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1982-03-01 第96回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十七年三月一日(月曜日)     午前九時三十分開議  出席分科員    主 査 後藤田正晴君       江藤 隆美君    鴨田利太郎君       塩川正十郎君    澁谷 直藏君       渡辺 栄一君    鈴木  強君       栂野 泰二君    山田 耻目君       北側 義一君    草野  威君       金子 満広君    林  百郎君    兼務 小川 国彦君 兼務 大原  亨君    兼務 上坂  昇君 兼務 高沢 寅男君    兼務 塩田  晋君 兼務 林  保夫君    兼務 依田  実君  出席国務大臣         建 設 大 臣 始関 伊平君  出席政府委員         建設大臣官房長 丸山 良仁君         建設大臣官房会         計課長     梶原  拓君         建設省計画局長 吉田 公二君         建設省都市局長 加瀬 正蔵君         建設省河川局長 川本 正知君         建設省道路局長 渡辺 修自君         建設省住宅局長 豊蔵  一君  分科員外出席者         日本国有鉄道施         設局土木課長  村上  温君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     大城 金夫君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   高橋  力君         参  考  人         (本州四国連絡         橋公団理事)  山根  孟君         参  考  人         (住宅都市整         備公団理事)  星野 孝俊君         参  考  人         (住宅都市整         備公団理事)  中川 友夫君         参  考  人         (住宅都市整         備公団理事)  田辺 昇学君     ————————————— 分科員の異動 三月一日  辞任         補欠選任   武藤 山治君     栂野 泰二君   山田 耻目君     福岡 義登君   草野  威君     北側 義一君   金子 満広君     林  百郎君 同日  辞任         補欠選任   栂野 泰二君     鈴木  強君   福岡 義登君     川本 敏美君   北側 義一君     草野  威君   林  百郎君     小沢 和秋君 同日  辞任         補欠選任   川本 敏美君     山田 耻目君   鈴木  強君     武藤 山治君   小沢 和秋君     正森 成二君 同日  辞任         補欠選任   正森 成二君     金子 満広君 同日  第一分科員上坂昇君、高沢寅男君、林保夫君、  第二分科員小川国彦君、依田実君、第三分科員  大原亨君及び第四分科員塩田晋君が本分科兼務  となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十七年度一般会計予算  昭和五十七年度特別会計予算  昭和五十七年度政府関係機関予算  (建設省所管)      ————◇—————
  2. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  昭和五十七年度一般会計予算昭和五十七年度特別会計予算及び昭和五十七年度政府関係機関予算建設省所管について、一昨日に引き続き質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林保夫君。
  3. 林保夫

    ○林(保)分科員 皆様、早朝から御苦労さまでございます。大変内外とも厳しい情勢になっておりますが、いわゆる行革という大きな課題を抱えておる時代におきまして、なお私ども国民的な基盤でいろいろと問題を考えてみますと、やらなければならぬ問題がいっぱいあろうかと思います。その一つは言うまでもございません、国土の見直しと、あえて言うならば社会資本充実といった面だと思います。  そういった意味大臣は大変大きなお役割りを担っておられると思いますが、行革社会資本充実をどういうふうに調和させていかれますか、大臣の御所信をまず伺いまして、きょうは大変恐縮ですけれども、私の地元岡山の問題につきましていろいろと承りたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
  4. 始関伊平

    始関国務大臣 大変大きな問題について御質問でございますが、社会資本充実は非常に長い期間をかけまして、国力を傾けてと申すとなんですが、順次建設省関係でも道路は第八次の五カ年計画になっております。住宅は四次ですね。長期の視野で社会資本充実に努めてまいらなければならぬ。そういう意味で申しますと、日本もまだまだおくれておるわけでございまして、社会資本充実に引き続いて努めてまいらなければならぬということは申し上げるまでもないと思います。  ただ、行政改革財政再建ということがございまして、建設省もこの両三年来ゼロシーリングあるいは公共事業費の前年並みということでございます。その中におきましても私どもは継続的に社会資本の増加は続けていくべきだという考え方を一貫してとっておりまして、たとえば、ゼロシーリングというのは一般予算の問題ですが、財政投融資を活用するとか、また執行上につきましてはこれからだんだん議論されると思いますが、前倒しをやるとかいうようなことでございますし、一方におきまして住宅なんか、一般住宅が多いわけでございますが、それについても財政投融資の資金を活用いたしまして、いわゆる公的金融によって支援するとかいうようなことでございます。われわれとしては一日も早くいまの財政再建行政改革が進みまして、公共事業伸び伸びと本来の使命と役割りを果たしていくような日の近からんことを期待いたしておりますけれども、その途中におきましても、いま申し上げましたようなことで極力社会資本の蓄積に努めてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
  5. 林保夫

    ○林(保)分科員 申し上げるまでもございませんが、行革だからすべてが悪い、こういうような状況が出たのではどうにもならぬと思います。本来民間に金を残すことによってむしろ景気がよくならなければならぬのに、行革不況官民ともに襲ってしまうというような状態では、私は、政治の悪い面が出ている、このように思われてならないのであります。むだな経費を切るということは何をやるのかというと、やはり社会資本充実、こういうことだろうと思われますので、大臣にはいい御答弁をいただきましたが、なおこれからもそういった面でよろしくお願い申し上げたいと思います。  ところで、きょうは分科会で、恐縮でございますが地元の問題につきましてざっくばらんにいろいろ御施策を承りたいと思います。  率直に申しまして、この辺がよその県と比べておくれておるのじゃないだろうかと思われる問題が、岡山県の場合は建設の中に特に大きいと私は思います。道路の問題、河川の問題いろいろ事業があります。昨年も同じこの分科会で、大臣局長お二方、皆さんから御説明を受けましたが、なおやはり、見れば見るほどその思いがいたすわけです。よその畑はきれいだ、こういうことかもしれませんけれども社会資本充実に当たりましては、大臣の、均衡をとってやるという御精神を、ひとつ一層わが岡山県のためにも冒頭お願いしておきたいと思います。  後でまた聞かしていただきますが、そういった面で、渡辺道路局長ひとつ恐縮ですが、去年と同じ質問をいたします。岡山県の道路状況は一体どのように全国対比においてなっておるかという御説明を、データを少しお話しいただきたいと思います。
  6. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 岡山お尋ねがございましたが、まず全般的に申し上げましても、わが国の道路整備水準は決してここ一年の間に進んできたというものではございませんで、今後ともまだ整備を進めていく必要があろうかと思います。  岡山県の道路整備水準でございますが、国道並びに県道整備率で見ますと、全国が四七・四%に対しまして三三・七ということでございますから、相当これは下回っております。それから市町村道改良率で申し上げますと、全国が二六・九に対しまして岡山県が一四・三ということでございますので、これまたかなり低い水準にあるわけでございます。しかしながら、昭和三十年代の後半から四十年代の前半にかけまして、ある程度幅員があれば現道を簡易舗装でも何でも、とにかく舗装してしまおうという政策をとった時代がございます。これは晴れた日にはほこりが立つ、雨の日には泥水をはねられるということでございまして、舗装を望む声が非常に強かった時代がございます。このときに岡山県ではかなり舗装をやられまして、簡易舗装を含めた舗装率では全国よりも、国県道でも少しよろしい、市町村道でもよろしい。数字で申し上げますと、国県道全国八三・六に対して岡山が八六・二、市町村道では全国三八・九に対して四二・三というような状況になっておるわけでございます。しかしながら、最近の発達してまいっております経済社会に対応する交通需要に見合う道路ができているかという点については、前段で申し上げました整備率がかなり悪いということでございますので、今後とも努力をしていかなければならぬと思います。  この辺の理由でございますが、昨年も御答弁申し上げたわけでございますけれども、非常に古くから文化が発展をしております地域でございますので、道路密度が他よりもかなり高いという点が岡山の非常な特色かと思います。四通八達しておったということであろうと思います。その辺で追いついておりませんが、今後とも努力して、なるべく早く全国平均からこんなに差があるという状態をなくするようにしていく必要はあろうかと思っております。
  7. 林保夫

    ○林(保)分科員 国だけの問題ではなくて、地元受け入れ体制あるいは熱意の問題も一つあるかと思いますので、そこらあたりをきょうは分科会でしっかり承らなければならぬし、私ども努力せなければならぬところもやらしていただきたいという真意で同じ質問をやらしていただくわけでございますが、局長、三三・七、一四・三というのは全国で何番目になるのでございましょうか。あからさまで結構ですが、統計上出ているのはどういうことになっておりますか。
  8. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 きょうは全国の何番目という資料を持ってまいりませんでしたが、たとえば十数%の差があるといいますのはかなり下の方になろうかと思います。
  9. 林保夫

    ○林(保)分科員 その辺は後でまた勉強さしていただきたいと思います。  いろいろ事情はございますけれども、なおこういう状況にある中で、率直に評価いたしまして第二臨調国家プロジェクトとして本四架橋の中で私どもの言う瀬戸大橋児島坂出ルートがただ一つ完成を早くしろというようなことになりまして、昨年に続き来年度もまた重点的に予算をつけていただいている。本当にありがたいことであり、私どもはこれに唯一の望みを託して、それに関連する道路網地元なりにしっかりやらなければならぬ。本当はそんな悠長なことを言っておられないのです。高梁川の東西をめぐる道路などは北から来る人、西から来る人、東から来る人、朝通れないような状態になって、ずっと続いております。しかしなお、こういう大きな事業はそういう国家的なプロジェクトと一緒になってやらしていただかなければなりませんので、大変大きな期待を抱いているわけでございますが、五十七年度本四架橋工事の主たる目的と、それからどの辺まで行くのかというのを、ちょっと公団の方に御説明いただきたい。時間がございませんので、簡単で結構です。
  10. 山根孟

    山根参考人 お答え申し上げます。  児島坂出ルートにつきましては、本四架橋の中でも当面本州四国を結びますルートといたしまして、最重点を置いて事業を推進をいたしておるところでございます。下津井瀬戸大橋岩黒島橋の上・下部工事島嶼部高架橋工事南北備讃瀬戸大橋、こういった海峡部橋梁関係を継続いたしますとともに、五十七年度におきましては、新たに櫃石島橋与島橋下部工事着手する予定にいたしております。これをもちまして、海峡部の全橋梁着手をいたすことになるわけであります。  陸上部におきましては、かねて工法上大変問題がありました鷲羽山地区であります。これはオープンカット計画であったわけでありますが、環境庁その他の御指導もございまして、トンネルにできないか、こういうお話がございまして、二百メートル余の区間でございますが、これをトンネル工法ということに踏み切りまして、近く工事を始めさせていただければというぐあいに考えております。  鉄道でございますが、これは木見—茶屋町間の追加基本計画の指示をいただきました。したがいまして、現在駅の問題等を含めました工事実施計画変更等につきまして、日本国有鉄道協議を進めている段階でございます。協議が調いましたならば、運輸大臣に申請をいたしまして、その結果に基づきまして、鉄道木見以北の問題も含めまして事業着手するようになると考えておるわけであります。  なお、鉄道につきましては、すでに福南山トンネル着手をいたしております。  それから、陸上部道路の問題でございますが、おかげさまをもちまして、早島インターから下津井瀬戸大橋までの本年度末の用地が四九・八%になる見込みでございまして、すでに用地取得を完了をいたしております地区工事の進展を図りますほか、現在設計協議を進めている地区につきましては、精力的にこれを進めて用地取得に入れるようにいたしたいというような予定で進めているところでございます。
  11. 林保夫

    ○林(保)分科員 もう一点、稗田地区路線発表後の状況はどのように御認識なさっておりますでしょうか。あれを変更して、地元で見ましてもかなり問題が解決したように思いますが、公団側としてどういう点が残っておりますでしょうか。
  12. 山根孟

    山根参考人 稗田地区につきましては、自然条件、技術的な要因、環境条件等を総合的に調査検討いたしまして、五十六年五月三十日に地元の方々に御説明を行ったわけであります。以後、関係地方行政機関等基礎データ等々の検証をいただきまして、昨年の十月以降、稗田ルート関連をいたします福江稗田柳田の三地区に対しまして、現地立入調査了解を得るための現地説明を実施しているというわけであります。  福江地区につきましては、立ち入り了解が得られ、測量土質調査設計がほぼ完了いたしまして、用地買収交渉を行っているという状況でございます。柳田地区につきましては、現在地元協議中でございますが、一部立ち入り了解が得られた地区路線測量を実施いたしております。  したがいまして、現在立ち入り了解の得られてない地区稗田地区及び柳田地区の一部でございますが、すでに御説明申し上げております路線につきまして、特に配慮した事項等につきまして説明を行いまして、御理解を得て立ち入り了解をいただき、用地取得ができるように進めてまいりたい、かように考えております。
  13. 林保夫

    ○林(保)分科員 地元から見ますと、いま御説明のようにまだ問題が完全に解消したわけではございませんが、大筋としてはやらなければならぬという方向に行っておると思います。さらに児島駅周辺の問題、木見駅の問題、いろいろあろうかと思いますが、これはまた建設委員会そのほかでじっくり聞かしていただくことにいたしまして、時間がございませんので、次へ移らせていただきます。  先般、審議会で例の山陽自動車道整備計画に御昇格いただいて、地元としては感謝しているわけでございます。これにつきましてなお障害が残っておると思われますが、どういう点なのか。  またもう一つは、あれで大変私ども残念に思いましたのは、中国横断道がとうとう整備計画に上がらなかった。そうすると、これは一体いつになるのだろうか。この二つの点、時間がございませんので、簡単にひとつ御説明いただきたいと思います。
  14. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 山陽自動車道につきましては、備前−岡山間につきましては、去る一月二十日の審議会におきまして整備計画追加をいたしたわけでございます。岡山から西は、すでに道路公団におきましていろいろ調査あるいは地元立ち入りまして、用地交渉といった段階になっておるわけでございますけれども、残念ながら岡山市の高松地区、それから一宮地区大岩地区におきまして、一部まだ立ち入り了解が得られない地域があるわけでございます。しかしながら、瀬戸大橋の方の工事も、ただいまお話がありましたように着々と進んでおりますので、早島から西の方はそういう点はなくて、比較的順調に進んでおりますが、東の区間がいま申し上げましたような状態でございますので、今後とも地元関係者の御理解と御協力を得るように、公団としても努力をいたしながら入ってまいりたいと考えておるわけでございます。  なお、中国横断自動車道につきましては、今回整備計画追加に当たりまして、臨調答申もございまして残念ながら入れることができなかったわけでございますが、山陽道インター増設ということで岡山西インターと申しましょうか、将来中国横断道の一部にも兼ねて使うことのできる区間でございますが、そのインター増設は先日の整備計画追加をさせていただいたところでございます。
  15. 林保夫

    ○林(保)分科員 西インター位置をちょっと教えていただきたいのと、それから横断道を断念したわけではないんでございましょうね。しっかりやっていただかなければならぬと思いますが、いつごろ審議会にかけて、瀬戸大橋完成六十二年との関連では一体どうなるのか、間に合うのか間に合わないのかという点をお聞きしたいと思います。
  16. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 インター位置は、岡山高松でございます。  なお、横断道岡山落合区間四十六キロメートルは、基本計画はすでに策定をされておるわけでございまして、ただいま中国地方建設局におきまして整備計画策定のための調査を進めております。取りつけ道路関係その他県ともまだ御協議をするものがございまして、その辺は鋭意調査を進めております。
  17. 林保夫

    ○林(保)分科員 審議会が三年後と言われるとすると、六十二年に間に合わぬのじゃないだろうかということで、岡山県は県下挙げて失望した、こういうような状況も一時出たのでございますが、その辺をよく建設省皆さん御存じでございましょうから、これはぜひひとつ早目にやっていただきたい。私、ちょうどその地元でございますだけに、あの線がどこへ行くんだ、かしこへ行くんだということで、会合をやるたびに皆さん大変関心を持っておられます。そして、それがないことには交通がさばけないんじゃないか、こういうことになっておりますので、御要望を厳重にひとつこの機会に申し上げておきたいと思います。どうぞよろしく重ねてお願い申し上げたいと思います。  続きまして、河川の問題でございますが、いろいろと長期計画を立てられまして、まさに明治御一新以来改良に取り組まれたようでございますが、なお岡山県の場合は、なかなか台風が来ない、橋が落ちない、なかなか新しい橋にならぬ、こういうような特殊事情があるからおくれているのだということが県民の間でかなり定着しております。しかし、やはりそれであってはなりませんし、過般も、昨年、津山奥の水害、人命を犠牲にしておりますし、それから、ときには、三年前ですか、やはり中小河川でもなお小田川堤防決壊が寸前だというところまで来まして、みんな行って手で押さえた、こういうような状況もございます。そういった中でここ昨年来、五カ年計画最終年度に当たるからという事情があったのかもしれませんが、大変川の形が変わるぐらいよくやっていただいております。これは認めます。私も先日足守川の下、百間川それから笹ケ瀬川小田川もずっと一遍見てまいりました。これをそのようなペースでこれからもやっていただけるものかどうか。と同時に、この三月末で大体どの辺までいけるのだ、五カ年計画は完遂できたのかどうか、御説明をお願いしたいと思います。
  18. 川本正知

    川本政府委員 ただいま先生お尋ね高梁川足守川あるいは百間川、笹ケ瀬川、こういった河川でございますが、御存じのように高梁川直轄河川でございまして、五十一年の例の十七号台風にかんがみまして、直轄工事につきましては昭和五十六年度改修予算が五億二千万円でございますが、これは全国平均伸びを上回る伸びを確保しておりまして、堤防の補強であるとかあるいは内水排除対策、これは軽部川の排水ポンプ場でございます、これに五十六年度から着手しております。  それから小田川漏水対策、こういったものを重点改修促進をしておるところでございます。小田川につきましては、直轄工事補助改修とがございますけれども、その直轄工事の部分につきましては、いま申し上げた漏水対策、これは五十一年の災害のときに漏水が大変顕著であったということもございまして、最重点でやっておるわけでございますが、宮田橋から下流の左岸堤防というのが昭和五十六年度、今年度末でほぼ概成するというかっこうになっておりまして、さらに促進を進めてまいりたいと思っておりますが、上流のいわゆる補助工事区間、これは中小河川改修事業でやっておるわけでございまして、これにつきましても、直轄工事と同様に五十六年度全国平均伸びを上回る伸びを五十六年度予算で確保しております。三億三千六百万という予算でございます。狭窄部掘削あるいは築堤護岸、そういったものの事業促進しているところでございます。  それから足守川でございますが、足守川昭和三十一年から中小河川改修で進めておりますが、五十六年度予算が四億二千八百万円でございまして、これまた全国平均伸び以上の伸びを確保しております。矢部橋のかけかえとかあるいは掘削築堤護岸等促進しております。支川の砂川も含めまして、引き続き改修促進を図ってまいりたいと思っております。  それから百間川の放水路、これは旭川の直轄工事の中でやっておるわけでございますが、放水路通水というものに最重点で全力をふるってやっておりまして、来年度、五十七年度には、これは放水路計画流量が千二百トンでございますが、そのうちの四分の三に当たります八百トンに対する暫定通水というものを五十七年度末までに図りたい、そう思っております。順調にいまのところ推移しておりますので、その予定で何とかいけるのではないかというふうに思っているところでございます。  それから笹ケ瀬川でございますが、これは足守川の合流いたします本川に当たるわけでございますが、やはり都市河川でございますし、いち早く昭和三十年代に一次改修をしておりまして、現在のところ、当面すぐ改修する計画はございませんけれども河川環境整備事業というのを五十一年から始めておりまして、五十六年度も多少の掘削とかあるいは高水敷をきれいにする、そういった事業を九百万円で実施しておるということでございまして、いまお尋ねのいずれの河川につきましても、現行の五カ年計画の中で十分対応してこられたものと思っております。
  19. 林保夫

    ○林(保)分科員 新五カ年計画ではどういうお考えでしょうか、こういう中小河川に対しましては。
  20. 川本正知

    川本政府委員 第六次の治水事業の五カ年計画は、五十七年度からスタートすることになっておりますけれども、その内容につきましてはまだこれから作業いたしますので、個々の河川について申し上げるわけにはまいりませんが、一般的に、総体的に申し上げますと、いまお話しのような中小河川大変整備がおくれております。今年度末で全国平均整備率というものが、時間雨量五十ミリ対応という暫定目標に対しましてもまだ一八%というような低い水準でございますので、第六次の五カ年計画におきましても中小河川、その中でも特に都市河川重点を置いて進めてまいりたい、そういうふうに思っております。
  21. 林保夫

    ○林(保)分科員 いろいろと御配慮いただいて本当にありがたいわけでございますが、こういう結果をこの三月末で見ますと、よく県の状況、よその県はどうか知りませんが、私どものところあるいはよその県、私もあちこち走り回って生活してまいりましただけに、各県の様子も多少わかっているつもりでございますが、南が厚くて北が薄いという状況がどこの県でもよく言われるわけです。岡山の場合にもそういう例だったわけです。しかし本当に、これは建設省と県の力でございましょうね、山陽縦貫道がばっと北を通ったわけですね、そうしますと、完全雇用の状態が出てきて、Uターン現象まで起きてくる。工場も立地して、すぐに大阪方面から中小企業が出てくるという状況で、道路の威力というのは大きいものだなということを目のあたり見せつけられます。そういたしますと、今度は南北が厚くて真ん中がどんがらになってしまうというような状況が出ております。いまの河川改修も、ちょうど南のところまで来て、これからそのあいているところへどう持ってくるかという大事な時期にありますだけに、私もあえて来年からの五カ年計画をどうされるかということを聞いたわけでございます。これは河川ばかりじゃございません。道路の問題もあるし、いろいろな問題もございまして、県自体もそのことで大変いま考えておる、こういうことでございます。  なおいろいろとお聞きしたい点もございますが、時間がもう参りましたので、大臣、最後に一言。地方を見れば見るだけに、大臣は大所高所から各県の様子を見ておられますので、どこが何番目でどこがどのくらいの水準だということはおわかりだろうと思います。地元へ行くとまだそういう問題がございます。そこらをどのようにしてきっちりやるかということも、逆に言いますと私どもが主張しております行革、このことによってお金をどこからか生み出してそういうところをやろうということでございますので、大臣のせっかくのこれからの御健闘を御期待申し上げると同時に、大臣にそういったような意味での御決意を一言だけ承りまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
  22. 始関伊平

    始関国務大臣 ただいま林委員から、地元でございます岡山県の立場を中心に、道路整備河川改修等について熱心なお話を伺わしていただきました。  建設行政の対象になります地域は国土の全般でございますので、ただいま御指摘のように、どの地域にどういうウエートを置くかというようなことは一つの大きな問題であろうと思います。過疎地帯におきましては、やはり過疎の解消のために道路整備等が急がれますし、また、だんだん過密化の進んでおるところにはそれ相応の都市整備対策が必要になる。それは大変むずかしいのでございますが、ただいまお話しの趣旨を十分に考慮しまして、全国的につり合いのとれた発展を図ってまいりたいと思います。  ただ、御承知のとおり、ゼロシーリングでございますから、去年並みなら普通でございますし、ちょっとでもよくなれば大変当局側に誠意があると御理解をいただきたいと思います。
  23. 林保夫

    ○林(保)分科員 ありがとうございました。御期待申し上げまして終わらしていただきます。
  24. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 これにて林保夫君の質疑は終了いたしました。  次に、林百郎君。
  25. 林百郎

    ○林(百)分科員 最初に、大臣にお聞きしますが、昨年の七月十日に「昭和五十六年度中小企業者に関する国等の契約の方針」、こういう閣議決定があったわけです。昨年の七月ですから、大臣御存じかどうか、念のために読みますとこうなっているのです。「国は、昭和五十六年度における中小企業者に関する国等の契約の方針を次のとおり定め、国等の契約の締結に当たり、予算の適正な使用に留意しつつ、中小企業者の受注の機会の増大に努めるとともに、国等の調達する物品等(工事及び役務を含む。以下同じ。)の受注を確保しようとする中小企業者の自主的な努力を助長するよう配慮するものとする。また国は、地方公共団体に対し、国等の方針を参考として中小企業者の受注機会の増大のための措置を講ずるよう要請する。」これに対して、大臣の所管の建設関係に対しては、「中小建設業者に対する配慮」というのがありまして、「国等は、上記に掲げるもののほか、中小建設業者を取り巻く現下の諸情勢にかんがみ、特に公共建築工事に関する中小建築業者の受注機会の増大など、中小建設業者に対し特段の配慮を払い、その受注機会の増大に努めるものとする。」こういう閣議決定があったわけですが、これはその後どういうように実行されておりますか。
  26. 丸山良仁

