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志苫裕君 談合問題に入りますが、きょう、総理おいでになっていないので、主として
建設大臣と主管の大臣にお伺いします。
私がきょう取り上げますのは、三月十三日の本
委員会でのやりとりの続きであるというふうにひとつのみ込んでいただいて、いきなり真ん中から入るみたいなことになりますが、お答えも十三日のやりとりとの
関連を持たせてお願いしたいし、私もまたそのように扱いたい、このように思うんです。
少し
説明をしますが、いまや談合問題は
経済の問題から政治の問題に移っておる。だから、政治が決断をして自分でやれることからやっていこうではないかということをこの間提起をいたしまして、そして焦眉の急である課題に取り組むには、この問題に真正面から向き合わないと決まりがつかない。発注者側が弁明をしたり、もみ消しを考えたり、核心から目をそらすようなしぐさからは問題の解決は生まれないということをこの間指摘をしました。こう言う私も議員稼業のほかなさで、陳情という名の談合の条件づくりに加担したことはないとは言い切れない。それだけに身をえぐるような思いでこの問題と向き合っていかなければならぬ、そういう気持ちで取り上げておるわけです。
前回談合が起きる
事情を五つに私は分けまして、一つは受注者すなわち業界側の問題、二つ目は発注する官庁の側の問題、三つ目は相互の
関係というんですか、癒着と言ってもいいですが、相互
関係なんです。四つ目はこれに介在をする政治家の問題、五つ目としては
日本人社会の精神構造といいますかね。隣にいる者と思いっ切り競争するというよりは、何となく根回しをして話をまとめるというようなそんな風習もないわけじゃありませんが、そんなものに分けることもできると思うんですが。ですから、これは相互にかかわっておる問題だし、制度改革も総合的整合性を持たなければならぬのですが、いまわれわれがやらなきゃならぬこと、そしていまやれることというのは、そういう整合性のある問題はひとまずおいても、発注者側の問題、それに介在をする政治の問題、政治家の問題、これにもうずばり焦点をしぼって決まりをつけなきゃならぬ。
談合はもう百年の慣行で談合のない工事なんかないよなんていう業界を、もう何とかしなきゃならぬけれども、これはとりあえずは
公正取引委員会と捜査当局のけつをたたいてやってもらうこととして、われわれが急いでやらなきゃならぬのは発注者を
中心にする癒着の構造だということをこの間申し上げた。そしてこの間四つの資料を私は提示したのです。一つは
公共事業という
予算をとにかくとるために狂奔する政治家や、それが大将になっておる社団
法人のようなもの、二つ目は政治資金団体に対する業者の献金とその団体の
影響力の強い発注官庁の契約実績の
関係、三番目は下水道事業を例にいたしまして、指名業者が談合をしないことには、なかなか受注もままならぬようなそういう発注の仕方、四つ目にはこの間
説明はしませんでしたが、私の出身の新潟県の例を引きまして、そこの農地部の技術屋さんの幹部職員が退職をして再就職をする、その役割りはすべて営業担当で、もっぱら古巣とのパイプ役であるという四つの資料を提示をしたんです。こういう証明をしようとすれば、どこにでもあります。あえて秘密文書を探さなくたってこういう証明はいつでもできる
公共事業をめぐるすべての構造であると言っていいと思うんです、私が提示した四つは。
そこで、この間荒っぽい言い方だけれども、指名入札の方式と予定価格の制度に問題をしぼって、もし指名を受けようとすること、予定価格を知ろうとすること、この二つの衝動を請負
関係から取り除いてみれば、諸悪の根源というのは解決をするんじゃないか。天下りのメリットも、政治家がちょっかい出す余地も、役所と業者が貸し借りをつくる場も、天の声の効力も一切が意味を失う。もちろんこの二つの制度を私の言うように、大胆に取っ払えば取っ払ったでまた若干の弊害もありますよ、いろんな意味でありますけれども、いま一番大きい弊害を退治するには、少々の弊害があっても天敵としてこういう制度を使わなきゃならぬということをこの間指摘したところです。少し長くなりましたが、そこでまあ、それについて総理がお答えにならないで丸山官
房長から、いろいろそれらの点も参考にして考えたいというようなことでしり切れトンボになったわけですが、そこで、この問題をひとつ詰めていきたいと思う。
まず、
建設大臣この指名競争入札制度というものの利点、欠点を挙げてみてくれませんか。