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政府委員(土屋佳照君)
地方財政が五十七年度におきましては単年度として収支が均衡するという見込みになっておるわけでございますが、これとても単純になったわけではございませんで、やはり
地方交付税におけも特例措置、特別に加算したということや、それから
交付税特別会計借入金の償還の繰り延べ措置を五十八年度までやっておるということがございます。そういったことによって均衡がとれたわけでございますが、私どもとしては、こういった計画を立てます際は、
歳入歳出各項目について、その段階において最も適切と思われる方法で、いろいろと資料を基礎にいたしまして、詰めたわけでございます。
一々申し上げませんが、
歳入面におきましては、
地方税とか、
交付税の
歳入について、政府の経済見通し等を基礎としていろいろな積み上げ方式等も取り入れながら適切と考えられる手法で算定を行っておるわけでございます。また、国庫支出金についても、いまちょっと
お話がございましたが、これは大蔵当局とかなり具体的に全部詰めてやっておるわけでございますから、その点間違いはないと私の方は考えておるわけでございます。
歳出面におきましても、国と同様に抑制基調に立ってはおりますけれども、必要な
地方単独事業費等についてはかなりな伸長を見ておるわけでございます。そのほかに、たとえば新しい
制度として老人医療
給付費等が増加してまいりますので、それについても必要なものは見込んでおるということで、私どもとしては意図的に数字を操作したつもりはございませんし、かなり厳密にこれは積み上げてきたつもりでございます。
ただ、結果として国に貸したというような
お話でございましたが、五十七年度としては、利差臨時なりあるいは
利子配当所得について源泉分離を選択しておるものについて必要なものは私どもとしてはいただくという立場は貫いたわけでございますから、そういったものを、国が直接
一般会計から財政が厳しくて出せないので、将来国が返すという前提のもとに借り入れで借りて、その一部はやはり
交付税を積み上げたというようなことでございまして、いろいろなやりくりをしておるわけでございます。
したがって、きわめて安易に
地方財政が均衡したということでは毛頭ないわけでございますし、一々申し上げませんが、さらに五十兆にもなんなんとする大きな
借入金もあるわけでございますから、富裕論をもとにいろいろと
議論がされるということは、私どもとしてはどうも理解が十分でないことだと思っております。
臨調等においても、かなりな時間をかけて
地方財政の仕組みとかそういった状況等を先日来
お話しもしておるところでございまして、国に比べて借金の累積がやや少ないじゃないかといったような単純なことではなくて、もう少し
地方財政の本質というものを十分理解してもらいたいと思っております。
地方財政計画についてのいろいろ御意見がございましたけれども、私どもとしては最善であると思われる手法で積算をしたつもりでございます。