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城地分科員 いまお答えがありましたが、この子女
教育の問題については文教
委員会等でさらに具体的に詰めてやるべきであるし、この
分科会では時間の
関係もあってできないと思いますが、たとえば、いまお答えをいただきましたが、国際比較云々の問題などにつきましては、
日本の置かれる立場とその国際比較される国の置かれる立場というようなものも十分考慮して行わなければならない問題であります。さらに、五人、十人海外に行っているのじゃなくて、現在二十万人海外に行っているという現実も目を覆うわけにはいかないのでございます。そういう意味合いからも、さらには、
教員の人件費も全額
文部省で出しているということで強調されましたが、これはあたりまえのことであって、国内の
教員の費用は全部
文部省で出しているのであって、それよりも一歩でも二歩でも突っ込んだ、むしろ国内よりもいいものを望むのが一般的な
考え方だろうと思います。
そういう意味で、先ほど大臣が最後に言われました
海外子女教育で、本年の
予算で二校全日制の
日本人学校を増設するという話をされました。毎年毎年
外務省が
中心になって
努力をしているという
努力の跡は、私も十分わかります。昨年度三校とか一昨年五校とか、毎年毎年
努力している状況は理解できますが、そういう一般的に階段を登るような
努力で果たして——現在海外子女が三万二百人もいる。それに対して昨年度で七十校全日制がありますけれども、五十六カ国に分かれている。その実情の中で、二校、三校、五校ぐらいずつ毎年増設していたのでは追いつかないと私は
考えるわけであります。思い切って十校とか十五校とかということで増設をすべきではないか。私ども、具体的に細かい資料も
準備しておりますが、それらは一応別にいたしましても、飛躍的に、この二十万の人、そしてその子女の
教育のことについてやらなければならない時期に来ているのだ。国の政策として、先ほど大臣も言われた海外の経済
協力も必要でしょう。しかし、海外の経済
協力もさることながら、われわれ仲間の
日本人が二十万人海外へ行っている、その人たちの医療や
教育の問題も、またそれ以上に重要な課題であると思うのであります。とすれば、それらに力を注いでいくのがやはり政治ではないかと思います。
さらに、先ほど言われたことの中で幾つかの提案をして今後の検討をお願いしたいと思いますが、たとえば海外の
日本人学校の
教員の問題についてでございますが、昨年度も予定した人員よりも二十一人少なかった。
派遣教員八百三十人に対して実際は八百九人しか行かなかった。二十一人少なかった。おととしもそうだというような状況がございます。これにはいろいろ原因もあるでしょう。しかし、私は、予定したら少なくとも予定数だけは満たしてほしいと思います。
さらに、この
派遣教員の問題にしても、現地の人たちのいろいろな世論を集めたところ、おおむね平均で三年ぐらいである。できれば六年ぐらいいてほしい。こちらから行って現地で働いている人の期間は毎年毎年延びているわけでありますから、そういう意味では
学校の
先生の滞在期間も三年ではなくて六年ぐらいにしてほしいという要望がたくさん出ております。それをどういう形で三年を四年にし、六年にするかということについては今後の課題でありますから細かく触れませんが、そういうふうに
考えているところであるし、さらに、派遣する
教員の場合でも、派遣する前に講習を行って現地へ派遣しているという実情もあるようでございますが、私は、もっと思い切って、海外へ派遣する人は、その派遣する場所以外の、たとえば中近東へ派遣するならばヨーロッパで一年間ぐらい、フランスに二カ月間、ドイツ二カ月間、イギリス二カ月間というぐあいに一年ぐらい海外の研修をさせて、その後中近東で
教員生活をしてほしい。というようなことにすれば、ただ自分が行ったところの
教員生活だけでなくて、そういう研修期間も含めて、さらにそれらの
教員の人たちの自後の活躍というようなことについてもかなり大きな効果を上げられるのじゃないかと思いますので、そういうことについても今後検討していただきたいということ。
それからもう一つの点は、これもわれわれの仲間が提案をしたことですが、海外へ行くときに、たとえば中学二年生であれば、海外へ三年間行ってくると高校二年になる。帰ってきて、自分の目指す高校に入れないという悩みがあるので、中学生の上級クラスになるとみんな親元から離して、じいさん、ばあさんに頼んでいくとかきょうだいに頼んでいくとかいうような実情もたくさんあるようでございます。また、海外の
学校は九月の開校、
日本の場合は四月という実情もありますが、そういうようなことを除くためにも、たとえば中学生が
日本から海外へ行く場合に、あなたは三年後帰ってきたらこの
学校へ入れますよというような、
学校を
指定する方式はどうだろうかということも
