○上條勝久君
中川大臣が御就任になりましていま二期目であります。科学技術の振興に関する予算というのは、これが行政部費でありますためになかなか従来から予算がつきにくかった。おかげをもちまして、
大臣御就任以来大変な御努力をいただいて、見るべきものがあるということは、私は大変心強く思う一人であります。
大臣は、自民党のニューリーダーである、私もそう思っておりまするし、しかも非常に
発言力の強い実行力のある
大臣であります。日本の科学技術を制する者はいずれは日本を制する者である、それだけ科学技術というものがわが日本にとってきわめて重要な行政ではないか、かように私は確信をいたしております。
御
承知のとおり、緊縮予算編成という声の中で来年度予算要求の時期を迎えようとしておる今日でありますが、各省庁前年並みという画一を原則とする財政当局の
考え方は、私は、安易ではあるが民生を安定し国力を増進する道ではないのじゃないか、かように思います。行財政の改革にいたしましても、切り捨て御免ということが原則であるならば、よりよくするという改革という名前は私はなじまないのじゃないか、こういう気がしてなりません。このことを前提といたしまして、率直に若干のことについて政府に
お尋ねをいたしたいと思いますが、時間がありませんので、細かいがたがたは要りませんから、簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。
その
一つは、諸先進国の例を見るまでもなく、日本の安全保障の中核をなすものは、先ほど申し上げましたとおり、私は科学技術の振興開発を図ることがわが日本の宿命的な緊急な課題であると
考えております。行革のこの機会に、そういう観点から、
科学技術庁を科学技術省に名称をお変えになっていただきまして、そして将来の大事な科学技術行政の推進の強化の基を固めておいていただく御決意はないだろうか。
これは
中川大臣ならできるのじゃないかという気がしてなりません。ただ、日本の行政機構というのは、いままでの伝統であるとか枠に非常にこだわる傾向が、私も役人をやった経験があります、私は型破りと言われてきたわけでありますが、ある。そういう傾向がある中で、調整機能を持っておる
科学技術庁を省に改めるということについては、かなり政府の中においてもいろいろな御意見があろうと思うし、あるいはまた
科学技術庁の事務御当局にもそういうような御見解があるかもしれないと思いますけれども、しかし、御
承知のとおり、諸外国で省という、翻訳すれば省というところでこれを取り扱っているところもたくさんあるわけでありまするし、科学技術の重要性ということから
考えれば、これはひとつ
中川大臣在任中に、何か、できざるまでも、一刻みでもいいから刻み込んでおいてもらいたいと思います。
きょういまはおいでになっておりませんが、社会党の大先輩である八百板
委員から、たしか
大臣御就任のときの
委員会ではなかったかと思いますが、ひとつ
大臣、
科学技術庁を省にして大いにがんばりませんかというようなお話がちょっとあったように記憶をいたします。このことなら余り野党の
皆さんにも私は反対がないのじゃないか。行政改革の際でありますが、人は一人もふやさなくていい、予算はそのためには
一つもふやさなくていい。ただ名前を、設置法に庁とあるのを省に改めるというだけのことでありますから、何とかそういうことが
考えられないか、非常にむつかしいようであれば、一歩をひとつ進めておいていただければ大変ありがたい。これが第一点であります。
それから次に、この前も
委員の御
発言がありましたが、日本の科学技術研究費は国が三〇%で民間が七〇%という
大臣のお答えでありました。きょうは前の
大臣もおいでになりますが、これはもうずっと以前からの状態がそのまま来ておるわけでございます。また数年前から、技術会議等からも、あるいはまたその他の
関係機関からも、少なくとも民間と国と折半ぐらいまでは何とか努力をしてもらえぬかということは、私もじかに陳情を受けた記憶があるわけでございます。そういうことから、これをひとつ、これまた
大臣の馬力で、渡辺大蔵
大臣にげんこつぐらい食らわせても取ってもらえぬかなと。しかし、おかげで、御努力で調整費をつけていただいておりまするので、その調整費の一部をそちらの方へ運用していただくということができれば、これもまた
一つの
考え方じゃないかというふうに思います。いずれにしても、科学技術の開発振興のために、民間だけに依存するのじゃなくて、国もやっぱり、厳しい財政の中ではありますが、画一的ではない、重点的な予算の編成という観点に立って、そういうことがお願いできないかなと、こういう気がいたすわけでございます。
それからその次に、これはちょっとむつかしい問題でありますが、わが日本の国は四方海に囲まれた島国でありまして、いずれはこれを何とかしていかないと、緑の環境も保全しながら、増加する日本国民の利用面積も確保していかなければならぬということを
考え、また資源なりあるいは地震対策等々から
考えますときに、世界各国で、非常に進んだ科学技術、人工衛星を初めといたしまして、地上から宇宙開発に至るまで刮目すべき技術の進歩を見ていることは御
