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田名部委員 まだお
伺いしたいことがたくさんありますけれ
ども、もうそろそろ終わりたいと思うのでありますが、私は
自衛隊のいまの
考え方、そうしたものをもう少しやはり毅然とした態度で、国を守る
自衛官が国を守る誇りというものを持っていただきたいし、
国民もまたそういう目で見てほしいものだ。
有事になったら、妻や子供ももちろんでありますが、国家のために敢然と敵を排除する崇高な任務を持っているわけです。
私は、かつて東西ベルリンに行く
機会がありました。たまたま西ベルリンから東ベルリンに入ったわけでありますけれ
ども、あそこには、行った方もあるわけでありますから御
承知のとおり、たくさんの写真が張ってありました。東ベルリンから西ベルリンに逃亡した
人たちがあそこでつかまって殺されたという場面の写真であります。私は、東ベルリンに入ったときに、もし私がそういう立場にあったら命がけで逃げれるだろうかということをふっと考えてみたのです。残念ながら、意気地がないのか、私は命を捨ててまで西には自分なら行けぬだろうな、こういう気持ちになったのです。しかし、あえて殺されるのを覚悟で、車の下にはいつくばったり、トンネルを掘って西側に来た
人たちのことをそこで思ったときに、この
人たちは命をかけてやはり自由というものを求めて、そして東から西へ来たんだなということを見たときに、自由のとうとさ、平和のありがたさというものを私は非常に強く感じたのです。
私は、一九五七年に初めて中国へ行き、ソ連へ行きました。それ以来、チェコ、ユーゴ、ルーマニア、共産圏の国は毎年のように行きました。行くたびに思ったことは、
日本に生まれてよかったなということであります。自由というものはこんなにありがたいものか、平和というものはこんなにありがたいものか、ああいう国にしてはならぬ、こんなつもりで帰ってきたのです。(「だから戦争をしてはいかぬのだ」と呼ぶ者あり)私
どもは戦争を賛成しているわけではない。戦争はない方がいいし、するべきではないと思うのです。しかし、こちらの都合だけではいかぬ場合もあるわけでありますから、この
現状では、軍事バランスが崩れるとどういうことになるか、皆さん方よく
承知のはずであります。
私はそんな
考え方で帰ってまいりまして、いつもそのことを感じております。そのための任務を遂行する
自衛隊の皆さんが非常に苦しんでおられる、法案も数回の
国会を経ないと通らぬ、そのことがまた世界に問われるということになるわけであります。世界の国々と仲よくしながら生きていかなければならぬ
日本がこういうことをやっておっては、なかなか信頼を回復するというのは容易ではないだろうと思うのです。それもこれも、
自衛隊の幹部の皆さん方の
姿勢、こういうものがやはりきちっとしておりませんと、なかなか
国民に理解もされない。ああ戦争はないだろうという
考え方が蔓延して、その中で何も
自衛隊にそんなに金をかけなくてもという
考え方を持っている
人たちもおるのではないだろうか。そんな
考え方を持たせないように、しっかりとした
姿勢でこれからの防衛のために大いにがんばっていただきたい。
以上申し上げて、質問を終わります。