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小沢(貞)
分科員 きょうは主として御要請ということになりますが、実はここに
武藤前農林
大臣もいるわけですが、この農林
大臣のときにはバッカス内閣で、酒屋さんばかり大ぜいいたわけです。あのときにさんざん私がやったわけですが、最後に言っているのは、竹下大蔵
大臣が、おれが酒屋のときにそんなことやれと言ったって無理だぜ、こういう話だったわけです。その後根本龍太郎先生を会長に、それから社会党の角屋先生を会長代理に、副会長に自民党の農林水産
委員長の羽田君、以下各党のベテラン二百五十七名を集めて、こういう奇妙きてれつな議員連盟をつくったわけです。米
消費拡大純米酒
推進議員連盟、これは本当は話の中で、いま一つ入れろや、こういうわけでしたが、それでは余りにも長くなり過ぎちゃう。米
消費拡大日本酒
消費拡大純米酒
推進議員連盟。何でもいいわ、米がたくさん
消費できることならひとつ何でもやろうじゃないか、こういうことからこういう議員連盟ができたわけで、私がその事務
局長を仰せつかっております。この間も申し合わせで、この国会を通じてなるべく米
消費拡大のムードを盛り上げていくように、各党代表が質問をしようじゃないかということになっております。私が一応の事務
局長という責任がある立場なので、どういう趣旨でできたかということを、ちょっとくどいようでございますが、最初に申し上げておきたいと思います。
お手元に印刷物を差し上げてありますが、「米の
消費を
拡大する純米酒を普及するためには、醸造家代表や税収とも深い関りあいがあるのでこれ等の代表と充分協議し、かつ関係各省とも打合せを行いながら、概ね、次に掲げる諸項目について研究しつつ漸進的に所期の目的を達成するように努力する。」
一つは、「米不足
時代にアルコール混入を認めた酒税法第三条第三項を削除する。」これは急にやれば大変なことですから、「激変緩和の
措置を講ずる必要がある。」
二つ目は、「アルコールの混入量を決める酒税法第五十条第二項(
承認基準)を
計画的に引き下げる。」いま一トンの米に二百八十リッターのアルコールを入れてよいということを
昭和四十七、八年ごろ決めたままですから、量をだんだん下げていこう、こういうことです。それにも激変緩和の必要がある。
三つ目は、酒税の税率をビール、ウィスキーなど
消費の伸び率が非常に高いものと比較して相対的に引き下げて、なるべくお酒の
消費を進めて間接的に米の
消費を
拡大しよう、こういうわけです。いま問題になっている例の関税前倒しという中にはウイスキーがあるわけで、これもまた一段と配慮をいただかなければならぬことだと思います。
四番目には、「醸造家と
地域米
生産農家との委託加工方式を導入し、
地域の実情を考慮しつつ、
計画的に進める。」これも酒販組合なんかで大変問題がありますが、問題が起こらぬようにして進めようじゃないか。
五つ目は、「純米酒
拡大の
方針に
協力する醸造家に対し、その設備の
近代化などに
長期低利の融資等援助を行う。」
六つ目は、「純米酒の
消費拡大の宣伝等のための
施策を講ずる。」
七つ目は、「その他米
消費拡大目的達成のための諸
施策。」
こういう趣旨で実はできたわけで、二枚目は、そういうことから、われわれ役員会総会を開いて十二月十四日に申し入れをしたわけですが、前の方はちょっと長いので、これもその「記」から、昨年の暮れに、こういうことをやっていただきたいと、当面申し入れたことを読み上げてみます。
一つは、「米と米麹だけを原料とする純米酒の安定的な
生産のため、この醸造業者への助成
措置と醸造米の適正な確保を配慮すること。」
二つは、「純米酒の
消費を
拡大するため酒税の軽減を行うこと(なお、日本酒の真の品質を維持・
向上させる
措置を講じること。)また、官庁等の公式パーティーには、日本酒を主体に使用すること。」
三つ目、「米
消費拡大の一環として、米飯学校給食の完全実施と回数の増加を
推進するとともに米を
中心とする