    ○丸山政府委員 数字の問題でございますから私から御答弁申し上げます。  いま先生がお挙げになったとおりでございまして、建設省といたしましては、この閣議決定に基づきまして、本年度の中小企業に対する発注目標を、直轄工事につきましては四五・二%、それから公団事業につきましては二一・五%、合計で二九・六%というふうに定めまして、この目標を達成するために、たとえば土木の一般工事でございますと、AランクからEランクまでの事業の規模に応じまして業者を分類いたしまして、なるべく中小企業に発注するようにする、あるいは工事につきましては分割をいたしましてなるべく中小企業に発注するようにいたす、あるいはジョイントベンチャーを組んでもらって、中小企業でありましても比較的大きな工事がとれるようにするとかいうような措置を講じておりまして、現在のところ大体この目標が達成できるのではないかと考えております。  なお、いま申し上げた数字は低過ぎるではないかという御批判を賜るかとも存じますけれども建設省工事は大型工事が多いわけでございまして、なかなか中小企業対策が困難である。しかし、われわれはできるだけの努力は払っておるわけでございます。  なお、一般的に申しますと、県工事につきましては閣議決定外の問題でございますけれども、われわれの統計によりますと、都道府県の工事は大体三分の二以上が地元業者ないし中小企業に発注されておる、こういう形になっておりまして、建設工事全体で見ますと、これは五十五年度の統計でございますが、五四・五%が中小企業に発注されておる、そういう状況でございます。
  27. 林百郎

    ○林(百)分科員 それではしぼって聞きましょう。  住宅都市整公団が発注した事業で、五十四年、五十五年で、当該事業を行う府県に発注したパーセントと、中央の業者に直接発注したパーセントとはどうなっていますか。そのうちの関東支社からの分、余り広くてもなんですから、関東支社でちょっと聞かせ七ください。
  28. 田辺昇学

    ○田辺参考人 ただいま先生御質問の支社についての資料をいまちょっと持ち合わせておりませんが、公団全体についての資料がございますが、それでよろしゅうございましょうか。(林(百)分科員「なければ仕方がない」と呼ぶ)  昭和五十五年度と五十六年度でございますが、五十五年度の場合は、公団全体の事業のうち、中小企業に対しまして……
  29. 林百郎

    ○林(百)分科員 いや、当該県とだよ。私の質問をよく聞いてくださいよ。いいですか。  公団が発注した事業のうちで、当該事業をやる県ですね、あるいは都道府県でも結構です。県と、それから中央から業者を指名してそれに入札させている、そういう事業量のパーセントですね、その契約のパーセントはどうなっているかということを聞いているのですよ。要するに、地元へなるべく仕事をおろせということが閣議の重要な方針ですからね。
  30. 田辺昇学

    ○田辺参考人 それでは一例で申し上げますが、関東支社の五十四年度、五十五年度の造園工事の場合で申し上げますと、率と申すのがちょっと問題なんでございますが、五十四年度、五十五年度には百十五件ほど発注しておりまして、御趣旨の、全体についての率、ただいまちょっと持ち合わせておりません点につきましては後ほどお答え申し上げたいと思います。
  31. 林百郎

    ○林(百)分科員 いいですか。私の方へは資料をあなたの方で出しているのですよ。関東支社の契約した契約金額で三千万円以上の造園工事について見ると、五十四年、五十五年の二年間で、県外の業者との契約は七〇%、地元業者には一二%という数字が出ているのですよ。これは、公共建築工事等については、中小建設業者に対し特段の配慮をしろという閣議の方針に全く反するようなパーセントが出てきているのですが、そういうところから、公団と中央の業者との癒着というような疑惑が地元では出てくるわけなんですよ。資格のある業者が地元にいるのに、どうして東京からどんどこ来るのだろうということで。  このパーセントは違うのですか、違わないのですか。あなたの方からもらった資料にこう出ているのですよ、県外が七〇%、地元は一二%と。
  32. 田辺昇学

    ○田辺参考人 ただいま先生のおっしゃっておりますのは、関東支社から発注いたしました五十四年度、五十五年度の百十五件の件数についての内訳のうち、パーセントとおっしゃっておりますのは……
  33. 林百郎

    ○林(百)分科員 三千万円以上の仕事で、当該県と県外のそのパーセントは幾らだと聞いているのですよ。
  34. 田辺昇学

    ○田辺参考人 それでは、百十五件を五十四年度と五十五年度に発注しておりまして、東京都の場合について申し上げますと、東京都の業者がそのうち六十六件受注しておる、それから神奈川県の業者が二十四件受注しておりまして、埼玉県八件、静岡県四件、長野県ゼロ、その他十三というような数字なんでございますが、ただいまお話しの県外七〇%ということについては、関東支社の場合ですと、東京並びに近県ということになりますので、その辺の数字のことをおっしゃっているんだと思いますが。
  35. 林百郎

    ○林(百)分科員 長野県がゼロだって言うからこっちはかちんとくるわけですよ。  それで、その問題について質問したいのですが、たとえば長野県の岡谷市というところで約三十三億の地区公園事業を入札したのですが、県外の業者は七名、それから県内の業者は三名を指名しまして、それで入札して、結局東京の千代田区丸の内に本社のある箱根植木というところが落としたのですけれども、この県外を七社、県内を三社指名した基準というのは何があるんですか。
  36. 田辺昇学

    ○田辺参考人 岡谷の場合は、公園整備いたしますのに造園建設業が工種として適応するということと、発注の規模に対応いたしまして業者の選定を行ったわけでございますが、岡谷市にはたまたま造園建設業で登録している適格な業者がおりませんでしたので、私どもといたしましては、長野県内の業者を三社、それから隣接しております愛知県から二社、山梨県から一社、さらに東京都から三社、その他一社で、十社をもって指名いたしまして入札いたしましたところ、東京の箱根植木が落札したというような経緯でございます。
  37. 林百郎

    ○林(百)分科員 あなたはその箱根植木の本社って知っていますか。これは写真をお見せしますが、東京駅の八重洲口の地下の植木を売っている店ですよ。これが本社ですよ。ちょっと見てください。こんなところへ三十三億もある仕事を指名していいのですか。知っているのですか、あなた。
  38. 田辺昇学

    ○田辺参考人 箱根植木につきましては、造園建設業の年間完工高と申しますか、そういうような点でまいりますれば、全国で三十社以内の実績を持つ造園建設業でございまして、本社の位置は私存じませんが、完工高その他の過去の実績においては造園建設業の中では力のある部類に属しております。
  39. 林百郎

    ○林(百)分科員 しかし、そんな植木を売っている店員しかいない店で、それが本社で、それで何十億という仕事をどうやって受注するのですか。だから地元では、公団はもう仕事を発注するときからどこの業者にするんだと言って肩をたたいているんだ。だから地元なんか入れないんだ。  あなたの方の方針、また、閣議の方針を見ますと、そういう場合には共同事業体等をつくってやるとか、いろいろな方法があるわけでしょう。だから、長野県から三つ指名に入れたというならば、それに共同事業体でもつくらしてそれに発注する。とにかく、三十三億といいますけれども、そのうちの十五、六億は岡谷市が市の起債でやるのです。国が全部出すわけじゃないのですから、地元の自治体としては大変な負担になるわけですよ。それを、東京に本社があって、しかも丸の内の植木屋か何かに本社のあるような、その写真を見てください。そんなところへ発注して、そこへ金を持ってきて、税金も東京へ納めたんじゃ、それは地元は何の利益もないわけなんですよ。だから市議会でも非常に問題になって、これは重大だ、公団と業者との間に癒着があるんじゃないかということが言われているわけなんです。(「談合だ」と呼ぶ者あり)自民党の方が談合と言っているから間違いないと思いますけれども公団と業者が談合してしまったんじゃどうにもしようがないので、長野県の三社なら三社に共同事業体をつくらせるとか、そういう指導をして、そして、指名をするにしても県外を七つ、県内を三つということでなくて、県内の業者を指名してそれに入札をさして、それを中央が指導していくということが、この閣議の方針を実践することになるんじゃないですか。どうして七社は県外で三社が県内で、それも刺身のつまみたいで、実際はもう外されているというようなことになるのですか。しかも、その造園事業の半分以上は当該市が起債で借金してやる事業ですからね。そういうことをあなた方考えないですかね。
  40. 田辺昇学

    ○田辺参考人 お答え申し上げますが、公園工事、ただいま先生三十億とおっしゃっていらっしゃいますのは、五十五年から六十一年ぐらいまでかけての市の全体計画でございます。今回公団が受託いたしましたのは、五十六年度事業に限ってとりあえず受託契約を結んだものでございまして、発注をいたしましたのも三十億ではなくて、当面の工事についての発注でございます。  私どもが公園をつくります場合、造園建設業、それから土木、建築、電気設備、あらゆるものが整備にかかわってまいるわけでございますが、今回の場合は、園路、広場、テニスコートというような純粋造園工事でございまして、工種としては建設業法に定めます造園業として発注するということが適当であると考えたわけでございます。その場合、登録されております業者を指名するということでございまして、長野県並びに住宅公団、それから岡谷市、委託者並びに私ども関係のありますところに登録しております業者の中から、発注規模に見合う業者の選定を行ったわけでございます。その場合、先ほど申しましたように、岡谷市には現実に造園建設業として登録されておる適格な業者がいないということがまずございまして、県内からまず優先的に適当な業者を選びました。その際に三社となったわけでございまして、私どもの発注規模からまいりますと、億を超える事業でございますので十社程度選びたい、発注機会の問題と適正な競争という観点でございます。十社選びますのに……(林(百)分科員「簡単にやってくださいよ。登録している業者に指名したぐらいのことはもうわかっている」と呼ぶ)そういうわけで、今回の場合は地元には土木業はおられるわけでございますけれども、造園工事として発注する工種でございましたので、土木の方々のジョイントということは今回適当でないというように考えたわけでございます。
  41. 林百郎

    ○林(百)分科員 約三十三億の地区公園をつくるというが、一体この箱根植木というのは、商業登記簿上資本金は幾らですか。
  42. 田辺昇学

    ○田辺参考人 二千万円でございます。
  43. 林百郎

    ○林(百)分科員 それじゃ、長野県で指名した三つの業者の資本金は幾らですか。
  44. 田辺昇学

    ○田辺参考人 ただいまその資料を持ってまいっておりませんので、ちょっとお答えできません。
  45. 林百郎

    ○林(百)分科員 私、具体的な名前をなるべく出したくないのですが、たとえば一例を挙げますと、吉川建設という、ここは資本金三億ですね。だから、地元には資本金三億という億単位のそういう登録した業者があるのに、何で東京から資本金二千万円で、しかも植木の売店が本社のに指名するか。これは地元の市議会でも非常に疑惑を持っているのですよ。それで市当局も、いやもう公団は、発注するときに業者の肩をたたいて今度はおまえだよと、これは談合と言えば談合だが、自民党の議員さんからそういう言葉が出ていますから。注文を出すときからもうあなた方は談合をしているんじゃないですか。そうでなかったら何も、地元に三億だとか四億というような資本を持っている、造園の登録をしている業者があって協会をつくっているのに、わざわざ東京から選んで二千万の会社に指名しなくてもいいじゃないですか。しかも、幾度か言うようですけれども、その造園事業の費用の半分は当該の岡谷市が起債で苦労してつくっている金ですよ。しかも閣議では、なるべく地元の中小企業の方へ援助をするようんしろと、ここにこういう方法もあるというような内容もあります。五十一年の建設大臣官房長公団などにあてた通達では、分割発注の推進、共同請負制度の活用、事業協同組合等の活用を強調して、そして、中小建設業者に対し特段の配慮を払い、その受注機会の増大に努めろと、こう書いてあるのですよ。だから、もし長野県の登録業者が大きな仕事をするのに、まだ技術的に一つだけでは心配だというなら、事業協同組合をつくるというような、そういう助言を公団がしたっていいじゃないですか、行政指導を。閣議の方針が出ているのですから。どうしてそういう指導をしないのですか。
  46. 田辺昇学

    ○田辺参考人 ただいま先生の御指摘の吉川建設につきましては、指名に入れて今回入札に参加してもらったわけでございまして、その他二社も含めておるわけでございます。  今回、共同企業体の問題につきましては、造園建設業の場合でございますが、数多くそろっているということがございませんと、十社の競争ということになれば、二社のジョイントとなりますと二十社要るわけでございまして、やはり県内にそれだけの業者が育っていない段階では、地区外から広域的な実績を持つ業者を指名せざるを得ないというように私ども考えております。
  47. 林百郎

    ○林(百)分科員 長野県内にだって登録している業者が十社ぐらいあるでしょう。だから、そういう長野県の仕事に対しては、できるだけ長野県の業者を指名して、そして入札をさせる。そうでなければさっき言ったように県外が七〇%、県内が一二%、こんな数字が出てきちゃうわけです。  それで、指名入札の点についてもちょっとおかしいですね。あなたの方の公団の会計規程の七十三条を見ますと、「契約担当役は、売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合には、一般競争に付するものとする。」こういうようにあるわけですよ。御存じでしょう。ところが、これが今度会計事務細則の方の三百三十条にいくと、「工事の請負契約を締結するときは、原則として指名競争契約による」、要するに、会計事務細則の上にある会計規程では一般入札が原則だとあるのに、今度会計事務細則でいくと、指名競争にすべきものとするとある。これじゃ法律が二つあって、二つとも矛盾しているじゃないですか。これはどういうことなんですか。
  48. 田辺昇学

    ○田辺参考人 公団工事全体の性質にかんがみまして、当初から指名競争入札を原則として進めているものでございます。
  49. 林百郎

    ○林(百)分科員 何かよくわからないですね。公団の会計規程と会計事務細則とが、一方は一般入札だ、一方は指名入札が原則だ、同じ公団の会計規程と事務細則との間に矛盾した規定がどうしてつくられているのか、簡単でいいですから、もう時間がありませんから、一言答えてください。おかしいじゃないですか。それで、しかもあなたの方に私ども指名入札をした基準はどういう基準なんだと聞いたって、あなたの方じゃ指名業者になる納得する基準を説明しないのですよ。全くあなたの方の一方的な認定で指名業者を決めてくるわけですね。それじゃ、もう時間がないからいいです。  大臣お尋ねしますが、大臣はちっとも答弁しなくてそこにおいでになりますけれども、これはまだ続くのです、いまの造園事業というのは三十三億もありますからね。だから、五十六年度の入札のことを言ったのですが、五十七年度からは、やっぱり可能な限り地元の造園業者を指名をするように行政指導する、まあいろいろの条件があると思いますが、さらに、地元中の地元で、当該市の業者でできる仕事があれば、その仕事を地元業者の方へおろしてやる、そしてこの閣議決定の、中小企業の受注を確保するように十分の努力をしろという趣旨を生かすようにしてもらいたいと思うのです。大臣、そういう約束できますか。それはいろいろの条件がありますから、ここで簡単に私の言うとおりにしますとは言えないかもしれませんけれども、そういう精神を生かしていってもらいたいというように思うのです。
  50. 始関伊平

    始関国務大臣 公共事業の発注に当たりまして、中小の建設業者に受注の機会を多くしろという閣議決定がございますし、また、それぞれの地方に参りますと地元の業者を優先的に使えという意見が非常に強いということは、私もよく承知をいたしております、具体的な問題につきましてコメントするだけの用意がございませんが、その趣旨は極力尊重すべきものと存じております。  なおまた、指名の基準がはっきりしないというような御指摘でございますが、この点も事実関係をよく調査いたしまして、そうでなければはっきりするように指導いたしてまいりたい、かように存じております。
  51. 林百郎

    ○林(百)分科員 それでは参考までに、私が質問したのは、実は、ここにありますように「地元業者の参加ゼロ」「議会側から不満続出」、これは地元の新聞ですが、「地元業者が入札指名もれ 議会建設委協で不満続出」、これはさっき言ったように登録の業者があるかないかといった問題もありますが、しかし長野県にも登録業者があるわけなんですから。しかも「四千八百万円の落札差額」でやっているというようなことで、こういうように新聞にありますものですから、ちょっと大臣、参考にこれを見てください。当該事業をやる自治体の議会では大問題になっております。しかも市当局では、いや、もうあれは林さん、公園をつくるときから公団の方が業者の肩をたたいているんですから、いま議会で問題になっている談合というものじゃないでしょうかなんて、これはそれ以上言うと市の職員の責任の問題になりますが、そういう疑惑を持たれているのですよ。だから、長野県にだって業者があるんだから、それに対して共同事業請負制でやるようにしろという指導もできますし、それから指名入札するにしても長野県の業者だって十社以上あるんですから、それを指名してその間の入札にする。さっき言ったように、当該地元に造園の登録の業者がないにしても、この仕事は、テニスコートをつくるとか道路をつくるとかで、何もそんな造園の資格がなくてもできるような仕事なんですよ。これは御存じでしょう。敷地の造成、園の道、遊戯施設、テニスコート、駐車場、便所、更衣棟で、便所や駐車場をつくるのに何も東京から造園業者が来なくたって、地元でできますよ。こういうものはどんどん地元へおろすようにする、そういうことを十分考えてくださらないと、共産党は五〇%は地元の業者、中小企業へおろせというように政策としてやっていますが……(「そのとおりだ、遠慮するな、一〇〇%にしろ」と呼ぶ者あり)そうですが、共産党よりなお積極的な意見もありますけれども、そういう点で、さらに来年度の契約から努力していきます、それを一言言っていただいて、それで私の質問を終わります。
  52. 始関伊平

    始関国務大臣 ただいま御指摘になりました点は、住宅都市整公団の方に十分に注意を促したいと思います。
  53. 林百郎

    ○林(百)分科員 終わります。
  54. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 これにて林君の質疑は終了いたしました。  次に、栂野泰二君。
  55. 栂野泰二

    栂野分科員 私は、中海と宍道湖の干拓淡水化問題でお尋ねします。  私は島根出身でございますが、斐伊川という一級河川がございまして、それが宍道湖に注いでいます。そして宍道湖から大橋川という川を伝わって中海になって、中海から境水道を経て日本海に注ぐ、こういうことになっております。中海が全国第五位、宍道湖が全国第六位の湖でございますが、御承知のように中海の三分の一ぐらい、二千五百ヘクタールを干拓して農用地にしよう、あわせて中海、宍道湖を全部閉鎖して淡水化しようという事業が農水省で進んでいるわけでありまして、いま農水省はこの淡水化をなるべく早く開始したいと言っているわけであります。  そこで、中海、宍道湖は斐伊川水系ということで管理者は建設省でございますから、その両湖の管理者である建設省に御質問しますが、いま農水省は、この淡水化で湖はむしろきれいになる、少なくとも現在よりも汚濁が進まないという見解をとっておりますが、建設省は一体この点をどうお考えになっておりましょうか。
  56. 川本正知

    川本政府委員 ただいま先生お話しの中海の干拓事業に伴います淡水化によりまして、将来水質が変化するわけでございますが、いまお話しのように、改善されるであろうという説と、あるいは逆に厳しくなるであろうという説があることも聞いております。建設省といたしましては、それぞれの学説を踏まえまして、現在農林水産省が中海・宍道湖淡水化に伴う水管理及び生態変化に関する研究委員会というものを設置されて、その研究調査を進められておりますので、その報告を待って検討しまして、事業者であります農水省と協議して対処してまいりたい、そういうふうに思っております。
  57. 栂野泰二

    栂野分科員 建設省としては、どちらとも結論をまだ出していないということでございましょうが、まかり間違って、締め切ってしまって汚濁が進んだということになりますと、これは大変なことになるわけです。御存じのように岡山児島湖の例あり、霞ケ浦、八郎潟、みんな淡水化して大変な汚濁が進んでいる。原因は淡水化だけかどうかはともかくとして、結果としてそうなっておるわけでありますが、まだその点の解明が進まないうちに、少なくとも五十七年度中くらいには淡水化の試行を開始したい、こういう希望を農水省は持っておられる。  私、先ほどこの問題で農水省へ質問をいたしましたら、強いて五十七年度にはこだわらないという趣旨の御答弁のようでございますが、淡水化の試行ということです。これは文字どおり淡水化で、ただ時間的に多少テンポを落としながら淡水化するということであって、何も試行などというややこしい言い方をする必要はないと私は思っているのでありますが、この点、建設省はどういうお考えを持っておられますか。淡水化試行と淡水化とどこが違いますかな。
  58. 川本正知

    川本政府委員 淡水化の試行と農林水産省の方で考えておられますのは、やはりその名のとおり試行でございまして、淡水化を本格的に永久的にやろうということではなかろうと思います。そういった意味で、農林水産省の方が試行をしたいというふうに考えておられるようでございますけれども、これにつきましては、まだ内容について協議を受けておりません。その淡水化の試行の工程とか淡水化に伴います水質の予測等、そういったことで今後協議を受けることになりますので、その時点で十分検討して対処してまいりたい、そう考えております。
  59. 栂野泰二

    栂野分科員 少なくとも、いま農水省が考えている淡水化試行というのは、中海の塩分濃度が平均一万二〇〇〇PPmくらいでしょうか、それを三年をかけて二〇〇〇PPmくらいに落とす。それが終わったら今度は本格的淡水化で、一年くらいかけて二〇〇PPmに落とすというのですから、試行の段階で、あらかた淡水化することになるのですよ。  そこで、淡水化に当たって、河川管理者である建設省の許可が必要だと思いますが、時間も余りありませんから、淡水化に当たってはどういう許可が必要なのか。それから、いま農水省が言っているような淡水化の試行に当たって、どういう許可が必要なのか、御説明ください。
  60. 川本正知

    川本政府委員 淡水化に当たって、聞いておりますところでは、水門を操作して淡水化行為を行うということのようでございまして、河川水の貯留によって淡水化を図るという行為でございますので、これは河川法第二十三条にいわゆる流水の占用という行為がございますが、そういった行為に含まれますので、同条の規定に基づいての建設大臣の許可が必要になろうかと思います。  それから、淡水化の試行についての手続でございますが、試行に伴い必要となる河川法上の手続の範囲等につきましては、この試行の内容とか程度によりまして異なってくるものとは考えられますけれども、相当長期間にわたり水門の操作を行うことによって湖水を淡水化し、またこれを貯留するものである、そういった場合には、試行といえども、ただいま申し上げた二十三条の許可等の手続を要するものと考えております。
  61. 栂野泰二

    栂野分科員 ですから、私いま申し上げました、三年間かけて塩分濃度一万二〇〇〇PPmを二〇〇〇PPmに落とすという、この程度の淡水化の試行だとしたら、事前に二十三条の許可が要りますか。
  62. 川本正知

    川本政府委員 いまお話しのように、三年間もかけてということでありますれば、やはり二十三条の許可は要るものと考えております。
  63. 栂野泰二

    栂野分科員 いま農水省は、干拓地と両湖の周辺の農地の農業用水で八千万トン必要だ、こう言っておりますが、この八千万トンについて建設省との間に、本当に八千万トン要るのかどうか、四十四年の当初計画では四千二百万トンだったですね、詰められておりますか。
  64. 川本正知

    川本政府委員 いまお話しの八千万トン、水が必要だ、農業用水に使うというお話でございますけれども、ここにパンフレット、中国四国農政局において作成されたものがございますけれども、私ども、この範囲しかわかっていないわけでございますが、これにはそういったことは書いてございませんで、有効貯水量が約八千万トンだというふうに載っております。そういったことでの八千万トンという数字は承知しておりますが、その算出の根拠であるとか必要性等についての詳細な説明はまだ受けておりません。
  65. 栂野泰二

    栂野分科員 私がいただいた農水省からの資料ですと、この八千万トンについて、たとえば弓ケ浜半島一千百万トン、斐伊川左岸一千百万トン、斐伊川右岸二千三百万トンというふうになっていて八千万トンになっているのですね。ですから、まだ建設省とは言ってみれば全くこれは詰められていない、こう見なきゃなりませんが、一体この宍道湖、中海の水量は八億八千万トンぐらいと言われていますね。だからその十分の一に当たる。農水省の言うとおり八千万トンとしましても、農水省が必要なのは十分の一なんですね。そのために宍道湖、中海の全水量を淡水化するということになるわけですから、これは管理者である建設省としては重大問題ですな、全部が淡水化されてしまうわけですから。そこで、一体これは少なくとも淡水化の試行を許可するかどうかの段階までには、よほどこれは詰めた話をしておかなきゃいかぬと思いますが、いかがでしょう。
  66. 川本正知

    川本政府委員 ただいまの用水量の問題につきましては、先ほど申し上げたように、まだ全然説明も受けておりませんし、今後協議を受けることになろうかと思います。  淡水化の試行につきましては、これは農水省が中海の干拓事業の一環として実施されるものでございますから、こういった淡水化の試行によって、先生御心配になるような水質の悪化等の影響が出ないように、河川法に基づいて私ども協議に応じてまいりたい、そう思っておるところでございます。
  67. 栂野泰二

    栂野分科員 いま建設省は中海の米子湾周辺のヘドロのしゅんせつ作業を始めておられます。これが終われば大橋川の河口付近のヘドロのしゅんせつ作業が行われる、こういうことでございますが、簡単でいいですから、このヘドロしゅんせつ作業の現況と予定説明してください。
  68. 川本正知

    川本政府委員 ヘドロしゅんせつ作業でございますが、中海には、米子湾あるいはいまお話しの大橋川の河口を中心にいたしまして、ヘドロが相当堆積しておりまして、その除去が求められておるところでございます。私どもといたしましては、昭和五十二年度から直轄の河川環境整備事業というものを着手いたしまして、その第一期の計画として、まず米子湾内のヘドロのしゅんせつということで約四十万立方メートルのしゅんせつ事業着手しております。  現在は、しゅんせつしましたヘドロを捨てる場所がございませんので、その捨て場を確保するために、河岸に護岸をつくりまして捨て場にしようというための護岸を施工中でございまして、今後この護岸工事の進捗を見ながら早期にしゅんせつを開始したい、五十八年度ぐらいからは開始したいとは思っておりますが、いま申し上げた第一期計画につきましては、今後の五カ年計画の中で、まあ何とか概成ぐらいまでこぎつけたい、そういうふうに思っております。  なお、大橋川の河口付近の事業化につきましては、その後、順次検討してまいるということにしております。
  69. 栂野泰二

