのはきわめて重要な
段階になってまいったことは御
承知のとおりでございます。これは内容的に見ましても、
経済問題からスタートいたしましたが、それがやはり
防衛、
安保の問題にも
関連をしてくる。言いかえるならば、大きく
世界平和の問題もその俎上に上がらざるを得ないという
状態でございます。内容的にそうであるとともに、
地域的に見ましても、当時はやはり大西洋を
中心としてこれらの
論議が進められた、そういう傾向にあったと思いますが、今日の
世界の志向というようなものの重点が
東洋にも向かいつつある、あるいは第三
世界の
問題等におきましてもやはり大きな
課題が投げられておることは、私がもう申し上げるまでもないわけでございます。
そういう点を考えてまいりますると、いま申し上げましたように、ただ単なる
経済問題ではなくて、本質的には
政治、
外交の問題、あるいは
防衛、平和の問題に
関連をしてまいるわけでございます。したがって、そのこと
自身大きな内容をはらみますとともに、国家間の
体制におきましても多少様相が変わってきた。たとえば、
ヨーロッパと
ソ連との
経済交流なり
信用供与の問題、あるいは
ヨーロッパにおける安全と平和の問題、たとえば、最近
INFの問題と申しますか
中距離核兵器交渉の
問題等も
一つの大きな
課題でありますが、それはただ単に
西側だけの問題でなくして、やはりグローバルな
世界情勢の問題であると思うのでございます。したがって、
西側の
最高首脳レベルにおける
会議でございますけれ
ども、それ
自体、いま申し上げましたように、一
地域、
ヨーロッパの問題ばかりでなく
アジアの問題であり、また
経済の問題ばかりでなく平和の問題であり、あるいは
軍縮問題なり、そういう問題とも内容的には相
関連をいたしておるということでございます。
たとえば、いま申し上げましたように、
ヨーロッパにおける安全、
核兵器の問題なり、あるいは
安保、平和の
問題等が、それがSS20のごとく
東洋にもその
影響が結果的には出てくるというような事態でもあるわけでございます。
そういうことを考えてまいりますれば、今回、
西側の
首脳会議というようなものにつきましても、やはり
総理といたしましては、そういう
立場から、有機的にあるいは総合的に御
判断を願う必要がある。しかもそれは、一
地域だけの
結論でなくて、やはり統合的な
判断に立っての
お互いの
コンセンサスが必要である。その得られた
コンセンサスによって
各国が
お互いに
協力し合う。そこには
お互いの信頼あるいは
理解、
協力というようなものがなければできないわけであろうと思いまするが、そういう点から
サミットを見直してみる重要な
段階であると私は思うのでございます。
日本の地位が非常に向上してまいりましたし、それだけに、
責任なり使命も抱かれるような
状態になったわけでございますので、
総理として今回
サミットにお出ましになるわけでございますけれ
ども、非常な注目の的になる
日本の
総理大臣として、いかなる
考え方、いかなる方策をもってお臨みになろうとしておられるか、そういう点について、私はこの
機会に、事前ではございますけれ
ども、お話しを願うことができればと思うのでございます。
以上、二点をお伺い申し上げて、私の
質問を終わらせていただきます。