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熊谷太三郎君 大分おくれているようでございますから、はしょって簡単に
質問を申し上げます。
原発の全運転員に資格制度を与えていただきたいと、こういうことでございます。エネルギー
政策の遂行上最も必要な原子力発電の立地難がまだ解決しないことや、なかなか解消しないことや、これを解決する最大のかぎが安全性に対する理解の普及にある点につきましては、時間の都合もありますのできょうは触れませんが、そのささやかな一環であります原発運転員の資格制度につきまして、お伺いかたがた御要望、御要請を申し上げたいと考えるのでございます。
かねてから私どもの待望しておりました原発運転員の資格制度がいよいよ実施の段階に入りまして、本年六月以降、資格認定を受けました運転
責任者がそれぞれ任務につくことになりましたことは、原発の推進を図ります上でまさに画期的なことでありまして、この御措置に対しましては心から評価をし、敬意を評するものであります。
そこで、この機会にお願いしたいことは、運転
責任者以外の一般運転員に関しましても一日も早く資格制度の導入を期せられたいことであります。言うまでもありませんが、未曾有の原発事故と言われましたスリーマイル島事件もその発端は運転員の安全法規違反がきっかけであります。それから、昨年
日本におけるスリーマイル島版として全国を騒がせました
日本原電事故もまた設備の不備が主因ではありますが、もし運転員が正常な運転に当たっていましたならばあのような騒ぎにまでなることは防止し得たのではないかと言われております。
過日の参議院のエネルギー特別
委員会における所信表明におきまして、安倍通産大臣は、原子力を初めとする石油代替電源の立地については、安全性の確保を大前提として住民や
国民の理解を得つつ強力に推進すると述べられ、また中川
科学技術庁長官も同じく原子力の研究開発利用については安全性の確保に万全を期すと述べておられますが、このような安全性の確保のためには運転員の資質を向上させることが何よりも必須の問題であると考えるわけであります。もちろん、資格制度がないからといって運転員の
教育、訓練には万遺憾なきを期しておられるであろうことは信じて疑いませんが、単にそれだけでは
政府の安全性に対する熱意ないし誠意は十分住民や
国民に浸透することはむずかしいと考えるのであります。たとえば、いかに権威のある大学に学びましても、国家試験に合格しなければ医師として認められず、またどんな信用のある自動車学校などを卒業しましても、これまた試験に通らなければ運転手としての資格が得られないのと同様、原発運転者としての資格認定を受けなければ原発は運転させないという制度が確立され、そしてこれに課せられました義務の遂行が十分期し得られるようになってこそ初めて原発の安全性確保に関する
国民の理解が一歩前進するのではないかと考えておるわけであります。この問題につきましては、一般運転員の資格制度導入については現行制度の実績を踏まえつつ今後の課題として検討していきたいということでありますが、一日も早く御検討の結論が出まして、原発の全運転員の資格制度が一日も早く実現することを心から念願するものでございます。
原発の担当者であられます通産大臣、また原子力平和利用の推進者であられます中川長官並びに原発の安全を確保する
責任者であられます
原子力安全委員長の率直な御
意見を簡潔に一言承りたいと考えます。