    栂野分科員 それから、この中海、宍道湖の流域の下水道整備事業が大変おくれているわけですが、この進捗状況を簡単に御説明願います。
  70. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 宍道湖の流域下水道につきましては、東部処理区と西部処理区がございますが、東部処理区につきましては五十五年度末に一部供用開始しております。五十六年度末では計画処理人口の約四%の進捗となる見込みでございます。西部処理区につきましては、五十五年度から事業着手したところでございます。  なお、五次の五カ年計画におきましては、東部処理区では計画処理人口の二五%を見込んでおりますが、西部処理区の供用は五次五カ年の範囲内ではできないということになる見込みでございます。
  71. 栂野泰二

    栂野分科員 いま全国的に見れば、第五次の下水道整備五カ年計画で、三〇%から計画の終了時には四四%にいこう、こういうことですね。中海、宍道湖周辺は、この第五次五カ年計画の終了時点では何%になりますか。
  72. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 宍道湖流域下水道の東部で、大体五カ年が終わりまして二五%ぐらいでございまして、西部ではまだ処理場の供用が開始するに至りませんのでゼロでございます。したがいまして、県全体に直しますと七%という数字になります。
  73. 栂野泰二

    栂野分科員 いずれにしても、全国的には最もおくれたところと見なきゃなりません。そういうことで、この淡水化をしたらきれいになるのか汚濁が進むのか。この点は、この流域から入り込んでくる汚水とは一応別に理論的な問題もこれありですけれども、しかし少なくとも、とにかく流域からどんどん汚水が入り込むという状態をまず防がなきゃいかぬわけですが、それがこういう状態でございます。  先ほどから繰り返しますように、とにかく農水省が必要なのはせいぜい八千万トンですからね。ところが全体八億八千万トンを淡水化しようというのですから、これは単に農水省の問題というわけにいかないですね。ですから、いまおっしゃるように、この淡水化ないしは淡水化の試行であっても、建設省河川法二十三条による許可が必要だ、こういうお話ですが、この淡水化によって生ずる事態について、私は最終的には建設省が責任を負うべきものだと思っていますが、いかがですか。
  74. 川本正知

    川本政府委員 先ほど来申し上げておりますように、淡水化に伴う事業というものは中海の干拓事業の一環でございますから、河川管理者という立場から、私どもはこの事業によって水質の悪化等の重大な障害が発生しないような観点から、河川法に基づく協議に当たって十分検討して指導してまいりたい、そう思っておるわけでございます。  仮に、淡水化によって重大な障害が発生した場合には、このような障害を除去するために必要な措置をとるように、事業者である農林水産省に対して河川管理者として指導してまいりたい、そう思っておるわけでございます。
  75. 栂野泰二

    栂野分科員 中浦水門の管理は、いま農水省がやっておるわけですが、これは将来とも農水省の管理が続くのですか。それとも、いずれかの時点で建設省に移るのでしょうか。
  76. 川本正知

    川本政府委員 中浦水門につきましては、洪水被害の防止等の観点から、河川管理者として兼用工作物として管理する必要があるかどうかということをいま検討中でございまして、まだ結論を出しておりません。事業者でございます農林水産大臣河川法の許可工作物として管理する場合におきましても、河川管理者といたしましては、ゲート等の操作管理につきまして、平生の場合あるいは洪水の場合とも河川管理に支障のないような適切な管理規程を定めて適切に操作されるように指導してまいりたいと思っております。
  77. 栂野泰二

    栂野分科員 建設省は淡水化に当たって農水省の方に、いま建設省として、ここと、ここと、この辺がまだ問題だというふうなことで、その辺を解明しろと言うのでしょうか。そういうことを文書で申し入れておられますか。それとも文書がないとすると、口頭ででも何点か指摘されたという事実はございますか。
  78. 川本正知

    川本政府委員 いまの淡水化につきましては、現地建設省工事事務所がございますが、その工事事務所におきまして、農林水産省の出先の方から、事前の予備的な説明程度を受けた段階でございまして、そういった段階でございますので適宜、口頭で意見を申し上げておるような段階でございます。その内容といたしましては、淡水化に伴う水質の浄化あるいは汚濁というものの機構の変化がどうなるかというふうなことの意見を述べておりますけれども、これはまだまだこれから十分内容を詰めて意見交換をしていかなければならない、そういうふうに思っております。
  79. 栂野泰二

    栂野分科員 汚濁の問題もまだまだ調査研究不足で、とても淡水化に踏み切るという状況ではありません。しかも、この干拓地は御承知のように、もともと水田づくりということで始めたわけですね。ところが、もうすでに二十年近くたちますから、状況は一変しております。いまもう水田はできない。そこで農用地として引き続き使用するということで一体何をやったらいいのか。現時点では農水省は、酪農中心で野菜、花卉、こういうことになっておりますが、言ってみれば試行錯誤の段階で、完全に干拓が終わってから考えましょうということなんですね。しかも、これはでき上がったら農家に分譲するわけです。いま十アール当たりが百三十八万円、さっき農水省はそういう御説明でしたが、十町歩単位で酪農に分譲するというのです。一億三千八百万円です。そんなものをいま農家が買って、じゃ酪農をやろうなんていう者はだれもいません。ですから、周辺の農家も計画当初は非常に期待があったのですが、全然いま関心を示さないのです。何をやっていいかわからない。しかも、やるにしたって、とてもじゃないが採算のとれるような農業経営は考えられませんからね。これはとにかく二十年前の話ですから、二十年前には、そういうことで水田づくりというものも意味があったのでしょう。農家の期待もあったのです。そこで、この中海の三分の一を埋め立てるということを建設省が承認なさったわけですね。いま、まだ農業用水も一体八千万トン要るんだかどうだかさっぱりわからぬとおっしゃっている。三分の一も埋め立てるということは大問題ですよ。  そこで私は、どうもこれを見ますと、農水省はどんどん事業をやっているのだから、建設省は言ってみればチェック機能で、許可するかしないかすればいいのだ、こういう受け身の姿勢をとっておられるような気が、率直に言ってするのですよ。しかし、あくまでも二つの湖の管理者は建設省なんですよ。本当に現時点で考えて、こんな埋め立てをする必要が一体どこにあるのか。そうして十倍もの水を淡水化するという、生態系が全然変わってしまいますよ。しかも汚濁が進むかもわからないという、これだけの大問題を、いまお話を聞いても、建設省としては自分で積極的に、これは大変な問題だ、何とかもう少し取り組み方を強めなければいかぬという姿勢が私にはほとんど見られないのです。私は、これは最終的には建設省が責任を負っていただかなければならぬ問題だと思っているのです。農水省はもう二十年来事業を始めておられますから、なかなか行きがかりもあり、メンツもあるということはわかります。しかし、ここでは捨ててもらって、この時点でもう一回どうするか真剣に考えてもらわぬといかぬと思いますよ。これは七百五十億の国家的プロジェクトですよ。もう六〇%以上進んでいますが、行財政改革の観点からも問題になりつつあるのです、むだじゃないかという形で。本当にこれを有効に使っていくのならば、ここのところでもう一回再検討が必要ですね。  そこで、先ほど私は農水大臣にも御意見を伺ったのですが、水質汚濁の問題については環境庁がかかわってこなければいけません。そこで、いま農水省が淡水化あるいは水門操作について建設省に許可を求めてくるだろう、その時点でどうするか考えようというのではなくて、一歩前に出まして、管理者である建設省がイニシアチブをとって、農水省それから環境庁、境水道が入りますから運輸省も関係が出てくると思いますが、そういう関係省を一回集めて、しかも出先に任すのじゃなくて、大臣レベルで一回、これを進めるべきか引くべきか、進めるとしてもどうすべきか、私は根本的に検討を進めていただきたいと思う。農水大臣は、いまは事務レベルでやっておるけれども、その時期が来れば、そういう大臣レベルでの協議もいたしましょう、こういうことでしたが、いまの全体的立場を考えますと、建設大臣、これは呼びかけるのは建設省以外にないと私は思っている。ひとつそういうことをやっていただけませんか。農水大臣は時期が来ればと言われますが、時期はいまなんですよ、これは切迫しているのですよ。いかがでしょうか。
  80. 始関伊平

    始関国務大臣 先ほど来、栂野委員から中の海の干拓事業関連いたしまして問題点についていろいろ御指摘がございました。いまどき干拓をやって、後でき上がった土地を何に使うか、採算が合うかというような問題も含めまして重要な点について御指摘があったわけでございます。それについて当方の両局長からいろいろお答えを申し上げたのでございますが、もう申し上げるまでもございませんが、建設省河川管理者という立場がございますので、ただいま御指摘のように環境庁その他とも御相談いたしまして協議を進めながら、この問題について十分に検討して対処してまいりたいというのが当方の立場でございます。  いま受け身の立場でおくれておりまして、その間に既成事実ができ上がっては困るぞという御指摘でございますが、この点は農水省自体が、状況の変化にかんがみて検討をすべきでございまして、今日までの行政慣行その他からしまして、こちらがそのイニシアチブをとるということにはいろいろ問題もあろうと思いますので、当方としては、向こうからお話があったときに、河川管理者としての責任上、十分な意見を述べて検討してまいる、かようにお答えを申し上げたいと思います。
  81. 栂野泰二

    栂野分科員 時間がないからもう終わりますが、やはりこれはそうじゃなくて、建設省は管理者ですから、事業主体がその必要な範囲でやられているうちはいいのですが、その必要な範囲を超えた問題が生じていますから、それは呼びかけるのは農水省だとか、あくまでも建設省が受け身の立場じゃ、最終責任は建設省がとってもらわなければいかぬと思っているのですよ。それを申し述べまして、ちょっと時間を延ばしましたが、終わります。
  82. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 これにて栂野君の質疑は終了いたしました。  次に、依田実君。
  83. 依田実

    依田分科員 きょうは首都高速五号線、通称王子線につきまして、いろいろお尋ねをさせていただきたい、こう思うのであります。  首都高速道路公団が最近になりまして、いわゆる五号線から川口線へ分岐させる王子線というものの計画を明らかにいたしました。これは昭和四十三年九月にいわゆる都計審で決定はしておったわけでありますけれども、それから十何年間にわたって地元にはほとんど何のお話もない。つまり地元の人としては、これは中止になったんじゃないかというくらいに考えておったわけですが、突如として昨年あたりからこれが具体的に動き出してきたということなんでございます。  よくお尋ねいたしますと、この王子線も全部が都計審で承認されておるわけじゃない。板橋の部分だけで、あと王子から足立の部分についてはまだだ、こういう説もある、いろいろふくそうしておるわけでありますけれども、このいわゆる王子線というものについて、今日までの経過をあらまし簡略にお話をしていただきたい、こう思うのでございます。
  84. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 都市高速道路王子線は、すでに供用している五号線、これは高島平に行く道路でございますが、それと現在工事をしております葛飾川口線を結びます延長約六・二キロの計画路線でございます。このうち五号線のいまおっしゃいました板橋区板橋二丁目付近から四丁目付近まで約一・一キロにつきましては、昭和四十三年九月に五号線の一部としてすでに都市計画決定で定められております。この部分を含めまして足立区江北二丁目付近までを今回王子線としまして計画しているところでございます。この路線につきましては、東京都としてはできるだけ早い時期に都市計画に定めたいということで、現在、地元の方々の御理解と御協力を得るための説明を行っているところでございます。
  85. 依田実

    依田分科員 いまのお話によりますと、北区から足立区にかけてはまだ都市計画がされていない、こういうお話でありますけれども、板橋の部分についてはもうすでに住民の皆さん方といろいろな形で対話が行われ始めている、こういうことでございます。実際問題としてはまだ半分、都市計画にのっていないのだけれども、もう事実上はこれはでき上がる、やるんだということで当局の方はお考えのようでございますけれども、これはわれわれ考えて、果たしてどういうメリットがあるのか。  皆さんがお考えになっておるのは、笹目の方から乗って都心を、竹橋を回って千葉県へ回る、そういうような車を途中から分岐させたい。それで首都高速道路の混雑を緩和したい。こういうことだろうと思うのでありますけれども、なかなかそう机上の計画どおり私はいかぬと思うのであります。現在の車の量なら、そこへ分岐の道路をつくればその分だけ減るわけでありますが、しかし分岐ができたからということで、今度はまた、その分だけよけいに車が上がってくるわけであります。私は果たしてこのメリットがどこにあるのかよくわかりませんのですが、首都高速道路公団は、この王子線をつくるメリットはどこにあり、そしていまの通行車が何台くらい緩和されてくるのか、その辺について具体的に構想をお持ちなのか、お話をいただきたいと思います。
  86. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 先に私の方でメリットについての考え方を申し上げまして、あと公団の方から交通量その他についてお話ししたいと思います。  御承知のように、首都地域におきまして現在湾岸線あるいは東北道とつなぐ葛飾川口線、常磐道とつなぐ足立三郷線、それから湾岸から荒川放水路の左岸を北上いたします葛飾江戸川線、こういった路線を中心にいたしまして、高速道路建設を進めておるわけでございますが、王子線を建設いたしますと、東北道、常磐道との連結によりまして、都心に向かってまいります交通を西側に大きく分散することができます。同時に、都の西側と千葉方面との間の交通の相当量が荒川放水路沿いのルートを利用できるようになるわけでございます。その結果、都心部の交通を大幅に分散できることとなる、かように考えております。  首都高速道路につきましては現在環状ルートが非常に弱いわけでございます。中央環状線あるいは外郭環状線、こういった路線建設しないでは、都心部の混雑の根本的な解消というものがおぼつかないわけでございまして、王子線は葛飾江戸川線とともに中央環状線の一部、東半分を形成する、こういったものでございまして、大きな機能を持つということになると期待しております。
  87. 高橋力

    ○高橋参考人 首都高速道路公団の高橋でございます。  いま都市局長から御説明ございましたように、いまの東京の首都高速道路の一番の問題点は、放射線だけが先行して建設されておるという点にあるわけでございます。非常に大きな広がりを持った市街地でございまして、この交通を基本的に処理しますには、どうしても放射線と環状線との組み合わせが必要であるという認識をいたしておる次第でございます。  ちなみに現在の放射線につきまして、都心環状線に入る交通が非常にふえてきておりまして、入る入り口におきまして、すでに十万台という交通量になっておるわけでございます。この都心環状線に集中する交通と、副都心周辺に対する需要交通量も全部都心環状線を経由して流れている経緯もございます。その辺から、ぜひ副都心間を結ぶ、都心から七、八キロ付近の高速道路というのは非常に重要な意味を持っておる、こういうふうに理解しておる次第でございます。
  88. 依田実

    依田分科員 王子線ができることによって、どの程度の車がどこをどういうふうに走るかという具体的な数字は挙げられませんでしたけれども、しかし、われわれが考えてみると、いまある首都高速に上がっている車、この台数だけならば、新しい道をつくれば、その分緩和される、これは簡単な理論でありますけれども、しかし、そういう分岐ができれば、またすいてるのではないかといって、いままで高速道路へ上がらない車まで上がってくるわけであります。そういう意味では緩和にならぬだろう、こういうふうに思うわけでありまして、そこでこの沿線の住民の皆さん方は大変な被害者になるわけであります。  まず第一に、これはこういう王子線に限らず計画道路というのは、決められてから実施までなかなか実行に移されない。そしてその間そこに住んでいる方は、建物を建てられないとか二階以上は建てられないとか本格建築はできないとか、いろいろそういう不便を感じておるわけであります。そういう意味で、もう少し計画と実行との差というものを詰められないものか。これはこの首都高速だけ、この王子線だけに限りません。あらゆるところの計画道路全体に言えるわけでありますが、その辺の建設省のお考えはどうなのか。そしてまた、そういうように計画道路にかかっている人に対する便宜上、つまり、たとえば十年なら十年先にできるということになれば、その十年間について、ある程度の緩和措置というか、そういうものを講じておるのかどうか。その辺について伺いたいと思います。
  89. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 御承知のように、都市高速道路をつくる場合には必要な手続がございまして、まず都市計画決定ということをしなければなりません。現在都市計画決定の準備をしておる、こういう段階でございます。その都市計画決定が終わりますと、道路法に基づく路線の認定あるいは自動車専用道路の指定というものを行いまして、さらに建設大臣基本計画を決定する。その後で建設大臣工事実施計画の認可をしまして事業に取りかかる、こういう段取りになっております。  その間、非常に年数がたって地元に御迷惑をかけているというのは現状十分承知しておりますが、私どもといたしましても、沿道の住民の方々の御理解、御協力なしにできる仕事ではございませんので、そういう御迷惑がかからないような最大限の配慮を今後ともすることは当然であると思っておりますし、そういう方向で十分地元ともお話し合いをしたい、かように考えております。
  90. 依田実

    依田分科員 これは蛇の生殺しみたいなものでありまして、そこの中に入ってしまった人は、早く出た方がいいのか、あるいは最後まで居座った方がいいのか、いろいろ計算をなさるわけであります。そしてまた、土地はどんどん値上がりするわけでありますから、用地買収費に見合う金額で、果たしてこれから先、新しい土地へ行ってやれるか。特に営業をなさっている方は営業権まで奪われるわけであります。そういう意味道路建設については、もちろん住民との話し合いは大事でありますけれども、それについてなるべく早い段階で、計画と実行との間の期間をなるべく短くしていただくというのが、建設省にぜひお願いをしたいということでございます。  ところで今度は、いま都市計画線に決まっているのはその板橋の部分だけでございまして、残りはまだでございますから、そちらの話し合いはまだだと思うのでありますが、いま板橋の部分に関する限り、現地の住民の皆さん方とはどの程度話し合いの機会を持たれて、どういうふうに進捗しておるのでしょうか。
  91. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 現在区議会につきましては、昭和五十六年二月の北区議会における説明を最初に、北区につきましては五回、豊島区につきましては二回、足立区一回、板橋区議会に四回説明を行っております。足立区、北区、豊島区の関係住民に対しましては、五十六年の八月から十月にかけまして地元説明会を実施しているところでございますが、板橋区につきましても、ことしの三月をめどに準備を進めている段階でございます。また、地元説明会終了後も、地元の御要望がございますれば町会単位あるいは小ブロック単位の説明会を実施する。王子線につきましても、関係住民の御理解、御協力を得るため、誠心誠意こういう手続を踏みたい、かように考えているわけでございます。
  92. 依田実

    依田分科員 特に板橋二丁目のところは、いわゆる三角地帯になるわけでありまして、御承知のように都心で竹橋のところ、あそこはいつも交通が渋滞するところの一つであります。それと同じ現象が板橋二丁目の三角地帯に必ずできてくる、こう思うのであります。竹橋のところは皇居とか大きい企業のビルとか、いわゆる細かい住宅地ではないわけでありまして、そういう意味で、また緑もあって、それなりに公害は排除されておるわけでありますけれども、今度のところは全くの商業、住宅地域になっているわけであります。ここで、いまの竹橋と同じような交通渋滞が一日じゅう続くということになりますと、その騒音と排気ガスは大変なものだろう、こう思うわけであります。  そこで、もちろん道路公団もそれぞれ時代を経るごとに最新技術を開発されておるわけでありますけれども、この三角地帯の公害、いわゆる騒音と排気ガス、これの対策について万全を図られることをきっと考えられておるのでありましょうけれども、どういうふうなお考えをお持ちになっておるのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
  93. 高橋力

    ○高橋参考人 ただいま御指摘の点につきまして、これは全線にわたる共通した問題でございますが、特に板橋の三角地帯につきましては四ツ又商店街というのがございます。この四ツ又商店街の一街区全部、従来の都市計画決定におきまして道路敷ということに計画しておりますが、計画の当初から、あの付近につきましては沿道の再開発的な要素を考えていたわけでございます。私ども道路といたしましては高架の構造になるわけでございますが、あの地区につきましては二重構造、いわゆるダブルデッキ方式ということで考えておりまして、この高速道路の騒音等の対策につきましては防音壁とか、それから民地との適切な離間距離をとるとか、また下の空地の緑化とか、現在考え得るいろいろな手だてで、この環境の保全を進めていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  94. 依田実

    依田分科員 大体この五号線ができますときに、いわゆる大きいトラックを上げない、こういうことで、そのために笹目あるいは高島平、こういうところにトラックターミナルがたくさんできまして、県外から長距離輸送の大型トラックがそこへ入って、そこで二トン車なり小型のトラックに積みかえて、そして首都高速へ上がる、こういうことで計画されて、住民の人たちは、それなら小さい車だと思っておったのでありますが、実際はいまはもう大きい車がどんどん無制限に上がってくるわけでありまして、首都高速道路公団は将来計画として大型トラックを規制する考えがあるのか。あるいはそういう考え方はもう全くなくなったのか。その辺のことをお伺いしたい。
  95. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 都市高速道路につきましては、いわゆる放射線の起点から、また逆の放射線の終点まで、もうスルーで交通する交通網がございます。そういったものにつきまして大型トラックを規制することは、これは不可能ではなかろうか。逆にそれをやりますと下の街路にトラックが集中するというデメリットがございます。したがいまして、ある意味ではトラックの交通も分担しなければいけないのは事実でございます。  それから都市における物流を考える場合に、先生御指摘のように周辺部にトラックターミナルを配置して、そこで積みかえをして小さな車で都心部を走る、これが好ましいことは申すまでもございませんし、そういう施策も行われつつあるわけでございます。したがいまして、いまのお話で住民の方々にはどういう説明を申し上げたのか、当時のことを私はつまびらかにいたしませんが、恐らくそういう考え方での御説明を申し上げたわけでございますが、都市間の大型トラックあるいは都市内の集配トラックこういうものを連結して、大型トラックの都市内流通を抑制するというためには、トラックターミナルの効用が期待されるわけでございます。東京都におきましても、外周部の各所にトラックターミナルが設置されているわけでございまして、五号線でも、おっしゃるように板橋にできておるわけでございます。こういったものが最大限に活用されるような配慮が必要かと思いますが、全面的に規制ということにつきましては、現状では困難かと考えております。
  96. 依田実

    依田分科員 費用の方でございますけれども、総額は約一千億円、こういうふうに王子線の経費は言われておる。この数字が正しいのかどうかということと、その中でいわゆる用地買収費、これがどのくらいになっておるのか。それから本年度は約十億の予算がついたと言われておりますけれども、この予算はどういう名目で、どの部分のためについておるのかへそれを聞かせていただきたい、こう思います。
  97. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 全体事業費は九百五十億円、本体工事費でございます。それから本年度予算につきましては十三億でございます。うち用地取得には五万二千五百平米、本年度十三億のうち十億円の用地費を予定しております。
  98. 依田実

    依田分科員 本体建設費は九百五十億か九百八十億という話が出ましたが、全体の用地買収費というのは幾らになっておるのですか。
  99. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 全体では、用地費と補償費とを含みまして二百十億程度を予定しております。
  100. 依田実

    依田分科員 その二百十億というのは、いまでもその計算でやられる数字ですか。それとも四十三年に最初の都計審で決まったときの費用ですか。
  101. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 現在の数字でございます。
  102. 依田実

    依田分科員 いずれにいたしましても、道路というのはだんだんおくれれば、それだけ用地買収費はふえるわけであります。それと同時に先ほど当局者のお話は、中央部分にいわゆる分岐線をつくって、笹目から来るものを千葉県の方に流す、こういうお話であります。しかし私は東京都の高速道路のいろいろ計画を見ておりまして、なぜもっと早く外郭環状、つまり東京都のど真ん中、二十三区、ぴっちり家が建って御商売をしておるようなところを、これから買収して道路をつくるのじゃなくて、まだまだあいている外側、つまり東京都下のところとか埼玉、千葉とかもう一回り外、いままだ畑であるところを買収して、そして環状線をつくれば、よっぽど安く、そして都心の高速道路を混雑させないで車を通行させることができるのじゃないか、こういうふうに思うのであります。一番中の込んでいるところからつくっていくのじゃこれは間に合わない。外からつくってくるのが一番いいのじゃないか、私はこう思いますけれども、いわゆる外郭環状路線の現在考えられている計画というのはどういうふうになっているのでしょうか。
  103. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 ただいま先生から外郭環状線のお話がございましたが、私どもといたしましては、外郭環状線は外郭環状線として、東京都に集中してきております特に高速道路、こういったものの交通の分散導入を図るといった効果があろうかと思います。その意味におきまして外郭環状は、道路計画論、都市計画論としてもちろん必要でございますが、首都高速につきましても、なくていいというわけではなかろうと思うわけでございます。  そこで、外郭環状でございますが、現在は戸田市から千葉県の市川市に至る四十一キロの区間につきまして国道二百九十八号ということで、特に緊急な整備を要する埼玉県下に重点を置いて進めているわけでございます。さらに、去る一月二十日の国土開発幹線自動車道建設審議会におきまして、関越自動車道から東北自動車道を経由いたしまして常磐自動車道に至る間、約三十キロメートルの専用部につきまして、国土開発幹線自動車道としての基本計画を定めていただいたところでございます。今後はこういった区間を中心にいたしまして、まだかなり事業量としては残されておりますが、一層事業促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
  104. 依田実