考えてみたのでございます。私は茨城県の日立市ですが、たとえば日立市の駒王
中学校の二年生である、三年して帰ってきたらすぐ近くにある日立第一
高等学校の二年生に入れますよというようなことをあらかじめ約束することはできないだろうか。そうしますと、親の仕事も後顧の憂えない、子供の
教育も後顧の憂えないというように
考えるわけでございます。
そして、さらにそういうことでいくとすれば、その中学生の同じクラスの友人、たとえば五人でも十人でもいいのですが、組をつくって、海外へ行った友人との間にペンフレンド制度といいますか、そういうことで
交流をする。そうしますと、日常の生活もいい。帰ってきてからも
高等学校へスムーズに入れるわけで、中学の同級生とまた一緒に学べるというようなこともありますので、そういうことについても今後御検討をいただきたい。
また、時間の
関係がありますから、医療問題についてでございます。
医療問題についても先ほど申し上げましたが、私どもの仲間の特に建設
関係の
調査を見ますと、中近東、主として開発途上国の場合ですが、
昭和五十一年に
調査をしたときに、あなたは今回海外へ行ってきたが、もう一度海外へ行ってくれと言ったらどうしますかという問いをいたしましたら、いやもう二度と海外へは行きたくないという人が二六%でありました。その二年後、
昭和五十三年に同じような
調査をしたら五一%になった。その最大の原因が医療に対する不安、不満であります。そういう意味では医療体制も、これは医薬分業その他海外のいろいろな事情もあるでしょうけれども、海外の主要都市なんかに診療所を
設置できないだろうか。それから、先ほども
説明がありました巡回医師団というようなものについても、非常に
努力をして何組か巡回してやっておられる
努力については敬意を表しますけれども、とにかく二十万人も海外へ行っているわけですからもう少し……。そういう意味で、アメリカ等では医師も二世、三世で非常に優秀な医師がいるので、アメリカでは余り苦労しないという話もございます。ですから、主として開発途上国を
中心にしたそういうところについては、さらにそういう配慮をいただけないかというふうに
考えるわけでございます。
時間がありませんので全部申し上げてしまいたいと思いますが、海外勤務者の
関係で、私も十一月十八日に海外勤務者の多くの要望を持って陳情、要請に各省を回りました。海外勤務者ということで、先ほど
義務教育の問題でも憲法第二十六条の解釈がありましたように、非常にむずかしい面もあります。
外務省がその実際の担当である。しかし、
教育という面で見ると
文部省も
関係する、さらには、医療ということであれば厚生省も
関係するということでございます。そういう意味合いからして、
外務省、
文部省、そして厚生省という
関係の役所の仕組みは細かくはわかりませんけれども、それらの
関係をもう少し一元化できないか。たとえば
外務省が所管をするのだとすれば、海外勤務者の医療の問題も
教育の問題も
外務省で所管したらどうだろうか。専門の人を配置して、何も治外法権でやれというわけではありませんが、全部そこへ行けば話が通じる、そこでアクションすればすべてが通ずるということにならないだろうかということを、素人ながら
考えるわけであります。そういう点は今後の課題として御検討いただきたいというふうに
考えます。
それから、先ほど大臣から御
答弁がありましたが、私の所見について参考になるところがあるということでありますが、今後物の
考え方を変えて、やはりこれも緊急にやらなければならない非常に大きな
事業なんだということでいけば、もっともっと打つ手は出てくるんじゃないかというふうに思いますので、ぜひとも前向きで対処していただきたい。
さらに、各地でもって現地に
日本人会というのをつくっています。これは子女
教育や医療をめぐる互助組織並びに在外公館と
日本政府や現地
政府との連絡の窓口ということで
日本人会というものをつくっているわけであります。しかし、この
日本人会の
調査を部分的でありますがした結果は、入会しているというのは約半分であります。入会していないというのが三割、
地域に
日本人会がないというところがその残りということでございます。そういう意味では、現地にそういう
日本人会というような組織があることがいろいろな面でプラスになるということが言われているわけであります。しかも、
日本人会のないというところは中南米等に多いようでありますが、そういう
日本人会をつくる指導というようなものについては、現地にいる人たちの自助
努力もさることながら、在外公館は腕をこまねいていないで、ぜひとも積極的にそういうものについて乗り出して、そういう組織をつくるようにお手伝いをしていただければというように
考えるわけでございます。
何度も申し上げておりますように時間の
関係がありますので、以上要望申し上げ、御
答弁がありましたらお受けをしたいということで終わりたいと思います。