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鈴木(強)
委員 通産省は、情報
産業全体に対する
指導、監督、助成、それが
政策の
基本ではないですか。
電気通信事業というのは
郵政省の
政策の
基本の問題でありまして、これはいま始まったことではないのですけれ
ども、
データ通信を四十六年に始めるときにも通産省は
業界の立場に立って物を言う。しかし、
電気通信事業というのは明治二年に始まりまして百十一年の歴史を持つ
公共性の強い仕事である、国家独占であった、その後公社
経営に形態は変わりましたけれ
ども、依然として低料金であまねく公平に国民にサービスする、そういう
公衆電気通信法第一条の
目的を達成するために通信というのはあるわけであります。ですから、
公衆電気通信の役務としてとらえていく分野というのは明確にしておく必要があるわけです。たとえば電話、電報、加入電信、専用線、
データ通信、回線をお貸しして利用していただくというのは回線サービスになると思うのでありますけれ
ども、それからDDXとかファクシミリ網、こういったものは本来
電電公社がやるべき仕事なのです。そういう中でどこまで入り込んでいけるかというのは非常にむずかしいのです。ですから、専門の所管は
郵政省だと私は思う。ですから、
郵政省の判断を重点的に考えて物をやらないと間違いを起こす。
今度もいろいろ誤解をはらむようなことがありますし、五十七年三月十五日に出されました
中曽根行政管理庁長官からの依頼を受けて
調整した田中政調会長の集約をここに持っておりますけれ
ども、この中にも「業務上緊密な関係にある中小企業者のために」と書いてあるが、果たして中小企業とはどこまでの分野をいうのか。中小企業だけで、たとえば弁護士とか会計士とかお医者さんとか薬剤師、こういう人
たちが、個人が持っている
データはどうなるのか。もし、この人
たちが無視されれば通信上の不公平が生じるではないですか。これはそういった問題にまで波及してくるのですよ。一たん「業務上緊密な関係にある」ということでたがを緩めてまいりますと、いつの間にかそれがだあっと拡大されていってしまうことは事実なのですよ。現在でも、
特定通信回線について
郵政大臣が個々に
認可を与えるものの中で、私
たちが後から見てびっくりするようなものがやられておる、一加入者だという見解に立ってそれが許可されている。
ですから、出されたこの中で幾つかが今度の
公衆電気通信法の中に入っている分野もあると私は思うのです。しかし、大多数のところは
VANとして残されておる。したがって、通産省として通信施策に対して余りくちばしを入れない方がよろしい、
意見として出すことはいいのだが、最終的には
郵政省の考え方が
基本になって
政府の国策としての通信施策が決まっていくわけですから、その所管は
郵政省であり、
郵政省の
意見を尊重するという立場をとるべきだと私は思うのですよ。じゃ、通産省のことに
郵政省が、ああでもない、こうでもないと口を出したら、あなた方はどう思いますか。それぞれの所管庁はそれぞれの任務を与えられてやっている。政調会長にまで持ち込んで、何でこんなことが
行政サイドでできなかったかということです。いまの
鈴木内閣はそんなに弱体なのですか。自党である与党の判断を得なければできないような、
データ通信の
自由化に関する問題だけでも結論が出せないのですか。これは後からまた具体的にはお尋ねしますけれ
ども、郵政、通産、
行管の三
省庁間でいろいろと
協力して、他人使用の回線事業その他の問題についても一定の条件で暫定的になんということでやろうとしているのです。これはごまかしですよ。そんなことで
日本の
電気通信政策の中に食い込まれては迷惑千万だ。
ですから、これから
VANをつくるためにもいろいろと御協議なさると思うのですけれ
ども、第一義的には
郵政省の
意見を尊重する、
意見は大いに出してもいいけれ
ども、最終的には
郵政省の
意見を尊重して、それによってやるという筋書きだけはちゃんとしていく必要があろうと私は思うので、これは論議をすれば限りないですけれ
ども、
基本的な考え方についての
調整依頼に対するこの田中さんの回答に対する
長官の考え方をお聞きしたい。