    依田分科員 いろいろ計画がございますけれども、たとえば板橋の王子線みたいに十何年ほっておかれた。いま御計画のあります環状線をまたたとえば十何年ほっておけば、そこへまた家が建て込んで、同じような用地買収費がかかってくるわけであります。ですから、王子線をやるよりも、そっちを先に、主体におやりになったらどうだろうと私は思うのであります。首都高速道路公団がなくなっては困るから、その仕事をつくるために王子線をつくるんだなんて、こういううわさが地元では流れているくらいであります。外郭環状線、そっちの方を先にやらないと、その畑に家が建ってしまうわけであります。そうなると、また、いまの繰り返しになるわけでありまして、そういう意味で、私は王子線をやるよりも外郭環状の方をどんどん先におやりになった方がよろしいのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。  それともう一つ、それに関係することでありますけれども、東京の周囲は大体川で囲まれておるわけであります。多摩川から荒川とずっと囲まれておるわけでありますけれども、その上をもう少し道路に利用できないものかどうか。何か河川法で、道路を築くと洪水や何かの危険があるからだめだ、こういうふうなことが書かれてあるんだ、こういうふうに仄聞をしておるのでありますけれども、果たしてそうなのか。そしてまた、現在の最新技術からして、その上へ道路をつくることによって堤防が壊れてしまって洪水になる、こういうことじゃないだろうと思うのであります。事実、隅田川のところは、ある区間にわたって京葉道路へ抜ける道が通っておるわけであります。そういう意味で、東京都の河川はずっとちょうど円形になっておるわけでありますから、その河川敷のところを車を回せば、私は相当な通行量の緩和になるのじゃないかと思うのでありますが、河川道路関係というのはどういうふうになっておるでしょうか。
  105. 川本正知

    川本政府委員 お答えいたします。  先生おっしゃるのは、川の中あるいは川沿いに河川敷を利用して、そういった主要幹線道路を通したらどうかというようなお話だろうと思うのですが、堤防を兼用して道路にしているというケースはもちろんございますけれども、一般的に言いますと、いまおっしゃったような川の中に道路をつくるというふうなことになりますと、河川というのは洪水の流れをよくしまして、災害、水害を防ぐというような目的がございますから、河川敷に設置する必然性がないものは一般的に許可していないということでございまして、道路河川敷につくらなければならないという必然性は乏しいものではないかと思っております。河川敷地の中に道路を設置しますと、いまおっしゃった堤防あるいは河岸その他の工作物、そういったものに悪い影響を及ぼすとか、あるいは治水上悪影響を及ぼすとかいうふうなことばかりではございませんで、河川敷というものが、最近は特に都市の中におきましては人間と水との触れ合いといいますか、緑と水の貴重なオープンスペースを提供しておるというふうなこともございまして、河川の適正な利用を妨げることにもなるということ、さらに河川の自然環境を損なうおそれもありますことから、一般的には川の中に道路をつくるということは適当ではないというふうに考えております。
  106. 依田実

    依田分科員 東京の河川というのは大体両わきまで家がびっしりきておるわけでありまして、自然環境が残っておるというところは多摩川の奥の方で少ししかないわけであります。余り理論にならないと思うわけでありますが、ひとつその辺ももう一度検討していただきたい。  最後に、もう時間が三分ばかりしかございませんから、一言だけお尋ねをさせていただきます。  こういうものですから、大体都計審にのればこれは実行までいってしまうわけであります。あとはなるべく住民の皆さんに被害が少なくなるような、そしてまた、この機会に都市改造に役立つような方策をぜひ講じていただきたい、こう思うのであります。  そこで、例の板橋の四ツ又のところの三角地帯など、こういうものに対しては高速道路が通るということに関して、きっとあそこは高層化地帯になってくると思うのであります。そういう意味で、それに対する助成の方法がいろいろまた考えられるのじゃないかと思うのでありますけれども、町を高速道路が通る、それを最小限にデメリットを防ぐために、町づくりのためにまたいろいろ建設省に助成の件でお願いしなければならぬだろうと思うのでありますが、どういう点でお手伝いしてくださるのでしょうか。
  107. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 おっしゃるように、当該地区につきましては商店の一部が街路とか高速道路の敷地となったり、あるいはおっしゃるような形で道路ができるための影響がございますので、関係権利者あるいは地域住民の意向を十分尊重しまして、必要に応じて市街地再開発の手法等によりまして町づくり計画を検討していかなければいけないのじゃないか、かように考えております。市街地再開発事業として改造が進められる、こういうことでございますれば、調査計画に要する費用あるいは土地の整備に要する費用あるいは共同施設の整備に要する費用などにつきまして、所定の補助が行われることになるわけでございます。  そういったことでございますので、必要に応じ関係者の御意向に十分に配意しながら、具体的な対応について検討してまいりたいと考えます。
  108. 依田実

    依田分科員 時間が参りましたので、終わらせていただきます。
  109. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 これにて依田君の質疑は終了いたしました。  次に、大原亨君。
  110. 大原亨

    大原(亨)分科員 私は、昭和四十七年災害の復旧問題、原状復旧、改良復旧、それで現在なお残っていてかなりむずかしい問題等を含めまして、二、三点にわたって質問をいたします。  それは、当時の建設大臣は木村武雄さんでありますが、四十七年に広島県だけでなしに岡山県、鹿児島その他物すごい災害がございまして、私はちょうど災害後の四十八年に衆議院の特別委員長をやっております。したがって、全国各地を四十七年災害の問題について調査をして回ったことがありました。そういうことで、きょうは広島県関係について御質問いたしたいと思います。     〔主査退席、鴨田主査代理着席〕  当時、木村建設大臣は非常にはっきりした威勢のいい人でありまして、原形復旧だけでなしに改良復旧をどんどんやるんだ、こういうことをはっきり言っておられました。そのころはちょうどドルショック以降のことでありまして、特に国内建設についても政府は積極的な施策を出しておった当時であります。そういうことで勇ましい話だったのですが、その後なかなか復旧工事が進んでおりませんので、また非常に努力をしておられる跡もあるわけですが、なお問題が残っておる、こういう点で順次質問をいたします。  昭和四十七年災害以降で広島県関係で言いますと、江川の上流と太田川の問題があるわけですが、太田川の問題には訴訟問題も一つあります。  まず、江川関係でありますが、その上流に志路原川というのがございまして、その一帯が非常に大きくはんらんをいたしまして、そして原形復旧から改良復旧にかけてかなりの事業が行われておるわけでありますが、その現在の段階と、それから残事業状況につきましてお答えをいただきたいと思います。
  111. 川本正知

    川本政府委員 ただいま先生お話しの江川の支川でございます志路原川の災害後の状況でございますが、四十七年の七月の豪雨によりまして受けました災害というものは当時で四十九カ所ございまして、一億二千七百万円の災害が発生しております。  広島県は、四十七年の被災後直ちに復旧事業着手いたしまして、予定どおり昭和四十九年度までに全個所の災害復旧事業を完了しております。また、支川に法蔵寺川というのがございまして、これも一定災といたしまして昭和四十九年度に災害復旧を完了しております。  その後の状況でございますが、志路原川の改修につきましては、四十七年の災害を契機にいたしまして、国の補助事業として四十八年度から、当時は広島県におきまして小規模河川改修事業ということで千代田町の周辺について促進してまいりました。昭和五十二年からは中小河川改修事業に格上げをいたしまして、江川本川並びに冠川と両方合わせまして築堤護岸等改修促進を図っておりまして、昭和四十八年度に小規模河川改修事業として着手いたしました区間について、今年度五十六年度で概成となる予定でございます。  志路原川を含めまして江川上流部の改修については現在もその促進は図っておりますけれども、今後とも壬生地区あるいは河本地区、そういったものを重点に置きましてその改修促進努力を払ってまいりたい、そう思っておるところでございます。
  112. 大原亨

    大原(亨)分科員 いまお話がございましたが、志路原川関係の残事業は幾らになっておりますか。
  113. 川本正知

    川本政府委員 五十七年度以降、約三十二億円ということになっております。
  114. 大原亨

    大原(亨)分科員 これは、途中でまた大きな災害でも起きますと大変なことになるという住民の不安があるわけですが、できるだけ早くやってもらいたい。災害復旧に関係いたしました事業でございますからそういう強い要望があるわけですが、将来といたしましてはどのくらいの計画でなされる見通しかという点についてお答えいただきたい。
  115. 川本正知

    川本政府委員 志路原川の改修予算につきましては、五十六年度は、志路原川のみについて申し上げますと二億七千万円の予算改修促進しておるところでございますし、先ほどお尋ねのように、まだ残事業費は三十億以上というふうな相当の量が残っておりますので、私どもといたしましても、今後この志路原川の大災害の後始末といいますか、それをさらに改修して、整備水準を向上させるということについて努力をしてまいりたいと思っております。
  116. 大原亨

    大原(亨)分科員 たとえば十年とかというふうな見通しがございますが、最近、五十六年度は二億七千万円ですから、このペースでございますと十年はかかるようなペースですが、もう少しこれは早くならないものですかね。五十六年度二億七千万円というのは、いままでに比べましたら、財政がかなり窮屈になっておるときですが、進んでおると思うのです。進んでおると思うのですが、災害復旧の関係公共事業の中では優先してやるべきだ、地域に密着しておるし、住民の生活や財産に関係が深いわけですから優先してやるべきだと思うのですが、十年と言えばちょっと長いような気がいたします。たとえば五カ年以内にやるとか、そういう建設省計画との関係で見通しを立てることはできませんか。
  117. 川本正知

    川本政府委員 先生おただしの災害復旧事業そのものにつきましては、もちろん予算は別枠ということで最優先で遂行しておるところでございますけれども、一般の河川改修事業になりますと、これは全国河川整備状況、バランス、そういったものを見ながらやっていかざるを得ない。財政の枠組みもございますし、そういったことで考えておるわけでございまして、志路原川につきましては、先生御説明のように、大変大災害を受けたということは十分認識しておるわけでございます。そういうことから従来から促進を図ってきたつもりではございますけれども、今後その残事業を何年でやるかというふうなことについては、ちょっとまだその見通しはつけてはおりませんが、できるだけ早く完成いたしますように努力してまいりたいと思っております。
  118. 大原亨

    大原(亨)分科員 もう一つ、非常にむずかしい問題として残っている問題でありますが、これは太田川でありますが、太田川の広島市内の安佐町の区域に鈴張川という支流があるわけであります。これにつきましては従来から住民も強い要望があるわけでありますが、問題は、この太田川の本流と鈴張川が河口に排出いたします角度が九十度といいますから、真横以上の、つまり逆流の方向で川口が本流に突入する、そういうことで、その地域は、字名でありますが、字宇津といいまして、昔から渦が巻いて、災害ごとに非常に大きな災害を起こす、その周辺にはんらんするという経過があるわけであります。  したがって、そういう問題については、いままでの災害もそうでしたが、今回は特に、後に申し上げるような訴訟問題も起きているような状況もございまして、強い住民の要求がありましたが、これは河川の川口について流れを変えて、そして本流に沿うた方向で鈴張川の支流を流していく、こういうふうな方策につきましていまだに具体的な計画は立っていない、こういう現状であるわけであります。  したがって、この問題も、四十七年に災害を受けましてからかなりの時間がたっておるわけでありますが、建設省としてはこの問題に、一級河川の問題でありますから直接の問題でありますので、どのように対処されておるか、お答えをいただきたいと思います。
  119. 川本正知

    川本政府委員 鈴張川は太田川の支川でございますが、これは先生いまお話しのように、普通の支川でございますと、本川への合流の場合は本川の下流の方へ向けて合流するのが普通でございますけれども、この鈴張川は逆に上流の方へ向けて合流しておるということで、何度か災害を受けておるわけでございまして、昭和四十七年度の大災害のときも、この合流点付近の宇津地区の家屋が三十八戸ばかり浸水するというような災害を受けておりまして、その合流点のつけかえ計画を立てるということが一番の大きな問題になっております。  その点につきましては、五十四年度調査費をつけまして、三百万円で実際現地測量をいたしました。それから五十五年、五十六年、順次調査費をさらにつけまして、つけかえの基本構想の検討まで来ておるわけでございます。  このつけかえ計画につきましては、いろいろの案が現在検討中でございますけれども、どちらにいたしましても、そのそばにといいますか、下流部分に国鉄の可部線というのが走っております。この橋を上げなければいけないというふうなこともございます。それから、同じように並行して県道が走っておりまして、県道の宇津橋というのがかかっております。これもやはり上げなければいけない。それを上げますと今度は、県道がすぐ国道百九十一号に交差しておりますので、その国道まで上げていかなければいけないというふうな大変困難な問題がたまっております。そういったことから、関係機関との調整というものが今後大変大きな問題になってくるわけでございますが、そういったものも含めまして改修計画策定をしたいということで、現在、先ほど申し上げたように鋭意調査を進めておるところでございます。
  120. 大原亨

    大原(亨)分科員 五十四年、五十五年、五十六年というふうに調査費を計上されて検討を重ねてこられて、七百万円ほど使っておられるわけだという御答弁でありますが、三カ年ぐらい調査しますと構想がまとまるというふうに思います。私は、速やかにこれをまとめて、できるところから実施をしてもらいたいというふうに思います。もし大きな災害がございますと、同じようなことをまた繰り返すことは明らかでございます。そういう点が幸いに四十七年の大災害以来問題はございませんから、まあ問題はないことはないのですが、大きなことがなかったわけでございますが、その後十年たったわけですから、私は根本的な方策を立てていただきたいと思いますが、どういう見通しでございますか、お答えいただきたい。
  121. 川本正知

    川本政府委員 先ほどお答えいたしましたように、三カ年にわたって調査をいたしまして、基本構想を立てるべく現在作業をしておるところでございます。私ども、まだ五十六年度までの調査でございますので、地建としてもその取りまとめの作業をしている段階であろうと思います。私どもとしても、その結果についてまだ報告も受けておりません。そういった報告を受けまして、今後の改修計画——これは基本的にいきますと、先ほど申し上げたいろいろな大問題も抱えておりますので、どういうふうに実施していったらいいかということも含めまして、できるだけ早急に改修計画を立てて実施の方へ移していきたいというふうに考えておるところでございます。
  122. 大原亨

    大原(亨)分科員 余りこれはインスタントにやることはできないと思います。これは国鉄の可部線もありますし、それから県道、国道もあるわけですから、関係するところが多いと思うのです。  ただ、言われておるのは、本流が流れてくる鈴張川の方の岸を、土手に向かって強力な堤防を築いて、鈴張川の水が本流と真っ正面にぶつからないように、下流に向かって流れていくように誘導するということも必要であって、そういう可能なところからやるべきではないか、こういう意見がありますが、いかがでしょう。
  123. 川本正知

    川本政府委員 先生ただいまおっしゃいましたように、これは基本的に鈴張川の合流形状を妥当なものに変えなければいかぬということでございまして、下流の方へ向けて現在の河川をつけかえるということが基本になろうかと思います。このために、先ほど来申し上げておりますように、いろいろな国道、国鉄、そういった問題がございますので、そういったものをどうするか、またどの辺まで影響があるか、そういったものを含めて現在検討しておるところでございます。  その検討結果に基づきまして、関係機関との協議を今後進めてまいって、できるだけ早くその改修事業着手努力したい、そう思っております。
  124. 大原亨

    大原(亨)分科員 最後に、そのときの問題でありますが、四十七年災害のときに、太田川の上流にはかなり水力のダムがあるわけですが、御承知のように立岩ダムというのがありまして、立岩ダムの放流をめぐりまして、その太田川の沿線の水害が非常に多かった。これは、岡山にもダムの放流をめぐりまして例の問題がございまして、それから鹿児島にも当時あったように私は記憶いたしておりますが、そこで広島県の太田川では訴訟問題が起きておると思います。  私も災害特別委員会で委員長をしておりましたので、参考人としてそれらの人々を呼んだことが記憶にあるわけでありますが、その訴訟の現在の進捗状況はいかがですか。被告と、進捗状況についてお答えいただきたい。
  125. 川本正知

    川本政府委員 ただいまおっしゃいました立岩ダムの水害訴訟につきましては、四十七年七月の太田川の水害の原因というものが、原告が訴状を出しておりますけれども、その中によりますと四点ばかりございます。  一つは、立岩ダムの操作が誤っておった。そのために、ダムの流水量よりも異常に多く放流したという点が一つございます。それから第二点は、関係機関や住民に対しまして、通知またはサイレンによる警告をする義務を怠ったために被害の増大をもたらしたということでございます。第三点は、河川法第五十二条の違反である。これはダムの設置者に対しまして、災害の発生を防止するための措置をとるように指示することができるというのが五十二条の内容でございますが、そういったものに違反しておったのではないかということでございます。それから第四点は、ダムの設置そのものの瑕疵があるということで訴状が出されております。  原告が西岡俊行さんという方ほか百五名の方が損害賠償を求めて、国と広島県それから中国電力株式会社を被告として広島地裁に提訴したものでございます。  この訴訟は、昭和五十年七月十日に提訴されまして、以来口頭弁論を二十回、現地検証一回を経て今日に至っておるわけでございますが、最近の公判の状況は、昭和五十六年十一月十九日に第二十回の口頭弁論が開かれました。被告側の証人でございます広島大学の金丸昭治教授という方に対する証人尋問が行われております。今後の公判予定といたしましては、近々三月十八日に被告側証人の金丸教授に対する原告側の反対尋問が予定されておる、そういう段階でございます。
  126. 大原亨

    大原(亨)分科員 当時、全国でダムの操作あるいは構造の瑕疵その他をめぐって、あるいはこれを監督指導する建設大臣の責任、これを被告として裁判がやられておる、こういう例が他にございますか。
  127. 川本正知

    川本政府委員 ダムにかかわる水害訴訟ということで申し上げますと、現在、いまお話がございました立岩ダムのほかに全国で六件、合計七件ございます。
  128. 大原亨

    大原(亨)分科員 四十七年の大災害以降、ダムの問題が問題になりまして、ダム操作規程を当時、四十八年に改正をしたというふうに思いますが、どういう点を改正されておりますか、ポイントだけ。
  129. 川本正知

    川本政府委員 操作規程の改定につきましては、当該立岩ダムにつきまして申し上げますと、昭和四十八年に、まず一つとしては、予備放流水位を低下させるということの改正がございます。それから第二点といたしまして、ゲートの操作を単純化する。いわゆる洪水のときにはゲートを全開にしてしまいまして、自由越流方式といいますか、そういった単純な操作でゲートを動かすということ等のダム操作規程の一部改正を行いました。そういう内容でございます。
  130. 大原亨

    大原(亨)分科員 当時、私も災害特別委員会委員長をしておったわけですが、なかなかむずかしくて、ダム操作規程を改正いたしますと、言うなればダムの操作に瑕疵があった、欠陥があったということを政府自体が認めることになります。ですから、私は、やや微妙な問題だったと思うわけです。直接の因果関係はありませんけれども、言うなれば集中豪雨的な出水があるときにダムの放流をやりますと、そうすると、事前の周知もないときに非常に住民に不安を与える。こういうことについてはややマンネリ化した状況があって、中国電力や河川局や地方建設局等、あるいは知事等が十分な注意をしなかったという点がやはりあると思うのであります。したがって、この問題は、ダム操作規程を改正されました以降においては恐らくそういう問題はかなり改正をされておるわけでございまして、その点はきわめて微妙な関係がある問題であるというふうに思います。  しかし、住民の皆さん方は、この問題については訴訟を通じまして、自分たちがいつも生存をしておる生活の基盤であるその拠点が安全であるように、そういうことを期待しておるわけであります。しかし、一級河川が上流にずっと伸びまして、山県郡の戸河内町に伸びましたり、その他かなりの改修が進んでおるわけであります。しかし、いずれにいたしましても、太田川というのは百万都市の広島市の、あるいは呉市等含めまして重要な水資源の河川でございまして、非常にその点については皆さん方は強い関心を持ち、そしてこれに生存がかかっておる人々が多いわけであります。したがって、一級河川改修あるいは裁判に対応する措置等についても、和解等の話が一部あるやに聞きますけれども、私は、十分理解ができるように冷静かつ積極的に対処されるように期待をいたしたいと思います。  これらの問題を含めまして、ひとつ大臣の御見解をお聞かせいただけましたらと思います。
  131. 川本正知

    川本政府委員 ただいま先生から、太田川の立岩ダムの水害の原因というものもいろいろ御指摘ございました。  ダムの操作規程の改正ということが、いろいろその問題に微妙な影響があるというふうにおっしゃっておるわけでございますが、この立岩ダムによります災害につきましては、当時の既往の実績を上回る異常な降雨によってもたらされたということでございまして、立岩ダムにおきましても、その地点での計画流量が七百トンでございますが、それを相当に上回る、三割以上上回る流入量がございました。当時の操作規程に従ってダム操作を適正に行っておりまして、その結果、最大放流量は、九百トン以上の最大流入量よりも毎秒百トンくらい減少させて放流しております。そういったことから考えましても、ダム操作規程に欠陥があって水害が発生したものとは考えていないわけでございます。操作規程の改正後、いろいろと出水も経験しておりますけれども、適切なダム運営が行われていると現地から報告を受けておりますし、私どもといたしましても、今後とも河川管理者として適切なダム運営が行われるように、ダム管理者を十分指導してまいりたいと思っているところであります。
  132. 大原亨

    大原(亨)分科員 河川局長は、言うなれば被告の立場ですから弁解もされると思うのですが、ダム操作規程については改正をしまして、予備放流をいたしましたり、あるいは事前の周知徹底というふうな問題等を含めまして、周到な措置がとられているわけです。ですから、ここで裁判のことについて言及する意思はありません。ありませんが、将来とも、一級河川改修を含めて、太田川その他の改修を含めて、災害防止については、重要な河川ですから、十分努力してもらいたい。  私が、大臣に最後に見解を表明いただきたいのは、挙げました江川の上流の志路原の問題で、なおかなりの河川改修が残っております。それから、いま申し上げました太田川の中で、宇津というところは支流の鈴張川の改修の問題がなお懸案事項になっておるわけでございますので、そういう問題等を含めて、将来災害が起きましても付近の住民の方々が安心できるように、裁判の進行状況等もございますが、重要な関心を持って善処されるように特に要望をいたしたいと思います。大臣の御見解を聞きまして、終わりたいと思います。
  133. 始関伊平

    始関国務大臣 ただいま大原委員から、災害が起きました河川改修の問題で、それに関連いたしまして、まだ事業の残っておりますもの、また立岩ダムの操作の問題等につきまして詳細に御指摘がございました。  河川の問題、ダムの問題は、利水の問題でありますと同時に治水の問題でございまして、いま御指摘のとおり、地域住民の安全にも非常に深いかかわりのあるものでございますから、御指摘の点を十分頭に入れまして、今後万全の努力を尽くしてまいりたい、かように存じております。
  134. 鴨田利太郎

    ○鴨田主査代理 これにて大原君の質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三分休憩      ————◇—————     午後一時開議
  135. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  建設省所管について質疑を続行いたします。小川国彦君。
  136. 小川国彦

    小川(国)分科員 私は、日本全国で行われております埋立地の土地利用と都市計画の問題について、この際、政府の見解をただしておきたいと思います。  御承知のように、東京湾全体におきましても膨大な面積が埋め立てられ、新たな国土として利用をされているわけでございますが、最近におきましては、これが全国的に広がってまいりまして、鹿児島の志布志湾においても新たに大規模な埋め立て、石油備蓄基地の建設、そういうようなことが環境庁長官の同意のもとに進められようとしている、そういう事態がございます。  そういう中で、国の埋立地というものは、本来、国民の財産として国有地がふえておるわけでございますから、それは国民の生活、福祉の向上につながるものとして利用されなければならないと考えるわけでありますが、とかくそれが利権の目的に利用されていく、そういうおそれが非常に多いわけでございます。そういう点について、われわれは、埋立地の土地利用のあり方について建設省がもう少しきちんとした行政指導ができないものか、こういうことを常に感じている次第でございます。  具体的に、いま東京湾の一角、千葉県の浦安町沖合いに、株式会社オリエンタルランドという一大レジャー施設、ディズニーランド的なものが建設を進められているわけであります。これは当初、昭和三十七年に千葉県とオリエンタルランド株式会社の間に協定が結ばれました。オリエンタルランド株式会社というのは、三井不動産株式会社と京成電鉄株式会社がほぼ折半で出資をしてつくられた会社でございます。この株式会社オリエンタルランドと、百三万坪の遊園地用地を埋め立ててよろしいという協定が昭和三十七年に結ばれまして、一万六千六百八十八円で埋め立てが進められたわけであります。そうしましたところが、当初百万坪というのは、浦安沖合いは東京の首都圏に隣接した江戸川の下流にあるわけでありまして、東京都民あるいは千葉県民、広くは首都圏の住民に対して、一大遊園地を建設するという目的で、百三万坪は全部遊園地をつくるという目的で埋め立て許可がなされたわけであります。ところが、それが事業の進行とともに、三井とか京成というような大資本がバックとしてあるにもかかわらず、事業の進行が困難である、百三万坪というような遊園地はできないということで、このうちの四十万坪を坪四万五千円で宅地に売ってもよろしいということで、オリエンタルランドから三井、京成のそれぞれ不動産部門に四十万坪が売り渡されたわけであります。その結果、遊園地は六十三万坪のものをつくるということになっておったわけでありますが、五十五年一月になりまして、突如また、千葉県と三井不動産、京成電鉄、オリエンタルランドの間で融資協定、担保協定という二つの協定が結ばれまして、この六十三万坪のうち三十一万坪を、またさらに宅地として埋め立て目的を変更して転売してもよいといったような形の協定が結ばれたわけであります。現在、この協定をもとにして、オリエンタルランドは五十八年オープンということで進められているわけであります。  私ども、この埋立地の埋め立て目的の承認からそれが造成された以後の土地の利用状況というものの変遷を見てまいりますと、どうもこの計画がきわめてずさんであって、しかも、国が大臣認可した埋立地が目的どおり使用されてない、こういう事態にはなはだ遺憾なものを感ずるわけでありますが、この計画進行について、建設省はこの実態を把握しておられるかどうか。それから、建設大臣も千葉県の御出身でございますから、この辺の事情には特に詳しいというふうに思いますが、こうした計画の進行についてどういうような把握をしておられるか、まず簡潔に御所見を承りたいと思います。     〔主査退席、鴨田主査代理着席〕
  137. 川本正知

