○野末陳平君 まあそう思わなければもちろんこれはとても出せないからね、こういうお金は。だけれ
ども、さっきの四百万円の年収があって私立の幼稚園に子供を行かせて、それで四万何千円というのはちょっとどうかなという気がするんで、あえて必要でないと言いたいわけですよ。まあ幼稚園教育も大事なことはわかりますが、これはまた義務教育とは違うので、事実建物とかその他かなりのあれを出しているわけですから。生活が苦しい、あるいはこういう負担軽減が非常に喜ばれているんだというような面もあるかもしれないけれ
ども、これはちょっと補助金としては不適当である。まあ僕の
意見ですよ。
もう
一つ、これがまずいと思う理由は、そういう文部省当局の親心というかそういう意図とうらはらに、末端でこのお金をもらう人たちというのは意義がわかってないんですね。そこが実は一番の問題。園児一人当たりにどのぐらい出るとか、そういう数字はもう出しませんが、たまたま、これは実は知られていない。文部省、それはおわかりでしょう。わりと知られていない。つまり、幼稚園によってはよく知らない、あるいは知っていて勧める、お金返ってくるからと。つまり、一たん納めた保育料は高いけれ
ども後から返ってくるとか、こういう形、いろいろあるようですね。で、とにかくもらえば得であることは事実なんでしょうけれ
ども、知られていない。この知られていないところでこういう話がある。
さっきのは、これはちょっとおかしいというもらっている父兄からのはがきですが、今度は、これはある雑誌に出ていたんですね。国と地方自治体が幼稚園への就園を奨励する目的で補助金を出している。これを知っているのは意外と少ない。私もこの申請書をもらったけれ
どもほっといた。ところがほかにもらっている人から、収入が幾らでも補助が出るから、得だから申請した方がよいとこういうふうに聞かされて申請した。まあこれはいいですよ、いいんですが、ここから役なんだね。
私の申請書を一日見た園長が驚いて、これは最高額の十万円が出る、こう言ったっていうんですよ。ということは、私の源泉徴収票の欄に地方税ゼロとこうなっていた。このゼロは収入がないんじゃなくて、前年末に外国勤務を終えて帰国したため、同年での国内の収入額がごくわずか、したがって地方税ゼロ
——これは特殊ケースですよ。だからこれを言ってるんじゃない、この後の方ですからね。地方税がゼロだったから最高額がもらえるということでしてね。この方は、かくて思わぬときに七万円、ということになっていますが、どうして七万円になったのかわからないんですが、まあいいんですが、七万円なりが転がり込むことになって、家族会議の結果妻と仲よく山分けすることにしたと。それで私のふところの半分の三万五千円は臨時収入だからたちどころにアルコール代
——まあこれはおもしろがって書いているわけでしょうけれ
ども、実態はそんなところじゃないかと思うんです。妻の方は洋服代になった、こういうことですね。
これは、結果的には家庭で負担したんですからそれが何に化けようがとやかく言うんじゃありませんで、知らない。で、思わぬ臨時収入。これが本来は幼稚園の就園を奨励してなんていうことはほとんどわからずにお金もらっている。それで最終的にこの方はどう言ったかというと、これに味をしめた私は、近所の奥さんたちにみんな申請書は出せと入れ知恵して回って、幼稚園によっては十分
説明しているがそうでない幼稚園もあって、比較的これは気がつかないで無視している人が多い事実がわかった。収入いかんにかかわらず
——ここは違いますね、この人は間違っていますね。収入いかんにかかわらず必ず幾らかの就園奨励金が受け取れるので、毎年この申請を楽しみにする奥さんもふえてきたし、近所の奥方も私を見る目が違ってきた。(笑声)これはこれでほほ笑ましい話かもしれないんですよ。
しかしながら、この程度にしか認識をされていないというこの就園奨励費補助金、これがどうなんですかね、私はもうどう
考えてもばらまき補助金の典型ではないかと、こういう気がしてくるわけよ。だからもっと意図がわかって、もらう方もそれを体して、そしてこれがあなたがおっしゃる幼稚園教育の振興に前向きにプラスになっているということであれば必要だと言われてもまあ余りけちはつけたくないんだけれ
ども、配る文部省とそして受け取る幼稚園と父兄の間に必ずしもその辺の意義がわかってない、そういうものが百四十五億円がなんか国からも補助金で出ていると、こういうことはちょっとこれはいかに文教
関係の補助金といえ
どもおかしいという気がしてくるわけですよ。
とにかく、文部省は当局ですから余り私の
意見に対して言えないんでしょうが、
大蔵大臣、こういうものを
大蔵省がなぜ切れないんですか。なぜというと変なあれだけれ
ども、これまたあなたに
一つずつ言わなきゃならないから、幾つもある、私自身の勘でもあるんですよ。だけれ
ども言えないから、
一つずつ委員の先生方にも聞いていただきまして、どうかという判断を仰いでいる。私が間違っているならそれでいいですよ。ただこんなのが何で残ってくるのか、これが補助金なのかと、こういう気がしますので、当局のまずこれを延々と残している理由などを含めてちょっと
意見を聞きたいですね。