承知のとおりでありますが、一たん地下になりますと、海底を含めまして、現在点々と
調査されてはおりましても、二、三百メートルの地下の
調査がされておる程度のものにすぎないと私は思っておるわけであります。
それで、これはぜひひとつ、ほかのことと違って、行き当たりばったりではいきませんので、やはり早いうちから長い目で将来を、百年先を
考えながらこの技術の新しい開発に取り組んでいきませんと、なかなか五年や十年で開発できるものじゃないと私は思います。そういう意味から、地下千メートル程度をめどに、探査に必要な新技術の開発にぽつぽついまから取り組んでいただくということは無意味なことではないと
考えますが、この点についての政府のお
考えを
伺いたいと思います。
時間がありませんので一通りずっと私の
質問をしてしまいますから、御了承をお願いいたします。
大臣は、所信表明を初めといたしまして、いろいろな機会に、
原子力行政の推進の重要性を説かれております。これは、まさにそのとおりでございます。そして、安全性の確保を大前提としておるということをおっしゃっております。このことは大変大事なことと思います。安全性の確保のために万全の御努力を願うことは、これはもとよりでありますけれども、安全性に対する国民の理解がどうも不十分のような気がしてなりません。これは、PR努力の不足なのか、あるいはまた、頭から、よその国のいろいろな例等を引用しての、反対のための反対なのか。このことは、私も、個々の例について十分時間をかけて勉強いたしませんと、軽率にどちらだという判断はできません。しかしながら、必ずと言っていいほど、先ほど午前中も
吉田委員から御
発言がありましたが、この原子力
関係のことになりますと、
原発を初めとして選挙の争点に非常になっておる、なりがちである。原子力
関係の施設等があるところにおきましては、首長選挙等があると、必ずと言っていいぐらい争点になっておる。これはもう御
承知だと思います。
このことは、企業努力もさることでありますけれども、正しい住民の理解が不十分であるということも否めない事実ではないかと私は思うのです。仮に、仮にですよ、極端な反対のための反対活動によって住民に誤った認識を持たせる結果になるようなことがもしあるとすれば、それは、相当な対応が必要なことは当然でございます。このような場合に、政府として、いろいろな許可であるとか認可であるとかいうようなものを与えられる、あるいはまた指導をされるお立場にあるわけでありますから、安全性に確信があって、そして
地方から要請があれば、私は、政府として思い切って有効に対応することが、住民に正しい理解を与え、さらには国益のためになることである、かように確信をいたしておりますが、その点についてどうお
考えになるか、お
考えを伺っておきたいと思います。
これと関連いたしますが、国民に広く
原子力行政について理解を与えるために、特に科学するということに関心を寄せる共有性を持っておる子供たちといいますか、私は少年少女は非常に科学というものに関心を寄せる共有性というものを持っておると思うのでして、しかも、その子供たちに日本の将来を担っていただかなきゃならぬ日はそう遠くないと思うのです。したがいまして、そういった少年少女たちに対するPR、これも非常に大事じゃないかなと思うわけでございます。その方法としては、わかりやすい、そして売店にあって、子供たちが親に小遣いをもらってでも買って、どんどん読んで、再版、再版されるような、しかも内容が間違いのない、そういう絵本やら漫画によるわかりやすい普及努力ということをしてはどうかということを、実は私も、
科学技術庁にお世話になっておる当時から
皆さんに申し上げてきたのでございます。
おかげで、
電力会社、あるいはまた
科学技術庁におきましても、これに類するものが近時出されておるということは大変いいことであると思いますけれども、私が拝見したところでは、まだまだ不十分じゃないかなと。そして、多少遠慮されておるところがありはせぬか。やはりこの安全性ということは、
大臣仰せのとおり、
原子力行政を推進する上における大前提条件でありますから、安全性に間違いがないのだという確信が政府にあるならば、私はその確信に立ってはっきり物を言ってもらいたい、こういう気がするわけであります。したがって、そういうこともひとつ
考えていただいてはどうだろうか。役所ではそういうことはなかなかやりにくいし、また、
電力会社がやりあるいは何とか
事業団がやる等々では、ばらばらになります。できればそういうものは
科学技術庁で監督指導していただくかどうかして、そして総合的に一本化したような形で、民間の団体でも法人でも結構ですからおつくりいただいてでも、やっていただく価値が十分ある。
国民に誤らない正しい御理解、認識をいただくということが私は大事であると思いますので、そのことを申し上げておきたいと思います。
最後になりましたが、
科学技術庁には、科学技術功労賞とか、そういう表彰する賞はどういうのがありますかね。ちょっと事務局から、途中ですがお答えをいただきたいと思います。