日本型食生活の普及・
定着を図ること。」
四つ目は、「食糧の安全保障を図るため、国による米の備蓄
制度を確立するとともに、民間における備蓄を奨励する
措置を検討し、適切な
施策を講じること。」
五つ目、「その他、米ならびに純米酒の
消費拡大に資する
予算措置について拡充・強化すること。」
これが去年申し入れたことであります。大変食糧庁等の御配慮をいただいて、たとえばこの申し入れの三番目の、米飯学校給食の完全実施についても、従来二日であったものが二・五日になって、六十年目がけて三日にしようということで、農林省の
予算の中の伸び率最高と思われるほど伸ばしていただいて、大変ありがたかったわけであります。
以下、当面の二、三の点について、
お尋ねやら
お願いをしたいと思うわけです。
なお、私は、ここに
武藤さんが酒屋さんでいらっしゃるから言うわけじゃありませんが、私たちは最近、地方の
時代ということをよく言われるわけですが、お酒屋さんはやはり村とか
地域の素封家であり、
指導階級の人です。そういう人と地方におけるお酒の
消費とが密接につながるようなこと、それから、これは大変申しわけない話ですが、お酒屋さん、どうもウイスキー会社とかビール会社と違って、経営困難なところが多いというようなこともあって、その
地域でうまく酒屋さんと
消費者とが密着するようなことが、いわゆる地方の
時代にふさわしい実践的なことになるのじゃないか、こういうことも実は願望の中にあるわけであります。したがって、以下申し上げるような当面の問題について、時間が少ないので駆け足で申し上げますが、御配慮をいただきたいと思うわけです。
まず、第一は、備蓄。去年の暮れの申し入れの第四項目にあったと思いますが、私は備蓄がぜひ必要ではないか、こういうように考えます。転作面積がだんだん
拡大されて、いま農民が一番不安に思っていることは、第三次
水田再編ときたら、これまた大変なことになるのではないか。長期
計画等で見ると、
生産と
消費のギャップが、六十五年
展望の中で毎年十五万トンずつある、こういうようになっていって、
昭和六十五年には
消費が一千万トンぐらい。
生産性は上がるしするから、したがって毎年十五万トンのギャップということになると、第三次のときにはまた大変な作付制限をしなければならない、こういうことが農民の一番の不安の一つではないか、こう私は思います。それを防ぐために、実はこの議員連盟ができたわけであります。したがって、その第一のことは、ひとつぜひ備蓄をやっていただきたい。五十七年度の米の
生産は千八十万トンで、
需要量は千五十五万トン、こういうように
計画されておりますが、景気の悪いときは米の
消費がふえる、こういうジンクスどおりに進んでいるようで、こんなときに不慮の事故でも起こったら大変なことになるのではないか。このような現実を考えれば、いま私の申し上げた安定的確保のためにはここが問題だと思います。できたならば、食糧の安全保障ですから法文化された——食管法を改正するか単独立法か知りませんが、法文化された
制度としての備蓄をひとつ考えていただきたい、こういうことが大きなことであります。
備蓄のことについては回転備蓄ではいかぬから棚上げ備蓄にしなければいかぬ、こういうような論議が食管法の改正のときとかあるいはまた何かのときに言われて、
政府もそういう意向にだんだん傾きつつあるようでありますが、棚上げ備蓄でないと古い米を
消費者に食べさせる、こういうことになるので、これはやはり棚上げ備蓄。こういうことになると、どうしても古米は恒常的に処理しなければならないという問題が出てきて、それがまた財政上の負担になる。七十万トンずつ古米処理という形になれば、トン二十万か二十五万として千五百億前後のものが恒常的に財政
措置を講じなければならぬ、こういうことになると思うわけです。ぜひこれはひとつそういうことも
国民の食糧確保という安全保障のためですから、なるべくならば法文化された
制度としての備蓄、こういう
方向で積極的に御検討いただけばと思うわけです。それが第一ですが、食糧庁でも
大臣でもどちらでも。