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政府委員(加藤隆司君) 御
指摘の中に、いろんな御
指摘が一緒くたになっておりますので、ちょっと整理をさせていただきたいと思うんですが、
一つは、当面の
状況の問題と、現在のように
国債がどんどんふえていくというようなのが長く続いた場合の
状況の
お話がまじっております。
前段の現在のところで
考えた場合に、まず第一点は
特例公債の方が売れ行きがいいかどうか。これは五十年に出しました当初、若干そういう
議論があったのですが、これはただいま
窪田次長が言いましたように、建設
国債であれ
特例公債であれ、
国債を持っている人に対しては、
償還期限が来たときには全額現金で返すわけです。その現金をどうやって調達するかということが別の問題になっているということです。したがって、そういうことがわかるようになった二、三年後には一物一価の原則が貫いております。
それから市中の銀行が持っている
国債を強制乗りかえさせているではないかという点でございますが、これはその
言葉の
意味のとおりの強制乗りかえというのはやっておりません。ただ現実に預金を持っておって、
公債を持ったわけですから、そこへ現金の
償還がある、その
償還があったお金を目指して、今後こういう条件の
国債があるのだから、返ってきたお金で買ったらどうですかというような問題はありますが、強制というようなことはないわけです。
それから日銀と運用部の持っているやつが強制的に乗りかえということの御
指摘がございましたが、これは通常乗りかえと言っておりまして、広い
意味の借りかえの中に乗りかえと借りかえがあるわけですが、乗りかえは、中央銀行運用部は明治以来、あるいはどこの国でも、乗りかえということでやっていく。これは当面の問題でございます。
現在のように、年々
国債がふえる、あるいは減るぐあいが小さいというのが先々一体どうなるかという御
指摘でございますが、現在、ことしの九月末に、日銀の調べによりますと、個人貯蓄の残高が三百六十兆あるわけです。
国債の残高がアバウト百兆。大体現在のような
景気情勢で、金融情勢であるならば、本年補正後十四兆三千でございますが、昨今の市況をごらんいただきますように、金利は上げないでむしろ下がってくる、そして売れ行きは悪くないというような
状況にございます。
ただ、もう一点つけ加えますと、短期債にだんだんと追いやられているではないかという御
指摘がございます。これは二つ要素があって、市中の金利が高いときには短期で出した方が利子負担が少ないという問題があるわけです。それから同時に、投資家の方は、先行き金利がさらに上がるのてはないかというような見込みがあれば、とりあえずは短期のものを買っておこうというような、供給者と需要者の両方から短期志向になるということは言えますが、それを追い込まれていると見るのか、あるいは両方の損得計算がたまたま出会って短期の方に向いていると見るのか、そういう問題は
日本だけでなくてどこの国でもございます。
アメリカの場合には、特にTBにウエートが移っていっている。高金利であるから、
財政当局の方が、短いもので借りれば、金利が安いわけですから得なんです。投資家の方も、金利動向が不確定ですから、とりあえずは短期で運用していくと、そういうふうに解説されております。
それで、次の長期の問題なんですが、これは
公債の発行
状況が現在のような
状況が続くとすれば、まさに御
指摘のような問題は当然起こってまいります。そこはこれから一体どうするかということで、当然われわれは
財政再建ということでいろんな方途を尽くそうとしているわけでございますが、それは当然御
指摘の点は非常に重要な問題であろうかと思います。