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新谷寅三郎君 総括して、最後に私の申し上げたいことを申し上げておきますと、この
国際放送につきましては、いま調査費を計上してこれから調査をするんだなんというのは、そんないとまはない。そんな特別の調査はしなくても実情はよくわかっているわけですよ。これは郵政省も外務省もそうだと思います。いまはどこをどうしたらいいということはもう全部私でも把握しているんですから、よく事情を知っている皆さんではもっと正確に実情を把握しておられると思うんです。もうそういう調査とかなんとかいうことよりも、早くこれを実行に移すことですね。早く実行に移すことです。
そのためには、先ほども申し上げましたが、郵政省、
NHK、KDD、それから外務省、通産省等々が関係して、どういうふうにしてやれば実現が一日でも早くできるかということを具体的に
計画を持ち寄って、その
計画を決めて、それを少なくとも五十八
年度予算には、これは
日本としては非常に大事な問題ですから、ゼロシーリングかなんかまたあるかもしれませんけれども、その中でもこれは特別措置として実行されるような、実現し得るような方法をお
考えになることが当面のこれは問題であるということを申し上げておきます。これ以上はこの問題について申し上げませんが、関係の皆さん、ひとつしっかりやっていただきたいと思います。
それからまだ時間をいただいておるようですから、多少時間をいただいて簡単に質問いたします。
放送衛星です。今度の
NHKの予算にも、
放送衛星についての
負担金といいますか、そういったのが計上されているようでございます。一昨年以来、私は、この
委員会で前
大臣、前々
大臣とも
意見を交換いたしました。
NHKは、この
放送衛星に関しましては初めはいかにもこれは難視解消のために必要である、難視解消のために地上
設備でいけば大体千億かかるんです、衛星でいけばそれよりももっと手軽にこれは解決できるんですというような、私から言えば場当たりの答弁をしておられたんです。私はもう少し結果を見ようと思っ人命日まで待ったんですがね。
詳しくは言う必要はありませんけれども、今日の技術開発の程度では、
放送衛星を打ち上げられて仮に難視解消に使うとすれば四十二万
世帯に対しまして、一方では私が
指摘したように
ローカル放送というものをやめられない。そうなると、衛星では
ローカル放送できないんです。ですから、やっぱり地上施設とこれは二重投資になるということは避けがたいでしょう。仮にその問題を置きましても、衛星を使ってやる場合には、予備機を入れますと二個の衛星を打ち上げなければならない。両方合わせまして、今日の時価でいつでも打ち上げ費用を入れると大体二個でもって七百億ぐらいの金がかかる。しかも、それは寿命はせいぜい五年だと。いまは三年でしょう。せいぜい五年だと、こういうことですね。一年間に平均してどのくらいかかりますかね。これはもう計算してみるとすぐわかるでしょう、七百億を五で割ったらいいんですから。
それに対しまして地上施設でいきますと、その当時は千億と言っておった。今日また千三百億ぐらいかかるだろうと、こう言っているんですね、
NHKは。しかし、これは耐用年数からいきますと十五年だと思いますが、平均しまして、いろんな機器類がありますから十二、三年。耐用年数で十二、三年としますと、大体これは百億以内で済むわけですよ。どっちがこれ経済的か。経済だけ言うんじゃありません。そういうことにならざるを得ないと私は思うんです。今日になると、
NHKもそういう点について十分研究をし反省をしていただいていると思います。しかし、この問題をいまここでこのときにああ言った、こう言ったということを言うつもりはないんです。
私は、この
放送衛星を今後何で活用できるかということを
考えてみますと、地上施設では届かないような小笠原とか南大東島とか、そういう非常に離れた離島、それから災害関係、こういったものは、これは衛星が非常に役に立つと思うんですよね。それ以外は、難視解消にも役に立てられるんなら、これは端末機、そういったものの開発をされて、安くなればそれを活用することも可能かもしれませんが、むしろこれについてのメリットはどこにあるかということを
考えますと、これから皆さんで開発しようとしておられる新しいシステム、たとえば品位の高い
テレビジョン放送でありますとか、あるいはPCMのステレオ
音声放送でありますとか、そういった新しいメディアによって衛星
放送を大いに
国民に喜んでもらえるような
放送として
提供できるんじゃないかと、こう思っているんです。これについての
NHKの
考え方を伺いたい。
それから同時に、BS2がやがて実用衛星として打ち上げられますね。このときにニチャンネルは
NHKがこれは使うんだ、こういう前提を、これは郵政省が決めたかどうか知りませんが、仮にそういったものを前提とした場合に、この二チャンネルを使って、これはやがて始まるわけですから、どういう構想でこの二チャンネルを
国民の
期待にこたえるような
放送として
実用化されるのか、これについてもお伺いしておきたいと思います。
NHKから
お答え願います。