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宮之原貞光君 私は、昔の文書を穴をほじくって聞く
気持ちから言っているんじゃないんですよ。問題は、やはりこの
法律の
趣旨、ねらい、これはやっぱり
法案が
議員立法といえ
ども成立すれば
法律ですから、
行政府もやってもらわなければ困るんですよ。先ほどから何回も申し上げているように、そういう
趣旨に立つとするならば、
文部当局はむしろ
法律以上にこの
法人化というのを積極的に
促進するという立場にあるのが当然でしょうが。けれ
ども、先ほどの課長
会議に出したところの文書、あるいはこの要覧で紹介しましたところの
指導文書、こういうものを見ると積極的な姿勢がうかがえますか。僕はこの点は
西岡さんの方でも文句言ってもらわなければ困ると思っているんですよ。われわれの
立法の
趣旨と違うじゃないかと、こんな逃げの姿勢でどうするんだと、これがあってしかるべきではないでしょうかね。
これ
ばかりではありませんよ。たとえば
一つの問題は、なぜこの
幼稚園の
法人化が進まないかという問題と
関連をいたしまして、七年前も問題になったんです。そのときに、参議院におけるところの
発議者の藤波さんはこう言いましたよ。いろんな要素があるけれ
ども、せっかく
法人化をしたと。その翌年に隣の方に公立の
幼稚園ができるということになると、これは
法人立の
幼稚園はつぶれざるを得ないと。そういう不安もあるので、いわゆるそれぞれの国公
私立の
幼稚園の
適正配置ということはこの
法案の
趣旨を生かすためにもきわめて重要でございますと、したがってこの
適正配置については十分強い姿勢で各県市町村等を通じて
指導していくということを
文部大臣は確約しておりますと、こういうことを言明されておるんですね。
ところが、いま二つほど指摘しましたところのこれから見て、このこともさることながら、たとえばいま申し上げたところの具体策の、じゃそれぞれの府県がイニシアをとってやるところの連絡
会議は一体このためのどういう機能をしておるんだと、幾つぐらいありますかと、こうなりますと、
衆議院の
答弁から
判断されるのは、まだ十六県が置かれておりません、まだ計画中のものが二県ありますと。もう
法律が歩いてから六年も七年もなるのに、肝心かなめの
法人化を
促進するための重要な要素であるところの
適正配置の問題について県が積極的に
指導するような
行政指導を果たしているのかと疑いたくなるんですよ。あなたどう思いますか、十八県もまだできてないんですよ。これは、それは府県のやることですと、こう逃げるわけに私いかぬと思うんですよ。いや、それは認可権が知事にありますから私
どもは
指導文書しか出せませんという、こういう逃げの姿勢でこういう
法案の精神が生かされますかね。私は、
起案者の、あるいは
発議者の
西岡さんなりその他の皆さんが一番
文部省を叱吃激励してもらわなきやならぬと思うのだけれ
ども、事ほどさようにそうじゃありませんか。
適正配置のためのこの連絡協議会の設置の問題もまだ受けておりません。しかもこの中には、御
承知のように、秋田も東京もあるんですよ。だからそれは
促進されるはずですよね。あるいはその公立との適正化というやっぱり不安を除かなきゃならぬわけですから、隣に公立ができたらおれのところつぶれてしまうと、これでは
法人化どころではないやという不安がありますよ、これは。それを
指導するのが
文部省の仕事でしょう。これは一事が万事なんです。それだけに、私は、せっかく三年に
延長してみても、いまのような
文部省の逃げの姿勢——まあ私もいろいろ仄聞をしておりますよ。この問題についてはおたくの中でも、与党の中でもさまざまの
議論があるということも
承知をしております。さらにまた、それぞれの政治勢力もあるということも
承知をいたしております。しかしながら
法律ができたらその
法律の
趣旨に沿って
努力をするというのが
行政当局の
責任じゃないでしょうか。だとするならば、私から指摘されたような問題を今後は
努力をするということだけでは済まされぬと思うんです。それだけに、後から聞きますけれ
ども、三年延ばした後はまた再び延ばしてくれと言ってくるのじゃありませんかという疑念を持つのは私一人だけじゃありませんよ、おたく以外の各党みんな持っているんですよ。それは
文部省の
指導姿勢がきわめて消極的なんです。あっちこっち見て政治的配慮が強過ぎるからなんですよ。これではちょっと私は、幾ら三年
延長したってまた同じことが出てくるとしか思えません。
西岡さんはその三年の間にこうするのだという構想をお持ちのようでございますけれ
ども、それは後からまたゆっくり聞かしていただくにしても、こういう
行政府の
指導姿勢で一体どんなもんでしょうかね。過去五年間振り返って、これでいいと言えましょうかね。そのことに対する
発議者の所感と、いま私が指摘をしたところの問題は今後のまた
文部省の
指導姿勢とも
関係ありますから、これはまた現職の
大臣がどういうようにお感じになっているか、お二人からそれぞれひとつ御
答弁をお願いしたいと思います。