    川本政府委員 ただいま先生お話ございました従来の経緯、いまおっしゃいましたようにオリエンタルランドが埋立地を百三万坪程度取得をしておりまして、そのうち四十万坪は住宅用地、残りの六十三万坪は遊園地関係用地ということになっておったわけでございますが、お話のように、五十五年の一月七日に、二つの覚書がございまして、一つは、当事者であります千葉県の企業庁、それから三井不動産、京成電鉄、この間での覚書、これが融資に関する覚書とおっしゃったものであろうと思います。それからもう一つは、千葉県とオリエンタルランドとの覚書、これが六十三万坪のうち住宅用地等に三十一万坪使うことに土地利用制限を解除すること、それから、そういったことにつきましては法令等に基づく措置が講ぜられて、同事業推進のために千葉県がやむを得ないと認めた場合に承認するといったようなことを内容としております覚書を結んでおるということは、県の方から聞いております。
  138. 小川国彦

    小川(国)分科員 この埋め立ての経過については皆さんお聞き及びということでございますが、実は、昭和三十七年に遊園地の埋め立て協定ができて、それから十年たっても遊園地ができない。それで、四十七年にその百万坪のうち四十万坪を宅地に売ってもよろしい、しかし、そのお金で少なくとも六十万坪の遊園地はつくりなさいよ、こういうことになっておったのです。ところが、オリエンタルランドがみずからその四十万坪の土地を売ってその利益を遊園地につぎ込むのかと思いましたら、その土地のうち半分以上の土地を三井不動産、京成電鉄不動産部が持っていってしまって、そしてもう大変な高い値段で売ったわけです。四万五千円でオリエンタルランドから三井、京成が買った。それが直ちに住宅公団へ九万円から十四万円という値段で売られておる。さらに最近においては、その一部は、三井不動産が売り出している宅地の値段を見ますと、坪五十万円という値段で売られておる。ですから、三井、京成はこの四十万坪で大変な利益を受けておる。見方によりますが、四百億から五百億ぐらいの転売利益を受けたのではないか、こういうふうに見られるわけなんです。そうすると、当然この四十万坪で受けた利益を親会社である三井、京成がオリエンタルランドにつぎ込んで、このオリエンタルランドをきちんとした六十万坪の遊園地としてつくり上げるべきであるのに、それは三井、京成のそれぞれの所有となってしまって、オリエンタルランドという会社は依然として金がない。ですから、今度、この六十三万坪の計画はできないのでそのうちの三十万程度を仕上げる、残りの三十一万坪は宅地で売らしてくれないか、こういうことになってきているわけなんです。そうすると、ここで遊園地の目的の土地を前回の四十万坪に加えてまた三十万坪宅地化していくということは、国土を埋め立てて、東京都民や千葉県民や首都圏の人たちが、もう日本橋から地下鉄で十五分で行かれるところですから、ここに大きな遊園地なり運動場なりをつくって、都民の憩いのオアシス、スポーツのセンターにするということならわかるのですが、これをまた宅地化さしてしまうということは、まさに埋め立て目的の大きな変更であるし、埋立地の乱用ではないか、こういうふうに考えられるわけなんです。それだけに、今度出されている三十一万坪の宅地化計画というものは、安易にこれを認めるべきではないのではないか。  ところが、その宅地化の計画は何か着々と進行しているようでありまして、五十六年の十月末には、オリエンタルランドが銀行団を集めまして、そこに千葉県の代表者も呼びまして、この事業計画は総事業費が六百億であったのが千百億になりまして、現在は千五百億である、こういう事業計画説明して、同時にそこで、千葉県も知事がかわったけれども、千葉県もこれを宅地化することについては支障がない、いわゆる従来の方針に変更はないという趣旨の説明をさせているわけです。  そうしますと、オリエンタルランドというものが、現在その土地があり、事業計画をしっかりしたものを持ち、それに対して三井、京成が保証する関係にありながら、なおかつそこでまた三十一万坪の宅地化を認めていくということは、埋め立て行政、都市計画行政としても、安易にこれを認めていくということはきわめて問題ではなかろうかというふうに思うのですが、その点、建設省の所見をひとつ伺いたい。
  139. 川本正知

    川本政府委員 先ほど来お話が出ております五十五年一月七日付の覚書によりますと、先ほども説明はいたしましたけれども、遊園地用地としての土地利用制限の解除は、千葉県がオリエンタルランドからの解除の申し出を受けまして、あらかじめ法令等に基づく措置が講ぜられていることが条件の一つになっているわけでございます。オリエンタルランドが所有地を他に譲渡等する場合、あるいは遊園地施設の建設実施計画を定める場合は免許権者の許可を要するものであることが、この覚書で言われております「法令等に基づく措置」、その中に含まれておると私どもは考えております。でございますから、今後、覚書に基づいてオリエンタルランドから土地利用制限解除の申し出があった場合には、都市行政あるいは住宅行政等との関連におきまして、千葉県の方で総合的に検討されることというふうに聞いておりますし、また、埋め立ての関係の認可の担当の当省といたしましても、そのような十分適正な措置がされるように指導してまいりたい、そう思っておるところでございます。
  140. 小川国彦

    小川(国)分科員 都市局長さんはどういうふうにされますか。
  141. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 私どもといたしましては、恐らく現在の都市計画地域地区関係関連を持つことになると思うわけでございます。現在、準工業区域になっておるわけでございますが、準工業区域でも住宅は建たないことはないのですが、仮に地域地区関係で住居専用区域にするようなことを県がお考えの場合には、都市計画法の手続に基づきまして、審議会の議を経まして、建設大臣への認可申請があるわけでございます。こういった場合には、用途地域の変更認可申請につきましては、都市計画上の観点から申請内容についての適否を判断するということでございますが、現在のところ、そのような話は聞いておりません。
  142. 小川国彦

    小川(国)分科員 河川局長、都市局長さんからそれぞれ答弁をいただきましたが、このオリエンタルランドの千五百億円という事業内容それから償還計画、そういうものがどういうふうに立てられているか。そして、その事業計画が不十分であり、不適切であり、償還計画が思うとおりにいかなかったという場合には、当然この宅地転用の問題が出てくるわけですが、この事業内容をどういうふうに把握しておられますか。
  143. 川本正知

    川本政府委員 いまお話がございました千五百億円の全体計画といったものの内容、事業計画、そういったものは私どもとしてはまだ全く聞いておりません。また、私ども公有水面の埋め立ての判こを預かっております立場としては、竣功認可をいたしました土地でございますので、私どもの直接の権限はもう及ばないことになっておりまして、千葉県知事の方でそういった内容もいろいろと把握されるのではないかと考えておる次第でございます。
  144. 小川国彦

    小川(国)分科員 都市局長さんは。
  145. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 私ども関係でも、お尋ねの件につきましては県から話を聞いておりません。恐らく県の段階でいろいろな地域の開発あるいは土地利用という絡みでお打ち合わせがあるのかと思いますが、具体的な内容は聞いておりません。
  146. 小川国彦

    小川(国)分科員 私は政府の方も少し怠慢だと思うのです。実は私は、これは昨年のやはり当分科会においても、二月二十日の予算委員会でも質問したわけです。そのときに、大臣はまだ始関さんではなくて斉藤国務大臣であったわけですが、前大臣の斉藤国務大臣も、「事実関係としていま御指摘がございましたので、権限の及ぶ及ばないはともかくも、当初の認可の状況を顧みてしかるべき進言なり方法を考えてみたい、」こういうことを答弁をしているわけです。さらに、最後に私が締めくくりで、この調査を行うべきだということに斉藤国務大臣は、二月二十日の予算委員会の議事録の一番最後に、「事実関係についていろいろな問題があろうかと思いますけれども調査をさせていただきたいと思います。」こういうことを答弁しておられるのです。  ですから、前大臣の、調査をする、さらにまた進言なり方法を考えてみたいという答弁があったのですが、これはどうなんですか、大臣がかわると忘れられてしまうのですか、あるいは大臣の発言というものは、事務当局においては、それは大臣の発言ということで終わってしまうのですか。始関さんも今度大臣になられたのですが、これから答弁してもらおうと思いますけれども、こういうふうに大臣の言ったことというのは大臣が言っただけで終わりになってしまうのですか。     〔鴨田主査代理退席、主査着席〕
  147. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 私がお答えする立場にあるかどうか、よくつまびらかにはしないのですが、都市局絡みのことにつきましては、これは都市計画の法律に基づきます地域地区変更という形での問題ということで、たとえば先ほど御指摘の協定書その他と都市計画関係がどうかというようなことについては、私どもそれなりの勉強はさせていただいております。ただ、まだ具体的に県からお話がないものですから、まあ内容を全然知らないわけじゃございませんが、県が一次的に把握しておるというふうにお答え申し上げたわけでございます。
  148. 川本正知

    川本政府委員 私どもも先ほど来御説明申し上げておりますように、直接的な監督権限は現在及ばないわけでございますけれども、千葉県知事が適切な対応をしてまいるようなことを考えておると思いますけれども、そういったことについて適切な措置がされるように指導してまいりたいと思っておるところでございます。
  149. 小川国彦

    小川(国)分科員 去年と同じ答弁なんですよね。だから、この一年間事態は進展している。現在、このオリエンタルランドの建設工事というのも着々進められている。銀行団もこれに、第何次か知りませんが融資をして仕事をやっている。しかし、金を貸す銀行としては、どうもあやふやな事業主体に対して金を貸すのに心配だから、千葉県に三十一万坪も最終的には宅地化させますよというような裏づけをとってやろうとしている。しかし、国ではまだそれは認めてないと言うのですね。認めてないことを具体的な事実として状況は進行していっているわけです。ですから、そういう意味では、私は、いま加瀬さん、川本さんから御答弁があったのですが、協定書と都市計画のことは勉強はしている、しかしまだ書類が県の段階にあるというようなことではなくて、この協定書と都市計画のことを勉強してくださっているんなら、やはりその協定書の背景になる具体的な事実はどうなっているのか、この事業計画はどうなっているのか、償還計画はどうなっているのか、その事業本体をしっかり見きわめて、そして、その事業はそれとして遂行されるものを持っているのに、その埋め立ての許可を与えた河川局長の方では、それが不用意に転換されていく、利権化されていく、宅地化になるおそれがある、こういうおそれを持っていたり、都市計画が先行して具体的に宅地化するぞというようなことが銀行に対して説明されている。そうすると、考えてみると、仮に調整区域のところをこれは市街化区域になりますよということを地方自治体が言って、そして民間の事業をバックアップしてやっていく、こういうようなことが先行したとしたら、これはゆゆしい問題だと思うのですよ。事態は同じだと思うのですね。そういうことに対して、やはり積極的にこの事業内容の問題に突っ込んで、このあり方がいいかどうか、これは突っ込んだ行政指導をなさる責任がおありになるんじゃないですか。
  150. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 御指摘のうちで、たとえば協定書との絡みで県がオリエンタルランドと何がしかの約束をしておるということと、少なくも私ども都市計画地域地区変更等をやる場合のこととは、これは全く無関係で考えていきたいというふうに考えております。事態がどういうふうに進展するかはわかりませんが、進展した段階で純粋に都市計画上の観点から適正な土地利用を導くような都市計画決定をしていく、かように考えております。
  151. 川本正知

    川本政府委員 先ほど来お話がございます覚書の内容というものは、いわば性格としては予約的なものであろうかと思います。重ねての答弁で大変恐縮でございますけれども、その中にも法令に基づく措置が講じられることが条件だというふうに入っておりますし、また、その法令に基づく措置ということでは、権限譲渡に関しては免許権者の許可を要するということの定めもあるわけでございますので、そういったところで、いろいろと今後の具体的な協議なり相談なりがあった場合に免許権者の方で対応されることと思います。認可権者でございます建設大臣といたしましては、その埋め立て事業が竣功認可しました時点で権限がなくなるわけでございますので、そういったことで、免許権者の方での対応について十分慎重に行政指導をしてまいる、そういうつもりでございます。
  152. 小川国彦

    小川(国)分科員 建設省、都合のいいときはそういう答弁でやっているのですが、皆さん自体はいままでの経過の中では、この埋立地の利用について、そんな膨大な遊園地は要らないではないか、したがって、そういう土地は公共的な用地に使った方がいい、こういう考え方で、昭和三十八年の大臣認可の申請があったときには五年間もこれを留保して、あげくはC地区というところの二十五万坪は遊園地としては不用だから公共的住宅用地にしなさいということを指示して、その土地を一たん国に取り上げたわけですね。建設省はそういうことをやっている。ところが、それをまた四十九年の五月になったら、その沖合いA、B、Cという百万坪の埋立地の先にまたD、E、Fという埋立地ができたら、そこに住宅用地ができたんだからそっちにこの変更を認めるということで、公共的住宅用地として国が利用しようとした計画をあっさりと放棄してしまっているんですね。一体、建設省は何でこんなことをやったのかというのですよ。五年間も遊園地を目的変更をさせてくれというものを握りつぶして、埋め立ての許可を握りつぶして、こんな遊園地できっこないと言って国が二十五万坪一遍取り上げたのに、沖合いの埋め立ての方に今度そっち片せばいいやということであっさり投げちゃって、そしていま皆さんおっしゃるように、書類が出てきたらやりましょう。かつてはみずから二十五万坪をちゃんと公共的な宅地をつくれということまでやってきているんですよ。具体的事実としてやってきている。そういうことをやってきておりながら、いまは六十三万坪から三十一万坪また宅地に変えられても、書類が出てきた段階でわれわれ審査すればいいんだ。この会社が赤字になって立ち行かなくなったとき、それから千葉県知事が認可したときは変えられると千葉県の協定はなっているんですよ。千葉県だけで勝手にやればできるんですよ。だから、そこに、国はもう一遍埋め立て許可をしてしまって、あとは極端に言えば自治体のやりほうだいなんだから、われわれは都市計画が変更してきて書類上差し支えなければオーケーですよ、そういうことで、河川局といい、都市局といい、そういうずさんな行政のやり方でいいのかどうか。いままでと首尾一貫してないじゃないかと言うんですよ。もうちょっと積極的な考え方はないですか。
  153. 川本正知

    川本政府委員 ただいま先生おっしゃいました昔のいろいろ変更の経緯でございますけれども、確かに、企業庁の方からでございますが、三十八年五月三十日に埋め立て免許申請が千葉県知事に提出がございまして、建設大臣は、その当時少なくとも七十七万平方メートルを公共的な住宅用地として利用することという条件をつけて認可して、五月十三日付で免許されておるわけでございます。その後、その当該住宅予定地が、大変地盤が軟弱で公共的な中高層の住宅用地には不適当だという調査結果が出ましたので、それで先生お話しのように、他の地区に公共住宅用地を振りかえまして、七十七ヘクタールを運動用地、娯楽施設用地等に変更したい、そういう申請が出まして、四十九年五月二十八日付で許可しているところでございます。  そういった経緯はそういうことでございまして、他に同じ面積が振りかわっておるということで、当時としては十分適切な配慮のもとに処置されたものと考えておるわけでございますが、現在は、先ほど来申し上げておるように千葉県の方でいろいろと対応しておられるわけでございます。オリエンタルランドからの今後の申し出を受けまして、やはりこれは総合行政機関としての千葉県知事さん、これが地元の浦安市の意向も踏まえまして、総合的に検討し適確に対処されるものではないか、そうなるものと信頼しております。  そういうことから、埋立法の所管の建設省といたしましても、冒頭に先生おっしゃいましたように、これが公有水面の埋立地であることにかんがみまして、当該埋め立て免許の内容あるいは条件に従って適切に対応されるように十分な指導をしてまいりたい、そう思っておるところでございます。
  154. 小川国彦

    小川(国)分科員 時間が参りましたので、最後に大臣にただしたいのですが、いまの局長の答弁は非常に納得いかないのですよ。建設省が公共的住宅用地にせよと言ったところへ、皆さんは中高層が建てられないからというのでそれを外してやった。ところが今度、そこを住宅用地にしたいという申請が出てくるんですよ。それは恐らく、計画局長さん、私は予言するけれども、あなた方は認めると思うのですよ。それは、建設省は自分たちがやるのは不適当だと言って、中高層に建てられなかったら、平家の住宅の分譲がたくさん行われているんですよ。いま坪四十万円から、もう恐らく今度売るときは五十万円でしょう。一般の国民に、そこが一万六千円でできた土地なんだから、手数料をどんなに入れたって坪四、五万で売ったら、宝くじを買うように皆さん殺到すると思いますよ。宝くじに当たるような気持ちでそこを買いたいと思うと思いますよ。だから、そういう公共的住宅用地になぜしないかということを私は言いたいのです。いま、オリエンタルランドは三十万坪の土地を持って、そこに遊園地をつくるのですが、その土地はまだ担保に入っていないのですよ。今度一千五百億借りるのは、京成も三井も保証しているのですよね。そうすれば、もしものときには自分の土地の三十万坪を担保に入れれば、そのオリエンタルランドはちゃんとできるはずなんですよ。それを、できなかった場合には、こっちをまた宅地で売らしてくれというような協定をいまから認めていったならば、こっちの事業計画をずさんにして借金いっぱいつくれば、こっちの土地もまた売ってまたもうけられるということになっちゃう。そういう幾たびかの土地転がしの事件が千葉県の五千万円の念書事件になって出てきているんですよね。前の知事は、やめるときに、オリエンタルランド問題があるから知事はやめられないんだ、こう言ったのです。いまの知事を認めることはできないとまで言ったんですよ。始関さんは千葉県の出身の大臣だから、これはよくおわかりだと思う。  私は、最後に大臣に、前の大臣調査をすると言って一年間たったけれども河川局も計画局も何も調査していない、そういう怠慢な状態を放置していくかどうか、大臣、締まりのあるところで、大臣権限に基づく答弁をひとつ願いたい。
  155. 始関伊平

    始関国務大臣 オリエンタルランドに絡む今日までの経緯は大変長い月日がたっておりますし、その間における事実の経緯、それから法的な解釈等につきましても、私の把握は十分ではございません。しかし、先ほど来御指摘のように、海面は国民の共有の資産でありまして、公有水面が一般公共の用に供されておるのでございますから、広く国民の利益に合致するようにということで、この公有水面の埋め立ての免許に当たりましては、住民の福祉、公共の利益に合致するというふうにすることが条件でございまして、そのような立場から浦安沖の埋め立ての免許も行ったところと思います。  最初、二十三万坪を公共用宅地にするという条件であったのでございますが、千葉県の企業庁は、地盤が悪いので、これは中高層の住宅に向かないということで変更したいということでこれを認可したという経緯につきましては、私も聞いておるのでございますが、それはまあある程度やむを得ないのではなかろうかと存じております。埋め立て免許に伴います建設大臣の責任というものは、ある時点でこれはおしまいになるということのようでございますが、なお関連いたしましては、先ほど都市局長が申しましたように、都市計画上の線引き、都市計画の決定などという問題を通しまして、建設省はそういうような立場からも発言権がございますし、また、前大臣が行政指導を行うということを申しておりますので、その趣旨に沿いまして善処いたしたいと思いますが、基本的には、これは千葉県が主体となって推進してまいりました問題でございますし、今後の決着も、県を信用して県の手でやってまいりたい、この辺を中心に考えてまいりたいと思います。  なおまた、具体的に法の手続によりまして、建設省の認可を受けるというようなことが参りましたら、その際に、海面埋め立ての本来の趣旨に照らしまして十分な指導を与え、また監視をしてまいりたい、かように存じております。
  156. 小川国彦

    小川(国)分科員 最後に一点だけ。調査は行いますか。
  157. 川本正知

    川本政府委員 先生いま御説明ありましたいろいろの件についても、私どもも従来から調査しておりましたし、報告は受けておりました。  今後の経緯につきましては、いま大臣が御答弁申し上げたとおりで対処したいと思っております。
  158. 小川国彦

    小川(国)分科員 終わります。
  159. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 これにて小川君の質疑は終了いたしました。  次に、北側義一君。
  160. 北側義一

    北側分科員 まず最初に、住宅問題からお伺いしたいと思います。  建設大臣も御承知のとおり、五十七年度の経済運営については、内需中心の着実な景気の維持、拡大を実現する、このようになっておるわけです。そこで、内需を着実に伸ばしていくためには、どうしても民間消費支出とか、また民間設備投資、特に住宅建設も内需拡大の一つの目玉であろう、こう言われておるわけです。この住宅建設は、関連産業だけでも御承知のとおり約二・六倍の波及効果がある、このように言われておりまして、景気に与えます影響というのは非常に大きいわけです。五十六年度の民間住宅建設につきましては、先般建設省が発表されました建築着工統計、これによりますと、着工戸数が約百十五万戸、対前年比九・二%の減、こうなっておるわけです。ところが、五十七年度の経済見通しによりますと、名目一四・三%、実質一〇・四%、こういう伸びが出てきております。私は、五十六年度の実績、それと、私の知っている範囲の最近の住宅建設着工の状況、そのようなものを見てまいりますと、果たしてこのような大幅な、いわゆる名目一四・三%、実質一〇・四%というような数字がどこから出てくるのか、こういう率直な疑問を持っておるわけです。御承知のとおり、住宅産業関連業界というのは非常に不況に陥っております。ですから、ただいま申し上げましたような数字につきましては、建設大臣としても、やはりそれ相当の御決意があってなされたことだと思うのです。そこらのあたりからまずお伺いしたいと思います。
  161. 始関伊平

    始関国務大臣 ただいま北側委員御指摘のように、住宅建設はその波及効果もきわめて大きいものでございますので、内需拡大の一つの大きな柱として、五十七年度予算編成などに絡みまして、重点施策として取り上げられたところでございます。五十六年度実績見込みが百十五万戸に対しまして、百三十万戸にしようという計画でございまして、これはいろいろ御感想もおありかと思いますが、五十一年、五十二年、五十三年、五十四年、あの年度におきましては、百五十万戸内外の実績を上げておったのでございまして、風の吹き回しのいかんによっては、必ずしも過当な数字ではないと思っております。しかし、五十六年から五十七年に続くわけでございますから、この経緯から申しますと、なかなか大変なところもある。  そこで、私どもといたしましては、この百三十万戸の住宅建設を達成いたしますために、住宅、土地、税制、それから住宅金融公庫、さらに財産形成の住宅融資、さらに厚生年金基金の還元融資といろいろな公的資金を活用いたしまして、いわば私どもの感じでは、いまの政府の立場といたしまして動員し得る一切の政策手段を動員して、この達成をやってまいりたい。  ただ、問題は、こういった政府の方の政策手段の適用を受けるいわゆる公的資金による住宅建設のほかに、そうでない、銀行ローン等による自主的な金融操作によると申しますか、民間金融による住宅建設もあるわけでございまして、これが大体半々だということでございまして、後の方につきましては、私ども大変心配をいたしております。その点は大蔵大臣にも頼みまして、録行ローンをできるだけ下げる、ある程度まとまった金をこの方面に出して融資するように銀行側に準備してもらう、さらに余りぐずぐずしておられては困るわけでございまして、申し出があったらてきぱきと処理してもらいたい、こういうようなことを大蔵大臣からも関係金融業界に指示をしていただいているわけでございまして、その他まだいろいろあると思いますが、とにかく全力を尽くしまして百三十万戸計画の達成による内需拡大をなし遂げてまいりたい、かような決意でおりますので、ひとつよろしく御支援のほどをお願いいたします。
  162. 北側義一

