○
大出委員 いま私の同僚
稲葉さんに御助言をいただいたわけでございますが、御経験の本来ある
稲葉さんでございますから、いま新聞記者の
皆さんは法廷でメモをとることを認められているということでございましたから、そうでございます。だから、これは間違うはずはないのでありまして、刑事
局長もお認めでございます。
これが先ほど私が
判決文の方で読み上げました「交付状況等を具体的に供述していること」という具体的の中身であります。
さて、副島さんという方、先ほど来申し上げております社長室秘書課長さん、この方が、以下、福永さんに対する、届けたときのやりとりのいきさつ、それから佐藤孝行さんの部屋に行ったときのいきさつ、それから加藤六月さんに対するいきさつ、皆述べております。
ほかは省略をいたしまして、加藤さんの件だけ申し上げますと、午後一時ごろ——これは公判廷が伊藤さんのときとは違います。念のために申し上げておきますが、五十三年三月六日、第四十三回公判でございます。ここで、午後一時ごろ、運輸省の政務次官室で加藤六月さんにお渡しをした、こういうわけでありますが、副島「秘書官に取り次ぎを頼むと、秘書官は、右側のドアをあけて入っていき、私も招じ入れられました。先生と思われる方に頭を下げ、全日空から預かっているものだと言って渡しました。」こういうふうにここで証言をいたしているのでございます。
これももう重複をいたしますから刑事
局長に承りませんが、先ほどと同じ、つまりこの公判廷は、任意性のきわめて高い、こういう言葉がよく使われますが、身柄拘束をされているわけではない、証人という資格で出ている公判廷でございますから、否認をすることも何ら差し支えない、自由でございます。自由でございますが、先ほど
判決文を読み上げましたように、被告人御本人がいる前で、特段捏造しなければならぬ何らの理由のないままにありのままを話をした、こういうふうに裁判長は断じているわけでございまして、これで
総理にもおわかりをいただけたし、お聞きの
皆さんにもおわかりをいただけたと思う。
御本人たちが否定をなさる、これはまた別な問題でございます。法治国家の一審の
判決でございますから、この
判決が今日ある限り、この点をわれわれは先ほどのいろいろな方のお話のように、厳粛に受けとめてと
総理もおっしゃいましたが、そう受けとめざるを得ない。
だから、今日的
政治倫理の
確立というのは一体何か。この焦点になっている、検事求刑以来
判決の理由の中にここまで明確に書かれている金の授受、何のためにだれがどこで相談をして、どう配分をして、だれがどこに、だれに届けたかという点が全部明らかにされている。これが三十ユニット、ロッキード事件全日空ルートの
判決だ。同じなんですよ。ただし、職務権限その他を含めて請託があり、受託をした、受託収賄なら五年だから、単純収賄なら三年だから、片っ方は時効だが片っ方は時効でない、だから起訴、不起訴にする、こういうことになるだけのことです。
したがって、いま問われているのは、どこの新聞の社説を見たってみんなそうですけれども、ほとんどの新聞どれを見たって、例のいまの私が申し述べているところを否定されているわけでございますから、明らかにしてもらいたい、そうしなければ
政治倫理の
確立はできないではないかというのがほとんどの新聞の社説です。
もう一点申し上げます。
昭和五十六年七月十四日に二階堂さんから上申書が出されました。議運の
理事会あるいは
委員会を通じたか知りませんが、議事録に残すことになって、「参照」という表題が入っておりますが、議事録に全部載っております。この二階堂さんの上申書の中で、「本員にいささかなりとも身に覚えのあることであれば、
国会議員という公的立場にある者として、どのような処置も甘受しなければならないのは当然です。」こういうようにおうたいになられまして、「事実を公表する以上は、その議員に、資料の検討、反論、反対立証の機会を十分保障し、
国会の責任において事実の確認の
手続をとる必要があると思います。」これは当然でしょう。議論の余地はありません。二階堂さんのおっしゃっているとおりです。新聞にも言っておりますけれども、死刑になったって無罪になる人もいる。そのとおりであります。おっしゃるとおりです。「資料の検討、反論、反対立証の機会を十分保障し、
国会の責任において事実の確認の
手続をとる必要があると思います。」おっしゃるとおりです。間違いありません。「
国会は検察当局に抽象的な報告を求めるべきではなく、全資料の提出を求めるべきであり、検察当局の一方的判断に基づく報告を許すべきではないと思います。」つまり、これも御意見としてわかります。だから、検察が一方的に断じたのであるということになった、そうではないという反論を事実をもってお考えになって
おいでになるなら、検察のこの判断に対する反論をして当然です。前段にある反論の場がだから必要になる、当然のことです。
かつまた、加藤六月さんの方も同様でございまして、再三再四新聞にもおっしゃって
おいでになりますが、また周辺の方から私に、いずれにしても証言の場所をこしらえてもらいたいというお話が公式にあったりいたしましたが、確かに一方的な認定、断罪は困る、反論の場所を与えろ、こうおっしゃって
おいでになる、加藤さんも。
ここまで来ておるのに、
総裁であり
総理である
鈴木さんが、あなたが一体なぜ一昨日のような全く他人ごとの
答弁をなさるのですか。事の焦点は明確ではないですか。なぜあなたは前に出て、
総裁として、今日のこの議会の——確かに行政府でございますが、最高の責任者です。今日の民主的な
議会制民主主義が正当に進むかどうかということに対する一方の最大の責任が、
総理としてあなたにはおありになる。なぜお逃げになるか。あなたが積極的に証人喚問の場所をつくる努力をするとなぜおっしゃらないのか。それでなければ
総理の責任を負えない。ここではっきり積極的に、御両人がおっしゃっているのだから、証言の場所をつくる、黒白をつける場所をつくる、努力をすると、
総理として、
総裁として明確に答えてください。いかがでございますか。