    北側分科員 五十一年から五十四年当時の百五十万、この当時といまと状況が大分変わっているのですよ、大臣。私はそう見ておるわけです。そういう点で、五十七年百三十五尺これもかなり厳しい数字だと私は思うのです。  これからいろいろそのために御質問を申し上げていくわけですが、大体第四期住宅建設五カ年計画からいきますと、七百七十万戸ですから、これは一年で割りますと百五十四万戸、こうなるわけですね。第四期の建設計画から見ても、私は正直に申し上げて、これは第四期自身がほとんど無理であろう、こう見ておるわけです。  そこで、実はいま大臣が言われましたとおり、住宅金融公庫の貸付限度額の引き上げとか住宅宅地債券制度の創設とか、また木造賃貸住宅地区総合整備事業の創設、こういうぐあいにいろいろなさっていることはよく承知しておるわけです。農住組合法によるいわゆる農住住宅建設、これも出ておることも知っております。私こう思うのですが、なるほどこのような措置がとられておるわけですが、このような措置だけで果たしていま大臣が言われるような百三十万戸、河本経済企画庁長官は、ある雑誌では五十八年度は百五十万戸、こうおっしゃっています。これはやはり第四期の建設計画でいくと百五十万戸建てなければならないので、そうおっしゃっておるのだろうとその雑誌を読んだときに私は感じたわけです。しかし、いまこのような、たとえば住宅金融公庫の貸付限度額の引き上げ——それだけすでに資材は上がっておるわけですね。土地価格も上がっておる。宅地債券にしましても、まあ僕は大阪ですから、東京、大阪ではあれくらいの金額ではどうしようもないです。また、大臣のおられる千葉でも同じじゃないかと思うのですよ。あれぐらいの宅地債券ではどうにもならないんじゃないか。  また、木造賃貸住宅地区の問題で私これから聞いていくわけですが、これも実を言いますと、非常に強い関心を持っているわけなんです。と申しますのは、大阪の地域というのは、御承知のとおり昔から二階建ちの長屋が多いのです。戦災で焼けてないところは全部建てかえなければいけない地域になっておるわけです。そういう面で私非常に強い関心を持って見ておるのですが、それの定義とか基準とかあるわけですね。これはどのように実行なされるのか、今後の見通しはどのように立てておられるのか、それをお伺いしたいと思うのです。
  163. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 ただいま御指摘がありました木造賃貸住宅地区総合整備事業、五十七年度におきましてその制度の創設が認められておりますので、私どもは、特に三大都市圏におきまして約二百四十万戸と言われております木造賃貸住宅のうち相当部分のものが狭小でありまた過密であるといったような状況に照らしまして、今後この制度の積極的な活用を図ってまいりたいと思っております。  その制度の概要といたしましては、三大都市圏におきますところの既成市街地あるいは近郊整備地帯等におきまして低質な木造賃貸住宅等が密集しておりますような地域につきましては、地方公共団体が一定の地区を設定いたしまして整備計画を立てていただく。この整備計画に準拠いたしまして、賃貸住宅の経営者の方々がその建物を除却する。その場合に除却費の一部を補助する。あるいはまたその上に中高層の良質な賃貸住宅を建てていただくという場合には、既存の公的資金の融資を行いたいと思っておりますが、その際、その融資条件を緩和をする。それからまた、できれば共同である程度まとまって建てていただき、いい環境にしていただきたいと考えておりますので、そういうような共同で建てかえられる場合は、設計費あるいは共同施設整備費につきまして公共団体が補助をする。こういったような公共団体の補助に対しましては、当然のことでございますが、国がその一部を助成をしてさしあげる、こういったようなことを骨子といたしております。  もちろんその際問題になりますのは、すでにそこに住んでいらっしゃる方々の対応だと思いますが、これらにつきましては、公共団体が公営住宅等にあっせんをしてさしあげる、あるいはまた場合によってはみずからその周辺に再開発住宅を建てまして、そこに移っていただくことも含めながら総合的に実施をしたいというふうに考えておるものでございます。
  164. 北側義一

    北側分科員 事業を施行なさって、今後の見通しは大体どれぐらい考えておられるのですか。
  165. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 五十七年度におきましては、初年度のことでございますので、主として公共団体が整備計画を作成する。あるいはまた用地の先行取得等ができますような場合に、その先行取得を行うといった基礎的な事業着手するということを主体として考えておりますが、なお一部につきましては、従来過密住宅地区更新事業というものを実施してまいっておりますが、これを場合によっては一部この木造賃貸住宅の建てかえ事業の方に切りかえるということも事業としてあり得るように思います。そういうものにつきましては、かなり事業が進むというふうに思っております。  いずれにいたしましても、これらの仕事は、現在の賃貸住宅の経営者の方々の御理解をいただきまして、そして積極的に参加をしていただくということがまず第一に重要でございますので、私ども関係の公共団体と御相談しまして、十分PRに努めて、そしてこういったような事業着手するいろいろな準備をしていただきたいというふうにとりあえずは考えております。
  166. 北側義一

    北側分科員 五十七年度用地とか、また整備計画を立てる、こういうお話ですが、これでどれくらい建つものなのかというあれが私には見当がつかないわけです。  そこで、これはいつも建設委員会あたりでも言われておることですが、御承知のとおり地価の高騰と勤労者世帯の実質所得の横ばい、また一部にはマイナスになっております現在、そういうことで減税要求が出ておるわけですが、住宅価格と所得の乖離、これは現在だんだんひどくなってきておるのですね。私の友人の息子さん等が結婚適齢期になってもなかなか入居できるような住宅がない、あっても非常に高い、いまはこういう状況です。古い住宅はいま約二百四十万戸、このようにおっしゃっておられるわけですが、これは考え方としては非常にいいように私は思うのです。というのは、これは用地費は要りません。用地費が要らないということは、家賃のコストが安くなるんじゃないか、私はこう見ておるわけです。だから、考え方としては非常にいいのじゃないか、こう思うのですが、しかし、実行するのは非常にむずかしい面がずいぶんあるんじゃないかという感じを私自身は受けておるわけです。むずかしい面はありましょうが、五十七年度に百三十万戸、第四期計画の達成の上からも進めていかなければならないものではないか、こう考えておるわけです。そのためには、やはりいま言われた、私もここで資料をちょっといただいて見ておるわけですが、果たしてこの程度の補助率なり助成で、そういう木造賃貸住宅を持っておられる所有者がこれに入ってくるかどうか、こういう疑問を私は持つわけなんです。どうせやるのなら、もう少し思い切ってやらなければ、特に三大都市圏の木造賃貸住宅のある地域というのは本当の改造はできないというのを、私これを見て思ったわけです。  たとえば、いろいろな問題があるわけです。この事業を施行されるその地域に指定されましても、地方公共団体が指定されるのだろうと思うのですが、御承知のように、昔の住宅というのは二メートル幅ぐらいのところにずうっと建っているのですよ。表通りは大体六メートルぐらいあるのです。横へ入りますと全部二メートルぐらいで、道路幅がないのです。建築基準法からいきますと、四メートルなければ、いまは建てかえできないのですよ。その裏にある土地の所有者、この人まで巻き込んでいかないと、今度は新しくいわゆる中高層が建たない、こういう実態のところが非常に多いわけです。これはもう御承知であろうと思うのですが、そのようにいろいろな問題があろうと思うのです。これはやはり実質的にやっていこうということになりますと、そういう問題は随所に絡んでくるのではないかと思うのですが、その問題に対するお考え、また地方公共団体は、この問題について現在どのような受けとめ方をなさっておるのか、また実施計画を作成しようというような地方自治体があるのか、そこらはどうなんですか。
  167. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 ただいま御指摘がありましたように、こういったような既存の住宅を建てかえる、そしてまたその環境をよくしていくということは、具体的な実際の実施の段階ではいろいろな問題が多く存在することは承知しております。しかしながら、また一面、現在ございますいわゆる空き家につきまして、私ども五十五年度に追跡調査をいたしましたところ、御案内のように、その三分の一のものは老朽化して使い物にならない、また残りの三分の一程度は狭小で、良好なストックとしてはとても使えないというような状況でございます。特に、そういったようなものが、いま申しましたような木造の賃貸住宅にかなり集中的にあらわれていることも事実でございますし、そういう中で、経営者の方々はかなり空き家を抱えていらっしゃって、その土地の有効な利用というものをどうしたらいいかということで悩んでいらっしゃることも私は聞いております。そういう中で、ただお一人の力ではなかなかできないだろうということで、公共団体にプランを立てていただいて、そしていわば経営者の方々と相協力してやっていくという仕組みを考えたものでございます。  私ども現在、予算案が作成されましてから、特に首都圏、近畿圏の公共団体の方々と御相談をさせていただいておりますが、東京におきましても、都及び区におきまして非常な関心を持っておられまして、五十七年度には、早速にある程度の候補地区について相当数調査をさせていただくというふうなお話も聞いておりますし、また近畿圏におきましては、大阪市だけではなくて、周辺の各市におきまして相当の関心を持っていただいております。いま直ちに具体的にどの地区というところまでは詰め切っておりませんが、周辺の関係の市を含めまして相当の市の方々が、早速に対象地区となれるようなところの選定を行い、できれば調査に入りたいというふうに言っておられます。もちろんそのためかなり手間がかかるということも事実でございますので、そこら辺のところを今後私どもが公共団体にも十分お手伝いして差し上げて、ムードを盛り上げたいというふうに思っております。
  168. 北側義一

    北側分科員 新しく施行される事業ですので、これからの成り行き、これを見られて助成の方法なりいろいろ検討しなければならない問題はうんと出てくるのではないかと思います。と申しますのは、いまおっしゃったとおり、三大都市圏は、大体三十年代、四十年代初めに木造賃貸住宅のアパートがうんと建ったわけです。いま言うとおり空き家もなるほど出ておるわけです。そういう人たちに建てかえをやろうという意思にさすには、やはりそれ相当のものがなければようやらないのじゃないかと私は思うのですよ。だから、そこらの様子を見ていただいて、ひとつ大臣にお願いしたいことは、もし間違った点があるならば、それが推進できるような方法に改めてやっていっていただきたい、こうお願いしておきます。  もう一問、住宅問題ですが、これは私も勉強不足で余りわからないので、ひとつお答え願いたいのです。  実は先般ある人が相談に来たわけです。私の住んでおる場所は大阪市の平野区というところです。問題は、ちょうどそこへ天王寺から八尾南という谷町線の大阪市営の地下鉄が入りまして、上へは天王寺の山王から松原へ参ります阪神高速道路の大阪−松原線というのができたわけです。この地域はきちんと区画整理されております。そうしてその広い柴谷−平野線という線がありまして、それは四車線、自転車道、歩道、このように非常に広い道路があるわけです。そうして実はこの谷町線の平野駅という地下鉄の駅ができまして、その周辺に非常にマンションが建っておるわけです。天王寺まで八分というのですから非常に便利もよくなりました。ところが、この柴谷−平野線に面したところのマンションというのは、大体五階なり六階なり七階なり建てられるわけです。容積率が三〇〇%なんです。六メートル道路は区画整理されております。ところが一たん少し奥、奥と言ったって五十メートルくらい奥に入りますと、容積率二〇〇%なんです。地主の人が、これではマンションを建てても合わないと言うのですね。大阪市内といいましても、まだ随所に空き地のまま置かれている土地がいっぱいあるわけです。とにかく土地の価格もべらぼうなんです。このように、松原−大阪線、また大阪市が計画街路をつくっておりますが、用地買収するとき坪大体二十八万から三十万と言われた。私の近所の人ですから、みんな私は知っております。ところがいま平野駅ができまして松原線が通りまして、業者が坪百八十万で買ってマンションを建てておるのです。駅の角地は二百五十万でないと売らぬと言っておる、こういう土地なんです。  そこで、実は私はその場で大阪市に問い合わせた、容積率をもう少し上げるわけにいかぬのか。都計審でこれやっておりますと言うわけです。都計審の方でこれやっておりまして、そうして、先生そない言わはるけど、土地が高度利用できるようになると地価が上がりますと言うのですよ。だから先生そう簡単にいきまへんで、私にはこう言うのです。しかし、私はこれは筋通らぬと思うのです。地下鉄ができて駅ができたときは、用地買収するのに坪約二十八万、三十万のものが、いま百八十万で売買されたり二百五十万と言われたりしておるわけです。それでも二〇〇%に抑えられておる。ここらを相当吟味せぬと、私は、第四期住宅建設五カ年計画、これはできないと思いますね。住宅を建てるのではなく抑えているような感じがするわけです。ですから、そのためには何らかの——国土法という法律もあって網をかぶせられるわけですから、やる段階になったら。そのために国土法をつくったと私は思うのですよ。だから、そこらを考えていただいてやりますと、マンションまだまだ建ちます、これは。そういう土地のもともとの所有者ですから。コストもかなり安いものができると思うのです。そこらについてどうお考えでしょうか。
  169. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 いま先生御指摘の二種住専あるいは住居地域につきましては、一応原則、容積率十分の二十という指導をしております。ただ、大都市の既成市街地内の高層住宅建設促進すべき地区などで高度利用を図る必要があるというところで、道路その他の公共施設が整備されているというところでは十分の三十に定めるということが指導基準として決められておるわけでございます。  御指摘の場所がどういうことに該当するかは別としまして、おっしゃいます御趣旨ごもっともな点もございますし、私ども一応現地に当たりましてどういう状況かは調べさせていただきますが、なお現行の制度の中でも、たとえば特定街区という制度とか、これは住宅局の関係でございますが、総合設計とかいろいろな手法もございますので、そういう方途の活用ができないものかどうか、その辺も含めまして、後ほど調査の結果を先生のところに御報告に上がりたいと思います。
  170. 北側義一

    北側分科員 これは私の地元の問題だけじゃなくして、随所にこういう場所があるんじゃないかと思うのです。用地は持っておる、そして住宅金融公庫からいわゆる土地担保のお金を借ってマンションを建てたい、住宅を建てたい。しかし先生、容積率二〇〇じゃこれはどないもなりまへん、家賃高うなってしもうて。こういう人は、やはりここだけじゃないと思うのですよ。やはりいろんな人に聞きますとこの問題出てきます。ですから、これはひとつ——なるほど町の美観とか一種住専、二種住専、いろいろあります、それはよくわかりますよ。しかし、そこらをやはり総合的に判断をしていかなければ、狭い土地なんですから、特に三大都市圏なんというのは。だから、そこらをやはりよく検討する。これは住宅建設の上からも景気浮揚の上からも必要やないかという感じを、私自身が率直に疑問を持ったわけです、この話を自分がやりとりをしまして。電話ですけれども、大阪市の役人とやりとりをしまして率直に思ったわけです。そこらを、御報告をいただけるそうですからお待ちしておりますが、一つはやはり考える必要があるんじゃないか、こう考えております。  もう時間がありませんので、あとどちらを聞こうかな、やはり地元のことをやりましょう。  昨年も私お聞きをしたわけですが、実は御承知のとおり平野川という川が私のところを流れております。五十四年の衆議院解散の選挙のとき、それから翌年の五十五年のとき、あのとき非常に浸水したんです。私の事務所もひざまで来たんです、実言いますと。この地域は昔は全然浸水しなかった地域です。ところが、宅地化されまして上流に住宅が建ちましたので、下水からばあっと吹き出すわけですよ。大阪市では貯水池をつくろうというようなそういう計画も立てておられます。五十六年度は豪雨が、また長雨がありませんでしたので被害がなかったわけです。昨年のお答えでは、五年をめどにこれを達成したい、こういうことをおっしゃってお答えになっておられたんです。この状況を——こういう時期で、何といいましょうか、公共事業横ばいということになりますと、予算が大体実質マイナスになるんじゃないかと思うのですけれどもね。河川関係改修費は伸びているようですが、これは見通しは変わらないのか、それと五十七年度事業施行はどうなっておるか、これをお聞かせください。
  171. 川本正知

    川本政府委員 中小河川の中でも都市河川が大変水害が頻発しておるということでございまして、そういった状況から、五十六年度から都市河川緊急整備事業というものをスタートさせまして、いまお申し出の平野川の調節につきましてもそれに採択して鋭意促進を図るということでやっておるわけでございまして、この事業全国的にも大変重要だということで五十七年度大幅にふやしたいと思っておりますが、平野川の調節につきましては、その全国平均をさらに上回るような伸びを確保して何とか促進していかなければいかぬ、こう思っております。  五十六年度で今川の調節池に対する護岸工事、こういったものに着手いたしましたし、また例の都市計画街路下の調節池、これに対する第一段の工事でございます立て坑工事にこれから着手する予定でございまして、五十七年度もさらにそれを促進いたしまして、シールドで掘進するわけでございますが、そういった機械の作成、そういったものも含めまして促進をしてまいりたい、そう思っております。  おおむね五年で概成するというのが都市河川緊急整備事業の目標ではございますけれども、いまお話しのように財政事情もございますけれども、鋭意促進してまいりたい。平野川の調節池につきましては、その一部ではございますけれども、何とか五カ年でその一部を完成させるようにしてまいりたい、そう努力しているところでございます。
  172. 北側義一

    北側分科員 時間が参りましたので、終わります。
  173. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 これにて北側君の質疑は終了いたしました。  次に、塩田晋君。
  174. 塩田晋

    塩田分科員 建設省にお伺いいたします。  兵庫県の東播地域、ここには東西を通ずる幹線道路がかなり整備されてまいりました。これは結構なことでございますが、南北に通ずる幹線道路が四車線は一本もないという状況でございまして、非常に支障を来しております。特に最近、この地域は重工業を中心にいたしまして臨海部に工業が発展をし、内陸部には農村地帯の中に伝統的な地場産業が各地に点在しておるという状況でございます。  このような中で、物流の促進、通勤の混雑の緩和、また地域の一体性の確保の観点から、南北の幹線道路をぜひともつくってもらいたいということが地元からの強い大きな要望となってきておるわけでございます。  昨年もこの問題につきましてその必要性を申し上げ、たとえば技術的には、加古川という大きい川が流れております、その堤防等も利用してやってはどうかということも提案いたしましたが、その後この問題につきましてどのような検討をしておられるか、また具体的な検討、その後のスケジュール等につきましてお伺いいたします。
  175. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 お答えいたします。  加古川、高砂等を中心とする地域の話であろうかと存じますが、確かに南北方向につきましては、国道百七十五号あるいは国道三百十二号につきましてある程度整備が進んでいるわけでございますけれども地域を南北に結んでおりますような主要町道あるいは一般県道等につきまして、非常に昔ながらの狭い道であるということは御指摘のとおりでございます。交通の処理のため、あるいは交通安全という見地から見ましても、何とかしなければいかぬということは御指摘のとおりかと存じます。  そこで、東播臨海工業地帯を抱える高砂市、加古川市につきましては、東西と南北との接点の交差点におきまして非常に交通混雑があるということでございます。これはいずれも県が管理しております道路でございます。したがいまして、兵庫県におきまして地域発展の動向等を勘案いたしまして、将来交通量もどんなものになるかといった勉強も含め、基礎的な調査を実施しておるという状況でございます。  要は、現在あります道路をそのまま広げるというわけにはとてもまいりませんので、御指摘のように、いろいろな手段を講じながらバイパスをつくっていかなければいかぬというわけでございまして、県の調査促進にまつところが多い、こういう状況でございます。
  176. 塩田晋

    塩田分科員 その問題については鋭意御検討いただいているということでございますが、私は、県というよりもむしろ国がこの問題を取り上げて、大きな国の幹線道路として、臨海工業地帯と日本海、舞鶴等をつなぐ産業道路でもあり、また住宅等の急増しておるところでございますから、その混雑解決のための道路としてぜひとも国でこの問題を取り上げて、ひとつ実現の方向で御検討いただきたいということを強く要望しておきます。  次に、主要な道路でございますが、四百二十七号線に国道昇格していただきまして地元は非常に喜んでおりますが、これからの整備計画として、播州峠と言われるところがあります。播州と丹波、但馬を結ぶところでございますが、この播州峠の改修計画、具体的には加美町と青垣町の間の部分でございます。これはどのようになっておるかということについてお伺いいたします。
  177. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 四百二十七号の播州峠でございますが、御指摘のように、加美町と青垣町の間約五キロメートルにつきまして未改良状況でございまして、幅員も一車線しかないという状況でございます。現状では、青垣町のこの峠に取りかかる区間でございますが、特殊改良一種という工種で整備をやっているところでございます。峠部につきまして根本的な改良計画をつくる必要がございますので、五十七年度から兵庫県におきまして調査に入るというふうに聞いております。調査がまとまりまして成案を得、補助の申請がありましたならば、もちろん私どもとしても前向きに対処してまいりたいと思っています。
  178. 塩田晋

    塩田分科員 次に、百七十五号線、国道でございますが、このバイパスの建設促進方をお願いしておりました。社地区についてはほぼでき上がってきておるようですが、小野地区、西脇地区につきましてはまだ全然手がついていないのではないかと思われます。今後の促進計画についてお伺いいたします。
  179. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 百七十五号につきましては、先生御承知のように、三木バイパス、小野バイパス、社バイパス、それから滝野インター関連のバイパス、西脇バイパスという連続いたしました五つのバイパスをやっておるわけでございまして、滝野インター関連と三木バイパス、それぞれすでに二車線で供用済みでございます。それから社バイパスにつきましても五十六年度末、場合によりましては四月になろうかと思いますが、暫定二車線で供用できる見込みでございます。残りました小野バイパス、西脇バイパスでございますが、小野バイパスにつきましても、五十六年度は七億八千万をもちまして用地買収促進しておりますし、また西脇バイパスにつきましても五十六年度六億四千万の事業費で用地買収促進しておるところでございまして、両バイパスともこれからが正念場ではございますが、大変苦しい中ではありますけれども、非常な交通のふくそう地区でもございますので、何とか重点に置いて努力をしていきたいというふうに考えております。
  180. 塩田晋

    塩田分科員 いま言われました小野、西脇地区につきましては、その市内を通り抜けるのに一時間以上もかかるということがしばしばでございます。ぜひとも強力に早期に建設、供用に供していただきたいと思います。  それから、国道二号線明石市内でございますが、長年にわたりまして、明石川の西のわずかな区間でございますが、四車線から急に二車線に移っていくわけです。その二車線の部分が、もうわずかに一キロ足らずのところでございますが、これは長年そのような状態に放置されております。これについてどのような対策を講じられるか、お伺いいたします。
  181. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 二号線の、山陽電鉄本線の跨線橋がございまして、それから西の約五百メートルの区間が都市計画決定幅員は二十七メートルでございますが、現況十メートルという状況になっているわけでございます。交通量が五十五年度交通情勢調査におきまして二万八千台というような状況でございまして、確かにこの十メートルでは非常に問題になっているわけでございますが、この明石跨線橋から東の区間につきましては二十七メートルができておりますけれども、実はこれは区画整理を行って広げたという経緯もあるわけでございます。  いま御指摘の五百メートルの区間も大変人家が密集しております地域でございますので、この整備をどういうふうにしてやるか非常に問題でありまして、地元関係機関その他といろいろ協議をしながら今後の方策を立てたいと思っておりますが、まだ具体化には至っていないという状況でございます。
  182. 塩田晋

    塩田分科員 その促進方をお願いします。  それから、南北を通ずる県道が幾つもあるわけでございます。たとえば高砂−北条線あるいは小野線あるいは土山−小野線といった幾つかの県道がございますが、いずれも非常に狭隘で、歩道もなければ非常に危険でございます。そこに歩行者、自転車、通学通勤者、自動車が並んで行っておる。非常に危険な状況でございまして、したがって、南北を通ずる幹線道路を思い切ってつくっていただきたいということの要望が出ておるわけですが、それまでは何としても県道整備するために国としても御指導、助成をしていただきたいということをお願いいたしておきます。  次に、加西インター、中国縦貫のインターの開設がことしの一月二十日に決定をいただいたわけでございまして、長年の地元の要望にこたえていただいたもので非常に歓迎しております。つきましては、新設の決定がありましてからなお四年くらいたたなければこれが供用にならないということを聞いておりますが、どうしてそのような長い時間がかかるものか。ここは別段人家も全然ございません。用地買収にそうかかるわけじゃないと思うのですけれども、どのような計画で進めていかれるか、また予算あるいは地元負担等につきましてお伺いいたします。
  183. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 加西インターチェンジでございますけれども、今後連結道路道路管理者でございます加西市長からの連結申請をいただきまして日本道路公団に対して施行命令を出す、こういう段取りになるわけでございます。  通常、供用中路線インターチェンジを追加いたします場合、大体三年から四年というのが普通の状況でございます。ただ、御指摘のように余り人家もないところのようでございますので、この辺は通常のペースよりは若干促進も図れるのではないかというふうに思います。  また、地元負担のおただしがございましたが、この追加インターチェンジの場合は、いわゆるトールゲートまでを公団で施行いたしまして、その先の道路につきましては、通常の補助事業等によりまして地元の方でやっていただくことになるわけでございます。そういう意味の負担はございます。
  184. 塩田晋

    塩田分科員 これは、できるだけ早い時期に完成をしていただきたいということを要望いたします。  次に、山陽自動車道でございますが、これはやはり東西を通ずる産業中心の道路になろうかと思います。これにつきましては、姫路以西につきましてはもうすでに建設が進んでおりますし、また、来年度におきましては三木以東が促進されるということを聞いておりますが、その間、すなわち三木と姫路の間が放置されたままになるわけでございますが、これは大体いつごろをめどに、どういう計画でこの間を進められるかということをお伺いいたします。  それとともに、主要な県道、南北道路との接点に適切にインターチェンジを設けていただきたいということを要望いたします。これについてお伺いします。
  185. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 三木−姫路間につきましては、現在基本計画策定をされておるわけでございまして、建設省におきまして整備計画策定のための調査を進めているわけでございます。ちょうど中央に播磨中部丘陵県立自然公園がございますので、こういった公園等との調整を図るというような仕事がまだ若干残っているわけでございます。  インターチェンジのお話がございましたが、今後の整備計画策定のための調査の一環としてそれぞれ検討を続けてまいり、なるべく早く成案を得たいというふうに考えております。
  186. 塩田晋

    塩田分科員 これは、ほかのところに余りおくれることなく、道路は一本でつながっておるものですから、いつまでも残しておくことなく、大体同じ時期にでき上がるように、ひとつ整備を急いでいただきたいと思います。  それから次に、毎回取り上げて要望しておりますが、私鉄の山陽電鉄明石駅の周辺、これは毎回取り上げておるにかかわらず、なかなか目に見えるような進展がございません。明石駅の高架化の問題です。あるいは国鉄明石駅との合体化の問題、これがどのようになっておるか、お伺いいたしたいのですが、時間の関係もありますので、用買等もあろうかと思いますが、これを引き続いて早急に進めていただきたい。取り上げてからもう二年以上になるわけでございます。ぜひともひとつ目に見えるような進捗を図っていただきたいと思います。  それから、同じく国鉄加古川駅の上下線の高架化をぜひとも図っていただきたい。これは、南北の交通の円滑化のためにも必要でございます。また、国鉄加古川駅の周辺整備がかなり進んでまいっております。この高架化の問題につきましても、地元には強い要望がございまして、駅前には加古川市の大きな立て看板もありまして、高架化を促進しようと、駅をおりますとすぐ目に入る大きな看板がございますが、地元の強い要望でございますので、これをぜひとも進めていただきたい、このことをお願い申し上げます。  次に、加古川大ぜきの建設状況につきましてお伺いいたします。  これはすでに予算が決まり、着工しておられるところでございますが、工事の進捗状況はどうかということ。それから、最近聞くのでございますが、この大ぜきの建設状況次第では周辺の人家の地下水、これにかなりの影響が出るのではないかという懸念が出てまいっておりますが、これにつきましてどのように調査をしておられますか、お伺いいたします。
  187. 川本正知

    川本政府委員 加古川大ぜきは、治水上からも、また流水の正常な機能の維持、あるいは加古川下流域の都市用水の開発、あるいは都市用水の取水の確保、そういったものを目的にいたしました重要な多目的ぜきでございますけれども、五十四年度に実施計画調査に入りまして、五十五年度から建設事業着手しているものでございまして、五十六年十一月にせき本体の第一期工事を発注しておりますほかに、河道の掘削あるいは護岸等工事を行っておるところでございまして、昭和六十年度完成を目途に、今後とも鋭意事業促進を図ってまいりたいと思っておるところでございます。  それから地下水の問題でございますが、加古川大ぜきを建設いたしますと、現存の五ケ井ぜきの水位から比べますと、新しいせきの上流で約一メートル水位が上昇することになります。また、せきの建設によりまして、周辺地区のうち、せきの上流部におきましては、地下水位の上昇による湿田化、そういったことも考えられますし、せきの下流部におきましては逆に地下水位が低下いたしまして、農業用あるいは簡易水道用の井戸の取水への影響が懸念されるところでございまして、せきの建設が周辺の地下水に及ぼす影響につきまして五十四年度から観測井戸を設置して調査を行っておりまして、調査結果に基づいて、地下水の状態の変化によって支障を生じるおそれがある場合には、関係者と協議いたしまして適切な対応をしてまいる所存でございます。
  188. 塩田晋

    塩田分科員 この地下水への影響というものがかなりあるということがいま出たわけでございますが、技術的に十分に検討されまして、付近の住民に不安を与えないように、また、農地等にも悪影響の出ないように、十分技術的な対策を施していただきたいということを強く要望いたします。  それから、次に加古川地域の流域下水道の問題でございますが、この地域は非常に下水道の普及率が低い地域でございます。加古川におきましても、人口二十万を超えるところでございますが、まだ二〇%にも達してないということが言われておりますし、高砂市におきましても十万近い人口でありながら一六%程度、その他の町村では〇%というところもかなりあるわけでございまして、人々の生活、文化水準のバロメーターと言われるこの下水道の整備がおくれておるということは、非常に生活上支障を来しておるところでございまして、ぜひともこの下水道の整備を、国として関係県、市、町一体となって促進を図っていただきたい。全国平均が三〇%、県平均が四四、五%と言われている中におきましてこのような状況でございますので、ぜひともこれを強力に進めていただきたい。いまどのような状況で進めておられますか、お伺いいたします。
  189. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 加古川流域下水道につきましては、上流処理区は小野市、三木市、加西市等、五市二町を対象に五十三年度に都市計画決定を行った後、事業着手しているところでございます。これまで処理場の用地取得を中心に事業促進しておりまして、五十六年度現在、用地につきましてはほとんど取得済みの状況でございます。それから、五十四年度から管渠工事にも着手したところでございます。今後、処理場未買収用地、約〇・二ヘクタールございますが、これの早期取得を図りまして、処理場の建設着手するとともに、管渠の整備を進めていくことにしております。  それから、下流の流域下水道につきましては、現在兵庫県において計画策定している段階でございます。
  190. 塩田晋

    塩田分科員 下流の方にいま人口が集中しておるわけですが、県で計画中と言われる。長年懸案でいろいろ問題化されてきておるところですが、どうして計画だけで実行がなかなか進まないのですか。
  191. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 下流につきましては、主として処理場の位置についての地元の御了解が得られないということが事業が進まない原因でございます。地元の反対理由としては、町のイメージダウンとか、あるいは処理場予定地につきまして、地元で当初宅地化を予定しておったというような御説明もございまして、話し合いがつかないのがおくれておる主たる原因でございます。
  192. 塩田晋

    塩田分科員 この上流地区の黍田というところですが、この処理場につきましては話が進んで、買収もほとんど終わったということですね。これは内陸部ですから、非常にむずかしかったのです。しかし、この下流の方は加古川の河口、そして臨海部に持っていけばそんなに反対が出るものではないことなんです。黍田の場合も県、国が一体となって地元に説得に当たられて、いろいろな対策、措置もされました。そういった、やりよう次第では相当むずかしいところでもできる。これは臨海部ですから、本当に本腰を入れて国と県と市が一体となってやれば、この大きな人口を抱えているところを、これは非常に問題になっておる、一番の問題点ですね。これを解決できないはずはないと思いますが、今後どのように力を入れていただくか、お伺いいたします。
  193. 加瀬正蔵

    ○加瀬政府委員 現在、県で鋭意計画を詰めておりますので、計画が煮詰まり次第、五十七年度にでももし事業ができれば、そういう方向で進めたいというぐあいに考えております。
  194. 塩田晋

    塩田分科員 ぜひともそういう方向で県を強力に督励、指導して進めていただきたいと思います。なお、これにあわせまして幹線の管渠等、そういうものはどんどん進めていっていいはずですから、これもひとつ建設促進していただきたいと思います。  最後に、住宅問題でございますが、これは大臣にお伺いいたします。  宅地の供給を促進する上で大きな阻害要因となっておるものの一つに、法的根拠のない開発負担金を開発業者に課するという例がかなりあるわけです。先ほど申し上げました明石とか加古川、高砂といった地域は非常に人口の急増地帯で、そして宅地造成、持ち家住宅が非常に急増しておる地域です。ここは土地はまだまだあるわけです。平屋建てがどんどんできていっている段階ですから、まだあるわけです。  そこで、この供給を阻害しているのは、いまの水利組合その他のいろいろな形の目に見えぬ開発負担金といいますか、そういうものを負担しなければならない、あるいは強要とまでいきませんけれども、半ば強制的に寄附させられるといったことがありまして、公園をつくるのだ、いや道路をちょっと広げてくれとか、そういったものは結局開発業者の地価を上げることになります。したがって、それだけ上がりますと今度は買い手がなかなかつかない。条件はあるのにそういったことのためになかなか住宅建設促進が進まない、また、買い入れるのにも大変苦労する、こういう事態が起こっております。  こういった問題は、先ほど申し上げました下水道の整備ともあわせまして、下水道の整備ができておればこれはかなり解決する問題なんです。これもあわせまして、自治体での責任というものがかなりあると思うのです。そういった問題につきまして、ひとつ抜本的解決のために取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  195. 吉田公二

    ○吉田(公)政府委員 開発に伴いまして公共施設、公益施設をつくります場合に、一般にそうした事業は本来公共団体がつくるべきであるものが多いことは事実でございますが、開発事業の量、それからそれぞれの自治体の財政事情というものの兼ね合いから、人口の非常に集まってくるところ、開発事業の多いところにおきまして、いわゆるやむを得ざる措置ということで開発指導要綱を定めまして、開発者に一定の負担を求めたり、あるいはまた、先生御指摘のような関係者との調整を求めたりというケースが行われていることについては、私ども実際上は、ある程度やむを得ない面もあると思っております。  私どもといたしましては、従来から建設省所管事業に比べまして、一般の公共事業をそうした住宅宅地関連に充てますとともに、いわゆる通称促進費と呼んでおりますが、住宅宅地関連公共施設整備促進事業というものを活用いたしまして、極力そうした関連公共施設整備公共事業の形で行っていくことに努めているところでございますが、なお、そういった先生御指摘のような例がございますことも承知しておるところでございます。  現在、自治省と共同いたしまして、宅地開発指導要綱等に基づきます市町村の行政指導の内容でございますとか、その運用の実態について調査を行っております。この結果を踏まえまして調査検討いたしまして、行き過ぎ是正のため、必要な限度を超えた行き過ぎの面もあろうかと思います。こういった行き過ぎ是正のための施策を講じるために、いま共同作業をいたしているところでございます。  なお、こうした開発負担金の使途が適正であるかどうか、あるいはそうした負担金として取ったものが資金としてきちんと経理されているかという問題について、かつてそういった問題になったこともございましたが、この点につきましては、別途建設省の方から自治省にも御協議いたしまして、その使途の適正化あるいは経理区分の明確化ということについて、自治省から行政指導されているところでございます。先生御指摘のような点につきまして、今後とも私ども鋭意努力をしてまいりたいと思っております。
  196. 塩田晋

    塩田分科員 ある程度やむを得ないということだと、末端へいきますとわっと広がるのです。ですから、これは厳しく最小限にしぼるという指導を、自治省とも相談してぜひとも強力にやっていただきたい、これをよろしくお願いします。  以上で終わります。
  197. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 これにて塩田君の質疑は終了しました。  次に、鈴木強君。
  198. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 分科会でございますから、若干質疑がダブるかもしれませんが、お許しをいただいてお伺いをいたします。  まず最初に、建設大臣にお伺いしますが、五十六年度建設省計画をいたしましていま実施中の住宅建設計画、この進捗状況はどうなっておりますか、お伺いします。
  199. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 ただいまお話がありました住宅関係計画でございますが、五十六年度のいわば公的資金に係りますところの予算計画といたしましては、公営住宅、公庫住宅あるいは公団住宅等々総計いたしまして六十五万五千戸余りを予定いたしておりますが、まだその実績につきましては年度途中でございますので十分に把握いたしておりません。  また、一般的な住宅建設動向につきましては、民間資金住宅もすべて含めまして十二月まで約九十万戸となっておりまして、昭和五十五年度建設戸数に比べますと、同期間中の対比では約六万戸程度少なくなっておりますので、昭和五十六年度を通じて見ますと、百十五万戸前後に落ちつくのではなかろうかというふうに見ております。
  200. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 この住宅建設というのは景気に大変波及効果を及ぼすものでございますから、少なくとも政府が決められたその御方針は、完全に実施できるようにするのが建設省に課せられた重大な使命ではないかと思うのです。したがって、何かまだあいまいな、はっきりした数字が説明できませんが、もう三月ですからね、今月いっぱいしかないわけですよ。したがって、ちゃんと決めたことが実施できるように、これは大臣ちゃんとやってください。いいですか。
  201. 始関伊平

    始関国務大臣 住宅建設は波及効果の大きいものでございまして、内需拡大の大きな柱でございますので、ただいま御指摘のとおり、私どもとしても大変責任を感じております。全力を尽くしましてこの計画の達成に努力をいたします。
  202. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 それから五十七年度、ことしの予算に百三十万戸の建設計画を立てておりますね。しかし、いまのような土地政策、政府のなまぬるい土地政策、これでは、いまの悪い景気の状態を考えてみたときに、この百三十万戸というものの消化は大変むずかしいように私思います。したがって、五十六年度の実績にかんがみ、その長所短所を十分に分析をし、さらに積極的な住宅が建たるような政策を金融面を含めてやっていただいて、国民の期待にこたえるようにやってほしい、こういうことをあわせてお願いをいたしておきます。  それで、大臣、この予算が成立をいたしますと、公共投資全体で約二十兆ですね。国全体として見てそれだけのものが予算として使われることになります。したがって、現在の景気を回復するためにいろいろなことを苦心されておりますが、特に住宅問題等を含めて公共事業の前倒しをして、日本の景気を少しでも早くよくしようという考え方がございますね。河本経済企画庁長官は約八〇%くらいの契約を前倒しをして事前にやったらどうか、大蔵省は七〇%とか意見が違っておりますが、いずれにいたしましてもかなり公共事業費というものを早目に使って、そして景気をよくしよう、こういう考え方だと思うのですよ。大臣建設省ですからかなり予算も持っておるわけでありまして、これが談合問題等もありまして、いろいろ事件はありますけれども、適切に使われまして、効果的に使われまして、日本の景気をこの面からも十分に回復を促進する一つのファクターになれるように、最善の努力をしていただきたい、こう思っておりますが、大臣の所見を伺っておきたいと思います。
  203. 始関伊平

    始関国務大臣 公共投資の使命は、公共事業を遂行いたしますと同時に、これを契機といたしまして内需の拡大、景気の浮揚に努めるということにあることはもう御指摘のとおりでございます。  ただいま、財政再建というようなことから、公共事業の経費が伸びないことは大変遺憾でございますが、御指摘のように、予算が一日も早く成立をいたしまして、その執行に当たりましては前倒しを考えるというようなことが当面の問題だと思いますが、私どもといたしましては、建設事業の能力を考えまして、それにたえ得る限りできるだけ多くのものを前倒しでやっていくという方向に努力いたしたい、かように存じております。
  204. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 考え方はわかりましたが、具体的に、まあこれから詰めていくんでしょうけれど、八〇%、七〇%、いろいろ考え方はあると思いますね。大臣としては、できるだけ多く前倒し、前に契約を早めていくという方向に行く考え方でしょうか。どうせまた、それをやりますと、赤字国債を発行しなければならぬとかいうようなことが付随してきますからね。前の方は景気がよくなっても、後半に息切れしたんじゃこれはだめなんです。やっぱり業界も年間平均して仕事というものがやれるところに妙味があるわけですから、その辺のことも考えながらうまいところやらないと、なるほど最初たくさんやったから景気は幾らかよくなったかもしらぬけれど、後でふん詰まりになってしまうとこれは困るわけですからね。その辺をちょっと大臣の考え方を、建設省は大変金使うところだから、聞きたいですね。
  205. 始関伊平

    始関国務大臣 御指摘の点はごもっともだと存じます。具体的な計数について触れることはまだ差し控えたいと思いますが、相当に前倒しをするということであれば、あとの問題につきましても機動的に対処してまいるということが、やっぱりわれわれの側から申しましても一つの条件になる、かように存じております。
  206. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 これは本当はもう少しやりたいのですけれども、時間がありませんから、次に移ります。  そこで、三大都市圏に密集して質の悪い木造アパートがたくさんございますね。これはちょっと資料が古いのですけれども、五十三年十月現在で、民営の借家アパートが八百四十一万戸、木造アパートが七百十三万戸と非常に多いわけでありまして、地震災害その他非常に借家に入っている人たちは心配がございますし、最近は近代的な住宅がどんどんできておりますので、こういうものをそのまま放置するわけにはいかぬと思うわけですね。そこで、建設省の方でも、こういう三大都市に限っておりますが、やがて他の都市にも私は及ぼしていただきたいと思いますが、とりあえずこの三大都市に密集する質の悪い木造アパートを国と地方自治体の補助で建てかえをする、こういう方針を決められておるようでございますが、その概要を、ちょっと時間がありませんから、概略をひとつ説明してもらいたい。  それから、本年度予算には幾らの金を計上しておるのか、これもあわせて説明してください。
  207. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 ただいま御指摘がありました三大都市圏におきます低質な木造賃貸住宅の建てかえにつきましては、住宅政策の上からも、また都市環境整備の上からも重要なことであると認識いたしておりまして、昭和五十七年度には、このような木造賃貸住宅の建てかえのための制度を新しく創設いたしまして、実施に移したいと考えております。  その概要は、三大都市圏の中の既成市街地または近郊整備地帯等におきまして、木造の低質な賃貸住宅が相当数ありますような地域につきまして、公共団体が地区を定めて整備計画を作成をしていただく。土地の所有者といいますか、この賃貸住宅の経営者の方々がこの整備計画に沿いまして建てかえをされる場合には、その除却費につきまして公共団体が助成をする、また、共同で建てかえられる場合には、設計費及び共同施設整備費につきましても、公共団体から助成をいたします。もちろんこれらの公共団体の助成につきまし七は、国から相応の補助をするというふうな仕組みに考えております。  また、これに伴いまして、現在居住していらっしゃる方々のための措置といたしましては、公共団体が公的住宅への入居をあっせんする、あるいはまた周辺に再開発住宅建設いたしまして、そちらの方に移っていただくといったようなことも併用をいたしたいと思っております。  また、特に著しく密集しておりまして、個人個人の方では大変だという場合には、公共団体がみずからその住宅を買収、除却いたしまして環境の整備を行う、その上で所有者の方々に住宅を建てていただくといったような、幾つかの組み合わせを考えているところでございます。  五十七年度は初年度でございますので、特に公共団体の整備計画作成ということに重点を置いて事業を進めたいと思っておりますが、総計といたしましては約一億五千万円程度の事業費でもって実施したいというふうに考えております。
  208. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 個人が持っておりますアパート、借家、こういうものに対して特別に融資を低利でするというようなことは考えておられますか。  それから、地方自治体等に国から助成しますね。その助成額というのは、大体国と地方自治体と両方からやるとすれば、どの程度のものが助成されるのか。その額をちょっと示してもらいたいのです。
  209. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 融資につきましては、現在たとえば住宅金融公庫におきまして土地担保賃貸住宅の融資というような制度がございますが、そういう融資は当然この場合にも適用になるわけですが、新しい事業として実施いたします際、これらの融資条件をある程度緩和して、使いやすくしていただくことを考えております。  それからまた、国の助成あるいは公共団体の助成は、そのものによっても若干違いますが、たとえば事業費全体の三分の一をその所有者の方で持っていただく、三分の一を公共団体が持つ、残りの最後の三分の一を国が持つといったような仕組みで一応考えているところでございます。
  210. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 住宅金融公庫の金利の問題について、臨調から答申がございましたね。私、本会議でちょっと質問をいたしたのですが、五・五%、いまの金利を政府の考え方としては上げようとするねらいがあるのじゃないか、こういうことをちょっと心配しておったのです。償還の年限によって率が少し上がっていくようなことを考えているようですけれども、この場合には、少なくとも五・五という現在の金利についてはこれからもずっと変えない、こう理解しておいていいですか。
  211. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 この点につきましては、今国会に住宅金融公庫法の改正案を御提案申し上げまして、御審議をいただくことにいたしておりますが、賃貸住宅あるいはまた個人の持ち家住宅両方につきまして、この公庫の資金の効率的な利用を図る。そして本当に必要なときに必要な助成をして差し上げるというようなことから、十年の間は五・五%ということで、現行の制度でまいりますが、十一年目以降につきましては七・五%以内で政令で定める金利ということで、十年間とは若干違った金利を適用するということを考えております。しかしながら、またそれは十年ほどたちますとある程度国民の所得等も相当伸びる、負担も非常に楽になるということも考えて、このようなことを考えておりますが、十年間の制度の運用につきましては、必要なときに必要な助成の拡充ということもあわせて、これで考えていきたいというふうに思っております。
  212. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 いや、これは特別の措置だから、今回のこういう制度によって貸し付けを受ける方は、そういうものとは別に特別に扱いをしてやるのかどうなのかということを聞いたのです。そこのところはどうなのか、やはり法律によってやるのか。
  213. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 先ほど申しましたいろいろな融資につきましての採択要件の緩和等は今回行いたいと思いますが、金利につきましては、ほかのいままでやってまいりましたのと一応同じ内容で運営したいというように考えております。
  214. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 無理もないように思うけれども、せっかくこういう制度をつくるわけだから、特別の配慮をしてやらなければありがたみが薄れてしまうな。お役人さんの頭というものはそういう融通性がちょっとないな。  それで、第四期の住宅建設計画の中でも、これからの構造その他についていろいろ言われているのですが、防火施設、耐震とかそういった安全的な面の配慮、それからバスとかトイレなんかも十分でない、お勝手元も十分でないというようなこともあるわけですね。そういうような点については、この第四期の計画の線を示して、それに従ってもらうというくらいのことはちゃんとするでしょうね。それでなかったら、国が出て補助金をしてやる価値がないでしょう。これはどうですか。
  215. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、第四期の住宅建設五カ年計画におきますところの目標の一つといたしまして、住宅の質の向上と、また環境の改善ということをねらいといたしております。木造のいろいろな住宅の建てかえを進めます場合には、せっかく国も公共団体もお手伝いをして助成をしていくわけでございますので、質の向上、環境の改善というものは当然織り込んだものとして運営をしたいと考えております。
  216. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 この件について最後に、三大都市圏を対象にしておりますが、さらにこの対象を広げていくという考え方はございませんか。
  217. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 私どもの推計では、一応木造の賃貸住宅というのが全国で約三百三十万戸程度存在すると見ておりまして、三大都市圏におきましてそのうち二百四十万戸程度あるというふうに見ております。当面は、やはり緊急を要しますところの三大都市圏の、特に既成市街地で行いたいと思っておりますが、これらの事業の実施状況等を見まして、必要がありましたらその点については拡大の検討をさせていただきたいと思っております。
  218. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 それでは、私の資料がちょっと古いものですから、ごく最近の資料を後で提出してください。よろしいですね。  それでは次に、ちょっとローカル的なことで大変恐縮ですが、お尋ねいたします。  国道百四十号線というのは甲府−熊谷間を通す予定でありますが、残念ながら、中途、山の上の雁峠というところがございますが、そこがまだ未開通のために、せっかくの国道百四十号線、すなわち埼玉と山梨を結ぶ幹線道路、これが用をなしておらぬというのが現状になっております。両県におきましては、毎年促進のための大会を開き、建設省にも強く要請をし、われわれもまた何回か国会でも取り上げて今日に至っておりますが、五十七年度におきましては、この未開通部分建設のためにはどういうような計画をお持ちでございましょうか。そして、それに要する予算というものはどれだけ計上されておりますか、お示しをいただきたいのであります。
  219. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 百四十号線の雁峠でございますが、埼玉、山梨両県境の区間の約十六キロメートルが不通区間になっておるわけでございます。五十三年度から建設省調査着手をいたしておるわけでございますけれども、なお両県とも協力して調査をやっておるわけでございますが、地形条件が大変厳しゅうございます。山梨の方から埼玉の方へがくんと高度が下るということがございますし、また、秩父多摩国立公園の特別地域がございまして、これとの調整を図る必要もあるということでございます。     〔主査退席、鴨田主査代理着席〕 したがいまして、まだルートを決定するところまでは至っておりません。今後とも自然環境保全対策等を考えながら、いずれにいたしましても相当長大なトンネルをつくらなければならないことになろうかと思いますが、調査の進捗を図ってまいりたいと思っているわけでございます。  五十七年度調査内容につきましては、実施計画段階のことでございまして、まだ確定はいたしておりませんが、五十六年度につきましては調査費は九百三十万円でございまして、なお両県で三千万円の調査費を計上していただいておるような状況でございます。
  220. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 五十六年度九百三十万円計上していただきましたが、財政困難の折だということで、少なくともこの五十六年度予算よりも下がるというようなことは考えておるのですか。要するにどれだけのことをやろうとするのか、それを言ってくださいよ。そしてそのためにはこれだけの予算が必要になる。これは実行計画ですから、予算が通った後でしなければならぬのだから、そのときには予算は通っちゃうのだから、そのために分科会を開いて、ここでそういう計画を聞いているわけです。だから雁峠を中心にした未開通部分については、これとこれを山梨県側からはやる、こっちを埼玉県側からはやる、そしてそのためにどれだけの予算が大体計画されておるか、そういう積算なくして予算が計上されるはずはないわけです。予算をとってから、じゃあどうするが、そういうことを考えられるわけですか。そんな概算の要求をしているのですか。
  221. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 五十七年度におきましては、先ほども申し上げましたようにやはり一番問題は自然環境保全対策でございます。それからトンネル本体の調査もさりながら、そういった地域でございますので、進入路そのものにもかなり問題があるわけでございます。もちろん、その辺のルートの確定に向けての調査をいろいろな影響を考えながら進めていく、こういうことになるわけでございます。  なお、先ほど言い落としましたが、先生の御質問とは直接関係がございませんけれども、この不通区間十六キロの中で埼玉県側は、すでに県の補助事業工事着手しておるわけでございます。山梨県側は、まだ道路がありますところの工事をやっておりますが、埼玉県側はそういうことになっております。これは五十七年度も引き続き、続けてまいる考えでございます。
  222. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 調査段階でございますして、私たちとしては、せっかく両サイドがりっぱに整備されましたが途中でとまってしまっているわけですから、どうにもこうにもならぬのでして、少なくとも埼玉、山梨を結ぶ幹線道路だけに、この完成の早いことをみんな願っておるわけでございます。建設省努力していただいておりますから、私はその点を感謝しながら質問をしているわけですけれども、いずれにしても早く調査を完了して、県を督励して県からもできるだけ協力をさせたらいいでしょう。山梨県側がちょっとおくれているようですから、それはまた知事にも言っておきますよ、埼玉県に負けたんじゃ申しわけないですからね。そこで、大体六十一年には山梨県は国体が実はございます。それまでにやれと言ってもなかなかむずかしゅうございましょうが、大体めどとして、調査をいつまでやって、いよいよその路線を正式に決めて工事に着工するのは大体どこにめどを置いているのですか。着工すれば何年かかったらこれができるか。むずかしいことでしょうけれども調査は大体どのくらいやって、工事着工はいつごろか、そういうめどはあるでしょう。
  223. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 大変恐縮でございますが、まだ調査段階が終わりの段階までいっておりませんので、まだ見通しにつきましてはちょっと申し上げられない状態でございます。
  224. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 それはだめだ、怠慢だね。もう少し早くやってくださいよ。  それではちょっと順序が不同になりますが、中央自動車道の長坂インターの新設につきましては、本年一月二十日の幹線自動車道審議会で了承され、これは大変感謝をいたしております。地元の方の協力態勢はもう完璧でございますから、ぜひひとつこれを早く建設省から公団の方に工事の施行命令を出していただいて、一日も早く完成をしていただきたい、こういうことでありますが、いつごろその命令が出ますか。それから建設所要予算はどのくらいになりますか。いつごろ着工して、供用開始は大体いつごろになりますか。大まかなところをひとつ、これはまだ公団の方に命令が出ておりませんから建設省ですね、局長から答えてください。
  225. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 長坂インターにつきましては、お話のように去る一月二十日の審議会におきまして御決定をいただいたわけでございます。  今後の予定でございますが、連結道路の管理者であります山梨県からの連結申請というのが最初に出てくるわけでございます。これが出ますと日本道路公団に対して施行命令を出す、こういう段取りになります。通常、供用中の道路インターチェンジを追加いたします場合、施行命令後使えるようになるまでに大体三年ないし四年というのが通常の例でございますが、地元が非常に一致結束されまして熱意を持っておられること、私も十分承知いたしておりますので、用地買収その他もそういった面では御協力が得られるものと思います。したがいまして若干は短くなると思っております。
  226. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 そうすると供用開始は大体いつごろですか。
  227. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 ただいま申し上げましたように、これから連結申請が出ましてから具体的な段取りが進んでいくわけでございますので、はっきりはいたしておりませんが、通常の三年ないし四年よりは短目にできるのではないかという希望を持っております。
  228. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 そこをひとつ知恵を働かせて、地元の協力があれば早くなるわけですから、協力しますからね、できるだけ縮めるようにひとつお願いします。  それから、これはちょっといま早目かもしれませんけれども、実は山梨県と静岡県の間に高速自動車道をつくってもらいたい、こういう要求があります。これはもう長いこと清水−直江津間の高速自動車道路というのがありまして、途中で立ち消えになったのですけれども、最近また東名と中央をつなぐ路線としてぜひやってほしい、富士川沿いですね、そういう要請が強く出ておりまして、先般の審議会でも、いろいろと高速自動車道路全体の一万キロ構想というものに絡みまして論議があったように聞いておるわけですけれども、いま現状を伺いたいと思いましたが時間がありませんのでそれができません。したがって、次回の審議会は三年後くらいとか言われておりますが、それまでにいろいろな各地からの要請が出てくると思いますが、山梨−静岡、これは百キロくらいあるわけですけれども、その中に入れてほしいという強い要請がございますので、これはひとつ大臣局長も胸の中に入れておいていただいて、配意していただけないだろうか、こう思うのですけれども、いかがでしょう。
  229. 渡辺修自

    渡辺(修)政府委員 大臣のお答えの前に、ちょっと事実関係だけ申し上げたいと存じます。  先生御承知のように、富士川沿いは非常に地形が険しいのと、地すべり地帯が非常に多いわけでございます。それから身延線が左岸側を通っておりまして国道五十二号が右岸側を通っている。地形的な制約が非常に大きいものですから、これは技術的にもかなりむずかしいものではないかということを考えております。  それから現在の財政事情では、こういったものをすぐにどうこうということにはなりませんけれども、しかしながら、昔から清水直江津線時代から地元の非常に強い御要望があったことは承知しておりますので、将来の問題として検討を続けなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。
  230. 始関伊平

    始関国務大臣 ただいま道路局長が申しましたように、技術的にも財政的にもいろいろ困難な問題が多いようでございますが、御趣旨に沿いまして、せっかくこれを促進するように努力いたしたいと存じます。
  231. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 時間がなくなりましたが道路公団から、実は一般質問のときにも大変失礼をいたしまして申しわけありませんでしたが、中央自動車道は大変御苦労いただきまして勝沼−昭和間を残して全面開通、供用開始という事態になりまして、非常に喜んでおるわけですが、御承知のように曽根丘陵というのがありまして、この遺跡の発掘の関係で、昨年質問いたしましたときに、五十七年度中、いわゆる三月にかかるかもしれない、こういう御答弁をいただいておりましたが、最近ちょっと聞くところによりますと、少なくとも五十七年の十二月には完成をする、こういうふうに伺っておりますが、その点をはっきりここで聞いておきたいのでございますけれども、その問題と、もう一つ中央道の富士吉田線のことですが進捗状況を、時間がありませんから概略、後ほど文書で示していただきたいと思います。大変恐縮ですが、この際ここで聞きたいのは、五十七年度予算でどの程度のものを計上しておるか。土地買収その他大変御苦労があると思います。したがって、その供用開始の時期等もまだはっきりはしないと思いますけれども、大体目標はどこに置いておられるのか、その点だけを伺って、あと国道五十二号線のバイパスの計画について、特に身延−西島、これらのバイパスの実施計画、一体現状どうなっているのか。そこらはまたひとつ文書で資料として出していただくことにして、以上の点だけ伺って質問を終わります。
  232. 大城金夫

    ○大城参考人 勝沼−甲府−昭和間につきましては、ただいま鋭意工事中でございまして、進捗も非常に順調でございます。五十七年の十二月には工事完成させ、供用させる所存でございます。それで中央自動車道の西宮線は全線開通いたすということになります。  それから富士吉田線の拡幅につきましては、ことしの三月中に土木工事に全線着工する予定になっております。したがいまして、順調にいきますと昭和五十九年度中に工事完成という予定になっております。  それから予算ですが、十分この予定に間に合うように、予算は準備しております。
  233. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 どうもありがとうございました。
  234. 鴨田利太郎

    ○鴨田主査代理 これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。  次に、上坂昇君。
  235. 上坂昇

    上坂分科員 私は、少しローカルにわたりますが、ほうっておけない問題がありますので、建設省にお伺いをいたしたいと思います。  その前に、写真を撮ってきたので、これをちょっと建設大臣、見ておいてください。後で説明します。  福島県の双葉郡というのは、全国の原発のいわゆる日本一の集中地区であります。非常に重要な地区です。そこで、この双葉郡の広野町の海岸線千四百八十メートルにわたりまして、波浪による浸食が非常に著しいわけです。いま危険な状態になっておると私は思いますが、この地帯に対して国は地方公共団体の方からはどのような報告を受けているか、その件について御説明をいただきたい。
  236. 川本正知

    川本政府委員 お答え申し上げます。  ただいまお話しの広野町の夕筋海岸だと思いますが、この地域はいまお話のございましたように海岸の延長が千四百八十メートルございます。その大部分が、いま写真でも拝見いたしましたようにがけ海岸でございます。そのうち三百七十五メートルは建設省所管の海岸保全区域として福島県が管理しております。護岸あるいは消波堤、そういったものの工事を実施して概成をしております。残りの、海岸保全区域から外れます未指定の区間が千百五メートルあるわけでございますが、そのうち三百七十メートルについては災害復旧事業で福島県が消波堤を実施済みでございます。残りの七百三十五メートルにつきましては、国鉄が昭和四十七年以降消波堤を実施して、のり面の崩壊防止を図っておるところである、こう聞いております。
  237. 上坂昇

    上坂分科員 この海岸は、いまの御説明で消波堤なりいろいろ対策を講じているようでありますが、写真にありますように消波堤自身がもう亀裂をしちゃって、それでちょっと水があると、すぐにそこから噴き出してしまう。これはいつ崩れるかわからないような状況ではないかと私は判断をしているわけです。これは現地を見ていただけばわかると思いますが、単に消波堤をつくったからというだけではだめなので、もちろん、いわゆる異形ブロックなり何なりをそこへ投入をして未然に防ぐというかっこうはしていると思いますけれども、しかし、それをやってもまだ亀裂がずっと入っているんです。これはすごいんです。どうしてこんな工事をやったのだろうと思われるくらいなんです。ですから、これはもっと調査を厳重にしなければならないと思うのです。そういう形をやってもらえるのかどうか、まずお聞きしたいと思うのです。
  238. 川本正知

    川本政府委員 この地域は、いまお話しのように波浪の影響によりまして海岸浸食が非常に著しいと聞いております。地質も新第三紀層というもろい地質でございます。がけ浸食が顕著でございまして、浸食量が昭和二十一年から四十五年までの二十五年間で最大六十メートルというふうに聞いております。非常に大きな浸食を受けておるわけでございます。  いま御指摘の消波工あるいは護岸、そういったものが相当に危険になっておるというふうなことにつきましては、海岸保全区域につきましては当然管理者である福島県がいろいろと必要なことがあれば手当てをするということでございますし、また浸食で災害が起きたというふうな事実があれば、できるだけ災害復旧事業で取り上げて補強をしてまいりたい、そう思います。国鉄が補強といいますか護岸をなさっているところにつきましては、国鉄の方で補強対策をしていただくことになろうかと存じます。
  239. 上坂昇

    上坂分科員 いまの千四百八十メートルのうち三百七十五メートルしか指定されてない。したがってあとのところは、いわゆる人家がないとか、あるいは国鉄の用地に使っているとかいうことで、これは抜いていると思いますが、そこで、この地域、特に夕筋海岸のところ、いわゆる国鉄の常磐線が走っているところ、これに対して国鉄としては、いままでいわゆる災害対策についてどんな措置をとってきたのか、この点について御説明をいただきたいと思います。
  240. 村上温

    ○村上説明員 いまの御指摘のように、この区間、国鉄の線路で言いますと常磐線の末続と広野の間になりますが、私どもの調べでは、古く明治三十一年の建設で、そのときからいけば百五十メーターぐらい浸食されておるということですが、最近で浸食のひどくなりましたのは昭和四十七年ごろで、そのころで大体二十五メーターぐらいまで来たということでございます。それで私の方も心配になりましたので、常磐線末続・広野間海岸浸食対策委員会というのを東北大学の岩崎先生にお願いをいたしまして設置いたしまして、どういう対策をしたらいいか、今後の見通しはどうかというようなことをお伺いいたしました。その一方で、応急措置として異形ブロック等の投入をしてございます。  それで委員会の結論といいますか、現在までのところのお話としましては、異形ブロックを投入して、そしてその沈下等の状況をしばらく監視をすれば当面の危険はない。当面、線路がすぐに破壊するというような危険はない、こういうことでございますので、その後、委員会の御指示によりまして所要の工事を行いまして現在に至っておるということでございます。
  241. 上坂昇

    上坂分科員 消波施設を投入してやっても、先ほど言っているように護岸の方は相当な亀裂があって、この前私が行ったときも、ちょっと荒れた後だったのですが、夕筋海岸はすごい泥がずっと線路の方まで来るのですよ。そこには前に人家があったのですね。人家はもちろん移転をしたわけです。それから鉄道の方は電化に伴って、もう一つトンネルをつくったものだから少し内側に入ったのですね。そんなものですから、ちょっと海岸から離れたのですが、いまなお崩れていく危険性が非常に強いのです。  それともう一つは、国鉄がこうした工事、これは全国的にもあるだろうと思うのですが、どんどんやっていると、国鉄の費用というものが非常に大きくなるのじゃないかというふうに思うのですね。いま国鉄が大分赤字だ、赤字だといって騒がれて、あるいは赤字を出した責任をたたかれているわけでありますが、しかし、そう国鉄の責任ばかり言えないものがある。国鉄の占用地域に対してはそういうことはやらないのだということで国は手を出さない、国鉄にやらせるという形のものが通達で出ているようでありますが、いつまでもこんなことをやっていると、ますます赤字がふえてしまうのじゃないかと思うのです。といってお金が工事の方へ回らないとすれば、大変危険な状況がきて、人命にも差しさわるような状況が出てくる、こういうことになったのでは大変なことになってしまうので、そこで国としては、この点をどういうふうに考えているのかということが一つ。  それから時間がありませんから国鉄の方にもついでに聞きますが、いままでここに対してどのくらいの工事費をやっているのか。そしてまた国鉄プロパーでやっているのか。それとも県なりなんなりがこれに援助をしてやるとか、あるいはちょっと聞くところによりますと、五十三年ごろから国鉄のいろいろな仕事に対して国が助成をしているようなことを聞いておるわけでありますが、その助成について、こうした災害に対する助成というものが一体あるのかどうか。あれば一体どのぐらいの金額になるのか。その辺のところは国鉄の方から説明をいただきたいと思います。
  242. 川本正知

    川本政府委員 ただいま国鉄の方で防護対策をなさっておるところについて、国はどういうふうに考えておるのかというお尋ねでございます。  海岸の保全対策も、それぞれ対応なさっておる部署に応じてやっていくというのがいままでのやり方でございまして、それは海岸法におきましても、海岸法に基づきます海岸事業の施行というのは海岸保全区域内であるということを規定されておりまして、この保全区域の指定については三条に規定があるわけでございますが、その取り扱いについて農林水産省、運輸省並びに建設省の三省の事務次官通達というのが、古うございますが三十一年の十一月にございまして、その中に海岸保全区域に指定することのできない区域として、飛行場用地とかあるいは鉄道用地、軌道用地、そういうものが入っているわけでございまして、海岸法の制定に当たりまして国鉄の方から、当時、防護する必要の有無の判断が海岸管理者にゆだねられて、安全運転の責任が不明確になるというふうなことなどを考慮されまして、それぞれの管理者が自営するのが原則であるという申し入れがあった、そういうことから、そういう通達が出たというふうに聞いております。したがいまして、この地区は先ほど来お話のように、すでに国鉄の方で管理といいますか、そういう防護対策をなさっている施設がございますので、海岸事業を施行するための保全区域には重ねて指定することはなかなか困難だ、そういうふうに思っております。
  243. 村上温

    ○村上説明員 いま建設省河川局長の方から御説明がございましたように、海岸法という法律で防護される個所というのは、民家とかそういうところがあるところで、鉄道の線路の場合には一応鉄道側で保全をするという仕組みになってございます。     〔鴨田主査代理退席、主査着席〕 これはいま御説明がございましたように予算と管理というのは一体でございまして、自前の設備を管理するためには、法律の網がかぶっていないというようなことが、当時としては便宜というふうに考えたということが第一だと思います。  それで、当該個所につきましては、そういうことで国鉄側として約八億四千万ばかりの異形ブロックの投入、護岸工事をやってございますが、いま御説明ございましたように、海岸法の指定のあるところ、つまり鉄道線路も走っておるけれども民家やたんぼのあるところは建設省なり県なりの方で工事をしていただけることになっておりますので、ここの場合には特段、福島県にお願いをいたしまして、一部区間、二億五千万ばかりでございますが、工事をしていただいております。  それで御指摘のように、国鉄も赤字がふえてまいったわけで、三十一年ごろのたてまえ論ばかりではまいりませんので、何とか他の資金導入をしたいところでございますが、そういうことの一連といたしまして、国鉄の海岸護岸対策事業の一部につきましては、国鉄の線路だけでなくてほかに民家やたんぼの防護にもなるところについては、わずかではございますけれども補助金をいただいております。年間三億前後いただいておりますが、そういうことも含めまして今後保全を強化していきたい。もちろん今後機会がございましたら、国の方にもいろいろ御協議をお願いしたいというふうに思っております。
  244. 上坂昇

    上坂分科員 国鉄から言わせれば、余り金もないときだから、くれくれと言うわけにもいかないのだろうけれども、その辺は建設省とよく談合して、助けてやるようにひとつ建設省も十分やってもらいたいと思うのですね、この場合の談合はいいから。  そこで、いま言ったように三億円程度しかないわけでしょう。これは国鉄全体に対するいわゆる災害、護岸、復旧でしょう。そうすると国鉄は全線大変であります。特に日本海の方には相当な危険な区域があると思うのです。そうなりますと、こんなお金ではとてもどうにもならない。これをもっとふやすことがいまできるかどうか。建設省いかがですか、護岸工事補助金のようなものが三億くらい出ているというような話がいまあったけれども
  245. 川本正知

    川本政府委員 いまの補助金のお話は、国鉄の方の事業補助金でございますので、国鉄の方から御答弁をお願いしたいと思います。
  246. 村上温

    ○村上説明員 ちょっと御説明があるいはうまくなかったのかもしれませんが、建設省にお願いしておりますのは、建設省の海岸法に定められた区域で、私たちの線路にも関係のあるところの工事をやっていただくことをお願いしておるわけですが、いま申し上げました補助金は、国鉄が運輸省を通じて国鉄の予算の中でやります工事にいただいておりますいわゆる防災の補助金でございまして、運輸省ないしは財政当局に毎年所要の量を、もちろんできますればなるべくたくさんということでお願いをしているというものの一部でございます。
  247. 上坂昇

    上坂分科員 ここでふやせと言っても、はいふやしますとはなかなか言わないだろうから、先ほど言ったように、危険を未然に防止するというところから手厚い手当てをしてもらいたいということを希望いたしておきます。  それから、いま夕筋海岸の問題で、この問題については地元でも、国鉄はどうも赤字、赤字と言われているのに国鉄に負担をさしていくというのはおかしいじゃないかという意見があります。しかし、いま言ったように事務次官の通達があるということで変更できないということになれば、なかなか困難な問題があると思いますから、将来にわたって、これについてはいろいろ考慮をしていただくということにしておきたいと思います。  そのほかに、夕筋海岸から常磐線をもっと北の方へ進みまして北釜地区というところがあります。この北釜地区には民家が数軒ありますが、これが要するにがけの上になっているわけです。そのがけが日常崩れているわけです。その崩れているのが、そこにあります十三番から最後の二十二番までの写真です。ここでずっと物すごい崩れ方をしております。私の秘書が命がけで、そこへ寝てその写真を撮ってきたわけですが、非常に危険です。それで大きな木がぽんぽん落ちています。そこにはもちろん異形ブロックなどを入れる必要はないわけです。必要があるかもしれないけれども入ってないわけですね、下に崩れているのは岩ですから。これが非常に大変であります。この防災については緊急を要すると私は判断をしておるわけでありますが、これについてどういう措置をとられるか、御回答をいただきたいと思います。
  248. 川本正知

    川本政府委員 北釜海岸につきましては、先ほどの海岸と同じようではございますけれども、もともと海岸浸食の激しい地域でございます。五十六年に一部、四百メートルでございますが災害復旧対策をしておりまして、その南側の八十五メートルについては海岸保全区域に指定しておりまして、そういったことで手当て済みのところもございます。そのほかに、いま先生が写真でお示しになったような状態のところがあるのではないか。私はいま拝見したわけでございますが、そういった乙との対応につきましては早速県に指示いたしまして、適切な対応を図るようにしてまいりたいと思う次第でございます。
  249. 上坂昇

    上坂分科員 この地域は高台になっておりますが、そこに人家が数軒あります。商店なんかもありまして、かなりいろいろ利用されている地域であります。それから、そこに家をつくった人はまさか崩れると思わないでつくったわけですね。ほかに移転するということになっても、いまのような状況の中ではなかなか家屋の移転もできない、土地を求めることもできないという状況で非常に悩んでおるわけです。どうしたらいいだろう。日常的にドタンドタンという音をさせて崩れていく、それがだんだん庭の方に入ってくるものですから非常に恐れておるわけです。したがって、これについては早急に県に指示をして、そして対策を講じていただきたいと思います。よろしゅうございますね。
  250. 川本正知

    川本政府委員 先ほどちょっと説明不足の点がございまして訂正させていただきますが、先ほどのお話の区域で五十六年に災害を受けましたので、その四百メートル区間について五十六年度はブロックの製作だけでございまして、五十七年度にそれの据えつけをやりますので、そういったことも含めまして対策を講じてまいりたいと思っております。
  251. 上坂昇

    上坂分科員 これは五十七年に何らかの形をつけてもらうということで私は了承しておきたいと思います。  それからもう一つ、海岸法の施行令の六条の二です。法二十六条のただし書き政令で定める地域についてですね。これを見ますと双葉郡では浪江町と双葉町の二町が指定されておるわけです。これに対して、もう一つ広野町の海岸というのが非常にひどいので、これを指定に加えてもらいたい、こういうふうに私は思いますが、その点いかがでしょうか。
  252. 川本正知

    川本政府委員 ただいまお話の海岸、指定してあるということはいわゆる特定海岸ということだろうと思います。広野町についてもそれを指定をしてほしいという御意見でございますが、特定海岸の指定のためには事業規模であるとか、あるいは事業効果であるとか、事業が二省庁以上の所管にまたがっているものであることとか、いろいろの厳しい条件がございまして、それに適格かどうかという判断が必要でございます。現状では、この広野町の海岸につきましては特定海岸の指定はちょっと困難ではないか、そういうふうに思っておるところでございます。
  253. 上坂昇

    上坂分科員 浪江町と双葉町の海岸が指定されておるのに広野町が指定されていないというのは、むしろ地元の私にとっては非常に不思議に考えるわけですね、県からの要請で、希望でそうなるのでしょうけれども。そこでこれは県とも十分連絡をとって、私からこういう話があったけれどもどうかということで、ひとつ検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
  254. 川本正知

    川本政府委員 先ほど申し上げましたいろいろの条件に合うか合わないかという判断が、その差になってきたのではないかと思いますけれども、ただいまの先生の御意見、十分県の方にもお伝えさせていただきたいと思います。
  255. 上坂昇

    上坂分科員 これは大臣にも聞いていただきたいのですが、国鉄の人が知っているかどうか知らぬけれども、いまの夕筋海岸広野地区の一帯というのは非常に有名な、いわゆる鉄道唱歌に出てくるところなんですよ。私たちが小さいときよく歌った、  いまは山中 いまは浜  いまは鉄橋渡るぞと  思う間もなくトンネルの  やみを通って広野原 というのだ。そこでこれは広野なんだ。これは非常に重要なところで、大和田建樹という先生が北海道に行くときに、常磐線を通って汽車の中で、ずっと走馬灯のごとく見える景色を詠んだ歌なんですよ。こういう重要な、非常に景色のいい大切な地域なんだ。そのちょっと向こうには、政府が一生懸命で進めている原発の世界一ぐらいの集中地区がある。これは大変な地域なんで、やはりそういうところをほうっておくこと自体がまずいので、国鉄にだけ任すことなく何とか国の方でもここに入れて、この海岸の保全というものを十分に対策を立ててもらいたいと思います。  これは大臣に聞いても、地域がわからないのに困るだろうが、しかし、そういう地域があるならばということでお答えをいただければ幸いであります。
  256. 始関伊平

    始関国務大臣 ただいま広野町海岸などの写真を拝見いたしましたが、大変景色のいいところであると同時に交通の要衝でもある。しかも海岸線の浸食が激しくて非常に危険の大きい場所であるという御指摘でございました。こういうことは海岸法などの規定によりまして、それぞれ責任を持つ所管の役所が決まっていると思いますから、そういう役所と御相談をいたしまして、ほうっておくということじゃなしに対処いたしたい、かように存じております。
  257. 上坂昇

    上坂分科員 大臣の誠意ある答弁をいただきましてありがとうございました。  これで私の質問を終わらせていただきます。
  258. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 これにて上坂君の質疑は終了いたしました。  次に、高沢寅男君。  ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕     〔主査退席、鴨田主査代理着席〕     〔鴨田主査代理退席、主査着席〕     〔主査退席、鴨田主査代理着席〕     〔鴨田主査代理退席、主査着席〕
  259. 後藤田正晴

    ○後藤田主査 それでは、速記を始めてください。  この際、主査より申し上げます。  各質疑者に対し、再三出席を求めたのでありますが、いまだに御出席がありません。  本日は、この程度にとどめ、明二日午前九時三十分より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時二分散会